1回目記事からの続きです→こちら
2-1・エレコムの無線ルーター
2回目記事のトップバッターは、日本のエレコムのルーターです。
大阪のPC周辺機器メーカーで、ルーターも昔から展開しています。
1・標準の無線LANルーターの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:バッファロー 〈日本〉
1-3:NEC〈日本〉
2・標準の無線LANルーターの比較 (2)
2-1:エレコム〈日本〉
2-2:アイオーデータ〈日本〉
2-3:TP-LINK〈中国〉
2-4:LINKSIS〈米国〉ほか
3・無線LANルーターの比較 (3)【結論】
=最終的なおすすめ機種の提案
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿いながら各機を見ていきます。
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なお、以下の本文では、Atlasのおすすめポイントは赤系の文字色で、イマイチだと思う部分は青字で書いていきます。
【2022年発売】
19・ELECOM WRC-2533GS2V-B
20・ELECOM WRC-2533GS2V-W
¥8,980 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi5(11ac)
2.4GHz帯速度:600Mbps
5.0GHz帯速度:1733Mbps
有線LAN:1000BASE-T ×4
WAN:1000BASE-T
メッシュ:
USB:
IPv6:対応
WPA3:
WRC-2533GS2V は、エレコムが販売する家庭向けの無線ルーターの入門機です。
同社の場合、このクラス以上が、2LDKや一軒家にも対応できるクラスです。
本体サイズは、幅142×奥行40×高さ185mmです。
かなり小型です。縦置きもできますが、横置きでも使いやすいといえます。
隠蔽配線ができずとも、壁にも設置できます。
規格は、Wi-Fi5(11ac)です。
少し昔の高速規格です。
無線の最大速度は、2つの帯域ごとで異なります。
第1に、5.0GHz帯です。
速度は、最大1733Mbps(約162メガバイト/秒)です。
第2に、2.4GHz帯です。
速度は、最大600Mbps(約75メガバイト/秒)です。
どちらの帯域とも、バッファロー・NECの入門機と同じスペックです。
アンテナは、共用ではなく両帯域とも専用ですので、NECに近いです。
こちらも、2.4GHz体の表記上の数値(800Mbps)は、普及していないデジタル変調方式「256QAM」の利用時の数値なので、600Mbps水準と考えてください。
インターネット速度は、「選び方の基本」で書いた、WAN仕様上のボトルネックで1000Mbpsが最大です。
いくら高速な回線を契約していてもこの値です。
メッシュは、非対応です。
サテライト(中継機)導入にはあまり適さないでしょう。
無線の安定性は、エレコム機は仕様面で優秀です。
第1に、バンドステアリングです。
電波強度だけでなく、混在帯域を把握する仕組みですのでNECと同等で、バッファローの(バンドステアリングLITE)より上位です。
第2に、ビームフォーミングZです。
「Z」が付きますが、エレコムの場合、機器側のビームフォーミング対応が必要なので、バッファローのビームフォーミングEXとは違う、普通のビームフォーミングです。
ただ、スマホなどはすでにビームフォーミング対応が普通であり、問題ないです
第3に、MU-MIMOです。
アンテナごと複数の端末に同時通信できる技術ですが、他社同様に載せています。
第4に、CPUです。
2コアのCPU搭載との記載ですが、クロック数は不明です。
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結論的にいえば、こうした技術面では、二社に負けない技術を搭載していると言えます。CPU部分も、この速度クラスならば過度に心配しなくても良いかと思います。
なお、エレコムの場合、ハードウェアNAT処理に対応し、実効スループットを高めています。
この方式は昔からあります。
ただ、ネットゲームなどで、通信が間断的になるなどの弊害が過去にあり、搭載を止めた会社がありました。おそらく、解決されたのだと思います。
有線LANポートは、1000Base-T対応で、4ポート搭載されます。
簡単設定機能は、業界共通仕様のWPSには対応します。
ただ、NECやバッファローのようなQRコードなどを使った独自の簡単接続機能は持ちません。
セキュリティは、最新のWPA3には非対応です。
IPv6には、対応です。
一方、他社も含めた最近の傾向で、本機もセキュリティ機能の部分を他社製品で強化します。
本機の場合、【セキュリティソフトの比較記事】で紹介したトレンドマイクロの正規版の90日間の利用権です。
他社機のように、組込型ではないですが、先述のように、組み込み型は、セキュリティソフトといずれにしても、機能面で「被る」ので、むしろこの方式で良いかと思います。
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以上、エレコムのWRC-2533GS2Vの紹介でした。専門誌の検証記事で高評価だった機種の後継機です。
実際、他社の家庭用向けの格安入門機と比べても、速度面・安定化技術の面と、抜き出た特長はないにせよ、欠点も見られない構成に思えます。
ただ、他社でも説明しましたが、現状で、スマホ・PCともWi-Fi6がスタンダード対応となっている現状をふまえると、Wi-Fi5クラスであるのは物足りない感じはあります。
対応する場合、速度面ほか、通信安定性でも有利なので。
【2021年発売】
【テレワーク用】
21・エレコム WRC-X3200GST3-B
¥7,498 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
【ゲーミング用】
22・エレコム WRC-G01-W
¥6,900 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi6(11ax)
2.4GHz帯速度:600Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:1000BASE-T
メッシュ:
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
WRC-X3200GST3も、エレコムのWi-Fi6対応の無線LANルーターです。
一方、姉妹機として、筐体の白いWRC-G01-Wが出ました。ゲーミング用とされますが、全く同じ製品で、定価も同じです。
後述する、らくらくQOS機能の設定画面で、購入時に、チェックボックスの位置が「ビジネス関連優先」か、「オンラインゲーム優先」かの違いだけです。
言うまでもなく、チェックボタンを押すだけで変わるので、値段で選んでOKです。
本体サイズは、幅47×奥行147×高さ190mmです。
まだまだ、中型の域で設置性に問題ないです。
規格は、こちらはWi-Fi6(11ax)です。
速度は、帯域(バンド)ごとに異なります。
第1に、5.0GHz帯は、2401Mbps(約300メガバイト/秒)です。
4本の専用アンテナであり、クセのない構成です。
第2に、2.4GHz帯は 600Mbps(約75メガバイト/秒)です。
4本の専用アンテナです。
一方、この部分の仕様はバッファローと同じで、このバンドのみWi-Fi6非対応なので、Wi-Fi5のアンテナ4本の速度になります(上表)。
本機も、256QAM対応機だと800Mbpsですが、対応端末はほぼないです。
インターネット速度は、本機も、1000Mbpsが最大です。
「選び方の基本」で書いた通り、WAN側の仕様の限界からです。
無線の安定性は、下位機種で見た技術は全て網羅します。
その上で、Wi-Fi6規格の「基本装備」として、アンテナごと複数の端末に同時通信できるMU-MIMOだけでなく、小分けされた帯域幅(サブキャリア)単位で、複数の機器に同時通信できるOFDMAにも対応です。
CPUは、ただ、性能が非開示です。
加えて、らくらくQoSという、優先したい通信を優先設定できる機能が付属です。
QOSは、他社の場合、わりと上級の製品しかないので、ワンポイントです。
4つのモードが選べるほか、手動設定が可能です。なお、手動設定は、4つのモードのどれを優先するか、1-4まで順位を付けるというものです。
そのほか、ハードウェアNATは本機も付属で、アンテナのDXアンテナの技術で、下位機種と同じです。
接続端子は、1000BASE-T規格の端子が4つです。
簡単設定機能は、業界共通仕様のWPSには対応します。
インターネット速度は、WAN側も1000BASE-Tなので、高速回線を導入したとしても、1000Mbpsの部分にボトルネックがあります。
セキュリティは、本機は、WPA3に対応です。
新世代の強固な暗号化技術で、最近はiPhoneなども対応しています。
IPv6にも、対応です。
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以上、ELECOMのWRC-X3200GST3の紹介でした。
他社のWi-Fi6搭載の家庭用の中級機と比べる場合、らくらくQoS搭載がワンポイントです。回線が不安定な場合に、テレワークなどでZOOMを使う場合など、わりと意味はありそうです。
無線安定化の部分では、CPU部分の仕様情報の開示は欲しいところですが、それ以外は問題ないです。
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【2023年発売】
23・エレコム WRC-X3000GS3-B
¥12,108 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
【2022年発売】
24・エレコム WRC-X3000GS2-B
25・エレコム WRC-X3000GS2-W
¥9,180 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi6(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:1000BASE-T
メッシュ:
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
なお、本機の下位機種となるのがWRC-X3000GS3シリーズです。
旧機種が残りますが、本体が多少大きい以外、性能は同じです。
スペック的には、2.4HG帯のアンテナが2本となるため、遠く離れた場所での速度は先ほどみた機種より遅い場合が多いです。
その上で、優先接続する端末を選べるらくらくQoSも省略なので、差はあります。
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結論的にいえば、本機の方がスリムではありますが、選ぶならばさきほどの上位機でしょう。
【2023年発売】(2機は同じ製品)
26・エレコム WRC-XE5400GSA-G
¥10,480 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
27・エレコム WRC-XE5400GS-G
¥10,978 楽天市場 (4/18執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi 6E(11ax)
2.4GHz帯速度:573Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
6.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:1000BASE-T
メッシュ:
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
WRC-XE5400GS-G は、エレコムの家庭向けのルーターの上位機です。
規格としてはWi-Fi 6Eルーターです。
対応機はバッファローでもみましたが、エレコムが先行しました。
本体サイズは、幅49×奥行175×高さ194mmです。
消費電力18Wクラスのそこそもの高性能機ですが、わりと小型です。
サイドにパンチングがあり、廃熱しているように見えます。
規格は、Wi-Fi6Eです。
バッファローで機でも書いたように、日本では開放されたばかりなので、ご近所との混線が少なくつながりやすいなどのメリットがあります。
対応端末も、iPhone(iPhone15 Pro)や23年以降のMac含めて、各社の対応は進んでいます。
アンテナ構成は、Wi-Fi6Eのトライバンド(3バンド)です。
2.4GHz帯は、アンテナ2本で、最大574Mbps(約72メガバイト/秒)です。
5.0GHz帯・6.0GHz帯は、アンテナ2本です。
ワイドバンド(WB)対応なので、2本でも最大2401Mbpsです。
WBも端末側の対応が必要で、ない場合は速度は落ちます。
例えば、Apple製品だと23年以降のMac、Phone 15Pro、22年以降のipad Proのみ の対応です。
普及はまだまだで、対応しない場合は、Wi-Fi6(あるいはWi-Fi5)のアンテナ2本と同じ速度です。
このほか、Wi-Fi 6Eと6GHz帯のメリット性は、このグレードより1ランク上の上位品を比較した【Wi-Fi6ルーターの比較記事】の冒頭でもう少し詳しく書いています。
興味がある方はご覧ください。
無線の安定性は、1つ上で見た中級機と構成はだいたい同じです。
ただ、らくらくQoSは非搭載です。おそらくCPUの限界でしょう。
その部分で言えば、「構成のデュアルコアCPU」としか説明がないのは、高性能な上位機だけに少し不安ではあります。
メッシュは、EasyMeshを含めて非対応です。
有線LANポートは、1000Base-T(1GB)で3ポートです。
超高速なネット回線契約は活かせないスペックです。
この部分では、1回目記事で見たバッファローのWi-Fi 6E対応機(=2.5G対応)にやや負けます。
あとの部分は、LAN構成やセキュリティを含めて、1つ上の下位機と同じです。
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以上、ELECOMのRC-XE5400GSの紹介でした。
Wi-Fi 6E対応機では、安めの機種として、すでにみたバッファロー対応機のライバルです。
そちらでも書きましたが、WB(ワイドバンド)の端末側の対応がイマイチ拡がっていない部分をふくめて、アンテナ2本というスペックは注意点です。
Wi-Fi6・Wi-Fi6Eでも非対応端末は速度が落ちますし、アンテナ2本だと、Wi-Fi5のみ対応の製品はさらに、最大867Mbpsになるので。
もちろん、アンテナ4本機より価格面の値頃感があるので、空いている6GHz帯を試したい方には良さそうですし、混線対策には効果的です。
また、同スペックのバッファロー機と比べると、バンドステアリング(ライト)に対応しないですが、価格は若干安めなので、その部分で選択肢になりそうです。
2-2・IODATAの無線ルーター
つづいて、日本のアイオーデータの無線LANルーターです。
やはり、石川県基盤のPC周辺機器メーカーです。
【2022年発売】
28・IODATA WN-DAX3000GR
¥5,808 楽天市場 (4/18執筆時)
29・IODATA WN-DAX3000GR/E
¥7,380 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
30・IODATA WN-DAX3000GR/D
¥12,021 楽天市場 (4/18執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi6(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:1000BASE-T
メッシュ:
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
WN-DAX3000GRは、アイオーデータの家庭向けの入門機です。
ここまでみた各社とも、この価格クラスの入門機はWi-Fi5でした。
しかし、同社は上位のWi-Fi6対応機になります。この速度クラスだと他社機と比べて「安め」とも言えます。
なお、流通ルートで型番が3系統ありますが、性能は同じです。
本体サイズは、約幅52×奥行196×高さ197mmです。
小型で圧迫感はないです。
規格は、先述のように、Wi-Fi6(11ax)です。
速度は、帯域(バンド)ごとに異なります。
第1に、5.0GHz帯は、2401Mbps(約300メガバイト/秒)です。
第2に、2.4GHz帯は 574Mbps(約75メガバイト/秒)です。
デュアルバンド(2バンド)ですが、アンテナは両帯域の共用アンテナで2本です。
5GHzで2401Mbps出せるのは、WB(ワイドバンド)対応だからです。
メッシュは、非対応です。
無線の安定性は、複数の工夫があります。
ビームフォーミング・MU-MIMO・OFDMAは Wi-Fi6規格の必須要件ですので搭載です。
一方、そのほかの独自技術例えば、QOS・バンドステアリングなどの技術はないです。
CPU情報もないですし、このあたりの工夫は、他社の入門機並であり、充実しません。
ただ、同社は、アンテナ部分も売りで「360コネクト」という全方向性のハイパワーアンテナを搭載します。
試験家屋で、全方向で測定する雑誌記事などで評価が高いのは、このハイパワーアンテナによる部分は大きいでしょう。
有線LANポートは、4つ搭載です。
1000BASE-Tです。このクラスなら問題ありません。
簡単設定機能は、WPSに対応するほどです。
ただ、同社の「Wi-Fiミレル」アプリを利用することで、電波強度をヒートマップ的に表示できるため、置き場所や方向性の調整には便利そうです。
ただ、アイオーデータについては、本体3年保証、返金保証が付くので、保証面で優しいと言えます。
IPv6(IPoE)・WPA3は、対応します。
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以上、アイオーデータのWN-DAX3000GRの紹介でした。
国内企業の製品で、Wi-Fi6対応で2401Mbpsだせる製品では安めであると言えます。ルーターの近くにある1端末(PC)に速度があれば良いならば、選択肢にできる格安機と言えそうです。
この速度を出すには、端末側がワイドバンドに対応する必要はありますが、2021年前後から普及は進んできましたし、先行投資として損はないでしょう。
そのほか、2.4GHzは574Mbpsで家庭用としてはやや弱く、アンテナも共用で2本となる点で、多端末の同時利用に必ずしも強くない点、あるいは、(電波が弱かった場合の保険となる)メッシュに対応しない点などで、1万円台のルーターと差はあります。
その点で言えば、さほど多くの端末をつなげないライトユーザーに限っておすすめと言えます。一般家庭用ならば、もう少しグレードが高いものでも良いでしょう。
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【2021年発売】(在庫限り)
31・ IODATA WN-DAX3600QR
¥9,880 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
32・ IODATA WN-DAX3600QR
¥11,331 楽天市場 (4/18執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi6(11ax)
2.4GHz帯速度:1147Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:2.5Gbps〈WAN専用〉
メッシュ:
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
なお、アイオーデータからは、在庫限りですが、WN-DAX3600QRという、旧世代の上位機が残ります。
規格は、Wi-Fi6(11ax)です。
無線速度は、5GHz帯で2402bpsで、2.4GHz帯で1147Mbpsです。
共用アンテナながら、こちらは4本です。
先述のWB(ワイドバンド)対応なしでの速度なので優秀です。
総アンテナ数(ストリーミング数)も多いので、家族の端末やIOT家電などが多くても通信は安定しそうです。
インターネット速度も、本機の場合、言及に値します。
本機は、WAN側(インターネット側)端子が2.5Gbps(2500Mbps)です。
そのため、1Gを超える高速ネット回線を利用する場合でも対応可能です。
(PCに)有線LANでつなげる場合は、LANが1000BASE-Tなので、1Gbpsにボトルネックはあるものの、Wi-Fiならば、理論上、フレッツクロスなどの高速回線が活かせるでしょう。
また本機は、先述の定評ある「3Dアンテナ(360コネクト)」を搭載する上で、さらに、放射効率がよいWaveConnectアンテナを採用するので、電波の飛びの部分でも上位です。
また、こうした機種は、消費電力が高いものがありますが、消費電力が18W水準と、省エネ性もあります。
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結論的にいえば、型落ちとして、現状の価格(1万円以下)で買えるならば、速度面で充実する機種といえます。
CPU部分の仕様の説明がないのですが、相当なヘビーユーザーがいない限り問題ないでしょうし、お買得です。
2-3・TPLINKの無線ルーター
つづいて、中国のTP-LINKです。
Wi-Fiルーターでは世界的シェアのある企業で、日本進出からわりと時間も経ちました。
やはりゲーム用が強い印象ですが、わりと価格重視の製品も展開します。
【2021年発売】(上位機種)
【通常型番】
33・TP-Link Archer AX55
¥13,200 楽天市場 (4/18執筆時)
34・TP-Link Archer AX55(JP)/A
¥13,980 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
【2022年発売】(下位機種)
【通常型番】
35・TP-Link Archer AX53
¥11,150 楽天市場 (4/18執筆時)
【Amazon限定モデル】(同じ性能)
36・TP-Link Archer AX53/A
¥9,980 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi6(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:1000BASE-T
メッシュ:
USB:USB3.0×1
IPv6:対応
WPA3:対応
Archer AX55は、TP-Linkが販売するルーターです。
いくつかバリエーションがあります。
AX53は、2022年に登場した下位機です。
速度などは同じですが、本体にUSB3.0端子がないので、ルーターにドライブを付けた運用ができません。
この部分が不要ならばあとは、上位機と同じですので、その場合は値段で決めてOKです。
本体サイズは、幅260×奥行135×高さ39mmです。
アンテナ部分は計算に入れていません。
規格は、Wi-Fi6(11ax)です。
無線速度は、5GHz帯で574Mbsで、2.4GHz帯で2402Mbpsです。
両帯域ともアンテナ2本です。
他社にも見られた、端末側のWB(ワイドバンド)を前提とする速度です。
先述のように、普及があまり進んでいないスペック通りの速度が出せるのは、Apple系だと、23年発売のiPhone 15 Pro以降、22年末以降のiPad Pro 及びMacほどです。
無線の安定性は、Wi-Fi6規格の基礎要件となる、Mu-Mimo・ビームフォーミング・OFDMAは、もちろん装備します。
その上で、利用頻度の高いデバイスに優先して接続できるQOSを装備します。
これは、搭載する企業が限られるのでワンポイントと言えます。
CPUはデュアルコアとのみの記述で、クロック数は不明です。
有線LANポートは、1000Base-Tで、4ポート搭載されます。
このクラスだと標準的な仕様です。
簡単設定機能は、PC用のWPSのみの搭載です。
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以上、TP-LINKのArcher AX55の紹介でした。
先ほどの機種と値段も同じほどですが、Wi-Fi6に対応する分、本機の方が上位機です。
ただ、この仕様の場合、端末側(特にPC)が古い場合、2.4GHz帯は300Mbpsクラスの通信にはなるため、一長一短はあります。
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【2023年発売】
【通常型番】
37・TP-Link Archer AX3000
¥5,645 楽天市場 (4/18執筆時)
【Amazon限定モデル】(同じ性能)
38・TP-Link Archer AX3000/A
¥6,960 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi6(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:1000BASE-T
メッシュ:
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
なお、2023年に同社から、縦置き対応型がでました。
USBが未付属ですので、上では中位機相当です。
2コアCPUで、QOSにも対応しますし、性能差はないでしょう。
サイズは、幅45×奥行き157×高さ166mmです。
このクラスではそれなりに小さいです。
他社の同型製品との比較になるでしょうが、実際、値段も安いですし、ニーズはありそうです。
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【2023年9月発売】Archer Air R5/A
39・TP-Link Archer Air R5
¥12,800 Amazon.co.jp (0/15執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi6(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×1
WAN:1000BASE-T
メッシュ:EasyMesh
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
このほか、同じ速度構成で、相当薄い製品が2023年に出ます。
写真のような壁掛け前提で考えられた製品で、壁にプラケットと壁面シールでくっつける仕様です。
重さは290gで、厚みも8mmなので、相当すっきり設置ができそうです。
無線ルーターは、基本的に高いところに置いた方が「飛ぶ」ので、少し高めのところにみ映えよく付けるには良さそうです。
一方、壁に直付けでルーター(アンテナ)が動かせない部分をふまえると、広範囲に飛ばすことは前提にしていないでしょう。
Archer Air E5
¥12,800 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
その部分で言えば、本機は同じ形の中継機が同時発売なので、組み合わせて家中に拡げる感じで使うという提案と言えます。
この中継機を含めて、同社のメッシュシステム(EasyMesh)に対応なので、しっかり考えれば、見かけがスマートで割と便利なシステムが構築できるでしょう。
なお、同社のEasyMeshを含めて、こうしたメッシュ構築の部分は【メッシュWi-Fiの比較記事】でいろいろ書きました。
なお、1-2台ではなく、本当に広範囲に構築するならば、親機の性能(CPU)が課題になるので、そちらで紹介しているようなシステムのが良いかと思います。
【2023年発売】
40・TP-Link Archer AXE5400/A
¥14,400 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
41・TP-Link Archer AXE5400
¥12,980 楽天市場 (4/18執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi 6E(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
6.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×3 2.5G×1
WAN:2.5G〈LAN共用〉
メッシュ:EasyMesh
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
Archer AXE75は、TP-LINKが販売するルーターの上位機です。
本体サイズは、幅189×奥行200×高さ59mmです。
若干大きめにも思いますが、許容範囲でしょう。
規格は、6GHz帯に対応できるWi-Fi6Eです。
先述のように、6GHz帯は「空いている帯域」なので、IOT家電などとの干渉が問題となって、回線が遅いご家庭などでは特に有効です。
なお、Wi-Fi 6Eと6GHz帯は、新しい規格なので、上位機の解説となる【Wi-Fi6ルーターの比較記事】の冒頭で詳しく説明しています。
アンテナ構成は、Wi-Fi6Eのトライバンド(3バンド)です。
第1に、5GHzは、2401Mbpsです。
第2に、6GHzは、2401Mbpsです。
第3に、2.4GHzは、574Mbpsです。
2.4GHz帯を除いてWB(ワイドバンド)利用を前提とする速度です
アンテナの部分は、本機は5GHzと2.4GHzはについて共用の2本アンテナです。
6GHz帯は単独で2本です。
先述のように、バッファローとTP-LINKは共用アンテナを使う方向性です。
専用の方が、通信安定性は高まりますが、アンテナ本数に比べたらマイナーな要素です。仕様的にこの価格クラスならば問題ないでしょう。
無線の安定性は、Mu-Mimo・ビームフォーミング・OFDMAは、もちろん装備します。
Wi-Fi6規格の基礎要件ですので。
通信の優先性を指定できるQOSも本機は装備です。
インターネット速度は、仕様は良いです。
本機は、WAN側端子が2.5G(=312.5MB/秒)だからです。LANとしても使えます。
有線LANポートは、2.5Gの共用端子と、1000Base-T端子が3ポートです。
簡単設定機能は、PC用のWPSのみの搭載です。
セキュリティは、最新のWPA3に対応します。
IPv6には、対応です。
海外機は対応しないものがありますが、こちらは対応があります。
USB接続は、未対応です。
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以上、TP-LinkのArcher AXE75の紹介でした。
1Gを超える高速ネット回線を引いている場合で、Wi-Fi 6Eに対応するメインPCなどの速度だけ向上できればよいのような場合は、わりと良い選択肢になるでしょう。
その場合、有線接続先を設定できるQOS対応という部分は、ワンポイントになるかなと思います。
2-4・他社の無線ルーター
最後に、ここまで見ていない企業の製品をまとめてみていきます。
【2023年発売】
42・ HUAWEI WiFi AX3 NEW プリセット版
¥8,000 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi6(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×3
WAN:1000BASE-T×1
メッシュ:
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
AX3 は、中国のファーウェイが販売するWi-Fi6対応ルーターです。23年に「NEW プリセット版」という商品名になりました。
プリセット版は、IPv6の設定周りのソフト的改良で、自動認識に対応させた部分が通常版との違いです。旧機ユーザーの声を聞いた改良のようです。旧機はもうないですし、気にしなくて良いでしょう。
本体サイズは、225x30.9x131.9 mmです。
面白い形状ですが、上部にNFCが搭載されて、同社のスマホ(Android系)とワンタップで接続できる仕様です。
なんとなくQi充電機能がありそうな形ですが、それはないようです。
規格は、Wi-Fi6(11ax)です。
無線速度は、5GHz帯で2402Mbpsで、2.4GHzは、573Mbpsです。
格安機でよくみる、WBに対応させつつ、両帯域に2本ずつのアンテナです。
同じ速度の他社機でも書きましたが、WBやWi-Fi6に対応しない端末との接続の場合、アンテナ2本だと、実効速度が落ちるのが難点です。
インターネット速度は、1000Mbpsが最大です。
無線の安定性は、Wi-Fi6の基本要件となるビームフォーミング・MU-MIMO・OFDMAは、装備です。
それ以外の独自機能はないです。
ただ、CPUは、4コア1.4GHzで、スペックが良いです。
最大20台の接続を保証します。
接続端子は、1000BASE-TのUSB端子が3つです。
セキュリティは、本機は、WPA3に対応です。
このほか、アイオーデータの「診断ミレル」のように、電波状況をヒートマップ的に河岸かできる機能が付属です。
IPv6には、対応です。
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以上、ファーウェイのAX3の紹介でした。
以前は、同じアンテナ数、速度構成の他社機より安めでしたが、最近は他社機も値段が下がってきました。
比較する場合、CPUの強さはメリットである一方、他機同様、本質的には「アンテナ2本」の製品なので、Wi-Fi6非対応の、少し古めのPCなどを含めて考える場合、注意と言えます。
【2023年発売】
43・ASUS Wi-Fi RT-AX57
¥12,020 Amazon.co.jp (4/18執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi 6(11ax)
2.4GHz帯速度:573Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:1000BASE-T
メッシュ:AiMesh
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
RT-AX57 は、台湾のASUSの販売するルーターです。
同社の場合、ハイグレード機以上は「ゲーム特化型」が多いです。そうした機種はこのブログだと【高速Wi-Fi6ルーターの比較記事】を多くみていますが、こちらは、どちらかと言うと、一般向けです。
本体サイズは、幅230×奥行134×高さ13.4mmです。
TP-LINKにもありましたが、横に広い「盆栽型」です。
規格は、Wi-Fi6(11ax)です。
無線速度は、帯域(バンド)ごとに異なります。
5.0GHz帯は、アンテナ2本(+WB)の2402Mbpsです。
2.4GHz帯は、アンテナ2本で、最大574Mbps(約72メガバイト/秒)です。
仕様としては、各社にもある、アンテナ2本の「格安機」よりの仕様です。
無線の安定性は、Wi-Fi6の規格要件となるMU-MIMO・OFDMA・ビームフォーミングは装備します。
CPUは、情報がないです。
有線LANポートは、1000Base-Tで、4ポート搭載されます。
簡単設定機能は、PC用のWPSのみの搭載です。
セキュリティは、最新のWPA3に対応します。
IPv6は、対応です。
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以上、ASUSの RT-AX57の紹介でした。
先述のように、同社の上位機はゲームよりに個性的です。しかし、本機については、あまり特徴のない機種に思います。
次回に続く
無線LANルーターのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、一般家庭向けの高性能無線LANルーターの比較の2回目記事でした。
しかし、 記事はもう少しだけ「続き」ます。
3・無線LANルーターの比較 (3)【結論】
=最終的なおすすめ機種の提案
対応人数 1-4人家族向き
速度(ネット)★★★★★
速度(宅内) ★★★★★
無線の安定性 ★★★★★
設定の容易さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
最終回となる「結論編」(こちら)では、上表のようなポイントから、今回紹介した価格帯の製品を含めて、価格別・目的別に、Atlasのおすすめ機種!を提案しています。
引き続き、よろしくお願いします。
最終回記事は→こちら