1回目記事からの続きです→こちら
3-1・DENONのイヤホン
3回目記事のトップバッターは、DENONの完全ワイヤレスイヤホンです。
低音域の力強さに定評のある老舗音響企業で、イヤホンも少数ながら展開します。
ノイキャンは、やはり、クアルコムの汎用SOCなのですが、ヤマハ同様、音のパーソナライズの部分で独自性が強いので、今回掲載しています。
1・ノイキャンイヤホンの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:アップル〈米国〉
1-3:ソニー〈日本〉
1-4:BOSE 1〈米国〉
2・ノイキャンイヤホンの比較 (2)
2-1:BOSE 2〈米国〉
2-2:パナソニック〈日本〉
2-3:JBL〈米国〉
2-4:ANKER〈米国〉
2-5:ヤマハ〈日本〉
2-6:ゼンハイザー〈日本〉
3・ノイキャンイヤホンの比較 (3)
3-1:デノン〈日本〉
3-2:ファーウェイ〈中国〉
3-3:Beats〈米国〉
3-4:オーディオテクニカ〈日本〉
4・ノイキャンイヤホンの比較 (4)
4-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿いながら各機をみていきます。
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また、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチだと思う部分を青字で書きます。

【2023年発売】
27・DENON PerL Pro AH-C15PL
¥19,980 Amazon.co.jp (11/4執筆時)
タイプ:密閉型(カナル)
再生周波数帯域:20Hz〜40kHz
コーデック:SBC AAC aptX-adapt
3D音響:対応(Dirac Virtuo)
個人最適化:対応
連続再生時間:6時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:8g×2
PerL Pro AH-C15PL は、日本の音響メーカーのDENONが販売する完全ワイヤレスイヤホンです。
米国のマシモのMasimo AAT (Adaptive Acoustic Technology)という、新しい聴覚測定技術を使い、音質をパーソナライズする機能が見どころです。

重量は、8gです。
多少ですが平均より重いです。サイズも、装着時は存在感があるタイプです。
イヤーピースは、4サイズ同梱されます。
ドライバーは、10mmです。
各社ともTWS型イヤホンでは素材面に強調することが最近少ないです。
ただ、DENON機は、超低歪み 3 レイヤー・チタニウム振動板を採用を明言します。
若干大きな筐体なので、しっかりしたものが詰めたのだと思います。
音質は、ドライバーサイズと、DENONのメーカー柄、低音域重視でしょう。
視聴できそうなので、また加筆します。

音質のパーソナライズは、冒頭書きましたが対応です。
ここが本機の「売り」とも言えます。
DENONの資本上の所有会社は、現在米国の医療機器メーカーのマシモです。
同社の医療用技術のMasimo AAT (Adaptive Acoustic Technology)をパーソナライズ部分に使っています。
方向性としては、周波数によっての「聞こえ」を把握していくという点では、既に見たJBLやANKERの方式と似ています。
ただ、本機は、内耳から発生する微弱な音「OAE(Oto Acoustic Emission = 耳音響放射)」を測定するという、新生児の難聴検査の方法を使用します。
簡単に言えば、(音波の測定なので)自動で測定・調整が終了し、1分ほどでカスタマイズが終わるという部分だと思います。
いちいち聞こえているかを対話式で入力しなくて良いので楽です。対話がしがたい新生児用の医療技術由来というのも面白いです。
Masimoは、ヘッドホンカスタマイズ部分に強いオーストラリアのNuraも買収しているようなので、そちらの技術との融合の結果です。
仕組み的に言えば、可聴域に問題が出てくる年配の方には、特に効果を感じやすい仕組みと言えそうです。

Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・Apt-Xのほか、aptX Adaptiveに対応します。
したがって、ハイレゾ対応です。CD音質については、aptX Adaptiveのサポート規格になるaptX Losslessもフォローします。
イヤホン部分のスペックも20Hz〜40kHzですので、業界基準に足ります。

立体音響は、Dirac Virtuoにて対応です。
スウェーデンのDiracが提供するサラウンド技術で、音源自体ではなく計算で3Dサラウンド化するものです。
ヘッドトラッキング技術などはないですので、音楽専用で、映像には対応できないタイプでしょう。
通信安定性の面では、Bluetooth5.3に対応です。

ノイズキャンセリングは、Wマイク式(自動)です(Hybrid Adaptive ANC)。
リアルタイム分析は、騒音状況のみをみての調整です。
連続再生時間は、8時間という表記です。
ただ、ハイレゾ水準の再生だと再生時間はより短いでしょう。
ケースは、4回ほどのフル充電が可能です。
防水性は、IPX4です。
マイクは、左右ごとで4つです。
1つは、ソニーなどのような、ノイズに強い骨伝導マイクになります。
他社もそうですが、内側と外側の音で分析して品質を高める仕
外音取り込みモードも搭載です。
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以上、DENONのPerL Pro AH-C15PL の紹介でした。
音質部分もですが、やはり、パーソナライズ部分が注目点です。
簡単かつ、短時間で、周波数ごとの調整ができるので、音域ごとの「聞こえ」に問題があるかたには良い選択肢になろうかと思います。
一方、外観形状は、装着が結構目立つ感じです。最近は高級機でもこの部分が「問題視」されて、スリム化が進んでいることを考えると、外観形状だけは「最先端」ではないようには見えました。まあ、音質面での「賞レース」には関係ないでしょうが。
3-2・ファーウェイのイヤホン
最後に、ファーウェイのイヤホンです。
ノイキャン部分は、(おそらく)SONY系のSocです。
ただ、ドライバー部分の工夫ほか、ノイキャン・リスニングケア部分で、新しめの工夫が見れるため、今回見ています。

【2025年2月発売】
28・ HUAWEI FreeBuds Pro 4
¥24,800 Amazon.co.jp (11/4執筆時)
【2023年7月発売】
29・ HUAWEI FreeBuds Pro 3
¥25,893 Amazon.co.jp (11/4執筆時)
タイプ:密閉型(カナル)
再生周波数帯域:14Hz-48kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
3D音響:
個人最適化:対応
連続再生時間:5時間
ドライバー:11mm+平面
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IP54
重さ:5.8g×2
HUAWEI FreeBuds Pro 4 は、ファーウェイが販売する完全ワイヤレスイヤホンの上位機です。

旧機がのこります。
新機種は、イヤーチップがシリコン製以外に、形状記憶フォーム型が添付されるようになります。その上で、どの主のイヤーチップかを自動把握し、それぞれにノイキャンの最適化をなす機能が加わります。
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結論的にいえば、ドライバ周りや、ノイキャンを含めたハード面は旧機種も同じです。
ただ、現状の値段差ならば、素直に新機種で良いかと思います。特に、形状記憶フォーム型のイヤーチップを使う場合、パッシブな遮音性(静粛性)は上がっていますので。
そのほかは、だいたい同じなので、以下では同時にみていきます。
重量は、5.8gです。
ドライバの口径からすると、軽量化を「頑張っている」機種です。

イヤーピースは、大・中・小の3サイズが付属です。
先述のように、25年から一般的なシリコン製以外に、新型も添付です。
3層構造で、柔らかく伸縮性のある形状記憶フォームを採用するものです。
シリコン製よりぴったりとフィットできるので、遮音性は高まります。
なお、耐久面はやはりシリコンです。装着感もメモリフォームは好き嫌いがあるので、2種の添付にしているのだと思います。

音質面では、11mmのクアッドマグネットダイナミックドライバーを搭載します。
その上で、本機は、平面振動板ドライバーを持つデュアル構成です。
ダイナミックドライバ2個、あるいはBA(バランスドアーマチュア)との組み合わせという構成は他社にもみられますが、平面振動板との組み合わせは、完全ワイヤレスイヤホンでは「初」でした。AVIOTなど他社も採用がはじまりましたが、それでも目新しいです。
実際的に、こちらのドライバーは、高音域の能力を高めるための搭載です。周波数帯域も、14Hz-48kHzとハイレゾ水準を達成します。
低音側のスペックも高いです。
なお、ファーウェイは6か所のオーディオラボを持ちますが、もともと音響企業ではないので、音のチューニング(EQ)の部分はフランスのDevialetの協力です。
以前、米国のベルキンもスピーカーを出すときに協力関係にあり、紹介したことがあります。
音質のパーソナライズは、対応です(インテリジェントANC2.0)。
ノイキャン部分の説明とも被りますが、耳穴の構造を見ながらリアルタイム処理での音声チューニング処理の言及があります。
方向性としては、ヤマハの仕組み(リスニングオプティマイザー)に似たものとして理解できるかと思います。

Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・LDACです。
ソニーと同じで、LDACコーデックでハイレゾ対応機としています。
Apt-X系列は非対応です。
立体音響は、一方、特別な対応に対する言及はないです。
通信安定性の面では、Bluetooth 5.2です。
問題ありません。

ノイズキャンセリングは、Wマイク式(自動)です(インテリジェント・ダイナミック ANC 3.0)。
マイクは、片側につき、内側に1つ、外側に2つあります。
リアルタイム分析は、騒音状況(種類)をみながら、3種類ではありますが、センサーが検知したシーンに応じて、かかりが自動調整される仕様です(ダイナミックANCモード)
そのほか、装着センサーを利用し、外耳道の構造を見て、装着状況に合わせた調整(特に音圧)も自動でします。
ヤマハの「リスニングケア」と同じ方向性でしょう。
なお、(新型のソフト耳せんの効果による)パッシブな遮音は、同社によると30%の口上です。ノイキャンによる、アクティブな遮音性は同じです。
連続再生時間は、ノイキャンを利用して5時間です。
LDACだと4.5時間とのスペックです。
平面ドライバーは、電気を食う部分もありスタミナはイマイチです。
ケースは、AACとの併用で、18時間分のバッテリーです。

マイクは、搭載です。
本機は、形状的にも「ヘッドセット」的なビジネス用を探している方もターゲット層にしていると言えます。
性能面でも、先述の3つのマイクほか、ソニー同様の骨伝導(骨振動)センサーを利用して情報をとり、同社のディープラーニング技術を利用したアルゴリズムで、ノイズを打ち消します。
風切り音を押さえつつ、通話品質を高めます。この部分は(スマホ企業だけに)たいへん高度です。
複数の端末の待ち受けができるマルチポイントにも対応します。
もちろん、外音取り込みモードも装備します。
防水性は、IP54相当です。
豪雨程度に対応するほか、一定の防塵性ももつというスペックです。
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以上、HUAWEI FreeBuds Pro 4 の紹介でした。
平面振動板ドライバーというドライバー自体の独自の工夫を持つ上で、音響をずっとやってきた企業い及ばないEQの部分は、他社との協力で強化し、バランスの良い製品に仕上げていると思います。
値段面で、競合機にくらべて特段安い機種ではないのですが、マイクやノイズキャンセル部分を含めて、値段に見合う性能を持つ機種に見えます。
ドライバーが小さい機種を除き、ハイレゾ対応機で、ここまで軽い機種というのはないので、同社のスマホユーザー以外にも、人気は出そうに思えます。
あえて言えば、「空間オーディオ」を含めた新しい音源への対応は、今後の課題かもしれません。ハイレゾは(ちっとも)普及せず、そちらにトレンドが移行しそうな感じがあるので。
3-3・Beatsのイヤホン

続いて、Beatsの完全ワイヤレスイヤホンです。
同社はApple傘下ですが、ストリート系の別ブランドとして展開します。

【2025年発売】
30・Beats Powerbeats Fit ME2J4PA/A
¥29,818 Amazon.co.jp (11/4執筆時)
タイプ:密閉型(カナル)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC・AAC
3D音響:対応(空間オーディオ)
個人最適化:高度(ヘッドトラッキング可)
連続再生時間:7時間
ドライバー:9.5mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:5.78g×2
Beats Powerbeats Fitは、Appleが自社のBeatsが販売する、完全ワイヤレスイヤホンです。
Beats Fit Pro(2021)の後継機ですが、今回はウイングチップの改良(柔軟性強化)と、ケースの改良(バッテリー量の増量と小型化)がメインです。音質に関わる部分やチップ(H1)の変更はありませんでした。

本体色は、ジェットブラック(ME2J4PA/A)ほか、グラベルグレイ(ME2K4PA/A)・パワーピンク(ME2L4PA/A)・スパークオレンジ(ME2M4PA/)という構成です。

装着方法は、ウイングを利用して固定するタイプです。
イヤーチップほか、ウイングチップで引っかけて固定する方式です。
チップ部分は柔軟性があるシリコン系エストラマーでフィット感重視で、長時間付けていても疲れにくいよう工夫されます。従来より20%柔軟性が強化されたとの報道です。
しっかり固定もされるので、ワークアウトでの利用やも対応します。
重量は、5.78gです。
Apple純正のAirPods Proとだいたい同じ重さです。
イヤーフック型の形状ですから、この程度は普通です。
フックがあるので、運動していてもズレにくいと言えます。
イヤーピースは、4サイズから選択可能です。
他社だとウイング部分も複数のサイズが同梱されるものがありますが、本機はウイング部分が柔軟なのでこれで問題ありません。

ドライバーは、サイズはわかりません。
2層ダイヤフラム(二層トランスデューサ)のダイナミックドライバで、サイズは非公開ですが、複数の分解レポートによると9.5mm前後です。
ドライバーの振動板を硬軟の2層構造にすることで共振をおさえる意図です。低音のしまりと、刺さりにくい中音域を出すための工夫です。重くなるので、若干スピード感を感じにくいほか、高音域はあまり伸びず、ハイレゾ向きではないと言えます。
実際、「売り」は厚みのある低温で、本家のAirPodsと比較すると低音域がしっかりした音質です。
一方、ノイキャン機になるので(微細ながら)ベントがある仕様です。そこからの(ごくわずかな)音漏れはありえますが、これは他機でも多かれ少なかれそうです。
音質のパーソナライズは、イヤーチップの装着テストと、立体音響の部分でのパーソナライズがあります。

Bluetoothコーデックは、対応するコーデックの記載がないです。
ただ、iPhoneに最適化された仕様ですから、SBC AACに対応でしょう。
立体音響は、Appleの「空間オーディオ」に対応します。

また、AppleのAir Pods2同様に、カメラでのパーソナライズ機能ほか、「ヘッドトラッキング機能」もしっかり利用できます、
内蔵される加速度・ジャイロセンサーを利用し、利用者の頭の向きに連動して、立体音響の方向性を正しく調整する技術です。要するに、普通のスピーカーのように、自分が首を振ったりしても、音が正しく定位します。
なお、この2つに対応する仕様だと、音楽(Apple Music)のドルビーアトモス音源以外に、Apple TVの対応映映像や、FaceTimeも空間オーディオ化できます。
接続安定性の面では、Apple H1チップを搭載するため、(iPhoneとの)通信安定性・音の遅延が減少に効果を発揮します。
同社の人工知能、Siriも利用可能です。

ノイズキャンセリングは、Wマイク式です。
片側3マイク搭載(内1,外2)で、音楽の音をふまえてハイブリッドに分析します。
リアルタイム分析(Adaptive ANC)はしかし、非対応です。
この部分は、Appleブランドで売られるTWS型イヤホンとの差と言えます。
外音取り込みは、可能です。
ただ、リアルタイム分析ができないので、ソニーやアンカーにみられる、自動でのレベル調整は不可です。

連続再生時間は、7時間となります。
充電ケースと合わせて30時間分の持続性です。
また、5分の充電で1時間分の再生が可能です。
マイクは、こちらも搭載です。
指向性がある、デュアルビームフォーミングマイクで、風切り音対策もあるので、この部分は配慮があります。
防水性は、IPX4等級です。
耐汗/防沫仕様といえますが、完全に防雨ではないグレードです。
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以上、Beats Powerbeats Fit の紹介でした。
装着については、従来のタイプであるPowerbeats Proよりフィット感が高く、その部分も含めて、音質に安定感がありました。
ノイキャンについては、本家のAppleのほうが精度やかかりは良いのです、普通に通勤通学用ならば、そちらかと思います。また、ベント(孔)がある部分も、逆の意味で注意してください。
ただ、装着したときのデザイン性(格好良さ)は純正よりこちらが良いです。
ワークアウト向きだと、後ほどみるPowerbeats Pro 2のほうが良さそうですが、何にでも使いやすいという意味で、総合的なバランスが良い製品だと感じます。
おすすめできる製品の1つです。

【2025年発売】
31・Beats Powerbeats Pro 2 MX723PA/A
¥35,620 Amazon.co.jp (11/4執筆時)
タイプ:密閉型(カナル)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC・AAC
3D音響:対応(空間オーディオ)
個人最適化:高度(ヘッドトラッキング可)
連続再生時間:10時間
ドライバー:9.5mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:8.7g×2
Beats Powerbeats Pro2 も、Beatsが販売する、完全ワイヤレスイヤホンです。

約5年降りに、新機種に更新されました。
装着形状が変わったほか、ノイキャン機能も、このシリーズでは初めて搭載です。そのほか、Ankerにもありましたが、LED光学センサーによる心拍数の計測に対応しました。
個人的には、時計タイプほどいろいろできるわけではないので、心拍数計は不要だとは思います。
ただ、ワークアウトに特化した本機の場合、状況によっては、一定の意味はあるかなと思います。
あとは、後述する、音質のパーソナライズに対応した点、制御チップがH1チップから、H2チップに進化した点、連続再生時間が1時間短い、9時間となるのが、初代と比べる場合目に付く違いでした。

装着方法は、イヤーフック型です。
かなりユニークで「尖った」デザインですが、前回以上に今回はアスリート向けですし、問題ないでしょう。
柔らかい外装と形状記憶合金の採用で、フィット感重視です。
重量は、片側で8.7gです。
旧機より、1.5gほど軽量化されました。
イヤーピースは、5サイズから選択可能です。
音質面では、技術面は、情報非開示です。
基本的に、充実した低音域が強調できる仕様です。
従来通りの2層ドライバー仕様で、音質の方向性は同じです。

立体音響は、Appleの空間オーディオをフォローします。
旧機だと、Apple Music(ドルビーアトモス音源)のみの対応でしたが、今回から制限がないので、既にみたAirPods Pro 2や、Beats Fit Proと同じです。
Apple Vision Proとのペアリングもできます。
音質のパーソナライズも、25年機から対応になりました。
AirPods Pro 2と同じアダプティブイコライゼーションに対応です。
内側のマイクを利用して実際聞いている音を把握し、中低音域の周波数を調整をする技術です。
加えて、iPhoneのカメラ(TrueDepth)を使って、空間オーディオ利用時にパーソナライズする機能も、やはり、AirPods Pro 2と並んで採用です。
ヘッドトラッキングも、25年機からは対応です。
Bluetoothコーデックは、対応するコーデックの記載がないです。
ただ、本機も、SBC・ AACに対応でしょう。
接続安定性の面では、Apple H2チップを搭載するため、上位機同様です。
ただ、空間オーディオには非対応です。

ノイズキャンセリングは、搭載です。
外側と内側に集音マイクを装備する上位のWマイク式(自動)です。
Appleによると、この部分もAirPods Pro 2と性能は変わらないようです。
制御チップ(H2)も同じですし、他社を含めても優秀な水準です。
外音取り込みモードも、搭載です。
連続再生時間は、最大10時間との表記です。
ケース側は35時間分です。
ただし、Appleの場合、ノイキャンオン時かは未記載なので、利用する場合、1時間程度短くなるかもしれません。
マイクは、搭載です。
片側3つのマイクで、ここもAirPods Pro 2と同じという表記です。
風切り音を含む雑音低減、ボイスターゲッティング機能などが装備です。
防水性は、IPX4等級です。
雨天での利用は問題ないでしょう。
---
以上、Powerbeats Pro 2の紹介でした。
デザイン性からしてワークアウト専用といった色合いの製品です。
ただ、先ほどみたBeats Powerbeats Fit に比べても、激しく動いても落ちにくく装着感も快適ですので、その用途には合いそうです。
改良によって形状とドライバー周り以外の機能性は、AppleのAirPods Pro 2と同じになったとも言えますし、ワークアウト向けの上級機として、各社と推しても存在感がある製品です。
4-2・オーディオテクニカのイヤホン

続いて、オーディオテクニカのイヤホンです。
日本の老舗で、スタジオモニター用など、原音忠実性に重きを置いてきた印象があるメーカーです。

【2025年発売】ATH-TWX9MK2 BK ATH-TWX9MK2 WH
32・ オーディオテクニカ ATH-TWX9MK2
¥35,000 Amazon.co.jp (11/4執筆時)
【2022年発売】
33・ オーディオテクニカ ATH-TWX9
¥26,191 Amazon.co.jp (11/4執筆時)
タイプ:密閉型(カナル)
再生周波数帯域: 20Hz〜40kHz
コーデック:SBC AAC APT-X adaptive
3D音響:
個人最適化:対応
連続再生時間:6時間
ドライバー:5.8mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式 (自動)
防水性能:IPX4
重さ:5.4g×2
ATH-CKS30TWMK2 は、日本のオーディオテクニカが販売する完全ワイヤレスイヤホンです。同社の現行製品では最上位機となります。
旧機種が残りますが、ドライバー回りの仕様が一新されたほか、ノイキャンについて、耳形に応じたカスタマイズと、騒音状況に応じた自動調整に対応しましtた。
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結論的にいえば、価格差はありますが、いずれも重要な部分の変更がみられるため、両機から選ぶならば新機種でしょう。
以下、新機種をベースに説明を加えます。

重量は、片側が5.5gです。
平均より軽い製品で、その部分も重視します。

イヤーピースは、割とこだわりがあります。
サイズが4種類あるほか、深さ部分で、写真のように3種類用意されています。合計12種類となります。
ただ、1回目の記事でみた3社のような(スマホやセンサーを利用した)フィッティング機能は未装備です。この部分は、新製品にしたらアナログではあります。

ドライバーは、5.8mmです。
先述のように、第1世代と振動板が変わりました。

旧機(写真)の場合、振動板は3層でしたが、今回は複合振動板として、センター・サブドームで性質を変える仕組みに変わりました。
あとの部品は明示的に変更がないですが、中位機以上のスピード感と明晰感、低音の質感の改善を目的を目指したものです。
音質面では、全レンジで解像感の高さを売りにする方向性です。
それもあり、「Pure Motion Driver」という名前が今回付きました。
音漏れについては、本機もベント(孔)はありますが、気にする感じではないです。
周波数帯域は、10Hz-40kHzです。
低音域を10Hzと表示します。(実際可聴できるかはともかく)低音域に、ある程度力を入れていることを、数字で示しています。
高音域もスペック的に「ハイレゾ対応水準」で音域は広いです。
ハイレゾ認証マークはないですが、後述するコーデックの部分を含めて、数字として対応といって問題ありません。

立体音響は、一方、旧機は、ソニー系の360 Reality Audioの認定製品でした。
ただ、新機種でこの表記はなくなりました。正確には(ソニー系の)音源再生はできますが、耳型最適化などは認定がないので非対応です。
音質のパーソナライズは、対応です(パーソナライズANC)。
ノイキャンのかかりに関係する部分で「耳型最適化」機能の言及があります。装着時に検査音を出力し、内蔵マイクで最適化する仕組みで、BOSEに近いです。
接続安定性の面では、本機も、Bluetooth5.2に対応します。

コーデックは、SBC AACほか、aptX Adaptiveに対応します。
可変ビットレート仕様で遅延が少ない映像視聴用のコーデックでもありますが、ハイレゾ転送にも対応できます。

ノイズキャンセリングは、Wマイク式のノイズキャンセラです。
先述のように、装着状態に合わせた調整(パーソナライズANC)と、騒音レベルを識別しての調整(オプティマイズANC)を備えます。
一方、本機は、騒音の種類の判別まではしていないようです。また、騒音レベルの調整自体も完全自動ではなく、イヤホンを長押しした際に、状況に合わせて、ノイキャンのかかり度合いを都度調整する方式なので、完全自動ではないです。
また、手動で「飛行機、電車、風切り音低減、空調ノイズ、自宅の微細雑音」を軽減する5モードを備えますが、それらのシーンを自動判断して適応する機能性もないです。
こうした部分で、ソニー、アップル、ボーズに比べると、性能は限定的でしょう。おそらく、クアルコムの汎用チップ(Soc)ベースで、独自仕様を付けた形です。
外音取り込みは、対応です。
マイクを通じて外音をいれる「ヒアスルー」を装備するほか、強度も調整ができます。

連続再生時間は、ノイキャンONで6時間です。
充電ケースのバッテリー量は非公開です。なお、ケースはQi規格対応で、ワイヤレス充電も可能です。
マイクは、搭載です。
コンデンサー型ではなくMEMSを採用し、ビームフォーミングにも対応するので、それなりに性能はよいです。
防水性は、IPX4相当です。
屋外の荒天でも利用できるでしょう。
---
以上、オーディオテクニカのATH-TWX9 MK2の紹介でした。
ポイントはやはりドライバー回りで、解像感を重視した音響設計である部分でしょう。低音はタイトで締まり、高音も伸びる点でハイレゾのような良質な音源の再生には向きそうです。
一方、 ノイキャンの部分は、汎用のSOCをベースに独自に改良を加えた部分は評価できますが、その「効き」という部分では、ソニー、Apple、BOSEの三強に及ばないと言えます。
そのほか、立体音響への対応度の部分でも、若干、今どきではない部分は感じました。
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【2023年発売】
34・ オーディオテクニカ ATH-TWX7
¥24,000 Amazon.co.jp (11/4執筆時)
タイプ:密閉型(カナル)
再生周波数帯域: 20Hz〜40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
3D音響:
個人最適化:連続再生時間:6.5時間
ドライバー:5.8mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:4.7g×2
なお、 ATH-TWX7は2024年に登場したATH-TWX9の下位機です。

重さは、4.7gです。
ショートスティック型としては軽いです。

コーデックは、SBC・AAC・LDACです。
クアルコム系ではなく、ソニー系になります。
ハイレゾは対応できますが、低遅延向きのコーデックがないという構成です。
あとの部分は、先述のノイキャンの自動調整部分を除けば、上で見た上位機と、明示的な違いは少ないです。
基本形状ほか、ドライバーサイズやを含めて、スペック上、あまり変わりません。
ただ、360 Reality Audioの認定をとっていないのと、上位機では公開される(同社上位機ではお馴染みの)内部ユニットの分解図がないので、パーツレベルでは差があるのだと思います。
---
結論的にいえば、上位機とどちらが「お買得」かは判断しかねる製品です。
スペック的に大きな部分では変わらないのでこちらが良さそうに思えますが、音響部分での仕様差がわからないので、その部分で、お買得かは判断しかねます。
翻して言えば、上位機が「高い理由」も分かりにくくなったので、もう少し違い(ランク)を明示的に示して欲しい気はしました。
次回に続く
ノイキャン対応イヤフォンのオススメは結論的にこれ!
というわけで、今回は、ノイズキャンセリングイヤフォンの比較の3回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。

4・ノイキャンイヤホンの比較 (4)
4-1:最終的なおすすめの提案【結論】
音質の良さ ★★★★★
ノイズキャンセル ★★★★★
ハイレゾ再生 ★★★★★
立体音響 ★★★★★
軽さ ★★★★★
防水性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
続く4回目記事(こちら)は、結論編です。
比較した全機種から、予算別・目的別に、Atlasのおすすめ機種を提案します。引き続き、よろしくお願いします。
4回目記事は→こちら !
