1回目記事からの続きです→こちら
2-1・NECの無線ルーター(続き)

2回目記事のトップバッターは、NEC(NECプラットフォーム)の、Atermシリーズのうち、1回目記事で確認できなかった上位モデルの紹介からです。
先述のように、プロバイダ提供の終端装置ではトップシェアで、家庭用でも堅実な製品構成で信頼性の高い企業です。
1・標準の無線LANルーターの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:バッファロー 〈日本〉
1-3:NEC 1〈日本〉
2・標準の無線LANルーターの比較 (2)
2-1:NEC 2〈日本〉
2-2:エレコム〈日本〉
2-3:アイオーデータ〈日本〉
2-4:TP-LINK〈中国〉
3・無線LANルーターの比較 (3)【結論】
=最終的なおすすめ機種の提案
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿いながら各機を見ていきます。
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なお、以下の本文では、Atlasのおすすめポイントは赤系の文字色で、イマイチだと思う部分は青字で書いていきます。

【2024年発売】
【通常型番】
13・NEC Aterm WX5400T6 PA-WX5400T6
¥20,130 楽天市場 (1/20執筆時)
【Amazon限定型番】
14・NEC Aterm AX5400T6 AM-WX5400T6
¥21,178 Amazon.co.jp (1/20執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi 6E(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
6.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T ×4
WAN:1000BASE-T
USB:
メッシュ:あり(自社方式)
IPv6:対応
WPA3:対応
PA-WX5400T6 は、NECのAtermシリーズの中級モデルです。
先ほどの製品の「1ランク上」に位置付けられます。
本機もAmazon限定型番がありますが、性能は通常モデルと同一です。

本体サイズは、51.5(W) x 200(H) x 215(D)mmです。
先ほどのWi-Fi 6モデルと同じ寸法です。
外部アンテナは搭載していませんが、やや大きめの筐体となります。
速度規格は、Wi-Fi6Eです。
バッファローでも説明したように、6GHz帯は現状で混雑が少なく、対応端末とであれば高速かつ安定した通信が期待できます。
接続機器側(スマホ・PC)が6GHz帯に対応していない場合でも、将来的な拡張性という面で導入メリットがあります。

アンテナ構成は、Wi-Fi6Eのトライバンド(5GHz・6GHz・2.4GHz)です。
5GHzは、2402Mbps、6GHzは、2402Mbps、2.4GHzは、574Mbpsです。
各帯域ともアンテナは2本構成で、それぞれ専用アンテナを搭載しています。
筐体はバッファロー製品より大きめですが、共用アンテナを用いず帯域ごとに専用化しているため、同等速度でも、通信の安定性向上が期待できます。
なお、本機の場合も、ワイドバンド(160MHz幅)にも対応してため、この最大速度を実現できます。

下位機種と比べる場合、やはり、6GHz帯に対応できる点は強調に値します。
「選び方の基本」で書いたように、安定的な電波到達距離の部分で課題はありますが、ルーター付近の部屋で運用する場合、5GHz帯より安定した状況で、高速通信が利用できる点は、見逃せない要素です。
メッシュは、自社方式に対応しており、同社の対応製品と組み合わせ可能です。
NECとしては、本機と同型筐体を中継機(クライアント)として利用する構成を推奨しています。
EasyMeshには非対応です。

参考値としての実効スループットは、1800Mbpsです。
下位機に対して10%ほど数字が良いです。

無線の安定性は、下位機と同等です。
Wi-Fi 6の基礎要件であるMU-MIMO、OFDMA、ビームフォーミングに加え、NECの特徴である、バンドステアリング機能、オートチャネルセレクトを搭載しています。
アンテナも、ワイドレンジアンテナPLUSを採用しています。
CPUは、クロック数は不明ですが、4コアです。
トライバンド運用を安定して処理できる性能を備えています。
消費電力も20.5Wの水準なので、問題ないです。

有線LANポートは、1000Base-T(1Gbps)×4ポートを搭載します。
ただ、WAN(インターネット)側ポートも1000Base-Tで、高速ポート(2.5Gbps以上)は非搭載です。
インターネット速度は、したがって、最大1000Mbpsとなります。
ここは、仕様がやや弱いです。
簡単設定機能は、下位機種同様、充実します。
そのほか、セキュリティ的にWPA3に対応です。
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以上、NECのPA-WX5400T6の紹介でした。
先ほどみた、同社の下位シリーズと比べた場合、トライバンド構成であること、そして6GHz帯を利用できることが大きなメリットです。
最高速度とアンテナ総数(6本)は同じですが、特に6GHz帯対応端末(スマホやPC)を、比較的ルーター近くで利用される環境では、本機の方が有利です。
もちろん、6GHz帯対応端末が少ない場合は、逆に、下位機に対して各端末の実効速度の部分で不利になる可能性があります。また、遠距離通信に強い2.4GHz帯はアンテナ2本構成のため、下位機より電波到達性能が劣る場面もあります。
こうした点から、本機は「ルーター近くに6GHz帯対応端末があり、そこで高速通信を確保したい」という条件下でおいて特に有利です。
6GHz帯に対応する端末は、スマホを含めて増えてきたので、将来的に活かせるシーンは増えていくとも言えます。一方、本機も、Wi-Fi7対応ではないですが、【Wi-Fi7対応ルーターの比較記事】で書いたように、6GHz帯をフォローする(上位の)Wi-Fi7はまだまだ高いですし、大きいです。
個人的には、この速度クラスのルーターの場合、Wi-Fi7対応より、6GHz帯対応を優先することは「悪くない選択肢」に思えます。
一方、同じ規格のライバル社(バッファロー)のWi-Fi 6E対応機と比較すると、本体はやや大きめです。ただ、専用アンテナを各帯域に2本(計6本)搭載する構成はやはり優れています。信頼性重視で6GHz帯対応の国産機を選びたい場合には、本機は候補となるでしょう。
ただし、WANポートは2.5Gbpsに非対応です。この点はバッファロー機に劣ります。フレッツ・クロスなど高速回線利用時には留意が必要です。
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一方、こうした条件面が合わない場合は、NECのさらに上位モデルを検討するのも一案です。
より高速なWi-Fi 6/Wi-Fi 6E対応ルーターについては、次回記事【 高速なWi-Fi6 Wi-Fi6E対応ルーターの比較記事】で紹介しています。
Wi-Fi6E規格のメリット性も、さらに詳しく説明しています。
2-2・エレコムの無線ルーター

続いて、日本のエレコムのルーターです。
大阪のPC周辺機器メーカーで、ルーターも昔から展開しています。

【2025年発売】
15・エレコム WRC-BE36QSD-B
¥11,746 楽天市場 (1/20執筆時)
メッシュ:EasyMesh
【2024年発売】
16・エレコム WRC-BE36QS-B
¥9,165 楽天市場 (1/20執筆時)
17・ エレコムWRC-W701-B
¥9,480 Amazon.co.jp (1/20執筆時)
メッシュ:
Wi-Fi規格:Wi-Fi7(11be/ax)
2.4GHz帯速度:688Mbps
5.0GHz帯速度:2880Mbps
6.0GHz帯速度:
有線LAN:1000BASE-T×2
WAN:2.5G〈WAN専用〉
USB:
IPv6: 対応
WPA3: 対応
WRC-BE36QSDは、エレコムの販売するスタンダードモデルです。

旧機種も併売されていますが、基本仕様は同じです。
ただ、新機種では業界規格のEasyMeshに対応し、後からメッシュ中継機を追加しやすくなりました。また、F-Secureのセキュリティ機能(SENSE)が1年間無料で利用できる特典が付属します。
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結論的にいえば、広めの住宅で将来的に「電波の届かない場所」が生じる可能性がある場合は、新機種を選ぶメリットがあります。
一方、SENSEは2年目以降有料(年額7,920円)です。不要な場合は、契約や初期設定の段階から利用しないことを推奨します。
あとは、変わりませんので、同時にみていきます。

本体サイズは、160(W) x 215(H) x 50(D)mmです。
スタンダード機としてはやや大きめです。

表の見方
横軸は周波数帯域
縦軸はアンテナ本数と帯域幅(MHz)
数値は理論上の最大速度(Mbps)
※実際の速度は環境によって半分程度になるのが一般的
通信規格は、Wi-Fi7(11be)です。
2025年時点では、この価格帯でもWi-Fi 7搭載は珍しくなくなりましたが、エレコムはすでに2024年モデルから採用していました。
各帯域の最高速度は、各帯域で異なります。
5GHz帯は、2,880Mbps,(約360メガバイト/秒)です。
2.4GHz帯は、688Mbps(約86メガバイト/秒)です。
いずれの帯域も、アンテナ2本です。
とくに、5GHz帯は、ワイドバンド(160Hz帯域幅)対応なので、この速度が出せます。
速度では、冒頭で比較したバッファロー機と同等です。
しかし、エレコムは各帯域で専用アンテナを採用しており、5GHz帯での安定性に優れます。
一方、バッファローは共用ながら5GHz帯に1本追加し、計3本で安定性を高める工夫をしています。そのため、この部分だけで、総合的にどちらが優れているかは一概に言えません。
6GHz帯は、バッファロー機と同様に6GHz帯には非対応です。
6GHz帯は混雑が少なく通信改善効果が高いですが、価格帯を考えれば非対応はやむを得ないでしょう。
それでも、2.4GHz帯の速度が遅いのは、やはり気になるところです。

最大速度は、本機も、注意が必要です。
最大速度を利用するには、端末側のWi-Fi 7および160MHz幅対応が必要だからです。
現在、Wi-Fi 7と、帯域幅160MHzに対応している端末は、近年発売の高級スマホ、ゲームミング用PCなどに限られると言えます。
現状、この条件を満たすのは近年発売の高性能スマートフォンやゲーミングPCに限られ、2023年以前の機種ではほぼ不可能です。
この場合、通信速度は最大で約1200Mbps(約150MB/秒)となり、実質的にはWi-Fi6と大差ない速度となります。
実際に「購入したが速度が出ない」という口コミの多くは、この部分が原因です。
メッシュは、EasyMesch対応です。
エレコムはメッシュ対応しないのが、従来の難点でしたが、この部分は解決しました。
他社機を含め対応機ともネットワークが組みやすい仕様なので、いざ買ってみて、「届かない部屋があった」場合、増設が簡単です。

無線の安定性は、本機は、工夫があります。
MLO(マルチリンクオペレーション)とMulti-RU(マルチリソースユニット)は、Wi-Fi7の構成条件なので、自動的に「対応」と言えます。
詳しい説明は冒頭のバッファロー機で行いましたので省略します。詳細を知りたい場合は【Wi-Fi7ルーターの比較記事】の冒頭の説明をお読みいただければと思います。
加えて、本機はエレコム独自の通信安定化技術を搭載しています。以下、主な機能を挙げます。

第1に、 プリアンブル パンクチャリングです。
Wi-Fi 7特有のオプション機能で、必須要件ではありません。
干渉のないチャネルを選び、電子レンジ使用時などの電波干渉時にも接続障害を軽減します。
先ほどのバッファロー機には非搭載であり、本機の差別化ポイントです。
第2に、バンドステアリングです。
NEC機と同等の仕組みで、電波強度だけでなく混雑状況も考慮して最適な帯域へ振り分けます。
バッファローの「バンドステアリングLITE」より上位ですが、NEC機にあるオートチャネルセレクトは非対応です。
第3に、ビームフォーミングZです。
端末側が対応していれば、スマホなど移動端末との接続安定性を高めます。名称に「Z」が付きますが、Wi-Fi 6以降で一般的なビームフォーミングと機能はほぼ同等です。

なお、エレコムの場合、ハードウェアNAT処理に対応しており、実効スループットの向上が見込めます。
過去にはネットゲームで通信の途切れが報告され搭載を見送ったメーカーもありましたが、現行では改善されていると考えられます。
CPUは、コア数などは未記載です。
ただ、仕様的にそれなりのものを積むでしょう。

接続端子は、LANポートが2ポートと、WAN(インターネット)が1ポートです。
WAN側は2.5Gbps対応のため、フレッツ光クロスなどの高速光回線契約を活かせます。
ただし、LAN側は1000Base-T(最大1Gbps)が2ポートのみで、有線LAN接続では最大1Gbps(約124MB/秒)が上限となり、WAN側の速度をフルには生かせません。
消費電力は、13.2Wと、Wi-Fi 5世代の入門機とほぼ同水準です。
IPv6は、対応です。
簡単設定機能は、WPSに対応です。
セキュリティは、WPA3に対応です。
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以上、エレコムのWRC-BE36QSDの紹介でした。
本機は、2025年に登場した6GHz非対応の普及版Wi-Fi 7機のエレコム版といえます。国産機では、記事冒頭で紹介したバッファロー機がライバルでしょう。
比較すると、両帯域とも専用アンテナを搭載するシンプル構成、2.5Gbps WANポート搭載、パンクチャリング対応といった点で、バッファロー機より優れています。
一方で、5GHz帯のアンテナが1本少ないことや、小型のバッファロー機に比べて筐体がかなり大きい点は難点です。
スタンダードクラスでも将来性を重視し、Wi-Fi 7を必須条件として選びたい場合は、設置スペースさえ確保できれば、バッファロー機より本機が有力候補となるでしょう。
ただし、バッファロー機と同様に、遠距離伝送が得意な2.4GHz帯の速度は速くないため、広めの住宅ではメッシュ(中継機)の併用が推奨されます。それが叶わないならば、他機も検討してください。
なお、本機と(ほぼ)同じ仕様の製品がアイオーデータから出ています。OEM関係があるためですが、そちらのほうが、保証期間が長い(本機は1年)である点は、値段を見比べる場合は、注意してください。
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【2025年発売】
(通常型番)
18・エレコム WRC-X3000GS4-B
¥7,114 楽天市場 (1/20執筆時)
(直販型番)
19・エレコム WRC-W602-B
¥7,979 Amazon.co.jp (1/20執筆時)
メッシュ:EasyMesh
【2023年発売】
20・エレコム WRC-X3000GS3-B
¥9,980 Amazon.co.jp (1/20執筆時)
メッシュ:
Wi-Fi規格:Wi-Fi6(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:1000BASE-T
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
なお、本機の下位機種となるのがWRC-X3000GS4シリーズです。
旧機種が残りますが、こちらもメッシュ対応の有無ほどの違いです。一方、新機種は、直販のみ型番を変えていますが、性能は変わりません。

規格は、どれも、Wi-Fi6です。
アンテナ数は変わりませんし、最大速度もそこまで大きく変わりませんが、Wi-Fi7に特有の通信安定化(MLO・Multi-RU・パンクチャリング)技術がありません。
端末側の対応も必要なので、今すぐ差が付くわけではないものの、将来性の部分では大きな差があります。
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結論的にいえば、本機の方がややスリムではありますが、選ぶならばさきほどの上位機でしょう。
2-3・IODATAの無線ルーター

つづいて、日本のアイ・オー・データ機器の無線LANルーターです。石川県を拠点とするPC周辺機器メーカーです。
な お、2023年からエレコムとアイ・オー・データはOEM提携を行っており、端子配置を含め仕様がほぼ同一で、外観のみ異なる機種が多く存在します。
製造はおそらくアイ・オー・データ側が担っていると推測されます。
もちろん、付属ソフトやサポート体制など、サービス面は両社で異なります。

【2024年発売】(2機は同じ性能)
21・IODATA WN-7D36QR
¥9,868 Amazon.co.jp (1/20執筆時)
22・IODATA WN-7D36QR/UE
¥11,480 Amazon.co.jp (1/20執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi7(11be/ax)
2.4GHz帯速度:688Mbps
5.0GHz帯速度:2880Mbps
6.0GHz帯速度:
有線LAN:1000BASE-T×2
WAN:2.5G〈WAN専用〉
メッシュ:EasyMesh
USB:
IPv6: 対応
WPA3: 対応
WN-7D36QRは、アイオーデータのスタンダードクラスのルーターです。
エレコムやバッファローの同級機と同じ「普及版」Wi-Fi 7モデルにあたります。

本体サイズは、160(W) x 215(H) x 50(D)mmです。
先ほどのエレコム機と筐体サイズは全く同じです。
したがって、バッファローの(普及版)Wi-Fi7機よりもやや大きめです。

最大速度は、理論上、5GHz帯の2,880Mbps(約360メガバイト/秒)です。
2.4GHz帯は、688GHzです。
アンテナも専用アンテナで、各帯域2本となる堅実な構成である点を含めて、エレコム機と変わりません。
6GHz帯も、同じく、非対応です。

無線の安定性も、エレコム機と同じ仕様です。
つまり、MLO・Multi-RU ・パンクチャリングなどのといったWi-Fi 7の構成要件、またWi-Fi 6の必須要件であるMU-MIMOやOFDMAも備えています。
詳細説明は重複するため省略します。
相違点としては、ビームフォーミングが端末側非対応でも動作する「ビームフォーミングW」に対応している点が挙げられます。ただし、近年のスマートフォンはほぼ全てビームフォーミングに対応しているため、この機能の優位性は限定的です。
CPUは、コア数を含めて、不明です。
メッシュは、本機も、EasyMesh対応です。

接続端子は、LANポートが2基、WANポート(インターネット)が1基という構成です。
エレコム機と同じで、WANポートは2.5Gbps対応のため、フレッツ光クロスなどの高速回線を活かせます。
一方、LANポートは1Gbps(実効約124MB/秒)止まりのため、有線接続のPC利用ではボトルネックとなる可能性があります。
消費電力は、13Wです。
IPv6は、対応です。
セキュリティは、WPA3に対応です。

保証期間は、一方、アイオーデータは、3年間です。
ここがエレコム機との最大の差別化ポイントです。保証が長いのは安心材料となります。
一方、EasyMeshは対応しますが、自社指定機種以外(他社製品)との組み合わせについては相性保証がありません。
ただ、ここは、仕方ないでしょう。 
独自機能として、スマホアプリ「Wi-Fiミレル」により、通信状況をヒートマップ形式で表示できます。あらかじめ間取り図を自作し、それを撮影して読み込む方式です。
利便性は好みが分かれますが、ユニークな機能とは言えます。
セキュリティ対策ソフトは、未付属です。
ただし、付属しても永年無料ライセンスを持つ製品は少ないため、必須ではないでしょう。
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以上、アイオーデータのWN-7D36QRの紹介でした。
先述の通り、エレコム機と主要スペックは同一です。同社の他機種に見られる、独自のアンテナ技術に関する説明もなく、本機はアイオーデータがエレコムにOEM提供している製品と考えられます。
独自仕様はほぼ見られないため、両機を比較して安い方を選べばよいでしょう。ただし、保証期間がアイオーデータの方が長い点は評価できます。
仕様面では、エレコム機と同様に2.4GHz帯の速度は控えめですが、それ以外は、6GHz帯非対応のWi-Fi 7「普及機」としては堅実にまとまっています。
また、同社はユーザーサポートが比較的手厚い印象があり、価格が同程度であればこちらを選択する価値は十分あるでしょう。
2-4・TPLINKの無線ルーター

つづいて、中国のTP-LINKです。
Wi-Fiルーターでは世界的シェアのある企業で、日本進出からわりと時間も経ちました。
やはりゲーム用が強い印象ですが、わりと価格重視の製品も展開します。

【2024年発売】
23・TP-Link Archer BE3600 BE220
¥9,800 Amazon.co.jp (1/20執筆時時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi7(11be/ax)
2.4GHz帯速度:688Mbps
5.0GHz帯速度:2880Mbps
6.0GHz帯速度:
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:1000BASE-T×1〈WAN専用〉
メッシュ:EasyMesh
USB:
IPv6: 対応
WPA3: 対応
Archer BE3600は、TP-Linkの、スタンダードクラスのルーターです。
他社同様、このクラスは6GHzに非対応の「Wi-Fi7普及版」仕様です。

サイズは、幅170×t高さ155×奥行52.5mmです。
かなり小型で、消費電力も18Wと優秀です。

通信規格は、本機もWi-Fi7(11be)です。
他社の「普及版」と同じでやはり6GHz帯がない仕様です。
各帯域の最大速度は、各帯域で異なります。
5GHz帯は、2,880Mbps(約360メガバイト/秒)です。
2.4GHz帯は、688Mbps(約86メガバイト/秒)です。
各帯域の最大速度も、他社の「Wi-Fi7普及版」と変わりません。
アンテナ構成は、非開示です。
「内蔵アンテナ×3」というのが唯一公式サイトから得られる情報です。
おそらく、2帯域共用アンテナが2本と、5GHz帯専用で1本でしょう。
バッファローと同じで(本来不要な)5GHz帯を1本多く配置することで通信安定性を高める構成だと推定します。
これ以外にも1本共用で、各帯域で1本ずつ専用という可能性もありますが、正確には分かりません。
ただ、いずれパターンでも「共用アンテナ」使われているのは確かなので、処理が複雑になる部分は、専用アンテナのみの他社機(エレコムやアイオーデータ)に比べると、多少の注意点にはなります。

最大速度は、ただ、本機の場合も、先ほどだした数字を達成するには、端末側のWi-Fi 7および160MHz幅対応が必要です。
すでに、各製品で繰り返してきたので、詳細は省略しますが、近年発売の高性能スマートフォンやゲーミングPCを除けば、通信速度は最大で約1200Mbps(約150MB/秒)ほどです。
実質的にはWi-Fi6と大差ない速度ですが、先述のように、ルーター選びの観点では「将来への投資」になるため、購入を見送る理由にはならないでしょう。
メッシュは、EasyMesch対応です。
最近は、各社とも対応指摘マシが、本機も対応機同士で、ネットワークが組みやすい仕様です。
先述のように、買ってみて、特定の部屋で「つながらなかった」場合の保険になります。
ただし、TP-Linkの場合も、他社対応機との相性保証はありません。
無線の安定性は、Wi-Fi6・Wi-Fi7の必須要件となる機能は、本機も網羅します。
ただし、パンクチャリングの対応は不明です。
これは、Wi-Fi7のオプション要件なので、「普及版Wi-Fi7」だとない事例があります。
CPUは、性能面での言及はないです。
接続端子は、WANと4系統のLAN全て1000BASE-Tです。
したがって、ネット速度は、1Gbps(125MB/秒)にボトルネックがあります。
フレッツ光クロスなどの高速回線を使う場合は、注意してください。
消費電力は、非開示です。
ただ、公開されるACアダプタの出力情報からすれば、他社機同様13W前後でしょう。
問題ないです。
セキュリティは、WPA3に対応です。
保証は、同社の場合、アイオーデータと同じで3年間です。
長めと言えます。
IPv6は、対応です。
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以上、Archer BE3600の紹介でした。
主要メーカーすべてが、この速度仕様の「Wi-Fi7普及機」が出そろったので、選ぶのが難しい状況になりました。
各社とも、微妙な仕様差があるもののTP-LINKの場合は、若干販売価格が「安め」である上で、アイオーデータと同じ3年保証である点が見どころです。
逆に、バッファローと同じく、共用アンテナがその構成に入るだろう部分が、若干ネックに思えます。
一方、これは各社共ですが、IOT家電を含む多くの製品が利用する上で、遠くまで電波が届きやすい2.4GHz帯のアンテナ数と速度がイマイチ弱いので、そこが2万円前後の「1ランク上」の機種との違いと言えます。
いずれにしても、最終的な「おすすめ」がどの製品なのかは、のちほど「結論編」で、改めて考えるつもりです。
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【2023年発売】
【通常型番】
24・TP-Link Archer AX3000
¥5,865 楽天市場 (1/20執筆時)
25・TP-Link Archer AX3000/A
¥6,420 Amazon.co.jp (1/20執筆時)
【Amazon限定モデル】(同じ性能)
26・TP-Link Archer AX3000V
¥5,250 Amazon.co.jp (1/20執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi6(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:1000BASE-T
メッシュ:
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
なお、本機の旧機に当たるのが、Archer AX3000です。
同社の場合、上位機に比して、比較的安いので、下位機として選択肢には入るでしょう。
なお、Amazon限定モデルは、簡易梱包になりますが、性能は変わりません。
なお、壁紙のオマケ付です。

サイズは、幅45×奥行き157×高さ166mmです。
このクラスではそれなりに小さいです。

接続規格は、Wi-Fi6(11ax)です。
理論上の最高速度は、5GHz帯の2401Mbps、2.4GHz帯だと574Mbpsです。
新機種(Wi-Fi7)とそこまで変わりません。
とくに、先述のように、そこまで新しくないPC・スマホ端末(2023年以前発売のものは基本全部)とつなげる場合の速度は、新機種とほぼ同じです。
---結論的にいえば、基本的に「将来性」を考える場合、Wi-Fi7特有の通信安定化技術の部分で、先ほどの機種を選ぶべきです。
ただ、1万円を大幅に下回る予算で考える場合、1万円以下のルーターを紹介した【激安ルーターの比較記事】でみた各機より「最高速」は有利です。
その点で、家庭内で完結するようなネットワークの高速化をなしたい場合は、そういった格安機のなかでは、選んで良いとは言えます。
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【2023年9月発売】Archer Air R5/A
27・TP-Link Archer Air R5
¥9,624 Amazon.co.jp (0/15執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi6(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×1
WAN:1000BASE-T
メッシュ:EasyMesh
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
このほか、Wi-Fi6だと、同じ速度構成で、相当薄い製品もでています。

写真のような壁掛け前提で考えられた製品です。
壁にプラケットと壁面シールでくっつける仕様です。
重さは290gで、厚みも8mmなので、相当すっきり設置ができそうです。
無線ルーターは、基本的に高いところに置いた方が「飛ぶ」ので、少し高めのところにみ映えよく付けるには良さそうです。
一方、壁に直付けでルーター(アンテナ)が動かせない部分をふまえると、広範囲に飛ばすことは前提にしていないでしょう。

Archer Air E5
¥12,800 Amazon.co.jp (1/20執筆時)
その部分で言えば、本機は同じ形の中継機が同時発売なので、組み合わせて家中に拡げる感じで使うという提案と言えます。

この中継機を含めて、同社のメッシュシステム(EasyMesh)に対応なので、しっかり考えれば、見かけがスマートで割と便利なシステムが構築できるでしょう。
なお、同社のEasyMeshを含めて、こうしたメッシュ構築の部分は【メッシュWi-Fiの比較記事】でいろいろ書きました。
なお、1-2台ではなく、本当に広範囲に構築するならば、親機の性能(CPU)が課題になるので、そちらで紹介しているようなシステムのが良いかと思います。

【2023年発売】
28・TP-Link Archer AXE5400/A
¥12,200 Amazon.co.jp (1/20執筆時)
29・TP-Link Archer AXE5400
¥12,480 楽天市場 (1/20執筆時)
【Amazon限定モデル】(同じ性能)
30・TP-Link Archer AXE5400V
¥13,800 Amazon.co.jp (1/20執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi 6E(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
6.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×3 2.5G×1
WAN:2.5GB〈LAN共用〉
メッシュ:EasyMesh
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
TP-Link Archer AXE5400は、TP-Linkが販売する上位クラスのWi-Fiルーターです。
こちらも、Amazon限定モデルがありますが、簡易梱包になる点を除いて性能は同じです。
ちょっとした壁紙のオマケもあります。

本体サイズは、幅189×奥行200×高さ59mmです。
やや大きめではあるものの、設置性に大きな支障はないでしょう。
規格は、6GHz帯に対応するWi-Fi 6Eです。
6GHz帯は現在利用者が比較的少なく、干渉の少ない帯域です。
そのため、IoT家電や他の無線機器との混信によって速度低下が生じやすい環境では、とくに有効です。

アンテナ構成は、Wi-Fi6Eのトライバンド(3バンド)です。
5GHzは、2401Mbpsです。
アンテナは2本で、2.4GHz帯と共用です。
6GHzは、2401Mbpsです。
アンテナは2本で、こちらは専用です。
2.4GHzは、573Mbpsです。
アンテナは2本で、5GHz帯と共用です。
この構成は、先に取り上げたバッファロー製Wi-Fi 6Eルーターと同一で、速度も同等です。
したがって、共用アンテナである部分はネックです。ただ、6GHz帯は専用アンテナ構成であるため、この帯域を重視する場合は、十分魅力的な仕様といえます。

無線の安定性は、MU-MIMO・ビームフォーミング・OFDMAを搭載しています。
いずれも、Wi-Fi 6規格における標準機能です。
さらに、本機は通信の優先度を設定できるQoS(Quality of Service)機能を搭載と案内されています(上図)。主にオンラインゲームなど、リアルタイム性を重視する用途で有効です。
なお、同社の場合、QoS(通信優先度設定)機能は、機種によっては後のファームウェア更新で追加・仕様変更される場合がありました。本機については、現時点で設定画面に見当たらないとの報告もあるため、利用を前提とする場合は事前確認をおすすめします(要調査)。
インターネット速度は、2.5GBbs(=312.5MB/秒)対応です。
有線LANポートも、2.5Gbps対応の共用端子が1ポートと、1000Base-T対応ポートが3ポートという構成です。
共用構成のため、有線接続時の最大速度は実質1Gbpsとなります。
ただし、高速インターネット契約をしていない場合でも、家庭内ネットワーク用途で2.5Gbpsを活かせる点は有意義です。
簡単設定機能は、PC用のWPSのみの搭載です。
セキュリティは、最新のWPA3に対応します。
IPv6には、対応です。
海外機は対応しないものがありますが、こちらは対応があります。
保証期間は、3年間です。
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以上、TP-Link Archer AXE5400の紹介でした。
1Gbpsを超える高速インターネット回線を契約しており、Wi-Fi 6Eに対応するメインPCなど一部の機器だけでも速度を向上させたい場合、本機は有力な選択肢となります。
他社からも同等機能の対応機は発売されていますが、本機は比較的価格が抑えられており、コスト面でも魅力があります。
機能面では、優先接続先を設定できるQoS対応も特徴のひとつです。ただし、前述のとおり現時点では設定画面に見当たらないとの報告もあり、この機能を目的に購入する場合は事前確認をおすすめします。
次回に続く
無線LANルーターのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、一般家庭向けの高性能無線LANルーターの比較の2回目記事でした。
しかし、 記事はもう少しだけ「続き」ます。

3・無線LANルーターの比較 (3)【結論】
=最終的なおすすめ機種の提案
主な用途 2DK〜3DK向き
通信速度 ★★★★★
到く距離 ★★★★★
通信安定性 ★★★★★
端子構成 ★★★★★
簡単設定 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
最終回となる「結論編」(こちら)では、上表のようなポイントから、今回紹介した価格帯の製品を含めて、価格別・目的別に、Atlasのおすすめ機種!を提案しています。
引き続き、よろしくお願いします。
最終回記事は→こちら
