1回目記事からの続きです→こちら
2-1・イイヤマのモニターの比較
2回目記事のトップバッターは、日本のイイヤマの4Kモニターです。
現在はマウスコンピュータ傘下ですが、古くからあるディスプレイメーカーであり、品質には信頼性があります。
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なお、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2020年発売】【31.5インチ】
16・iiyama ProLite XB3288UHSU
¥44,390 Amazon.co.jp (2/25執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:300cd/m2
液晶方式:VAノングレア
コントラスト比:3000:1
応答速度:5ms (GtoG)
HDR:HDR10
USB給電:
接続端子:HDMIx2 DP
スタンド:前後左右高さ回転
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2w×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
XB3288UHSUは、イイヤマの31.5インチの4Kモニターです。
32インチ表記ですが、他社の31.5インチと同じ表示領域です。
液晶パネルは、VA液晶です。
VA液晶は、広視野で大画面に向く液晶です。
コントラスト比が高く「黒が引き締まる」ため、映像コンテンツには向いています。
そのため、高級テレビなどでは採用例が多いです。
しかし、「ギラツブ」とも呼ばれる独特の粒状感があり、文字(静止画)の視認性が劣り、長時間見つめると疲れやすいため、仕事には向きません。
輝度は、300cd/m2です。
VAとはいえ、低めです。
応答速度は、Over Drive時には3msと、他社より少し優秀です。
かかりは、5段階で調整できます。
HDRは、最低限ながら、HDR10には対応です。
ソフト・コンテンツ的にHDR対応ならば、画質は高まります。
画質調整機能は、日本企業らしく、画面モードは多彩です。
「目の優しさ」の部分では、チラツキを防止するフリッカー対策をしっかり装備します。
一方「映像美」の部分も、TV的な画質向上技術となる「X-Res Tech」を備えます。
入力ソースを分析して文字や画像をクリアにする、テレビの超解像技術のようなものです。
そのほか、ゲームについては、AMD系のFree syncに対応します。
スタンドの品質は、 前後左右高さ回転とフル稼働できるため、品質は良いです。
接続端子は、HDMIx2 DisplayPortx1 という標準的な構成です。
HDCP2.2には、対応です。
付属ケーブルは、DVI-DL/ HDMI /DisplayPort /全てのケーブルが付属します。
保証は、3年間です。
無輝点保証はないです。
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以上、イイヤマのXB3288UHSUの紹介でした。
このサイズのVA液晶採用モニターは「激戦区」であり、ライバルが多いです。そのため、選ぶ場合は「メーカー独自のワンポイント」を重視するべきです。
イイヤマの場合は稼働性の高いスタンドと、そこそこ上位と言える「画質向上技術」がそれにあたります。
ただ、書類仕事には向かない、VA液晶モデルだけに、ここまでの性能のスタンドは不要とも言え、バランスはあまり良くない印象です。
2-2・ベンキューのモニターの比較
続いて、台湾のベンキューのモニターです。
【2020年発売】【31.5インチ】
17・BenQ EW3280U
¥105,909 楽天市場 (2/25執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/m2
液晶方式:IPSノングレア
コントラスト比:1,000:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR400
USB給電:60W
接続端子: HDMI2.0 DP USB-CIx1
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2w×2+5W)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:1年(本体は3年)
EW3270Uは、台湾のBenQが出している31.5インチのモニターです。
液晶パネルは、「目に優しい」IPS液晶を使った高品質モデルです。
輝度は、350cd/m2です。
この価格帯の標準と言えます。
色空間は、DCI-P3カバー率が95%です。
他社にもありましたが、広色域化パネルでないもののなかでは「数字が良い」IPS液晶です。
応答速度は、5ms(GTG)を確保します。
画質調整機能は、「目の優しさ」に関わる部分については、フリッカーフリー・ブルーライト軽減などの基本は当然おさえます。
その上で、このモデルは、環境光センサー(明るさセンサー)を搭載し、室内の明るさに応じた輝度調整にも対応します。
適切な輝度でモニターを見ることは「目の疲れにくさ」にとって重要なので、今回の比較の趣旨からすると、「かなり良い製品」と言えます。
「映像美」の部分では、加えて、ブライトネスインテリジェンス(B.I.)テクノロジーも注目点です。
画面内の画像を分析し、露出オーバーにならないよう輝度を的確に調整します。
方法は全く異なりますが、LGのブラックスタビライザーのように、映像のコントラストを鮮明にする効果が期待できます。
一方、明るさセンサーで環境光も感知できるので、実空間における調整力は高いでしょう。
HDRは、対応します。
HDR10ですから、業界団体(VESA)の輝度保証がある、HDR400には満たない水準です。
ただし、本機は、HDRiをいう独自の技術を持ちます。HDRに対応しないコンテンツも、先述のB.I.テクノロジーで、階調表現を高めています。
そのほか、超解像技術にも対応するため、TV代わりに使うのには向くでしょう。
モニタースタンドは、ただ、残念ながら高さの調節ができません。
接続端子は、DisplayPort、HDMI 2.0×2のほか、USB-C端子が付属です。
他社機でも見られましたが、本機は、映像と同時にノートPCに給電が可能です。
60Wなので、大画面ノートPCでも、速度低下なしに充電できる水準です。
HDCP2.2には、対応です。
付属ケーブルは、DVI-DL/ HDMI /DisplayPort /全てのケーブルが付属します。
スピーカーは、多少こだわりがあります。
本機は、2Wの左右のスピーカー(2WAY)のほか、5Wのサブウーファー1基を搭載する2.1ch構成です。
「内蔵スピーカー」としてはですが、割と良いです。
保証期間は、3年間です。
パネル・バックライトは1年保証と旧来の業界水準のままです。無輝点保証もありません。
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以上、BenQのEW2780U の紹介でした。
4KHDR対応機で、各種調整機能が充実した構成です。用途としては、調整機能を含めて、基本的には、ゲームを含めた「エンターテイメント向け」でしょう。
独自のHDRi機能や輝度・コントラスト調整技術で、この価格帯のマルチメディア機では存在感があると言えます。
「目への優しさ」の部分では、しっかりIPS液晶を採用した上で、明るさセンサーが付属するのが「売り」でしょう。
その点、仕事用にもよさげです。ただ、モニタースタンドの調整がイマイチなのが難点です。仕事で使うならば、交換して使うべきです。
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【2018年発売】【VA液晶】
18・BenQ EW3270U
¥60,364 楽天市場 (2/25執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:300cd/m2
液晶方式:VA ノングレア
コントラスト比:3000:1
応答速度:4ms (GTG)
HDR:HDR
USB給電:(給電不可)
接続端子: HDMI2.0 DP USB-C
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2w×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:1年(本体は3年)
なお、EW3270Uは、パネルがVA液晶となる下位機です。
価格差は、だいぶありますが、輝度の部分でHDRに未対応なほか、USB-C端子は付属するものの給電は非対応です。
また、スピーカーについても、一般的なものに替えられています。
そうなると、見どころは、「目の優しさ」に関わるB.I.テクノロジー位ですが、そもそもがVA液晶ですし、スタンドも低性能なので、バランス的にやや微妙かと思います。
【31.5インチ】
【2022年発売】
19・BenQ PD3205U
¥109,091Amazon.co.jp (2/25執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1200:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR10
USB給電:90W
接続端子: HDMI2.0 DP USB-C
スタンド:前後左右高さ回転
VESA:100mm
スピーカー:2W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:1年(本体は3年)
PD3205Uは、台湾のBenQが販売する、デザイナー向けAQCOLORシリーズに属する4Kモニターです。
液晶パネルは、本機もIPS液晶です。
色空間は、動画編集に重要なDCI-P3カバー率は95%です。
sRGB100%のカバー率で、Adobe RGBについては数値が不明です。
とはいえ、値段からしたら、十分に優秀です。
輝度は、250cd/uです。
本機については、通常輝度は抑え気味にして、ピーク輝度を高める(350cd/u)方向性です。
利用目的からすると問題ないかと思います。
HDRは、対応します.
ただし、HDR400には満たない水準です。
HDR時代には少し物足りない気もしますが、必要十分ではあります。
応答速度は、5ms (GTG)です。
コントラスト比も、1200:1とやや高めに設定できています。
画質調整機能は、「デザイナーディスプレイ」の方向性で優れます。
個別キャリブレーションした上での出荷をしているため、色にかかわる正確性が担保されていると評価できます。
その上で、CAD/CAMモード・デザインモード・暗室モードなど、デザイン業務にかかわる自動調整機能が充実している点が、他社との違いです。
一方、ベンキューの「強み」の1つといえる、明るさセンサーについては不採用です。
先述のように、アイケア面のほか、HDRなどにも使うものでしたが、デザイン用には不要との判断だと思います。本機の上位機も省略ですから。
スタンドの品質は、稼働性として言えば、前後左右高さ回転と「パーフェクトスタンド」です
高さ(110mm)、下(5度)、上(20度)、回転(90度)、左右(30度)の範囲で調整できます。
問題ない数字ですが、特に高さ調整の部分で、高級スタンドとは差はあります。中級品と言えます。
VESA規格には対応します。
接続端子は、DisplayPort、HDMI 2.0 USB-Cが各1つという構成です。
USB-Cについては、PD(パワーデリバリー)対応で、90Wの給電力です。
大きなノートPCでも速度低下なしに給電できそうです。
HDCP2.2には対応です。この部分でも汎用性が高いです。
スピーカーは、付属です。
保証期間は、3年間ですが、パネル・バックライトは1年保証です。
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以上、BenQのPD3205Uの紹介でした。
ストイックな「デザイナー用」の中級機に見えます。パネルスペックを含めて、柔軟に使えそうです。
一方、同社の売りである「明るさセンサー」は省略となる部分と、輝度など、あくまでデザイナー向けのディスプレイ調整となっている点で、一般ユーザーの仕事用には本機は選びにくいでしょう。
【2020年発売】【32インチ】
20・ BenQ SW321C
¥270,728 楽天市場 (2/25執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:250cd/m2
液晶方式:IPSノングレア
コントラスト比:1,000:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR10/HLG
USB給電:60W
接続端子:HDMI 2.0x2 DP USB-C
スタンド:前後左右高さ
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
SW321C は、ベンキューが販売するデザイナー向けの専門機です。
同社のデザイナー向けディスプレイの「ハイエンド」となります。
ASUS同様に、ハードウェアキャリブレーションに標準対応する製品です。遮光フードも付属します。
もちろん、個別キャリブレーションした上での出荷です。
液晶パネルは、IPS液晶です。
色空間は、sRGB100%・Adobe RGB 99%・DCI-P3 95%です。
HDR時代の動画にも対応できる水準ですが、どちらかといえば、静止画に強いと言えるでしょう。
なお、ベンキューによると、IPS液晶は、台湾のAUO製です。
iPhoneパネルの製造でも有名です。PC用だと最近は、4Kほか、デザイン、ゲーミング用など高付加価値パネルの展開が多いです。
輝度は、300cd/m2です。
HDRは、HDR10です。HLGにも公式対応します。
無理やり輝度を上げず、色合わせの部分の信頼性を重視した堅実な設計でしょう。
応答速度は、5ms (GTG)です。
画質調整機能は、本機も「デザイナーディスプレイ」の方向性です。
モノクロモードほか、sRGBとAdobeRGBなど、異なる色空間を比較する際に便利なGamutDuoなど、便利な機能も装備します。
また、専用コントローラー(ホットキーパックG2)を装備し、簡単に色などの切替ができる仕様です。
スタンドの品質は、画面サイズ的に回転はできないものの、問題ないでしょう。
接続端子は、DisplayPort HDMI 2.0 USB-C端子という構成です。
USBは、PD対応で対応するノートPCに60W給電に対応です。
給電力も、この水準があれば、実用的です。
HDCP2.2には対応です。
スピーカーは、未付属です。
保証期間は、3年間です。
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以上、 BenQのSW321Cの紹介でした。
ハイエンドのデザイナー向けは、LGやDELLなど他社からも結構ではじめています。
(高いとは言え)だいたい同じ色空間を表現できる製品として言えば、値段面でわりと抑え気味ですし、コスパは良いかと思います。
ただ、動画クリエーターについて言えば、HDRの対応水準があまり高くないのがネックです。どちらかといえば、静止画向きです。
2-3・ASUSのモニターの比較
続いて、台湾のエイスースのモニターです。
日本では、ゲーミング全般に強い印象のあるメーカーですが、デザイナー向けも結構出しています。
【2022年発売】VA32UQ後継品
【31.5インチ】
21・ ASUS VP32UQ
¥54,020 Amazon.co.jp (2/25執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/m2
液晶方式:IPSノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:4ms (GTG)
HDR:HDR10
USB給電:
接続端子:HDMI 2.0x2 DPx1
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2w×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
VP32UQは、台湾のASUSが出している31.5インチの4Kモニターです。
解像度は、こちらも4K画質です。
液晶パネルは、IPS液晶です。
前モデルのVA32UQは(アイケアの名前に合わず)VA液晶でしたが、今回はIPS液晶です。
色空間は、DCI-P3の情報はないです。
一方、sRGB100%の色域を保証しますので「広色域パネル」としています。
ただ、動画に対応できる水準のパネルではないです。
応答速度は、オーバードライブ時に4msと速いです。
液晶の輝度は、350cd/m2です。
HDRは、HDR10ですが対応です。
画質調整機能は、HDRについて、2つのモードを搭載している点に特長があります。
映像美の部分では、同社のSplendidエンジンを搭載し補整します。
輪郭強調技術(VividPixelテクノロジー )ほか、テレビ的な技術をASUSも取り入れています。
「目の優しさ」に関わる部分は、ディスプレイのシリーズ名からすると一見重視していそうです(ASUS Eye Careテクノロジー)
ただ、ブルーライトカットのほかは、フリッカー対策ほどなので、あまり優れません。
シームレスなブルーライト調整は確かに「ポイント」なのですが、Atlasは、色味が変わるブルーライト調整には(目への優しさを含めて)あまり肯定的でないので、このような評価になります。
繰り返し書いているように、十分に輝度が調整でき、正しい角度で、モニターからしっかり目を離して使うのが「疲れない秘訣」です。
スタンドの品質は、ただし「オマケ程度」です。
上下に角度が変えられるチルトだけになります。可動域も狭いです。
接続端子は、HDMI 2.0x2 DisplayPortx1という構成です。
HDCP2.2には、対応です。
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以上、ASUSのVP32UQの紹介でした。
スタンドがチルトのみになる以外は、ISP液晶・フリッカー対策と「目の優しさ」に最低限必要な要素はしっかり持ちます。スタンドについても、31.5インチという画面サイズを考えれば、小画面ほどは問題にならないとは言えます。
加えて、画像処理部分でも、HDRを2モード搭載するなど独自性もみられます。
一方、ゲーム向けの技術の採用が多いので、実際そちら向きな機種には思えますが、動画視聴や仕事を含めて、そつなくこなせるでしょう。
【2022年発売】【31.5インチ】
22・ASUS ProArt PA329CV
¥81,017 Amazon.co.jp (2/25執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
液晶方式:IPSノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR10
USB給電: 65W
接続端子: HDMI 2.0×2 DP USB-C
スタンド:前後左右高さ回転
VESA:100mm
スピーカー:内臓(2W×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
PA329CVは、台湾のASUSが販売するデザイナー向け4Kモニターです。
液晶パネルは、IPS液晶です。
色空間は、DCI-P3の情報はないです。
一方、sRGB100%の色域は担保されます。
今的な意味での広色域化パネルではないので、静止画メインの「デザイナー向け」入門機と言えます。しっかり、個別キャリブレーションした上での出荷です。
輝度は、350cd/uです。
HDRは、対応しますが、最大輝度の関係で、HDR400には満たない普通の水準です。
応答速度は、5ms (GTG)です。
画質調整機能は、本機も「デザイナーディスプレイ」の方向性です。
12種類のProArt Presetで自動的に画質調整できるなど、充実します。
スタンドの品質は、本機もフルスペックであり、問題ないでしょう。
接続端子は、DisplayPort HDMI 2.0 USB-C端子という構成です。
HDMIが2系統は便利ですし、USB-Cは、対応するノートPCに65W給電に対応するため、この部分の利便性は本機の美点です。
HDCP2.2には、対応です。
スピーカーは、貧弱ですが内臓です。
保証期間は、3年間です。
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以上、ASUSのPA329CVはの紹介でした。
ベンキューのデザイナー用入門機のライバルでしょう。
利便性の面でUSB-C給電に対応している面で、ノートPCとの相性も良さそうです。
一方、本機は、DCI-P3の情報がない部分で、あくまで静止画の編集向けです。この部分が、ベンキュー機との違いと言えます。
フルの3年保証な部分も含め、その用途で考える場合は候補となります。
【2021年発売】【32インチ】
【上位機種】
23・ASUS ProArt PA32UCG
¥412,960 Amazon.co.jp (2/25執筆時)
USB給電:65W
接続端子: HDMI2 ×2 HDMI 2.1 DP ThunrderBolt 3
【下位機種】(120Hz非対応)
24・ASUS ProArt PA32UCR-K
¥188,071 Amazon.co.jp (2/25執筆時)
USB給電:80W
接続端子: HDMI 2.0×2 HDMI 2.1 DP USB-C
解像度:4K(3840×2160)
輝度:1000cd/u
液晶方式:IPS QLED miniLED
コントラスト比:1,000:1
応答速度:5ms (GtoG)
HDR:HDR1000 HLG
スタンド:前後左右高さ
VESA:100mm
スピーカー:3W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
ASUS ProArt PA32UCGは、2021年末に発表された、デザイナー向けのProArtシリーズの4Kモニターです。
2022年に追加で出たPA32UCRは、その下位機種です。
大きな違いは、リフレッシュレートの部分で、4K/120Hzに非対応という点です。
あとは、端子周りです。USB-C接続には対応するものの、Thunderbolt 3との互換性がなく、アップストリーム用の端子もない仕様になります。
あとは、スタンドの可動範囲が僅かに変わるのと、Quick Fitに対応しないほどの違いとなります。
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結論的にいえば、ThunrderBotlマストな周辺機器がなく、また、高リフレッシュレートが特段作業に不要そうならば、下位機種でもOKでしょう。
液晶パネルは、パネル自体はIPS液晶です。
ただ、後述するように、本機については、上表でQminiLEDと書いたグレードです。
バックライトがQLED(量子ドット)のミニLEDなので、色域と輝度が従来より広いです。やはり、テレビの技術を使ったものです。
色空間は、sRGB100%・AdobeRGB99.5%・DCI-P3 98%をカバーです。
HDR(ハイダイナミックレンジ)もその上で、ピーク輝度1600ニトですので、VESA規格において、HDR1400という最高水準の数値をクリアします。
さらに、本機はHDMI2.1を採用しているので、リフレッシュレートの上で、PS5など最近のゲーム機の対応水準となる4K/120Hzを扱えます。
ここまで高度なディスプレイとできたのは、「2つの工夫」からです。
第1に、ミニLEDの採用です。
DELLもプロアート用機で採用していましたが、バックパネルにミニライトを搭載することで、1152箇所の点灯制御(ローカルディミング)を可能にしています。
第2に、「量子ドット技術(QLED)」です。
光源に青色LEDを採用し、パネルの後部に特殊フィルムを差し込むことで、色再現性を高める技術です。
この組み合わせは、LGが2021年の最新テレビで採用している組み合わせとなり、テレビ用の最先端です。
結果、各数値が各社のハイスペック機を通しても、最高水準となっています。
動画コンテンツ向けのハイエンドと言えるでしょう。
現状「液晶TVの技術的最高峰」と言って良い、ミニLED+QLEDのコンビなので、その方面の高レベルな作業にはとくに向きます。
その上で、4K/120P対応なので、ゲームクリエーターにも向きます。
液晶の輝度は、1000cd/uです。
ピーク輝度は先述のようにより高いです。
また、ノングレア(非光沢)パネルなので、反射の心配もありません。
応答速度は、オーバードライブ時、5ms (GTG)です。
通常時は8msですが、問題のないレベルです。
画質調整機能は、クリエーター向けに最適化されます。
接続端子は、HDMI 2.0×3 DP USB-Cという構成です。
このうち、HDMI端子の1つは、HDMI端子は2.1規格で、4K/120Pも通ります
USB-C(Thunderbolt 3)は、ダウンストリームほかアップストリームもあるため、デイジーチェーンが可能です。
モニタースタンドは、もちろん、フルスペックです。
フードも付属となります。
スピーカーは、3Wの簡易的なスピーカーが付属です。
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以上、ASUS ProArt PA32UCGの紹介でした。
動画コンテンツ・静止画コンテンツ、あるいは、ゲーム製作を問わず、対応してほしい規格に高水準に対応する機種です。
白色LEDの場合とやや色合いが違う「量子ドット技術」を利用しての広色域化である点、また、輝度が高いパネルである点で、(既存の)静止画編集にはマッチするかは論争的な部分はあるかもしれません。
クリエーター視点では、また別の画質評価がありえるかもしれません。
しかし、動画コンテンツ、特にゲームコンテンツの作成においては、これ以上は現状で望めないでしょう。IPS液晶に量子ドット技術とミニLEDを組み合わせた製品をLGがテレビとして出していますが、ユーザー視点では、この技術の利用に問題は感じません。
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【2020年発売】【32インチ】
【キャリブレーションツールなし】
25・ASUS ProArt PA32UCX-P
¥328,775 楽天市場 (2/25執筆時)
【キャリブレーションツールあり】
26・ASUS ProArt PA32UCX-PK
¥328,776 楽天市場 (2/25執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:600cd/m2
液晶方式:IPSノングレア
コントラスト比:1,000:1
応答速度:5ms (GtoG)
HDR:HDR1000 HLG
USB給電:65W
接続端子: HDMI2 ×2 HDMI 2.1 DP ThunrderBolt 3
スタンド:前後左右高さ
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
なお、プロアートシリーズについては、2020年機が残ります。
色空間も、sRGB100%・AdobeRGB99.5%・DCI-P3 99%カバーです。
DCI-P3カバー率は新機種よりわずかに良いです。
HDRは、HDR1000のレベルですので、新機種よりは落ちます。
また、4K/120Pにも本機は非対応です。
これらの違いの大きな部分は、ミニLEDを昨年段階では採用していなかったからとなります。
値段差を考えても、選ぶならば新機種でしょう。
【2022年発売】【31.5インチ】
27・ASUS ProArt Display OLED PA32DC
¥428,747 Amazon.co.jp (2/25執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:250cd/u
液晶方式:OLED ノングレア
コントラスト比:100万:1
応答速度:0.1ms (GtoG)
HDR:HDR10
USB給電:65W
接続端子:HDMI2.0 DP USB-C
スタンド:前後左右高さ回転
VESA:100mm
スピーカー:3W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:2年
ProArt Display OLED PA32DCも、ASUSのデザイナー向けのProArtシリーズの4Kモニターのハイエンド機です。
パネルは、液晶ではなく、OLED(有機EL)です。
先ほど説明したLGのハイエンド機と同じです。
パネルスペックも代替同じですので、こちらの場合も、日本のJOLED(パナソニック/ソニー合弁)から調達したものでしょう。
色空間は、LGと同じでAdobeRGBで99% DCI-P3 99% カバーです。
一方、高リフレッシュレートは非対応になります。
HDRは、表示としてはHDR10です。
最大輝度はHDRモード時500cd/uとの表記なので、True Black 400の水準はでます。ただ、通常だと250cd/uとしているので(LGと違って)名乗れないのかなと思います。
ただ、パネルは同じですし、実際変わらないと思います。
接続端子は、HDMI2.0が3系統と DP USB-Cという構成です。
USB-Cは、給電対応です(90W)。
また、USBハブも搭載(USB-A×4)ですが、速度がUSB3.1なので、すこし優秀です。
スタンドは、フルスペックです。
画質調整ほかは、あとの部分は、液晶の方のハイエンド機とほぼ変わらないので、そちらをご覧ください。
保証は、2年です。
無輝点保証はありません。
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以上、ASUSのProArt Display OLED PA32DCの紹介でした。
LGのOLED機と、ほぼ同じ価格で、どちらを買うかは迷います。LGも、先述のように、このパネルは外部調達ですから調達価格面の有利さはあまりでませんし。
比較する場合、応答速度の部分ではASUSが少し良い部分と、HDMI端子の数や、USB-Cハブの速度など細かい点で、先発のLGを凌ぐ部分はあります。
機能面でも、デザイン用ディスプレイの開発歴が長めのASUSに分があります。また、モニターフードがデフォルト付属な部分でも、少し優るような気はします。
ただ、LG機の部分で少し書いたように、OLEDは、液晶に比べて輝度の部分で外光に弱い部分があるため、その部分が問題にならない環境で利用することは、両機とも前提になるでしょう。
2-4・Appleの5Kモニター
つづいて、Appleの5Kモニターです。
同社の場合、かなりの超高級機のみのラインナップです。
【2019年発売】【31.5インチ】
28・Apple Pro Display XDR
¥728,480 Apple (2/25執筆時)
解像度:6K(6016×3384)
輝度:1000cd/m2
液晶方式:IPS
コントラスト比:1,300:1
応答速度:
HDR:
USB給電:90W
接続端子:Thunderbolt 3
スタンド:上下高さ回転【VESA120mm】
スピーカー:非搭載
4K動画再生:
保証期間:3年
Apple Pro Display XDRは、アップルが2019年に発表した新型ディスプレイです。
本機については6Kになります。
純正で出されるモニターとしては、ほぼ10年ぶりな製品です。実質的には、(ほぼほぼ)Mac Proの周辺機器として出されたものです。
液晶パネルは、IPS液晶を採用します。
とくに輝度は、1000ニトです(SDRでは500ニト)。
HDR表記はないものの、輝度ピークは1600ニトですので、「モンスター級」でしょう。少なくとも、HDR1000クラスです。
Appleの場合、バックライトのW-LED(白色LED)や広色域LEDではなく、ブルーLEDを採用するとあります。
それ色変換シートを通すことで白色に変換する仕組みで、コントラストを高めます。要するに「量子ドット」でしょう。
ただ、制御技術などを含めた技術は、アップル独自仕様です。
色ムラについても、画面ギリギリまでLEDを背面配置することで、配慮があります。
一方、パネルは低反射パネルとの表記ですが、iMac同様にガラス仕上げです。
ただ、環境光の映り込み問題がある人向けに、マット仕上げのNano-textureガラス仕様にもできるオプションを表明しています。
ただし、繊細なので、付属する専用のポリッシングクロスでお手入れする必要があります。
スタンドの品質も、高いです。
新開発のPro Standは、高さ調整、角度調整、回転が可能なスタンドです。
Appleは従来的にこの部分に力を入れていなかったので、個人的には「革命的変化」と感じます。
画質調整機能は、用途に合わせたリファレンスモードを備え、自動調整がなされます。
明るさセンサーも前面と背面にダブルで搭載(True Tone)であり、こだわりがあります。
また、一台一台、出荷前にキャリブレーションがなされることが保証されます。
接続端子は、Thunderbolt 3(USB-C)となります。
接続用のThunderbolt 3 Proケーブル(2m)も付属です。
HDCP2.2には、言及がないです。
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以上、Apple Pro Display XDRの紹介でした。
性能部分や技術の新しさは、繰り返すまでもないでしょう。グラフィック界の基本仕様といえるMac Proという専用の高性能機がある同社だからこそ、発売できたとも言えそうです。
もちろん、値段の上では、個人用とは到底言いがたいのですが、スペック表を眺めているだけで、Atlasとしては「わくわくしてくる」製品です。
2-5・その他のモニターの比較
最後に、ここまで見た以外のメーカーのモニターを「ざっくり」まとめてみておきます。
【2019年発売】【31.5インチ】
【3年保証】
29・IODATA EX-LD4K321VB
¥55,354 Amazon.co.jp (2/25執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:300cd/u
液晶方式:VAノングレア
コントラスト比:3,000:1
応答速度:3ms (GTG)
HDR:
USB給電:
接続端子:HDMI2.0x1 HDMI×2 DP
スタンド:前後チルト
VESA:100mm
スピーカー:3.5w×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
EX-LD4K321VB は、IODATAの4Kモニターです。
液晶パネルは、VAパネルです。
この部分で、本機は「映像向き」なのですが、書類仕事については、あまり向かないと言えます。
色空間は、しかし、sRGBを含めて非開示です。
応答速度は、オーバードライブ時(レベル2)は3msとの表記です。
使わない場合も9.5msなので、VAとしては速くできると言えます。
ただ、VAはパネル自体は、応答速度が課題があるパネルなので、3msに設定した際、画質面がどうなるかは、レビューほかを要確認と言えます。
ではないので、併記なのかと思います。
輝度は、390cd/uです。
HDRは、非対応です。
この部分は、仕様としてすこしレトロです。
画質調整機能は、一方、「映像美」に関する部分で割と充実します。
低解像度ソースに強い超解像技術は、三菱時代の遺産ですが搭載です。
加えて、10段階で自動的に発色を調整するエンハンストカラー機能も魅力です。
バックライトの輝度調整で、コントラスト調整をするCREXも、コントラスト比があげにくい、IPS液晶では重要な技術です。
これらの部分は「TV並」のスペックと言えます。
「目の優しさ」の部分もしっかり、フリッカーフリーに対応です。
スタンドの品質は、前後の角度調整ができるだけの仕様です。
VESA規格には対応しますので、他社のモニターアームを利用することはできます。
接続端子は、HDMIx3 DPです。
HDMIは1端子だへ、HDMI2.0です。
HDCP2.2には、対応です。
付属ケーブルは、DisplayPortケーブル(1.8m)・HDMIケーブル(1.5m)が付属します。
スピーカーは、簡易的なステレオスピーカーが内蔵されます。
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以上、 IODATAのEX-LD4K321VB の紹介でした。
同社の場合、画質調整面の性能が目立つといえます。
VA液晶ですので、ある種「動画視聴優先」のように考える場合、選択肢にできそうに思えます。
ただ、書類仕事には決定的に向かないのと、ゲームについても、スペック通りの応答速度で実運用できるかがすこし不安は感じます。
【2022年発売】
【32インチ】
30・MSI Summit MS321UP
¥88,000 Amazon.co.jp (2/25執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:400cd/m2
液晶方式:IPSノングレア
コントラスト比:1,000:1
応答速度:4ms (GtoG)
HDR:HDR600 HLG
USB給電:
接続端子:HDMI 2.0x2 DP USB-C
スタンド:前後左右高さ
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:
保証期間:3年
MS321UP も、台湾のMSIが出している31.5インチのモニターです。
本機には、デザイン用の格安機ですが HDR600に対応する水準で、割と安いのが見どころです。
液晶パネルは、非光沢のIPS液晶です。
上位のパネルではなく普通のものです。
色空間は、sRGB98%・Adobe RGB 89%・DCI-P3カバー95%カバーです。
静止画でも動画でも「ギリギリ入門機」の水準ですが、エントリークラスのデザイン用としては、まとまった性能です。
輝度は、400cd/uです。
HDRは、先述のようにHDR600です。
エントリークラスはデザイナー用でもHDR400の水準が多いので珍しいです。
バランスもあるので、無理にあげれば良いわけではないです。ただ、同じスペックの、本機の前モデルを見ましたが、うまく調整してありました。
スタンドの品質は、本機は縦表示は非対応ですが、前後左右高さは調整可能です。
上(5度)・下(20度)左右(35度)高さ(100mm)の幅なので、さほど稼動できるわけではないのですが、31.5インチと大きな画面ですし、問題ありません。
接続端子は、DisplayPort・HDMI 2.0・USB-Cという構成です。
ただし、USB-Cについては、最大15Wなので、PCへの給電は対応しません。
HDCP2.2には、対応です。
一方 本機には、(四角い)USB-A形状のUSBハブが搭載です。
速度的にはUSB3.0ですので、高速なSSDでなければ、ボトルネックにならず対応できます。保証は、3年です。
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以上、MSI Summit MS321UPの紹介でした。
主に、動的なコンテンツの編集に向いた、デザイン専門機のエントリー機と言えます。
HDR1000クラスは20万円を超えてくるので、費用を節約しつつ、輝度ピークの高い製品を選びたい場合、割と良い候補になるでしょう。
一方、画質調整機能や画質向上機能の部分は、一般ユーザー向けではないので、あくまでデザイン専門機です。
【2022年発売】【32インチ】
【上位機種】
31・JAPANNEXT JN-V315UHDR-C65W
¥44,980 Amazon.co.jp (2/25執筆時)
【下位機種】
32・JAPANNEXT JN-V315UHDR
¥36,345 Amazon.co.jp (2/25執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:300cd/m2
液晶方式:VA系 ノングレア
コントラスト比:3000:1
応答速度:5ms(GTG)
HDR:HDR10
USB給電:65W
接続端子:HDMI DP USB-C
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:3W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:1年
JN-V315UHDR-C65W は、JAPANNEXTが販売する、32インチの格安4Kディスプレイです。
JN-V315UHDRはその下位機種です。
USB接続(65W給電含む)が省略されたモデルです。あとは同じですので、同時に見ていきます。
液晶パネルは、VA系液晶との表記です。
したがって、コントラスト比が高く映像美を楽しみやすい一方、書類仕事には向かない仕様と言えます。
応答速度は、オーバードライブ時5msで、輝度は、300cd/m2です。
いずれも、値段を考えると問題のない水準です。
HDRは、HDR10に対応です。
画質調整機能は、フリッカーセーフやブルーライト軽減モードなどの基本のみを網羅します。
ただ、3種のゲームモードでは、暗部補正技術が使われている可能性があります。
そのほか、対応するビデオカードは必須ですが、カクツキの防止のためのAMD FreeSync対応です。
スタンドの品質は、チルトのみなので、低いです。
台座自体やや細身なので、グラつかないかやや心配な部分もあります。
接続端子は、HDMI 2.0・DisplayPort のほか、USB-C端子という構成です。
ただ、USB-Cポートについては、60W給電に対応しています。
HDCP2.2にも、対応です。
保証期間は、 このメーカーの問題点で、1年のみです。
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以上、JN-V315UHDR-C65Wの紹介でした。
同社は保証期間が短いので、「安さが武器」となります。ただ、大手もこの程度の価格で出し始めているので、本機については、やや競争力がない気もします。
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【2022年発売】【32インチ】
33・JAPANNEXT JN-IPS315UHDR
¥39,982 Amazon.co.jp (2/25執筆時)
輝度:300cd/m2
【2022年発売】【31.5インチ】
34・JAPANNEXT JN-IPS3201UHDR
¥41,800 Amazon.co.jp (2/25執筆時)
輝度:350cd/m2
解像度:4K(3840×2160)
液晶方式:IPS系 ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms(GTG)
HDR:HDR
USB給電:
接続端子:HDMI2. HDMI×2 DP
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:2W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:1年
なお、同社からは「IPS系」のモニターも販売があります。
液晶パネルは、「IPS系パネル」との表記です。
IPSと断定しない書き方の場合、LG以外の「ジェネリック」のどれかになります。
代表的な大手メーカーをだしました。これらの企業ならばPCモニターへの採用実績も多めですし、信頼性も担保されます。しかし、これ以外の小さめの企業も製造しており、結局のところ(この書き方だと)出所は分かりません。
4Kパネルは、TV用を中心にRGB三原色に「白」を加えたIPS-RGBWという廉価版が出回ります。この場合、同じLED量でも輝度が稼ぎやすい一方、黒が引き締まらないので、表現力が劣ります。
PCモニターへの採用例はあまり聞かない(公開しない)のですが、格安品の場合、細かいスペックは注意するべきポイントになります。
本機の場合、2機種とも、sRGB100%のカバー率ですし、そうしたものではなく、出自は不明ながら(おそらく)大丈夫だとは感じます。
ただ、信頼性の部分の差が「安い理由」はありますし、IPSで確定するLGほかの入門機との値段差もあまりないため、選びにくいと言えばそうです。
【USB-C端子あり】
35・FFF IRIE FFF-LD32P5
¥53,800 Amazon.co.jp (2/25執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:300cd/u
液晶方式:IPS方式? ノングレア
コントラスト比:1000:1
HDR:対応
応答速度:14ms (GTG)
USB給電:65W
接続端子:HDMI 2.0 DP USB-C
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:3W×2
4K動画再生:HDCP2.3
保証期間:1年
FFF-LD32P5は、 FFF SMART LIFE CONNECTEDが販売する格安モニターです。
日本でパーツ販売を行う会社で、SeagateのHDDの代理店となるフィールドスリーの関連会社(子会社)とのことです。
液晶パネルは、IPS液晶です。
ただ、IPSパネルという表記と「IPS方式」という表記が混在しています。
値段と輝度からすると、ADSのような「IPSのジェネリック」の1つかもしれません。
この部分は、不定です。実際、IPSの可能性もあります。
スタンドは、チルトのみです。
接続端子は、HDMI 2.0 DP USB-Cという構成です。
ポイントは、この値段で、USB-Cの65W給電に対応することでしょう。
4Kコンテンツに関わる、HDCPの部分もクリアしていますし、画像処理の部分で、フリッカー対策もあります。HDRにも対応です。
一方、応答速度は、オーバードライブしても14msなので、スペックは良くないです。
保証は、1年です。
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以上、FFF-LD32P5の紹介でした。
スタンド部分の仕様以外は、あまり大きな問題点を感じない製品です。
ただ、液晶パネル部分の仕様に確信が持てない部分があるのと、保証期間の短さは少しネックです。その部分も含めて「安い」ということは、承知して買う必要はあるでしょう。
次回に続く!
おすすめの4K液晶モニターは結論的にこれ!
というわけで、今回の前事では、PC用の31.5型の4Kディスプレイについて書いてきました。
しかし、記事はもう少し「続き」ます。
1・4Kモニターの比較 (1)
:サイズ:27型・28型
;解像度:4K 5K
:予算:3万円〜
2・4Kモニターの比較 (2)
:サイズ:31.5型・32型
;解像度:4K 6K 8K
:予算:5万円〜
3・4Kモニターの比較 (3)
:サイズ:40型以上
;解像度:4K
:予算:4万円〜
4・4Kモニターの比較 (4)
:サイズ:23.8型
;解像度:4K
:予算:3万円〜
5・4Kモニターまとめ
=最終的なおすすめ機種の提案
液晶パネルの画質 ★★★★★
目の疲れにくさ ★★★★★
動画・ゲーム対応 ★★★★★
品質保証 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
最終回となる、5回目記事(こちら)では、今回の「結論編」です。
「まとめ」として、ここまで紹介した全てのモデルから、予算別・目的別のAtlasのおすすめ機種を提案していきたいと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
5回目の結論編は→こちら