1回目記事からの続きです→こちら
【2024年6月発売】(旧機は23年)
【85インチ】
35・東芝 REGZA 85Z770N
¥370,591 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【100インチ】
36・東芝 REGZA 100Z770N
¥657,374 楽天市場 (4/11執筆時)
パネル:VA
バックライト:MiniLED+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:2倍速
ネット動画:自社方式
フレームレート: 4K/144P
新4K放送チューナー:搭載(2)
Z770Nシリーズは、現状で85v型以上の大画面機だけある展開の高級機です。
1回目記事で見たZ870Nは75v型までの展開でしたので、それ以上の画面が欲しい方向けのラインです。
ただ、シリーズ名の数字が小さいことから分かるように、一部の性能は、同社の中級機(スタンダードモデル)のZ670Nに近く、若干差があります。
その部分を含めて、違いを説明をしていきます。
液晶パネルは、VAです。
公開はないですが、85型は他社情報(AMD)で、100型は、スペック的にそのように判断して良いでしょう。
一方、広色域量子ドットは不採用で、中級機同様のW-LEDになります。
色域は、おそらく、P3 90%前後のパネルですので、4Kとしてはそこまで悪くないです。
バックライトは、ただ、上位仕様です。
Z870Nと同じでエリア制御に加えて、(直下型)Mini LEDを採用します。
世代を含めて同じです。
4Kチューナーは、こちらも、ダブルで搭載です。
HDR10技術も、対応です。
倍速液晶は、4K液晶倍速パネルです。
画像エンジンは、レグザエンジンZR(2024年)です。
このあたりの仕様は、全て、既に見たZ870Nと変わりません。
したがって、同社の売りの、フレーム間補整など、複数の手法を複合的に取り入れる(最上位の)超解像技術は、このグレードも不採用です。
とはいえ、繰り返し書いているように、このグレードでも、レグザの補正力は同クラスの他社を凌ぐとはいえます。
画質の自動調整は、本機も、照明色に応じた調整(おまかせAIピクチャー)をふくめ、下位機種同様の対応水準です。
録画機能は、一方、注意点です。
先述のタイムシフト(全録)が不採用だからです。
UIは、Fire TV、Google TVのような直感的な配置で使いやすそうですが、「全録的」な機能性は、Z870Nと違ってないです。
この機能が欲しい場合は、次に見る、最上位機の大画面機を選ぶ必要があるでしょう。
映像配信サービスは、中位機までと同じ仕様です。
GoogleTVなどではなく独自の仕組みですが、主要なサブスクには対応できます。
スピーカーは、本機も、60Wです。
構成は、フルレンジが左右に2基ずつ(15W×2)、重低音用のウーファー(20W)と、左右のサイドトゥイーター(5W×2)です。
100型のみ、フルレンジ2基+トゥイーターの2WAYになっていますが、出力は同じです。
一方、いずれのサイズも、先ほどの機種と比べると、トップトゥイータのかわりに、サイドトゥイーターになります。
大画面機だけに広い空間での仕様を想定し、左右の音の拡がりに配慮した構成でしょう。
むろん、Dolby Atmosに対応できます。
HFR(ハイフレームレート)は、4K/144Hzまで対応です。
一方、100インチのみ、FreeSyncには非対応です。ゲームに使う方は注意点です。
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以上、東芝のZ770Nシリーズの紹介でした。
85型以上は、次に見るフラッグシップにも展開はありますが、相当高いです。その部分で導入困難に感じている方には魅力的に思える製品でしょう。
量子ドットパネル出ない部分で、色域は中級機水準ですが、迫力という部分で「画面が大きいのは正義」ではありますし、部屋の広さや、予算によっては選んで良いでしょう。
ただ、タイムシフトが不採用になる部分は、注意してください。
【2025年4月発売】
【65インチ】
37・東芝 REGZA 65Z970R
¥495,000 楽天市場 (4/11執筆時)
【75インチ】
38・東芝 REGZA 75Z970R
¥660,000 楽天市場 (4/11執筆時)
【85インチ】
39・東芝 REGZA 85Z970R
¥880,000 楽天市場 (4/11執筆時)
パネル:(量子ドット)
バックライト:MiniLED+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:2倍速
ネット動画:自社方式
フレームレート: 4K/144P
新4K放送チューナー:搭載(2)
Z970Rシリーズは、2025年発売のレグザの上位機です。
100インチに及ばない一般向けの液晶テレビ、OLED(有機EL)を除けば、同社の最上位になります。
値段は相当高いので、多くの場合「他山の石」でしょう。
ただ、1回目記事で書いたように、下位シリーズで採用のある超解像処理の部分を、すこし詳しめに書きましたので、お付き合いいただければ、と思います。
液晶パネルは、高輝度 ファインMini LED液晶という名前です。
パネル種は、現状で種類が未確認です(加筆予定)。
ただ、旧機(85Z970N)はBOEのADSでしたが、パネルスペックが変わったので変更の可能性があります。とくに、85型はVAかもしれません。
ただ、いずれにしても、パネル周りの工夫からすると高級仕様であり、質には上位です。
発売後、確認できた段階で加筆しようと思います。
一方、こちらも量子ドットパネルです。
量子ドットは、下位機も搭載だったので前半記事でも詳しく書きました。
繰り返しておくと、青色のLEDを広色域量子ドットシートに通す方式で、赤と緑の色合いを出し広色域の色表現をなす方式です。
最近のHDRコンテンツに対応させるため、あるいは、(3D眼鏡なしでの)奥行感を出す方向性での進化には欠かせない技術であり、最先端です。
格安機で搭載する場合は話は変わるもものの、本機のような高級機の場合、新世代の「ブランド液晶」と考えて問題ありません。低反射ARコートもあります。
低反射ARコートのほか視野角補正シート(広視野角ワイドアングルシート)を採用する部分が、下位機との違いです。
大画面テレビだと、割と昔からある工夫です。
バックライトは、下位機と同じで、(直下型)Mini LEDを採用です
東芝(TVS REGZA)によると、新機種は、旧シリーズ(970N)より、ピーク輝度が約1.2倍、エリアコントロール数が約1.4倍の表記です。
旧機の場合、ピーク輝度は、3000ニト強と言われますので、3500ニト前後まで伸びたと言えます。
ちなみに、輝度は、画面サイズが大きいほど高くできます。旧機は85型がなかった(65型・75型)ので、1.2倍という数字は、85型を除くサイズ同士で比べたものでしょう。
また、液晶のエリア制御の部分で、さらに高度な処理をします。
下位機種、あるいは、他社にはない「Mini LEDエリアコントロールZRα」という、独自技術です。
エリアを「仮想細分割」後、2段階で点灯値を生成していく制御です。
液晶は「高輝度化」の弊害として、光の漏れ(ハロ現象)が画質を台無しにする場合があります。その対策として、細分割時の制御を加えました。
HDR時代に必要な「輝度」と「黒の締まり」の両立を図ります。65インチを超える大画面で特に効果を発揮しやすいようで、パネルラインナップも、そのようにしています。
4Kチューナーは、こちらも、ダブルで搭載です。
画像エンジンは、上位のレグザエンジン ZRαです。
機能面で言えば「フレーム間処理」を伴う超解像処理や、クラウドを利用した高画質化など、下位機種で魅力的だった機能は網羅します。
東芝の場合、このグレードは、複雑で複合的な超解像処理を行います。
第1に、地デジAIビューティPROです。
フルHDクラスの映像を4Kにアップスケーリングするための処理技術全体を意味します。
細かく見る場合、超解像処理が高度で、フレーム間処理です。
地デジの場合、前後合わせて5フレーム見て補正します。一般的に言って、他社の超解像処理は、1フレームのみの参照(フレーム内処理)で、ここは昔からの東芝の売りです。
その上で、画像バンクを深層学習させた、AIで処理していくのが新しい部分と言えます。
第2に、3段階超解像です。
「地デジAIビューティPRO」機能を構成する処理の1つで、アップスケーリング処理の際に使われます。
アップスケーリング時、繰り返し3回の解析を行って処理していることを意味します。
第3に、絵柄解析 再構成型超解像です。
やはり、アップスケーリング処理をする際に使われる技術1つです。
1フレーム内超解像処理の1つで、画像を画素単位でエリアごと解析して詳細感を高めるものです。
第4に、自己合同性型超解像技術です。
周囲の似た色の部分(画像)を重ねる形で詳細感を高めます。
とくに字幕などを滑らかにする効果があります(新マルチアングル自己合同性超解像)。
この部分は、文字部分やロゴ部分のノイズ処理技術(ロゴ検出モスキートNR)も使って処理します。
第5に、AI ナチュラルフォーカステクノロジーProです。
オブジェクト検出で背景と被写体を区別すことで立体感を高める技術です。
AI技術の発展で、各社とも最近は、前景と背景がしっかり区別できるようになっています。
各社ともこの技術をどのように活かすに個性があります。
レグザの場合、基本となる立体感の強調だけでなく、人間の肌の肌感やなめらかさを出すための処理にも使うのが、「らしい」と思います。
第6に、ナチュラルフェイストーンProです。
レグザが入門機からこだわる「美肌」にかかわる最新技術です。
AIの深層学習の成果を使いつつ、顔の検出精度を上げ、適切に肌色を補正するというものです。1つ上の技術を保管するものです。
第7に、アニメビューティPROです。
顔検出機能応用です。画像圧縮時などに生じるバウンディングノイズ(階調ムラのシマシマ)を抑えつつ、先述の顔検出を応用して、顔をクッキリ表示させるというものです。
バウンディングノイズの除去は、ネット動画の再生にも有効です。
第8に、AI超解像PROです。
主に地デジなどの低解像コンテンツに有効な超解像処理の1つです。
AIによる絵柄解析技術を利用しますが、元映像の絵柄の各部分の画質の善し悪し(精細さ)を解析し、補正するのか、復元するのか、適切に判断する技術です。
2025年から言及がなされた技術で、ノイズ処理に関係する部分です。
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結論的にいえば、新しいAI技術を取り入れながら、伝統的に進化させてきた超解像処理などの独自技術を、コンテンツに応じて、適切に組み合わせるのが、レグザの最上位機の個性であり「売り」です。
超解像処理は「差がない」という意見もあります。
しかし、実際、東芝のテレビが専門誌などで評価を受けるのは、高性能エンジンを採用する上で、ハード・ソフト的な処理技術の開発に注力しているからだと言えます。
そのほか、広色域化にかかわる部分で、64色軸の制御になる部分や、エリア後との黒つぶれ白飛びを抑える「ローカルコントラスト復元」、モスキートノイズを減らす「絵柄構造適応型MPEG-NR」ほか、広色域化・ノイズ低減の部分でも高度です。
画質の自動調整は、AIコンテンツ判別も、最上位機の固有機能です。
先述のように、同社の製品は番組情報をクラウド(クラウドAI高画質テクノロジー)からコンテンツの種類の情報取得します。
ただ、ネット動画や録画機器からHDMIで入ったコンテンツには対応できないため、この機能があります。ディープラーニング技術を使ったものでしょう。
コンテンツの種類を判別した上で、いくつかの特定のシーンの判別もできます(AIシーン高画質PRO)。
現状だと、夜景、花火・星空、リング競技、サッカー/ゴルフは、判別が付くようです。
AIオートモードにして、そうしたシーンを察知した場合、最適な画質調整が施されることになります。
AI学習とビッグデータ活用技術の進化で、最近はこの手の映像分析が年々高度化しています。ちなみに、どのシーンをAIに学習させたかは、やはりメーカー間で個性があります。
このほか下位シリーズと同じで、照明色までわかる、環境光センサーも付属なので、部屋の状況に応じた調整ができます。
さらに、画質補正の部分での最大の見どころは、「ミリ波レーダー」の搭載です。
機能名は「レグザセンシング」としてまとめられます。
画質面では、レーダーで、複数の視聴者の位置が把握できるため、それに応じた画質処理を同時にします。「ミリ波レーダー高画質」という機能名です。
この仕組みは、画面付きスマートスピーカーなどには使用例がありますが、テレビだと初めてかと思います。
HDR10技術は、対応です。
下位機同様に、圧縮情報から輝度を再計算する技術(HDR復元PRO)と、HDR向けのコントラスト制御技術(HDRリアライザーPRO)も備えます。
なお、下位機と違い「プロ」と付くのは、先述の「AIエンジン」の効果で、リアルタイム分析の精度が向上しているためです。
そのため、カタログだと、通常コンテンツ(SD)も「HDRクオリティ」に変換すると明示的に表現されています。
倍速液晶は、4K液晶倍速パネルです。
下位機種と同名ですが、明滅制御はしない仕様です。
録画機能は、本機も、「全録」対応のタイムシフト機です。
別売の外付けHDDの大きさに応じて、地上波デジタル放送最大6チャンネルを自動で録画し、「過去番組表」から「過去数日分の番組」を振り返って見ることができます。(通常録画も可能)
チューナー数は、4Kチューナー2基ほか、地デジ用を9基、BS/CS用を3基搭載し、同時録画に対応するようにしています。
【2024年発売・タイムシフト対応】
【HDDタイプ:4TB】(3TB・6TBもあり)
・IODATA AVHD-AS4/E
¥20,980〜 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【SSDタイプ:1TB】(2TBもあり)
・ IODATA AVSSD-RS1
¥19,032〜 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
なお、タイムシフト録画を24時間運用する場合、ディスクが常に回転しっぱなしなので、上記のような、対応明記のある堅牢なHDDを選んだほうが無難です。
なお、東芝機は、HDDは2台までつなげられます。
映像配信サービスは、(GoogleTVなどではなく)本機も独自の仕組みですが、主要なサブスクには対応できます。
スピーカーは、総計150Wと強力です(重低音立体音響システム ZIS)。
上方にハイトスピーカーが総計2基、サイドには2ウェイ式のスピーカーが総計4基、メインは2ウェイ式のメインスピーカーが総計4基と、センタースピーカーが2基、加えて、低音用の20Wのウーファー2基で、総計12基です。
さらに、このグレードはレグザイマーシブサウンド360 PROに対応です。
本機の場合、リアルスピーカーだけでも5.1.2ch相当ですが、実際に天井は、後方にスピーカーがあるわけではないです。
計算により、実スピーカー位置を仮定させて再生するため、サラウンドのリアルさはさらこに高まると言えます。最近の音響機器で搭載が増えていますが、テレビ自体だと珍しいです。
この方式だと、地デジなどのステレオ音源も(仮想的に)立体サラウンドになります。
むろん、Dolby Atmosに対応できます。
一方、心配になるのは、普通のニュースなどの聞きとりです。
ただ、2ch再生にも配慮されたシステムある上で、クリア音声など、中音域(人の声)を強化したモードもありますし、心配なさそうです。
下位機同様、「おまかせAIサウンド」もあるので、あまり意識せずとも、視聴コンテンツに合わせた適切な再生がなされます。
サイドスピーカーもありますし、この構成ならば【サウンドバーの比較】でみた製品でいえば、少なくとも5万円クラスでないと改善効果は、見込めないといえるランクでしょう。
割と良いです。
また、先述のレーダーは音にも効果を発揮するので、「ミリ波レーダー高音質」にもなり、視聴者の位置により、位相を調整するので、ステレオ感が得やすいでしょう。
接続端子は、eARC・4K/120Pともに対応です。VRR・ALLMも対応です。
下位シリーズと同じで、本機も、AMD FreeSync Premium対応なので、ゲーム用PCモニターとしても評価できる水準です。
あとの部分は、下位機と同じです。
25年機になるので、リモコンの「ボイス」ボタンを押した際、Googleの生成AI(Gemini)を呼び出し、対話型で、放送中の番組・録画した番組・未来番組・YouTubeなどのおすすめコンテンツを探して貰えるレグザAIボイスナビゲーターも付属です。
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以上、レグザのZ970Nシリーズの紹介でした。
パネル部分は、下位シリーズと同じ量子ドット+miniLEDという構成をベースに、 低反射ARコートのほか視野角補正シートなど、確実に差を生むだろう、上位の工夫がありますj。
画像エンジンも、フレーム間超解像を含む、相当に高度な処理をなします。この部分の解析力が、下位シリーズや他社機と比べた場合、最も大きな違いで、レグザの特徴と言えます。
その上で、ミリ波レーダーを利用した、各家庭の視聴環境への最適化の仕組みも高度である上、映像・音声の自動調整(おまかせ)技術の高度なので、あまり意識せずとも、高画質・高音質に調整されるでしょう。
一方、液晶テレビとしてはかなり高額で、高級なOLEDも買えそうな値段です。ただ、そちらと違って、明るい場所での視聴に使いやすい部分はありますので、リビング(リビングシアター)向けとしてこうした機種はあってよいと思います。
このほか、タイムシフト対応の録画機能を含めて、「全方位的に最先端」です。高度なリビングシアターを構築したい方に限定されるでしょうが、予算に見合う価値は感じます。
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なお、上位機(Z970シリーズ)は、以下のような旧機が残ります。
違いを確認しておきます。
【2024年7月発売】
【65インチ】
40・東芝 REGZA 65Z970N
¥333,000 楽天市場 (4/11執筆時)
【75インチ】
41・東芝 REGZA 75Z970N
¥359,140 楽天市場 (4/11執筆時)
パネル:ADS(量子ドット)
バックライト:MiniLED+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:2倍速
ネット動画:自社方式
フレームレート: 4K/144P
新4K放送チューナー:搭載(2)
第1に、Z970Nシリーズです。
このグレードの1世代前のモデルです。
液晶パネルは、BOEが製造するADSの量子ドット方式です。
同じ加工がある同系列のハイセンス機は65がVAで、75がIPS(ADS)でしたが、AMD情報によると、いずれもADSです。
本機も、量子ドット、Mini LED、低反射ARコート・視野角補正シートです。新機種と比べても、重要なところで省略がないといえます。
ただ、パネル自体は旧タイプです(新開発 Mini LED液晶パネルモジュール)
先ほども書いたように、新機種は、旧シリーズ(970N)より、ピーク輝度が約1.2倍なので、輝度表現では、多少差はありそうです。
とはいえ、この世代でも3000ニトクラスですし、明るい部屋でも全く問題ない画質と言えます。
スピーカーは、総計122Wです。
新機種(150W)より多少パワーが落ち、再度スピーカーが2WAYではない関係で総計11基のスピーカーですが、配置は同じです。
また、イマーシブオーディオに関わる部分を含め、機能性も新機種と変わりません。
あとの部分は、画像処理を含めて、ほとんど新機種と差がありません。
あえて言えば、先ほど言及した諸機能のうち、AI超解像PROのみ旧機で言及がない点と、AIコンテンツ判別において、ライブシーンの把握ができない(スポーツなどのみ)点が違いです。
あとは、先述のレグザAIボイスナビゲーターと、2画面表示とに対応できないほどです。
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結論的にいえば、輝度向上は重要な進化ですが、逆に言えば、そこ以外は同じです。
また、実際、3000ニトクラスのピーク輝度があるパネルならば、上位機と考えても「十分以上」の水準です。
現状で、旧機と新規の価格差がかなりある点をふまえても、しばらくは、こちらが「お買得」でしょう。
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【2023年4月発売】
【65インチ】
42・東芝 REGZA 65Z970M
¥394,600 楽天市場 (4/11執筆時)
【75インチ】
43・東芝 REGZA 75Z970M
¥660,000 楽天市場 (4/11執筆時)
【85インチ】
44・東芝 REGZA 85Z970M
¥550,800 楽天市場 (4/11執筆時)
【100インチ】
45・東芝 REGZA 100Z970M
¥(1,095,237) 楽天市場 (4/11執筆時)
パネル:IPS(量子ドット)
バックライト:MiniLED+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:2倍速
ネット動画:自社方式
フレームレート: 4K/144P
新4K放送チューナー:搭載(2)
第2に、Z970Mシリーズです。
このグレードの2世代前になります。
パネルは、65インチと75インチはIPS(LG)で、85インチはVAです。
あとの基本構造は、量子ドット式である部分を含めて1つ上の2024年機と同じです。
ただ、最背面のminiLEDバックライトの密度が異なり、(標準)輝度として30%の差が出ます。先述のように、テレビならばVAも良いと思いす。
画像エンジンは、24年機、25年機と同じ名称のレグザエンジンZRαです。
画像補正面での諸機能は、ほぼ同じです。
ただ、24年機で見られた違いに加えて、この世代だと、画質の自動調整の部分で、AIシーン高画質PROに非対応です。
つまり、コンテンツの種類までは判定するが、シーン(花火・サッカー・ゴルフなど)までは 判定できないと言えます。
先述のように、AI学習によるコンテンツ学習は進化が速いので、今後5年間で言えば、この部分は、毎年革新されていくように思います。
このほか、「ミリ波レーダー」などをふくめて、新旧で大きく変わる部分はないです。
スピーカーは、この世代は、総計112Wでした(重低音立体音響システムZHD)。
上方とサイドに総計4基、メインは2ウェイ式のメインスピーカーが総計4基と、センタースピーカーが2基、加えて、低音用の20Wのウーファー2基で、総計11基です。
ただ、この世代だと、天井や後方のスピーカーを精度の良い計算で、実際あるように「振るまわせる」レグザイマーシブサウンド360 PROには、非対応です。
いわゆる、「空間オーディオ」に関わる部分も、最近技術革新が多い分野です。
新機種と比べると、とくに、Dolby Atmosなど、音源自体に空間情報を持つメディアの再生では、臨場感に差はでるでしょう。
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結論的にいえば、値段にもよりますが、パネル・映像補正・スピーカーと、大事な3点で、少なからず、これ以降の世代の上位機とは差があるように思えます。
価格差、機能差をふまえると、今選ぶならば、2024年機以降でしょう。
【2025年発売予定】
【110インチ】
46・東芝 REGZA 110Z990R
¥5,500,000 楽天市場 (4/11執筆時)
パネル:ADS(量子ドット)
バックライト:MiniLED+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:2倍速
ネット動画:自社方式
フレームレート: 4K/144P
新4K放送チューナー:搭載(2)
Z990Rシリーズは、レグザの超高級機です。
Atlasを含めて多くの皆さんにとっては「他山の石」でしょうが、 現在の最高峰を知ることは、意味があるでしょうし、お付き合いください。
画面サイズは、110v型です。
家庭用プロジェクター相当のサイズで、超大画面です。
消費電力は788W、年間消費電力量は328kWh(10,168円/年)です。
ビックリするほどは、電気代は高くない感じです。
液晶パネルは、本機も、ADSの量子ドット方式です。
低反射AR・視野角補正シートを使う部分を含めて、先ほどみたZ970Nシリーズと変わりません。
おそらくBOEの新型のADSパネルで、コントラスト比5000;1に至る新世代でしょう。
リフレッシュレートも、4K/144Hzに対応できるパネルです。
バックライトもmini LED+エリア制御なので同じです。
ただ、画面サイズもあって、約4万分割のエリア制御です。
制御による電力の最適化で、ピーク輝度を約5,500nitまで伸ばしています。
高級なOLEDでも、3000ニトあたりがMaxですので、液晶の可能性を改めて感じました。
4Kチューナーは、こちらも、ダブルで搭載です。
HDR10技術は、対応です。
画像エンジンは、上位のレグザエンジン ZRα(25年新エンジン)です。
2025年型ですが、2024年型と画質機能面の新機軸は見られません。微調整などはあったかもしれませんが、先ほどみたZ970Nシリーズに対して、仕様としては確認はできません。
画質の自動調整も、Z970Nと変わりません。
むろん、フレーム間処理・ミリ波レーダーほか、4K液晶テレビ全体を通してみても、最もこの部分に凝っている機種です。
倍速液晶は、こちらも、4K液晶倍速パネルです。
録画機能は、本機も、「全録」対応のタイムシフト機です。
機能性は変わりません。
スピーカーは、総スピーカー数20基、総合122Wと高度化します。
チェンネル数は、5.1.2chです。
左右メイン(15W×2)・2基のセンター(15W×2)サイド(8W×2)・トップ(8W×2)とも2ウェイ式で、総計12基のスピーカーです。これに、重低音用のウーファーが4基(20W×2)です。
下位機種で説明したミリ波レーダー、レグザイマーシブサウンド360 PROを含めて、サラウンド感を高める工夫もあるため、内蔵スピーカーだけ使う前提ならば、4K液晶テレビ全機通しても、最も「リアルサラウンド」に近い構成でしょう。
あえて言えば、(ソニーのように)自社のサウンドバーと連携すればもっと「面白い」とは思いますが、「スマートな壁掛け設置」も狙い所ですし、方向性が違うとは言えます。
あとは、下位機と言及したい違いはないです。
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以上、レグザのZ990Rシリーズの紹介でした。
ここまでの高級機は日本の一般市場になかった点で一線を画する製品です。一方、下位機との違いは、画面サイズと、ピーク輝度を除けば、サウンド面が主と言えます。
電力消費も常識の範囲内ですし、主に家庭向けの「高級プロジェクター」の代替として、プレゼンスがでそうです。
次回に続く!
4K液晶テレビのおすすめは結論的にこちら!
というわけで、今回は、レグザの4K液晶テレビの比較の後編記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・シャープの4K液晶TVの比較
:アクオス〈日本〉
3・ソニーの4K液晶TVの比較
:ブラビア〈日本〉
4・Panasonicの4K液晶TVの比較
:ビエラ〈日本〉
5・LGの4K液晶TVの比較
:ナノセル〈韓国〉
6・ハイセンスの4K液晶TVの比較
:Hisense TV〈中国〉
7・TCLの4K液晶TVの比較
:TCL TV〈中国〉
8・アイリスオーヤマの4K液晶TVの比較
:LUCA〈日本〉
9・各社の4K液晶TVの比較
:オリオン〈日本〉
:マクスゼン〈日本〉 ほか
10・おすすめの4K液晶テレビ 【結論】
=全機からのおすすめの提案
つづく第2回記事(こちら)では、シャープの「AQUOS」を紹介します。
REGZA同様に、人気のあるシリーズですので、要注目です。
映像の美しさ ★★★★★
目の疲れにくさ ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
ネット動画 ★★★★★
番組表 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、10回目記事の結論編(こちら)では、全機種から、上表のようなポイントから、Atlasのおすすめ機種!を提案します。
ひきつづき、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら !
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