4回目記事からの続きです→こちら
4-1・LGの有機ELテレビの比較

4回目記事のトップバッターは、LGエレクトロニクスの有機ELテレビです。
同社は、各社に提供する「有機ELパネルの製造元」なので、とくに入門機では、価格が安めのテレビを多く出せています。
1・有機ELテレビの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:パナソニック 1
2・ 有機ELテレビの比較 (2)
2-1:パナソニック 2
2-2:ソニー
3・ 有機ELテレビの比較 (3)
3-1:シャープ
4・ 有機ELテレビの比較 (4)
4-1:LGエレクトロニクス
5・ 有機ELテレビの比較(5)
5-1:レグザ(東芝)
6・ 有機ELテレビの比較(6)
6-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」の説明に沿いながら、各機をみていきます。
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また、以下では、いつものように、Atlasのおすすめできるポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で書きます。
【2024年5月発売】
【48インチ】
46・ LGエレクトロニクス OLED48B4PJA
¥100,874 Amazon.co.jp (1/2執筆時)
【55インチ】
47・ LGエレクトロニクス OLED55B4PJA
¥132,000 楽天市場 (1/2執筆時)
【65インチ】
48・LGエレクトロニクス OLED65B4PJA
¥189,800 楽天市場 (1/2執筆時)
【77インチ】
49・LGエレクトロニクス OLED77B4PJA
¥274,755 Amazon.co.jp (1/2執筆時)
モニターパネル:OLED
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Web OS(自社方式)
フレームレート: 4K/ 120Hz
新4K放送チューナー:搭載(2)
OLED B4シリーズは、LGの有機ELテレビの2024年の入門機です。

先述のように(部品としての)大画面有機ELパネルを生産できる唯一のメーカーですが、テレビの直販もしています。

パネルは、LGの入門用のOLEDです。
恐らく、第2世代水準でピーク輝度で800ニトのものだと思います。
輝度があまり高くないので、日中の明るい場所ではそこまで観ない方に向くと言えます。
熱対策は、専用センサー・回路などを利用した同社、あるいは、他社上位機のような装備はないです。
ただ、この水準の輝度ならば不要とも言えます。
画像エンジンは、α8 AI Processor 4Kを搭載します。
今回、6世代(6年)つづづいたα7から久しぶりに名前が変わりました。
処理力向上に伴い、画像処理の部分で、革新がありました。
近年は、膨大な映像のビッグデータを深層学習させたAIを搭載し、処理を任せる技術が高度化していますが、LGもその路線です。
いくつか注目するべき機能を説明しておきます。

第1に、AIスーパーアップスケーリングです。
4K液晶テレビを快適にみるには、地デジを含む低解像度コンテンツを4K表示するのアップスケーリングの精度が重要です。
こちらは、映像系のビッグデータから処理を深層学習したAIが映像品質を測定し、適切にノイズリダクションした上で、超解像処理(AI超解像)をするものです。
後ほどみる上位のエンジン(α11)だと、さらに表情の解析もしますが、α8だとここまでです。
プロセスとしては、以前からあるオーソドックスな「フレーム内処理」の超解像ですが、膨大な情報を学習したAIの解析で、精度は上がったと言えます。
この部分の技術向上は著しく、そのためのプロセッサ性能の向上だったと言えます。

第2に、オブジェクト型リアルタイム映像処理です。
AI映像プロとしてまとめられる諸機能の中核機能です。
レグザやパナソニックも似た技術がありますが、各社とも利用方法に個性があります。
LGの場合、人間・人間の顔・車・動物の情報をAIが区別できる水準で、それら(前景)と背景を区別して認識します。その上で、前景をくっきり、立体的に表示するという技術です。
映像の奥行感を強化する方向性で、利用しています。

第3に、ダイナミックトーンマッピングプロです。
HDR画像の色調を整えるものです。
同社の上位機は、上図のようにエリア分けでの細かい処理をします。ただ、このグレードだと、1フレーム単位の最適化に止まります。
それでも配慮があるのはよいことです。
このほか、LGの場合、AIディレクター処理という技術がみられます。カタログだとα8でも搭載のような書き方ですが、プレスリリースをみると、そちらは上位エンジン(α11)のみの対応のようです。

画質の自動調整は、対応です(自動ジャンル選択/シーン検出)。
標準(ニュースなど)・シネマ・アニメ・スポーツを映像情報から判断し、その上で、適切に映像を調整する機能です。
他社でもおなじみですが、LGだとこのグレード以降のみです。

加えて、夜景・町並み・自然というシーンも理解しそのシーンに合わせた適切な画質に調整もします(シーン検出機能)。
レグザ(東芝)にもみられた機能性ですが、やはり、AIに何を学習させたかの違いで、個性があり、面白いです。

一方、LGは、環境光センサーは非搭載です。
これは部屋の明るさのほか、照明色もみれるセンサーのことで、部屋の状況で画質を調整します。
明るさセンサーで調整はしますが(AI輝度)、色までは利用していないと言えます。

そのほか、パーソナルピクチャーウィザードに対応です。
2種類の見本映像のうち、好みのほうの画像をいくつか選んでいくと、自動で、好みの画質に調整されるというものです。1人暮らしならば便利でしょう。
HDR10は、規格対応です。
新4K放送に使われるHLG形式もフォローします。
標準画質(SDR)のコンテンツを解析し、色補正をしつつアップコンバートする機能(HDR効果モード)も装備します。
4Kチューナーは、搭載します。
2チューナーなので、試聴中の裏番組の録画も対応です。

倍速パネルは、 4Kの2倍速パネルが搭載です(120Hz )。
なお、有機ELは、応答速度の速さ(1ms/GTG)も特長です。ただし、ホールド発光方式なので動画ボケは発生しますから、「倍速駆動」できるシステムは、液晶TV同様に重要となります。
実際、スポーツなど動きのある映像をみる場合に重要です。
同社の場合、パナソニックやREGZAのように「フレーム補間」については直接的な言及はないです。設定項目としてはは、TruMotionで動きの速い映像のカクツキと残像の除去を調整するような仕組みです。
ただ、実際は(なんらかの)補間をなしていると言えそうです。フィルムメーカーモードだとそれらがOFFになるという説明がありますので。
欧米の場合(日本と違い)倍速パネルの「フレーム補間」を、テレビドラマのように「安っぽく、平面的に」なるとして嫌う傾向があります(ソープオペラ効果)。そのため、世界でTVを売るLGは、この部分をあまり強調しないのだと思います。
録画機能も、別売の外付けハードディスクの増設により対応します。
裏番組録画も対応です。

スピーカーは、総計20Wのステレオ・フルレンジスピーカーです。
マイクを利用した、部屋の音響環境に合わせたサウンドチューニングなど、他社機にみられる技術はみられますが、この部分は必要最低限な水準です。
立体音響規格のドルビーアトモスは対応し、最大5.1.2chまでとされる仮想的な多チャンネル再生(AIサウンドプロ)はありますが、2chスピーカーなので再現性は低いでしょう。
一方、LGの場合、2023年以降のOLED採用機は自社の外部スピーカーと連携できるようになりました。
これを使う場合、TV内蔵のスピーカーも(消えずに)活かせるので、(リアルに)多チャンネル化できます。
ただ、10万円程度の通貨投資になりますし、やや話が外れるので、詳しくは、【サウンドバーの比較記事】のLG機の紹介の中で書いています。。

操作性は、良質な画像エンジンを採用しているため、他社に劣りません。
ただ、番組表の情報量やユーザーインターフェースの使い勝手は、あまり「ガラパゴス化」していないので、どちらかと言えば、スマートテレビに近い使用感です。

映像配信サービスは、LGの場合、同社のWebOSを利用します。
アプリが多く、自由にインストールでき、Google TV・Fire TV採用する他社機には及びません。とはいえ、メジャーな動画サービスはだいたい対応しています。

音声アシスタントサービスは、付属のマジックリモコンのボタンを押すことで、AIを呼び出せます。
LGのAI以外に(排他的ですが)「Amazon Alexa」「Google アシスタント」も選べます。リモコンのボタンを押すことで、AIに情報を聞いたり、声で操作をお願いしたりできます。

HFR(ハイフレームレート)は、4K/120Hzに対応します。
次世代ゲーム機に使う場合、あると「なめらかな動き」が楽しめます。
カクツキを減らす、VRR(バリアブル・リフレッシュ・レート)と、自動的に遅延時間を短縮するALLM設定もフォローです。
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以上、LGのOLED B4シリーズの紹介でした。
昔に比べると、画像処理機能が格段に多機能になったこともあり、今だと、他社のOLED入門機と選ぶのが迷う機種になっています。
とくに、パネルが製造できるメーカーの利点で、発売時から時間がたつと割と値下がりしていくことも多く、割と安く買える場合が多いです。
ただし、上級パネルではないので、日差し対策が必要なグレードである部分は注意点です。
一方、LGの場合、パネルの熱対策は国内他社のようになさず、センサー類を利用するなどして、限界まで輝度を高める方向で、画質強化するような専用回路もないです。
おそらく、日本の消費者(あるいは企業)ほどは「限界までチューンして、パネルのキャパシティを出し切らせる」ことにこだわらず、堅実な安定した駆動性と、壁掛け向けのスタイリッシュな外観を保つことをむしろ重要視している感じがあります。

【2025年7月発売】
【42インチ】
50・ LGエレクトロニクス OLED42C5PJA
¥278,300 Amazon.co.jp (1/2執筆時)
【48インチ】
51・ LGエレクトロニクス OLED48C5PJA
¥281,688 Amazon.co.jp (1/2執筆時)
モニターパネル:OLED
【55インチ】
52・ LGエレクトロニクス OLED55C5PJA
¥338,000 Amazon.co.jp (1/2執筆時)
【65インチ】
53・ LGエレクトロニクス OLED65C5PJA
¥334,764 Amazon.co.jp (1/2執筆時)
【77インチ】
54・ LGエレクトロニクス OLED77C5PJA
¥497,259 Amazon.co.jp (1/2執筆時)
【83インチ】
55・ LGエレクトロニクス OLED83C5PJA
¥762,300 Amazon.co.jp (1/2執筆時)
モニターパネル:OLED(高輝度型)
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Web OS(自社方式)
フレームレート: 4K 144Hz
新4K放送チューナー:搭載(2)
OLED C5シリーズは、LGの販売する有機ELテレビの2025年の中級機です。
画面サイズの選択肢は、同社では最も充実しています。
つまり、同社がもっとも「売りたい」と思っているグレードと言えます。

パネルは、サイズで変わります。
48インチまでは、普通のOLEDパネルを採用しています。
最大輝度がおおむね800nit前後にとどまる下位パネルです。
このサイズでは、LG独自の輝度強化機構「Brightness Booster」(放熱プレートや駆動最適化アルゴリズムを含む構造)を搭載できないため、発光電流を抑えて動作させる必要があるからです。
これは、他社の小型パネルの場合も同じです。
55インチからは、高輝度型です。
放熱プレートや温度制御機構(※方式は非公開)を組み合わせることでの補正を含めて、従来の入門クラスより高いピーク輝度が実現できるとされます。

上表は著名分析サイトのRTINGの分析データをまとめたものです。
C5世代だと、MLA採用のMeta世代の上位機には及ばないにせよ、実測ベースでもそれなりに余裕のある輝度を得られています。
熱対策は、物理的・ソフト的な詳細構造は非公開ですが、55インチ以上のモデルには何らかの熱対策が講じられている蓋然性が高いと考えられます。

画像エンジンは、α9 AI Processor 4K Gen8です。
下記のスペック比較は(α8とではなく)α7との対比ですが、一定の性能差をしめします。
最近のテレビは、AI処理能力が画質に大きく影響を与えるため、入門機より基礎的な部分で性能差はあります。

画像補正部分では、OLEDダイナミックトーンマッピングプロに対応です。
下位機にもあったHDR画像の色調を整えるものですが、より精緻化したものです。
フレーム単位ではなく5000エリアに分けて階調を整えます(エリアコントラストエンハンサー)。その上で、グレースケール分析でエリアごとの明るさも整える処理(エリア輝度エンハンサー)を整えます。
特にエリアコントロール部分の制御は、メタデータを1つしか持たないHDRの特性を考えると、輝度表現において決定的に重要で、入門機との差でしょう。
あとは、「機能名」としてはですが、下位機と同じです。
画質の自動調整は、入門機と同じ水準です。
やはり、環境光センサーは非装備です。
もちろん、音と映像のシーン検出は下位機種同様連動して対応です。
倍速表示機能(オーバードライブ)も、倍速パネルが搭載です。

スピーカーは、42インチは20Wでそれ以上は下位機種よりパワーがある総計40Wです。
ただ、その場合の構成も、左右のフルレンジとウーファー2つという2.2ch構成です。
ハイトスピーカーは引き続き未装備で、立体サラウンドはリアルではないです。
中級機として目立つ性能はないですが、中途半端に高品質なスピーカーを載せて売価が高くなるよりも良いでしょう。
先述のように、LGは壁掛け向けに売られている感じがあり、その部分に由来するところでもありそうです。

やはり、一般的に【サウンドバーの比較記事】で紹介したような製品を増設した方が満足度は高いと言えます。先述のように、2023年機以降は、(LGのスピーカーならば)本体内蔵のスピーカーも活かして、チャンネル数が増やせます。
とくに、このグレードの場合、取付用のブラケット(上図)もスピーカー側に添付されるので、「使ってね」ということかと思います。

ただ、仮想再生についてDolby Atmosに対応するほか、地デジなどのコンテンツを(仮想的に)11.1.2ch再生にする機能が付属します。
下位機種は5.1.2chでしたので、(プロセッサが良い分)少し上位です。
その他の部分は、チューナーや使い勝手の部分を含めて、入門機に加えて言及したいことはないです。
このほか、本機も、5年保証という部分が他社に比べての特長です。
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以上、LGのOLED C5シリーズの紹介でした。
55型以上は各社の中級機に採用される第2世代のEVOパネルです。
この水準ならば、日光対策をすればですが、リビングでも使えるでしょう。ただ、それ以上の世代のモデルとはまだ差があります。
パネル回りはパナソニックのZ90Bシリーズとほぼ同じですので、そちらがライバルでしょう。
一方、売出時価格は若干こちらが高めで、画質補正も、パナソニックが(ジャパナイズをふくめ)一日の長がある感じがするので、比較は必要に思います。
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【2024年7月発売】
【42インチ】
56・ LGエレクトロニクス OLED42C4PJA
¥190,000 Amazon.co.jp (1/2執筆時)
【48インチ】
57・ LGエレクトロニクス OLED48C4PJA
¥221,428 Amazon.co.jp (1/2執筆時)
モニターパネル:OLED
【55インチ】
58・ LGエレクトロニクス OLED55C4PJA
¥230,000 Amazon.co.jp (1/2執筆時)
【65インチ】
59・ LGエレクトロニクス OLED65C4PJA
¥498,990 Amazon.co.jp (1/2執筆時)
モニターパネル:OLED(高輝度型)
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Web OS(自社方式)
フレームレート: 4K/ 120Hz
新4K放送チューナー:搭載(2)
一方、旧機となる、OLED C4シリーズが残ります。
画面サイズの選択肢は、同社では最も充実しています。
つまり、同社がもっとも「売りたい」と思っているグレードと言えます。
パネルは、各画面サイズとも、新機種と世代差はないといえます。
レビューサイトの実測では多少新機種が良いですが、何かしらの周辺パーツの改良でも実現しそうな、誤差範囲です。
その他の部分もあまり変わりません。
画像エンジンは、1世代前のα9 AI Processor 4K Gen7です。
LGの場合「α以下」のバージョン数字が同じだと、世代ではほぼ性能は変わらないようです。
画質面・音質面でも特段の新機能はみあたらないです。
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結論的にいえば、皆さんが買われる際、値段が安い限りにおいて、こちらを選んで良いでしょう。
特に、現状で(ちょっと良い)中級パネルと言える55型以上の EVO gen2採用機について、同等の他社機より安い価格で狙う場合、(時期によっては)候補にできます。

【2024年6月発売】
【55インチ】
60・ LGエレクトロニクス OLED55G5PJB
¥423,500 Amazon.co.jp (1/2執筆時
【65インチ】
61・LGエレクトロニクス OLED65G5PJB
¥451,259 楽天市場 (1/2執筆時)
【77インチ】
62・LGエレクトロニクス OLED77G5PJB
¥791,998 Amazon.co.jp (1/2執筆時
【83インチ】
63・LGエレクトロニクス OLED83G5PJA
¥990,000 楽天市場 (1/2執筆時)
【97インチ】
64・LGエレクトロニクス OLED97G5PJA
¥3,98,691 楽天市場 (1/2執筆時)
モニターパネル:LG Gen4 OLED
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Web OS(自社方式)
フレームレート: 4K 165Hz
新4K放送チューナー:搭載(2)
OLED G5シリーズは、LGエレクトロニクスの販売する有機ELテレビのプレミアムモデルです。

こちらは、ギャラリーデザインを採用です。
2.43cmの薄さで壁掛けにする時に、すき間が生じないようなスマートなデザインです。
なお、写真の下部スピーカーは別売で、通常スピーカーは内臓になります。後ほど詳しく書きます。

パネルは、同社のパネルの最高峰となる、LG Gen4 OLEDです。
集光レンズ(MLA)なしですが、発光層が4層としたことで輝度強化をはかった最新世代です。
ピーク輝度は、実に4000ニトクラスと明るいパネルです。
もちろん、実効値ではないです。しkし、パネルの「全力発光」がどの程度の水準かを知るための手がかりであり、実際、性能は良いと言えます。
サムソン最新機(QD-QLED 2025)と並んで、現状最高クラスのパネルです。
色域も、全白だけでなく、カラー輝度も前世代で1500ニトまで強化されています。
QD-QLEDに対する弱点といえた部分も、近年は緩和しています。
先述のように、反射はLGのが少なく「黒表現」は良く、特に、部屋を暗くした場合の画質は、この方式に軍配が上がる部分があります。
むろん、4000ニトなので、日中でも問題なく利用可能なレベルでしょう。
ちなみに、同社の昔のカタログを見返すと、OLEDを「明るい部屋」で使う写真は避けられていたものです。いまだと、もうそんなことはないです。
熱対策は、(特に日本市場向けの訴求においては)あまり積極的に同社は語っていません。
しかし、ピーク輝度4000ニトの発光を安定的に実現するには、放熱設計が不可欠であり、何らかの熱制御機構が備わっていることは技術的に必然です。
LGの用語でいえば、これに該当するのが「Brightness Booster Ultimate」です。
従来比で最大3倍の輝度向上を達成するため、ハードウェア面での放熱強化や、温度センサーを活用した駆動制御の最適化が行われていると推測されます。
この点について、LGは詳細な構造情報を開示していませんが、パネル寿命や焼き付き防止の観点から見ても、熱対策が講じられているのは確実と考えてよいでしょう。

画像エンジンは、α11 AI Processor 4K Gen2です。
24年モデルにおけるLGの最高峰で、α9(Gen7)に対して、さらに1.3倍の処理強化です。
一方、画像処理機能の部分で、このグレードからとなるのは次の機能です。

第1に、AIディレクター処理です。
AIが映像の色分布から、映像制作者が想定した意図(感性)を推定し、修正するものです。
到達目標が「映像の感情を再現・感動的な画質」という表現なので、具体的に目指すところがなにか曖昧です。
Atlasは、視聴者にとってナチュラルな色味に調整される機能と理解します。

第2に、オブジェクト型リアルタイム映像処理の強化です。
下位機でもみられる機能性ですが、このグレードでは、オブジェクト検出(前景と背景の分離)による立体感の強化をした上で、注目対象強化を実装します。
ソニーのブラビアが先行していた「注視点」と同じで、視聴者がどこに注目してみるのかをAIに深層学習させ、その成果を利用した処理になります。

第3にAIスーパーアップスケーリングです。
入門機からあった機能性です。
しかし、α11だと、ピクセル単位で画像を計測するという追加の機能性が示されます。
その上で、AI超解像(フレーム内処理)の過程の後に、ナチュラル表情エンハンサーという追加処理がなされます。
先述のAIにより、物体識別(オブジェクト検出)と同じで、前景としての顔を区別して識別した上で、自然な表情に処理します。

グローバルな製品なので、日本的(あるいはレグザ的な)な「美肌効果」とは方向やや異なる印象です。このあたりに個性を感じます。

スピーカーは、内蔵型は60Wです。
トゥイーター・フルレンジ・ウーファーが各2個ずつで、4.2chで動きます。
構成は非開示ですが、左右のステレオ2chほかサイドに2chと、サブウーファが2chで、4.2chのようです(調査中)ハイトスピーカーはなさそうです。
本機は、ドルビーアトモス対応で、プロセッサによる計算で、最大11.1.2chで仮想再生ができます。
先述のように、パネルのウォールデザインにマッチした超薄型の外部スピーカー(3.1ch)がでました。やはり、本機内蔵のスピーカーとリンクして使えます。

一方、【サウンドバーの比較記事】で紹介していますが、そちらもハイトスピーカーはないのですが、テレビスピーカーとの、高さの差で、立体感を表現できるようです(トリプルレベル空間音響)。
いずれにしても、導入した場合、最大11.1.2chでの仮想再生は、より「リアル」でしょう。
AIを利用する音響面のルームキャリブレーションもあるので、再現性は高そうです。

LG WebCam VC23GA
¥8,000 楽天市場 (1/2執筆時)
このほか、純正アクセサリーとして、ウェブカメラが売られます。
こちらは、トレーニングやチャット利用が想定されているので、似たようなソニーの周辺機器とは意味合いがすこし異なるものです。
下位機種でも使えます。
保証は、は5年保証です。
あとは、中位機以下と目立つ相違点はないです。
リフレッシュレートは、VRR時、最大4K 166Hzです。
ゲーミングにも高度です。
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以上、LGのOLED G5シリーズの紹介でした。
本機に使われるのと同じLG製の最新最上位のパネルは、パナソニック、東芝ほか他社でも見られるので、ライバルは多いです。
例年、同スペックのパネルを、LGは国内他社より安めで売られることが多かったように思います。しかし、今年は、逆にLGは少し高めに思います。
時期的な問題かもしれませんが、製造国からの輸送コスト(燃料価格高騰)や、円安の影響は、一定程度あるような気はします。
ただ、性能は(繰り返すまでもなく)ハイエンド機として問題ないです。エンジン部分も「AI世代」になってからは特に「差を詰めている」ので、値段によっては選べる製品の1つに思います。
一方、本機の価格帯にふさわしいサウンドにしたい場合、やはり、【サウンドバーの比較記事】で紹介した、同社のスピーカーを同時に増設すると良いようには思います。
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【2024年6月発売】
【55インチ】
【65インチ】
65・LGエレクトロニクス OLED65G4PJB
¥410,000 楽天市場 (1/2執筆時)
【83インチ】
66・LGエレクトロニクス OLED83G4PJA
¥------ 楽天市場 (1/2執筆時)
モニターパネル:LG Meta 2.0(2024)
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Web OS(自社方式)
フレームレート: 4K/ 120Hz
新4K放送チューナー:搭載(2)
なお、1世代前のOLED G4シリーズが一部画面サイズのみ残ります。

パネルは、この世代だとLG OLED EVO Gen4です。
マイクロレンズアレイ(MLA)を使うMeta世代ですがスペック差は感じます。
あとの部分はほぼかわらず、また、価格差はあるものの、選ぶならば、やはり新機種でしょう。

【2025年7月発売】
【77インチ】
67・LGエレクトロニクス OLED97M5PJA
¥4,290,000 楽天市場 (1/2執筆時)
モニターパネル:LG Gen4 OLED
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Web OS(自社方式)
フレームレート: 4K/ 120Hz
新4K放送チューナー:搭載(2)
OLED M5シリーズは、LGエレクトロニクスの販売する有機ELテレビのフラッグシップです。
一般ユーザーは「他山の石」でしょうが、技術的興味があったので、軽く触れておきます。

パネルは、LG Gen4 OLEDです。
ギャラリーデザイン(ワンウォールデザイン)である部分も含めて同じです。

大きな相違点は、通信方法です。
日本では、パナソニックが先行していましたが、チューナーボックスが付属し、無線でデータを転送するワイヤレス方式です。
加えて、同社の場合、60Hz帯のミリ波を利用する方式で、4K/120Hzまでのデータを無線伝送させています。パナソニックの場合、HDMI端子はテレビ側でしたが、この方式だと、チューナー側にできます。
太くて安定的で、家庭用無線LANの帯域(本機はWi-Fi 6E)とも被らないので、送受信は(理論上)安定的とされます。実際、部屋の中で飛ばす程度ならば問題は生じないでしょうが、10Mという目安は付けています。
また、壁などがあったり、変則的な家具配置だと、無理です。

チューナー側は、(普及レベルながら)NVIDIA G-SYNC Compatible・AMD FreeSyncPremium対応で、ゲーム時のチラツキ・カクツキ対策もありますので、ハイエンドクラスの「ゲーム用」として、エグゼクティブには受けるかもしれません。
エンジンはα11 AI Processor 4K Gen2です。
同社の普通のフラッグシップと同じです。機能性は、先述のとおりです。

スピーカーは、こちらも60Wです。
先ほどの機種と同じで、4.2chです。
【サウンドバーの比較記事】で紹介した、同社の外部スピーカーは3.1.3chが最上位です。
写真は日本未発売のモデルとのことですが、構成的には同じかと思います。
バーチャルだと、こちらも最大「11.1.2 ch」まで再現できます。
−
以上、LGのOLED M3シリーズの紹介でした。
「夢のある」機種だと思います。配線的には、電源ケーブルは残りますが、ここまでの額を出せる方ならば、ウォールで配線処理もできるでしょうし、事実上、スタンドアロンで配置ができます。
4K/120Hzまで送れる電波仕様ですし、HDMIほかの端子がチューナー側にある部分は、高く評価できます。
今回の結論
最新の有機ELテレビのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、有機ELテレビの比較の4回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。

5・ 有機ELテレビの比較(5)
5-1:レグザ(東芝)
6・ 有機ELテレビの比較(6)
6-1:最終的なおすすめの提案【結論】
次回の5回目記事(こちら )では、レグザの製品を紹介します。
パネル品質 ★★★★★
画像エンジン ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
ネット動画 ★★★★★
番組表 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回記事(こちら)では、今回紹介した全製品からいつものように、目的別・用途別にAtlasのおすすめ機種をあげておきたいと思います。
5回目記事は→こちら!
