1回目記事からの続きです→こちら
7-1・オーディオテクニカのイヤホン
7回目記事のトップバッターは、オーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホンです。
日本の老舗で、スタジオモニター用など、原音忠実性に重きを置いてきた印象があるメーカーです。
1・完全ワイヤレスイヤホンの比較(1)
1-1:選び方の基本の解説【導入】
1-2:アップル〈米国〉
1-2:ソニー〈日本〉
2・完全ワイヤレスイヤホンの比較(2)
2-1:BOSE〈米国〉
2-2:パナソニック〈日本〉
2-3:JVC〈日本〉
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較(3)
3-1:JBL〈米国〉
3-2:ANKER 〈米国〉
4・完全ワイヤレスイヤホンの比較(4)
4-1:Beats〈米国〉
4-2:ヤマハ〈日本〉
4-3:SHURE〈米国〉
4-4:Bang&Olufsen〈北欧〉
4-5:Noble Audio〈米国〉
5・完全ワイヤレスイヤホンの比較(5)
5-1:AVIOT〈日本〉
5-2:Final ag 〈日本〉
6・完全ワイヤレスイヤホンの比較(6)
6-1:Amazon 〈米国〉
6-2:Google 〈米国〉
6-3:ゼンハイザー〈ドイツ〉
6-4:DENON〈日本〉
6-5:AKG〈オーストリア〉
6-6:サムスン〈韓国〉
7・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (7)
7-1:オーディオテクニカ〈日本〉
7-2:ファーウェイ・シャオミ ほか
8・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (8)
=予算別・目的別のおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿いながら各機を説明していきます。
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また、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチだと思う部分を青字系で書きます。
【2022年発売】
91・ オーディオテクニカ ATH-TWX9
¥26,191 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域: 20Hz〜40kHz
コーデック:SBC AAC APT-X adaptive
3D音響:対応(360 Reality Audio)
個人最適化:対応
連続再生時間:6時間
ドライバー:5.8mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:5.4g×2
ATH-CKS30TW は、日本のオーディオテクニカが販売する完全ワイヤレスイヤホンです。
同社の現行製品では最上位機となります。
重量は、片側が5.4gです。
平均より軽い製品で、その部分も重視します。
イヤーピースは、割とこだわりがあります。
サイズが4種類あるほか、深さ部分で、写真のように3種類用意されています。合計12種類となります。
ただ、1回目の記事でみた3社のような(スマホやセンサーを利用した)フィッティング機能は未装備です。この部分は、新製品にしたらアナログではあります。
ドライバーは、5.8mmです。
平均値いえるサイズです。
音質面では、同社は、割と細かい内部構造を全部公開します。
とくに、強調するのは、3層マルチレイヤー振動板です、
硬軟3種類の素材を複合させたもので、剛性と振動抑制能力を強調します。
周波数帯域は、10Hz-40kHzです。
低音域を10Hzと表示します。(実際可聴できるかはともかく)低音域に、ある程度力を入れていることを、数字で示しています。
高音域もスペック的に「ハイレゾ対応水準」で音域は広いです。
ハイレゾ認証マークはないですが、後述するコーデックの部分を含めて、数字として対応といって問題ありません。
立体音響は、ソニー系の360 Reality Audioの認定製品です。
ただ、ソニー機と違って耳の形などに合わせた細かいカスタマイズには非対応です。
その点で言えば、高度に対応というわけではないです。
音漏れについては、本機もベント(孔)はありますが、気にする感じではないです。
音質のパーソナライズは、対応です。
360 Reality Audioの認定要件なので装備します。
同社のコネクトアプリで行い、ノイキャンなども含めて、耳の形から最適化します。
接続安定性の面では、本機も、Bluetooth5.2に対応します。
コーデックは、aptX Adaptiveに対応します。
可変ビットレート仕様で遅延が少ない映像視聴用のコーデックでもありますが、ハイレゾ転送にも対応できます。
ノイズキャンセリングは、本機は、(自動ではない)Wマイク式のノイズキャンセラです。
最近はこの価格帯でもWマイク式が標準化してきました。自社のノイキャン技術ではなく、やはり、クアルコム系のものです。精度は並以上ですが、独自機能はないです。
外音取り込みは、対応です。
マイクを通じて外音をいれる「ヒアスルー」を装備するほか、強度も5段階調整ができます。
連続再生時間は、6時間です。
充電ケース込みで、最大18.5時間です。ケースはQi規格対応で、ワイヤレス充電も可能です。
他社の水準より短い点は注意点です。充電も1時間です。
また、充電ケースは18時間分の電源です。
マイクは、こちらも搭載です。
コンデンサー型ではなくMEMSを採用し、ビームフォーミングにも対応するので、それなりに性能はよいです。
防水性は、IPX4相当です。
屋外の荒天でも利用できるでしょう。
音声アシスタントは、Amazon Alexaに公式対応です。
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以上、オーディオテクニカのATH-TWX9の紹介でした。
ノイキャンの部分は、汎用のSOCだとどうしても個性が出しにくいため、この値段の製品にするとイマイチです。
一方、サードパーティでは珍しくソニーの360 Reality Audioに対応で、そちらで、立体音響ができるのはポイントでしょう。ただ、ソニーの純正と比べて、今一歩、個性がほしいような気はします。
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【2023年発売】
92・ オーディオテクニカ ATH-TWX7
¥23,200 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域: 20Hz〜40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
3D音響:
個人最適化:連続再生時間:6.5時間
ドライバー:5.8mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:4.7g×2
なお、 ATH-TWX7は2024年に登場したATH-TWX9の下位機です。
重さは、4.7gです。
ショートスティック型としては軽いです。
コーデックは、SBC・AAC・LDACです。
クアルコム系ではなく、ソニー系になります。
ハイレゾは対応できますが、低遅延向きのコーデックがないという構成です。
あとの部分は、上で見た上位機と、明示的な違いは少ないです。
基本形状ほか、ドライバーサイズや、ノイキャンの仕様を含めて、スペック上、あまり変わりません。
ただ、360 Reality Audioの認定をとっていないのと、上位機では公開される(同社上位機ではお馴染みの)内部ユニットの分解図がないので、パーツレベルでは差があるのだと思います。
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結論的にいえば、上位機とどちらが「お買得」かは判断しかねる製品です。
スペック的に大きな部分では変わらないのでこちらが良さそうに思えますが、音響部分での仕様差がわからないので、その部分で、お買得かは判断しかねます。
翻して言えば、上位機が「高い理由」も分かりにくくなったので、もう少し違い(ランク)を明示的に示して欲しい気はしました。
【2024年発売】 スターウォーズコラボあり
93・オーディオテクニカ ATH-CKS50TW2
¥21,800 Amazon.co.jp (8/20執筆時)
【2019年発売】
93・オーディオテクニカ ATH-CKS50TW
¥12,450 Amazon.co.jp (8/20執筆時)
再生周波数帯域:5Hz-20kHz
コーデック:LC3、AAC、SBC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:15時間
ドライバー:9mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク式
防水性能:
重さ:7.2g×2
SOLID BASS ATH-CKS50TW2は、オーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホンです。
同社の「ソリッドバス」シリーズに属する製品です。
他製品はどちらかと言うとフラットな味付けが多いですが、このシリーズだけは、低音域(重低音)を強調した設計になります。
一方、旧機種が残ります。
メーカーとしては、マグネットに連動して電源が自動で入り切りできる「マグネティックスイッチ」を新機軸として強調します。
そのほか、新機種で、SOCが変更になった関係で、Bluetoothのコーデック対応が変わりました。
従来機は、クアルコム系(SBC AAC APT-X APT-X adaptive)でした。いずれにしても、ハイレゾコーデックは非対応でしたし、低遅延を重視する使い方でないならば、大きく影響はないものと思います。
一方、新機種は若干重さが多少軽くなっています。
バッテリー量は(基準が変わるので)比較不要ですが、新機種でノイキャンONでも15時間ですし、問題ないでしょう。
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結論的にいえば、音質面に影響する違いはないので、今の値段差ならば、旧機で良いでしょう。
あとは同じなので、同時にみていきます。
重量は、片側が8gです。
「重く感じてしまう」ギリギリの線を攻めている感じですが、最近の平均より重めです。
その分、ドライバが大きく、バッテリー量を増やしているため、性能とバーターではあります。
イヤーピースは、4サイズ同梱されています。
完全ワイヤレスイヤホンのための独自設計で、遮音性と装着感を増しています。
もちろん、特殊形状なので、消耗品は同社のものが必要です。
ドライバーは、9mmと大きめです。
ドライバー部分の再生周波数帯域の公開もあり、低音域が5Hz、高音域が20kHzです
スペック的にも、低音域を5Hz表示として、(実際可聴できるかはともかく)低音域に、メーカーとして相当力を入れていることを、数字で示しています。
なお、本機は、「360 Reality Audio」の認定製品です。
ソニー製品の紹介の部分で詳しく紹介したように、最近現れた3Dサラウンドの規格で、 Appleの「空間オーディオ」に相当するものです。
ただ、ソニーと違って、耳の形などに合わせた、細かいカスタマイズには非対応です。
ドライバーは、9mmです。
かなり、大きめで、低音を出すための工夫です。
外側に向けてダクト(ベント)があるので、音抜けにも配慮があり、籠もりにくい設計です。
ただ、このタイプは大音量にすると音が漏れやすいので、図書館など静粛性が求められる場所にはあまり向きません。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・Apt-Xのほか、aptX Adaptiveに対応しました。
本機の場合、ドライバー面でハイレゾ水準ではないのでその部分で意味はないですが、ゲームや動画を見る際の音ズレの予防などには良いでしょう。
むろん、機器(スマホなど)の規格対応は必要です。
接続安定性の面では、Bluetooth5.2であり、問題ありません。
ノイズキャンセリングについては、本機は対応ですが、1マイク式です。
あまり重視していないとは言えます。
連続再生時間は、ノイキャン利用時でも、最大15時間とかなり長いです。
この駆動時間ならば、バッテリーケースなしでもOKですが、結局、持ち歩きにはケースがないと困る場合が多いので、先述の「マグネティックスイッチ」より、ケースの軽量化などの工夫のほうが良いようには思いました。
また、付属の充電ケースは40時間の充電が可能ですが、持ち歩かないならばそこまでバッテリーは不要なので、「緊急充電」できる位の蓄電容量で軽いほうがむしろ良いです。
防水性は、生活防水(IPX4)です。
悪天候でも利用できます。
ただし、雨天のジョギングなどに使える、というわけではないです。
マイクは、搭載です。
外音取り込みモードも持ちます。また、タッチセンサー式ではないですが、本体のボタンを押せば、即座に外音取り込み(ヒアスルー)になる仕組みです。
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以上、オーディオテクニカのATH-CKS5TW2の紹介でした。
低音を重視した機種は、BOSEやJVCなどライバルが多いです。
最終的なおすすめは、最後に改めて考えたいと思いますが、それなりに納得感のある値段で、候補にできる機種の1つだと思います。
一方、これは低音自慢の他社機もですが、ベントの関係で大音量で音漏れが生じやすい部分と、少々重さ・大きさがある部分が注意点と言えます。
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一方、重低音重視の Solid Bassシリーズの下位機種は複数あります。
順番にみておきます。
【2024年発売】(ノイキャンあり)
94・オーディオテクニカ Solid Bass ATH-CKS30TW+
¥12,700 Amazon.co.jp (8/20執筆時)
【2022年発売】(ノイキャンなし)
94・オーディオテクニカ Solid Bass ATH-CKS30TW
¥11,500 Amazon.co.jp (8/20執筆時)
再生周波数帯域:5Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:6.5時間
ドライバー:9mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IP55
重さ:4.6g×2
第1に、 ATH-CKS30TW+です。
旧世代が残りますが、ノイキャンが非対応ですので差があります。
こちらは、ドライバーサイズと性能を上位機水準にしたまま、4.7gと小型・軽量化したモデルです。
9mmサイズのドライバーでこの重さというのはなかなか優秀です。
ノイズキャンセリングは、対応です。
発売時期と、利用するSocの関係で、上位機より良いWマイク式です。
利用できるコーデックは、こちらもSBC・AACです。
ただ、新機種は低遅延モードが用意されており、音ズレが起こりにくくなります。Bluetooth通信の安定性はそのかわり、利用時は落ちます。
外音取り込みは、対応します。
通話時、マイクを通して自分の声が聞きやすくなる、サイドトーン機能もあります。
マルチポイント接続も新機種は対応になりました。
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結論的にいえば、丸形に近い製品で大きなドライバーで、Wマイク式のノイキャンを搭載する機種は、大手ではあまり見られない構成なので、ニーズはあるでしょう。
その上で、低音を特にしっかり聞きたいという場合、マッチしやすいと言えます。
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【2019年発売】
95・オーディオテクニカ SOLID BASS ATH-CKS5TW
¥12,000 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-18kHz
コーデック:SBC AAC APT-X
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:15時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:
重さ:8g×2
一方、ATH-CKS5TWは、SOLID BASS シリーズの旧モデルになります。
ドライバーはこちらの方が少し大きめで、振動板素材も工夫のある複合材なので、面白みは感じます。
また、構造はだいぶ違って、こちらはダクトがない分、音漏れしにくそうです。ここは、音抜けの良さとバーターなので、新機種はそちらを選択したのだとは言えます。
本機もノイキャンに非対応である点が注意点です。
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【2023年発売】
96・オーディオテクニカ ATH-SQ1TW2
¥5,964 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
【2021年発売】
96・オーディオテクニカ ATH-CK1TW
¥5,964 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:6.5/7時間
ドライバー:5.8mm/4.9mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX5
重さ:4g/6g×2
このほか、SOLID BASSの名前を冠しない格安機が2系統あります。
いずれも、小型・軽量でIPX5相当の防水ではありま。
しかし、ドライバが同社製品としては小さく、どちらかといえば、(音質と言うより)装着性重視の格安機です。
コーデックの部分はSBCのみですが、ゲーム用に低遅延モード(Low Latency Mode)は、あるため、遅延については加減はされるでしょう。
7-2・他社の完全ワイヤレスイヤホン
最後に、HUAWEIや、Xiaomiを含めた、ここまで見ていない各社の製品のなかで、目についたものの一部を「ざっくり」解説していきます。
【2025年2月発売】
97・ HUAWEI FreeBuds Pro 4
¥26,800 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
【2023年7月発売】
97・ HUAWEI FreeBuds Pro 3
¥26,651 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:14Hz-48kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
3D音響:
個人最適化:対応
連続再生時間:5時間
ドライバー:11mm+平面
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IP54
重さ:5.8g×2
HUAWEI FreeBuds Pro 4 は、ファーウェイが販売する完全ワイヤレスイヤホンの上位機です。
旧機がのこります。
新機種は、イヤーチップがシリコン製以外に、形状記憶フォーム型が添付されるようになります。その上で、どの主のイヤーチップかを自動把握し、それぞれにノイキャンの最適化をなす機能が加わります。
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結論的にいえば、ドライバ周りや、ノイキャンを含めたハード面は旧機種も同じです。
ただ、現状の値段差ならば、素直に新機種で良いかと思います。特に、形状記憶フォーム型のイヤーチップを使う場合、パッシブな遮音性(静粛性)は上がっていますので。
そのほかは、だいたい同じなので、以下では同時にみていきます。
重量は、5.8gです。
ドライバの口径からすると、軽量化を「頑張っている」機種です。
イヤーピースは、大・中・小の3サイズが付属です。
先述のように、25年から一般的なシリコン製以外に、新型も添付です。
3層構造で、柔らかく伸縮性のある形状記憶フォームを採用するものです。
シリコン製よりぴったりとフィットできるので、遮音性は高まります。
なお、耐久面はやはりシリコンです。装着感もメモリフォームは好き嫌いがあるので、2種の添付にしているのだと思います。
音質面では、11mmのクアッドマグネットダイナミックドライバーを搭載します。
その上で、本機は、平面振動板ドライバーを持つデュアル構成です。
ダイナミックドライバ2個、あるいはBA(バランスドアーマチュア)との組み合わせという構成は他社にもみられますが、平面振動板との組み合わせは、完全ワイヤレスイヤホンでは「初」でした。AVIOTなど他社も採用がはじまりましたが、それでも目新しいです。
実際的に、こちらのドライバーは、高音域の能力を高めるための搭載です。周波数帯域も、14Hz-48kHzとハイレゾ水準を達成します。
低音側のスペックも高いです。
なお、ファーウェイは6か所のオーディオラボを持ちますが、もともと音響企業ではないので、音のチューニング(EQ)の部分はフランスのDevialetの協力です。
以前、米国のベルキンもスピーカーを出すときに協力関係にあり、紹介したことがあります。
音質のパーソナライズは、対応です(インテリジェントANC2.0)。
ノイキャン部分の説明とも被りますが、耳穴の構造を見ながらリアルタイム処理での音声チューニング処理の言及があります。
方向性としては、ヤマハの仕組み(リスニングオプティマイザー)に似たものとして理解できるかと思います。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・LDACです。
ソニーと同じで、LDACコーデックでハイレゾ対応機としています。
Apt-X系列は非対応です。
立体音響は、一方、特別な対応に対する言及はないです。
通信安定性の面では、Bluetooth 5.2です。
問題ありません。
ノイズキャンセリングは、Wマイク式(自動)です(インテリジェント・ダイナミック ANC 3.0)。マイクは、内側に1つ、外側に2つあります。
また、3種類ではありますが、ソニー同様に、 センサーが検知したシーンに応じて、かかりが調整されます(ダイナミックANCモード)
マイクは、外耳道の構造を見て、装着状況に合わせた調整(特に音圧)も自動でします。ヤマハの「リスニングケア」と同じ方向性でしょう。
なお、(新型のソフト耳せんの効果による)パッシブな遮音は、同社によると30%の口上です。ノイキャンによる、アクティブな遮音性は同じです。
連続再生時間は、ノイキャンを利用して5時間です。
LDACだと4.5時間とのスペックです。
平面ドライバーは、電気を食う部分もありスタミナはイマイチです。
ケースは、AACとの併用で、18時間分のバッテリーです。
マイクは、搭載です。
本機は、形状的にも「ヘッドセット」的なビジネス用を探している方もターゲット層にしていると言えます。
性能面でも、先述の3つのマイクほか、ソニー同様の骨伝導(骨振動)センサーを利用して情報をとり、同社のディープラーニング技術を利用したアルゴリズムで、ノイズを打ち消します。
風切り音を押さえつつ、通話品質を高めます。この部分は(スマホ企業だけに)たいへん高度です。
複数の端末の待ち受けができるマルチポイントにも対応します。
もちろん、外音取り込みモードも装備します。
防水性は、IP54相当です。
豪雨程度に対応するほか、一定の防塵性ももつというスペックです。
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以上、HUAWEI FreeBuds Pro 3 の紹介でした。
平面振動板ドライバーというドライバー自体の独自の工夫を持つ上で、音響をずっとやってきた企業い及ばないEQの部分は、他社との協力で強化し、バランスの良い製品に仕上げていると思います。
値段面で、競合機にくらべて特段安い機種ではないのですが、マイクやノイズキャンセル部分を含めて、値段に見合う性能を持つ機種に見えます。
ドライバーが小さい機種を除き、ハイレゾ対応機で、ここまで軽い機種というのはないので、同社のスマホユーザー以外にも、人気は出そうに思えます。
あえて言えば、「空間オーディオ」を含めた新しい音源への対応は、今後の課題かもしれません。ハイレゾは(ちっとも)普及せず、そちらにトレンドが移行しそうな感じがあるので。
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このほか、HUAWEIの製品で、目に付いたものを順番にみておきます。
【2025年発売】
98・ HUAWEI FreeBuds 6
¥19,818 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:14Hz-48kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
3D音響:
個人最適化:対応
連続再生時間:5時間
ドライバー:11mm+平面
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク式
防水性能:IP54
重さ:4.9g×2
第1に、FreeBuds です。
同社製のスマホユーザー向けの中級機です。
タイプは、こちらは、カナル型(密閉型)ではなくインナーイヤー型(開放型)です。
音漏れがあるタイプである点に注意が必要です。
重さは、4.9gと軽めです。
ショートスティック型としては、小柄と言えます。
ドライバーは、11mm+マイクロ平面振動板です。
先ほどの機種と同じ構成ですが、平面振動板のほうに「マイクロ」表記が加わります。
駆動面積比の広さが強調されます。ただ、おそらく、この部分は上位機(Pro)と同じユニットなのではないかと思います(=上位機も表記がないだけでマイクロ)。
いずれにしても、ショートスティック形状とはいえ、この重さで、デュアルドライバーを採用しているのは、引き続き優秀です。
周波数帯域も、上位機とおなじ表記であり、ハイレゾにも対応です。
コーデックも、SBC AACとLDACですから、しっかり対応できます。
ノイズキャンセリングは、一方、インナーイヤーANCという記載です。
先述のように本機は、「開放型」で耳に引っ掛けるタイプです。
通常そういった製品にノイキャンは付かない場合が多いですが、本機はつけています。
今回の区分では1マイク式と言えます。
仕様詳細は、ファーウェイ側の説明からは分かりません。
マイクは、先述の骨伝導技術は未装備です。
マイク用のノイズキャンセリング技術はありますが、差はあるでしょう。
マルチポイントと外音取り込みには対応します。
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結論的にいえば、ドライバー周りの新規性(面白さ)は上位機と変わりません。
その上で、「開放型」の装着感を求めるならばこちらです。
ただ、音漏れの部分は承知してください。
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【2024年発売】
99・ HUAWEI FreeBuds 6i
¥10,764 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:14Hz〜40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
3D音響:
個人最適化:対応
連続再生時間:5時間
ドライバー:11mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IP54
重さ:5.4g×2
第2に、FreeBuds 6iです。
FreeBuds 6より先行発売していた2024年製品です。
こちらは、普通に(最上位機と同じ)普通の密閉型です。
重さは、こちらも5.4gと軽めです。
ドライバーは、ただ、11mmのダイナミックドライバーです。
こちらはマイクロ平面振動板ドライバーは未装備になります。
とはいえ1ドライバーですが大きめで、低音域を含めた音域の広さを売りとします。
ハイレゾにも対応です。
コーデックは、SBC AACとLDACです。
ノイズキャンセリングは、Wマイク式(自動)です。
最上位機と同じインテリジェント・ダイナミック ANC 3.0という機能名です。
リアルタイム自動処理をしている点で、高度です。
マイクは、先述の骨伝導技術は未装備です。
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結論的にいえば、ドライバー周りの新規性(面白さ)は上位機ほどないです。ただ、マグネット強化した大きめのドライバーを採用しており堅実な構成です。
若干広めのベント(孔)があるので、完全に静粛な場所での音漏れ抑制はできなそうですが、開放型ではないのでごく普通の環境での利用ならば、利用も問題ないでしょう。
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【2025年発売】
100・ HUAWEI FreeArc
¥10,764 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz〜20kHz
コーデック:SBC AAC
3D音響:
個人最適化:対応
連続再生時間:5時間
ドライバー:17×12mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IP54
重さ:8.9g×2
第3に、HUAWEI FreeArc です。
この形は他社にも多くありましたが、オープンイヤーの開放型です。
そちらと同じで、形状記憶合金(ニッケル系)をイヤーフックに使って、フィットさせる形状です。
重さは、8.9gと軽めです。
イヤーフック込みの重さなので問題ないです。
ドライバーは、ただ、12×17mmのレーストラック型の1ドライバーです。
楕円形にして振動面積を稼ぐもので、最近割と見かけます。
コーデックは、SBC AACです。
ハイレゾは非対応です。
ノイズキャンセリングも非搭載です。
マイクは、装備します。
通話に使えます。外音取り込みは(そもそも外音は常時はいるので)ありません。
防水性は、IP57です。
防塵性も担保されます。
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結論的にいえば、同社のスマホユーザー以外はあえて選ぶほどの特徴はないですが、逆に同社のスマホユーザーで、スポーツ用に、オープン型を探している場合、候補にできそうです。
ただ、音漏れしますし、ノイキャンはないので、通勤通学などの兼用には向きません。
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【2024年発売】
101・ HUAWEI FreeBuds SE 3
¥5,699 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz〜20kHz
コーデック:SBC AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:9時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IP54
重さ:3.8g×2
第4に、 HUAWEI FreeBuds SE 3です。
同社の入門機です。
重さは、3.8gと軽量・小型です。
ドライバーは、小型機の割に10mmと大きめです。
ただ、ノイキャンは未付属です。
外音取り込みはでき、マイクも搭載です。
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結論的にいえば、小さめで探していて、使い方として、ノイキャンが確実に不要ならば、入門機としては選択肢になるでしょう。
ノイキャンがないのとスティック型である利点で、ドライバーが大きくできているため、音質面も、入門機としては期待できます。
【2024年2月発売】
103・ HUAWEI FreeClip
¥24,000 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:14Hz-48kHz
コーデック:SBC AAC L2HC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:8時間
ドライバー:10.7mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IP54
重さ:5.6g×2
HUAWEI FreeClip も、ファーウェイが販売する完全ワイヤレスイヤホンです。
方式は、オープンイヤーです。
JBLでみた製品と同じで、逆相異の音(逆音波システム)で、漏れた音を打ち消す仕組みはありますが、音漏れはあると言えます。
これは、米国製品もを含めて海外製品全般に言えますが、家電において、日本とは「静音」という感覚が少し違うように思います。
重量は、5.8gです。
軽いです。
装着も、ニッケルチタン形状合金で、しなやかさを保ちつつ曲がるように設計されます。
本製品が「受けている」のはここで、耳への圧迫感がかなり少なく調整できるのが良い点です。
イヤーピースは、不要です。
ドライバーは、10.7mmのデュアルマグネットドライバーです。
デュアルドライバーではなく、マグネットが二重という意味ですが、解像感を増すための工夫になります。
音質のパーソナライズは、機能性の表明はありません。
Bluetoothコーデックは、SBC AAC L2HCです。
L2HCは、ファーウェイの独自規格で、ハイレゾ相当の伝送ができるとされます。ただ、対応する再生機器が日本だと(執筆時)ないです。
立体音響は、特別な対応に対する言及はないです。
通信安定性の面では、Bluetooth 5.3です。
新しめであり問題ありません。
ノイズキャンセリングは、オープン型なので未装備です。
次に見る同社の製品ほか、ゼンハイザーなど例外的な製品はありますが、セミオープンやオープン型の場合、基本このような仕様です。
連続再生時間は、8時間です。
マイクは、搭載です。
スマホ販売企業らしくここはこだわりがあり、本機も、しっかり骨伝導(骨振動)センサーを利用する方式です。
複数の端末の待ち受けができるマルチポイントにも対応します。
もちろん、外音取り込みモードも装備します。
防水性は、IP54相当です。
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以上、HUAWEI FreeClipの紹介でした。
装着感の部分の工夫が光ります。あとの部分は、逆音波システムの部分と、マイク部分の仕様が豪華なのが目立ちます。
こうした部分で言えば、主には、仕事で利用する方に向く機種でしょう。ある程度の音漏れも平気な環境という部分で言えば、テレワークや喫茶店などのノマドワークには使えそうです。逆に、ノマドワークでも、自習室のような場所では使わない方が良いと言えます。
【2025年発売】
104・ Xiaomi Buds 5 Pro (Bluetooth版)
¥24,980 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
104・ Xiaomi Buds 5 Pro (Wi-Fi版)
¥27,980 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:15Hz-50kHz
コーデック:SBC AAC AptX LL ほか
3D音響:対応(自社方式)
個人最適化:
連続再生時間:8時間
ドライバー:11mm+平面+ピエゾ
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IP54
重さ:5.6g×2
Xiaomi Buds 5 Proは、シャオミが販売する完全ワイヤレスイヤホンの最上位機です。
こちらは、ブラックのみ、Bluetooth+Wi-Fi対応になります。
詳しくは、後ほど書きます。
重量は、いずれも、5.6gです。
軽くしやすいショートスティック形状ですし、こちらも問題ない重さです。
タイプは、普通のカナル型で、同梱のイヤーチップを用いるものです。
ドライバーで、11mmです。
大きめのドライバーですが、その上で、中音域用のセラミック(ピエゾ)トゥイーターと、高音域用のプラナードライバー(平面駆動ドライバー)から構成される3ドライバー仕様です。
イヤホンの場合「音の継ぎ目」の問題があるので「多ければ多いほうが良い」わけでもないですが、示される周波数帯域の広さからしても、個性は相当ありますし、面白いです。
音質のパーソナライズは、耳に合わせたフィッティングなどの記載は見られません。
Bluetoothコーデックは、SBC AAC APTX(LL Adaptive)、LC3をフォローです。
LDACは未対応ですが、それ以外は網羅的です。
周波数帯域の値をみても、ハイレゾ再生を前提とした設計です。
そのほか、ゲーム向きの低遅延モードもあります。
一方、上位仕様は、Wi-Fi通信に対応です。
ただ、こちらは、発売時においてXiaomi 15 Ultraのみの対応です。
今後対応モデルは増えるようですが、同社製品専用と考えてください。
利用する場合、最大2.1Mbpsのロスレス転送ができるとされます。
ただ、Wi-Fiは、バッテリーを食うので、持続時間はかなり短いかと思います。
なお、Wi-Fi利用時の利用可能時間は非開示です。
立体音響は、一方、「3Dオーディオ」として対応です。
従来機同様、基本的にXiaomiの対応スマホで使うもので、そちらの機能をONにすることで、対応アプリで3D立体音響が実現できる感じで理解してください。
なお、EQ部分で米国のハーマンのAudioEFXツールを外販で利用しています。
そのなかに、Smart VIRTUALIZATION機能があるので、技術としてはそれを利用する方式かもしれません。
独自の計算によるもので、特定音源を要求するタイプではない(例えば)Ankerと同じ方式といえます。ヘッドトラッキングにも対応しますし、この価格帯では、高度です。
通信安定性の面では、Bluetooth 5.4です。
ノイズキャンセリングは、Wマイク式(自動)です.(片側3マイク)
環境に応じて調整されるアダプティブANCの記述もみられます。
おそらく、2025年登場の新しいQualcomm QCC3091チップ(第5世代)でしょう。
連続再生時間は、最大8時間との表記です。
ケースのバッテリーとの合計で45時間です。
ただ、おそらくノイズキャンセリングを消した、SBC接続時の値なので、今回使っている、ノイキャン利用時の値で比較する場合、少し割り引いた稼働時間にはなります。
それでも、ケースから4.5時間分を10分で緊急充電できますし、不便はないでしょう。
マイクは、搭載です。
外音取り込みも可能です。
シャオミらしいのは、アプリを使って録音(最大5時間)にタップで対応する部分でしょう。
防水性は、IP54相当です。
問題ないです。
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以上、Xiaomi Buds 5 Pro の紹介でした。
ノイキャン、コンテンツ対応、ドライバー構成、本体の軽さという大事な部分で、合格点以上のスペックで、しっかり最新技術が楽しめる製品です。
主なターゲット層は、同社のスマホユーザーでしょうが、Bluetoothモデルならば、Android系の他社製ユーザーが選んでも、面白そうな要素はあるように感じました。
【2024年発売】BHR8118GL BHR8117GL BHR8116GL
105・ Xiaomi Buds 5
¥9,112 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:16Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC AptX Adaptive
3D音響:対応(自社方式)
個人最適化:
連続再生時間:6.5時間
ドライバー:11mm+平面
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IP54
重さ:4.2g×2
Xiaomi Buds 5 は、シャオミの販売するTWS型イヤホンの中級機です。
重量は、軽く、4.2gです。
タイプは、こちらは、イヤーチップのないインナーイヤー型です。
Appleの下位機と同じオープンエアで(半解放)ですので、音漏れはあるタイプです。
そのかわり、音抜けが良いタイプとも言えます。形状はスティック型です。
ドライバーで、11mmです。
オープン構造の製品らしく大きめのドライバーです。
本機は、1ドライバーですが、デュアルマグネット仕様にすることで、低音強化をはかる工夫があります。
音質のパーソナライズは、耳に合わせたフィッティングなどの記載は見られません。
Bluetoothコーデックは、SBC AAC APTX(LL Adaptive)、LC3をフォローです。
aptX Adaptiveで、ハイレゾにフォローできます。
周波数帯域の値をみても、ハイレゾ再生を前提とした設計です。
立体音響は、一方、「3Dオーディオ」として対応です。
1つ上でみた上位機と仕組みは同じです。
ヘッドトラッキングにも対応です。
通信安定性の面では、Bluetooth 5.4です。
ノイズキャンセリングは、Wマイク式です.(片側3マイク)
こちらは、リアルタイムスキャン(アダプティブANC)の記述はないです。ただ、先述のようにセミオープンですし、これでも良いでしょう。
連続再生時間は、最大6.5時間との表記です。
ケースのバッテリーとの合計で39時間です。。
マイクは、搭載です。
仕組み的に不要なので、外音取り込みは未搭載です。
アプリを使って録音(最大3時間)はできます。
防水性は、IP54相当です。
問題ないです。
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以上、Xiaomi Buds 5 の紹介でした。
先ほどの機種と比べるとドライバ回りの工夫は負けますが、それ以外は(ほぼ)同等で安いので、値段面で同社のスマホユーザーは候補にしやすいように思います。
ただし、セミオープンで音漏れしやすい部分は注意してください。また、騒音下での没入感も同じことが入れるので、使用に適するシーンはやや限られるでしょう。
そこが問題にならない使い方、例えば、自宅での利用や、野外で歩きながらなどの利用ならば、全く問題ないです。
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なお、同社からは次のような製品展開もあります。
順番にみておきます。
【2025年発売】
106・ Xiaomi Redmi Buds 6 Pro
¥9,980 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC LDAC
3D音響:対応(自社方式)
個人最適化:
連続再生時間:9.5時間
ドライバー:6.7mm×2+11mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IP54
重さ:5.2g×2
第1に、Xiaomi Redmi Buds 6 Proです。
「Pro」とありますが、Redmiは下位シリーズ扱いなので、先ほどの機種に対しては、下位機にあたります。
重さは、5.2gです。
こちら、普通に音漏れしないカナルの密閉型です。
ドライバーは、同軸の3ドライバーです。
低音域用の11mmのチタン加工のダイナミックドライバーと、高音域用に、デュアル配置の圧電セラミックドライバーです。
旧機は10mmのセラミックドライバ(トゥイータ)と、11mmのドライバーのコンビでしたが、比較して、高周波の音量が10%増えたとの記載です。
ノイズキャンセリングは、Wマイク式で対応です。
自動調整はなしませんが、かかりは、スマホで調整できます(マルチレベルコントロール)
Bluetoothのコーデックは、SBC AAC LDACです。
こちらの場合ハイレゾに対応できるのはLDACです。
Bluetoothのバージョンは、5.3で、マルチポイント接続も対応です。
立体音響は、対応です。
本機も、Xiaomiのスマホ同社のアプリを使うもので、そちらの機能をONにすることで、対応アプリで3D立体音響が実現できるいうものです。
ヘッドトラッキングへの言及もあります。
マイクは、搭載です。
3マイク式で、風切り音の低減機能も持ちます。
外音取り込みモードも、備えます。
防水性は、IP54の防滴・防塵性です。
十分でしょう。
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結論的にいえば、ドライバー周りの工夫が先ほどの機種より充実する点で、音質の基本部分の性能は期待値がこちらのほうが高めです。
その上で、密閉型ですのでシーンを問わず使える部分で、先ほどの機種より汎用性は高いでしょう。カナル式特有の装着感が苦手でない方は、こちらが良いかと思います。
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【2025年発売】
107・ Xiaomi Redmi Buds 6
¥5,480 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC LDAC
3D音響:対応(自社方式)
個人最適化:
連続再生時間:10時間
ドライバー:5.5mm+12.4mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク
防水性能:IP54
重さ:5.0g×2
第2に、Xiaomi Redmi Buds 6です。
1つ上の機種の1グレード下になります。
大きな違いは、ドライバーです。
こちらは、12.4mmのチタン加工のダイナミックドライバと、5.5mmのマイクロ圧電セラミックユニットの、2ドライバーです。
ただ、価格をふまえると、十分、面白みのある工夫です。
ノイキャンは、詳しい仕様は非開示です。
ただ、おそらく、1マイク式です。上位機より、能力がやや落ちます。
マルチモードANCなので、かかりのレベルは調整できない仕様です。
3種からモードを選択するものです。
外音取り込みも、3モードからの選択です。
立体音響は、対応です。
本機は、ヘッドトラッキングは非対応です。
その部分もあり、本機の機能性は、同社のアプリさえインストールすれば、Android系の他社スマホでも使えます。
あとは、目に付く大きな違いはないです。
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結論的にいえば、5000円前後の製品で、ドライバー周りに音質上の工夫がある上で、そこまで高性能ではないながらノイキャンを装備する点で、お買得感を感じます。
そういった機種はほかにもありますが、自社方式ながら流行の3Dオーディオにも対応する部分は、ワンポイントと言えます。
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【2024年発売】 BHR8653GL BHR8660GL BHR8655GL
【ノイキャンあり】12.4mmドライバー
108・Xiaomi Redmi Buds 6 Lite
¥2,48- Amazon.co.jp (6/13執筆時)
【ノイキャン・外音取込なし】14.2mmドライバー
108・Xiaomi Redmi Buds 6 Active
¥1,980 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
【ノイキャン・外音取込みなし】10mmドライバー
108・Xiaomi Redmi Buds 6 play
¥1,380 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz〜20kHz
コーデック:SBC AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:7時間
ドライバー:12.4mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク
防水性能:IP54
重さ:4.2g×2
第3に、Xiaomi Redmi Buds 6 Lite などです。
こちらは、普通の密閉型の製品です。
ノイキャンは、本機も1マイク式ですが搭載です。
ノイキャン搭載のTWS型では「最安」と言って良い製品です。
むろん、「かかる」周波数の広さや、音楽コンテンツに合わせた調整は、Wマイクの上位方式に及びませんが、この値段は、破壊力があります。
ドライバーは、1ドライバーですが12.4mmと大きめです。
チタン合金が使われたドライバーです。
マイクも、しっかり、外音取り込みができますし、安かろう悪かろうではないです。
なお、さらに下位の、ActiveとPlayは、ノイキャンがないです。
その上で、外音取り込みもないです。Activeはドライバーが大きめな部分が面白いとも言えますが、一般的に選ぶならば、Redmi Buds 6 Lite が良さそうです。
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結論的にいえば、Redmi Buds 6 Liteは、5000円以下クラスだと、仕様的に選べる製品と言えます。
若干、外観素材に値段を感じますが、 重さもサイズも問題ないので、節約したい場合、候補になるでしょう。
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【2024年発売】B0D6Y8MX38 B0D6YDXZCP
109・Xiaomi OpenWear Stereo
¥13,80 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz〜40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:7.5時間
ドライバー:17×12mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IP54
重さ:9.6g×2
第4に、Xiaomi OpenWear Stereo です。
こちらは、完全なオープンエア(開放型)です。
重さは、9.6gです。
やや重めですが、主にはイヤーフックのバッテリーなどの部分なので、つけ心地は悪くないです。
音漏れは、このタイプは、音楽の音漏れは、だいぶあります。
ただ、通話時は、専用に10mmの音漏れ低減ドライバーで通信の秘密に配慮する気風が見られます。25cm離れれば、聞こえないということです。
ドライバーは、レーストラック型の17×12mmです。
最近、振動板の面積が稼げるのでイヤホンでも最近増えてきました。
ノイキャンは、オープン構造ですし、非搭載です。
音楽視聴時でなく、通話時の(マイクの)ノイズ対策はあります。
立体音響は、非対応です。
ハイレゾは、LDACのコーデックで対応できるでしょう。
あとは、特別に言及したい部分はないです。
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結論的にいえば、オープン構造であることを理解して買うべき機種です。
音漏れしても良いシーンで使うもので、また、(電車のような)騒音がない場所で利用するものです。そうした、用途に合う使い方ならば、耳への圧迫感はないですし、疲れにくく、音抜けも良い方式です。
【2023年発売】
110・Shokz OpenFit SKZ-EP-000020
110・Shokz OpenFit SKZ-EP-000021
¥24,880 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:7時間
ドライバー:18×11mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IP54
重さ:8.3g×2
Shokz OpenFit は、クラファン初で話題のイギリスのショックスが販売する製品です。
同社は「骨伝導イヤホン」が専門と言えますが、こちらは「見かけ」は骨伝導でも、普通の振動板を利用するイヤホンです。
重量は、片側について、8.3gです。
形状はオープン型ですので、圧迫感がなく、装着感も良いです。密閉型特有の籠もった音もしないでしょう。
その一方で、普通に考えると音漏れ必至です。
ただ、本機は、DirectPitchという逆位相の音を利用して、外部の音漏れを防ぐ(打ち消す)とともに、耳の内側に向けては大きな音を出せるという面白い仕組みをとります。
ノイキャンと同じ技術を別の方向性で使っているといえます。こうした技術を採用する機種は、JBLなど他社でも増えてきましたが、本機も面白いと思います。
イヤーピースは、従ってありません。
この点で、カナル型のイヤホンが苦手な方によさげです。
ドライバーは、18×11mmです。
オープン型は 大きなドライバーを構造的に使いやすく、本機もその利点を享受します。
ドライバーは超軽量コンポジット振動板です。剛性の高いカーボンファイバー素材のドームをポリマーシリコン製リングが囲む形式です。
一方、低音については、この構造で振動をしっかり届けるための味付けアルゴ(Shokz OpenBass)を採用することで強化します。
Bluetoothコーデックは、SBC AACです。
仕組み的にこだけでよいと思います。
接続安定性の面でも、しっかり、Bluetooth5.2に対応しています。
ノイズキャンセリングは、本機の場合ノイキャンの意味が違うので、周囲の音を打ち消す目的のものは非搭載です。
連続再生時間は、ステレオ再生/ノイキャンONで7時間です。
バッテリーケースは、やはり、充電器を兼ねており、約3回分フル充電可能です。
マイクは、搭載です。
通話についても、AI解析を伴う、ノイキャン機能が付属です。マイクは2つで、指向性(ビームフォーミング)対応です。
防水性は、IPX54等級です。
上表のIPX5の防水性がある上で、若干の防塵性もあると考えてください。
イヤーフックタイプなので、運動でも使えるでしょう。
むしろ、外音がフルで入るので、その目的で選ばれるかたも多そうです。
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以上、 Shokz OpenFit 紹介でした。
イヤーチップ独特の圧迫感がどうしても苦手な方に良い製品でしょう。意外とニーズはあると思いますし、個人的にも試したいです。
ただ、逆位相音で音を打ち消すから静かな場所でも確実に使えるということには、構造的に「ならない」ので、その部分だけ注意してください。100%打ち消すのは、技術的に無理ですから。
次回につづく!
完全ワイヤレスイヤホンのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は音楽用の完全ワイヤレスイヤホンの比較の7回目記事でした。
記事はもう少しだけ、続きます。
8・完全ワイヤレスイヤホンまとめ【結論】
=予算別・目的別のおすすめ製品まとめ
音質の良さ ★★★★★
ノイズキャンセル ★★★★★
ハイレゾ再生 ★★★★★
立体音響 ★★★★★
軽さ ★★★★★
防水性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
次回の8回目記事(こちら)は、全体の結論編です。
今回紹介した「全製品」から、予算別・目的別に、最終的なAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
6回目記事は→こちら!