【今回レビューする内容】2022-2023年 新製品のハイレゾイヤホンの音質とおすすめ:機種の違いと人気ランキング
【紹介する製品型番】FiiO FD5 FIO-IEM-FD5 Shanling ME500 Platinum Edition ME200 FH9 FIO-IEM-FH9 FIO-IEM-JH3 FIO-IEM-JD3 beyerdynamic XELENTO REMOTE Panasonic Technics EAH-TZ700-K FiiO FA7S FIO-IEM-FA7S ゼンハイザー IE 600
今回のお題
ハイレゾ対応イヤホンのおすすめはどのモデル?
どもAtlasです。
今日は、2022年12月現在、最新のハイレゾ対応イヤホンの比較の3回目記事です。
1・ハイレゾイヤホンの比較記事 (1)
1-1:SONY〈日本〉
1-2:AVIOT〈日本〉
1-3:JVC〈日本〉
2・ハイレゾイヤホンの比較記事 (2)
2-1:フィリップス〈オランダ〉
2-2:オーディオテクニカ〈日本〉
2-3:Radius〈米国〉
2-4:オーツェイド〈日本〉
2-5:ADV〈米国〉
2-6:エム・ティ・アイ〈日本〉
2-7:ファーウェイ〈中国〉
3・ハイレゾイヤホンの比較記事 (3)
3-1:FiiO〈中国〉
3-2:Shanling〈中国〉
3-3:beyerdynamic〈ドイツ〉
3-4:パナソニック〈日本〉
3-5:ゼンハイザー〈ドイツ〉
3-6:最終的なおすすめ製品の提案
前回までに紹介できなかったメーカーの有線タイプのハイレゾイヤホンを引き続き紹介します。
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
原音再現性 ★★★★★
ワイヤレス ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、いつものように、各製品を機種ごと比較します。
そして、最後の「結論」部分では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種!」を提案する形で記事を進めていきます。
長い記事ですがよろしくお願いします。
3-1・FiiOの有線ハイレゾイヤホン
はじめに、中国のFiiOの有線ハイレゾイヤホンです。
オヤイデが取り扱う、アンプでも有名で、日本でも一定のプレゼンスがあります。
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なお、以下の本文では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2021年発売】
40・ FiiO FD5 FIO-IEM-FD5
¥44,106 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:10Hz 〜40kHz
ドライバー:12mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:約22g(両側)
FiiO FD5 は、中国の音響機器メーカーFiiOの販売するハイレゾ対応モデルです。
このブログでは【ポータブルアンプの比較記事】で同社の製品を長いこと紹介していますが、イヤホンは本機で初めてです。
接続方法は、有線方式です。
カタログを見たとき左右分離型かと思いましたが、本機はワイヤード専用です。
交換プラグにより2.5mm/3.5mm/4.4mmの端子に対応できます。
装着方法は、一般的なコード式ですが、耳に回し入れる仕様です。
再生周波数帯域は、10Hz 〜40kHzです。
ハイレゾ認証を取得しますが、高音域の対応水準をぎりぎりです。
ドライバーは、12mmです。
シングルドライバーですが、大きめと言えるでしょう。1.5テスラの高磁力マグネットに、カーボン素材にベリリウムコーティングの振動版です。
その上で、本機については、半開放型構造なので、低音は値段相応に充実します。
加えて、本機は、帯域間の時間遅延を減らすため、アコースティックプリズムシステムを採用します。
トゥイーター用に開発された技術ということですが、半開放型特有の反響音ズレの対策かもしれません。
そのほか、耳にかかる音の圧力を減らすためのボルカニック・フィールドと呼ばれる火山型形状ディフューザーなど、音質や聴きやすさに対する新しい工夫は、かなり多いです。
そのほか、音導管の取替が可能な部分も面白いです。
小さいサイズに換装すれば、低音域をより強調できます。ただ、その場合、付属のトリプルフランジのイヤーチップで深挿しすることが推奨されます。
音質の特性は、(想像通り)バランス重視で、音抜けもよく、音源に左右されず聴きやすい音質です。
ただ、ハイレゾに極めて向くわけではないでしょうが、特に低音域は充実し、むしろその部分が強調できそうです。
一方、本機については、セミオープン型構造なので、外音はある程度聞ける一方、音漏れはします。大音量で電車などで聴きたい方には不向きです。
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以上、 FiiO FD5の紹介でした。
「ハイレゾ専用設計」ではないですが、技術的にも新しいものが多くみられ、面白そうな高級機です。
長時間のリスニングにも向きそうな構造ですし、自宅で利用するなど、そのニーズでは良いかと思います。
【2021年発売】
41・ FiiO FA7S FIO-IEM-FA7S
¥56,331 楽天市場 (12/1執筆時)
再生周波数帯域:10Hz 〜40kHz
ドライバー:BA×6
ノイキャン:
防水性能:
重さ:約16.8g(両側)
FiiO FA7S は、中国のFiiOが作るハイレゾ対応イヤホンの高級機です。
接続方法は、本機も有線方式です。
120cmのケーブルが付属します。
ただ、交換により2.5mm/3.5mm/4.4mmの端子に全対応できます。
装着方法は、一般的なコード式ですが、耳に回し入れる仕様(いわゆるShure掛け)です。
ソニーの最上位機と同じほどで、重くは感じません。
再生周波数帯域は、本機も10Hz 〜40kHzです。
本機については、ハイレゾ認証を得ています。
ドライバーは、かなりユニークです。
極小のバランスド・アーマチュアを6個搭載した特別なユニットです。
ソニーの最上位機は「5(ペンタ)」でしたが、おそらく対抗の意味が大きいでしょうが「6(オクタ)」としています。
高・低・中音域にそれぞれ2ユニットを割り当てています。
ワイヤレスで最近搭載が増えているKnowlesのBAユニットになりますが、ユニットを分ける場合、大事になる中音域はカスタムドライバーとのことです。
音質の特性は、BAをこれだけ複数利用する形式ですし、音の受け渡し(クロスオーバー)の質が結構影響して、わりと聴くコンテンツを選ぶところがあるでしょう。
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以上、 FiiO FA7Sの紹介でした。
BAだけ多数搭載する意味性はおいておくとしても、「6(オクタ)」でどうなるか、聴いてみたいと思わせます。
価格もソニーと比較すれば、「それなり」にこなれて出されているので、試聴してみて良いようならば、(有線を使う機会が減っているものの)個人的に欲しく思いました。
ただ、後ろがベントぽいので、音漏れの具合はすこし気になります。
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【2022年発売】
42・ FiiO FH9 FIO-IEM-FH9
¥92,664 楽天市場 (12/1執筆時)
再生周波数帯域:10Hz-40kHz
ドライバー:BA×6+13.6mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:約25.6g(両側)
なお、同社のハイエンド機は、FIO-IEM-FH9です。
BA6基に13.6mmのドライバーを搭載した機種は、おそらく今までになかったかと思います。
こちらについては、(装着性に配慮はありますが)ケーブルなしの両側の重さが25gを超えるという部分で、かなり特殊です。
耳の形状に左右されそうなので、試着はした方が良いでしょう。
また、さすがにこのユニット構成をイヤホンにする場合、空気抜きが必要なので、「開放型」といって良い感じの、半開放型のイヤホンです。
したがって、音漏れその他の部分で、完全に室内用となります。かなり趣味性の強い製品なので、一般的には選択肢にしなくて良いでしょう。
【2022年発売】FIO-IEM-JH3-B
43・ FiiO FIO-IEM-JH3
¥9,660 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:10Hz-40kHz
ドライバー:BA×2+13.6mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:約12g(両側)
FiiO JH3 も、中国のFiiOが作るハイレゾ対応イヤホンです。
ここまでの製品に比べたら、安めのミドルクラスとなります。
接続方法は、有線方式です。
リケーブル対応(0.78mm2PIN)で、付属の120cmのケーブルは交換可能です。
装着方法は、本機も耳に回し入れる仕様(Shure掛け)です。
再生周波数帯域は、本機も10Hz-40kHzです。
本機もハイレゾ認証を得ています。
ドライバーは、バランスド・アーマチュアを2基と、ダイナミック型の13.6mmドライバーという構成です。
上位機と違って、ユニークさは「そこそこ」になりますが、だいたい同じ構成のライバル社の機種より、ドライバは少し大きめと言えます。
開口部の近くにBA2基が見えますが、その底面に「うまいこと」巨大なドライバーを入れ込んでいます。
外観形状が多少「不格好」なのはそのためです。
気圧調整(+低温)のためのベントは各方向に結構あるので、静粛性が求められる場所には少し向かないでしょう。
高・低・中音域にそれぞれ2ユニットを割り当てています。
ワイヤレスで最近搭載が増えているKnowlesのBAユニットになりますが、ユニットを分ける場合、大事になる中音域はカスタムドライバーとのことです。
音質の特性は、構成として言えば、低音域を重視した構成といえます。
ハイレゾに対応させるためにBAを配置していますが、どちらかといえば、音の厚みを重視したい方に向くと言えます。
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以上、FiiO JH3の紹介でした。
大口径ドライバーと2基のBAの組み合わせはソニーにもあります。
ただ、1万円以下でこの構成が試せる部分に本機のプレゼンスはあるでしょう。
外観形状のユニークさと、作りの部分で音漏れしそうな点が懸念材料ですが、それら部分が影響しない環境で、厚みのある低音が欲しい場合の候補になりそうです。
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【2022年発売】FIO-IEM-JD3-S
44・ FiiO FIO-IEM-JD3
¥2,725 楽天市場 (12/1執筆時)
再生周波数帯域:10Hz-40kHz
ドライバー:9.2mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:約19.3g(両側)
なお、本機と同時に、9.2mmドライバーのみの下位機種も登場しました。
ハイレゾ対応機ですが、セミオープン(半開放型)にして低音を強化する方向性の製品なので、音漏れを気にするべき空間には向かないでしょう。
自宅などなら問題ないですが、通勤通学時の乗り物などでも、停車時の静粛性などを考えると、用途を選びます。
3-2・シャンリンのイヤホン
つづいて、中国のシャンリンが販売するハイレゾ対応イヤホンです。
2019年末頃から日本の代理店経由で販売が始まったばかりのメーカーです。日本ではMUSINの取扱いです。
【2019年発売】
45・ Shanling ME500
¥(35,820) Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz 〜40kHz
ドライバー:10mm+BA
ノイキャン:
防水性能:
重さ:約41g(イヤホン片側13g)
Shanling ME500 は、中国のシャンリンが販売するハイレゾイヤホンです。
接続方法は、有線方式です。
装着方法は、この製品も耳に回しいれるタイプのコード式です。
再生周波数帯域は、20Hz 〜40kHzです。
ドライバーは、10mmです。
一方、本機はソニーの上位シリーズと同じで、ドライバーが複合的です。
主に中高音域のためにバランスド・アーマチュアを装備し、ハイレゾ対応にしています。
ドライバーの素材は、「ナノコンポジットダイヤフラム(PU+PEEK複合素材振動板)」です。BAは、米国のKnowles社製(TWFK-30017))との情報が出ています。
音質の特性は、本機は、再生周波数帯域が示す以上に低音域は充実する音質です。
ドライバのサイズ感より力強く感じますが、これは、ダブルマグネット構造に由来する部分もありそうです。
複雑なユニット構成ですが、中音域・高音域のバランスも考えられています。
ハウジングは、真鍮製で、プラチナコーティングがなされ、ケーブルは銀コートがなされた高純度の銅ケーブルとなります。
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以上、 ME500の紹介でした。
中国の新興ブランドは「実験色」が強いので一般向けにはおすすめしませんが、面白いものが多いです。
複合的にドライバーを使うのが巧いSONYも新製品を出さないため、面白さの部分で、多少「飽き」が来ている方には選択肢になるでしょう。
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【2020年発売】
45・SHANLING ME200
¥26,400 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz 〜40kHz
ドライバー:10mm+BA
ノイキャン:
防水性能:
重さ:約32g(イヤホン片側6.3g)
なお、本機も、下位機種が存在します。
構成は上位機と同じ10mm+BAの仕様ですが、ダブルマグネット構造が採用されないなど差があります。
その上で、ハウジングが樹脂製になるほか、ケーブルの品質も劣ります。
【2022年発売】
46・ Shanling MG600
¥66,800 Amazon.co.jp (12/1執筆時))
再生周波数帯域:20Hz 〜40kHz
ドライバー:10mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:(イヤホン片側3.3g)
Shanling MG600も、中国のシャンリンが販売するハイレゾイヤホンです。
2022年に登場した新しい製品です。
接続方法は、有線方式です。
ケーブルはプラグ交換式で、3.5mmほか、2.5mmと4.4mmのバランス接続に対応します。
プラグは、全て付属します。
装着方法は、この製品も耳に回しいれるタイプのコード式です。
再生周波数帯域は、20Hz 〜40kHzです。
ハイレゾに公式対応する製品です。
ドライバーは、10mmのダイナミックドライバです。
振動板は、カーボンとグラファイトの複合繊維で、ハウジングは、アルミニウム-マグネシウム合金ドームです。なお、シェルは木製(メープル)です。
工夫はありますが、さすがにングルでこの値段は高い気はします。
音質の特性は、ハイレゾ機ですが、低音域に向けても音域は広いタイプです。
本機は試聴できていません。
ただ、継ぎ目がないダイナミック型でセミオープン型なので、ナチュラルな音質でしょう。想像はできます。
なお、イヤーピースは、純正ほか、SpinFit CP100も付属します。CP100を使うこと前提のチューニングだということです。
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以上、 Shanling MG600の紹介でした。
レファレンスクラスとしては片側3.3gと軽量で、その部分に惹かれます。
シェルを含めて工夫はありますが、ダイナミック型でこの値段というのは、一般人には、やや手を出しにくい感はあります。ドライバー周りはさほどコストがかかっていないでしょうし、同じコンセプトの普及版を出して欲しい感じの製品です。
3-3・ベイヤーダイナミックのイヤホン
続いて、ドイツの高級オーディオブランドのbeyerdynamicが販売するイヤホンです。
ハイエンドクラスのみ展開する、ニッチなブランドです。
日本では、音響企業のTASCAM(TEAC)が取り扱います。
47・beyerdynamic XELENTO REMOTE
¥92,800 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:8Hz 〜48kHz
ドライバー:1way
ノイキャン:
防水性能:
重さ:7g
XELENTO REMOTE は、beyerdynamicが販売するイヤホンです。
接続方法は、有線方式です。
ひときわ高いですが、2017年の発売以来、専門誌のレビューを含めて絶賛されることが多かった製品です。
海外製品のため、明示的に「ハイレゾ対応」は謳われませんが、事実上対応機と言って良いスペックです。
再生周波数帯域は、8Hz〜48kHzです。
したがって、目に見える形では、明示的に性能が高いという機種でもありません。
ドライバーは、サイズは非公開ながら、ダイナミック型の小型テスラドライバーを採用します。
1万ガウスの強い磁力を持つドライバです。
このメーカーは、第二次世界大戦前、ダイナミック型ドライバを最初に作った会社で、そこにこだわりがあります。
音質の特性は、短時間の試聴の限りですが、さすがに解像感が高く、味付けもなく、高評価の理由の一端がわかりました。
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以上、XELENTO REMOTEの紹介でした。
価格的に完全に「ハイアマチュア向け」で、一般的には選択肢に入れる必要は無いでしょう。
ただし、少量生産品で、コストもかかっているでしょうから価格は妥当でしょう。ただ、決定的な音質の差があるかと言われると、多少「魔術的要素」を感じないわけでもありません。
3-4・パナソニックのイヤホン
続いて、パナソニックのハイレゾ対応イヤホンです。
同社の場合、高級オーディオ部門の「テクニクス」からハイレゾ対応機を出します。
【2019年11月発売】
48・Panasonic Technics EAH-TZ700-K
¥132,000 ビックカメラ(店舗) (12/1執筆時)
再生周波数帯域:3Hz 〜100kHz
ドライバー:1way
ノイキャン:
防水性能:
重さ:7g(コード込み22g)
EAH-TZ700は、Panasonicが自社の音響ブランドである、テクニクスから販売するハイレゾ対応イヤホンです。
接続方法は、有線方式です。
再生周波数帯域は、3Hz〜100kHzです。
低音域の3Hzは他社にも見かけるスペックですが、高音域に100kHzの測定値を付けたのは、イヤホンでは、恐らくこの機種が初でしょう。
ドライバーは、11mmのダイナミック型です。
多少大きいですが、とくに代わり映えのないシステムで、100kHzを表明できたのは、PEEK素材のエッジと、高剛性の特殊アルミニウム振動板の採用による部分が大きいとのことです。
なお、ハウジングは、マグネシウム合金です。
アルミニウムは素材として、ハイレゾに向いていそうですし、個人的には長期で試したいです。
音質の特性は、ダイナミック型一基にしたことが奏功してか、全域に安定感のある音質です。
素材に由来するハイレゾ特性と共に、ボイスコイル部の磁気ギャップに磁性流体(磁石の性質を持つ液体)を充填することによる、(自然的な)低音域の品質の向上も強調しています。
ケーブルは、バランス対応で、コードも付属します。
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以上、Technics EAH-TZ700の紹介でした。
ドライバーの素材面の工夫をどの程度評価するか、で位置づけが変わりそうな機種です。
個人的には、アルミ系の素材は好きなので期待値は高いです。その上で、高音域と低音域と双方を高める2つの技術的な工夫もあります。
ただ、多少「魔術的要素」を感じないわけでもありません。
3-5・ゼンハイザーのイヤホン
続いてに、ドイツのゼンハイザーのハイレゾイヤホンです。
高音質な方向性で日本にファンが多い人気音響メーカーです。
【2022年発売】
49・ ゼンハイザー IE 600
¥99,800 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:4Hz 〜46.5kHz
ドライバー:7mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:7g(コード込み22g)
IE 600 は、ゼンハイザーが販売するハイレゾ対応イヤホンです。
本機については、ハイレゾ認証は受けませんが、周波数特性の部分で対応機と言えます。
なお、先発していて、評判も良かった下位機( ゼンハイザー IE 300)については、非対応水準でした。
接続方法は、有線方式です。
耳に回し入れるタイプです。
ドライバーは、7mmのダイナミック型です。
内部構成は結構複雑ですが、この部分が値付けの理由ではないと言えます。
どちらかといえば、外装(ハウジング)に、3Dプリンタで成形したアモルファスジルコニウム素材を使った「一点もの」として、(手のかかる)人件費部分で、この価格なのかと思います。手作業の行程が多そうですし。
音質の特性は、本機については、未試聴です。
ドライバが小さめですが、「デュアルレゾネーターチャンバー」で、共振を防ぎつつ、高音域の質を高める構造とされます。
ただ、基本的な仕様からは、音質が読みにくい部分があるので、どこかで一度聴いてみる予定です。
ケーブルは、バランスも対応で、コードも付属します。
パラアラミド繊維をつかった、結構剛性がありそうなケーブルとなります。
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以上、ゼンハイザー IE 600の紹介でした。
大手製ですが、部材費と言うより人件費の部分で手間がかかっている機種に思えます。
値段が値段なので買う方も限られるでしょうが、このタイプは、試聴を経てから買った方が良いかなと思います。
今回の結論
ハイレゾ音源対応のおすすめイヤホンは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、ハイレゾに対応する高音質のイヤフォンを紹介してきました。
最後に、いつものように、Atlasのおすすめ機種!を提案したいと思います。
第1に、ハイレゾ入門向きの有線イヤホンとして、最もおすすめできるお買得機種は、
【2016年発売】
5・ソニー ハイレゾイヤホン XBA-N1
¥21,800 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域: 4Hz〜40kHz
ドライバー:9mm+BA
ノイキャン:
防水性能:
重さ:6g
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
原音再現性 ★★★★★
ワイヤレス ☆☆☆☆☆
総合評価 ★★★★★
XBA-N1でしょう。
同社の上位機種と同じ方式である、高音域用(バランスド・アーマチュア型)と低音域用(ダイナミック型)と、2つ積んでいる2WAY方式を採用している点を評価しました。
ハイレゾは高音域の再現性が重要です。
しかし、1WAY式のダイナミック型ドライバだと、どうしてもこの部分が弱くなります。
その点、高音域を担当する専用のトゥイーター(バランスドアーマチュア型)を採用しているこちらは、再生周波数帯域をみても技術的に信頼感が高いです。
昨今のモデルチェンジで、ユニットの小型化も図られており、使い勝手の部分も良いです。
もちろん、予算があれば、 XBA-N3がおすすめです。
しかし、費用対効果の高さでは、むしろこちらでしょう。イヤホンは日々進化するため、あまり高いものを買うより、この程度のものを短期で買い換えていくほうがよいかなと思います。
なお、ケーブルは、Y型着脱式なので、断線時にも交換対応できます。
第2に、ハイレゾ向きのワイヤレスイヤホンとして、最もおすすめできるお買得機種は、
【2019年発売】
1・SONY WI-1000XM2
¥33,400 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:3Hz-40kHz
ドライバー:9mm+BA
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:10時間
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:
重さ:58g
音質の良さ ★★★★★★
重低音 ★★★★★
原音再現性 ★★★★★
ワイヤレス ★★★★★
総合評価 ★★★★★
SONYの WI-1000XM2でしょう。
さきほど「おすすめ」した有線の XBA-N1とほぼ同等のユニットを搭載する製品ですので、基礎部分の能力は高いです。
すこし高いですが、ワイヤレスで、W方式のノイズキャンセリングが付く機種ですので、値段には十分納得感があります。
個人的に、このシリーズの利用経験は長いのですが、ハイレゾ音源もしっかり鳴らします。
もちろん、ワイヤードの方が音質についての信頼性は高いのでしょうが、外出先を含めて、どこでも使いやすい機能性の部分を含めると、現状では本機の方が個人的には「おすすめ」です。
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【2021年発売】
2・ SONY 左右独立型イヤホン WF-1000XM4
¥25,100 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC・AAC・LDAC
連続再生時間:8時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:7.3g×2
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
原音再現性 ★★★★★
ワイヤレス ★★★★★★
総合評価 ★★★★★
ただ、既に左右独立型のSONY機も、左右ワイヤー型に「追いついて」います。
ドライバのサイズが小さいので音質を最重要視したい場合は例外ですが、利便性などをふまえた総合力では、本機も捨てがたいかと思います。
本機は、ハイレゾと共に、今後流行しそうな「空間オーディオ」もフォローしますので、この部分も含めて「新しいもの好き」な方は、本機でしょう。
第2に、比較的低価格でハイレゾ対応イヤホンを試してみたいかたにおすすめできる製品は、
【2017年発売】
4・ソニー イヤホン h.ear in 2 IER-H500A
¥15,800 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域: 5Hz〜40kHz
ドライバー:9mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:5g
音質の良さ ★★★★☆
重低音 ★★★★☆
原音再現性 ★★★★★
ワイヤレス ☆☆☆☆☆
総合評価 ★★★★☆
ソニーの有線ケーブルモデルとなる IER-H500Aでしょう。
ハイレゾ音源に必要な周波数帯域を満たす製品でより安い機種は他にあります。
しかし、十分に高音域の違いが感じ取れるという意味では、このグレードが「最安」です。
ダイナミック型1つで担う方式ですが、高・中・低音域ともに出ており、音質は評価できます。
ハイレゾ普及を狙い「戦略的な低価格」で出しており、入門用として特にお買得です。
ハイレゾ技術で先を行くソニーから出ている製品と言うことで信頼性もあるでしょう。
もちろん、ハイレゾ音源に限らず、水準の高い音が出せるので、入門用に良いと思います。
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【2021年発売】
24・radius Ne EXTRA HP-NX10K
24・radius Ne EXTRA HP-NX10R
¥3,290 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:10Hz 〜45kHz
ドライバー:7.4mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:
音質の良さ ★★★★☆
重低音 ★★★☆☆
原音再現性 ★★★★☆
ワイヤレス ☆☆☆☆☆
総合評価 ★★★★☆
一方、5000円以下で考えるならば、Atlasが試聴できたモデルのなかでは、米国のラディウスのHP-NX10が最もハイレゾに向くと思います。
FLW構造ドライバーという独自の新技術で、高音域の音もしっかり掴んでいましたし、この価格帯でもそこそこ楽しめると思います。
低音域の部分は、ドライバーからして、やはり課題ではありますが、イヤーピースをしっかり調整すれば、このクラスとしては十分な音質にできました。
第3に、音質を重要視する場合におすすめできる、ケーブルモデルの上位機は、
15・JVC CLASS-S SOLIDEGE HA-FD01
¥22,818 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:8Hz 〜52kHz
ドライバー:11mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:20g
音質の良さ ★★★★★★
重低音 ★★★★☆
原音再現性 ★★★★★
ワイヤレス ☆☆☆☆☆
総合評価 ★★★★★★
JVCのHA-FW01でしょう。
こちらは、1WAY方式のユニットです。
しかし、チタン・カーボンなどの素材を複合させることで、解像感が高いクリアな音が出ます。また、「音の受け渡しがない」構造の分、聴き疲れはしにくいと思います。
その他、マウントノズルをチタン、ステンレス・銅に自由に換装できるので、「一台で音の違いを楽しめる」点も高く評価できます。
ハイレゾ試聴に特化した場合は、よりオススメの機種はありますが、「ハイレゾ+通常の音源」で考えた場合、この機種はレベルが高いです。
第4に、バランス接続に対応する高級機としておすすめできる、ケーブルモデルは、
7・ソニー ハイレゾイヤホン XBA-Z5
¥56,964 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域: 3Hz〜40kHz
ドライバー:16mm+BA×2
ノイキャン:
防水性能:
重さ:11g
音質の良さ ★★★★★★
重低音 ★★★★★★
原音再現性 ★★★★★
ワイヤレス ☆☆☆☆☆
総合評価 ★★★★★★
XBA-Z5 でしょう。
とくに【ウォークマンの比較記事】で見たような、5万円を軽く超えるような専用再生機と合わせるならば、この程度の製品を使うと音質的な釣り合いがとれるでしょう。
音質面では、低音用のダイナミック型ドライバーが16mmとかなり大きいことで、高音域だけが不自然に強調されません。また、バランスも良いです。
その点で、ワンランク高い音質を期待できます。
補足:イヤホン・ヘッドホン関連記事の紹介
というわけで、今回は、ハイレゾイヤホンの紹介でした。
なお、このブログ「モノマニア」には、ヘッドホン・イヤホンについて、他に、以下のような比較記事があります。
1・Bluetoothヘッドホンの比較
2・Bluetoothイヤホンの比較
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較
4・ハイレゾヘッドホンの比較
5・ハイレゾイヤホンの比較
6・ノイキャンヘッドホンの比較
7・ノイキャンイヤホンの比較
8・Beatsのヘッドホンの比較
9・ライトニング端子イヤホンの比較
10・ウェアラブルネックスピーカーの比較
11・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】
よろしければ、これらの記事をご覧ください。
とくに、11番の記事は、全記事の「まとめ」として、どのようにイヤホンを選ぶべきか、スペック表の読み方などをまとめています。
よろしければご覧ください。
1・アップルの iPod touchの比較
2・ソニーのウォークマンの比較
3・ハイレゾ対応ポータブルアンプ
また、このブログには、他にもオーディオ関係の記事がありますので、こちらもよろしくお願いします。
今回の記事がお役に立ったようならば幸いです。Twitter Facebook はてなブックマークなどで話題を共有していただければ嬉しいです。ではでは。