1回目記事からの続きです→こちら
2-1・ユピテルのドラレコ(2カメラ)
2回目記事のトップバッターは、ユピテル機のドラレコを見ていきます。
車関係の家電では、老舗になる企業の1つです。
1・前後2カメラのドラレコの比較 (1)
1-1:選び方の基本の紹介【導入】
1-2:パイオニア〈日本〉
2・前後2カメラのドラレコの比較 (2)
2-1:ユピテル〈日本〉
2-2:JVCケンウッド〈日本〉
3・前後2カメラのドラレコの比較 (3)
3-1:コムテック〈日本〉
3-2:セルスター 1 〈日本〉
4・前後2カメラのドラレコの比較 (4)
4-1:セルスター 2 〈日本〉
4-2:トランセンド 〈台湾〉
4-3:アイリスオーヤマ 〈日本〉
4-4:他の企業
5・ドラレコの比較(まとめ)【結論】
=最終的な「おすすめ」の提案
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた選び方の基本に沿いながら、各機を説明していきます。
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以下では、いつものように、高評価できる部分は赤系の文字色で、イマイチな部分は青字で書いていきたいと思います。
【2021年発売】
【量販店向け】
9・ユピテル SN-TW99c(32GB)
¥19,980 楽天市場 (5/30執筆時)
【WEB限定】 Y-300r同型
10・ユピテル WDT700c(16GB)
¥18,980 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
【一般業者むけ】
11・ユピテル TW-840D(32GB)
¥(21,500) 楽天市場 (5/30執筆時)
画素数:200万画素×2
記録画角: 162度+155度
液晶:2インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応: Starvis F2.2 HDR
防犯機能:
GPS記録: 搭載
安全運転支援:搭載(5種類)
通信機能:
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: microSD 32GB(128GBまで)
SN-TW99cは、ユピテルの2カメラ式のドラレコの上位機です。
複数の型番があります。
第1に、SN-TW99cは、(家電)量販店向けに売られる型番です。
4mのシガープラグケーブルが標準装備で、個人でも付けやすい仕様にしています。
第2に、 WDT700cは、Amazonで売られるWEB限定モデルの型番です。
同じ仕様ですが、MicroSDカードが16GBと半量です。
他の流通でうられるY-300rも同じです。
12/24V車対応 OP-E1159
¥2,778 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
第3に、 TW-840Dは、一般向け(業者むけ)としてして売られる型番です。
シガープラグは未付属で、通常別売の電源直結コードが付属します。
MicroSDは32GBです。
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結論的にいえば、カードは別に買ってもさほど高くないです。どうせならば大きな容量のを買っても良いでしょう。業者向けを除いて、一番安いもので良いようにみえます。
カメラは、前後にカメラのある2カメラタイプです。
後方カメラはケーブル配線となります。
後方カメラは角度調整できるため、目立たない場所に付けやすいです。
カメラの画角は、前方162度、後方155度です。
超広角レンズで、撮影範囲はかなり広いです。
全周記録はできませんが、これだけあれば十分以上です。
リアカメラとの接続はデジタル伝送なので、画質の劣化問題もありません。
画素数は、200万画素です。
解像度は、フルHD画質です。
前方カメラがQUAD HDでないのは、値段からすればやや物足りないです。
ドラレコの画質は 夜間に強いスタービス(SUPER NIGHT)と、トンネル出口などの画質が良いHDRをダブルで搭載します。
しっかり、HDRに対応する点はパイオニアより良いです。
夜間と言うより、逆光になるようなトンネル出口などでは本機の方が強そうです。
ただし、レンズのF値は、それぞれ、前方F2.2・後方F2.0なので、光学的な部分はパイオニア上位機に及びません。
単純に、単純な夜間走行ならば、パイオニアの方が優秀です。一長一短です。
LED信号対応も、むろん対応します。
安全機能は、充実します。
わりと力も入っており、前方発進警告・車線逸脱警告・前方車接近警告を網羅する上で、(前方車がいない状況で)青信号を検知して知らせる「信号発信警告」も付属です。
また、後方カメラが、後方からの異常接近を検知すると、お知らせした上で自動的にイベント記録をはじめる「後方異常接近 記録・警告」は見どころです。
本機は、検知範囲前の車を識別した上で、範囲内に50kmで、数秒間以上接近した場合、警告を発信して、保存録画(イベント録画)を開始します。
あおり運転対策は、かなり高度と言え、本機の見どころです。
駐停車中のバッテリー録画は、別売で対応です。
先述のようにこの機能は、「車上荒らし」の防犯対策としては限定的ながら、停車状態での「もらい事故」の記録には、有効に使えます。
設置には、別売バッテリーか電源直結ユニットが必要です。
A・電源直結ユニット OP-VMU01
¥4,200 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
Aは、車のバッテリーを利用するタイプです。
12時間まで利用できる点や、電圧監視がある点、また接続方法を含めて、基本的にパイオニアの「ユニット式」と同じです。
B・マルチバッテリー OP-MB4000
¥22,821 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
Bは、ニッケル水素電池を内蔵するタイプです。
直結型は電圧監視機能はありますが、各社とも完璧ではないので、電池式を好む方はいるでしょう。
仮に事故が起こってエンジンが止まった場合も、バッテリーがあれば録画が続けられるメリットもあります。最大12時間まで録画可能です。
ユピテルの場合、駐車監視について、いくつかのモードが選べます。
第1に、常時記録モードです。
パイオニアのユニット式と同じで、最大12時間(30分から)まで、あるいは、指定したバッテリー電圧低下量まで、録画し続ける方式です。
衝撃検知センサーが検知した場合、上書きできない別ファイルにします。半日程度の短時間ならば、それでOKでしょう。
存)だけの選択でした。
第2に、動体検知モード(カメラ)です。
車への衝撃ではなく、動体をカメラが検知した際に撮影を始める仕組みです。この方式だと、車への衝撃がトリガーではないため、実用性が高いといえます。
常時記録はMicroSDカードの寿命に良くない部分を含めて、長時間駐車の場合はこれが良いでしょう。
第3に、タイムラプスモードです。長時間撮影を可能にする方法です。
一見すると、動体検知があれば不要に思えますが、大通りのコンパーキングなど、動体を常に検知するような場所に駐車する場合に有利でしょう。
そのほか、(機械式の立体駐車場など)他社が採用する衝撃センサー(Gセンサー)で検知する方式が使えない場所でも記録ができるメリット性があります。
結論的にいえば、駐車記録に関しては、3モードの使い分けの可能なユピテルは「高度」です。
パイオニアほか、衝撃センサー(Gセンサー)をトリガーにする方式は、実際トラブルが生じた際に、(衝撃前の)記録が残らない部分が難点ですが、本機は問題ありません。
とくに、(高いですが)バッテリーが付いたユニットを増設すれば、この部分で「完璧な仕様」でできると言えます。
GPSは、付属です。
SDカードは、最初から32GBのMicroSDカードが付いている製品です。
ユピテルは、SDカードのフォーマットが必要ないため、この点では有利です。
ネットワークは、Wi-Fiは未装備です。
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以上、ユピテルのSN-TW99cの紹介でした。
パイオニア機と比較する場合、記憶範囲は広く、HDR対応で(逆光になる)トンネル出口などの撮影が強い一方、夜間撮影と前方車のナンバー可読性は、及ばない機種です。
どちらが明確に上、というのはないですし、本機も夜間走行に対応しますが、夜間走行がメインの場合はパイオニアのほうが画質は良いでしょう。
ただ、あおり運転対策をふくめ、安全運転支援機能が相当充実するため、自家用車の基本装備においてそのあたりが不足気味の場合は、本機が良いかと思います。
【2022年発売】(24年追加)
(3年保証)
12・ユピテル SN-TW9880d
¥19,980 楽天市場 (5/30執筆時)
(3年保証:事故時買換補償金対象機)
13・ユピテル SN-TW72d
¥19,800 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
(3年保証+タイムズロードサービス1年無料)
14・ユピテル SN-TW9990d
¥24,700 楽天市場 (5/30執筆時)
(1年保証)
15・ユピテル WDT620d
¥18,012 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
16・ユピテル SN-TW7660c
¥16,500 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
¥16,500 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
画素数:200万画素×2
記録画角: 160度+160度
液晶:2インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応:Starvis HDR
防犯機能:
GPS記録: 搭載
安全運転支援:搭載(3種類)
通信機能:
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: microSD 16GB(32GBまで)
SN-TW9880dなどは、ユピテルの2カメラ式ドラレコの中級機です。
複数の型番がありますが、主に保証年数と保証制度の違いです。
SN-TW86dは、2倍容量の32GBメモリー (高耐久型)が付属ですが、値段的に選択肢にしにくいです。
あとは同じなので、同時にみていきます。
カメラの画角は、前方160度、後方160度です。
画角の部分についてだけ言えば、上位機以上の性能です。
ドラレコの画質は、一方、本機は前後ともフルハイビジョン画質です。
新機種になって、夜間に強いスタービスとHDRに全面対応したので、実用上問題のない水準になりました。
夜間や、トンネル前後でも問題なく撮影できるでしょう。
安全機能は、発進遅れ警告・車線逸脱警告(レーンキープ)・前方衝突警告と、他社搭載機も含めて「基本」といえる3種類は、網羅されます(=アクティブセーフティ)。
ただ、ユピテルの特色である、信号発信警告と後方異常接近警告は、未装備です。
駐停車中のバッテリー録画は、別売オプション対応です。
その場合、動体をカメラが検知した際に撮影する動体検知モードが不採用です。
この機能を利用する場合、不利なので、選ばない方が良いでしょう。
GPSは、本機も、付属です。
SDカードは、最初から16GBのMicroSDカードが付いている製品です。
ネットワークは、Wi-Fiは未装備です。
接続は、本機の場合、シガープラグが診付属です。
アクセサリー電源に直結させるタイプです。
ユピテル OP-E1109
¥1,655 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
シガープラグに付けたい場合は、純正だと以上のケーブルが必要です。
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以上、 SN-TW9880dなどの紹介でした。
上位機とは実際的にかなりの値段差があるので、この価格の他社機との比較になるでしょう。
できるだけ安く2カメラモデルが欲しい場合は選択肢にできそうです。
ただ、事故が多いと言える 夜間などの視認性は、かなり能力が削がれるのは承知の上で選ぶ必要があります。
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なお、ユピテルは200万画素クラスの2カメラドラレコが他にもあります。
順番に確認しておきます。
【2021年発売】
【Amazonモデル】
18・ユピテル WDT510c
¥14,472 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
【特定量販店モデル】
19・ユピテル DRY-TW7650d
¥15,825 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
20・ユピテル DRY-TW7650dp
¥13,090 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
【廉価版】(前面も100万画素)
21・ユピテル DRY-TW6000d
¥11,150 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
画素数:200万画素(前面のみ)
記録画角: 160度+150度
液晶:2インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応:HDR(前面のみ)
防犯機能:
GPS記録: 搭載
安全運転支援:搭載(3種類)
通信機能:
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: microSD 16GB(32GBまで)
第1に、WDT510cなどです。
先ほどの機種の下位機に当たります。
どの製品も、スタービスが不採用で夜間に弱いほか、リアカメラが100万画素でフルHD画質でない機種です。
廉価版のDRY-TW6000dは、さらに、フロントも100万画素で、画角も狭いです。
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結論的にいえば、あおり対策は重要ですし、また、「2カメラ=高性能=安全」が定着している昨今において、いずれも性能を期待して選ぶべき機種とは言えないでしょう。
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【2025年発売】
(3年保証)
22・ユピテル Y-401Di
¥19,980 楽天市場 (5/30執筆時)
画素数:200万画素×2
記録画角: 158度+158度
液晶:2インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応:Starvis HDR F2.0
防犯機能:
GPS記録: 搭載
安全運転支援:
通信機能:Wi-Fi4
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: microSD 32GB(64GBまで)
第2に、 Y-401 diです。
こちらは、特定店向けの製品で、ドラレコに無線LAN(Wi-Fi)が内蔵される仕様です。
同社のスマホ用アプリ経由(DRY Remote)で内蔵カードのデータにアクセスし、再生できるという仕様です。
使用時は、本体の無線LANボタンを押した状態で、アドホックに直接つなげる方式なので、やや面倒くさい感じはあります。
ただ、GPS連動の地図表示など、スマホに直で送って編集できる部分で、運転記録を「楽しみたい」場合には、候補になるかもしれません。
一方、安全運転支援機能は未装備で、駐車中記録も、先ほども見た、別売の駐車記録用オプションを買った上で、タイムラプス記録のみ(短時間ならば常時録画)になる部分が注意点です。
なお、リアへの配線は他機同様に(無線ではなく)ケーブルです。
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結論的にいえば、カメラの画質は問題なく、無線LANも人によっては便利でしょう。一方、周辺装備はわりとざっくり省略される上で、Wi-Fi搭載になる部分で、前カメラが多少大きくなるのが、注意点です。
【2025年発売】
(3年保証;事故時買換補償金あり)
23・ユピテル Y-4K-02
¥24,710 楽天市場 (5/30執筆時)
23・ユピテル ZR-4K-02
¥(43,560) 楽天市場 (5/30執筆時)
(1年保証)
24・ユピテル SN-TW7690d
¥23,100 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
25・ユピテル Y-119d
¥23,100 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
画素数:820万画素+200万画素
記録画角: 165度+160度
液晶:3インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応:Starvis 2 F2.0 HDR
防犯機能:
GPS記録: 搭載
安全運転支援:搭載(3種類)
通信機能:
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: microSD 32GB(128GBまで)
Y-4K-02などは、ユピテルの2カメラ式ドラレコの上位機です。
後述するように4K解像度の製品です。
複数の型番がありますが、流通ルートの違いです。
基本的に保証年数・保証制度の違いです。
なお、ZR-4K-02は指定店(カーショップ)向けですが、仕様や付属品は変わりません。
ただ、少し高めです。
あとは同じなので、同時にみていきます。
モニターは、3型タッチパネルです。
前ユニットは、88mm×61mmなので小さくはないです。
設置できる車種は選ぶかもしれません。
カメラの画角は、前方165度、後方160度です。
いずれも十分です。
ドラレコの画質は、前方カメラが4K解像度(800万画素)で、後方がフルHDです。
ユピテルが書くように、前方は解像度が高いので画像の鮮明度は上がります。
撮像素子は、前後で変わります。
第1に、前カメラは、ソニーのスタービスとの表記です。
おそらくIMX415でしょう。
夜間対応は、前カメラは、低輝度感度、HDR対応、レンズのF値(F)などを総合しても、期待値は高いです。
第2に、後カメラも、ソニーのスタービスです。
先述のように、フルHDではありますが、F値(F2.2)で、HDR対応なので、やはり水準は高いです。
ドラレコの場合、CPU処理の限界もあり、前後4Kは難しいので、本機の仕様がギリギリかなと思います。
いずれにしても、夜間や、トンネル前後でも問題なく撮影できるでしょう。
安全機能は、本機も発進遅れ警告・車線逸脱警告(レーンキープ)・前方衝突警告と、他社搭載機も含めて「基本」といえる3種類は、網羅されます(=アクティブセーフティ)。
その上で、先ほども書いた「後方異常接近 記録・警告」も対応です。
スタービス搭載ですし、夜でも検知は正確でしょう。
駐停車中のバッテリー録画は、標準装備です。
記録方式は、下位機と同じく、常時録画のほか、タイムラプスモードと動体検知(カメラ)が利用できます。
そのほか、衝撃検知(Gセンサー)選択できるので、メジャーな方式は網羅です。
シーンで使い分けできるので、この部分の性能は良いです。
接近検知マイクロ波センサー OP-MDS1
¥10,101 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
加えて、別売ですが、リアガラス部分に取り付けるタイプの高性能な動体検知(=マイクロ波センサー)がオプション購入できます。
マイクロ波センサーは、自動運転にも使われる技術でいろいろ種類がありますが、本機は「ドップラーセンサー」です。
反射波を利用し移動する物体を検知するタイプなので、人間や動く車などを検知して録画が始まります。駐車時の防犯目的、当て逃げの監視に適うセンサーと言えます。
(反射波を出す)移動する物体ならば「検知してしまう」部分はあるので、駐車時の隣の車の移動や歩行者、雨・雪などでの誤検知は、動体検知(カメラ式)同様にありえます。
しかし、効果範囲が限られる点を含めて、カメラタイプの「動体検知センサー」ほど過敏に反応はしないでしょう。また、明るさに影響されない点で、夜間駐車時には、既存のタイプより効果を発揮しそうです。
その部分を含めて、「無駄なイベント通知」で時間をロスしにくいと言えそうです。
なお、フロントガラス部分にも設置できますが、効果範囲が狭まるので推奨されません。また、リアでも、フィルム加工をしているなどの場合は、検知に問題を生じます。
効果範囲的には、ワンボックスカーほどの長さまで対応できます。
接続は、付属のバッテリーケーブル(+B/ACC電源直結コード)を介します。
電圧監視機能があるので、常時録画利用でバッテリがあがるのを予防できます。
なお、シガープラグ接続は、駐車録画機能の利用の有無によらず、非対応です。
GPSは、本機も、付属です。
[128GB](70万時間)
・サムスン MB-MJ128KA-IT/EC
¥3,680 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
SDカードは、最初から132GBのMicroSDカードが付いている製品です。
最大で128GBまで認識します。
ネットワークは、Wi-Fiは未装備です。
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以上、ユピテルの Y-4K-02などの紹介でした。
フロントカメラが4K解像度でありつつ、リアカメラの性能も高い、バランスの取れた高画質機と言えます。夜間対応力も、前後とも高度です。
その部分が目をひきますが、駐停車中の監視が高度である部分、さらに、オプション品導入は必要なものの、あおり運転警告も高度です。
4K解像度がドラレコに「マスト」かは論争的でしょう。
ただ、記録映像を楽しむような用途も考える場合、良い選択肢にはなるでしょう。見た感じ、4K採用に伴う弊害もないので、個人的には良い機種に思います。
2-2・JVCのドラレコ(2カメラ)
続いて、日本のJVCケンウッドの2カメラモデルでします。
同社もカーエレクトロが強い企業ですが、ドラレコでは「画質重視」のユニークなモデルを展開します。
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ここからも、いつものように、高評価できる部分は赤系の文字色で、イマイチな部分は青字で書いていきたいと思います。
【2023年発売】
【車載監視ケーブルなし】
26・ケンウッド DRV-MR770
¥26,980 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
【車載監視ケーブル同梱】
27・ケンウッド DRV-MR775
¥29,980 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
画素数:500万+200万
記録画角:162+162度
液晶:2.7インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応: Starvis・HDR・F1.8
防犯機能:(オプション)
GPS記録: 搭載(みちびき対応)
安全運転支援:搭載(5種類)
通信機能:
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: 32GB MicroSD(64GBまで)
DRV-MR770も、ケンウッドのカーナビの上位機です。
B・ 電源ケーブル CA-DR100
¥1,855 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
DRV-MR775は、通常別売の駐車監視用のバッテリーケーブルが最初から付属するタイプです。あとは仕様差がないので、同時にみていきます。
カメラの画角は、前方対角162度、後方対角163度です。
他社上位機と同水準であり、問題ないです。
また、スモークガラスなど後方ガラスの色に応じて明るさを調整できる「スモークシースルー」にも対応です。
パイオニアが後追いしましたが、もとは同社のオリジナル技術でした。
画素数は、フロントはWQHD(368万画素)で、リアはフルハイビジョン画質(207万画素)です。
リアもWQHDの製品(DRV-MR870)がありましたが、展開は終わっています。
撮像素子は、フロントは(おそらく)ソニーのIMX675です。
500万画素の撮像素子です。
WQHDの必要案記録画素数(368万画素)に対し無駄に高めの数字ですので、少し(ノイズの部分で)詰めは甘い部分はあります。
ユピテルで書いたように、ここは、撮像素子の展開的に仕方ないです。
ドラレコの画質は、ただ、前後ともスタービス HDRに対応します。
カメラのレンズは、かなり明るいF1.8ですし、夜間対応力は問題ないでしょう。
LED信号は、むろん、対応です。
安全機能は、レーンキープ・前方衝突・発進遅れという基本のほか、本機は、前方割込警告・前方蛇行運転警告を搭載します。
後方は、後方急接近警告はしてくれます。
5m以内に3秒以上接近した場合に、警告音がなります。
速度は、30km/h・50km/h・70km/hから検知範囲が選択できます。
50km固定のユピテルに比べたら柔軟性はあります。
そのほか、音声コマンドでの録画操作に対応します。
わりと面白く、有効な機能でしょう。
駐停車中のバッテリー録画は、先述のように、付属モデルが存在します。
記録方法は、常時監視(常時録画)と「衝撃検知」を選択可能です。
常時録画の場合、3時間-24時間のタイマー設定ができます。
バッテリー保護のため、設定した電圧以下になると、録画をやめる仕様です。
衝撃検知の場合、検知から20秒の記録という仕様です。
選べるのは良い部分でしょう。
なお、一定時間は常時録画し、その後衝撃感知、のような機能は、ケンウッドの場合未装備です。
GPSは、付属するモデルになります。
発売時期の関係でしょうが、米国のGPS衛星ほか、日本の「みちびき」も補足できます。。
SDカードは、32GBのMicroSDカードが付属です(最大128GB)。
ネットワークは、Wi-Fi未搭載です。
接続は、本機は、3.5mのシガープラグが付属する、個人設置向きの製品です。
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以上、ケンウッドのDRV-MR770の紹介でした。
WQHD以上の他社機と比べてもカメラ性能は十分で、駐車監視、安全運転支援とも、上位機として堅実な構成です。
一方、ライバル機に比べて強調できるのは、GPSの部分で「みちびき」対応である部分と、音声操作対応という部分といえます。
音声操作は、それなりに便利には思いますが、今一歩、上位機として個性には欠けるかなと思います。
最終的な「おすすめ」がどれかは、最後に改めて考えます。
ーー
なお、ケンウッドからは、本機のほかにも「上位仕様」といえる製品がほかにもあります。
順番にみおてきます。
【前方+後方カメラ】
【2022年発売】
28・ケンウッド DRV-MR870
¥28,790 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
画素数:500万画素×2 (WQHD)
記録画角:134+134度
液晶:2.7インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応: Starvis・HDR・F1.6
防犯機能:(オプション)
GPS記録: 搭載
安全運転支援:搭載(AIセンシング)
通信機能:
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: 32GB MicroSD(128GBまで)
第1に、 DRV-MR870です。
本機の1世代前の旧機です。
この世代だと、みちびき衛星非対応で、画角もイマイチだったのですが、前カメラだけでなく、後カメラもWQHD解像度でした。レンズのF値も少し良かったと言えます。
それもあり、リアカメラを利用した「あおり警告」の精度はよく、AI分析を利用しつつ、遠目で最大3台の車両を補足したあと、近づいた1台の後方車両を認識して処理(録画)するものでした(AIセンシング機能)。
検知範囲も現状(5m)より広く仕様が良いので「上位機」だったとも言えます。
在庫があるので、本機は買えますが、廃止にされた理由が不明なのが懸念点です。
おそらく、3台検知できても「あまり意味がなかった」からだとは思うのですが、処理面でCPU負荷が強すぎて、実用面で問題が生じた可能性はあります。
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結論的にいえば、いずれにしても、ケンウッドで、現状で選ぶべきは、先ほどの機種に思います。
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【2024年発売】
29・ケンウッド DRV-G50W
¥23,200 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
画素数:200万×2
記録画角:149+149度
液晶:2.7インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応: Starvis・HDR・F1.9
防犯機能:(オプション)
GPS記録: 搭載(みちびき対応)
安全運転支援:搭載(5種類)
通信機能:
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: 32GB MicroSD(64GBまで)
第2に、DRV-G50W です。
こちらは、現行機ですが、冒頭の機種と比べると下位機です。
フロントカメラの解像度は、フルHDになるほか、レンズのF値が(決して悪い数字ではないですが)F1.9と少し落ちます。
画角は、とくに、リアもフロントも対角149度です。
ここはかなり物足りない仕様です。
あとは、駐車録画機能を含めて、目に付く違いはないです。
保証は、3年です。
同社の場合、24年機からOEM先が変わったようで、国産表記がでています。
保証年数も伸びました。
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結論的にいえば、前後ともスタービス・HDR・F1.9と堅実な性能はあります。
ただ、とくに、画角が上位機として物足りなく、この部分でおすすめしにくいです。
【2022年発売】
【家電量販店モデル】
30・ケンウッド DRV-MR570
¥21,790 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
【指定店むけ】(電源直結ケーブル付)
31・ケンウッド DRV-MR575C
¥23,800 楽天市場 (5/30執筆時)
画素数:207万画素
記録画角: 163度+163度
液晶:2.0インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応: Starvis・HDR・F1.6
防犯機能:(オプション)
GPS記録: 搭載
安全運転支援:搭載(4種類)
通信機能:
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: 32GB MicroSD(128GBまで)
DRV-MR570も、ケンウッドの2カメラのカーナビの中位機です。
同時発売のDRV-MR575Cは、特定カー用品向けで、駐車監視機能を有効にするための電源直結式ケーブルが付属するタイプです。あとは同じです。
カメラの画角は、前方・後方とも、対角163度です。
画角だけで言えば、1つ上の機種同様にケンウッドでは最高クラスであり、しっかり広範囲に撮れます。
画素数は、210万画素です。
したがって、解像度は、フルハイビジョン画質です。
その上で、先ほど説明した、スモークガラス用の調整機能である「スモークシースルー」に本機は対応です。
ドラレコの画質も、本機は良いです。
HDR・裏面照射型センサー(Starvis)・F1.8レンズです。
つまり、カメラとしての基本部分は、上位機と変わりません。
LED信号対応は、本機も問題ない仕様です。
安全機能は、本機も、AIセンシング機能が未装備です。
レーンキープ・前方衝突・発進遅れという基本のほか、後方急接近警告を搭載する4種類です。
この部分は、あきらかに「下位」で、ケンウッド機の独自性があまり出ていないです。
音声入力機能もありません。
B・ 電源ケーブル CA-DR100
¥1,855 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
駐停車中のバッテリー録画は、別売オプションパーツで対応します。
この部分の仕様は、同じユニットを使う先ほどの機種と同じです。
GPSは、付属です。
日本のみちびき(QZSS)も捕捉できます。
SDカードは、32GBのMicroSDカードが付属です。
ケンウッドもユピテルのように、SDカードはメンテナンスフリーです。
ネットワークは、Wi-Fi未搭載です。
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以上、ケンウッドのDRV-MR570の紹介でした。
ここまでみた上位機とは値段差以上の機能差を感じます。
とくに、同社の「良い部分」と言えた安全運転支援の部分は少し弱めなので、その部分については「あまり重視しない」という方以外は、ケンウッドから選ぶにしても上位機が良いかと思います。
ただ、HDR・裏面照射型センサー(Starvis)・F1.8レンズを基本をしっかり抑えるため、解像度がフルHDクラスの中級機として言えば、他社と比べても十分に評価できます。
【2023年発売】
32・ケンウッド DRV-MR480
¥15,949 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
画素数:207万画素
記録画角:150+150度
液晶:2.0インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応: HDR・F1.8レンズ
防犯機能:(オプション)
GPS記録: 搭載
安全運転支援:
通信機能:
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: 32GB MicroSD(64GBまで)
DRV-MR480は、ケンウッドの2カメラのカーナビの下位機種です。
カメラの画角は、前方対角150度、後方対角150度です。
2カメラ式として十分です。
画素数は、210万画素です。
したがって、解像度は、本機も、フルハイビジョン画質です。
ドラレコの画質は、基本的に中位機と同じです。
したがって、レンズはF1.8と明るめで、HDRも前後ともお搭載します。しかし、スタービスは未装備です。
LED信号対応は、問題ない仕様です。
安全機能は、先述のように、省略です。
ちなみに、このグレードの旧機は「レーンキープ・前方衝突・発進遅れ」は装備されていたのですが、自社の独自機能はありませんでした。
B・ 電源ケーブル CA-DR350
¥3,984 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
駐停車中のバッテリー録画は、別売オプションパーツで対応します。
こちらは、車載バッテリーに直接ケーブルでつなげるタイプのみです。
本機も、衝撃センサーと連動した「イベント記録」は可能です。
その上で、こ動体検知モードも選べます。
1回目記事のユピテル機で詳しく書いたように、衝撃ではなく、カメラが動体を検知した際記録をする方式ですので、(衝撃を受ける前の記録ができない)衝撃センサーの欠点はある程度「克服」する仕組みです。
MicroSDカードは書込寿命があるので、それを伸ばせるほか、バッテリーの消費も抑えられる点で高度です。しかし、人通りの多いコインパーキングなどでは、利用は難しいでしょう。
ユピテル機は、その部分で、(コマ送り映像(1秒に1枚)を常時撮影していく「タイムラプスモード」を搭載してフォローしていますが、本機はその機能は、未搭載です。
GPSは、米国のGPS衛星のみですが、付属です。
SDカードは、32GBのMicroSDカードが付属です。
ネットワークは、Wi-Fi未搭載です。
接続は、一般的なシガープラグです。
保証は、3年です。
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以上、ケンウッドのDRV-MR480の紹介でした。
同社の上位機を先に紹介したので能力部分でやや「霞む」製品ですが、2カメラモデルとしては値頃感がある機種ではあります。
予算が限られる場合は、割と良い選択肢であり、コスパは良いです。
【2023年発売】
【12型】
33・ケンウッド DRV-EM4800
¥42,990 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
画素数:207万画素(以上)
記録画角:162度+162度
液晶:12インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応: PureCel Plus・HDR F2
防犯機能:(オプション)
GPS記録: 搭載
安全運転支援:搭載(5種類)
通信機能:
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: 32GB MicroSD(128GBまで)
DRV-EM4800 は、JVCが販売する2カメラのカーナビです。
本機は、2カメラ式ですが、フロントカメラが、スマート・ルームミラーです。
このタイプは電源を入れたときのみ映像を透過する特殊素子を使っています。電源を消すと普通のミラーになる仕様ですので、故障時も問題ないです。
また、音声でのハンズフリー操作に対応します。
「Alexa(など)」発話キーワードがない仕様です。
パネルは、12型(11.88インチ)で、視野角が広く視認性も良いIPSパネルです。
ただ、細かい解像度面でのスペックはわかりません。
カメラの画角は、前方・広報とも162度です。
問題ないです。
画素数は、207万画素で、フルHD解像度です。
ここも問題ないです。
ドラレコの画質は、本機は、撮像素子が中国のOmni VisionのPureCel Plusです。
ソニーのスタービスに相当する製品で、裏面照射型で夜間に強い製品です。低照度感度の値は分かりませんが、一般的に問題ないです。HDRも装備です。
この画像をKENWOOD独自の画像補正(ハイクリアチューン)で、鮮明化しています
LED信号は、本機も補正対応です。
安全機能は、レーンキープ・前方衝突・発進遅れという基本と、同社の他機でもみた後方急接近警告が装備です。
先述のように、後方の検知は、複数の車体認識はできないタイプです。
一方、斜め後方障害物警告は珍しいです。
こちらは、広めの画角の後方カメラを活かしたもので、死角になる斜め後方の車両接近をお知らせする機能です。
・ 電源ケーブル CA-DR550
¥5,986 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
駐停車中のバッテリー録画は、別売オプションパーツで対応します。
方式は、衝撃を検知した後、1分間の録画というものです。
そのほか、本機は、タイムラプス(コマ送り撮影)も装備します。
他社でも見ましたが、本機の場合、衝撃検知があった場合、28分前から1分後までの映像を残すというものです。良い仕様と思います。
GPSは、付属です。
日本のみちびき衛星もフォローします。
SDカードは、32GBのMicroSDカードが付属です。
ネットワークは、Wi-Fi未搭載です。
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以上、ケンウッドのDRV-EM4800 の紹介でした。
スマートミラー型を探していた方には候補になるでしょう。
標準装備車とちがって駐車支援機能などはないですが、駐車監視や、その他の安全運転支援などは充実するので、このタイプとしては、良い製品に思います。ただ、車種によってはサンバイザーとの干渉が、購入前の注意点となります。
次回の予告
ドラレコのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、2カメラのドライブレコーダーの比較の2回目記事でした。
しかし、まだまだ「続き」ます。
3・前後2カメラのドラレコの比較 (3)
3-1:コムテック〈日本〉
3-2:セルスター 1 〈日本〉
4・前後2カメラのドラレコの比較 (4)
4-1:セルスター 2 〈日本〉
4-2:トランセンド 〈台湾〉
4-3:アイリスオーヤマ 〈日本〉
4-4:他の企業
5・ドラレコの比較(まとめ)【結論】
=最終的な「おすすめ」の提案
続く3回目記事(こちら)では、コムテックとセルスターのドラレコをみていきます。
いずれも、日本でドラレコを昔から売っている企業です。画角の広さ ★★★★★
解像度の良さ ★★★★★
夜間の画質 ★★★★★
駐車監視機能 ★★★★★
安全運転支援 ★★★★★
後方監視 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回となる結論編【こちら】で、今回紹介した全機種から「目的別・予算別」にAtlasのおすすめ機種!を提案してみたいと思います。
引き続きよろしくお願いします。
3回目記事は→こちら