1回目記事からの続きです→こちら
5-1・DENONのサウンドバーの比較
4回目記事ははじめに、日本のDENONの製品を紹介します。
同社は、伝統的に「しっかりしたコシのある低音」が評価される老舗音響メーカーです。
1・サウンドバーの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:ヤマハ〈日本〉
1-3:ソニー 1〈日本〉
2・サウンドバーの比較 (2)
2-1:ソニー 2〈日本〉
2-2:JBL〈米国〉
3・サウンドバーの比較 (3)
3-1:BOSE〈米国〉
3-2:POLK Audio〈米国〉
4・サウンドバーの比較 (4)
4-1:パナソニック〈日本〉
4-2:SONOS〈米国〉
4-3:ゼンハイザー 〈ドイツ〉
5・サウンドバーの比較 (5)
5-1:DENON〈日本〉
5-2:harman/kardon〈米国〉
5-3:Bowers & Wilkins〈英国〉
5-4:Cretive〈シンガポール〉
5-5:TVS REGZA(東芝)〈日本〉
6・サウンドバーの比較 (6)
6-1:シャープ〈日本〉
6-2:LG〈韓国〉
6-3:TCL・ハイセンス ほか
7・サウンドバーの比較 (7)
7-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿いながら、各機をみていきます。
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また、以下ではいつものように、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2024年発売】
40・DENON DHT-S218 DHT-S218K
¥30,290 Amazon.co.jp (7/10執筆時)
【2022年発売】
40・DENON DHT-S217
¥26,136 Amazon.co.jp (7/10執筆時)
チャンネル数:2.1ch(公称7.1 ch)
実用最大出力:非公開
TV接続:光音声・HDMI(出1 入1)
サブウーハ接続:内蔵
ネットワーク:Bluetooth 5.3 (SBC)
ハイレゾ音源::
パススルー:4KHDR + eARC
サイズ:幅890×高さ66×奥行120mm
DENON DHT-S218 は、DENONのサウンドバーの入門機です。
旧機種がありますが、本体もユニット構成も同じです。
ただ、後述する音楽用の「ピュアモード」を中心に、DENONの音響部門のチューンがはいったようです。加えて、BluetoothについてLC3コーデックに対応するようになった部分が目に付く違いです。
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結論的にいえば、数字に出ない感覚的な話なので、どちらかが良いかは難しいです。
まあ、最初から納得感のあるチューンした「完成版」を出して欲しいとは思いますが、ここは後述するような事情はありそうです。
いずれにしても、この値段差ならば旧機がお買得には思います。
サイズは、長さ890×高さ67×奥行120mmとなります。
入門機ですが、サイズはあるため、しっかりしたボードの上に置くべきでしょう。
チャンネル数は、 2.1ch方式です。
25mmのツイーターと45×90mmの楕円形ミッドレンジウーハーという構成です。
2万円前後の製品として見れば、ウーハーはやや大きめながら、デノン水準では「平均以下」です。
なお、「最大7.1ch」という表記ですが、これはバーチャルサラウンドでそうできるという話です。スピーカーは、サブウーファを合わせても、合計3つですから。
サブウーファー(重低音)は、内蔵式です。
本体の底面に75mmサイズで左右に1基ずつです。
底面配置は、床面の振動を利用する方向性でサブウーハーとしては入門的ですが、サウンドバーとして、テレビボードの上で使う分には良いでしょう。
音質は、一方、このクラスの場合でも低音域は強調できます。
左右側面にバスレフポートがあり、そこで強化する仕組みです。
ただ、ユニットサイズ的にこのクラスの他社機に群を抜いて良いわけではないため、個性という意味ではイマイチでしょう。
バーチャルサラウンド再生は、通常音源の3Dサウンドにアップミックスはできます。
機能的な詳細情報が出ていませんが、Dolby Atmosに正式に対応しているので、Dolby atomos Visualizerに相当するような、技術を使っているかと思います。
サウンドモードは、映画・音楽・ピュアモードが選べます。
その上で、映画のセリフやニュースの聞きとりを強化する3段階の「ダイアログエンハンサー」、小音量時にそれを強調する「ナイトモード」が設定可能です。この部分で、聞こえの問題に配慮はあります。
設定も、基本リモコンだけで可能です。
先述のように、各モードはピュアモードを中心に、新機種で改良が入りました。
旧機のピュアモードは、この世代だと、映画などの音源を脚色なしに「そのまま」出すモードという意味合いだったかと思います。当時、ハリウッドなどの一部の映画制作者などが「脚色しないそのままの音」を出せるような要望(運動)をしていて、それをふまえたものです。
24年機は、ただ、むしろ音楽視聴用で「ステレオ感」を強化したい場合の機能と位置づけが変わったように思います。
スマホなどの音源再生は、SBCとLC3に対応です。
LC3は最近注目されてきた、低遅延で比較的音質もよいコーデックです。ただ、iOSをふくめて、対応機器が増えるのは今後になります。
TVとの接続は、HDMIケーブル・光デジタルケーブルを利用します。
4Kパススルー機能は、対応です。
eARCも対応できます。このほか、
ハイレゾ音源の再生は非対応です。
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以上、DENONのDHT-S218の紹介でした。
サブウーハー内蔵式で、2万円代の製品はライバルも多いです。
一方、デノンの特質である重低音は感じられますが、先述のように、このクラスの場合、他社を出し抜いている、というレベルではないです。
人気のある製品ですが、後発機として明らかに優れるとも言いがたい部分はあります。
【2022年発売】
41・DENON DHT-S517-K
¥42,200 楽天市場 (7/10執筆時)
チャンネル数:3.1.2ch
実用最大出力:非公開
TV接続:光音声・HDMI(出力1)
サブウーハ接続:ワイヤレス
ネットワーク:Bluetooth (SBC)
ハイレゾ音源::
パススルー:4KHDR + eARC
サイズ:幅1050×高さ60×奥行195mm
DHT-S517-K は、2022年に販売された、DENONのサウンドバーの中級機です。
サイズは、幅1050×高さ60×奥行195mmです。
結構長めで、各社の上位機並のサイズですので、設置場所の確認が必要です。
一方、高さは6cmとそれなりに低めなので、壁掛けテレビ以外でも設置はできるでしょう。
チャンネル数は、3.1.2ch方式です。
左右に25mmのツイーターと40×120mmの楕円形ミッドレンジウーハーのコンビで1基ずつと、中央に25mmのフルレンジスピーカー(アルミ振動板)で3chです。
加えて、他社にも多くみられましたが、ドルビーアトモスなどの3D立体音響に対応するために、天井に向かって66mmのイネーブルドスピーカーが左右に2基です。
デノンでは、はじめてDolby Atmosにリアルで対応した機種です。
サブウーファー(重低音)は、2.4GHz帯の無線を使うワイヤレスです。
電源ケーブル以外はケーブル不要なので、スッキリです。設定もコネクトボタンを押すだけですから楽と言えます。口径は150mmです。
サイズは、幅172×高さ370×奥行290mmです。
幅が狭いのであまり邪魔にならず、設置できるでしょう。
音質は、DENONは実用最大出力は非公開です。
ただ、メーカー哲学的に低音域に妥協はないです。
サウンドモードは、下位機種と同じ構成です。
ただ、こちらは、センタースピーカーがあるので、人間の声はより聴きやすいでしょう。
バーチャルサラウンド再生は、下位機種と同じ仕様です。
映像フォーマットとしては、Dolby Atmosをフォローします。
本機は、上向きのイネーブルドスピーカーがあるのでリアルで再生されますので、3D音響対応の部分で問題はないでしょう。
先述のピュアモードの部分を含めて「リアル」というのが、1つのキーワードといえる製品です。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothのみ対応で、SBCのみ対応です。
TVとの接続は、HDMIケーブル・光デジタルを利用します。
4Kパススルー機能は、対応です。
本機については、多チャンネルデータに対応なので、以上のような配線が良いでしょう。
加えて、eARCにも対応します。
テレビ側に対応があれば、以上のような配線でも、ドルビーアトモスを含めた信号を伝達可能です。
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以上、DENONのDHT-S517の紹介でした。
発売と同時に人気がでた製品ですが、実際、この価格帯で「外部サブウーファー」がついて、リアルで「ドルビーアトモス対応」で、しかも、老舗のデノンですから、納得の理由はあります。
スマホなどからの音楽再生の部分(Bluetooth)を除けば、TVで使う分には「問題点」と思える部分もないです。
執筆時、予約販売でしたが、待てるならば良い機種かと思います。
【2021年発売】(24年追加)
【本体のみ】
42・DENON Home Sound Bar 550
¥59,780 Amazon.co.jp (7/10執筆時)
【Home 150 NV付属】DENONHOME550SRSET
42・DENON Home Sound Bar 550 SET-K
¥90,000 Amazon.co.jp (7/10執筆時)
チャンネル数:2.0ch
実用最大出力:非公開
TV接続:光音声 HDMI(入出力1) USB
サブウーハ接続:ワイヤレス
ネットワーク:Bluetooth (SBC)・Wi-Fi
ハイレゾ音源:対応
パススルー:4KHDR
サイズ:幅650×高さ75×奥行120mm(据置時)
Denon Home Sound Bar 550 は、DENONの最上位のサウンドバーです。
サブウーファーを搭載しないタイプです。
メーカー柄として、重低音重視のデノンとしては、わりと珍しい感じがしました。
リアスピーカーとのセットもありますが、そちらも紹介します。
サイズは、W650×H75×D120mmとなります。
上位機ですが、同社として、長さは最短クラスです。
ただし、引き続き「高さ」は75cmとあるため、テレビの寸法は確認してください。
チャンネル数は、 2ch方式です。
独立したアンプで6chなので表記に迷いましたが、他社基準で言えば2chでしょう。
ユニットは、ウーハーと、ツイーター独立した2ウェイ3スピーカーです。
19mmのソフトドーム型ツイーターと、55mmの楕円形のミッドバスウーハーというコンビです。
小型の筐体に「ぎっしり詰め込んだ」印象です。
【型番:DENONHOMESUBK】
Denon Home Subwoofer
¥57,600 Amazon.co.jp (7/10執筆時)
サブウーファー(重低音)は、内臓もされず、未付属です。
低音は、中央にパッシブラジエータ2基がありそれで補う型式です。
一方、DENONのHEOS対応のサブウーファーならば、Wi-Fi経由でワイヤレスサブウーファーの増設可能です。
ただ、現状で以上のモデルのみであまり安くはないです。
【2020年発売】(単品)
・デノン DENON HOME 150 150K
・デノン DENON HOME 150 150W
¥25,980 Amazon.co.jp (7/10執筆時)
【2024年発売】(2個セット)
・デノン DENON HOME 250K
¥38,218 Amazon.co.jp (7/10執筆時)
リアスピーカーは増設可能です。
このブログの【大型Bluetoothスピーカーの比較記事】で紹介した同社のWi-Fi搭載スピーカーを利用する形です。
先述のセットは、DENON HOME 150が2個つきます。
後者は、音声アシスタント(GoogleとAmazon)との連携と、人感センサーに反応するLEDが非搭載ですが、サウンドバー用だと問題ないでしょう。
ただ、発売時期の差で価格は上位品のが安い場合があるので注意してください。
音質は、直進的な音圧はある程度期待して良いかと思います。
また、構成的に、セリフが聴きやすそうな配置ですので、「一般向けの高級機」として需要はありそうです。
一方、配置的に、リアルなサラウンド感は得にくいでしょうが、前方向に音を押し出す感じの配置なので、部屋の形状(ものの多さ)に左右されにくい点が利点に思えます。
バーチャルサラウンド再生は、「対応」です。
仕様書には記載がないですが、説明書を見るとDTS:Virtual:Xに対応しています。
自社技術ではないですが、2チャンネルデータでも、(仮想的に)3D音響にすることが可能です。
フォーマットとしては、Dolby Atmos・DTS:Xに対応します。
サウンドモードは、下位機種と構成は同じです。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothは、SBCのみ対応です。
ただし、Wi-Fiが装備され、音楽配信が利用できます。
音声入力は、本機だけでは対応できませんが、、【Amazon Alexa端末の比較記事】で紹介した端末があれば、可能です。
音楽ストリーミング配信は、マランツのHEOSというアプリを使います。
こちらは、Spotify・Tunes in のほか、定額聴き放題サービスのAmazon Musicに対応します。
Amazon Music Unlimitedの場合、多くの音源が最近ハイレゾ化してきています。
各機でのハイレゾ再生には、アンプ部分や、ソフト部分での対応も必要ですが、本機ほか、HEOSアプリも、24年からハイレゾ音源(Ultra)再生に対応しています。
こちらは無料試用もできる(こちら)ため、事前に試して見るのもよいでしょう。
また、【Amazon Alexa端末の比較記事】で紹介したような、同社の端末から、音声で、アンプの操作をさせることも可能となっています。
TVとの接続は、HDMIケーブル・光デジタルを利用します。
光デジタルケーブルでもテレビとつなげられますが、その場合でもコントロールのためにHDMIケーブルは使います。
4Kパススルー機能は、一方本機は、対応です。
ARCに加えて、eARCにも対応します。
ただ、今回の記事の冒頭で説明したような、サウンドバーを挟み込むつなげ方(上図)は、システム的にはステレオの2.0ch機なので、わざわざする必要はないでしょう。
サラウンド処理にマルチチャンネルデータを使っている可能性はあります。ただ、説明書を見ても、(ARCでも)パススルー式でないつなぎ方を優先して説明されていますので、わざわざ複雑な配線にする意義は、あまり意味はないと思います。
ハイレゾ音源の再生には、対応です。
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以上、DENONのDenon Home Sound Bar 550 の紹介でした。
メーカー柄、前方向への低音域の音圧は、サイズ感からすれば期待できるでしょう。
ただ、従来のDENONのシアター的な音圧は、サブウーファなしで再現はできないでしょう。
このままサブウーファーを出さないつもりならば、同社のコアなファンというより、新規のファンを開拓するための製品な感じがします。
5-2・ハーマンのサウンドバーの比較
続いて、米国のハーマン・カードンの製品です。
既に見た、JBLなども同社の系列ブランドの1つです。ただ、(デザイン面で)革新性の高い製品は、ハーマンブランドで出している印象です。
【2024年発売】HKENCH1100BLKJN
43・harman/kardon Enchant 1100
¥118,000 Amazon.co.jp (7/10執筆時)
チャンネル数:5.1.2ch
実用最大出力:合計315W
TV接続:HDMI 光音声
サブウーハ接続:内蔵
ネットワーク:Bluetooth5.3 (SBC) Wi-Fi
ハイレゾ音源:
パススルー:4K + eARC
サイズ:幅1150×高さ65×奥行130mm
Enchant 1100 は、 harman/kardonの販売するサウンドバーです。
先述のように、JBLの同列ですが、同社の上位機(「ファンネル分離式」)ではない形状です。
サイズは、長さ1150×高さ65×奥行130mmです。
しっかりしたサイズで、50cm以上のテレビ向けです。
筐体は、同ブランドらしい、モダン、スタイリッシュで、主張がある外観です。
チャンネル数は、5.1.2chです。
左右は、レーストラック型ウーファー(55×90mm)がそれぞれ2基、中央は、レーストラック型ウーファー(55×90mm)2基と、シルクドーム型のセンタートゥイーター(20mm)が1基です。
それに、上部にハイトスピーカー(70mm)が2基、側面にビームフォーミングスピーカーが2基(20mm)という構成です。合計8ch・11基のスピーカー構成になります。
JBLはこのクラスで、7.1.4chでした。
レーストラック型ウーファーの採用などJBLと似た部分もありますが、構成は独自で、なにより、分離機構はないです。
harman/kardon Enchant Sub
¥---- Amazon.co.jp (7/10執筆時)
サブウーファー(重低音)は、明示的には内蔵されません。
増設用に純正のワイヤレスウーファーが用意されますが、日本展開があるかは不明です。
出力は、ただ、総合315Wクラスです。
センターの6基のウーファーは大きめですし、ブランド柄そこまで重低音を求める方もいないでしょうし、問題ないでしょう。
バーチャルサラウンド再生は、対応です。
JBL同様(MultiBeam)を利用する仕組みです。空間情報を持たない、Dolbyの多チャンネルデータは(5.2chなど)は、アップミックスして、3D出力されます。
一般コンテンツも、詳しい説明はないですが、JBL同様のハイブリッド処理で、計算して出すようです。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothでは、SBCのみ対応です。
ただ、JBLと同じでWi-Fiを装備します。
AppleのAirPlay、Chromecast、Spotify Connectに公式対応を表明しています。
サウンドモードは、本機は、スマートモード(自動モード)が選択できます。
一方、映画、音楽、ニュースなどの細かいモードは記載がないです。
ただ、PureVolceテクノロジーとして、セリフを明瞭化する仕組みの言及はあります。
また、同社のアプリ( harman kardon One)で、イコライザ調整は可能です。
TVとの接続は、普通に、HDMIケーブルで対応します。
4Kパススルー機能は、4K HDRをふくめて対応です。
eARCも対応です。
接続は楽でしょう。
セッティングは、同社の場合も、「ルームキャリブレーション機能」があります。
設置も楽でしょう。
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以上、harman/kardonのEnchant 1100 の紹介でした。
初期設定だけで「完全にほったらかし」で使いたい方と、「設定を詰めてカスタマイズしたい方」に向くという、(両極端な)製品という印象です。
つまり、その中間的な「一般層」だと、(日本語)マニュアルや、仕様についての説明不足から、少しストレスが溜まりそうな要素があり、あまりおすすめできません。
しかし、外観のデザイン性は良いですし、音周りの工夫もしっかりしていますし、製品としての完成度は、値段相応に高いと言って良いです。
そのため、JBLと違い、日本では広く一般市場向けに売られている製品ではないことを理解した上で、「じっくり取り組める」方にはおすすめできる機種です。
一般市場向けのJBLブランドとは、ここで少し異なるといえます。
5-3・B&Wのサウンドバーの比較
続いて、Bowers & Wilkinsです。
イギリスの老舗の音響メーカーです。
【2022年発売】PANORAMA3JP
45・Bowers & Wilkins Panorama 3
¥89,418 Amazon.co.jp (7/10執筆時)
チャンネル数:3.1.2ch
実用最大出力:合計400W
TV接続:光音声・HDMI(出力1)
サブウーハ接続:内蔵
ネットワーク:Bluetooth 5 LAN
ハイレゾ音源:対応
パススルー:eARC
サイズ:幅1210×高さ66×奥行140mm
DHT-S517-K は、2022年に販売された、Bowers & Wilkinsのサウンドバーの中級機です。
サイズは、長さ1210×高さ66×奥行140mmです。
他社の高級機に比べてもかなり長めですので、設置場所は選ぶでしょう。
チャンネル数は、3.1.2ch方式です。
DENONでもみられた構成です。
左右と中央に19mmのツイーター1基と、50mmのミッドレンジ・バスウーハーが2基の構成です。
それに、内蔵型の100mmのサブウーファー(ロープロファイル・バスユニット )が2基と、50mmのアトモスドライブユニットが上方向に2基という構成です。
素材は、トゥイーターがチタンドームで、ウーハーはグラスファイバーです。いずれも、音響グレードで、メーカとして、ここには気を使います。
なお、アトモス用の上部ユニットは、独立室にするこだわりがあります。
サブウーファー(重低音)は、先述のように、内蔵です。
単体の出力は非開示ながら、総合で400Wです。
長めのバーにはなるのですが、内蔵タイプでは「最高クラス」の低音でしょう。
音質は、配置・構成的に、「リアルな3Dサラウンド」を重視したものです。
TV用には良いでしょう。
センタースピーカーがある構成なので、セリフの聞きとりにも配慮されます。
バーチャルサラウンド再生は、特段の記載や言及はないです。
ただ、本機は上向きスピーカーがある「リアルサラウンド機」ですので、基本問題ありません。
フォーマットとして、Dolby Atomosに対応ですし、値段相応に優れています。
サウンドモードは、一方、未搭載です。
スマホを通して、イコライザ的な設定はできます。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothを利用する場合、SBC・AACほか、可変ビットレートのAptx-Adaptiveに対応します。
端末側の対応が必要ではありますが、ハイレゾに対応できます。
一方、Wi-Fiは未装備ですが、LAN端子はあるので、AppleのAirplay2やSpotify Connectについては、対応できます。
TVとの接続は、HDMIケーブル・光デジタルを利用します。
4Kパススルー機能は、非対応です。
ただし、eARCには対応しますので、TV側が対応すれば問題ないでしょう。
冒頭の「選び方の基本」で書いたように、最新の4Kテレビならば、各社とも基本装備担ってきました。
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以上、B&WのDHT-S517-K の紹介でした。
TV用としても高度ですが、メーカー柄、むしろ、音楽視聴を重視し、綺麗に聴きたい方に向けた機種と言えます。その部分の主張が強い機種です。
サブウーファー内蔵型では、音圧が期待できる上で、(例えばBOSEなどよりも)味付けも少なめでしょう。その部分で、同社のピュアサウンドの傾向が好きな方の「シアター用」としてプレゼンスがあります。
ただ、長さ部分については気をつける必要があります。見かけのバランスとしても、60インチを超える大画面と基本的に合うように作られていると言えます。
5-4・Creativeのサウンドバーの比較
続いて、シンガポールのCretiveのサウンドバーです。
同社は、「サウンドブラスター」ブランドでしられる、世界的なPC周辺機器(DTM)メーカーです。
そちら向きの機種も多いですが、そういったものは、このブログだと【PCスピーカーの比較記事】比較しました。
今回は同社がテレビ向きに売っているといえる製品です。サラウンド技術にやはりこだわりがあります。
【2020年発売】P-STGE-BK後継機
45・CREATIVE Stage SP-STGEV2-BK
¥10,800 楽天市場 (7/10執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:合計80W
TV接続:光音声
サブウーハ接続:有線
ネットワーク:Bluetooth (SBC)
ハイレゾ音源::
パススルー:
サイズ:幅680×奥行100×t高さ78mm
Stage SP-STGEV2 は、シンガポールのクリエイティブテクノロジーが販売する入門用のサウンドバーです。
サイズは、幅680×奥行100×t高さ78mmとなります。
小型機と言えますが、若干上向き配置なので、高さが78cmとかなりある点に注意が必要です。
チャンネル数は、2.1chです。
ただ、本機は、ドライバのサイズなどが非公開です。
サブウーファー(重低音)は、40Wで搭載です。
有線ケーブルで本体とつなげる型式です。
TVとの接続は、本機は、光デジタル端子を利用します。
アナログ端子もありますが、一般的には使いません。
なお、USB端子は、メモリー専用でPCとは接続できません。
一方、HDMI端子はないので、テレビ電源との連動に非対応です。
そのかわり、リモコンが付属しています。。
音質は、合計で80Wの出力です。
ソフト的な部分を含めて、詳しい技術情報はないです。値段的には仕方ないでしょう。
バーチャルサラウンド再生は、機能的な記載はない機種です。
サウンドモードは、そこまで充実しません。
一応、サラウンドボタンと、クリアボイス(クリアダイアログ)はあります。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothのみ対応です。
コーデックも、SBCのみです。
4Kパススルー機能は、非対応で、ハイレゾ音源の再生にも非対応です。
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以上、CREATIVE Stage SP-STGEV2 の紹介でした。
外付けのサブウーファー付きで1万円前後という価格面で注目に値します。
比較的低価格でも重低音が欲しい場合は選択肢になるかもしれません。ただ、HDMI未対応ですし、さすがに「値段なり」の部分はあります。
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【2021年発売】
46・CREATIVE Stage 360 SP-STGE360
¥31,801 楽天市場 (7/10執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:合計60W
TV接続:光音声
サブウーハ接続:有線
ネットワーク:Bluetooth (SBC)
ハイレゾ音源::
パススルー:
サイズ:幅550×高さ70×奥行78mm
なお、HDMI端子が2系統付く機種が追加で販売されています。
それに伴い「Stage 360」としてドルビーアトモス対応が謳われます。出力もやや上がっていますが、値段的に言えば、他社競合機より安いわけではないため、比較は必要かと思います。
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【2016年発売】
47・Creative Sound BlasterX Katana SBX-KTN
¥29,200 Amazon.co.jp (7/10執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:合計75W
TV接続:DHMI 光音声
サブウーハ接続:有線
ネットワーク:Bluetooth (SBC)
ハイレゾ音源::対応
パススルー:
サイズ:W600×H60×D79mm
なお、同社の上位機はどちらかと言えば、ゲーミングPC用です。
そのため【PCスピーカーの比較記事】のほうで、詳しく書いています。
なお、同社の場合、どちらかと言えば、PCモニター用のサウンドバーが主力です。
そのため、こちらの製品ほか、例えば、Stage SE SP(STGESE-BK)やStage Air V2(SP-STGEAV2-BKA)など1万円以下の製品もあります。
ただ、安いものは、HDMIではなく、光ケーブル接続前提です。
仕組み上TV利用はできますが、リモコンが基本的に付かない点、TVとの電源連動連動はできないなどで、やはりパソコン向けに良い機種です。
5-5・TVSレグザ(東芝)のサウンドバーの比較
続いて、TVS REGZA(旧東芝)のサウンドバーです。
同社は、2015年にRSS-AZ55という製品をだしましたが、しばらく「お休み」していました。しかし、2024年に復活しました。
主に同社のテレビのユーザー向けの製品です。
【2024年発売】
48・REGZAサウンドシステム TS216G
¥27,490 Amazon.co.jp (7/10執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:合計120W
TV接続:光音声 HDMI(出1 入1)
サブウーハ接続:内蔵式
ネットワーク:
ハイレゾ音源:対応
パススルー:eARC
サイズ:幅960×高さ68×奥行105mm
RSS-AZ55は、レグザ向けに出させる製品です。
サイズは、幅960×高さ68×奥行105mmです。
仕組み的にレグザ以外でも利用できます。
ただ、機能面ほか、形状の部分で、壁掛けでなくてもレグザで利用しやすいように最適化されていると言えます。
とくに、サイズは、レグザは割と「背が低め」(画面下端まで30cm前後))なので、壁掛け以外で他社機を導入すると、サウンドバーの背の高さが邪魔になる機種が見られます。
少なくとも、背の高さが55cm前後のサウンドバーでないと、(TVに台座をかませるなど)特に畳などの「座り生活」の場合、視線を妨げるサウンドバーは多いです。
朝日木材加工 テレビ台 ちょい足しラック 49型
¥8,491 Amazon.co.jp (7/10執筆時)
そのため、一般機だと(壁掛けしないながら)テレビを持ち上げるラックの導入など、少し工夫を要する部分があります。
一方、本機の場合、背の高さは68cmです。
しかし、2024年発売のレグザの一部(Z670N系・8900N系)は、台座が60cmまで持ち上げられるようになったので、対応品ならば、このサイズでも無理なく設置できます。
むろん、逆に言えば、68cm前後の他社機も設置可能になったとは言えますが。
チャンネル数は、 2.1ch方式です。
左右に、低中音域用のフルレンジ(55mm)と高音域用のトゥイーター(45mm)が1基ずつ、中央に、重低音用のサブウーファとして機能するデュアルウーファー(50×115mm)が装備です。
サブウーファは、出力が60Wです。
出力は、総合で120Wです。
似たユニット配置の、ソニー機より少し弱いです。
ただ、そちらはトゥイーターは装備せず、ハイレゾ非対応なので、一長一短です。
バーチャルサラウンド再生は、一方、3D対応は不明瞭です。
サラウンドは利用できますが、普通のステレオ音声を「立体3D音響」にして再生するかは説明がないです。おそらく、2Dでの計算かと思います。
一方、規格としてはドルビーアトモスとDTS:Xに対応ですので、メディア(コンテンツ)側が対応ならば、3Dデータを活かしての再生にはなります。
一方、ソニー(の高級機)と比べると、レグザ本体のスピーカーとシンクロして利用する仕組みはないです。
しかし、写真のように、レグザのリモコンで、サウンドバーの調整がダイレクトに可能にはできます。
ちなみに、東芝の旧機は、ソニーに先行してシンクロドライブ方式で対応できていました。
先述のように、24年以降の一部のレグザは本体スタンドの改良でサウンドバーが導入しやすくなったので、そのうち対応の上位機が出ればよいなと思っています。
サウンドモードは、音楽・映画・ニュース・スポーツと夜用とゲーム用です。
出力は、40Wのサブウーファーと、左右20Wずつのスピーカーの合計80Wです。
これにTVにもともと付属するフルレンジスピーカーが補助する部分が多少あるという感じです。
TVとの接続は、光デジタルとHDMIです。
4Kパススルー機能は、対応です。
eARCも対応です。
ハイレゾ音源の再生は、対応します。
本機は、トゥイーターを装備しているので、ハイレゾに必要な48Hzを超える高音域もフォローできるからです。格安機で、この水準のハイレゾ認証マークをとれているのは珍しいです。
先述のように、4K映像のコンテンツの音源はハイレゾ水準なので、対応する場合音質も良いです。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothに対応です。
ただ、規格的にSBCのみなので、ハイレゾを含む高音質音源の再生の場合、音質がだいぶ落ちます。
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以上、REGZAサウンドシステム TS216G の紹介でした。
今のところ昇降対応のレグザの「周辺機器」と言え、それ以外の機種では、導入意義は見いだしにくい機種です。
ただ、逆に言えば、それらの製品を使うこと前提の設計ですので、いざ買ってみて、本体の音質に物足りなさを感じた場合、候補にできます。
【2024年発売】
49・REGZAサウンドシステム TS3100Q
¥25,270 Amazon.co.jp (7/10執筆時)
チャンネル数:3.1ch
実用最大出力:合計190W
TV接続:光音声 HDMI(出1)
サブウーハ接続:内蔵式
ネットワーク:
ハイレゾ音源:
パススルー:eARC
サイズ:幅902×高さ63×奥行91mm
TS3100Q、TVS REGZAがレグザ向けに出させるサウンドバーの上位機です。
サイズは、幅902×高さ63×奥行91mmです。
サブウーファーが別に付くからとも言えますが、下位機よりもややスリムです。
とくに、高さ方面に加減があるので、台座の背が低めなレグザでも、ローポジから見る場合も、邪魔に感じにくくする配慮があります。
ただし、本機でも、先述のように、(壁掛けしないならば)最近の座高が上げられるタイプの、レグザである必要はあります。
チャンネル数は、 3.1ch方式です。
左右に、低中音域用のフルレンジと高音域用のトゥイーターが1基ずつ、中央に、センタースピーカーとしてフルレンジが1つです。
ユニットサイズは非公開ですが、フルレンジは、見た感じ50mm前後はあります。
下位機と違い、センタースピーカーが付く構成なので、ニュースなどを含めた多くの種類のコンテンツを見るだろう、リビング向きな構成です。
サブウーファは、100Wです。
大きさ(幅161×高さ306×奥行き300mm)はそこそこありますし、価格からすればそれなりのパワーです。
Bluetooth方式の2.4GHzワイヤレス接続ですので、電源コードのみで使えます。
ペアリングも基本的に操作不要で勝手にやってくれます。
出力は、一方、総合190Wです。
各チャンネル30Wと、100Wのサブウーファーという構成です。
本体の出力(30W×3)は(悪くはないにせよ)ふつうです。
バーチャルサラウンド再生は、対応です。
本機はDTS:Virtual:X対応で、2D音源を仮想的に3D立体音響にする仕組みがあります。
ドルビーアトモスとDTS:Xにも対応するので、音源自体が対応ならば、3Dデータを活かしての再生もできます。
レグザとの連携は、下位機と同じ仕様です。
したがって、サウンドバーの設定をTVの音声設定できますが、レグザ(TV)内蔵のスピーカーを活かす仕組みはないです。
サウンドモードは、音楽・映画・ニュース・スポーツと夜用とゲーム用です。
TVとの接続は、光デジタルとHDMIです。
4Kパススルー機能は、非対応です。
本機は、HDMIが出力だけですので。
ただ、HDMIは、eARC対応ですので、TVとつなげるだけで、マルチチャンネルデータは入るので、問題ないです。
ハイレゾ音源の再生は、非対応です。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothに対応ですが、本機もSBCのみです。
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以上、REGZAサウンドシステム TS3100Qの紹介でした。
下位機と比べる、3D立体音響に対応できる部分と、低音域が強化できる部分が魅力といえます。
ハイトスピーカーがない構成で、3D立体音響は(リアルではなく)バーチャルではありますが、この価格帯では十分ですし、新しい音響が楽しめそうです。
一方、音響企業が出す同級機と比べるとそこまで個性はないです。
その点で言えば、本機も、昇降対応のレグザの「周辺機器」で、TVをお持ちの方のための製品の域に落ちつくスペックといえます。
ただ、下位機の仕様で「物足りない」と思うところがカバーできているのは確かです。レグザのTVユーザーが選ぶ場合、こちらのほうが断然良いでしょう。
実際、「テレビリモコンの操作」で、サウンドバーの諸設定が統一化できるのは、やはり便利ですし、操作性の部分で、純正を選ぶ意味はあります。
次回に続く!
最新のTVに向いたサウンドバーのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、TV用サウンドバーの比較5回目記事でした。
しかし、記事は、まだまだ「続き」ます。
6・サウンドバーの比較 (6)
6-1:シャープ〈日本〉
6-2:LG〈韓国〉
6-3:TCL・ハイセンス ほか
7・サウンドバーの比較 (7)
7-1:最終的なおすすめの提案【結論】
つづく、6回目記事(こちら)では、シャープや・LGをはじめとするTVメーカーの製品をみていきます。
音質の良さ ★★★★★
聞きやすさ ★★★★★
低音の迫力 ★★★★★
サラウンド感 ★★★★★
ネットワーク ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回記事(こちら)では、今回紹介した全機種から目的別・予算別に「Atlasのおすすめ機種」を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
5回目記事は→こちら