【今回レビューする内容】2022年 曲面パネルのゲーミングディスプレイ・ビジネス用曲面モニターの性能とおすすめ・選び方
【比較する製品型番】EIZO FlexScan EV3895 HP OMEN 27c QHD JAPANNEXT JN-39VCG165WQHDR-C65W AOC C32G2E/11 C27G2X/11 C24G2/11 AOC C32G2E/11 C27G2X/11 C24G2/11
今回のお題
曲面ゲーミングモニターのおすすめはどの機種?
ども、Atlasです。
今日は、2022年10月現在、最新の曲面モニター(曲面ゲーミングモニター)の比較の3回目記事です。
1・曲面モニターの比較 (1)
1-1:DELL〈米国〉
1-2:LG〈韓国〉
1-3:ASUS〈台湾〉
2・曲面モニターの比較 (2)
2-1:MSI〈台湾〉
2-2:Acer〈台湾〉
2-3:ギガバイト〈台湾〉
2-4:BenQ〈台湾〉
3・曲面モニターの比較 (3)
3-1:HP〈米国〉
3-2:その他の企業
4・ゲーミングモニターの比較 【結論】
=最終的なおすすめ機種の提案
2回目までに紹介できなかった曲面ディスプレイを追加で見ていきます。
液晶のみやすさ ★★★★★
スタンドの性能 ★★★★★
応答速度 ★★★★★
リフレッシュレート ★★★★★
品質保証 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最後の「結論」では、上表のようなポイントから、「Atlasのオススメ機種」を提案していきます。
3-1・HPのモニターの比較
はじめ、米国のHP(ヒューレットパッカード)のゲーミングモニターです。
【27インチ・曲面モニター】
41・HP OMEN 27c QHD
¥49,800 HPダイレクト (10/31執筆時)
周波数:最大240.0Hz
曲率:1000R
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:400cd/u
液晶方式: VA ノングレア
コントラスト比:3000:1
同期技術: FreeSync Premium Pro
応答速度:1ms (MPRT)
HDR:HDR 400
USB給電:
接続端子: DisplayPort HDMI 2.0
スタンド:チルト 高さ
VESA: 100mm
スピーカー:
保証期間: 3年
HP OMEN 27c QHDゲーミングディスプレイ は、ヒューレットパッカードが出している曲面モニターです。
画面サイズは、27インチです。
モニター解像度は、WQHD (2560x1440)の2.5Kです。
曲率は、1000Rです。
現状では、極限にキツいと言えるカーブです。HPによると「人間の目の視野の湾曲率に最も近い」カーブで、没入感と快適さが得られるとされます。
先述のように、没入感については異論はないですが、快適さの部分については論争的でしょう。
少なくとも、「ゲームに極めて特化された」特殊なモニターです。
リフレッシュレートは、最大240Hzとなります。
オーバークロックを含めてこれ以上出せるものもありますが、人間の目の性能をふまえると、これだけあれば十分以上でしょう。
液晶パネルは、曲面タイプのノングレアのVA液晶です。
HDRは、HDR400の水準で対応します。
応答速度は、本機もMPRT表記なので、実際の数値は不明です。
ただ、VAパネルは高速化が難しいパネルですし、4-5m(GtoG)ほどでしょう。
チラツキ対策は、AMDのFreeSync Premium Proに対応します(Adaptive-Syncも)。
HDR利用時も起動が保証されるAMDの上位版です。
画質面での補整機能は、HPの場合特段の独自性はないです。
マニュアルの画質調整は一通りできるもの、この部分は「あっさり」です。
接続端子は、 DisplayPortとHDMI2.0が付属します。
HDMIだと144Hzまでです。一方、DPについては、1.2aか1.4かバージョンが不明です。
本機は、240Hz対応機ですが、WQHD解像度の際に(おそらく)無理だと思います。
ディスプレイスタンドは、高さ(130mm)とチルト(25度)の調整はできます。
左右の角度調整と回転はできませんが、曲面なので、これでよいです。
保証期間については、しっかり、3年保証です。
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以上、HP OMEN 27c の紹介でした。
1000Rは極めて(FPS)ゲームに特化したモニターですので、兼用には完全に向かない点が注意点です。
その部分を除けば、(画質向上機能があっさりな分)値段的に安いですし、スタンドも良いです。スペックをよく理解できる方には、コスパは「悪くない」ように思えます。
3-2・EIZOのモニターの比較
続いて、日本のEIZOのモニターです。
老舗の液晶メーカーで、品質で選びたい場合、人気のあるメーカーです。
【2020年発売】
【37.5インチ・曲面モニター】
42・EIZO FlexScan EV3895-WT
43・EIZO FlexScan EV3895-BK
¥181,374 Amazon.co.jp (10/31執筆時)
周波数:最大61Hz
曲率:2300R
解像度:UWQHD+ (3840 x 1600)
輝度:300cd/u
液晶方式: IPS ノングレア
コントラスト比: 1000:1
同期技術:
応答速度:5ms (GtoG)
HDR:HDR10
USB給電: 85W
接続端子: HDMI2.0×2 DP USB-C
スタンド:前後・高さ・左右
VESA: 100mm
スピーカー:7W×2
保証期間: 5年
EIZO FlexScan EV3895は、日本のEIZOが販売する37.5インチの曲面モニターです。
こちらについては、リフレッシュレートが61Hzまでですので、ゲーミング用ではないです。マルチモニターからの「乗換」を意図した、ビジネス用曲面モニターです。
サイズは異なりますが、LGも同じコンセプトのモデルを出していました。
2製品ありますが、色の違いになります。
3辺フレームレス軟度得、前から見ると分かりにくいので、背面の写真です。 あとは、基本性能は同じですので、同時に見ていきます。
モニター解像度は、3840x1600の、24:10の横長画面となります。
あまり見たことのない縦横比ですが、同社は「UWQHD+」と表しています。
フルHDの約3倍の面積とされます。
曲率は、2300Rです。
モニターサイズが37.5インチと大画面なので、相当緩やかに見えます。
同社は、仕事用モニターについては「目への優しさ」へのこだわりが強いです。
その点で言えば、このカーブならば「許容範囲」だから出したとも言えそうです。
実際、これ以上小さなサイズでは、曲面の展開はさせていません。
リフレッシュレートは、ゲーム用ではないので、61Hzまでです。
液晶パネルは、IPS液晶です。
輝度も、コントラスト比も普通ですが、IPS液晶は、目が疲れにくく「仕事用に向く」ので、問題ありません。
色空間は、sRGBカバー率では100%、DCI-P3カバー率でも94%です。
割と良いのでI、広色域タイプの(上位の)IPS液晶といえそうです。
画質面での補整機能は、高レベルです。
一方、EIZOらしい部分は、しっかり輝度を落とせる仕様にしている部分です。だいたいの場合、「明るすぎる」ことが原因で、目が疲れるのですが、しっかり調整しながら、輝度を落とせるモニターは「希」です。
同社の場合、明るさセンサー(Auto EcoView)で周囲明るさに応じて調光してくれるので、この部分も「目に優しい」です。
フリッカー対策もなされます。
応答速度は、5ms (GtoG)です。
HDRは、HDR10ですが、対応です。
チラツキ対策は、あくまで「オフィス用」なので、 FreeSync系は未対応です。
ディスプレイスタンドは、高さ(19.3cm)と前後のチルト角度(40度)と調整できます。
他社機に比べても、調整幅は広めです。形状的に長細い部分もあって、高さの調整幅はとくに大きいです。そのほか、70度の範囲で左右回転(スイーベル)も可能です。
この形状で縦回転はできても意味がないので「フルスペック」です。
接続端子は、 DisplayPortが1つとHDMIが2つです。
加えてUSB-Cでも接続可能です。その場合は、85WでノートPCに対して給電できます。
そのほか、USB3.0ですが、4ポートのUSBハブが付属です。マウスほか、ストレージにも対応できます。
スピーカーは、1W(総合2W)ですが、一応は付いています。
保証期間は、5年保証が付属です。
さらに、6ヶ月の無輝点保証まで付けています。
「輝点」とは、画面を黒表示させた時に、画面の1ピクセルが発光してしまうという「不良」です。他社の場合、「液晶固有の性質」とみなし「交換保証対応」にはなりません。
同社は、出荷前に、しっかりキャリブレーションして送るため、品質信頼性は高いです。
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以上、EIZO FlexScan EV3895の紹介でした。
曲面モニターが一般的な仕事用としては先述のように良いか「保留」です。
ただ、ここまで「緩やか」ならば、横並びのデュアルモニター環境が仕事でどうしても必要という場合、その買い換えならば、選択肢にしてよい「気」もしました。
実際、EIZOの言うように「没入感」から仕事に集中はできるでしょうし、それを望む方もいるでしょう。(平面だと)「画面の近くに寄りすぎてしまう」ので、曲面がそれを防げるという意味も分かります。
ただ、「目への優しさ」からそもそもモニターに寄らないように、奥行のある机を選んでいるAtlasにとっては、後者はあまり意味がないです。
また、長時間作業時に「疲れにくい」という説明はないのと、心理学的、生理学的に「文字は平面」で慣れている「人間の目」が、曲面を見つづけることで疲労しないかが、どうも心配です。
新しもの好きながら、仕事道具についてだけは「保守的」なAtlasとしては、ビジネスに曲面が良いかは、もう少しだけ「保留」とします。
3-3・その他のモニターの比較
最後に、ここまで見た以外のメーカーのモニターをまとめてみておきます。
【2021年発売】
【38.5インチ 曲面モニター】
44・JAPANNEXT JN-39VCG165WQHDR-C65W
¥69,982 Amazon.co.jp (10/31執筆時)
周波数:最大165Hz
曲率:3000R
解像度:WQHD (2560x1440)
応答速度:1ms (MART)
同期技術: FreeSync
輝度:400cd/u
液晶方式: VA ノングレア
コントラスト比:4000:1
HDR:HDR10
USB給電: 65W
接続端子:HDMI2.0×3 DP USB-C
スタンド:チルト
VESA: 100mm
スピーカー:
保証期間: 1年
JN-39VCG165WQHDR-C65W は、日本でディスプレイを輸入販売しているジャパンネクストの製品です。
画面サイズは、38.5インチです。
他社の37.5インチとほぼ同じサイズですが、価格はかなり安いです。
モニター解像度は、2560×1440の2.5K(WQHD)です。
曲率は、一方、3000Rなので、相当にゆるやかです。
そもそも遠くからみる38.5インチなので、きつめのカーブは不要でしょうが、ゲーミング用と考える没入感は少し低めかとは思えます。
リフレッシュレートは、最大165Hzです。
液晶パネルは、VA液晶です。
このあたりは問題ないです。
応答速度は、一方、MART値のみの記載で1msです。
そう遅いことはないでしょうが、正確なところは不明です。
HDRは、HDR10対応は明記です。
標準輝度からするとHDR400と言うことになりますが、「相当」との微妙な表現とロゴに留めます。
色空間は、sRGBのカバー率で99%ですので、さほど強調できません。
チラツキ対策は、 シンプルに、AMD FreeSync対応です。
画質面での補整機能は、特段強調するものはないです。
あえて言えば、フリッカー対策がある程度です。
接続端子は、HDMI2.0×2・DPとUSB-Cです。
一方、USB-Cですが、65W給電には対応しますが、(DP1.4互換ではないので)リフレッシュレートは60Hzである点に注意してください。
もちろん、マイナスではないです。
ディスプレイスタンドは、チルトのみです。
スピーカーは、未付属となります。
保証期間は、同社は、長期保証に未対応です。
この部分で値段が安いとは言えます。
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以上、ジャパンネクストのJN-39VCG165WQHDR-C65W の紹介でした。
保証面や品質は大手にかなわないにせよ、格安の大画面曲面モニターとして、需要がありそうです。
ただ、3000Rという相当緩やかなカーブですので、ゲーミング用に没入感はやや得にくいとは言えますが、38.5インチの大画面なので、あまり大きな差にもならないかと思います。
FreeSyncの対応状況や応答速度の部分で「本格的なゲーミング用」とは言えませんが、「大画面曲面モニター」を格安で、という場合には、選択肢にできるかと思います。
【2021年発売】
【31.5インチ・曲面モニター】
45・AOC C32G2E/11
¥27,500 Amazon.co.jp (10/31執筆時)
【27インチ・曲面モニター】
46・AOC C27G2X/11
¥19,980 Amazon.co.jp (10/31執筆時)
【23.6インチ・曲面モニター】
47・AOC C24G2/11
¥16,800 Amazon.co.jp (10/31執筆時)
周波数:最大165.0Hz
曲率:1500R
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:250cd/u
液晶方式: VAノングレア
コントラスト比:3000:1
同期技術: FreeSync Premium
応答速度:1ms(MPRT)
HDR:対応
USB給電:
接続端子:HDMI×2 D-sub DP
スタンド:前後左右・高さ【VESA100mm】
スピーカー:
保証期間: 1年(本体は3年)
C32G2E/11は、米国のAOCの発売する31.5インチモニターです。
他サイズもありますが、画面サイズなどの性能は同じです。
モニター解像度は、本機も、1920×1080のフルHD画質です。
曲率は、一方、1500Rなので、きつめです。
液晶パネルは、VA液晶です。
コントラストがあげやすく「黒が締まる」ので「映像美」に優れます。視野角も178度と広いです。
一方、「ギラツブ」とも呼ばれる独特の粒状感があるので、近接視聴だと目が疲れやすい部分があります。
ただ、本機は曲面で、そもそも、他機以上に(もともと)仕事に向かないので、問題ないでしょう。
リフレッシュレートは、最大165.0Hzとなります。
チラツキ対策は、 FreeSync Premiumに対応します。
応答速度は、MPRT値で1msと出ています。
GtoGは不明ですが、他社の事例を参考にすれば、2-4msあたりだとは思います。
HDRは、対応です。
ただ、無印なので、HDR10などの規格には非対応です。
一方「あらゆる映像をHDR」するHDRエフェクトモードが搭載です。
他社も採用するSD画質の強化技術でしょう。
画質面での補整機能は、黒挿入技術など、上位技術は未採用です。
「ゲーム用」に、暗部補正(シャドウコントロール)がみられる程度です。
「目の優しさ」についても、最低限、フリッカー対策はなされる程度です。
接続端子は、HDMI×2 D-sub Display portという構成です。
いずれも、ケーブルが付属です。
本機は、Display Portでのみ高リフレッシュレートに対応できます。
ディスプレイスタンドは、フルスペックです。
さすがに曲面モニターなので縦表示はできないですが、問題ないです。
ただし、31.5インチのみ、チルト調整のみです。
保証期間は、AOCは、パネルの保証が1年保証です。
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以上、AOCの C32G2E/11の紹介でした。
フルスペックのディスプレイスタンドを装備しつつ、価格が安いのが売りです。
きつめのカーブである部分は注意点ですが、コスパは良さそうです。
次回に続く!
ゲーミングモニターのおすすめはこの機種!
というわけで、今回は、曲面のゲーミングモニターを全3回にわたって見てきました。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
1・格安ゲーミングモニターの比較
レート:144Hz -165Hz
解像度:フルHD
予算:2万円〜
2・高速ゲーミングモニターの比較
レート:240Hz -390Hz
解像度:フルHD
予算:3.5万円〜
3・2.5Kゲーミングモニターの比較
レート:144Hz--240Hz
解像度:WQHD
予算:4万円〜
4・4Kゲーミングモニターの比較
レート:144Hz
解像度:4K
予算:10万円〜
5・曲面ゲーミングモニターの比較
レート:144Hz〜165Hz
解像度:フルHD WQHD UWWQHD
予算:3万円〜
6・ゲーミングモニターまとめ
=最終的なおすすめ機種の提案
液晶のみやすさ ★★★★★
スタンドの性能 ★★★★★
応答速度 ★★★★★
リフレッシュレート ★★★★★
品質保証 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
ゲーミングモニターの比較として、全体の最終回となる最終回記事(こちら)では、記事全体の「結論」として、価格別・目的別に、Atlasのおすすめ機種を提案していきたいと思います。
引き続きよろしくお願いします。
最終回記事は→こちら