【今回レビューする内容】2023年 完全ワイヤレスイヤホンの音質・性能とおすすめ・選び方:
【比較する製品型番】Amazon Echo Buds Google Pixel Buds Pro Google Pixel Buds A-series GA02213-GB GA02372-GB ゼンハイザー CX Plus True Wireless MOMENTUM True Wireless 2 CX 400BT True Wireless MOMENTUM True Wireless 3 MTW3 HUAWEI FreeBuds Pro 2 DENON PerL Pro AH-C15PL PerL AH-C10PL AH-C630W AH-C830NCW
今回のお題
完全ワイヤレスイヤホンのおすすめはどの機種?
ども、Atlasです。
今回は、2023年7月現在、最新の完全ワイヤレスイヤホンの比較の6回目記事です。
1・完全ワイヤレスイヤホンの比較(1)
1-1:選び方の基本の解説【導入】
1-2: アップル〈米国〉
1-2:ソニー〈日本〉
1-3:BOSE〈米国〉
2・完全ワイヤレスイヤホンの比較(2)
2-1:パナソニック〈日本〉
2-2:JVC〈日本〉
2-3:オーディオテクニカ〈日本〉
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較(3)
3-1:JBL〈米国〉
3-2:ANKER 〈米国〉
4・完全ワイヤレスイヤホンの比較(4)
4-1:Beats〈米国〉
4-2:SHURE〈米国〉
4-3:Bang&Olufsen〈北欧〉
4-4:Jabra 〈北欧〉
4-5:Noble Audio〈米国〉
5・完全ワイヤレスイヤホンの比較(5)
5-1:ヤマハ〈日本〉
5-2:AVIOT〈日本〉
5-3:Final ag 〈日本〉
6・完全ワイヤレスイヤホンの比較(6)
6-1:Amazon 〈米国〉
6-2:Google 〈米国〉
6-3:ゼンハイザー〈ドイツ〉
6-4:DENON〈日本〉
7・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (7)
7-1:他のブランド 〈各国〉
8・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (8)
=予算別・目的別のおすすめの提案【結論】
6回目記事は、AmazonやGoogleのほか、ドイツのゼンハイザーや、日本のDENONなど、ここまでみていないブランドの製品を比較します。
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なお、「選び方の基本」は、最初に説明しました。リンクから要らしていただいた方は、、今回の1回目記事からお読みいただけると分かりやすいかと思います。
よろしくお願いします。
音質の良さ ★★★★★
ノイキャン ★★★★★
軽量性 ★★★★★
防塵・防滴性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、いつものように、各機種を一機ずつ比較していきます。
その上で、最後の「結論」部分では、上表のような観点から、目的別・予算別に、Atlasのおすすめ商品を紹介していきます。
6-1・Amazon Echoのイヤホン
はじめに、Amazonが直販する完全ワイヤレスイヤホンとなるEcho Budsの紹介です。
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以下では、Atlasのおすすめポイントを赤字系で、イマイチだと思う部分を青字系で書きます。
【2022年発売】
【充電ケースなし】
87・Amazon Echo Buds 第2世代
¥12,980 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
【充電ケースあり】
87・Amazon Echo Buds 第2世代
¥14,980 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:5時間
ドライバー:5.7mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式?
防水性能:IPX4
重さ:5.7g×2
Amazon Echo Budsは、米国のアマゾンが販売する完全ワイヤレスイヤホンです。
Amazon Echo Buds 第1世代は日本では未発売だったので 、初上陸です。
企業間の関係性からするとAnkerのOEMのような気がしなくもなかったのですが、類型機はなく、独自といえます。
PowerWave 5Wワイヤレス充電パッド
¥1,980 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
本体色は、ホワイトとブラックです。
一方、本機については、2モデルあります。
普通の充電ケースのものと、ワイヤレス充電対応ケースのものです。
イヤホン自体は両方同じですが、後者のみQiでのワイヤレス充電が可能です。
ただ、充電パッド自体は別売です。ただ、5W給電で良いので(専用設計でなくて構わないならば)スマホ用のQi充電器でもOKです。
重量は、片側5.7gです。
ライバル機に比べても軽いといえます。ウイングチップを付けない前提なら、小型です。
イヤーピースは、4サイズが添付されます。
また、スポーツ用に固定したい場合につかうウイングチップが搭載です。
適切にフィットしているかアプリで試す機能があり、これは便利に思えます。
ドライバーは、ダイナミック型の5.7mmです。
平均よりわずかに小さめですが、低音は割と出ています。
カナル型ですが、2つのベント(孔)がある構造が奏功しているのかと思います。繰り返し書いてきたように、ベントが目立つ製品は音漏れが生じやすいです。
気になりはしませんが、図書館などの超静粛が要請される場所では、使い始めは、すこし気にしてみてください。
音質のパーソナライズは、一方、機能としてないです。
あえて言えば、イヤーチップのフィット機能はあります。
立体音響は、ノーフォローです。
ハイレゾも未対応です。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACに対応します。
接続安定性の面では、一方、本機はBluetooth5.0に対応しています。
ノイズ対策は、本機もしっかりとした明言はないです。
それでも、マイクは、外側2つ(1つはマイク用)と内側1つあります。
おそらく、Wマイク式として、キャンセルの計算には使われていると思います。
自社開発の専用のノイキャンチップを使うSONY・Appleなどに工夫では及ばないものの、この価格を考えれば、それなりに効いています。
連続再生時間は、ステレオ再生/ノイキャンONで5時間です。
バッテリーケースは、充電器を兼ねており、約2回分フル充電可能です。
先述のように、ワイヤレス仕様のケースもありますが、バッテリー量自体は同じです。
マイクは、搭載です。
本機も、外音取り込み機能があり、歩行時もある程度安全に利用できます。
一方、本機については、マイクに呼びかける形でAlexa(Amazonの音声AI)をスマホからBluetooth回線経由で呼び出せます。
なお、他社のイヤホン(SONY・JVC・JBL・Jabra)の一部機種で、Alexa対応製品は同じことができるので、この部分が「マスト」だとしても、必ずしも本機を選ぶ必要はないです。
ただ、呼び出す際の感度(正確性)はさすがにチューンがなされているようで、連携面は強みです。
防水性は、IPX4等級です。
本機については、ウイングチップを使う場合、ワークアウトでも使えそうです。
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以上、Amazon Echo Budsの紹介でした。
比較的小型で、スポーツに使い分けられる点、ノイキャンを搭載する点、小型の割にはしっかり低音が出る点など良い部分が多くある製品です。同社の音声AIを多用する方にはとくに、良い選択肢になると思います。
シーンによっては、ベント部分にはやや気をつける必要はありますが、それ以外は問題ありません。
6-2・Googleのイヤホン
続いて、米国のGoogleが直販する完全ワイヤレスイヤホンです。
【2020年発売】
88・ Google Pixel Buds A-series
¥9,978 楽天市場 (7/22執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC
連続再生時間:5時間
ドライバー:12mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:5.1g×2
Pixel Buds A-seriesは、Google純正の完全ワイヤレスイヤホンの下位シリーズです。
本体色は、白(GA02213-GB)と、ダークオリーブ(GA02372-GB)です。
Google製品だけに、Googleアシスタントに公式対応します。
タップか、発話キーワード(OK Google)でOKですが、Wi-Fiを装備するわけではないので、Androidスマホ利用を前提とします。
面白いのが、リアルタイム翻訳機能です。
このために、デュアルビームフォーミングマイク(指向性マイク)を2機と音声加速度計を搭載します。
自分の声は搭載マイクを通して、スマホの翻訳アプリに送られ、スマホの文字かスピーカーで相手に伝えます。相手からの返答は、スマホマイクが拾い、イヤホンに戻ってきます。
そのほか、置き忘れた際に、場所を探せる機能も目新しいでしょう。
重量は、5.1gです。
ユニット自体は小型ではないですが、重さは相当軽量です。
イヤーピースは、大・中・小の3サイズが付属です。
ドライバーは、12mmです。
相当大きなダイナミック型ドライバの採用が見どころです。
大きいですが、しっかりカナル(密閉型)です。
詳しいスペックは非公開ながら、サイズに由来する安心感は大きいです。
一方、本機は、カナル式ですが、エアホールがあるタイプなので、多少の音漏れの心配はあります。
図書館等の室内ほか、その他の場所でも音を出しすぎない方が良さそうです。
音質のパーソナライズは、一方、機能としてないです。
Bluetoothコーデックは、情報非公開です。
おそらく、SBCのみ対応です。
立体音響も、非対応です。
通信安定性の面では、本機は、Bluetoothは5.0です。
ノイズ対策は、一方、非対応です。
仕様には「パッシブノイズリダクション」とありますが、ようするに、イヤーピースによる遮音のことです。
ただし、アダプティブサウンド機能で、騒音に応じて音量は調整されます。
連続再生時間は、5時間です。
充電ケースは、24時間分となります。
マイクは、先述のように搭載です。
ただ、外音取り込みモード(アンビエント機能)はないです。
防水性は、IPX4相当の防塵防滴に対応します。
また、固定用アーチがあるので、形状的にスポーツ利用にも向きます。
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以上、Google Pixel Buds A-seriesの紹介でした。
翻訳機能などGoogleアシスタントを利用したい、Androidスマホユーザー向けの製品でしょう。その上で、大きなドライバーを搭載している点など音質面にも一定のこだわりが見られます。
ただ、グレード的に、ノイズ対策についてはさほど高機能でないので、通勤通学向けではないでしょう。スポーツ用としては、意外に良さそうです。
【2022年発売】
89・ Google Pixel Buds Pro
¥22,924 楽天市場 (7/22執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:7時間
ドライバー:11mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク?
防水性能:IPX4
重さ:6.2g×2
Google Pixel Buds Proは、Google純正の完全ワイヤレスイヤホンの上位シリーズです。
2022年登場の最新作で、同社で初めてノイキャン機能を搭載した製品です。
重量は、6.2gです。
Appleをライバルと考えると、少し重めで、やや大きめとは言えます。
イヤーピースは、大・中・小の3サイズが付属です。
ドライバーは、11mmのダイナミックドライバを搭載します。
ノイキャン機能搭載ですが、ドライバの大きさでは妥協しておらず、音質重視です。
5バンド式のエコライザーを搭載し、微妙な調整もできるという仕様です。
一方、本機も、大きめのエアホールがあるので、(極小ながら)音漏れの心配はあるタイプです。
これは、低音域の質とバーターなので、仕方ないです。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACです。
Apt-X系列は非対応です。
通信安定性の面では、Bluetooth 5.0です。
問題ありません。
ノイズ対策は、本機については、アクティブノイズリダクション対応です。
ノイキャンに利用するマイク数は非公開ですが、3マイク機ですし、おそらくWマイク式の仲間かと思います(要調査)。
一方、Googleは「Silent Seal」機能という名前で、ノイキャン部分のフィッティング機能を持ちます。
ユーザーの耳の形や聞こえ方に合わせた調整機能とされます。(使い方は別ですが)ソニーが持つようなカスタマイズ機能であり、本機のワンポイントと言えます。
本機は音声加速度計を搭載ですが、この部分のほか、イアホン利用時の自動的な圧力調整にも対応します。
圧はカナル型イヤホンで不快に感じやすい部分なので、良い工夫に思えます。
連続再生時間は、ノイキャンを利用して7時間です。
充電ケースは、13時間分となります。ワイヤレスQi充電対応です。
マイクは、本機も搭載です。
下位機種同様に、ビームフォーミング対応で、先述の音声加速度計及び、風切り音対策のためのメッシュカバーなど工夫が見られます。
スティックのないこの形状のタイプでは、性能は期待できるといえます。
外音取り込みモードも装備します。
防水性は、IPX4相当の防塵防滴に対応します。
形状的に落ちにくい工夫もあるので、ワークアウト利用でも問題ないでしょう。
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以上、 Pixel Buds Proの紹介でした。
Google純正としては、初めてのノイキャン機能搭載機です
大きめのドライバを引き続き採用しており、充実するイコライザ機能をふくめて、音質へのこだわりも感じられます。「Silent Seal」については、もう少し詳しい説明が欲しいですが、センサーとマイク数からすると、値段相応の効果はあるでしょう。
一方、やや大きめである部分と、コーデック、エアホールがある部分が注意点です。
また、Googleの場合、Androidに対して(他社機ではできない)独自機能はあまりみられないので、他社機との比較はしても良いかと思います。
6-3・ゼンハイザーのイヤホン
つづいて、ドイツのゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンです。
高音質な方向性で日本にファンが多い人気音響メーカーです。
【2021年発売】(ノイキャンあり )
90・ゼンハイザー CX Plus True Wireless
¥21,707 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:5Hz-21kHz
コーデック:SBC AAC aptX adaptive
連続再生時間:4時間
ドライバー:7mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク式
防水性能:
重さ:6g×2
CX Plus True Wirelessは、ドイツのゼンハイザーの製品です。
重量は、片側、6gです。
平均値より多少軽いですが、小型というわけでもないです。
イヤーピースは、4サイズ同梱されます。XSサイズがあるため、日本向けにも親切でしょう。
音質面では、本機は、ユニット自体の再生周波数帯域の公開があり、低音域が5Hz、高音域が21kHzです。
スペックを公開している製品の中では、低音方向の数値に余裕があります。
人間の耳で実際に5Hzまで聞こえるわけではないですが、「メーカーが低域の良さを強調したくて作った製品」であることは分かります。
その分、「音が籠もりがち」という評価もありますが、イコライザで調整できる範囲です。
バスブースト機能も付属です。
ドライバーは、7mmのダイナミック型です。
割と大きめといえます。
音質のパーソナライズは、一方、機能としてないです。
Bluetoothコーデックは、注目点です。
こちらも、SBCとAACとApt-Xに対応します。
加えて、Apt-X Adaptiveという可変ビットレートの新規格にも対応しますが、スマホなどの側はまだあまり対応できません。この場合、ハイレゾも対応水準です。
立体音響は、一方、独自の対応情報については未記載です。
通信安定性の面では、Bluetooth5.2に対応です。
Bluetooth5に較べると、機器の方向検知(ビームフォーミング)に対応する規格です。
ノイズ対策については、本機は搭載です。
自社技術ではなく、クアルコム社の汎用チップによる対応です。
一方、クアルコムチップでもWマイク式に対応できるものもあります。ただ、ゼンハイザーについては、Wマイク式は「あえて」採用せず、外側マイクだけの1マイク式にしたようです。
そのほうが「音が自然」ということですが、ノイキャンの部分で自社技術を磨く他社機と技術水準は異なるため、単純に比較はできなそうです。
連続再生時間は、4時間です。
防水性は、日常生活防水までです。
マイクは、搭載され、ハンズフリー通話が可能です。
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以上、ゼンハイザーの M3IETWの紹介でした。
ゼンハイザー製の高級機ということで、音のひずみも少なく出来は良いです。買って損はないと思います。
一方、低音域の音質は期待できますし、品質は良いでしょう。
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【2021年発売】
91・ゼンハイザー CX True Wireless
¥15,000 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
【2022年発売】
91・ゼンハイザー Sport True Wireless
¥19,200 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:5Hz-21kHz
コーデック:SBC AAC aptX
連続再生時間:9時間
ドライバー:7mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:
重さ:6g×2
※ CX True Wirelessのスペック
なお、ゼンハイザーは、下位機種として以上の2機種をラインナップします。
CX Plus True Wirelessは先ほど見た上位機と較べた場合、大きな違いはノイズキャンセラを省略した部分です。
同社は、ノイキャンに(やや)否定的なので、この仕様でもよいのかなと思います。
ただ、防水非対応はともかく、外音取り込みも省略となるため、その部分だけは注意してください。そのほか、イヤホンの着脱に連動して音が止まる機能(スマートポーズ)もこちらのみ不採用です。
Sport True Wirelessは、防水・防塵機能をIPX54に高めた仕様の「スポーツ用」です。
防水性はIPX5の水準で、4等級の軽度の防塵性があると考えてください。
一方、本機も、ノイキャンほか外音取り込みモードはないのですが、外音が取り込めるイヤーピースが付属していて、取り込みの有無を選べるという工夫があります。
ただ、スマホの設定も必要ですし、やや面倒な気もします。
【2022年発売】【型番:M3IETW3】
92・ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless 3
¥39,930 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
【2020年発売】【型番:M3IETW2】
92・ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless 2
¥32,000 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:5Hz-21kHz
コーデック:SBC AAC aptX-Adaptive
連続再生時間:7時間
ドライバー:7mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:
重さ:5.8g×2
MOMENTUM True Wireless 3は、ドイツのゼンハイザーの最上位機です。
旧製品が残りますが、ノイキャン機能の部分で旧仕様であり、先ほどみた「下位機種相当」となります。
そちらとの値段をふまえても、選択肢にはしない方が良いでしょう。
重量は、5.8gです。
さほど重くないですし、サイズも割と小さめです。
イヤーピースは、3サイズ同梱されます。
シリコン製で、下位機種とは形状もやや異なります。
音質面では、周波数帯域のスペックは下位機種と同じです。
ドライバーも、同じ7mmですので、音響部分は下位機とスペック的に見える性能差は乏しいです。
制御の部分で、プロセッサを2基搭載にすることで、音質の向上を果たしたという記述は見られますが、この部分を主眼に置いた上位機というわけでもなさそうです。
音質のパーソナライズは、一方、機能としてないです。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・Apt-Xのほか、aptX Adaptiveに対応します。
したがって「ハイレゾ対応」できますが、イヤホンの部分のスペック(21kHz)が、業界の定める基準(40kHz)に満たないので、真に対応していると言えるかは、微妙です。
ただ、低遅延のコーデックなので、ゲームや動画視聴には良いでしょう。
立体音響は、フォローしません。
通信安定性の面では、Bluetooth5.2に対応です。
問題ありません。
ノイズ対策については、下位機種より明確に「強力」です。
汎用チップですが、Wマイク式に対応するハイブリッド型だからです。
クアルコムの新型SOCは、アダプティブANCにも対応します(Hybrid Adaptive ANC)
ソニーなどのように、加速度まで見るわけではないものの、周囲の騒音レベル(騒音状態)によって、かかり方を自動で調節されます。
シンプルなANC(アクティブノイズキャンセル)だけの機種よりは高度です。
連続再生時間は、7時間という表記です。
ケースは、蓄電容量からすると、3-4回ほどのフル充電はできそうです。
防水性は、IPX4です。
マイクは、内側に1基、外側に2基搭載です。
他社もそうですが、内側と外側の音で分析して品質を高める仕組みを採用する場合、通話品質が上がります。もちろん、ビームフォーミングマイクです。
外音取り込みモードも搭載です。
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以上、ゼンハイザーの MOMENTUM True Wireless 3の紹介でした。
Apt-X系に対応する高級機をお探しの場合は、良い選択肢でしょう。
その上で、下位機種との違いは、ハイブリッド アダプティブANCに対応する部分です。
一方、静寂な場所での音質面は、下位機種とさほど違いはないと思われるので、用途に合った方のみ、検討対象にすると良いかと思います。
6-4・DENONのイヤホン
続いて、DENONの完全ワイヤレスイヤホンです。
低音域の力強さに定評のある老舗音響企業で、イヤホンも少数ながら展開します。
【2023年発売】(加筆予定)
93・DENON PerL Pro AH-C15PL
¥52,000 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz〜40kHz
コーデック:SBC AAC aptX-adapt
連続再生時間:6時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:8g×2
PerL Pro AH-C15PL は、日本の音響メーカーのDENONが販売する完全ワイヤレスイヤホンです。
米国のマシモのMasimo AAT (Adaptive Acoustic Technology)という、新しい聴覚測定技術を使い、音質をパーソナライズする機能が見どころです。
重量は、8gです。
多少ですが平均より重いです。サイズも、装着時は存在感があるタイプです。
イヤーピースは、4サイズ同梱されます。
ドライバーは、10mmです。
各社ともTWS型イヤホンでは素材面に強調することが最近少ないです。
ただ、DENON機は、超低歪み 3 レイヤー・チタニウム振動板を採用を明言します。
若干大きな筐体なので、しっかりしたものが詰めたのだと思います。
音質は、ドライバーサイズと、DENONのメーカー柄、低音域重視でしょう。
視聴できそうなので、また加筆します。
音質のパーソナライズは、冒頭書きましたが対応です。
ここが本機の「売り」とも言えます。
DENONの資本上の所有会社は、現在米国の医療機器メーカーのマシモです。
同社の医療用技術のMasimo AAT (Adaptive Acoustic Technology)をパーソナライズ部分に使っています。
方向性としては、周波数によっての「聞こえ」を把握していくという点では、既に見たJBLやANKERの方式と似ています。
ただ、本機は、内耳から発生する微弱な音「OAE(Oto Acoustic Emission = 耳音響放射)」を測定するという、新生児の難聴検査の方法を使用します。
簡単に言えば、(音波の測定なので)自動で測定・調整が終了し、1分ほどでカスタマイズが終わるという部分だと思います。
いちいち聞こえているかを対話式で入力しなくて良いので楽です。対話がしがたい新生児用の医療技術由来というのも面白いです。
Masimoは、ヘッドホンカスタマイズ部分に強いオーストラリアのNuraも買収しているようなので、そちらの技術との融合の結果のようです。
実用性は、試してから補記したいですが、技術の先端性は感じられます。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・Apt-Xのほか、aptX Adaptiveに対応します。
したがって、ハイレゾ対応です。CD音質については、aptX Adaptiveのサポート規格になるaptX Losslessもフォローします。
イヤホン部分のスペックも20Hz〜40kHzですので、業界基準に足ります。
立体音響は、Dirac Virtuoにて対応です。
サラウンド技術の1つで、音源自体ではなく計算で3Dサラウンド化するものです。
ヘッドトラッキング技術などはないですが、AnkerやJBLと同じ方向性です。つまり、SONY・Apple系の「空間オーディオ」ではないです。
通信安定性の面では、Bluetooth5.3に対応です。
ノイズ対策については、Wマイク式(自動)です(Hybrid Adaptive ANC)。
さきほどみたゼンハイザーと同じです。加速度まではみず、騒音状況をみての調整です。
連続再生時間は、8時間という表記です。
ただ、ハイレゾ水準の再生だと再生時間はより短いでしょう。
ケースは、4回ほどのフル充電が可能です。
防水性は、IPX4です。
マイクは、左右ごとで4つです。
1つは、ソニーなどのような、ノイズに強い骨伝導マイクになります。
他社もそうですが、内側と外側の音で分析して品質を高める仕
外音取り込みモードも搭載です。
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以上、DENONのPerL Pro AH-C15PL の紹介でした。
音質部分もですが、やはり、パーソナライズ部分が注目点です。
簡単かつ、短時間で、周波数ごとの調整ができるので、音域ごとの「聞こえ」に問題があるかたには良い選択肢になろうかと思います。
一方、外観形状は、装着が結構目立つ感じです。最近は高級機でもこの部分が「問題視」されて、スリム化が進んでいることを考えると、外観形状だけは「最先端」ではないようには見えました。まあ、音質面での「賞レース」には関係ないでしょうが。
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【2023年発売】
93'・DENON PerL AH-C10PL
¥30,000 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz〜20kHz
コーデック:SBC AAC aptX
連続再生時間:6時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:7.4g×2
なお、同じ形状の下位機も同時展開になりました。
こちらの場合、Bluetooth部分のSOCが異なるので、ハイレゾに非対応です。
ドライバー部分も、サイズは同じですが、先述のチタニウム振動板ではなく、差を付けます。 空間オーディオにも非対応でので、売りは「パーソナライズ部分」だけとなります。
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結論的にいえば、値段差はあるものの、やはり 選ぶならば上位機が魅力です。
【2021年発売】
94・ DENON AH-C830NCW
¥14,055 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:6時間
ドライバー:10×11mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク
防水性能:IPX4
重さ:5.3g×2
AH-C830NCW は、日本のデノンが販売する完全ワイヤレスイヤホンの下位機です。
本体色は、ブラック(AHC830NCWBKEM)とホワイト(AHC830NCWWTEM)です。
重量は、片側につき、5.3gです。
Apple製品のAirPodsと似たような長細い形状で、軽量です。
主に、ヘッドセットとしての利用を想定している場合、この形になる場合が多いです。
イヤーピースは、3サイズが同梱です。
シリコン製の普通のものです。
ドライバーは、11×10mmと変則的なサイズです。
口径を稼ぐためでしょうが、楕円形のドライバーは、イヤホンだと珍しいです。
ただ、その効果の説明はないです。
音質面では、ただ、あえて変則的なサイズにしてまで大きなユニットを搭載した効果は出ています。
低音は、同社の特長ですが、籠もらず、爆発もせずかなり充実するので、この値段では優秀です。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACだけです。
接続安定性の面では、Bluetooth5に対応します。
問題ありません。
ノイズ対策については、本機については、ハイブリッド式のWマイクでのノイキャンに対応します。
自動調整など凝った機能はないものの、かかり具合の調整は上手にできている印象です。
連続再生時間は、6時間です。
ノイズキャンセルオフ時の時間なので、他社機より短いです。
防水性は、IPX4等級の防水仕様で、日常生活防水となります。
マイクは、こちらも搭載です。
ビームフォーミング対応で、エコーキャンセラもありますが、風切り音対策はない、という感じです。ただ、形状的に、通話には向くでしょう。
外音取込は可能です。
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以上、DENONのAH-C830NCWの紹介でした。
説明を読む限り、しっかり内部のエンジニアが調整した製品で、実際、同社らしい中音を犠牲にしない低音は十分感じられました。
ただ、ノイズキャンセルのかかり具合は、(パッシブな遮音を含め)Wマイク式の高級機と比べてさほど強力でもないので、この点を目的に買うと、やや後悔する可能性はあります。
それ以外は、「デノン品質」であり問題ありません。
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【2021年発売】
94'・ DENON AH-C630W
¥7,817 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:4.5時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:4.6g×2
なお、同時に下位機種も発表されました。
こちらは(変則的ではない)10mmのドライバーですが、ノイキャンに非対応になるほか、バッテリーが4.5時間とかなり保ちが悪いです。
やはり、デノンで選ぶならば上位機でしょう。
次回につづく!
完全ワイヤレスイヤホンのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は音楽用の完全ワイヤレスイヤホンの比較の6回目記事でした。
記事はまだまだ、続きます。
7・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (7)
7-1:他のブランド 〈各国〉
8・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (8)
=予算別・目的別のおすすめの提案【結論】
次回の7回目記事(こちら)では、ここまで見ていないメーカーの完全ワイヤレスイヤホンを、追加でみていきます。
音質の良さ ★★★★★
ノイキャン ★★★★★
軽量性 ★★★★★
防塵・防滴性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、8回目記事(こちら)の、全体の結論編に入ります。
今回紹介した「全製品」から、予算別・目的別に、最終的なAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
7回目記事は→こちら!