1回目記事からの続きです→こちら
3-1・LGの有機ELテレビの比較
3回目記事のトップバッターは、LGエレクトロニクスの有機ELテレビです。
同社は、各社に提供する「有機ELパネルの製造元」なので、とくに入門機では、価格が安めのテレビを多く出せています。
1・有機ELテレビの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:パナソニック
3・ 有機ELテレビの比較 (2)
2-1:ソニー
2-2:シャープ
3・ 有機ELテレビの比較 (3)
3-1:LGエレクトロニクス
4・ 有機ELテレビの比較(4)
4-1:レグザ(東芝)
4-2:ハイセンス
5・ 有機ELテレビの比較(5)
5-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」の説明に沿いながら、各機をみていきます。
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また、以下では、いつものように、Atlasのおすすめできるポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で書きます。
【2024年5月発売】
【48インチ】
48・ LGエレクトロニクス OLED48B4PJA
¥148,000 楽天市場 (4/12執筆時)
【55インチ】
49・ LGエレクトロニクス OLED55B4PJA
¥138,640 楽天市場 (4/12執筆時)
【65インチ】
50・LGエレクトロニクス OLED65B4PJA
¥234,000 楽天市場 (4/12執筆時)
【77インチ】
51・LGエレクトロニクス OLED77B4PJA
¥354,000 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED ?
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Web OS(自社方式)
フレームレート: 4K/ 120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
OLED B3シリーズは、LGの有機ELテレビの2024年の入門機です。
先述のように(部品としての)大画面有機ELパネルを生産できる唯一のメーカーですが、テレビの直販もしています。
パネルは、無印のOLEDです。
海外の実機レビューをみると、このパネル内でもいくつかグレードはあるかもしれません。
ただ、スペック差が実際パネル部分の仕組みに由来する差かは不明ですし、輝度ベースで考えると、スペックはあまり変わらないので、(Atlasは)同じとみなしています。
いずれにしても、ピーク輝度で800ニト程度の入門機です。
パネル制御は、専用センサー・回路などを利用した他社上位機のような装備はないです。
パネル自体は「エリア制御」にあたる「Luminance Optimizer for Local DimmingII(ピクセル自発光制御)」をふくめ記載はあります。
OLEDの場合、熱を持つとコントラストに影響を与えるので、他社機の多くは、パネル内に放熱プレートを入れたり、温度センサーで管理したり、独自の工夫があります。
LGはこの部分が基本「省略」です。
画像エンジンは、α8 AI Processor 4Kを搭載します。
今回、6世代(6年)つづづいたα7から久しぶりに名前が変わりました。
処理力向上に伴い、画像処理の部分で、革新がありました。
近年は、膨大な映像のビッグデータを深層学習させたAIを搭載し、処理を任せる技術が高度化していますが、LGもその路線です。
いくつか注目するべき機能を説明しておきます。
第1に、AIスーパーアップスケーリングです。
4K液晶テレビを快適にみるには、地デジを含む低解像度コンテンツを4K表示するのアップスケーリングの精度が重要です。
こちらは、映像系のビッグデータから処理を深層学習したAIが映像品質を測定し、適切にノイズリダクションした上で、超解像処理(AI超解像)をするものです。
後ほどみる上位のエンジン(α9)だと、さらに表情の解析もしますが、α8だとここまでです。
プロセスとしては、以前からあるオーソドックスな「フレーム内処理」の超解像ですが、膨大な情報を学習したAIの解析で、精度は上がったと言えます。
この部分の技術向上は著しく、そのためのプロセッサ性能の向上だったと言えます。
第2に、オブジェクト型リアルタイム映像処理です。
AI映像プロとしてまとめられる諸機能の中核機能です。
レグザやパナソニックも似た技術がありますが、各社とも利用方法に個性があります。
LGの場合、人間・人間の顔・車・動物の情報をAIが区別できる水準で、それら(前景)と背景を区別して認識します。その上で、前景をくっきり、立体的に表示するという技術です。
映像の奥行感を強化する方向性で、利用しています。
第3に、ダイナミックトーンマッピングプロです。
下位機にもあったHDR画像の色調を整えるものです。
OLEDの上位機は、上図のようにエリア分けでの細かい処理をしますが、ただ、このグレードだと、1フレーム単位の最適化になるようです。
それでも配慮があるのはよいことです。
このほか、LGの場合、AIディレクター処理という技術がみられます。カタログだとα8でも搭載のような書き方ですが、プレスリリースをみると、そちらは上位エンジン(α11)のみの対応のようです。
画質の自動調整は、対応です(自動ジャンル選択/シーン検出)。
標準(ニュースなど)・シネマ・アニメ・スポーツを映像情報から判断し、その上で、適切に映像を調整する機能です。
他社でもおなじみですが、LGだとこのグレード以降のみです。
加えて、夜景・町並み・自然というシーンも理解しそのシーンに合わせた適切な画質に調整もします(シーン検出機能)。
レグザ(東芝)にもみられた機能性ですが、やはり、AIに何を学習させたかの違いで、個性があり、面白いです。
一方、LGは、環境光センサーは非搭載です。
部屋の明るさのほか、照明色もみれるセンサーのことで、部屋の状況で画質を調整します。
LGは明るさセンサーで調整はしますが(AI輝度)、色までは利用していないと言えます。
そのほか、パーソナルピクチャーウィザードに対応です。
2種類の見本映像のうち、好みのほうの画像をいくつか選んでいくと、自動で、好みの画質に調整されるというものです。1人暮らしならば便利でしょう。
HDR10は、むろん、規格対応です。
新4K放送に使われるHLG形式もフォローします。
標準画質(SDR)のコンテンツを解析し、色補正をしつつアップコンバートする機能(HDR効果モード)も装備します。
4Kチューナーは、搭載します。
2チューナーなので、試聴中の裏番組の録画も対応です。
倍速パネルは、 4Kの2倍速パネルが搭載です。
スポーツなど動きのある映像をみる場合に重要な機能です。
ちなみに、有機ELは、応答速度の速さ(1ms/GTG)も特長です。
ただし、そのままだと動画ボケは発生しますから、「倍速駆動」できるシステムは、液晶TV同様に重要となります。
録画機能も、別売の外付けハードディスクの増設により対応します。
裏番組録画も対応です。
スピーカーは、総計20Wのステレオ・フルレンジスピーカーです。
マイクを利用した、部屋の音響環境に合わせたサウンドチューニングなど、他社機にみられる技術はみられますが、この部分は必要最低限な水準です。
立体音響規格のドルビーアトモスは対応しますが、2chスピーカーなので再現性は低いでしょう。
ただ、LGの場合、2023年以降のOLED採用機は自社の外部スピーカーと連携できるようになりました。
これを使う場合、TV内蔵のスピーカーも(消えずに)活かせるので、(リアルに)多チャンネル化できます。
ただ、10万円程度の通貨投資になりますし、やや話が外れるので、詳しくは、【サウンドバーの比較記事】のLG機の紹介の中で書いています。。
操作性は、良質な画像エンジンを採用しているため、他社に劣りません。
ただ、番組表の情報量やユーザーインターフェースの使い勝手は、あまり「ガラパゴス化」していないので、どちらかと言えば、スマートテレビに近い使用感です。
映像配信サービスは、LGの場合、同社のWebOSを利用します。
アプリが多く、自由にインストールでき、Google TV・Fire TV採用する他社機には及びません。とはいえ、メジャーな動画サービスはだいたい対応しています。
音声アシスタントサービスは、付属のマジックリモコンのボタンを押すことで、AIを呼び出せます。
LGのAI以外に(排他的ですが)「Amazon Alexa」「Google アシスタント」も選べます。リモコンのボタンを押すことで、AIに情報を聞いたり、声で操作をお願いしたりできます。
HFR(ハイフレームレート)は、4K/120Hz(4K/120p)に対応します。
次世代ゲーム機に使う場合、あると「なめらかな動き」が楽しめます。
カクツキを減らす、VRR(バリアブル・リフレッシュ・レート)と、自動的に遅延時間を短縮するALLM設定もフォローです。
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以上、LGのOLED B4シリーズの紹介でした。
昔に比べると、画像処理機能が格段に多機能になったこともあり、今だと、他社のOLED入門機と選ぶのが迷う機種になっています。
とくに、パネルが製造できるメーカーの利点で、発売時から時間がたつと割と値下がりしていくことも多く、割と安く買える場合が多いです。
ただし、上級パネルではないので、日差し対策が必要なグレードである部分は注意点です。
一方、LGの場合、パネルの熱対策は国内他社のようになさず、センサー類を利用するなどして、限界まで輝度を高める方向で、画質強化するような専用回路もないです。
おそらく、日本の消費者(あるいは企業)ほどは「限界までチューンして、パネルのキャパシティを出し切らせる」ことにこだわらず、堅実な安定した駆動性と、壁掛け向けのスタイリッシュな外観を保つことをむしろ重要視している感じがあります。
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【2023年8月発売】
【55インチ】
52・ LGエレクトロニクス OLED55B3PJA
¥124,490 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED ?
倍速パネル:4倍速相当
ネット動画:Web OS(自社方式)
フレームレート: 4K/ 120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
なお、OLED B3シリーズは、このグレードの旧機です。
1年落ちの旧機種ですが、パネル種は同じです。
海外のレビューサイトの実機分析だと、新機種に輝度スペックがわずかに負けますが、おそらくエンジン周りなどの仕様差によるもので、パネルは同じでしょう。
画像エンジンは、ただし、1世代前のα7 AI Processor 4K Gen6です。
世代でなく、ナンバリング自体が変更になっていることから分かるように、結構差はあります。
一方、上で触れたAI学習に関わる処理全般と、オブジェクト型リアルタイム映像処理は、この世代だと非対応です。
人の肌の色の補整(ダイナミックビット処理)などの言及はありますが、やはり、AI向きのプロセッサを採用した新世代とは差を感じます。
画質の自動調整は、この世代でも対応です。
ただ、シーン解析は非対応です。
あとは、目立つ違いはないです。
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結論的にいえば、価格差がだいぶあるうちは、新機種の「下位機種」として選択肢にしても良いかと思います。
同じサイズの、他社ののOLED(2nd)世代のパネル機と比べて、安いようならば選んでも良いでしょう。
【2024年7月発売】
【42インチ】
53・ LGエレクトロニクス OLED42C4PJA
¥190,908 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
【48インチ】
54・ LGエレクトロニクス OLED48C4PJA
¥196,200 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
【55インチ】
55・ LGエレクトロニクス OLED55C4PJA
¥227,277 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
【65インチ】
56・ LGエレクトロニクス OLED65C4PJA
¥327,267 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
【77インチ】
57・ LGエレクトロニクス OLED77C4PJA
¥539,794 楽天市場 (4/12執筆時)
【83インチ】
58・ LGエレクトロニクス OLED83C4PJA
¥637,800 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED EVO gen2
倍速パネル:4倍速相当
ネット動画:Web OS(自社方式)
フレームレート: 4K/ 120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
OLED C4シリーズは、LGの販売する有機ELテレビの2024年の中級機です。
画面サイズの選択肢は、同社では最も充実しています。
つまり、同社がもっとも「売りたい」と思っているグレードと言えます。
パネルは、OLED.EVO gen2です。
カタログは「OLED EVO」だけの表記ですが、米国の実機分析サイトをみても、昨年度用この世代でしょう。
他社のスタンダード機向けに最も供給されているもので、ピーク輝度1300ニトです。
EVOシリーズなので、1回目記事冒頭の「選び方の基本」で書いたように、緑色のピクセルが2通りあり、色再現性がより良いタイプです。
これらの部分は、4K HDR時代においては必然的な進化であり、これは「明確な違い」として評価できます。
一方、下位機種と同じで、引き続き熱対策への言及はないです。
また、独自回路や、温度センサーなどの記載はないです。
画像エンジンは、α9 AI Processor 4K Gen7を搭載します。
下記のスペック比較は(α8とではなく)α5との対比です。
グラフィックコアの性能はC4は4.5倍(B4は2.4倍)で、処理性能は高いです。
処理速度ベースで30%ほど速いです。先述のように、最近のテレビは、AI処理能力が画質に大きく影響を与えるため、入門機より基礎的な部分で性能差はあります。
順番にみておきます。
第1に、AIスーパーアップスケーリングです。
入門機でもあった機能性です。しかし、AI超解像(フレーム内処理)の過程の後に、ナチュラル表情エンハンサーという追加処理がなされます。
先述のAIにより、物体識別(オブジェクト検出)と同じで、前景としての顔を区別して識別した上で、自然な表情に処理します。
グローバルな製品なので、日本的(あるいはレグザ的な)な「美肌効果」とは方向やや異なる印象です。このあたりに個性を感じます。
第2に、OLEDダイナミックトーンマッピングプロです。
下位機にもあったHDR画像の色調を整えるものですが、より精緻化したものです。
フレーム単位ではなく5000エリアに分けて階調を整えます(エリアコントラストエンハンサー)。その上で、グレースケール分析でエリアごとの明るさも整える処理(エリア輝度エンハンサー)を整えます。
あとは同じです。ただ、特にエリアコントロール部分の制御は、メタデータを1つしか持たないHDRの特性を考えると、輝度表現において決定的に重要で、入門機との差でしょう。
画質の自動調整は、入門機と同じ水準です。
やはり、環境光センサーは非装備です。
もちろん、音と映像のシーン検出は下位機種同様連動して対応です。
倍速表示機能(オーバードライブ)も、倍速パネルが搭載です。
スピーカーは、48インチは20Wですが、それ以上は下位機種よりパワーがある総計40Wです。
ただ、その場合の構成も、左右のフルレンジとウーファー2つという2.2ch構成です。
ハイトスピーカーは引き続き未装備で、立体サラウンドはリアルではないです。
中級機として目立つ性能はないですが、中途半端に高品質なスピーカーを載せて売価が高くなるよりも良いでしょう。
先述のように、LGは壁掛け向けに売られている感じがあり、その部分に由来するところでもありそうです。
やはり、一般的に【サウンドバーの比較記事】で紹介したような製品を増設した方が満足度は高いと言えます。先述のように、2023年機以降は、(LGのスピーカーならば)本体内蔵のスピーカーも活かして、チャンネル数が増やせます。
とくに、このグレードの場合、取付用のブラケット(上図)もスピーカー側に添付されるので、「使ってね」ということかと思います。
ただ、仮想再生についてDolby Atmosに対応するほか、地デジなどのコンテンツを(仮想的に)9.1.2ch再生にする機能が付属します。
下位機種は5.1.2chでしたので、(プロセッサが良い分)少し上位です。
その他の部分は、チューナーや使い勝手の部分を含めて、入門機に加えて言及したいことはないです。
このほか、本機も、5年保証という部分が他社に比べての特長です。
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以上、LGのOLED C3シリーズの紹介でした。
同社の中級の第2世代のEVOパネル採用という部分で、パナソニックほかの中級機とならぶグレードの製品です。
そちらとの比較になります。従来弱めに見えたエンジンは、AI世代になって確実に差を詰めていると思いました。
一方、目指す絵の方向は、日本向けに(ある意味ガラバゴス化している)各社と違い、グローバルスタンダードです。メーカーによる味付けを極力排し(映像作成者の意図性を重視した)「フィルムメーカーモード」に力を入れるのも特長といえます。
この部分は好みであり、LGの方向性もありです。
入門機でも書きましたが、他社がパネルを「限界までチューン」した感じであるのにたいして、LGは「余裕を持った駆動」にしている感じがあります。それはそれで、故障可能性などの部分では、有利かなと思います。
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なお、このグレードも旧機が残ります。
【2023年7月発売】
【42インチ】
63・ LGエレクトロニクス OLED42C3PJA
¥102,271 楽天市場 (4/12執筆時)
【45インチ】
64・ LGエレクトロニクス OLED48C3PJA
¥114,557 楽天市場 (4/12執筆時)
【55インチ】
65・ LGエレクトロニクス OLED55C3PJA
¥147,900 楽天市場 (4/12執筆時)
【65インチ】
66・ LGエレクトロニクス OLED65C3PJA
¥223,960 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED EVO gen2
倍速パネル:4倍速相当
ネット動画:Web OS(自社方式)
フレームレート: 4K/ 120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
第1に、OLED C3シリーズです。
同じグレードの1世代前の旧機です。
パネルは、同じOLED.EVO gen2です。
ユーザー検証の実機スペックは異なりますが、エンジン周りに由来するものでしょう。
画像エンジンは、α9 AI Processor 4K Gen6を搭載します。
α9の場合、24年モデルでも6年前からあるCPUの7世代目です。
新世代にたいする処理差は、明示的にはなく、機能面でもさほど差はないです。
ただ、AIスーパーアップスケーリングについて、先述の「ナチュラル表情エンハンサー」に言及がない程度です。ただ、その代わり、ダイナミックビビット処理という機能性がありますし、似たようなことはしています。
スピーカーは、48インチまでは20Wです。あとは、総計40Wです。
機能性は、新機種と変わりません。
あとは、搭載されるWeB OSのバージョン程度の違いと言えます。
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結論的にいえば、実際的な画像差は、パネルと機能に注目する場合、新機種とさほどない印象です。
価格が安いうちは、「狙い目」と思えます。
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このほか、同クラスの旧機がいくつか残るので、まとめて順番に見ておきます。
【2022年6月発売】
【42インチ】
67・ LGエレクトロニクス OLED42C2PJA
¥137,492 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
【48インチ】
68・ LGエレクトロニクス OLED48C2PJA
¥119,800 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
【55インチ】
69・ LGエレクトロニクス OLED55C2PJA
¥128,788 楽天市場 (4/12執筆時)
【65インチ】
70・ LGエレクトロニクス OLED65C2PJA
¥368,800 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED EVO gen2
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Web OS(自社方式)
フレームレート: 4K/ 120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
第2に、OLED C2シリーズです。
同グレードの2世代前の製品です。
パネルは、この世代も同じOLED EVO gen2ですので、性能に問題ないです。
画像エンジンは、α9 AI Processor 4K Gen5です。
主な違いは、エンジンの世代です。
こちらの場合、エリア制御(ダイナミックトーンプロ)について、エリア分け処理はしますが、グレースケールでの輝度調整(エリア輝度エンハンサー)の言及がないです。この世代でも、オブジェクト型処理や、アップスケーリング時のAI超解像に言及もないです。
あとは、下位機種の場合と同じで、「パーソナルピクチャーウィザード」に対応しないのと、仮想のサウンド再生が、7.1.2ch再生にとどまるほどの違いです。
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結論的にいえば、画面サイズによりますが、すでにそこまでは安くないです。
パネルの出自はよいですが、AI技術の利用が高度化する前の世代のエンジンという点をふまえれば、今ならばより新しい機種でしょう。
ただ、特別なセールで、十分な値段差がついているようならば、選択肢にできます。
【2024年6月発売】
【55インチ】
71・ LGエレクトロニクス OLED55G4PJB
¥299,800 楽天市場 (4/12執筆時)
【65インチ】
72・LGエレクトロニクス OLED65G4PJB
¥434,000 楽天市場 (4/12執筆時)
【77インチ】
73・LGエレクトロニクス OLED77G4PJB
¥648,421 楽天市場 (4/12執筆時)
【83インチ】
74・LGエレクトロニクス OLED83G4PJA
¥891,000 楽天市場 (4/12執筆時)
【97インチ】
75・LGエレクトロニクス OLED97G4PJA
¥3,407,608 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED EVO gen3
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Web OS(自社方式)
フレームレート: 4K/ 120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
OLED G4シリーズは、LGエレクトロニクスの販売する有機ELテレビのプレミアムモデルです。
こちらは、ギャラリーデザインを採用です。
壁掛けにする時に、すき間が生じないようなスマートなデザインです。
なお、写真の下部スピーカーは別売で、通常スピーカーは内臓になります。後ほど詳しく書きます。
パネルは、同社のパネルの最高峰となる、LG OLED EVO Gen4です。
集光レンズ(マイクロレンズアレイ)をさらに改良し、ピーク輝度を3000ニトまで伸ばしました。サムソン最新機(QD-QLED 2024)と並んで、現状最高です。
中位機のLG B4シリーズ採用のEVO2に対して約150%明るいとされます。
色域も、全白だけでなく、ピークのカラー輝度が1500ニトまで強化されたので、QD-QLEDに対する弱点といえる部分も、緩和しています。
先述のように、反射はLGのが少なく「黒表現」は良く、特に、部屋を暗くした場合の画質は、この方式に軍配が上がる部分があります。
むろん、3000ニトなので、この水準ならば、日中でも問題なく利用可能なレベルでしょう。
画像エンジンは、α11 AI Processorです。
24年モデルにおけるLGの最高峰で、α9(Gen7)に対して、さらに1.3倍の処理強化です。
一方、画像処理機能の部分で、このグレードからとなるのは次の機能です。
第1に、AIディレクター処理です。
AIが映像の色分布から、映像制作者が想定した意図(感性)を推定し、修正するものです。
到達目標が「映像の感情を再現・感動的な画質」という表現なので、具体的に目指すところがなにか曖昧です。
Atlasは、視聴者にとってナチュラルな色味に調整される機能と理解します。
第2に、オブジェクト型リアルタイム映像処理の強化です。
下位機でもみられる機能性ですが、このグレードでは、オブジェクト検出(前景と背景の分離)による立体感の強化をした上で、注目対象強化を実装します。
ソニーのブラビアが先行していた「注視点」と同じで、視聴者がどこに注目してみるのかをAIに深層学習させ、その成果を利用した処理になります。
スピーカーは、内蔵型は60Wです。
トゥイーター・フルレンジ・ウーファーが各2個ずつです。
構成は非開示ですが、左右のステレオ2chほかサイドに2chと、サブウーファが2chで、4.2chのようです(調査中)ハイトスピーカーはなさそうです。
本機は、ドルビーアトモス対応で、プロセッサによる計算で、最大11.1.2chで仮想再生ができます。
先述のように、パネルのウォールデザインにマッチした超薄型の外部スピーカー(3.1ch)がでました。やはり、本機内蔵のスピーカーとリンクして使えます。
一方、【サウンドバーの比較記事】で紹介していますが、そちらもハイトスピーカーはないのですが、テレビスピーカーとの、高さの差で、立体感を表現できるようです(トリプルレベル空間音響)。
いずれにしても、導入した場合、最大11.1.2chでの仮想再生は、より「リアル」でしょう。
AIを利用する音響面のルームキャリブレーションもあるので、再現性は高そうです。
LG WebCam VC23GA
¥7,880 楽天市場 (4/12執筆時)
このほか、純正アクセサリーとして、ウェブカメラが売られます。
こちらは、トレーニングやチャット利用が想定されているので、似たようなソニーの周辺機器とは意味合いがすこし異なるものです。
下位機種でも使えます。
保証は、一方、このグレードは5年保証です。
あとは、中位機以下と目立つ相違点はないです。
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以上、LGのOLED G4シリーズの紹介でした。
現状で、LGの最高峰のパネルであることが「確定」しているのは、日本だと本機のみです。
その部分でプレゼンスがあります。画像エンジンも十分に強力ですし、有機ELの高級ハイエンドとして、選べる製品の1つに思います。
一方、本機の価格帯にふさわしいサウンドにしたい場合、やはり、【サウンドバーの比較記事】で紹介した、同社のスピーカーを同時に増設すると良いようには思います。
【2023年11月発売】
【77インチ】
76・LGエレクトロニクス OLED77M3PJA
¥(879,980) 楽天市場 (4/12執筆時)
【97インチ】(受注生産)
77・LGエ SIGNATURE OLED97M3PJA
¥4,289,980 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED EVO gen3
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Web OS(自社方式)
フレームレート: 4K/ 120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
OLED M3シリーズは、LGエレクトロニクスの販売する有機ELテレビのフラッグシップです。97インチは、受注生産です。
パネルは、一方、1世代前のLG OLED EVO Gen3です。
これは、本機が23年11月の発売だったためです。
ギャラリーデザイン(ワンウォールデザイン)である部分は同じです。
大きな相違点は、通信方法です。
日本では、パナソニックが先行していましたが、チューナーボックスが付属し、無線でデータを転送するワイヤレス方式です。
加えて、同社の場合、60Hz帯のミリ波を利用する方式で、4K/120Hzまでのデータを無線伝送させています。パナソニックの場合、HDMI端子はテレビ側でしたが、この方式だと、チューナー側にできます。
太くて安定的で、家庭用無線LANの帯域とも被らないので、送受信は(理論上)安定的とされます。実際、部屋の中で飛ばす程度ならば問題は生じないでしょうが、10Mという目安は付けています。
かなり高額ですが、これは日本初です。
チューナー側は、(普及レベルながら)NVIDIA G-SYNC Compatible・AMD FreeSyncPremium対応で、ゲーム時のチラツキ・カクツキ対策もありますので、ハイエンドクラスの「ゲーム用」として、エグゼクティブには受けるかもしれません。
エンジンは、α9 AI Processor 4K Gen6です。
α11でないのは、やはり23年発売だからです。
新プロセッサとの違いは、先述のとおりです。
スピーカーは、こちらも60Wです。
先ほどの機種と同じで、4.2chです。
【サウンドバーの比較記事】で紹介した、同社の外部スピーカーは3.1.3chが最上位です。
写真は日本未発売のモデルとのことですが、構成的には同じかと思います。
バーチャルだと、こちらも最大「9.1.5 ch」まで再現できます。
あとの部分は、エンジンの世代が同じなので、1つ上で見た、プレミアムモデルと同等と言えます。−
以上、LGのOLED M3シリーズの紹介でした。
「夢のある」機種だと思います。配線的には、電源ケーブルは残りますが、ここまでの額を出せる方ならば、ウォールで配線処理もできるでしょうし、事実上、スタンドアロンで配置ができます。
パナソニックと違って、4K/120Hzまで送れる電波仕様ですし、HDMIほかの端子がチューナー側にある部分は、高く評価できます。
【2023年1月発売】
【42インチ】
78・ LGエレクトロニクス OLED Flex 42LX3QPJA
¥576,700 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED EVO gen2
倍速パネル:4倍速相当
ネット動画:Web OS(自社方式)
フレームレート: 4K/ 120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
LG OLED Flex 42LX3QPJAは、LGエレクトロニクスの新製品です。
写真のように「曲面ディスプレイ」です。同社の曲面機の日本展開は久しぶりです。
本機は、リモコンでの曲率の変更ができる部分が、とても「新しい」製品です。
自発光でLEDシートがない有機EL素材の特性を活かした形で、とても考えられています。
曲率は、平面から、900Rまで20段階です。
曲率は、【パソコン用曲面ディスプレイの比較記事】で、かなり詳しく書きました。
本機は、平面状態から、極限まで「曲がり」ます。
PC向きは(仕事用の話もあったので)評価を少しきつめに書きました。
しかし、TVとして曲面ディスプレイを使う場合は、これは別の話です。しかも、平面まで調整できるならば、全く文句はありません。
さらに、チルト角度と高さの調整もできるので、PC用としても結構良さそうな仕様です。
主に、ゲーム向けのため、その方向性のスペックも出されます。
HFR(4K/120p)対応なのはもちろん、応答速度もかなり速い(0.1ms)です。
ゲーム用のOS(ゲームオプティマイザ)もあるため、ゲーミング方面に充実します。
画面サイズの選択肢は、4Kについては、42インチだけです。
個人的には、42インチでも普通の奥行の机には大きめに思えますが、この辺は好みで考えてください。ゲーム用なのでLEDライティングも対応できます。
なお、4Kにはならないですが、入力時の画面サイズは可変できます。
大きすぎると使いにくいジャンルのゲームをやる場合、小さめに出せます。
この利用方だと、没入感はすこし減じますが、損ではないでしょう。
パネルは、本機、LED EVO gen2です。
表面的な映り込み防止処理となるSAR(Super Anti Reflection)の採用情報があります。
これにより明るい場所の映り込みの軽減がなされます。ただし、あくまで有機ELですので、日中の全く明るい場所で快適というわけではないです。
掲載写真も、夕暮れ時です。
画像エンジンは、α9 AI Processor 4K Gen5です。
現行世代(6世代)に対して、先述のように、エリア輝度エンハンサーがない点、パーソナルピクチャーウィザードに対応しない点が目立つだけの違いです。
画質の自動調整も、同様に対応です。
ゲーム用により調整力があることは、先ほど説明した通りです。
倍速表示機能(オーバードライブ)も、倍速パネルが搭載です。
仮想的な処理(OLED Motion Pro)を含めれば「4倍速相当」です。
スピーカーは、40Wです。
フロントに2個のフルレンジと、(サブ)ウーファー2個の、2.2chとなります。
ゲーム用なので、「振動強化」な仕様です。
一方、仮想的なDolby Atmosに対応しますが、7.1.2ch再生を再現する機能はないです。
その他の部分は、ヘッドセットなしで、ボイスチャットができるように、エコーキャンセル付きマイクを装備します。
マイクや、マウスなどのUSB機器は、PCで利用できるように、スイッチングハブボタンで、PC・TVの切替に対応します。このあたりの仕様も、最近のトレンドをふまえます。
あとの部分は、先ほどの製品と変わりません。
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以上、LGのLG OLED Flexの紹介でした。
ゲーム用ディスプレイの記事で紹介するべき機種か迷ったほど、ゲーム向けな高級機です。
曲面ディスプレイで、曲率が可変できるのは、相当革新的な進化だと思います。値段はしますが、新しもの好きな、ゲーマーには、それだけでも選ぶ価値がありそうです。
可変構造が耐久性に影響を与えることも(おそらく)なさそうです。
今回の結論
最新の有機ELテレビのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、有機ELテレビの比較の3回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
4・ 有機ELテレビの比較(4)
4-1:レグザ(東芝)
4-2:ハイセンス
5・ 有機ELテレビの比較(5)
5-1:最終的なおすすめの提案【結論】
次回の4回目記事(こちら )では、レグザとハイセンスの製品を紹介します。
パネル品質 ★★★★★
画像エンジン ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
ネット動画 ★★★★★
番組表 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回記事(こちら)では、今回紹介した全製品からいつものように、目的別・用途別にAtlasのおすすめ機種をあげておきたいと思います。
4回目記事は→こちら!