今回のお題
ビジネス向けのカラープリンタのおすすめ機種はどれ?
どもAtlasです。
今日は、2023年1月現在、最新の「A4ビジネスインクジェット」の比較の2回目記事です。
1・A4ビジネスプリンターの比較 (1)
1-1:エプソン〈日本〉
1-2:ブラザー〈日本〉
2・A4ビジネスプリンターの比較 (2)
2-1:キヤノン〈日本〉
2-3:リコー 〈日本〉
2-3:HP〈米国〉
3・ビジネスプリンターの比較 【結論】
=最終的なおすすめ機種の提案
前回に引き続き、キヤノン・リコー・HPの販売する製品をみていきます。
ただ、「ビジネスインクジェットの選び方の基本」は、1回目記事の冒頭で書きました。
そのため、お時間のある方は、1回目記事(こちら)からお読みいただければ、より分かりやすいかと思います。
よろしくお願いします。
インクコスト ★★★★★
画質(普通紙)★★★★★
画質(写真) ★★★★★
印刷スピード ★★★★★
耐久性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下ではいつものように、各社の製品を順番に紹介します。
そして、最後に、上表のような観点から、Atlasの「おすすめ機種」を選定していきたいと思います。
2-1・キヤノンのプリンター
はじめに、キヤノンのA4ビジネスインクジェットを比較します。
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なお、以下ではいつものように、高評価できる点は「赤色」、イマイチな点は「青色」の文字色で説明をしていきます。
Windows 7〜11 Mac 10.8〜13
【2019年発売】【A4プリンタ】
19・キヤノン MAXIFY iB4130
¥14,300 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
耐久性能:公表なし
インク代:カラー6.1円・モノクロ1.8円
印刷速度:カラー15.5枚/分・モノクロ24枚/分
接続方法:無線LAN 有線LAN USB
両面印刷:搭載
給紙容量:500枚(250枚×2段)
スキャナ:
ADF:
FAX:
サイズ:幅463×奥行394×高さ290mm
MAXIFY iB4130 は、キヤノンのA4ビジネスインクジェトです。
こちらは、プリンタ機能のみを持つ機種です。
本体のサイズは、幅463×奥行394×高さ290mmです。
スキャナ・コピー機能が省略されている分、本体はミニマムですね。対応する用紙はA4サイズまでです。
プリント速度は、カラー15.5枚/分、モノクロ24枚/分です。
黒印刷の快適性は特に強調して良いでしょう。
キヤノンは、印字速度に従来から定評があり、ファーストプリントの速度もカラー7秒と高速です。
両面印刷時も、モノクロ13枚/分と速いです。
印刷品質は、エプソンと同じように、全色顔料インクである点は、この機種の大きな魅力です。
ビジネス文書において重要な「文字のみやすさ」の点はエプソン同様に水準が高いでしょう。
ただし、普通紙でも600dpiの解像度を出せる新型のプリントヘッドを搭載するエプソンに比べると、画質の点では多少劣るでしょう。
【黒2500ページ・カラー約1500ページ】
ブラック 大容量 PGI-2300XLBK
¥3,936 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
マゼンダ 大容量 PGI-2300XL
¥1,094 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
印刷コストは、カラー6.1円・モノクロ1.8円です。
顔料インクを採用するエプソンと比べても、「安い」と言って良い水準でコスパはかなり良好です。
スキャナ・コピー・ファックス機能は非搭載です。自動両面印刷は搭載されます。
給紙トレイへの給紙は、この機種は2段トレイを装備し、250枚ずつ計500枚まで対応します。
業務用で用紙を使い分けるなどの場合便利でしょう。
PCとの接続方法は、無線・有線LANなど、他社製品に備わる機能は網羅されます。
スマホとの連携も可能です。
耐久性は、ブラザー同様に非公開です。 このあたりは、エプソンが進んでいますね。
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以上、キヤノンのMB2330の紹介でした。
比較的高速なヘッドで、全量顔料インクを採用した、低コストプリンタとして魅力です。
500枚の給紙が可能である点もビジネス向きです。単機能のプリンタしか必要ないが、大量に印刷する方には利便性が高い機種ですね。
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Windows 7〜11 Mac 10.10〜13
【2019年発売】【A4プリンタ】
20・キヤノン PIXUS TR703
¥20,998 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
耐久性能:公表なし
インク代:カラー9.6円・モノクロ3.4円
印刷速度:カラー10枚/分・モノクロ15枚/分
接続方法:無線LAN 有線LAN USB
両面印刷:搭載
給紙容量:250枚
スキャナ:
ADF:
FAX:
サイズ:幅372×奥行365×高さ158mm
なお、キヤノンは、同社の家庭用系統となるPIXUS TR703を2019年ビジネス用の入門機として新しくラインナップしています。
この場合、インクは、黒インクについて、顔料と染料がWで利用できるため、写真印刷はより得意です。
ただ、印刷コストは、その分高いですし、ビジネス用としては、本体の耐久力も明示されません。
実際、こうした「写真も得意」なタイプを選びたいならば、【家庭向けA4インクジェットプリンターの比較記事】で紹介した、同社の家庭向け5色インクジェットプリンタなどを選んだ方が、(コスト面を含めて)良いと思います。
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結論的にいえば、このモデルはあくまで「家庭用」をビジネスインクジェットという名前に換えただけの類のもので、ビジネスインクジェットとして専用設計されたモデルには、及ばない部分が多いです。
Windows 7〜11 Mac 10.8〜13
【2016年発売】【A4複合機】
21・キヤノン MAXIFY MB2730
¥19,064 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
耐久性能:公表なし
インク代:カラー6.1円・モノクロ1.8円
印刷速度:カラー15.5枚/分・モノクロ24枚/分
接続方法:無線LAN 有線LAN USB
両面印刷:搭載
給紙容量:500枚(250枚×2段)
スキャナ:1200dpi
ADF: 片面・50枚
FAX:搭載
サイズ: 幅463×奥行389×高さ320mm
MAXIFY MB2730 は、キヤノンのA4ビジネスインクジェトの中位機種なります。
先ほどの機種と異なり、コピー・スキャン・ファクスの機能も付属する複合機です。
本体サイズは、 幅463×奥行389×高さ320mmです。
先ほどの製品より少し高さがあります。
プリント速度は、カラー15.5枚/分、モノクロ24枚/分です。
この点は、MB2330と変わりません。
印刷品質と印刷コストも、使用するインクが同じであるため、MB2330と同じです。
スキャナ・コピー機能は、画質は期待して良いレベルです。
品質の良い1200dpiのスキャナを搭載するからです。
ADFは、片面ながら、50枚まで給紙できるものが装備されます。
速度は、上表のようにそこそこ出せます。
ただ、キヤノンは、かなりモーターに不可をかけた速度のようで、300dpiでの50枚以上の連続取込すると「1枚ごとに数十秒」という非実用的な速度になります。
こういった制限は、他社の場合、あまりみられませんが、いずれにしても、大量にはこなせません。
ファックス機能は、こちらも搭載です。
高速通信規格のスーパーG3ファックスや、PCでの送受信などにも対応できます。
ただ、カラー液晶パネルは付属しますが、Faxをプリンター自体の液晶で確認することには非対応です。
自動両面印刷は、こちらも搭載されます。
給紙トレイへの給紙は、下位機種と仕様は共通です。
2段トレイを装備し、250枚ずつ計500枚まで対応します。
増設はできませんが、不便はないでしょう。
PCとの接続方法は、下位機種と同様です。
本機も無線LANが搭載され、スマホ・タブレットからのプリントも可能です。
耐久性は、やは明示されません。
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以上、MAXIFY MB2730の紹介でした。
全色顔料インク採用で高いコスパを誇るモデルとして、エプソンの2段トレイ装備の PX-M781Fの「ライバル」と言える機種です。
印刷速度など互いに優位な部分があり、甲乙付けがたい部分はありますが、EPSONが両面ADFを採用して入る点、耐用枚数を明示している点でやや分があるかな?と思います。画質も多少エプソンが上回りそうです。
ただ、インクのコスパは割引率をふまえてもキヤノンは優秀ですので、その部分を重視した場合、軍配はこちらでしょう。
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Windows 7〜11 Mac 10.8〜13
【2016年発売】【A4複合機】
22・キヤノン MAXIFY MB2130
¥16,136 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
耐久性能:公表なし
インク代:カラー9.8円・モノクロ3.4円
印刷速度:カラー13枚/分・モノクロ19枚/分
接続方法:無線LAN 有線LAN USB
両面印刷:搭載
給紙容量:250枚
スキャナ:1200dpi
ADF: 片面・50枚
FAX:搭載
サイズ: 幅463×奥行389×高さ260mm
なお、この機種には、MB2130という下位機種があります。
こちらも複合機ですが、印刷スピードがカラー13枚/分、モノクロ19枚/分と遅いほか、大容量インクが利用できないため、印刷コストが割高です。トレイも1段のみです。
そうなると、特段目立つ部分がないため、やや見どころに欠けます。
Windows 7〜11 Mac 10.8〜13
【2016年発売】【A4複合機】
23・キヤノン MAXIFY MB5130 【1段】
¥24,109 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
24・キヤノン MAXIFY MB5430 【2段】
¥29,164 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
耐久性能:公表なし
インク代:カラー6.1円・モノクロ1.8円
印刷速度:カラー15枚/分・モノクロ24枚/分
接続方法:無線LAN 有線LAN USB
両面印刷:搭載
給紙容量:500枚(250枚)
スキャナ:1200dpi
ADF: 両面・50枚
FAX:搭載
サイズ:幅463×奥行394×高さ351mm
MAXIFY MB5130とMB5430は、キヤノンのビジネスインクジェトの上位機です。
2機種ありますが、差はトレイの数だけです。
上位機種は2段トレイ(500枚)が付属します。
A4とB5を使い分けるなどの場合は便利だと思います。
一方、1つ上で紹介したMB2730 との差はADFの部分だけです。
ADFは、本機の場合、CISセンサー上下2本つき、両面同時スキャン対応です。
50枚までストックできます。
一方、両面の場合、上表のように、速度が半減します。本機もセンサー2本なので、原稿を裏返してセンサーに通すようなわけではなく、単純に処理速度の関係です。
例えば、片面だとカラー11.5面/分なのが、両面だと6面/分と半減します。
面換算(ipm)だと、両面でもエプソンは速度が落ちないので、やや弱いと言えるでしょう。加えて、下位機種同様に、本機も、50枚以上の連続取込は、モーターの加熱を避けるためにスピードをかなり落とします。
エプソンの両面ADF搭載機より安いですし、値段的には仕方ないかもしれません。
他社機も含めてですが、この部分を重視する場合は、、【ドキュメントスキャナの比較記事】のような、専用のスキャナを単体で買っても良いでしょう。
【黒2500ページ・カラー約1500ページ】
ブラック 大容量 PGI-2300XLBK
¥3,936 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
マゼンダ 大容量 PGI-2300XL
¥1,094 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
インクは、下位機種同様に、大容量タイプが使えます。同じインクなので、印刷コストは同じです。印刷スピードも同じです。
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以上、キャノンのMAXIFY MB5130とMB5430の紹介でした。
この機種も、エプソンの2段トレイ装備の PX-M781Fの「ライバル」と言えそうです。印刷コスト面はこちらが優秀ですが、耐久力の明示と、画質はややエプソンが有利でしょう。
また、凹凸部分を含んだ設置性や、デザイン性はエプソンも少し勝るでしょう。
2-2・リコーのプリンター
つづいて、リコーのビジネスプリンターです。
レーザーのイメージですが、業務用として、「ジェルジェットプリンタ」という製品群をだしています。
デンキヤでは見かけないですが、紹介します。
Windows 7〜10 Mac 10.8〜13
【2017年】【A4プリンター】
25・リコー RICOH SG 3200
¥28,480 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
耐久性能:15万ページ
インク代:
印刷速度:カラー29枚/分・モノクロ29枚/分
接続方法:無線LAN・有線LAN・USB
両面印刷:搭載
給紙容量:250枚
スキャナ;
ADF:
FAX:
サイズ: 幅399×奥行360×高さ212mm
SG 3200 は、リコーのジェルジェットプリンタのエントリークラスの製品です。
本体のサイズは、幅399×奥行360×高さ212mmです。
本機は、複合機ではないので、高さは低めですし、設置性は良いです。
プリント速度は、カラー29枚/分、モノクロ29枚/分です。
この部分はジェルジェットプリンタの利点で、印刷速度は、業界最速級です。
立ち上がりの速さも高速です。
印刷品質は、本機は少し特殊です。
全量とも顔料系のインクですが、「GELJET ビスカスインク」という、粘度が高い特性のインクです。
この場合、顔料系にも増して乾燥が速く、にじみにくい特性があります。
一方、ジェルジェットの場合、ヘッドが大きくしやすく、高速印刷できる利点がある一方、1色あたりのノズル数が384ノズルと、他社(キヤノンなど)の1/3程度の数となります。
そのため、解像度的には、最高1200dpiで、滴下もエプソンと同クラスの最小2plですが、(写真的な意味での)印字品質は、インクジェットに及びません。
ようするに、「ビジネスカラー文書」に最適化されています。
その意味では、耐水性ほか、50年という高耐光性などは、メリット性です。
【黒2000ページ・カラー1900ページ】
SGカートリッジ ブラック GC 41K
SGカートリッジ シアン GC 41C
SGカートリッジ マゼンタ GC 41M
SGカートリッジ イエロー GC 41Y
¥4,880 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
印刷コストは、一方、リコーは、数値としては非開示です。
そのため、カードリッジの実勢価格と、印刷枚数からの推定ですが、カラー8円・モノクロ1.9円です。
本体価格が同じ他社機と比べて「だいたい並ぶ」と言えます。
ただ、他社機もインクは、定価から「割引販売」をするわけで、本機の場合、インクのセット販売もないため、抜きんでて安いわけでもないです。
250枚増設トレイ TK1150
¥13,320 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
給紙トレイへの給紙は、250枚まで対応です。
また、250枚の増設トレイが最大2段まで取付可能です。
PCとの接続方法は、USB・LANのほか、無線LANも選択可能です。
スマホアプリが用意され、そちらからの印刷も可能です。
耐久性は、15万枚と十分な強度です。
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以上、リコーのSG 3200の紹介でした。
高速性ほか、速乾性(にじみにくい特性)と耐光性が評価できる一方で、画質面は、(顔料系をふくむ)インクジェットより落ちるといえます。
基本的に、法人向けに販売されているモデルですし、複合機ではない機種であるという部分も含めて、本体価格は少し高めです。
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【2017年】
【A4プリンター・保証安心3年モデル】
Windows 7〜10 Mac 10.8〜13
26・リコー RICOH SG 2200
¥29,900 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
耐久性能:10万ページ
インク代:
印刷速度:カラー25枚/分・モノクロ25枚/分
接続方法:無線LAN・有線LAN・USB
両面印刷:非対応
給紙容量:250枚
スキャナ;
ADF:
FAX:
サイズ: 幅399×奥行360×高さ212mm
なお、本機の姉妹機となる SG 2200については、印刷速度が、25枚/分と上位機よりすこし落ち、耐久性についても、10万枚です。
この部分は(まあ)良いのですが、両面印刷が未搭載になるので、ビジネス用としては微妙でしょう。
Windows XP〜10 Mac 10.5〜13
【2013年】【A4複合機】
27・リコーRICOH SG 3120SF
¥56,100 楽天市場 (1/22執筆時)
耐久性能:15万ページ
インク代:
印刷速度:カラー29枚/分・モノクロ29枚/分
接続方法:無線LAN 有線LAN USB
両面印刷:搭載
給紙容量:250枚
スキャナ:600dpi
ADF:片面・30枚
FAX:搭載
サイズ: 幅399×奥行437×高さ330mm
SG 3200 は、リコーのジェルジェットプリンタ複合機です。
【黒2000ページ・カラー1900ページ】
SGカートリッジ ブラック GC 41K
SGカートリッジ シアン GC 41C
SGカートリッジ マゼンタ GC 41M
SGカートリッジ イエロー GC 41Y
¥4,880 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
利用するインクは、SG 3200と同じで、印刷速度・品質なども同じです。
一方、 スキャナ・コピー・FAX機能が追加されます。
ただ、この値段で、ADFが片面など、2013年発売という設計面の古さが、顕著です。
Wi-Fiも実用上問題ないとは言え、IEEE 802.11b/g/nで、無線LANも100BASE-Tですし、現状では、選びにくい製品です。
Windows 7〜10 Mac 10.12〜13
【2021年】
【A4プリンター・フロント手差しトレイなし】
28・リコー RICOH SG 5200
¥43,210 楽天市場 (1/22執筆時)
【A4プリンター・フロント手差しトレイあり】
29・リコー RICOH SG 5200
¥55,890 楽天市場 (1/22執筆時)
耐久性能:45万ページ
インク代:
印刷速度:カラー30枚/分・モノクロ30枚/分
接続方法:無線LAN 有線LAN USB
両面印刷:搭載
給紙容量:250枚
スキャナ:
ADF:
FAX:
サイズ: 幅509×奥行485×高さ263mm
RICOH SG 5200 は、リコーのジェルジェットプリンタの上位機です。
本機は、本体自体を堅牢に設計し直したモデルです。
本体サイズは、幅509×奥行485×高さ263mmと大型化しますが、その分、45万ページという耐久性を持たせることに成功しています。
その他の部分は、増設トレイが500枚(TK1250)が3段までとなっている点以外は、下位機種と大きな違いはないです。
【黒2000ページ・カラー1900ページ】
SGカートリッジ ブラック GC 42KH
SGカートリッジ シアン GC 42CH
SGカートリッジ マゼンタ GC 42MH
SGカートリッジ イエロー GC 42YH
¥6,370 楽天市場 (1/22執筆時)
印刷コストは、本機も非開示です。
カードリッジの実勢価格と、印刷枚数からの推定すれば、カラー6円・モノクロ1.9円です。
下位機種に比べると、Lサイズの大容量カードリッジ利用できるため、コスパは少し上です。
ただ、一度の交換にかかるコストは高いですし、ジェルジェットインクも、乾燥と無縁ではないので、「使い切る期間」を考えると、毎日印刷ような業務用と言えます。
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以上、 RICOH SG 5200の紹介でした。
基本的には、調剤薬局などをターゲットとしたプリンタで、「速乾性の良さ」に優位性がある、ジェルジェットプリンタの利点を活かしたものです。
その点で言えば、ライバルはむしろレーザープリンタでしょうが、コスト面ほか、静音性の部分でも競争できると言えます。
ニッチですが、手差しトレイ付属の部分や速乾性の良さを含めて、調剤薬局向けのプリンターとしてプレゼンスがあるでしょう。
2-3・HPのプリンター
つづいて、米国のHP(ヒューレットパッカード)のビジネスプリンターです。
同社については、「家庭用」と「ビジネス用」を分けないスタイルですが、今回は「法人モデル」として売られている製品を取りあげました。
【2020年発売】
Windows 7〜11 Mac 10.11〜13
【A4複合機・2段トレイ】
30・HP OfficeJet Pro 9020 1MR73D#ABJ
¥41,380 楽天市場 (1/22執筆時)
サイズ:幅437×奥行495×高さ319mm
【A4複合機・1段トレイ】
31・HP OfficeJet Pro 9010 1KR53D#ABJ
¥28,800 Amazon.co.jp (1/22執筆時)
サイズ:幅439×奥行342×高さ278mm
耐久性能:公表なし
インク代:カラー6.7円・モノクロ1.8円
印刷速度:カラー20枚/分・モノクロ24枚/分
接続方法:無線LAN 有線LAN USB
両面印刷:搭載
給紙容量:500枚(2段)
スキャナ:1200dpi
ADF: 両面・35枚
FAX:搭載
HP OfficeJet Pro 9020は、HPの法人向けプリンター複合機の中級機です。
わりと大きめな、2.65インチの液晶パネルを採用する中型機です。
なお、本機の下位機としてHP OfficeJet Pro 9010があります。
ほぼ同様の仕様ですが、「個人向けモデル」としても売っている製品で、「1段トレイ」です。
印刷速度は、カラー18枚/分・モノクロ20枚/分と、多少落ちますが、家庭用として出ている部分もあってか、価格的には「安い」です。選択肢にしても良いかと思います。
本体サイズは、幅437×奥行495×高さ319mmです。
2段トレイの他社機と比べても遜色ないです。設置性は良いでしょう。
【黒2000ページ・カラー1600ページ】
HP 965XL 黒 3JA84AA
¥3,850 楽天市場 (1/22執筆時)
HP 965XL シアン 3JA81AA
HP 965XL マゼンタ 3JA82AA
HP 965XL イエロー 3JA83A
¥2,892〜 楽天市場 (1/22執筆時)
印刷品質は、HPも利用するのは、4色の顔料インクです。
ビジネス用として問題ないでしょう。
先述のように、HPの場合、家庭用と仕事用を明確に分けないので、ふちなし印刷・光沢紙対応など、家庭用としての要素が残ります。
逆に言えば、ビジネス文書に最適化した印字品質ではないので、どちらかというと、「中間的ユーザー」に向くでしょう。とはいえ、顔料インクなので、写真印刷は不得意ですが。
印刷コストは、カラー6.7円・モノクロ1.8円です。
他社と比較しても、十分安いです。
スキャナ・コピー機能も、及第点以上です。
拡張解像度ですが、最大1200dpiです。
ADFは、本機は搭載です。
本機は最大600dpiで、速度はカラー・白黒とも片面で15枚/分、両面で8枚/分です。
35枚までさせますし、両面対応ということですが、速度はさほど振るいません。
ファックス機能は、付属です。
SuperG3モードやPCファックスにもOfficeJet系列は対応可能です。
印刷速度も、カラー20枚/分、モノクロ24枚/分となります。
給紙トレイへの給紙は、250枚が2段です。
増設はできませんが、標準で2段というのは、本機の優位性でしょう。
耐久性は、非開示です。
企業利用で考えると、本機については、この部分が問題点です。
筐体が個人用と共通で、保証も1年という機種ですので、やや心配です。
PCとの接続方法は、USB・LANのほか、無線LANも選択可能です。
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以上、HP OfficeJet Pro 9020の紹介でした。
同じ値段の他社機と比較しても、インク代は安めで、印刷速度も速いです。
一方、印字品質の部分で、「家庭用に寄せた部分」がある点と、耐久性の部分の情報がないのが不安要素です。
一長一短がある機種ですが、何らかの事情で(写真に向かない顔料インクですが)「ふちなし印刷したい」場合などは、使えるかもしれません。
【2016年発売】
Windows 7〜11 Mac 10.8〜13
【A4複合機・2段トレイ】
32・HP OfficeJet Pro 8730 D9L20A#ABJ
¥49,660 楽天市場 (1/22執筆時)
耐久性能:公表なし
インク代:カラー6.1円・モノクロ1.4円
印刷速度:カラー20枚/分・モノクロ24枚/分
接続方法:無線LAN・有線LAN・USB
両面印刷:搭載
給紙容量:250枚
スキャナ:1200dpi
ADF: 両面・35枚
FAX:搭載
サイズ:幅500×奥行530×高さ327mm
HP OfficeJet Pro 8730 は、HPの法人向けプリンター複合機の上位機です。
独特の形状ですが、4.3インチと特大液晶を装備します。
座ってのフロントオペレーションに適していると言えるでしょう。
本体サイズは、幅500×奥行530×高さ327mmです。
用途性が特殊なこともあり、多少大きめです。
【黒3000ページ・カラー1600ページ】
HP 959XL 黒増量 L0R42AA
¥4,461 楽天市場 (1/22執筆時)
HP 955XL シアンL0S63AA
HP 955XL マゼンタ L0S66AA
HP 955XL イエロー L0S69AA
¥2,601〜 楽天市場 (1/22執筆時)
印刷品質は、本機も、4色の顔料インクです。
インクの種類は違いますが、品質は下位機種と同じでしょう。
印刷コストは、カラー6.7円・モノクロ1.8円です。
他社と比較しても、十分安いです。
スキャナ・コピー・ファックス機能は、下位機種と同水準です。
印刷速度は、カラー20枚/分、モノクロ24枚/分となります。
下位機種と同じです。
HP 増設トレイ 250枚 K7S44A
(¥11,101) 楽天市場 (1/22執筆時)
給紙トレイへの給紙は、250段の1段です。
ただ、1段まで対応の増設トレイが用意されます。
別売にしているのは、座ってのフロントオペレーションに対応できなくなるかでしょう。
耐久性は、本機も非開示です。
PCとの接続方法は、USB・LANのほか、無線LANも選択可能です。
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以上、HP OfficeJet Pro 8730の紹介でした。
座ってのカウンター業務では、場合によってはこの形状は便利でしょう。
それ以外の部分では、この形状であるメリット性は思いつきませんが、ニッチなニーズはありそうです。
次回につづく!
ビジネスインクジェットのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は、A4のビジネスインクジェットの比較をしました。
しかし、記事は、まだまだ「続き」ます。
1・A4ビジネスインクジェットの比較
予算:1.5万円〜
印刷コスト:3.7円/枚〜
画質:高画質(文字/図表)
2・A3ビジネスインクジェットの比較
予算:3万円〜
印刷コスト:3.7円/枚〜
画質:高画質(文字/図表)
3・エコタンク搭載プリンタの比較
予算:3万円〜
印刷コスト:0.9円/枚〜
画質:普通(高級機除く)
4・ビジネスプリンターの選び方【結論】
=結論としてのおすすめ機種の提案
インクコスト ★★★★☆
画質(普通紙)★★★★★
画質(写真) ★★★★☆
印刷スピード ★★★★☆
耐久性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
4回目記事は、結論編(こちら)です。
ここまで紹介した全製品から、Atlasのおすすめ機種!を最終提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
結論編は→こちら