1回目記事からの続きです→こちら
5-1・東芝の有機ELテレビの比較

5回目記事のトップバッターは、TVSレグザ(東芝)の有機ELテレビです。
同社は、どちらかというと液晶テレビのほうでプレゼンスがありますが、高度な画像補正技術を活かして、有機ELも頑張っています。
1・有機ELテレビの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:パナソニック 1
2・ 有機ELテレビの比較 (2)
2-1:パナソニック 2
2-2:ソニー
3・ 有機ELテレビの比較 (3)
3-1:シャープ
4・ 有機ELテレビの比較 (4)
4-1:LGエレクトロニクス
5・ 有機ELテレビの比較(5)
5-1:レグザ(東芝)
6・ 有機ELテレビの比較(6)
6-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」の説明に沿いながら、各機をみていきます。
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なお、以下では、いつものように、Atlasのおすすめできるポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で書きます。

【2026年6月発売】
【48インチ】
47・東芝 TVS REGZA 48X770S
¥330,000 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
【55インチ】
48・東芝 TVS REGZA 55X770S
¥385,000 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
【65インチ】
49・東芝 TVS REGZA 65X770S
¥495,000 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
モニターパネル:OLED
倍速パネル:2倍速
ネット動画:自社方式
フレームレート: 4K/120Hz
新4K放送チューナー:搭載(2)
レグザのX7 series X770Sは、エントリークラスの有機ELテレビです。
2026年から新しく追加された新シリーズです。

パネルは、LGのOLEDです。
「新開発 有機ELパネル」という名前です。今回の分類では、スタンダードなOLEDです。
情報が少ないので他社機との比較は控えますが、少なくとも、次に見るX8900Rシリーズより、ピーク輝度面で下位とみなせます。
いずれにしても、部屋を暗くして利用する状況でこそ、真価を発揮するといえるモデルです。日中の画質は、遮光カーテンを使わないと平均的な域をでないと言えます。

熱対策は、入門機ながら対策があります。
高放熱冷却システムを搭載します。
具体的な素材や仕組みは非公開ですが、写真からは炭素系素材の放熱板に見えます。

パネル表面の低反射コートも上位機同様の記述がみられます。

画像エンジンは、上位のレグザエンジン ZRです。
同社の有機ELテレビとしては上位のZRαではありませんが、スタンダードな性能はあります。
次に見る上位機とは差があるものの、このクラスでも補正面の工夫は多いので、さほど「がっかりする」部分ではありません。
主要な補整機能を順番にみておきます。

第1に、クラウドAI高画質テクノロジーです。
同社の液晶テレビにも見られる技術です。ネット経由で視聴中の番組ジャンルや画質特性を取得し、コンテンツに合わせて画質を調整します。
ここは、他社に対するレグザの独自性です。
他社機の場合、テレビ側で映像情報を解析して処理する方式が中心ですが、レグザは映像情報だけでなく、クラウド上の番組情報も参考にします。そのため、放送番組に合わせた調整精度は期待できます。
伝統的に、同社は画像エンジンにこだわるメーカーですが、本機もこの部分に特長があります。

第2に、ナチュラルフェイストーンです。
人肌の立体感や質感を向上させる技術です。
同社のテレビではおなじみで、人肌の黒ずみや白飛びを抑え、不自然な肌色を自然に整える階調補正機能と言えます。

第3に、地デジAIビューティです。
地デジ番組に出やすいノイズを抑え、くっきりした映像に整える機能です。
4Kに満たない地デジ映像を大画面で見る場合、ノイズ抑制と高精細化の処理が重要になります。本機もAIを使った地デジ向けの補正を備えるため、一定の効果は期待できます。
ただし、上位機の地デジAIビューティPROとは異なり、テロップやワイプ内の顔領域まで細かく見る処理や、前後フレームを参照するフレーム間超解像までは訴求されません。
この部分は、次に見る上位機との差です。

第3に、ネット動画ビューティです。
低解像度のネット動画や、圧縮率の高いネット動画を見やすくするための処理機能です。
ネット動画の特性に合わせてコントラストや精細感を高め、低フレームレートのコンテンツもなめらかに再生する方向の機能です。また、ナチュラルフェイストーンもネット動画に効くと説明されます。
加えて、圧縮されたネット動画に多いバンディングノイズ、つまり階調のシマシマを抑える機能もあります。最近は各社とも注目している部分で、ネット動画を大画面で見る場合には有効でしょう。

第4に、AIコントラスト高画質です。
場面ごとにエリアの輝度を判別し、暗部と明部のコントラストを整える機能です。
有機ELパネルは、画素そのものが光るため、液晶テレビのようなLEDバックライトのゾーン制御は不要です。
こちらは、バックライトを制御するのではなく、明るさをエリア単位で制御する目的でエリア解析をしていると見ればよいでしょう。
似た機能はシャープでも説明しましたが、有機ELでも効果は見込めます。

画質の自動調整も、対応です。
機能名は「おまかせAIピクチャー」です。コンテンツの内容を見て、ジャンルに合わせて画質を調整します。
本機は環境光センサーを内蔵するので、部屋の明るさと照明色も把握できます。それと、先述の映像情報を組み合わせて、画質を自動調整します。

また、AIシーン高画質として、特定のシーンの判別もできます。
判別可能なシーンはライブ、夜景、花火・星空、リング競技、アニメが挙げられます。AIオートにして、そうしたシーンを検知した場合、最適な画質調整が施されることになります。
AIオートモードにして、そうしたシーンを察知した場合、最適な画質調整が施されることになります。
なお、上位機ではスポーツ系のシーン判別がより手厚くなりますが、このグレードではそこまでの説明はありません。エンジンが異なる関係でしょう。

HDRは、HDR10、HLG HDR、Dolby Vision IQに対応します。
HDR復元は、カメラごとに異なる高輝度領域の圧縮特性を推定して復元し、白く輝く部分のディテールを再現する機能です。
地デジなど、標準画質のコンテンツにも有効とされます。
HDRリアライザーは、コントラスト制御によって、立体感のある映像や明るいシーンの色表現を整える機能です。

倍速パネルは、4K倍速補間という機能名で搭載されます。
2倍速の120Hzパネルで、スポーツ中継やネット動画などの動きの速い映像をなめらかに表示するための機能です。

スピーカーは、総合40Wです(重低音立体音響システムX)。
65型・55型は、2wayメインスピーカー4基と、重低音用のウーファー1基を備える構成です。48型はスピーカー数が6基で、パッシブラジエーターで低音を補強する仕様です。
音響規格は、ドルビーアトモスに対応します。
ただし、本機はハイトスピーカーを備えないため、リアルな高さ方向の再現性は上位機ほどではないでしょう。
一方、リモコンマイクを利用したオーディオキャリブレーションはあるので、バーチャル再生の土台はあります。
そのほか、ニュースなどの聞きとりをよくするクリア音声や、AIがコンテンツを判定し、自動で、音質を調整するおまかせAIサウンドも備えます。この部分の自動化も最近の流行です。
また、圧縮音源のリマスターやノイズ除去など、音まわりの機能性には、REGZAらしい「こだわり」があります。
番組表は、カラフルで情報量が多く、視認性も良いです。
全く問題なく、見やすく便利に作られています。
番組表からすぐに録画に入ることもできます。

録画機能は、別売の外付けHDDを増設することで利用できます。
本機はトリプルチューナー搭載なので、番組を視聴しながら、同時刻に放送中の2番組を外付けUSBハードディスクに録画できます。
ただし、テレビ本体の録画機能は、別売レコーダーと違い、長時間録画モードはありません。この仕様は各社のテレビ録画機能でも同様です。
録画時間の目安は、4TBのHDDで地上デジタル放送のHD番組が約502時間、2TBなら約250時間です。
なお、USBハブを使えば、USBハードディスクは最大8台まで登録でき、同時に4台まで接続できます。容量が足りなくなった場合に、ハードディスクを追加しやすい点は便利です。

録画の使い勝手は、REGZAはかなり優れます。
ドラマ名・出演者・ジャンルなどを指定した「おまかせ録画」に対応します。
その上で、本機の特長といえるのは「みるコレ」機能です。
あらかじめ、タレント名やジャンルなどからなる18万件以上の「みるコレパック」が用意されており、出演者やジャンル別に、簡単におまかせ録画のセットを作れます。

録画済みの番組は、ジャンルや出演者などで自動的に整理されます。
とくに便利なのは、録画した「番組内の」タレントの出演シーンやニュースのトピックをリスト表示し、そこから選んで再生できる機能です。
EPG番組表のデータだけでは、番組内の出演時間までは追えないため、エム・データ社が提供する番組内のシーン情報をネット経由で取得することで実現しています。
録画した映像は、視聴履歴に基づいて、UI上でおすすめ番組を提案する機能もあるので、リストを細かく探さなくても使えます。
さらに、気になった番組を起点に、関連番組や見逃し配信、連ドラ予約、おまかせ録画につなげる「番組こねくと」も便利です。
こうした点で、本機は「推し活」にも使いやすい仕様です。
録画番組は、番組表形式で選ぶこともできます。
さらに、「簡単連ドラ予約」や、(4K映像を除き)音声付きで最大2倍速再生できる「早見早聞」など、再生・録画まわりの機能は相当充実しています。

【Amazon限定】
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¥11,980 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
こうした機能性を利用するには、外付けHDDが必要です。
格安なものでも良いので、HDDを購入するとこうした機能性が活かせるでしょう。

スマホ連携機能は、外出先からの録画番組の遠隔視聴や、番組持ち出しなどの機能性は確認できません。
一方、本機はLINEを使った録画予約に対応します。レグザLINE公式アカウントと連携すると、外出先からでも対話形式で録画予約ができます。2025年以降のREGZAでは、対応が広がった便利機能です。
なお、自宅外から録画予約できるテレビは意外と少なく、REGZA系を除くと、パナソニックほどの装備です。
4Kチューナーは、搭載です。
チューナー数は2つなので、視聴中の裏番組録画も可能です。

映像配信サービスは、REGZAの独自方式です。
YouTube、Netflix、Prime Video、DAZN、TVerなど、主要な動画配信サービスには対応します。
Google TVではありませんが、そのぶん、USB-HDDを利用した録画機能との連携を重視した設計です。
本機は「ざんまいスマートアクセス」に対応し、録画した番組と、対応する配信サービス上の関連番組を横断的に探せます。個人プロフィールの登録にも対応します。家族で使う場合でも、「おすすめ」を自分向けに切り替えられます。

このほか「番組こねくと」も搭載です。
これは、ネット動画ほか、放送中の番組や録画番組において、関連番組や他のエピソード、見逃し配信先を探せる機能です。連続ドラマの前後の回や、過去シーズン、見逃し配信を探すような場合に便利です。
配信サービスをまたいで作品を探すという意味では、Fire TVやGoogle TVの横断検索に近い発想です。ただ、REGZAの場合は、放送番組や録画番組を起点にしても探せる点が特徴といえます。
音声アシスタントサービスは、Amazon Alexa・Google Assistantに公式対応します。
【Amazon Echoの比較記事】で書いたような対応スピーカーを購入した場合、Wi-Fi経由で、テレビの入/切、ボリューム、チャンネルなどの操作が音声で可能です。

このほか、リモコンの「ボイス」ボタンを押した際、生成AI技術を使った「レグザAIボイスナビゲーター」を利用できます。
対話形式で、放送中の番組、録画番組、未来番組、YouTubeなどのおすすめコンテンツを探してもらえる機能です。ネット上の情報だけでなく、テレビ内の録画情報も含めて横断的に探せる点がポイントです。

HFR(ハイフレームレート)は、最大4K/120Hz をフォローします。
PS5などの次世代ゲーム機に関係する規格で、あると「なめらかな動き」が楽しめます。
また、HDMI 2.1規格の機能として、VRR、eARC、ALLMにも対応します。
少し特殊な話なので、フレームレートに興味ある方は、このブログの(PC用)【ゲーミングモニターの比較】のほうで書いた話を参考にしていただければと思います。
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以上、REGZAのX7 series X770Sの紹介でした。
本機の場合、パネル部分の平均輝度の限界で、画質を活かせるのは、部屋を暗くして利用したシアター利用とは言えます。
昼間でも置き場所を工夫した上で、遮光カーテンなどで工夫すれば高画質を得られるでしょうが、リビングの家族用としては、この価格クラスだと、REGZAでも、Mini-LEDを採用するような液晶テレビのほうが良い感じはあります。
なお、画像エンジンは、REGZAは入門機でも高機能ですが、次に見る上位機の方が「より高度」です。発売時期の関係で、そちらの方が安い場合があるので比較するのは重要でしょう。
スピーカー回りもやや仕様が良くなります。

【2025年6月発売】
【48インチ】(放熱プレートなし)
50・東芝 TVS REGZA 48X8900R
¥167,905 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
モニターパネル:OLED
【55インチ】
51・東芝 TVS REGZA 55X8900R
¥225,000 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
【65インチ】
52・東芝 TVS REGZA 65X8900R
¥267,999 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
【77インチ】
53・東芝 TVS REGZA 77X8900R
¥518,491 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
モニターパネル:OLED(高輝度型)
倍速パネル:2倍速
ネット動画:自社方式
フレームレート: 4K/144Hz
新4K放送チューナー:搭載(2)
レグザのX8900Rシリーズは、同社の有機ELテレビの中級機です。
こちらは、2025年発売モデルになります。

パネルは、本機もLGのOLEDです。
「新開発 高コントラスト有機EL」という名前です。
55型以上は今回の区分だとOLED(高輝度型)とみて良いです。
最大輝度は、ただ、REGZA独自の廃熱面の独自改良で、それ以上に強化されていそうです。
実機を見た感じでは、OLED.exクラスあったようにも思えますが、断定はできません。
ただし、48型は従来通りの(普通の)OLEDの輝度です。

熱対策は、対策があります。
バックパネルに放熱プレートを独自に挿入して独自改良をなしています。
ただし、48インチは未装備です。
サイズ的に発熱量が少ないので不要とも言えなくもないです。ただ、LGによって高輝度パネルが用意されない点、あるるいは、画面が小さいことによるスペース的な問題とからだと思います。
表面処理は、低反射ARコートです。
X770Sと違って、ARコート(Anti Reflection coating)の記載があります。これはパネル表面の反射を抑えるための光学処理で、単に映り込みを低減するだけでなく、明るい部屋で黒浮きを抑え、コントラスト感を保ちやすくする利点があります。
この部分は、採用されているパネル側の表面処理で、LG Displayによる上位パネル仕様のひとつと見てよいでしょう。

画像エンジンは、同社の上位のレグザエンジン ZRαです。
エンジンは、次に見る同社の有機ELにおける最上位機にも採用される同社のハイエンドです。
次に見る上位機には及ばないものの、多くの画像補正に対応します。
下位機種で説明したクラウドAI高画質テクノロジー以外の主要機能を、以下、順番にみておきます。

第1に、ナチュラルフェイストーンProです。
AIエンジンのの深層学習の成果を使いつつ、顔の検出精度を上げ、適切に肌色を補正するというものです。
なお、下位機種にも「チュラルフェイストーン」機能はありましたが、顔の領域をリアルタイム検出し、人物に適した超解像処理まで行うのはこちらだけです。

第2に、地デジAIビューティPROです。
フルHDクラスの映像を4Kにアップスケーリングするための処理技術全体を意味します。
下位機種の「地デジAIビューティ」機能と比べると、超解像処理がより高度でフレーム間処理です。
地デジの場合、前後合わせて5フレーム見て補正します。一般的に言って、他社の超解像処理は、1フレームのみの参照(フレーム内処理)で、ここは昔からの東芝の売りです。
その上で、画像バンクを深層学習させた、AIで処理していくのが新しい部分と言えます。

第3に、アニメビューティPROです。
顔検出機能応用です。画像圧縮時などに生じるバウンディングノイズ(階調ムラのシマシマ)を抑えつつ、先述の顔検出を応用して、顔をクッキリ表示させるというものです。
そのほか、ネット動画の高画質化処理を行うネット動画ビューティPROやバンディングノイズを除去するネット動画バンディングスムーサーPROなども独自機能です。

第4に、AI超解像PROです。
主に地デジなどの低解像コンテンツに有効な超解像処理の1つです。
AIによる絵柄解析技術を利用しますが、元映像の絵柄の各部分の画質の善し悪し(精細さ)を解析し、補正するのか、復元するのか、適切に判断する技術です。
ノイズ処理に関係する部分です。

画質の自動調整は、本機も対応です(おまかせAIピクチャーZRII)
環境光センサーを内蔵する部分を含めて、下位機種の持つ機能性は本機も備えます。

一方、AIコンテンツ判別は、このグレードからの機能性です。
先述のように、同社の製品は番組情報をクラウド(クラウドAI高画質テクノロジー)からコンテンツの種類の情報取得します。
ただ、ネット動画や録画機器からHDMIで入ったコンテンツには対応できないため、この機能があります。ディープラーニング技術を使ったものでしょう。

AIシーン高画質PROによる判別は、夜景、花火・星空、リング競技、サッカー・ゴルフ・ライブシーンは、判別が付くようです。
AI学習とビッグデータ活用技術の進化で、最近はこの手の映像分析が年々高度化しています。ちなみに、どのシーンをAIに学習させたかは、やはりメーカー間で個性があります
HDR規格・倍速パネルなどの仕様は下位機種と変わりません。

スピーカーは、総合60Wです(重低音立体音響システムX)。
左右に2WAYメインスピーカーが合計2×2基、上部にハイトスピーカーが2基、中央に重低音用のウーファー(20W)が1基の、7スピーカー構成です。
チャンネル数は、2.1.2ch構成です。
ただ、48インチと75インチはやや構成が変わります。
48インチは、中央のウーファがない構成の代わりに、左右が3×2スピーカーになる、8スピーカー構成です。
75インチは、左右が3×2スピーカーである上で、ウーファーもある構成で、9スピーカー構成になります。
48型も、左右のフルレンジ(2×2基)で低音は十分なボリュームで、このあたりは「値段相応」です。実際、サウンドバーなどの外部機器を増設するにしても、5万円以上でないと(そこまで)の改善効果は感じられないそうです。
音響規格は、ドルビーアトモスに対応します。
下位機種と違い、本機はハイトスピーカーもあるので、対応コンテンツなれば、リアルな立体音響を再現できそうです。
方式は非開示ですが、通常音源も立体音響に変換できる立体音響メニューも備えます。

HFR(ハイフレームレート)は、最大4K/144Hz をフォローします。
あとの仕様は、下位機種と大きく仕様は変わりません。
そちらの説明をご覧ください。
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以上、REGZAのX8900Rシリーズの紹介でした。
488型を除けば、下位シリーズより輝度面で有利な上位機と言えます。もっとも、RGB Tandem採用機ではないので、日中に使う場合は、こちらもほどほどの遮光対策は必要でしょう。
その点をふまえると、下位機種との決定的な差は、やはり画像エンジンによる高度な解析処理です。フレーム間処理を伴う超解像処理や、オブジェクト認識技術を活かした各種補正を含めて、処理面での差は大きいです。
「AI世代」のエンジンになってから海外企業を含め、補正面は劇的に伸びてきましたが、最上位クラスのエンジンだと、補正面ではやはりREGZAは「一日の長」があるように思いました。

【2025年4月発売】
【55インチ】
54・ 東芝 TVS REGZA 55X9900R
¥289,510 楽天市場 (5/18執筆時)
【65インチ】
55・ 東芝 TVS REGZA 65X9900R
¥418,800 楽天市場 (5/18執筆時)
モニターパネル:LG RGB Tandem 1.0
倍速パネル:2倍速
ネット動画:自社方式
フレームレート: 4K/144Hz
新4K放送チューナー:搭載(2)
レグザのX9900Rシリーズは、同社の2025年の最上位機です。

パネルは、「新開発 高輝度広色域 RGB4スタック有機ELパネル」という名前です。
LG Displayの2025年世代のTandem 1.0と見てよいでしょう。
このパネルの詳しい説明は、記事冒頭の「選び方の基本」で詳しく書きました。
スペックだけ繰り返せば、ピーク輝度は約4000ニト、色域もDCI-P3 99.5%水準のパネルです。遮光にそれほど神経質にならない日中環境でも、画質を期待してよい上位機らしいスペックです。
一方、シャープとパナソニックは、Tandem 2.0世代の新パネルを投入しました。ただ、この世代でも十分優秀に思います。

熱対策は、ハイブリッドアルミ高冷却システムです。
旧機だともうすこし装備が厚い冷却システムがありました
ただ、この世代のLGパネルは、集光レンズ系のMLAではなく、RGB4スタック構造で輝度を高める方式です。そのため、REGZAはこの冷却構造で十分と判断したのでしょう。

表面処理は、アドバンスド低反射ARコートをなします。
こちらもTandem 1.0側の特徴と言え、LG系パネル側の新しい表面処理と見てよいでしょう。
外光の映り込みを抑えることで、明るい部屋でも黒浮きを抑え、コントラスト感を保ちやすくするための工夫です。
なお、映り込みは3割ほど低減されるとされますが、これは1世代前の上位機であるX9900Nとの比較です。下位機も似たような低反射効果をうたうため、下位機に対する差は数値だけでは何とも言えません。

画像エンジンは、先ほどみた下位機と同じレグザエンジン ZRαです。
ただ、機能面では、上位機だけの追加要素があります。
追加される機能性のみ、以下で説明します。

第1に、絵柄解析 再構成型超解像です。
下位機でも地デジ画質の向上のため超解像を使うフレーム間処理や、3段階超解像などはありました。
こちらもアップスケーリング処理をする際に使われる技術1つです。
1フレーム内超解像処理の1つで、画像を画素単位でエリアごと解析して詳細感を高めるものです。
なお、この部分の高度化もあり、下位機種で説明したAI超解像も「AI超解像PRO」と名前を替えています。

第2に、自己合同性型超解像技術です。
やはりフレーム内の超解像処理で、周囲の似た色の部分(画像)を重ねる形で詳細感を高めます。
とくに字幕などを滑らかにする効果があります(新マルチアングル自己合同性超解像)。
この部分は、文字部分やロゴ部分のノイズ処理技術(ロゴ検出モスキートNR)も使って処理します。

第3に、AI ナチュラルフォーカステクノロジーProです。
オブジェクト検出で背景と被写体を区別すことで立体感を高める技術です。
AI技術の発展で、各社とも最近は、前景と背景がしっかり区別できるようになっています。
各社ともこの技術をどのように活かすに個性があります。
レグザの場合、基本となる立体感の強調だけでなく、人間の肌の肌感やなめらかさを出すための処理にも使うのが、「らしい」と思います。
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結論的にいえば、新しいAI技術を取り入れながら、伝統的に進化させてきた超解像処理などの独自技術を、コンテンツに応じて、適切に組み合わせるのが、レグザの最上位機の個性であり「売り」です。
超解像処理は「差がない」という意見もあります。
しかし、実際、同社のテレビが専門誌などで評価を受けるのは、高性能エンジンを採用する上で、ハード・ソフト的な処理技術の開発に注力しているからだと言えます。
そのほか、広色域化にかかわる部分で、64色軸の制御になる部分や、エリア後との黒つぶれ白飛びを抑える「ローカルコントラスト復元」、モスキートノイズを減らす「絵柄構造適応型MPEG-NR」ほか、広色域化・ノイズ低減の部分でも高度です。

画質の自動調整は、下位機の持つ機能性は網羅します。
先住のAIシーン判別もありますし、、環境光センサーもありますので。

一方、上位機の場合、「ミリ波レーダー」の搭載です。
機能名は「レグザセンシング」としてまとめられます。
画質面では、レーダーで、複数の視聴者の位置が把握できるため、それに応じた画質処理を同時にします。「ミリ波レーダー高画質」という機能名です。
この仕組みは、画面付きスマートスピーカーなどには使用例がありますが、テレビだと初めてかと思います。
倍速パネルは、しっかり、4K2倍速パネルです。

録画機能は、「全録」対応のタイムシフト機とです。
別売の外付けHDDの大きさに応じて、地上波デジタル放送最大6チャンネルを自動で録画し、「過去番組表」から「過去数日分の番組」を振り返って見ることができます。(通常録画も可能)
チューナー数は、4Kチューナー2基ほか、地デジ用を9基、BS/CS用を3基搭載し、同時録画に対応するようにしています。

本機は、合計2台までハードディスクを取り付けられます。
6チャンネルを24時間録画すると、4TBのHDDで3日間です。
時間やチャンネルを限定すれば、1週間分も余裕です。

【2024年発売・タイムシフト対応】
【HDDタイプ:4TB】(3TB・6TBもあり)
・IODATA AVHD-AS4/E
¥27,800〜 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
【SSDタイプ:1TB】(2TBもあり)
・ IODATA AVSSD-RS1
¥34,200〜 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
なお、24時間(ほぼ)常時稼動になるタイムシフト録画を運用する場合、タイムシフト機に対応表明のあるストレージを選ぶのが無難です。
容量・コスパ・設置台数を重視する場合は外付けHDD型、設置性を重視する場合、超小型のSSD型があります。PC周辺機器メーカーのアイオーデータが積極的に出します。
興味のある方は、後ほど、以上の記事で、対応機をご覧ください。

スマホ連携機能は、一方、REGZAの場合、タイムシフトマシン搭載機では高度に対応します。
放送中番組や録画番組の再生、録画番組の持ち出し、外出先からのリモート視聴に対応します。アプリは、2027年4月以降「スマホdeレグザ」から「DiXiM Play 」に移行することがアナウンスされています。録画予約は、ひきつづき「LINE録画予約」で対応です。
映像配信サービスは、(GoogleTVなどではなく)本機も独自の仕組みですが、主要なサブスクには対応できます。
音声アシスタントサービスは、本機も、Amazon系・Google系双方とも対応で、下位シリーズと同じ対応幅です。
先述のレグザAIボイスナビゲーターも対応できます。

スピーカーは、リアルで、5.1.2chです。
アンプは、55型は170W、66型は180Wとかなり強力です(重低音立体音響システム XIS)。
構成は、トップとサイドに総計12基、メインは2ウェイ式のメインスピーカーが総計4基に加えて、2WAYのセンタースピーカー(スクリーンスピピーカー)2基と、低音用の30Wのウーファー1基で総計18基です。
55型はトップスピーカーだけ、フルレンジ構成でスピーカーが14基となりますが、問題ないです。
センターのスクリーンスピーカーは、このグレードのみの搭載です。
従来のレグザ内蔵スピーカーは、センターが少し弱く、例えばセリフの聞きとりがさほど得意とも言えなかったので、その部分を強化するための構成といえます。
ハイトスピーカーがあるので、Dolby Atmosはリアルに対応できます。
また、ステレオ音源なども、本機はプロセッサによる再計算で、バーチャルで3D立体音響にする機能もあります(レグザイマーシブサウンド360 PRO)
リアルサラウンドのチャンネル構成は不明ですが、トップトゥイーターがあるので、ドルビーアトモスは、対応水準と言えそうです。
また、サイドスピーカーもありますし、この構成ならば【サウンドバーの比較】でみた製品でいえば、少なくとも5万円クラスでないと改善効果は、見込めないといえるランクでしょう。割と良いです。

一方、心配になるのは、普通のニュースなどの聞きとりです。
ただ、2ch再生にも配慮されたシステムある上で、クリア音声など、中音域(人の声)を強化したモードもありますし、心配なさそうです。
下位機同様、「おまかせAIサウンド」もあるので、あまり意識せずとも、視聴コンテンツに合わせた適切な再生がなされます。
サイドスピーカーもありますし、この構成ならば【サウンドバーの比較】でみた製品でいえば、少なくとも5万円クラスでないと改善効果は、見込めないといえるランクでしょう。
割と良いです。

また、先述のレーダーは音にも効果を発揮するので、「ミリ波レーダー高音質」にもなり、視聴者の位置により、位相を調整するので、ステレオ感が得やすいでしょう。
接続端子は、eARC・4K/120Pともに対応です。VRR・ALLMも対応です。
あとは、新機種から、2画面表示対応になったのが目に付く違いです。
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以上、レグザのX9900Rシリーズの紹介でした。
画像エンジン(画像補正)の部分だけで言えば、各社と推しても有機ELでは最も高度で工夫を凝らした製品と言えます。
特に、超解像処理は巧みなので、4K解像度ではない、地デジ・BS・CSを含む従来放送の画質は高く評価できます。
その上で、高輝度で低発熱の新世代のパネルを装備したことで、隙が無いモデルになりました。本体も薄めでスタイリッシュに設置できそうです。
最終的なおすすめは、記事の最後に改めて提案します
地デジやネット動画などの補整機能は、かなり強力なので、(HDR対応コンテンツなどではなく)普通の画質のコンテンツを高水準に見たい場合、レグザは特に良さそうです。
今回の結論
最新の有機ELテレビのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、有機ELテレビの比較の5回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。

6・ 有機ELテレビの比較(6)
6-1:最終的なおすすめの提案【結論】
パネル品質 ★★★★★
画像エンジン ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
ネット動画 ★★★★★
番組表 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
次回、6回目記事(こちら)は、結論編です。
今回紹介した全製品からいつものように、目的別・用途別にAtlasのおすすめ機種をあげていきたいと思います。
6回目記事は→こちら!
