1回目記事からの続きです→こちら
2-1・ASUSのモニターの比較
2回目記事のトップバッターは、台湾のエイスースのゲーミングモニターです。
同社も日本では、ゲーミング全般に強い印象のあるメーカーです。
1・格安ゲーミングモニターの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:LG〈韓国〉
1-3:BenQ〈台湾〉
1-4:イイヤマ〈日本〉
1-5:HP〈米国〉
2・格安ゲーミングモニターの比較 (2)
2-1:ASUS〈台湾〉
2-2:アイオーデータ〈日本〉
2-3:AOC〈台湾〉
2-4:TVS レグザ〈日本〉
3・格安ゲーミングモニターの比較 (3)
3-1:ACER〈台湾〉
3-2:JAPANNEXT〈日本〉
3-3:その他の製品〈各社〉
4・ゲーミングモニターの比較
4-1:最終的なおすすめの提案【結論】
1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」の説明に沿いながら比較していきます。
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なお、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2021年発売】
【24.5インチ】
19・ASUS TUF GAMING VG259QR
¥27,298 楽天市場 (5/5執筆時)
リフレッシュレート:最大165Hz
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA: 100mm
同期技術:G-SYNC Compatible
【27インチ】VG279QGL1A
20・ASUS TUF GAMING VG279QR
¥33,891 Amazon.co.jp (5/5執筆時)
リフレッシュレート:最大165Hz
スタンド:チルト
VESA: 75mm
同期技術:G-SYNC Compatible
【27インチ】
21・ASUS TUF GAMING VG279Q1R
¥29,355 Amazon.co.jp (5/5執筆時)
リフレッシュレート:最大144Hz
スタンド:チルト
VESA: 75mm
同期技術:FreeSync Premium
リフレッシュレート:最大144Hz
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:300cd/u
パネル: IPS ノングレア
コントラスト比 1000:1
応答速度:1ms(MPRT)
HDR:
USB給電:
接続端子:HDMI2.0×2 DP1.2
スピーカー: なし
保証期間: 3年間
VG259QRは、ASUSの販売する27インチのフルHDモニターです。
「TUF GAMING」というゲーム用の中級ラインのシリーズ名が付きます。
画面サイズほか、リフレッシュレート・スタンド・同期技術の部分の違いで、3機種のラインアップです。
液晶パネルは、(無印の)普通のIPSです。
視野角が広く、視認性も良い点で、近接視聴のPC用としては「目に優しい」と言えるパネルです。
仕事用として最も向くパネルです。
応答速度は、、GtoGの値は不明です。
基準が甘く値が大きく出るMPRT規格では1msですが、参考にできません。
いずれにしてもFast-IPSの水準には至らないパネルです。
色空間も、sRGBほかのカバー率の情報がないです。
IPSであるにせよ、パネル部分は、少し不安要素があります。
HDRは、非対応です。
最近の機種としては、やはり問題でしょう。
チラツキ対策は、機種によってAMD系と、NVIDIA系に分かれます。
Adaptive-syncも公式対応です。
画質面での補整機能は、ゲームの部分で充実します。
「ゲーム」では、暗部補正(Shadow Boost)ほか、残像感軽減のための黒挿入技術(ELMB)をASUSも備えます。
ELMBは、ASUSは、LEDの消灯ではなく、フレーム間に黒い画面を挿入する方式です。
ただ、Adaptive Syncと併用できない仕様です。
また、利用できるのは100Hz以上のレート時です。60Hz(60コマ/秒)だと、黒挿入はちらつく可能性があるからでしょう。
そのほか「目の優しさ」の部分では、フリッカー対策がありますし、「映像美」の部分でも、コントラスト強化はなされるので、劣る部分はないです。
FPSゲーム系に便利な機能も、他社同様に装備です。
接続端子は、HDMI1.4 ×2・DPという構成です。
HDMI2.0ではないので、DP以外だと、フルHDで120Hzまでのフォローです。
上表だと144Hzですが、先述のように、少し昔の仕様だと120Hzまででした。
ディスプレイスタンドは、角度や高さ回転に対応する、多機能アームが搭載されます。
チルトの可動範囲は他社機より広く、自由度は高いです。
スピーカーは、未付属です。
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以上、ASUSのVG259Qの紹介でした。
独自技術となるELMBなど独自性がある点、高性能スタンドを装備した点など、一定の見どころがある製品です。
Fast-IPS搭載機が最近は安くなっていることからしても、入門機敏江も、少し選びにくい感じの製品になっています。
HDRに対応しないのも、最近の製品としてはだいぶ残念です。
IPS液晶・高性能スタンドなど、欲しい機能をそつなくまとめた印象です。
【2021年発売】
【通常型番】
【24.5インチ】
22・ASUS VG258QR-R
¥24,515 楽天市場 (5/5執筆時)
【27インチ】
23・ASUS VG278QR-R
¥17,528 楽天市場 (5/5執筆時)
【特定店限定】
【24.5インチ】
24・ASUS VG258QR-J
¥25,677 Amazon.co.jp (5/5執筆時)
【27インチ】
25・ASUS VG278QR-J
¥23,980 Amazon.co.jp (5/5執筆時)
リフレッシュレート:最大165Hz
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:400cd/u
パネル: TNノングレア
コントラスト比: 1000:1
同期技術:G-SYNC Compatible
応答速度:0.5ms
HDR:
接続端子:HDMI×2 DP
USB給電:
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA: 100mm
スピーカー: 内蔵(2w×2)
保証期間: 3年間
VG278QR は、ASUSが販売するフルHDのゲーミングモニターです。
モニターのサイズのみが違う同一仕様の24.5インチ機も同時に紹介します。
リフレッシュレートは、最大165Hzです。
液晶パネルは、TNです。
他社でも書きましたが、(改良型のFast-TNを覗き)Fast-IPS登場で時代遅れになりつつある種類です。
チラツキ対策は、G-SYNC Compatibleに対応です。
AMD系は対応がないです。
応答速度は、0.5msの表記です。
最近は、Fast-IPSでも最大0.5ms表記があります。
ただ、そういったものは結構ピーキーです。
こちらはそもそもパネルが高速なTNの新パネルででてきた数字ですので、ある程度は信頼できるかと思います。
むろん、「選び方の基本」で書いたように、応答速度は過信せずほかの要素と複合的に評価すべきですあ。
画質面での補整機能は、さきほどの機種と同じです。
フリッカー対策ほか、暗部補正・残像感軽減技術(ELMB)などを備えます。
この部分は問題ないです。
接続端子は、HDMI1.4×2・DP1.2という構成です。
本機も、少し前にでた機種なので、HDMI1.4でも上表と違って120Hzまでです。
ただ、120HzあればPS5はOKなので、家庭用としてはこれでいい気もします。
ディスプレイスタンドは、本機も多機能スタンドです。
調整幅は、高さ13cm、チルト角度(上33° 下5°)、左右(180°)と、90度回転です。
他社の多機能スタンドに比べても、全方向に自在であり、優秀です。
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以上、ASUSのVG278QRの紹介でした。
現状でFast-IPSでもこの値段で手に入る現状からすると、やはり少し陳腐化してきたラインかなと思います。HDR非対応の部分もそう言えます。
スタンドの性能は目立つものの、現状だとターゲット層が分かりにくいと言えます。
【2022年発売】【24.5インチ】
(Amazon向け型番)
26・ASUS ROG Strix XG259CS-J
¥24,800 Amazon.co.jp (5/5執筆時)
(通常型番)
27・ASUSOG Strix XG259CS
¥29,160 楽天市場 (5/5執筆時)
(特定店向け型番)
28・ROG Strix XG259CS-R
¥29,160 楽天市場 (5/5執筆時)
リフレッシュレート:最大180Hz
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:400cd/u
パネル: Fast-IPS ノングレア
コントラスト比: 1000:1
同期技術:FreeSync
応答速度:1ms(GtoG)
HDR:HDR 400
接続端子:HDMI2.0×2 DP1.4 USB-C
USB給電:
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA: 100mm
スピーカー:
保証期間: 3年間
XG259CS-Jは、ASUSが販売するゲーミングモニターの上位機です。
ROG Strixは同社のゲーミング機器では「TUF GAMING」より上位の製品に名付けられるシリーズ名です。
3種類の型番がありますが、流通ルートの違いです。保証部分を含めてスペックは同じです。
サイズは、24.5型です。
なお、このシリーズの27型フルHDは、リフレッシュレートが高いので【高リフレッシュレートモニターの比較記事】のASUS編の方で書いてます。
リフレッシュレートは、最大180Hzです。
パネルは、Fast-IPSです。
応答速度面での問題が解決されたIPSパネルです。
応答速度は、したがって、1ms(GtoG)です。
色域は、(基準の緩い)eRGB 110%のみの表記です。
動画向けのDCI-P3のカバー率は不明です。
ただ、おそらくAUOのパネルでしょうし、このスペックの場合、恐らく(広色域パネルとは言えないものの)平均よりは「ちょい上」になるかとは思います。
HDRは、輝度ピークが高めで、HDR400に対応です。
映像美の点でもやや配慮があります。
1・FreeSync
=チラツキ・レスポンス改善
2・FreeSync Premium
+ カクツキ(LFC)防止
3・FreeSync Premium Pro
+HDR使用時も対応
チラツキ対策は、無印のFreeSyncです。
最近は、フルHDだと上位対応は(超高リフレッシュレート機を除いて)減っています。
画質面での補整機能は、本機も、フリッカー対策ほか、暗部補正・残像感軽減技術(ELMB)などを備えます。
一方、同社独自のモーションブラー対策のELMB(Extreme Low Motion Blur)について、ELMB SYNCに対応です。
この場合、固定周波数でなく、Adaptive-Sync(FreeSync)と併用可能であり、ELMBより上位です。
接続端子は、HDMI2.0×2 DP1.4 USB-Cという構成です。
どの接続法でも、最大リフレッシュレートは対応です。
USB-C端子は、一方、ノートPCへの給電は不可です。
スタンドは、多機能スタンドです。
可動幅は、高さ(12cm)、チルト角度(上20°/下5°)、左右(90°)と、90度回転です。
十分かと思います。
保証は、3年間です。
ASUSは、一部上位機(PGシリーズ・PAシリーズ)には、無輝点保証があります。ただ、本機はありません。
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以上、ASUSのXG259CS-Jの紹介でした。
Fast-IPS採用機で、しっかりしたスタンドとHDR400対応である上で、ELMB SYNCというメーカー独自要素がある点で、「選ぶ理由」が多い製品です。
FreeSyncの部分は若干残念ですが、ライト層ならばこれでも十分でしょう。
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【2023年発売】
【24.5インチ】
29・ASUS TUF Gaming VG249QL3A
¥24,381 楽天市場 (5/5執筆時)
輝度:350cd/u
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
【24.5インチ】
30・ASUS TUF Gaming VG249Q3A
¥24,800 楽天市場 (5/5執筆時)
【23.8インチ】
31・ASUS TUF Gaming VG249Q3R
¥24,981 楽天市場 (5/5執筆時)
輝度:250cd/u
スタンド:チルト
リフレッシュレート:最大180Hz
解像度:フルHD(1920×1080)
パネル: Fast-IPS ノングレア
コントラスト比: 1000:1
同期技術:FreeSync Premium
応答速度:1ms(GtoG)
HDR:
接続端子:HDMI2.0×2 DP1.2
USB給電:
VESA: 100mm
スピーカー: 内蔵(2w×2)
保証期間: 3年間
なお、VG249QL3Aは、先ほどの機種の下位機にあたります。
同社のゲーミング向けの入門機グレードとなるTUF Gamingシリーズの製品です。
リフレッシュレートは、しっかり、最大180Hzの製品です。
パネルは、Fast-IPS表記です。
本機も、応答速度は1ms(GtoG)と速いです。
ただ、輝度は、先ほどの機種(400cd/u)よりも落としてます。
特に、下位仕様は、標準輝度が250cd/uと明らかに低めです。
そのほか、色域も(恐らく)低めのパネルでしょう。
HDRも、非対応です。
チラツキ対策は、FreeSync Premiumです。
こちらは、逆に先ほどの機種より良いですが、これは、発売時期が早かった関係でしょう。
画像補正は、一方、ELMBには対応ですが、ELMB SYNCの対応はないです。
スタンドは、上位機のみ、フル稼動です。
可動幅は、チルト(上23° 下5°)、左右(30°)、高さ(12cm)と縦回転です。
あとは、1つ上の製品とは、端子構成の違いで、USB-C接続に対応しないほどの違いです
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結論的にいえば、一般ユーザー向けに言えば、(意味なしに)現状でHDRに対応しないのは、やはり、残念感があるため、あまりおすすめしません。
【2024年発売】【15.6インチ】
32・ASUS ZenScreen MB16AHG
¥43,754 Amazon.co.jp (5/5執筆時)
リフレッシュレート:最大144Hz
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:300cd/u
パネル: IPS ノングレア
コントラスト比: 1200:1
同期技術:Adaptive-Sync
応答速度:3ms(GtoG)
HDR:
接続端子:Mini-HDMI USB-C×2
USB給電:
スタンド:
VESA:
スピーカー: 内蔵(1w×2)
保証期間: 3年間
ZenScreen MB16AHG は、ASUSのポータブル型のゲーミングモニターです。
モニター解像度は、フルHDで1920×1080です。
リフレッシュレートは、最大144Hzです。
リフレッシュレートが高めで、ゲームにも使えますが、どちらかといえば、仕事用として売られている感じもあります。
ノートPC向けのパネルの流用といえる製品で、形状的には、タブレットでよく見るような、カバー兼用の台座が付属します。
一方、バッテリーは内蔵されないので、外部電源は必要という機種です。
重さは、920gです。
スタンドは700gほどですので、合わせても持ち運べます。持ち運びやすいように、スリーブケースが付属です。
モニター解像度は、フルHDで1920×1080です。
パネルは、無印のIPSです。
コントラスト比は1200:1で、平均より多少よいです。
輝度は、300cd/uです。
色域は、DCI-P3のカバー率は非開示です(sRGB 100%)
とはいえ、広色域ではないですが、普通の仕事用のサブモニターと考えれば問題ないです。
応答速度は、3ms(GTG)の表記です。
遅くはないですが、Fast-IPSではないです。
チラツキ対策は、Adaptive-Syncです。
画質面での補整機能は、ゲーム系の機能は同社のGamePlusが一応あります。
接続端子は、Mini-HDMI USB-C×2という構成です。
USB-Cは、ゲーム端末ほか、Android系端末などで、DPとして稼働できるDP Altモードをサポートしていれば、その外部モニターとしても利用できます。
iOS系は、HDMIアダプタ(カメラアダプタ)を使えば使える可能性はあるでしょうが、基本的に想定はしていないと思います(無保証)
HDMIは、HDMI2.0クラスなので、144Hzも本機は通ります。
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以上、ASUSのVG279QRの紹介でした。
自宅で利用する小型端末としてはやはり高価ですし、基本的にはポータブルしたい方向けの製品です。そのような用途の製品で、高リフレッシュレート対応は珍しいので、ニーズはあると思います。
2-2・アイオーデータのモニターの比較
続いて、日本のアイオーデータの製品です。
三菱電機の液晶モニター部門を吸収して、プレゼンスを高めた日本のPC周辺機器メーカーです。
【2024年発売】
【23.8インチ】
(3年保証)
34・IODATA GigaCrysta EX-GD241JD
¥22,980 Amazon.co.jp (5/5執筆時)
34・IODATA GigaCrysta KH-GD241JD
¥22,800 楽天市場 (5/5執筆時)
34・IODATA GigaCrysta DI-GD241JD
¥22,800 楽天市場 (5/5執筆時)
(5年保証)
35・IODATA GigaCrysta LCD-GD241JD
¥32,800 楽天市場 (5/5執筆時)
【27インチ】
(3年保証)DI-GD271JD
36・IODATA GigaCrysta EX-GD271JD
¥29,980 Amazon.co.jp (5/5執筆時)
36・IODATA GigaCrysta KH-GD271JD
¥29,980 楽天市場 (5/5執筆時)
(5年保証)
37・IODATA GigaCrysta LCD-GD271JD
¥36,490 楽天市場 (5/5執筆時)
リフレッシュレート: 最大180Hz
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:350cd/u
パネル: ADSノングレア
コントラスト比: 1000:1
同期技術:G-SYNC Compatible
応答速度:1ms (GtoG)
HDR:HDR 10
USB給電:
接続端子: HDMI2.1 HDMI1.4×1
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA: 100mm
スピーカー:1W×2
保証期間: 3年/5年(無輝点保証)
GigaCrysta EX-GD241JDは、アイオーデータが販売する格安なゲーミングモニターです。
複数ありますが、流通ルートで型番を分けているだけで、保証期間以外は同じです。
また、27インチ機もありますが、以下で見るようなスペックは同じとなります。
モニター解像度は、フルHDで1920×1080です。
ベゼルは、3辺フレームレスです。
リフレッシュレートは、最大165Hzです。
パネルは、ADSです。
IPSとADSは正確に言えば、中身の仕組みが少し異なりますが、表示傾向は同じです。
ADSは、中国大手のBOEが生産しています。
TVパネルや一般用PCモニターなどで採用歴が長く、IPS系の生産では世界屈指の大企業の1つです。
パネルは輝度は350cd/uですが、色域が非開示です。
おそらく、DCI-P3のカバー率で80%前後で、広色域ではないパネルです。
応答速度は、180Hzでオーバードライブ(レベル3)時、最大1ms(GtoG)です。
BOEはネイティブで5msを保証する「Fast-IPS(Fast-ADS)」があるので、それかと思います。
HDRは、HDR10対応です。
ゲーム側がHDR対応ならば、輝度表現が向上します。
ただし、HDR400などの上位規格には対応しません。
チラツキ対策は、G-SYNC Compatibleです。
AMD系のカードの場合は、Adaptive-Syncは当然フォローされるので、DP接続ならば、問題ないです。
画質面での補整機能は、わりとユニークです。
「ゲーム」については、他社機のような黒挿入技術は未搭載です。
ただ、以下の2つの機能は注目に値します。
第1に、「スルーモード」です。
三菱時代からみられた技術ですが、画像処理の一部をスルーすることで、処理による遅延を防ぐ(約0.303ミリ秒)技術です。
数字的にも、遅延時間を確認できます。
液晶テレビの「ゲームモード」と似たような仕組みです。ただし、とくに動いていない部分の画質が劣化します。
なお、 FreeSync 利用時は、後述のスルーモードがONで固定です。
第2に、「バーストモード」です。
画質は、完全に無視ですが、オーバードライブの「2段ブースト」がでできます。
なお、先述のオーバードライブ時の速度は、これをふまえた数字ではない(LV3)なので、もっと速いということです。
一方、「映像美」に関わる技術として「超解像技術」「エンハンストカラー」、コントラストを強化する「CREX」、ゲーム用の暗部強化技術として「Night Clear Vision」など、映像補整機能は、ゲーミングモニターのなかでも、相当充実します。
ある種、テレビに近いと言える仕様です。超解像技術については、「スルーモード」でも有効とのことです。
「目の優しさ」については、チラツキ防止のフリッカー対策はありますし、最低限の性能はあります。
接続端子は、HDMI2.1 HDMI1.4×1が付属します。
HDMIは、1ポートのみHDMI2.0で、120Hzを超える高解像度対応となります。あとは、HDMI1.4です。少し前にでた機種の場合、HDMI1.4だと120Hzまでの場合が多く、本機もそうです。
先述のように、基本的に可能な限りにおいて、PCとはDPポートをつなげた方がよいです。
ディスプレイスタンドは、フル稼働の「パーフェクトスタンド」です。
高さ(11cm)・角度(上26° 下3°度)、左右(130°)と、ASUSに比べると稼働幅は標準ですが、十分以上の性能です。この部分で「目に優しい」機種です。
VESA規格も対応です。
保証は、3年と5年と選べます。
一方、どの機種も無輝点保証が付属します。
ただ、1ヶ月のみなのでベンキューと同じ水準ですので、そこまで意義は強調できないものです。
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以上、アイオーデータの EX-GD241JDなどの紹介でした。
三菱時代のTV技術を大いに活かした、ゲーミングモニターに思えます。
ゲーミングほか、映像の視聴も視野に入れたマルチメディア用途にはわりと向くでしょう。仕事にも視野角の部分で問題ないと思います。
一方、ゲーム部分では、黒挿入技術はないですが、「スルーモード」と「FreeSync」の同時利用できるため、入門機としては面白みがあります。
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【2020年発売】
【23.8インチ】
(3年保証 FreeSync Premium)
38・IODATA EX-LDGC243HDB
¥27,060 Amazon.co.jp (5/5執筆時)
(5年保証 G-SYNC Compatible)
38・IODATA LCD-GC243HXDB
¥31,240 楽天市場 (5/5執筆時)
リフレッシュレート: 最大165Hz
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:350cd/u
パネル: ADSノングレア
コントラスト比: 1000:1
同期技術:G-SYNC or FreeSync
応答速度:1ms (GtoG)
HDR:HDR 10
USB給電:
接続端子: HDMI2.0 HDMI1.4×2 DP1.2
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA: 100mm
スピーカー:2W×2
保証期間: 3年/5年
なお、旧機が少し残ります。
リフレッシュレートがやや低く、HDMI・DPの世代の部分を除けば、目立った違いはないです。
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結論的にいえば、PCとつなげる分には、安いうちは、旧機でも良いかと思います。
2-3・AOCのモニターの比較
続いて、台湾のAOCのモニターです。
米国起源のPC周辺機器メーカーで、色域に注目した機種が多いのがメーカー的な特徴です。
【2023年発売】
【23.8インチ】
39・AOC 24G4/11
¥19,818 Amazon.co.jp (5/5執筆時)
【27インチ】
40・AOC 27G4/11
¥21,616 Amazon.co.jp (5/5執筆時)
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
【2023年発売】
【23.8インチ】
41・AOC 24G4E/11
¥16,790 Amazon.co.jp (5/5執筆時)
【27インチ】
42・AOC 27G4E/11
¥20,000 Amazon.co.jp (5/5執筆時)
スタンド:チルト
リフレッシュレート:最大180Hz
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:300cd/u
パネル: Fast-IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
同期技術: AdaptiveSync
応答速度:1ms (GtoG)
HDR:HDR10
USB給電:
接続端子:HDMI2.0 DP1.4
VESA: 100mm
スピーカー:
保証期間: 1年(本体は3年)
AOC 24G4/11は、台湾のAOCの発売する入門向けのモニターです。
画面サイズは、23.8インチと27インチがあります。
また、スタンドの稼働性の違いで系統が分かれますが、パネルほかのスペックは同じです。ので、同時にみていきます
リフレッシュレートは、最大180.0Hzです。
入門機としては割と高めです。
液晶パネルは、Fast-IPSです。
応答速度は、したがって、最大1ms(GtoG)をしっかり達成します。
輝度は300cd/u、色域は、動画向けのDCI-P3で102%です(23.8型で103%)。
AOCのゲーミング用モニターは、色域の広さを重視する機種が多いです。
同社は「スーパーカラー」と表現しています。
コントラスト比も、DCRでの拡張もできており、テレビ的です。
応答速度は、1ms(GtoG)です。
チラツキ対策は、Adaptive-Syncとの表記されます。
DPの場合に限り、各社の「最下位」の対策は利用できることを意味します。
HDRは、HDR10として対応です。
画質面での補整機能は、黒挿入技術など、上位技術は未採用です。
「ゲーム用」に、暗部補正(シャドウコントロール)がみられる程度です。
「目の優しさ」についても、最低限、フリッカー対策はなされる程度です。
接続端子は、HDMI D-sub Display portという構成です。
ディスプレイスタンドは、フル稼動です。
調整幅は、高さ13cm、チルト(上23° 下5°)左右60°と縦回転です。
範囲としてみても優秀です。
保証期間は、3年ですが、パネルの保証が1年保証です。
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以上、AOCの24G4/11などの紹介でした。
AOCのIPS系は、スペック上色域が広い機種が多いですが、本機もそうです。
格安機ですがその方面の個性は感じるので、応答速度が高い部分ほか、その部分も重視して考えるならば、選択肢に入ってきそうです。
2-4・TVS レグザのモニター
続いて、TVSレグザのPCモニターです。
2024年からソニーに続いてのテレビメーカーの参入でした。
【2024年発売】
【23.8インチ】
43・ TVS REGZA RM-G245N
¥21,200 Amazon.co.jp (1/6執筆時)
リフレッシュレート:最大180Hz
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:280cd/u
パネル:Fast-IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
同期技術:AdaptiveSync
応答速度:1ms (GtoG)
HDR:HDR10
USB給電:65W
接続端子:HDMI2.0 ×2 DP
スタンド:チルト
VESA: 75mm
スピーカー:
保証期間: 1年
RM-G245Nは、 TVS REGZAが販売する27インチのゲーミング用モニターです。
リフレッシュレートは、最大180Hzです。
FHDでは高リフレッシュレートといえるスペックです
液晶パネルは、Fast-IPSのノングレアです。
応答速度は、もちろん1msです。
他のスペックは、ただ、輝度(280cd/u)、コントラスト比(1000:1)、色域(P3 90%以下)です。
輝度の数字の刻みが変則的なのがやや気になりました。あとのスペックはあまり強調できず、IPSのスタンダードの域を出ません。
ただ、ゲーミング用に必要十分なスペックではあります。
HDRは、HDR400の水準で対応です。
チラツキ対策は、AdaptiveSyncのみです。
画質面での補整機能は、クロスヘア、暗部強調など、基本と言える機能性は見られます。
よりシンプルなゲームモードも準備して、初心者向けには優しそうです。
ただ、いわゆる暗部強調や、黒挿入技術などの採用はないです。
フリッカー対策などはありますが。
接続端子は、HDMI2.0が2系統とDisplayPort 1.4です。
HDMIだと、144Hzまでです。
それ以上で利用したい場合、DPを使います。
ディスプレイスタンドは、チルト稼働のみです。
保証期間は、1年です。
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以上、TVS REGZA RM-G245Nの紹介でした。
Fast-IPSですが、そこまでパネルスペックが良くない製品です。
大手ブランドですが、独自機能がほぼみられません。ただ、価格はブランドの名前を関したものとすれば安いので、選択肢とできるとすればその部分です。
PCモニターとしては、保証年数も課題と言えます。
評価を覆すような新製品を期待したいです。
次回につづく!
入門用ゲーミングモニターのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、入門グレードのゲーミングモニターの比較の2回目記事でした。
しかし、記事はもうすこしだけ「続き」ます。
3・格安ゲーミングモニターの比較 (3)
3-1:ACER〈台湾〉
3-2:JAPANNEXT〈日本〉
3-3:その他の製品〈各社〉
4・ゲーミングモニターの比較
4-1:最終的なおすすめの提案【結論】
続く3回目記事(こちら )では、今回紹介できなかったAcerなどの製品をみていきます。
1・液晶のみやすさ ★★★★★
2・スタンドの性能 ★★★★★
3・応答速度 ★★★★★
4・リフレッシュレート ★★★★★
5・品質保証 ★★★★★
6・総合評価 ★★★★★
その上で、最終回となる結論編(こちら)で、今回紹介した製品を含めて、Atlasのおすすめ機種を提案していきたいと思います。
引き続きよろしくお願いします。
3回目記事は→こちら