【今回レビューする内容】2023年 完全ワイヤレスイヤホンの音質・性能とおすすめ・選び方:
【比較する製品型番】 HUAWEI FreeBuds Pro 2 エム・ティ・アイ NUARL N6 PRO2 NUARL N10 PRO Klipsch T5 TRUE WIRELESS NUARL NEXT1L SOL R SKULLCANDY Mod SOL REPUBLIC SOL AMPS AIR+ EARIN A-3 Silver Black Edifier W240TN Xiaomi Redmi Buds 4 Pro EarFun Air Pro 3 Shokz OpenFit SKZ-EP-000020 SKZ-EP-000021
今回のお題
完全ワイヤレスイヤホンのおすすめはどの機種?
ども、Atlasです。
今回は、2023年7月現在、最新の、完全ワイヤレスイヤホンの比較の7回目記事です。
1・完全ワイヤレスイヤホンの比較(1)
1-1:選び方の基本の解説【導入】
1-2: アップル〈米国〉
1-2:ソニー〈日本〉
1-3:BOSE〈米国〉
2・完全ワイヤレスイヤホンの比較(2)
2-1:パナソニック〈日本〉
2-2:JVC〈日本〉
2-3:オーディオテクニカ〈日本〉
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較(3)
3-1:JBL〈米国〉
3-2:ANKER 〈米国〉
4・完全ワイヤレスイヤホンの比較(4)
4-1:Beats〈米国〉
4-2:SHURE〈米国〉
4-3:Bang&Olufsen〈北欧〉
4-4:Jabra 〈北欧〉
4-5:Noble Audio〈米国〉
5・完全ワイヤレスイヤホンの比較(5)
5-1:ヤマハ〈日本〉
5-2:AVIOT〈日本〉
5-3:Final ag 〈日本〉
6・完全ワイヤレスイヤホンの比較(6)
6-1:Amazon 〈米国〉
6-2:Google 〈米国〉
6-3:ゼンハイザー〈ドイツ〉
7・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (7)
7-1:他のブランド 〈各国〉
8・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (8)
=予算別・目的別のおすすめの提案【結論】
7回目記事は、上表で見てきたブランド以外の製品をまとめて見ていきます。
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なお、「選び方の基本」は、最初に説明しました。リンクから要らしていただいた方は、、今回の1回目記事からお読みいただけると分かりやすいかと思います。
よろしくお願いします。
音質の良さ ★★★★★
ノイキャン ★★★★★
軽量性 ★★★★★
防塵・防滴性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、いつものように、各機種を一機ずつ比較していきます。
その上で、最後の「結論」部分では、上表のような観点から、目的別・予算別に、Atlasのおすすめ商品を紹介していきます。
7-1・その他のイヤホン
と言うわけで、比較にはいります。
先述のように、ここまで見ていない各社の製品のなかで、目についたものの一部を「ざっくり」解説していきます。
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以下では、Atlasのおすすめポイントを赤字系で、イマイチだと思う部分を青字系で書きます。
【2022年7月発売】
95・ HUAWEI FreeBuds Pro 2
¥24,493 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:14Hz-48kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:4時間
ドライバー:11mm+平面
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IP54
重さ:5.8g×2
HUAWEI FreeBuds Pro 2 は、ファーウェイが販売する完全ワイヤレスイヤホンの上位機です。
同社のスマホユーザーに向けて、自社の周辺機器を最近多展開していますが、その1つです。
価格的には、GoogleのPixel Buds Proのライバルでしょう。
重量は、5.8gです。
ドライバの口径からすると、軽量化を「頑張っている」機種です。
イヤーピースは、大・中・小の3サイズが付属です。
音質面では、11mmのクアッドマグネットダイナミックドライバーを搭載します。
その上で、本機は、平面振動板ドライバーを持つデュアル構成です。
ダイナミックドライバ2個、あるいはBA(バランスドアーマチュア)との組み合わせという構成は他社にもみられますが、平面振動板との組み合わせは、完全ワイヤレスイヤホンでは「初」でした。AVIOTなど他社も採用がはじまりましたが、それでも目新しいです。
実際的に、こちらのドライバーは、高音域の能力を高めるための搭載です。周波数帯域も、14Hz-48kHzとハイレゾ水準を達成します。
低音側のスペックも高いです。
なお、ファーウェイは6か所のオーディオラボを持ちますが、もともと音響企業ではないので、音のチューニング(EQ)の部分はフランスのDevialetの協力です。
以前、米国のベルキンもスピーカーを出すときに協力関係にあり、紹介したことがあります。
音質のパーソナライズは、対応です(インテリジェントANC2.0)。
ノイキャン部分の説明とも被りますが、耳穴の構造を見ながらリアルタイム処理での音声チューニング処理の言及があります。
方向性としては、ヤマハの仕組み(リスニングオプティマイザー)に似たものとして理解できるかと思います。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・LDACです。
ソニーと同じで、LDACコーデックでハイレゾ対応機としています。
Apt-X系列は非対応です。
立体音響は、一方、特別な対応に対する言及はないです。
通信安定性の面では、Bluetooth 5.2です。
問題ありません。
ノイズ対策は、Wマイク式(内側1・外側2)のノイズキャンセルに対応です。
また、3種類ではありますが、ソニー同様に、 センサーが検知したシーンに応じて、かかりが調整されます(ダイナミックANCモード)
マイクは、外耳道の構造を見て、装着状況に合わせた調整(特に音圧)も自動でします。ヤマハの「リスニングケア」と同じ方向性でしょう。
連続再生時間は、ノイキャンを利用して4時間です。
スタミナはイマイチです。ケースは、18時間分のバッテリーです。
マイクは、本機も搭載です。
本機は、形状的にも「ヘッドセット」的なビジネス用を探している方もターゲット層にしていると言えます。
性能面でも、先述の3つのマイクほか、ソニー同様の骨伝導(骨振動)センサーを利用して情報をとり、同社のディープラーニング技術を利用したアルゴリズムで、ノイズを打ち消します。
風切り音を押さえつつ、通話品質を高めます。この部分は(スマホ企業だけに)たいへん高度です。
複数の端末の待ち受けができるマルチポイントにも対応します。
もちろん、外音取り込みモードも装備します。
防水性は、IP54相当です。
豪雨程度に対応するほか、一定の防塵性ももつというスペックです。
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以上、HUAWEI FreeBuds Pro 2 の紹介でした。
平面振動板ドライバーというドライバー自体の独自の工夫を持つ上で、音響をずっとやってきた企業い及ばないEQの部分は、他社との協力で強化し、バランスの良い製品に仕上げていると思います。
値段面で、競合機にくらべて特段安い機種ではないのですが、マイクやノイズキャンセル部分を含めて、値段に見合う性能を持つ機種に見えます。
ドライバーが小さい機種を除き、ハイレゾ対応機で、ここまで軽い機種というのはないので、同社のスマホユーザー以外にも、人気は出そうに思えます。
あえて言えば、「空間オーディオ」を含めた新しい音源への対応は、今後の課題かもしれません。ハイレゾは(ちっとも)普及せず、そちらにトレンドが移行しそうな感じがあるので。
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【2023年発売】
95'・ HUAWEI FreeBuds 5
¥21,430 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:16Hz〜40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:3.5時間
ドライバー:11mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IP54
重さ:5.5g×2
なお、本機の下位機種となるのが、 HUAWEI FreeBuds 5です。
ハイレゾ水準のスペックなのは同じです。
しかし、ドライバーが11mmのダイナミック型が1つになります。
それでも「大きめ」ですが、個性という部分では、上位機とは「開き」を感じます。
その上で、本機は、密閉型ではなく「セミオープン(半開放型)」です。
音抜けは良いですが、音漏れが問題となる場所では使えない点のが注意点です。
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95’・ Edifier W240TN ワイヤレスイヤホン
¥6,879 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC
連続再生時間:8.5時間
ドライバー:10mm+6mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク式
防水性能:IP55
重さ:9g×2
このほか、少し安めですが、同じく中国の大手の音響メーカーのEdifierが、同軸ドライバー採用機を出します。
平面磁気駆動版ではないですがこのタイプは、流行るかもしれません。
ただ、重さがすこしネックになるほか、せっかくのWドライバーながら、SBCコーデックだけなので、ハイレゾを含む音源は十分に活かせない気はします。
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95’・ Xiaomi Redmi Buds 4 Pro
¥8,280 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:9時間
ドライバー:10mm+6mm
マイク:搭載
ノイキャン:2マイク式(自動)
防水性能:IP54
重さ:9g×2
同じく、中国のXiaomiが出している製品も、Wドライバーで、同軸配置です。
Apple製品に似ていますが、中身は同軸です。
一方、仕様は値段からすると「豪華」です。
ノイキャンは、Wマイク式を搭載です。
3種類レベル調整を自動で行える仕様です。
コーデックも、Bluetooth(5.3)は、コーデックの部分で、ハイレゾに対応できるLDACのコーデックに対応です。
SONYの部品を採用していると思います。既に見たアンカーと同じです。
そのほか、通話にも外音取り込みモードを備えますし、IP54の防滴・防振性もあるので、この価格帯では、コスパは良いかと思います。
あえて言えば、音響メーカーではないので、チューン部分で専業メーカーには及ばないとは言えるかもしれません。HUAWEIは、この部分を、自社のラボほか「外注」で対応しているとの表明はあるので、そういった部分の説明があると、より「選べる」気はしました。
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【2023年発売】
95’・ナイコム EarFun Air Pro 3
¥8,280 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC Aptx-adpt LC3
連続再生時間:7時間
ドライバー:11mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IP54
重さ:5.2g×2
一方、ナイコムが輸入しているEarFun Air Pro 3は、最近評価をあげている格安品です。
Bluetooth規格的に、ハイレゾ水準のAptx-adptiveに対応する水準で安い部分が目に付きます。
このコーデックは低遅延でもあるので、ゲーム用のニーズもあると思います。
ドライバーは、11mmです。
振動板がチタンコートというのもこの価格だと目立ちます。
一方、ドライバー自体の周波数帯域が示されないので(業界基準としての)ハイレゾには対応していない部分が注意点です。
なお、ノイキャンは非搭載です。
挿絵にあるノイキャンは、通話用のものの話です。
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結論的に言えば、最新のBluetooth SOCと、チタニウムコートの振動板の「2点突破」的な製品です。
その点で、一般向けに広くおすすめと言うより、ニッチな製品といえます。とはいえ、オーディオ好きが「話題の新製品」を低費用で試したいならば良いかなと思います。
【2022年発売】
96・サムスン Galaxy Buds2 Pro
¥29,600 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:14Hz-48kHz
コーデック:SBC AAC Samsun 24bit
連続再生時間:5時間
ドライバー:(2WAY)
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式?
防水性能:IP54
重さ:5.5g×2
Galaxy Buds2 Pro は、サムスン電子が販売するTWSです。
同社は、JBLほか世界的な音響連合とハーマン・インターナショナルをもちますが、そのブランドの1つで、オーストリアの老舗の音響企業であるAKGの設計で本機を出しています。
本体色は、ボラパープル(SM-R510NLVAXJP)・ホワイト(SM-R510NZWAXJP)・グラファイト(SM-R510NZAAXJP)です。
重量は、5.5gです。
最近の平均からすると「軽め」であり、快適性重視です。
イヤーピースは、大・中・小の3サイズが付属です。
音質面では、「ウーファーとトゥイーターの2WAY式」とのみの表記です。
ユニット構成は不明瞭で、サイズも分かりません。
一方、面白いのは「Dolby Head Tracking」を先行的に搭載する部分です。
1回目記事で見たAppleやBeatsの「ヘッドトラッキング機能」と同じ役割で、首を振った際の方向性を調整できます。そのために、ジャイロを搭載するのも同じです。
実質的には対応するAndroid(Galaxy製品)専用になるかと思います。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACです。
一方、同社のGalaxy上位機(Galaxy Z Flip4・Galaxy Z Flip4ほか)と、専用アプリを通じてつなげる場合、同社独自の24bit転送規格(サムスンシームレスコーデックHiFi)が有効になります。
量子化ビット数につちえ24bitのHi-fiという言い回しです。サンプリング周波数については情報がなく、「ハイレゾ」という表現も使わないので、やや分かりにくいです。
通信安定性の面では、Bluetooth 5.3です。
Galaxyとの連動性は言うまでもなく良いでしょう。
ノイズ対策は、ノイキャン自体は搭載です。
ただ、「3マイク」という情報のみですが、精度は良いのでWマイク式(あるいはそれ相当)と思います。
外音取り込みは、対応します。
マイクは、HUAWEIほど工夫はないですが、ビームフォーミングに対応し、AIによるノイズ除去の対策が見られます。
連続再生時間は、ノイキャンを利用して5時間です。
未記載ですが、先述のコーデックを利用する場合、さらに短いでしょう。
ケースの分を加えると18時間分のバッテリーです。
防水性は、IPX7です。
防塵性はないですが、防水はバッチリです。
豪雨程度に対応するほか、一定の防塵性ももつというスペックです。
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以上、Galaxy Buds2 Pro の紹介でした。
主にGalaxyの新コーデーック対応機向けとは言えますが、ドライバー構成の部分と、「Dolby Head Tracking」を搭載している部分が面白さでしょう。
特にトラッキング機能については、LGのTone Free T90が日本でみられないため、Apple以外で日本で試せる部分が面白みかと思います。
音質スペックについては、データ開示が少なく、分かりにくいですが、AKGの設計という部分で、ある程度担保はあるかと思います。
【2022年発売】
97・ SKULLCANDY Mod
¥9,880 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC
連続再生時間:7時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX55
重さ:4.6g×2
SKULLCANDY Modは、アメリカのスカルキャンディが販売する完全ワイヤレスイヤホンです。
ヘッドホンでむしろ有名でしょうが、Beatsより「ガチ」な感じのストリート系ブランドです。
本体色は、ブラック(S2FYW-P740-E)とグレイ(S2FYW-P751-E)です。
重量は、片側につき、4.6gです。
小型・軽量で、装着時の快適性重視と言えます。
イヤーピースは、3サイズが同梱です。
シリコン製の普通のものです。
ドライバーは、6mmです。
小型の完全ワイヤレスイヤホンとして平均的なサイズです。
音質面では、同社のヘッドホンの場合、特に低音の音圧を強化したものが多いです。
ドライバの口径は小さいですが、外音遮断性を高めつつ、チューンでその傾向にしていると言えます。
ただ、ベント(穴)はあるので、音漏れはしやすいでしょう。
Bluetoothコーデックは、非開示です。
ただ、おそらく、SBCだけです。
接続安定性の面では、Bluetooth5.2に対応します。
問題ありません。
ノイズ対策は、本機は、ノイキャン非搭載機です。
最近は、この価格でも搭載される機種は多いので、少しマイナスでしょう。
連続再生時間は、7時間です。
防水性は、IPX55等級の防水・防塵仕様です。
野外での利用において問題ありません。
マイクは、こちらも搭載です。
マイク部分には、他社機同様にノイズリダクションが搭載です。
加えて、マルチポイントも対応です。
外音取込も可能です。
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以上、SKULLCANDY Modの紹介でした。
基本的に、外で使いたいブランドであるということを考えると、ノイキャンがないのが不便でしょう。
気にせず大音量で使うと音が漏れますし、この部分が問題となる場合が多い、日本だと多少使い勝手の悪さを感じます。
【2021年発売】
98・エム・ティ・アイ NUARL N6 PRO2
¥16,500 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBCAAC Apt-x adptive
連続再生時間:8時間
ドライバー:6mm(CNT)
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:7g×2
NUARL N6 PRO2 は、MTIという、日本の中国系ファブレス企業が立ち上げた、新興の音響ブランドの製品です。
重量は、片側につき、7gです。
形状的には、耳を前側に少しはみ出す形です。
通話対応のためかと思います。
イヤーピースは、3サイズが同梱です。
市販されているNUARL Block Ear+になります。
ドライバーは、6mmと平均的です。
ただ、素材が単層カーボンナノチューブ複合振動板です。
パナソニックなども使うPEEK素材に、カーボンナノチューブ(SWCNT)を合わせた複合材で、最近、中華系でちらほら採用例がでているようです。
最先端の素材で、軽量で弾性でと強度に優れた複合素材です。
音質面では、低音域も高音域も強調されない、フラット系です。
なお、NUARLは、前モデルまで、米国のTBIが持つ、HDSS技術が使われていました。
ETL (EMBEDDED TRANSMISSION LINE)モジュールを搭載し、音のゆがみやノイズを軽減させるものです。
堅実な中音域を実現する技術ですが、今回はこの技術は使われていないようです。
音質のパーソナライズは、特段機能性を持ちません。
Bluetoothコーデックは、SBCの・AACのほか、可変ビットレートのApt-X Adaptiveにも対応します。
対応するスマホは(かなり)限られますが、それを利用することを前提の、低遅延のゲームモードが搭載です。
立体音響は、対応表明はないです。
接続安定性の面では、Bluetooth5.2に対応します。
ノイズ対策については、未対応です。
連続再生時間は、一方で、8時間です。
問題ないです。
防水性も、IPX4等級の防水仕様で、日常生活防水となります。
マイクは、こちらも搭載です。
通話用にマイクは2基で、通話についてはノイキャン機能があるほか、外音取込も可能です。
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以上、NUARL N6 PRO2 の紹介でした。
ドライバー素材の「面白さ」にまず目がいきます。
問題は、ノイキャン非搭載である部分と、技術的なHDSSの裏打ちが見られなくなった部分でしょうか。
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【2021年発売】
【2マイク式】N10PRO-BM
98'・エム・ティ・アイ NUARL N10 PRO
¥21,450 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
【1マイク式】N10 Plus-LO N10 Plus-PB
98'・エム・ティ・アイ NUARL N10 PLUS
¥19,800 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBCAAC Apt-x
連続再生時間:3.5時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク
防水性能:IPX4
重さ:8g×2
なお、日本における同社の現在のフラッグシップはNUARL N10 PROです。
ドライバが大きめですが、素材としては、同社の上位素材として前から使っているPPT(多層被膜振動版)です。
PEEK素材を利用する点では下位機と同じですが、TPEとチタンを蒸着した素材です。
小型ドライバには向かないようですが、このサイズだと、パワフルに鳴るための採用のようです。本機もHDSS技術は記載があります。
ノイキャンは、Wマイク式で、クアルコムのSOC(QCC5124)です。
この部分で、グレード(部品代)としては、やはり上位ではあります。
N10 PLUS は、ドライバー素材とサイズは同じですが、SocがQCC3040となり、ノイキャンが1マイク式になる下位機種です。
いずれもノイキャン+Apt-X利用時に、3.5時間というスペックはやや弱めであり、注意が必要です。
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【2022年発売】
98'・エム・ティ・アイ NUARL NEXT1L
¥24,900 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBCAAC LDAC
連続再生時間:7.5時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク
防水性能:IPX4
重さ:5g×2
このほか、同社からは、上位機としてNUARL NEXT1Lという完全ワイヤレスイヤホンも出ています。
本体色は、ブラックエボニー(NUARL NEXT1L-BE )とホワイトグレット(NUARL NEXT1L-WE )です。
ドライバーは、 10mmと大きめです(M2 NUARL DRIVER)。
それでいて、重さは5gなので、よい設計に思えます。素材は、LCP(液晶ポリマーフィルム)なので、SONYも(大きな)ヘッドホンで利用する、高剛性な素材です。
小型ではないですが、ウイングチップでの固定ですが、見映えも割と良いように思えます。
Bluetoothコーデックは、SBCAAC LDACです。
先述の10mmのドライバが奏功し、周波数帯域が40kHzに達するため、業界のハイレゾ認証マークもあります。BluetoothのバージョンもしっかりBluetooth 5.3です。
そのほか、専用のイコライザアプリほか、低遅延のゲーミングモードもありますし、割とトレンドは押さえています。
ノイキャンも、Wマイク式(ハイブリッド)です。
接続方法は、Bluetooth送信機が付属するため、Bluetoothワイヤレス対応です。
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結論的にいえば、この価格帯はライバルは多いのですが、軽量モデルと考えれば、他社機と比較してもかなりよい構成に思えます。
あえて言えば、新しい立体音源(空間オーディオ)への対応度が今ひとつには思えますが、これは多くのメーカーについても言えます。
【2019年発売】
99・Klipsch T5 TRUE WIRELESS
¥10,680 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:10Hz-19kHz
コーデック:SBC, AAC, aptX
連続再生時間:8時間
ドライバー:
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:5.6g×2
T5 TRUE WIRELESSは、アメリカの老舗音響専門メーカーのクリプシュが販売する完全ワイヤレスイヤホンです。
日本では、ONKYOが代理店です。
重量は、片側につき、5.6gです。
重さの面では、最軽量ではないですが、割と軽めで、装着製を重視しています。
ケースについても、相当小型で、持ち運びやすさは「売り」といえます。
イヤーピースは、3サイズ同梱されます。
同社の特許技術となる、シリコン製のオーバルイヤーチップです。やわらかめです。
楕円形の面白い形状で、遮音性とつけ心地の良さを重視しています。
音質面では、再生周波数帯域が、低音域が10Hzで、高音域が19kHzです。
スペック的に低音域が充実する一方、高音域は「平均値」の20kHzに満たない数字です。
実際的に、低音域の膨らみを重視した、迫力重視の設計で、それが個性です。
ドライバーは、サイズ非公開です。見た感じ、平均より大きめです。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACとApt-Xに対応します。
接続安定性の面でも、Bluetooth5.0に対応します。
ノイズ対策については、ノイズキャンセリングは未装備です。
イヤーピースによる、物理的な遮断(ノイズアイソレーション)のみ対応です。
連続再生時間は、8時間で、長めです。
防水性は、IPX4等級ですから、水没は無理ですが、日常生活防水は対応です。
マイクは、搭載され、ハンズフリー通話が可能です。
また、4機のマイクがある点で豪華で、「クリアボイスチャットマイク」として、通話品質にこだわりがある機種です。
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以上、Klipsch T5 TRUE WIRELESS の紹介でした。
同社では初めての完全ワイヤレスイヤホンです。
音質的には、低音域が強調できるメーカーですが、その部分は、他社に競合機もあるように思います。
ただ、その上で「クリアボイスチャットマイク」の搭載で、ハンズフリー通話の機能が強化されているのがポイントでしょう。
【2018年発売】
100・EARIN A-3 Black
100・EARIN A-3 Silver
¥16,800 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC, AAC, aptX
連続再生時間:5時間
ドライバー:14.3mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IP52
重さ:3.5g×2
EARIN A-3は、クラウドファンディング(キックスターター)から生まれたイヤホンです。
第2世代のEARIN M-2から3年ぶりの更新の「第3世代」モデルです。
重量は、片側3.5gとかなり軽量です。
音質面では、一方本機については、注意が必要です。
ドライバーは、14.3mmです。
見かけたことがないサイズで、音域に余裕がありそうです。
ただ、本機については、イヤーチップがないオープンエア型です。
この場合、利用時に音が漏れますので、図書館はもちろん、電車内でも人がいる空間では、確実に迷惑をかけます。日本はこの部分で寛容な国ではないので、前モデルのM-2に比べると、かなり用途限定的です。
音質は、このタイプは、音抜けが良く中音域が充実します。
反面、低音域が弱くなる傾向があるのですが、ここまでドライバのサイズが大きいのは、そのような弱点を潰すためでしょう。
イヤーピースは、不使用である機種です。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACに対応します。
接続安定性の面では、Bluetooth規格は5.0までと問題ないです。
ノイズ対策は、当然ですが、この機種は、ノイズキャンセリングは未装備です。
「パッシブノイズキャンセル」という記載がありますが、要するに、イヤホンによる物理的な音の遮断のことです。ただ、オープンエア型ですし、その部分でもあまり強さは発揮しなそうです。
くわえて「⾵切り⾳低減アルゴリズム」のとの記載がありますが、あくまで「アクティブ」にノイズキャンセリングする機能ではないので、効果は限定的です。
連続再生時間は、5時間です。
電気を食うノイキャンがないので、本体の重さからすると長めです。
ただ、他機種同様に、専用ケースが予備バッテリーとなっており、6回分充電可能です。
マイクは、4個搭載です。
うち2個は、音声認識認識ようのマイクです。この仕組みで、Zoomなどの会議通話のノイズを打ち消す方式です。
音楽については、くりかえしますが、ノイズキャンセリング非対応です。
防滴性は、IP52なので、完全防水ではないです。
水しぶき程度ならばOKです。
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以上、EARIN A-3 の紹介でした。
購入を考えている方には前モデルの愛用者も多そうですが、全く異なる製品、だと思って買った方が良いでしょう。開放型なので音漏れがしますし、目指す音の方向性も違いますので。
なんとなく、この世代については、日本の事情に合いにくいかな、と感じます。
【2020年発売】
101・ SOL REPUBLIC SOL AMPS AIR+
¥7,850 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:6時間
ドライバー:9mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク式
防水性能:IPX4
重さ:7.5g×2
SOL AMPS AIR+ は、アメリカ西海岸の新興のオーディオメーカーであるSOL REPUBLICの製品です。
日本では輸入商社の完実電気が代理店です。
本機は、ソニー同様に、ノイズキャンセラ搭載機となります。
本体色は、ブラックのほか、シルバーとシャンパンです。
重量は、片側について、7.5gです。
同じ、ノイズキャンセラ搭載のソニー機よりやや軽量です。
イヤーピースは、シリコン製のものが4サイズです。
高級機としては「あっさり」した構成です。
ドライバーは、9mmです。
この部分は、パナソニックを除けば最大サイズであり、大きめのものを採用します。
サイズは、音質を向上させる大きな要素ですが、重さを抑えたままで大きなドライバーを搭載できたのは「優秀」といえます。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACのほか、Apt-Xに対応します。
このコーデックは、CD音質の転送ができるのでより優秀といえます。
ただし、aptXはiPhone側が未対応ですので、ウォークマンなどか、Android系のスマホのみ効果が期待できます。
接続安定性の面でも、しっかり、Bluetooth5.0に対応しています。
ノイズ対策は、先述のように、ノイズキャンセラが搭載です。
ただ、外音マイクの記載はありますが、内部マイクの記載はないため、おそらく、シングルマイク仕様でしょう。
この部分は、ソニーやAppleとの違いと言えそうです。ただし、外音取り込みモードは搭載します。
連続再生時間は、ステレオ再生/ノイキャンONで6時間と長寿命です。
バッテリーケースは、やはり、充電器を兼ねており、約3回分フル充電可能です。
マイクは、搭載です。
防水性は、IPX4等級なので、日常生活防水レベルです。
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以上、SOL REPUBLICのSOL AMPS AIR+ の紹介でした。
ノイズキャンセラ搭載とApt-Xを両方搭載する点が魅力です。
ノイズキャンセラの精度は他社機に及ばない部分はありますが、CD音質の再生も重視したい方は、良い選択肢です。
【2023年発売】(加筆予定)
102・Shokz OpenFit SKZ-EP-000020
102・Shokz OpenFit SKZ-EP-000021
¥24,880 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:7時間
ドライバー:18×11mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IP54
重さ:8.3g×2
Shokz OpenFit は、クラファン初で話題のイギリスのショックスが販売する製品です。
同社は「骨伝導イヤホン」が専門と言えますが、こちらは「見かけ」は骨伝導でも、普通の振動板を利用するイヤホンです。
骨伝導式は、音質に課題があるので個人的に調査の範囲外にしていますがこちらは例外です。
ただ、現状で未視聴なので、調査前に書いた「ノート」な感じでお読みください。
重量は、片側について、8.3gです。
形状はオープン型ですので、圧迫感がなく、装着感も良いです。密閉型特有の籠もった音もしないでしょう。
その一方で、普通に考えると音漏れ必至です。
ただ、本機は、DirectPitchという逆位相の音を利用して、外部の音漏れを防ぐ(打ち消す)とともに、耳の内側に向けては大きな音を出せるという面白い仕組みをとります。
ノイキャンと同じ技術を別の方向性で使っているといえます。
イヤーピースは、従ってありません。
この点で、カナル型のイヤホンが苦手な方によさげです。
ドライバーは、18×11mmです。
オープン型は 大きなドライバーを構造的に使いやすく、本機もその利点を享受します。
ドライバーは超軽量コンポジット振動板です。剛性の高いカーボンファイバー素材のドームをポリマーシリコン製リングが囲む形式です。
一方、低音については、この構造で振動をしっかり届けるための味付けアルゴ(Shokz OpenBass)を採用することで強化します。
Bluetoothコーデックは、SBC AACです。
仕組み的にこだけでよいと思います。
接続安定性の面でも、しっかり、Bluetooth5.2に対応しています。
ノイズ対策は、本機の場合ノイキャンの意味が違うので、周囲の音を打ち消す目的のものは非搭載です。
連続再生時間は、ステレオ再生/ノイキャンONで7時間です。
バッテリーケースは、やはり、充電器を兼ねており、約3回分フル充電可能です。
マイクは、搭載です。
通話についても、AI解析を伴う、ノイキャン機能が付属です。マイクは2つで、指向性(ビームフォーミング)対応です。
防水性は、IPX54等級です。
上表のIPX5の防水性がある上で、若干の防塵性もあると考えてください。
イヤーフックタイプなので、運動でも使えるでしょう。
むしろ、外音がフルで入るので、その目的で選ばれるかたも多そうです。
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以上、 Shokz OpenFit 紹介でした。
イヤーチップ独特の圧迫感がどうしても苦手な方に良い製品でしょう。意外とニーズはあると思いますし、個人的にも試したいです。
ただ、逆位相音で音を打ち消すから静かな場所でも確実に使えるということには、構造的に「ならない」ので、その部分だけ注意してください。100%打ち消すのは、技術的に無理ですから。
次回につづく!
完全ワイヤレスイヤホンのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は音楽用の完全ワイヤレスイヤホンの比較の7回目記事でした。
記事はもう少しだけ、続きます。
8・完全ワイヤレスイヤホンまとめ【結論】
=予算別・目的別のおすすめ製品まとめ
音質の良さ ★★★★★
ノイキャン ★★★★★
軽量性 ★★★★★
防塵・防滴性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
次回の8回目記事(こちら)は、全体の結論編です。
今回紹介した「全製品」から、予算別・目的別に、最終的なAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
6回目記事は→こちら!