Top オーディオ製品 比較2025'【高音質】新型AVアンプ31機の性能とおすすめ・選び方【初心者〜上級者】(3)

2025年06月14日

比較2025'【高音質】新型AVアンプ31機の性能とおすすめ・選び方【初心者〜上級者】(3)

1回目記事からの続きです→こちら

3-1・JBLのAVアンプ

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 3回目記事のトップバッターは、米国のJBLのAVアンプです。

 ハーマンインターナショナルの系列の老舗のオーディオブランドです。

 AVアンプのイメージはなかったのですが、2024年に日本展開をはじめました。 

1・AVアンプの比較記事 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:ヤマハ
 1-3:ソニー
2・AVアンプの比較記事 (2)
 2-1:DENON
 2-2:マランツ
 2-3:オンキヨー
3AVアンプの比較記事 (3)
 3-1:JBL
 3-2:パイオニア
 3-3:最終的なおすすめの提案【結論】


 なお、今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿いながら、各機をみていきます。

ーー

 なお、今回も、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。


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 【2024年発売】

 28・JBL MA710 WHT MA710WHTJN
  ¥105,904 楽天市場 (6/14執筆時)

チャンネル数:7.2ch
定格出力:各110W (8Ω)
実用最大出力:190W (1k1ch/6Ω)   
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:Dolby Atmos
HDMI入力:7系統 (eARC)
HDMI出力:3系統
オーディオ:光2 同軸2
ネットワーク:BT 5.4 Wi-Fi5 有線LAN
サイズ:幅435x高さ171x奥行372mm

 JBL MA710は、同社の販売するAVアンプです。

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 マニュアルを見ると、5.1chのJBL MA310の展開、あるいは、黒筐体の展開もあるようですが、今のところ、日本では未発売です。 以前のRX-A770の後継機です。

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 本体サイズは、幅432x高さ109.2x奥行347.6mmです。

 マランツと並んで、背が低く、設置性は良いといえます。

 デザインは、ダイヤルが透明なクリスタル仕様で、今までのアンプにはない結構モダンな感じです。

 ここは好き嫌いがあるかもしれません。

 チャンネル数は、最大7.2chです。

 テレビ出力は、8K及び、4K/120pに対応します。

 ゲーム用の自動遅延モード(ALLM)・可変リフレッシュレート(VRR)クイックフレームトランスポート(QFT)などもパススルーします。

 本機も、仕様としては新しいです。

 アンプのパワーは、各スピーカーに対して、定格出力が110W(8Ω)です。

 実用最大出力は、190Wです。

 後発の利点もありますが、各社のこのクラスの製品と比べて、少しパワフルにしています。

 一方、パーツ部分では、低ノイズクラスDアンプの採用に言及があるほどで、この部の説明は、割とあっさりです。

 再生周波数帯域は、情報がないです。

 ハイレゾ音源は、ただ、対応です。

 HDMIでも、192kHz/24bitを扱える仕様ですので、4Kブルーレイ(Ultra HD)でも問題ないです。

 ただし、オーディオ関係の音質のアップコンバート機能は、表明がないです。

 サラウンド技術は、Dolby AtmosDTS:Xに対応です。

 仮想的なサラウンド再生は、DTS Neural:Xによる対応で、最高7.1.4chです。

 接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が7系統、HDMI出力(TVへ)が3系統です。

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 光・同軸も2系統ですし、小型筐体にしては充実します。

 これに、音声入力用の光端子が1つ、同軸端子が2つ付属する構成です。

 本機も、HDMIはeARC仕様です。最近は対応が常識になってきました。

 ネットワーク機能は、Bluetooth5.4Wi-Fi5が搭載です。

 構成は新しいです。

 一方、AppleのAirPlay 2とGoogleのChromecast Built-inに対応しますが、DLNAは対応表記がないです。

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 Bluetoothは、SBCAACほか、Apt-X系が、Apt-X HDとAdaptive対応です。

 そちらで、Flacほかのハイレゾ再生に対応させる方向性です。 

 ストリーミングは、発売時、Spotify ConnectとノルウェーのTidal Connectは対応との表記です。

 なお、音声操作は、Googleアシスタントにて対応できます。

 ラジオは、非対応です。

 セッティングは、内蔵マイクと、同社のEZ SET EQアプリを利用することで可能です。

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 以上、JBLJBL MA710の紹介でした。

 小型筐体ですので、マランツの中級機がライバルです。

 若干、音周りの説明が少なめですが、仕様として言えば、全体としてそつのない構成ですし、パワー面の余裕もあるのでデザインを含めて同社のシアターシステムと、合わせるのには良いでしょう。


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 【2024年発売】JBLMA9100HPWHTJN

 29・JBL MA9100HP WHT
  ¥221,437 楽天市場 (6/14執筆時)

チャンネル数:9.2ch
定格出力:各140W (8Ω)
実用最大出力:240W (1k1ch/6Ω)   
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:Dolby Atmos
HDMI入力:6系統 (eARC)
HDMI出力:2系統
オーディオ:光1 同軸1
ネットワーク:BT 5.4 Wi-Fi5 有線LAN
サイズ:幅432x高さ134x奥行396.4mm

 MA9100HP WHT  は、JBLの販売するAVアンプの日本における最上位機です。

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 本体サイズは、幅432x高さ134x奥行396.4mmです。

 同社の下位機種ほどではないですが、9.2ch機として言えば、やはり最小クラスでしょう。

 この部分を狙っての開発に思えます。

 チャンネル数は、最大9.2chです。

 テレビ出力は、8K及び、4K/120pに対応します。

 ここの仕様は下位機と変わりません。

 アンプのパワーは、各スピーカーに対して、定格出力が140W(8Ω)です。

 実用最大出力は、240Wです。

 いずれも十分で、このクラスの平均値はあります。

 接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が6系統、HDMI出力(TVへ)が2系統です。

 同軸、光は1つずつです。

 ライバル社の同クラス機、あるいは、同社の下位機種より少ないです。

 ただ、筐体とのバランスをとった結果でしょう。また、一般的に問題のない数と言えます。

 あとの部分は、上位機と比べて言及したい違いはないです。

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 以上、JBLMA9100HP WHT の紹介でした。

 上位機同様に、20万円前後の9.2ch機として「そつのない構成」の製品に思います。パワーは、このクラスだと他社も良いので、その部分での個性はさほど目立たないです。

 その点では、やはり、主には、同社のスピーカーでシステムを組みたい方以外に選ぶ理由は乏しいかもしれません。

 ただ、特に、高さの方向性で、ここまで小型な機種はなかったので、マルチチャンネル環境を作りたいが、そこを課題に感じていた場合、割と良い候補とはなるでしょう。

3-2・パイオニアのAVアンプ

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 続いて、パイオニアのAVアンプです。

 既に見たONKYOとパイオニアは現在同会社の「別ブランド」となっています。

 パイオニアもONKYOと同じで新会社に移行し、TEACが代理店で日本に復活しました。


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 【2022年発売】

 30・ Pioneer VSX-LX305(B)
  ¥148,000 Amazon.co.jp (9/9執筆時)

チャンネル数:9.2ch
出力:各90W (8Ω)
実用最大出力:190W(1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応
立体音響:Dolby Atmos
HDMI入力:7系統 (eARC)
HDMI出力:2系統
オーディオ:光1 同軸1
ネットワーク:Wi-Fi Bluetooth4.2
サイズ:幅435x高さ173x奥行370.5mm

  VSX-LX305は、パイオニアの上級機となります。

 旧会社が出していたVSX-LX304の後継機となります。 

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 本体サイズは、幅435x高さ173x奥行370.5mmとなります。

 ONKYO機と比較して、高さが控えめで設置性は良いです。

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 チャンネル数は、この機種は、最大9.2chです。

 ONKYOのTX-RZ840と仕様は同じです。

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 テレビ出力は、4Kに対応し、HDR10 HLGにも対応します。

 8Kほかを含めて対応水準は同じです。

 一方、本機は、画像の部分で、Super Resolution(超解像技術)に対応し、フルHD画像を、8K相当にアップスケーリングする技術を乗せています。

 説明の仕方が微妙に分かりにくいです。しかし、アップスケールする際に、超解像技術(フレーム内処理)で補整をかけるという意味でしょう。これは、テレビ側に基本「任せられる」部分ですが、こうした補整が弱い傾向にあるプロジェクタなでも使う場合は、一定の意義はあるかもしれません。

 アンプのパワーは、一方、各スピーカーに対して90W(8Ω)です。

 充分なスペックですが、ONKYO機と比べると弱めです。サイズの関係でしょう。

 それでも内部の回路はしっかりフルディスクリート構成で、ノイズ対策はかなりしっかりしています。

 再生周波数帯域は、低音域方向(小さいほどスペックが良い)10Hzで、高音域方向(大きいほどスペックが良い)で100 kHz となっています。

 ハイレゾ音源は、対応が明示され、WAV/Flac/Alac/DSDなど主要コーデックに対応します。

 DSDは11.2MHz対応です。

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 サラウンド技術は、こちらも、Dolby AtmosDTS:Xの対応です。

 仮想的なサラウンド再生は、一方、本機は記載が見あたらないです。

 Dolby Surround・DTS Neural:Xなど、2.0chコンテンツを多チャンネルに再計算する技術はあります。リアスピーカーが設置できない場合などでも仮想化ができる技術(DTS Virtual:X)については、見た限り非対応のようです。

 接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が7系統、HDMI出力(TVへ)が2系統です。

 これに、音声出力用の光端子が1つ、同軸端子が1つ付属する構成です。

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 ネットワーク機能は、Bluetoothに加えて、Wi-Fiが搭載です。

 こちらも、DLNA規格には未対応ですが、radikoなどのサービスにもネイティブ対応する点などは、ONKYOと同じです。

 ラジオは、AM・FM・ワイドFMの対応です。

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 セッティングは、オンキヨー同様に、Dirac Liveに対応です。

 また、旧パイオニア時代からのAdvanced MCACCも同時に搭載とのことです。

---

 以上、パイオニアのVSX-LX305の紹介でした。

 ONKYOTX-RZ50と比べると、設置性は良いものの、アンプの出力の部分や、仮想化の部分で少し弱いかなと思う部分はある機種です。

ーーー

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 【2023年発売】VSA-LX805(B)

 31・ Pioneer VSA-LX805
  ¥368,000 Amazon.co.jp (9/9執筆時)

チャンネル数:11.4ch
出力:各140W (8Ω)
実用最大出力:260W(1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応
立体音響:Dolby Atmos
HDMI入力:8系統 (eARC)
HDMI出力:3系統
オーディオ:光3 同軸2
ネットワーク:Wi-Fi Bluetooth4.2
サイズ:幅435x高さ185.5x奥行468mm

 パイオニアの場合もONKYOと同じく、VSA-LX805(B)という最上位機が展開されます。

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 フラッグシップ機でいえば、ONKYO同級機よりも、出力・チャンネル数でを付けていて、シンプルにこの部分だけで言えば、パイオニアがです。

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 ノイズ対策は、ただ、先ほどの機種とおなじ、デジタルノイズを防ぐクリーングランド設計の言及こそあれ、ONKYOのが主張のある感じです。ピュアオーディオ的な繊細感の部分でもそうです。

 DENONとマランツの関係性と同じで、ここは、同一企業でも、方向性で差を付けています。

 パイオニアは、パワー重視なので、DENONとの比較になるでしょう。

 同じように、サブウーファー端子を4系統にして11.4chで、低音強化していますし。

 加えて、高音域の「抜け」に配慮を示している点が、米国で受け入れられるブランドらしく「らしい」と思いました。下位機種の傾向をひいて、派手目な音質といえますが、AVアンプは、基本、映像用ですので、「ハリウッド的」なコンテンツならば「あり」でしょう。

今回の結論
ホームシアター向けのAVアンプのおすすめはこちら!

 というわけで、今回は、各社のAVアンプを紹介しました。

 最後に、いつものように、Atlasのおすすめ機種を提案しておきます。


 第1に、比較的価格が安い、入門用のAVアンプとしておすすめできるのは、

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 【2023年発売】AVR-X1800HK

 12・DENON AVR-X1800H-K
  ¥60,000 Amazon.co.jp (6/14執筆時)

定格出力:各70W (8Ω)

 【2021年発売】

 13・DENON AVR-X1700H-K
  ¥54,490 Amazon.co.jp (6/14執筆時)

定格出力:各80W (8Ω)

チャンネル数:7.2ch
実用最大出力:175W (1k1ch/6Ω)  
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:Dolby Atmos
HDMI入力:6系統 (eARC)
HDMI出力:1系統
オーディオ:光2 同軸0
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi5 有線LAN
サイズ:幅434x高さ151x奥行339mm

アンプのパワー  ★★★★★
チャンネル数   ★★★★★
仮想サラウンド  ★★★★☆
ネットワーク再生 ★★★★★
設置性      ★★★★★
ノイズ対策    ★★★★☆
総合評価     ★★★★★

 デノンAVR-X1700Hでしょう。

 新機種が出ましたが、本文で書いたように、値段が安い内は旧機で良いかなと思います。ポジティブな変化は、Bluetoothのバージョンアップが目に付くほどなので。

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 本体サイズは、さほど小型ではないですが、専用のラックには十分入ります。

 映像出力は、4K HDR・8K/60P・4K/120Pを通せる上で、eARC接続ができると長く使えると言えます。

 こちらは、全て対応できます。

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 音声出力は、各スピーカーに、スペック表では80Wですが、8Ωの数値です。

 実用最大出力は175Wですし、本機はパワフルです。

 DENONは、この部分が「売り」なメーカーで、記事でも書いたように、AVアンプには向いたブランドだと思います。

 また、本機のようなわりと安めの機種も、この部分を重視しているため、安心感もあります。

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 また、(部屋の配線が邪魔なので)リアスピーカーを置きたくない場合も、(他社技術ながら) Dolby Atmos Height VirtualizerDTS Virtual:Xにです。

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 【イネーブルドスピーカー】

 ・DENON SC-EN10
  ¥10,809 Amazon.co.jp (6/14執筆時)

 ただ、Dolby AtmosDTS:Xの対応である点を活かして、(センタースピーカーの上に載せる)超小型なスピーカーを導入し、リアルな立体音響とするのも面白いでしょう。

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 利便性の部分でも、Bluetoothほか、本機はWi-Fiが装備されます。

 そのため、スマホやPCから、CD音質以上のグレードでワイヤレス転送できます。

 その上で、機器自体がAmazon MusicSpotifyの二強に公式対応する点も大きいでしょう。

 特にAmazonについては【Amazon Alexa端末の比較記事】で紹介したような、同社の端末を別に買えば、音声入力で楽曲の再生が指示できるため、相当便利なジュークボックスになると思います。

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 セッティングも、多チャンネルスピーカーは、位置合わせが面倒です。

 本機は、マイクを利用して音場設定を補正できるAudyssey MultEQ XTが付属ですし、この部分でも問題を感じません。

 サイズ的な問題がないならば、比較的安めのAVアンプとしては、本機がおすすめです。

ーーー

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 【2020年発売】

 1・ヤマハ RX-V4A
  ¥38,547 Amazon.co.jp (6/14執筆時)

チャンネル数:5.1ch
定格出力:80W (6Ω)
実用最大出力:141W(1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:
HDMI入力:4系統 (eARC)
HDMI出力:1系統
オーディオ:光1 同軸1
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅435x高さ171x奥行377mm

 ただ、予算的にすこし「厳しい」という場合は、ヤマハの入門機を推します。

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 5.1chですが、Wi-Fiを含めたネットワークを装備した上、8K/60P、4K/120P、eARCに対応します。

 こうした部分の対応がないと、将来陳腐化しそうな部分を押さえますし、値段的にもお得でしょう。


 第2に、設置性が良く、音質もワンランク上の高性能機として長く使えそうな機種は、

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 【2022年発売】NR1711後継機

 20・マランツ CINEMA 70S/FN
 21・マランツ CINEMA 70S /FB
  ¥100,064 Amazon.co.jp (6/14執筆時)

チャンネル数:7.2ch
定格出力:各50W (8Ω)
実用最大出力:100W (1k1ch/6Ω)    
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:Dolby Atmos
HDMI入力:6系統 (eARC)
HDMI出力:1系統
オーディオ:光1 同軸1
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅442x高さ109x奥行384mm

アンプのパワー  ★★★★☆
チャンネル数   ★★★★★
仮想サラウンド  ★★★★☆
ネットワーク再生 ★★★★★
設置性      ★★★★★
ノイズ対策    ★★★★★
総合評価     ★★★★★

 マランツCINEMA 70Sでしょう。

 多チャンネル機で薄い製品は、JBL機も出ておりそちらと悩みました。

 音の面でも「主張」が多いのと、日本での発売歴の部分での(継続)信頼性の部分で(今は)こちらを推します。ただJBLでスピーカーごと揃える場合、そちらでも良いように思います。

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 本体サイズは、幅442x高さ109x奥行384mmなります。

 本機も設置性の良いタイプですし、AVアンプの問題点である、「家族のひんしゅくを買うでかさ」という大きな問題が片付きます。

 音質面も、「スピード感」が同社のある種の哲学ですが、それを感じられる構成でしょう。

 アンプは、50Wと少しパワーが低いですが、先述のように8Ω時のスペックですし、実用最大出力が100W(6Ω)です。

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 このブログの【ホームシアター用スピーカーの比較記事】で紹介しているようなものならば、全チャンネルとも問題なく鳴らせると思います。

 映像出力も、4K・8Kに対応し、接続のeARC対応です。

 音声出力では、7.1chを構成できる機種で、Dolby Atmos対応です。

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 【イネーブルドスピーカー】

 ・DENON SC-EN10
  ¥11,809 Amazon.co.jp (6/14執筆時)

 最近流行の超小型のイネーブルドスピーカーは、兄弟ブランドのデノンからも出ています。

 本機で、上からの振り下ろし音を再現できる5.2.1chにチャレンジするのも面白いでしょう。

 必要な基材は、【ホームシアタースピーカーの比較記事】でも紹介しています。

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 音楽ストリーミングも、充実度が高いです。

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 なお、こうした「聴き放題サービス」をまだお試しでない方は、Amazon Music Unlimited30日間無料体験を登録して、自分に合った楽曲が利用できるか試すのは「あり」でしょう。

 本機も、CD音質やハイレゾ音質をサポートするAmazon Music HDに対応に公式対応していますので。

 聴き放題サービス自体は、スマホ・PC・Macで試すことができます。このサービスと加入については、【Amazon Music Unlimitedの説明サイト 】をご覧ください。

 またこのブログでは【Amazon Echoの比較記事】で割と詳しく書きました。


 第3に、10万円前後の高級機で本格的なシアターシステムを整備したいならば、

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 【2022年発売】VR-X2700H-K後継機

 14・DENON AVR-X2800H-K
  ¥82,920 Amazon.co.jp (6/14執筆時)

チャンネル数:7.2ch
定格出力:各95W (8Ω)
実用最大出力:185W (1k1ch/6Ω)   
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:Dolby Atmos
HDMI入力:8系統 (eARC)
HDMI出力:2系統
オーディオ:光2 同軸0
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅434x高さ167x奥行341mm

アンプのパワー  ★★★★★★
チャンネル数   ★★★★★
仮想サラウンド  ★★★★☆
ネットワーク再生 ★★★★★
設置性      ★★★★☆
ノイズ対策    ★★★★★★
総合評価     ★★★★★★

 複数のおすすめがあります。

 第1に、全機ともリアルなスピーカーで構成する前提ならば、DENON AVR-X2800H-Kでしょう。

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 本体サイズは、幅434x高さ167x奥行341mmです。

 まあ、「大きい」ですが、AVアンプを導入するのには必須の関門です。

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 音質面では、同社の下位機種でも先述のようにパワフルでした。

 本機についても、実用最大出力としては、185Wを誇ります。

 電源供給を2系統にするなど、同社の下位機種と仕組み上の差もあるため、上位機を選ぶ意義もありそうです。

 映像出力では、4Kに対応し、HDR10・DOLBY Visonに対応します。

 仮想サラウンドも、下位機種同様に対応しますし、Wi-Fi・Bluetoothも同水準です。

 こうした点で、5万円以上の予算と、設置スペースが確保できる場合は、本機が良いかと思います。

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 【2022年発売】

 9・SONY STR-AN1000
  ¥103,370 Amazon.co.jp (6/14執筆時)

チャンネル数:7.2ch
定格出力:各100W (6Ω)
実用最大出力:165W (1k1ch/6Ω)    
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
ドルビー:Dolby Atmos
HDMI入力:6系統 (eARC)
HDMI出力:2系統
オーディオ:光1 同軸1
ネットワーク:BT Wi-Fi5 有線LAN
サイズ:幅430x高さ156x奥行331mm

アンプのパワー  ★★★★★
チャンネル数   ★★★★★
仮想サラウンド  ★★★★★★
ネットワーク再生 ★★★★★
設置性      ★★★★☆
ノイズ対策    ★★★★★
総合評価     ★★★★★★

 第2に、フロントスピーカーは置けそうだが、リアが無理のような場合は、ソニーのTR-AN1000が候補となります。

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 新機軸の360 Spatial Sound Mappingに対応しており、自社の仮想化技術による再計算で、最大7.1.4ch相当の再生を可能にしますので。

 出力と値段部分は、デノンに負けるといえるため、リアルに組む場合はデノンで良いかと思います。

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 ただ、BRAVIAの内蔵スピーカーと組み合わせる場合(アコースティックセンターシンク)ほか、そうでなくても、センタースピーカーの高さを仮想的に調整できるのは、結構、気を使う部分への配慮として評価できます。

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 音楽ストリーミングサービスも、本機はWi-Fi装備で、AirPlay2Chromecast built-in双方に対応するので、スマホと連携させつつ、だいたいの音楽サービスを利用できるでしょう。

ーーー

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 【2021年発売】

 6・ヤマハ AVENTAGE RX-A4A
  ¥126,527 楽天市場 (6/14執筆時)

チャンネル数:7.2ch
定格出力:各110W (6Ω)
実用最大出力:170W (1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:Dolby Atmos
HDMI入力:7系統 (eARC)
HDMI出力:3系統
オーディオ:光2 同軸1
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅435x高さ191x奥行442mm

アンプのパワー  ★★★★★
チャンネル数   ★★★★★
仮想サラウンド  ★★★★★★
ネットワーク再生 ★★★★★
設置性      ★★★★☆
ノイズ対策    ★★★★★
総合評価     ★★★★★★

 ただ、YAMAHARX-A1080-H仮想サラウンドは強い機種です。

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 仮想的な再生は、ドルビーアトモスなどと「重ねがけ」できるシネマ DSP HD3です。

 【ヤマハのDSPプログラムの説明サイト】にあるように、24種類のシネマDSP音場プログラムを選択可能ですし、この部分では、ソニーと甲乙付けがたいです。

 セッティングの部分と、ストリーミングへの対応幅の部分で、多少ソニーが良いかと思わなくもないですが、値段によっては、こちらでも良さそうです。

 AVアンプではありますが、(ピュア系の)音楽コンテンツを楽しむ場合は、ヤマハは定評があるので、その部分の好みでこちらを選んでも良いかと思います。


 第5に、スピーカーの実力を最大限に発揮するための高級機としては、

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 【2022年発売】

 15・DENON AVR-X3800H-K
  ¥130,000 Amazon.co.jp (6/14執筆時)

チャンネル数:9.4ch
定格出力:各105W (8Ω)
実用最大出力:215W(1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:Dolby Atmos
HDMI入力:6系統 (eARC)
HDMI出力:3系統
オーディオ:光2 同軸2
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅434x高さ167x奥行389mm

アンプのパワー  ★★★★★★
チャンネル数   ★★★★★★
仮想サラウンド  ★★★★☆
ネットワーク再生 ★★★★★
設置性      ★★★☆☆
ノイズ対策    ★★★★★★
総合評価     ★★★★★★

 デノンAVR-X3800H-Kでしょう。

 上位機もありますが、値段差と能力をふまえると、費用対効果が高いのは本機です。

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 本体サイズは、幅434x高さ167x奥行389mmなります。

 設置スペースが必要ですが、最大9.2chで、パワーを追求するならば、この部分は仕方ないです。

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 アンプのパワーは、最大出力で235W(6Ω)ですから、ヤマハ・マランツの高級機を含めて、20万円以下の機種でパワーの面で最も優秀なのは、本機でしょう。

 マランツは「パワー」に由来する「モンスター級の重低音」で売っていたブランドです。

 同社思想は、(ある種ピュアな音質より)パワー(とノイズ対策)が重要な意味を持つAVアンプとは相性が良いです。

 パワー以外の部分も、問題ない構成ですし、値段相応の実力を発揮してくれると思います。

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 ただ、繰り返しますが、仮想サラウンド技術の部分は、個性がないので、本当にリアルスピーカーで9.2chを構成しようという方にオススメします。

 とはいえ、デノンは、自社製のイネーブルドスピーカーもありますし、設置は、試しやすいですし、試したくなるとも思います。

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 【2024年発売】(特約店展開)

 16・DENON AVC-X6800H-K
  ¥375,028 ヤマダ電機(ネット) (6/14執筆時)

 【2020年発売】

 17・DENON AVC-X6700H
  ¥422,438 Amazon.co.jp (6/14執筆時)

チャンネル数:11.4ch
出力:各140W (8Ω)
実用最大出力:250W(1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:Dolby Atmos
HDMI入力:8系統 (eARC)
HDMI出力:3系統
オーディオ:光2 同軸2
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅434x高さ167x奥行389mm

 一方、個人だと、相当広いシネマルームをお持ちのエグゼクティブ層に限定されるかと思いますが、ミニシアタークラスの3D立体音響の環境構築を考えている場合は、選択肢として、11ch機はあり得るでしょう。

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 各社からこのクラスは出ていますが、シネマ用ならば、出力強化の部分に注目するべきでしょう。

 先述のように、同系列のマランツ機との差はあまりなくなって来た印象もありますが、AVアンプに伝統的に力を入れて、定期的に新機種を導入している上で、定評もあるDENONが良いかなと思います。

ーーー

 というわけで、今回はAVアンプの紹介でした。

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1・シアタースピーカーの比較
2・プリメインアンプの比較
3・AVアンプの比較
4・サウンドバーの比較
5・ミニコンポの比較

6・ステレオスピーカーの比較
7・ブルーレイプレーヤーの比較
8・ブルーレイレコーダーの比較
9・液晶テレビの比較
10・
家庭用プロジェクターの比較

 なお、今回同時に、シアター用のスピーカーを探しの方、このブログには、AVアンプにつなげて利用する、スピーカーを比較した記事もあります。。

 このほかこのブログ「モノマニア」では、シアター関係の家電について次のような記事もあります。

 これらの記事もよろしくお願いします。

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 (1回目からの続き記事なので、1回目記事をご紹介頂けるとなお嬉しいです!)

 ではでは!

posted by Atlas at 11:36 | オーディオ製品

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