Top PC用液晶モニター 比較2025'【27型】PCモニター85機の性能とおすすめ:27インチフルHDモニター (3)

2025年05月08日

比較2025'【27型】PCモニター85機の性能とおすすめ:27インチフルHDモニター (3)

 1回目記事からの続きです→こちら

3-1・HPのモニターの比較

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 3回目記事のトップバッターは、米国のHP(ヒューレット・パッカード)のモニターです。

 DELLのライバル企業ですが、両社のモニター展開の方向性は多少異なる印象です。

1・27型フルHDモニターの比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:イイヤマ〈日本〉
 1-3:LG〈韓国〉
 1-4:DELL〈米国〉
2・27型フルHDモニターの比較 (2)
 2-1:ASUS〈台湾〉
 2-2:ACER〈台湾〉
 2-3:BenQ〈台湾〉  
3・27型フルHDモニターの比較 (3)
 3-1:HP〈米国〉
 3-2:フィリップス〈欧州〉
 3-3:アイオーデータ〈日本〉
4・27型フルHDモニターの比較 (4)

 4-1:JAPANNEXT〈日本〉
 4-2:Lenovo シャオミ ほか〈各社〉
 4-3:最終的なおすすめの提案【結論】

 今回も、1回目記事の冒頭(こちら)でみた、「選び方の基本」に沿って解説していきます。

ーー

 なお、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。


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 【2024年発売】

 【27インチ】

 (スピーカーなし)

 42・ HP 527sh FHD ディスプレイ
  ¥17,001 HPダイレクト (5/8執筆時)

 42・ HP 527sh FHD 価格コム限定
  ¥18,000 HPダイレクト (5/8執筆時)

スタンド:チルト 高さ

 (スピーカーあり)

 43・ HP 527sa FHD ディスプレイ
  ¥18,000 HPダイレクト (5/8執筆時)

 43・ HP 527sa FHD 価格コム限定
  ¥18,500 HPダイレクト (12/28執

 (スピーカーなし)

 44・ HP 527sf FHD ディスプレイ
  ¥18,000 HPダイレクト (5/8執筆時)

 44・ HP 527sf FHD 価格コム限定
  ¥17,200 HPダイレクト (12/28執

スタンド:チルト

解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:300cd/u
液晶方式:IPS+ ノングレア
コントラスト比:1,500:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:最大100Hz   
HDR:
USB給電:
接続端子: HDMI D-sub
VESA:
スピーカー:2w×2( HP 524saのみ)
保証期間:3年

 HP 527シリーズは、HPの27インチディスプレイです。

 3系統あります。

 詳しくは後述しますが、スピーカーの有無と、スタンドの稼働性が主な違いです。

 あとは、スピーカー付モデルのみ、ヘッドホン・オーディオ入力があるほかは、目立つ違いはないです。

 なお、それぞれのモデルには「価格コム限定」モデルがあります。時期により通常品より安い場合もあるので、買われる場合、確認してみて下さい。

 あとは同じなので、同時にみていきます。

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 液晶パネルはIPS+の水準です。

 スペックは、輝度(300cd/u)、コントラスト比(1500:1)、視野角(178°)、色域(sRGB 99%)です。

 通常のIPSよりも仕様が少し良いので(Atlasが便宜上名付けた)ちょい上な「IPS+」と言えます。

 コントラスト比も、2024年から採用例が各社とも増えてきた1500:1とIPSでは上級のものです。

 応答速度は、本機は、オーバードライブ時で5msです。

 リフレッシュレートも100Hzです。ゲーミング用を除けば、高い方で宇。

 画質調整機能は、ただし、特に目への優しさに関する技術はないです。

 ブルーライトカットは、ハードウェア単位でカットする新方式です。一方、フリッカー対策の記載はないですが搭載になります(確認済)。

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 スタンドは、上位機、下位機で変わります。

 下位機は、上下の角度調整(下5°・上25°)のみ対応と、イマイチです。

 上位機は、10cmながら、高さ調整ができます。

 左右の調整は、小型ディスプレイならなくても良いでしょうし、縦表示不要ならばこれで問題ないです。

 ただし、VESAマウントも装備しないので、アームの換装に対応できません。

 接続端子は、VGA、HDMIという構成です。

 付属ケーブルは、HDMIケーブル1本のみです。

 スピーカーは、上位版は付属しますが、簡易的なものです。

 保証期間は、3年です。 

---

 以上、HP 524shなどの紹介でした。

 IPS液晶で割と輝度が明るく、コントラスト比も良い上で、価格が安い点は大きな見所です。

 スタンドも上位機なら問題ないです。例えば、法人その他で「できるだけ目に良いIPS液晶を相当数揃えたい」場合などには、この手の製品は必要でしょう。

 こうした商品を薄利で販売しているのは、重要に思います。


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 【2023年発売】

 【27インチ】6N4E2AA#ABJ

  45・ HP E27 G5 フルHDモニター
  ¥29,810 HPダイレクト (5/8執筆時)

  45・ HP E27 G5 価格.com限定モデル
  ¥29,700 HPダイレクト (5/8執筆時)

解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1,000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:最大75Hz
HDR:
USB給電:
接続端子: HDMI DP
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
保証期間:3年

  HP E27u G5 は、同社の法人向けのディスプレイです。

 個人でも購入でき、スタンドの稼働性の面では、このサイズのフルHDでは、最上位です。

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 後述するように、デザイン面ほか、稼働性も良いスタンドが付属する部分が「売り」です。

 パネルはIPSを採用します。

 また、輝度・応答速度・画質調整は、ここまでみてきた下位機種と差はない、(普通の)IPSのスタンダードです。

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 モニタースタンドは、ただ、性能が良いです。

 縦表示(ピボット)ほか、高さ(150mm)・チルト角度(上20° 下5°)・左右(90度)の角度調整ができます。

 従来モデルより稼働性が良く、他社の上位機に追いつきました。スタンド自身も重心バランスと、取り回しの改良があったので、より使いやすいと言えます。

 接続端子は、HDMI Display Port という構成です。

 付属ケーブルは、HDMIケーブル・DPケーブルになります。

 スピーカーは、ありません。

 保証期間は、3年です。 

---

 以上、HP E27u G5 の紹介でした。

 同社のスタンドは、稼動性ほか、デザイン性が良いので、そこがポイントになるでしょう。そのほかの部分も、このグレードでは平均点の水準はあります。

 一方、画質調整面は、フリッカー対策ほどで、あとは、基本「PCに任せる」方向性で「あっさり」です。他社と見比べる場合、若干この部分が物足りなくは感じます。

3-2・フィリップスのモニターの比較

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 続いて、オランダのフィリップスです。

 世界的な総合家電メーカーですが、わりとビジネス用のモニターに強いと言えます。


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 【2021年発売】【27インチ】

 〈4辺フレームレス+高さ調整〉

 46・フィリップス 272E2FE/11
  ¥18,800 Amazon.co.jp
(5/8執筆時)

 【2020年発売】

 〈4辺フレームレス〉

 47・フィリップス 272E2F/11
  ¥14,980 楽天市場 (5/8執筆時)

 【2019年発売】

 〈3辺フレームレス〉

 48・フィリップス 271E1D/11
  ¥17,800 Amazon.co.jp
(5/8執筆時)

解像度:フルHD (1920x1080)
輝度:350cd/u
液晶方式:IPS+ ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:4ms(GTG)
リフレッシュレート:最大75Hz
HDR:
USB給電:
接続端子: D-SUB HDMI DP
スタンド:チルト 高さ
VESA:100mm
スピーカー:なし
保証期間:5年

 276E9QDSB/11 は、オランダのフィリップスが販売する27インチモニターです。

 E Lineという、同社の家庭用ホームモニター向けの入門シリーズの製品です。

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 新旧で3機種あります。

 2019年機は、輝度が250cd/uで、ベゼルが、3辺フレームレスです。

 スタンドが、角度調整(チルト)のみで、他社にもあった「廉価版」と同じ仕様です。 

 端子構成も、Displa yPortがなく、DVIがあるやや古い仕様です。

 2020年機は、ベゼルが4辺フレームレスです。

 加えて、パネルの輝度が350cd/uと輝度の高い新型パネルを使います。

 2021年機は、これに加えて、高さ調整ができる新スタンド仕様です。

 結論的にいえば、さほど値段差がない場合、新モデルがおすすめです。

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 液晶パネルは、IPSです。

 正確にはIPSテクノロジーという表記です。 同社の関係性から言えば、サムスンのPLS-IPSでしょう。IPSと性質は同じなので問題ないです。

 パネルスペックは、輝度(350cd/u)、コントラスト比(1000:1)、視野角(178°)、色域(113.4%)です。

 割と良い仕様で上表の「IPS+」水準です。

 それでも(最近の4K機などに多い)広色域パネルの域には達していませんが、今回みているフルHDの他機より優秀と言えます。

 特に、動画視聴やゲームに有利でしょう。

 応答速度も、4msですから、優れます。

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 自動画質調整は、同社のSmartImageを搭載です。

 一方、本機はSmartImage ゲームモードを搭載し、ゲームにより特化した構成にしています。

 FPSゲームなどに向けた暗部強化表示や、レースなど動きの速い映像において応答速度を強化する「レーシング」モードを搭載します。

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 画質調整機能は、目に関わる部分では、フリッカー対策がなされており、問題ないでしょう。ブルーライトカットも可能です。

 映像美に関する部分では、SmartContrastとして、黒表現を強化する機能があります。

 IPSはVAに比べるとコントラストが上げにくい部分があるので、こうした補正を各社、上位機では搭載します。 LGのブラックスタビライザーに相当する機能です。

 モニタースタンドは、上位機のみ高さ調整対応です。

 角度調整(上20° 下5°)ほか、13cmの高さ調整と縦表示に対応です。

 スイーベル(左右調整)はなくフルスペックではないとはいえ、十分でしょう。

 接続端子は、HDMID-SUB(アナログ端子)Display Port端子がそれぞれ1つです。

 アナログ端子は、色ズレがおこり目に悪いので、基本的にHDMIでつなげましょう。

 ケーブルは、全種類とも付属します。

 HDMIが1.8Mで、その他は1.5Mです。

 保証期間は、同社の場合、5年長期保証が無償で得られます。

---

 以上、フィリップス242E2F/11の紹介でした。

 家庭向けのE Lineですが、 わりと安い値段で、輝度が高めのIPSパネルが手に入るのが最大のメリットです。

 一方、スタンドの調整力は課題です。

 ただ、画質調整機能はゲームに特化したものですし、用途的に、マルチメディアを重視する人が選ぶべき製品だと思います。

ーーー

 このほか、主に家庭向けに出している製品として以下のものがあります。

 順番にみておきます。

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 【2022年発売】【27インチ】

 【高性能スタンド】

 49・フィリップス 27E1N5300AE/11
  ¥24,000 楽天市場 (5/8執筆時)

 【チルトのみ】

 50・フィリップス 27E1N3300A/11
  ¥22,800 楽天市場 (5/8執筆時)

解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:300cd/u
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:4ms(GTG)
リフレッシュレート:最大75Hz
HDR:
USB給電:65W
接続端子: HDMI USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ
VESA:100mm  
スピーカー:内蔵(3W×2)
保証期間:5年

 第1に、27E1N5300AE/11 などです。

 フレームは、4辺フレームレスです。

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 パネルは、IPSです。

 スペックは、輝度(300cd/u)、コントラスト比(1000:1)、視野角(178°)、色域(122.7%)です。

 本機も、上表「IPS+」の水準の上位製品といえます。

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 接続端子は、 HDMIとUSB-Cという構成です。

 USB-Cは、ノートPCなどへの65WのUSB給電に対応になります。

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 また、上位機は、角度のチルト調整(25度)ほか、130mmの高さ調整と、写真のような縦表示にも対応できます。

 左右(スイーベル)は回転しないものの、特に仕事での実用度は、本機も高いです。

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 スピーカーも、付属です。

 (音楽が聴ける水準ではないですが)総合6Wなので少しだけ良いです。

---

 結論的にいえば、家庭用の一般向けのホームモニターながら、ノートPCもつなげて使うような場合、選択肢になります。

 その点で、輝度をあえて300cd/uの水準にして、仕事用で使いやすいようにバランスをとっている気がします。

 ただ、それでも、あくまで(多用途の)ホームモニターとしての設計です。フィリップスから選ぶとしても、仕事用をならば、後で見る同社の「ビジネス用」が良いと思います。

ーーー

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 【2024年発売】【27インチ】

 51・フィリップス 27E1N1300A/11
  ¥20,000 楽天市場 (8/20執筆時)

解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1300:1
応答速度:4ms(GTG)
リフレッシュレート:最大100Hz
HDR:
USB給電:65W
接続端子: HDMI USB-C
スタンド:チルト
VESA:100mm  
スピーカー:内蔵(2W×2)
保証期間:5年

 第2に、24E1N1300A/11 です。

 今のところ流通限定ですが、1つ上でみたスタンドが「チルトのみ」の機種の後継機になると思います。

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 パネルは、ノングレア(非光沢)のIPSです。

 スペックは、輝度(250cd/u)、コントラスト比(1300:1)、視野角(178°)、色域は、非開示です。

 先ほどの機種と比べると、輝度が250cd/uとになる一方で、コントラスト比(黒の締まり)は1300:1と、IPSだと「ちょっと良い」水準です。

 色域は、同スペックの他社の事例を見れば、そこまで低くなく、sRGB 99%相当かと思います。

 輝度が普通水準なので(このブログが定義した)iPS+の水準には届かない、スタンダードIPSの「ちょい上」くらいの性能です。

 接続端子は、本機もHDMIとUSB-Cです。

 USB-Cの給電力も同じ65Wです。

---

 結論的にいえば、パネル自体は、旧機に比べても「映像美」の方面で一定の見どころありますが、総合的には、上下関係といえるほどの差はないでしょう。

 ただ、スタンドがチルトのみですし、(スタンドを換装しないならば)従来機で良いように思います。


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 【2020年発売】【27インチ】

 52・フィリップス 273B9/11
  ¥28,740 楽天市場 (5/8執筆時)

解像度:フルHD (1920x1080)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:4ms (GTG)
リフレッシュレート:最大75Hz
HDR:
USB給電:65W
接続端子: D-SUB HDMI DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2W×2)
保証期間:5年

 273B9/11も、フィリップスの製品です。

 こちらは、ここまで見た同社のE Lineとは異なり、オフィスモニターとして、主に仕事向けに売られるものです。

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 パネルは、本機も、IPSを採用します。

 輝度は、ただ、フィリップスとしては低めで、250cd/uで、色域も98%です。

 普通のIPSパネルですが、映像美を求めるわけでもない分野のモニターですし、仕事メインならば全く問題ありません。

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 応答速度も、4msです。

 仕事に便利なものは付属しないので、用途としてはゲームよりな製品といえそうです。

 自動画質調整は、SmartImage を搭載します。

 パネル部分をふくめ、あくまで「仕事用」です。

 画質調整機能は、このモデルもフリッカー対策がなされており、問題ないでしょう。

 ブルーライトカットも可能です。

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 接続端子は、HDMI・VGA・Display Port・USB-Cという構成です。

 USB端子は、65W給電に対応します。

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 コアなゲーミングを除けば、速度低下なしに充給電可能です。

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 スタンドは、前後左右高さ回転にフル稼働するSmartErgoBaseを装備します。

 高さは15cm、チルト(上30° 下5°)と、「フルスペック」な他社製スタンドに比べても負けない高水準です。

 VESA規格にも対応しますので、アーム交換も可能です。

 ケーブルは、全種類とも1.8mが付属します。

 スピーカーは、2Wと貧弱なものですが、内蔵です。

 保証期間は、5年長期保証です。

---

 以上、フィリップスの243B9H/11の紹介でした。

 先述のように、家庭用としてゲームなどに使えないわけではないですが、基本的には「仕事用」のモニターです。

 USB-PD給電に対応する点で、ノートPCの「外付け」に向く仕様です。給電力は最大65Wですし、13インチのノートPCまでなら「フルスペック」で充電できそうです。

 上位機種は、スタンド性能も評価できますし、値段を含めて、バランスが良い機種に思えます。

ーーー

 このほか、主にオフィス用に売られる製品として、以下のようなものがあります。

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 【2023年発売】【27インチ】

 53・フィリップス 273S1/11
  ¥36,293 楽天市場 (5/8執筆時)

スタンド:チルト 左右 高さ 回転
接続端子: D-SUB HDMI DP USB-C

 54・フィリップス 271S9A/11
  ¥15,800 楽天市場 (5/8執筆時)

スタンド:チルト
接続端子: D-SUB HDMI

解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:4ms(GTG)
リフレッシュレート:最大75Hz
HDR:
USB給電:65W
接続端子: D-SUB HDMI DP USB-C
VESA:100mm  
スピーカー:内蔵(2W×2)
保証期間:5年

 このほか、主にオフィス用に売られる製品として、Sラインがあります。

 おそらく、1つ上で見た製品の後継型番として登場したものです。

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 パネルは、IPSです。

 スペックは、輝度(250cd/u)、コントラスト比(1000:1)、視野角(178°)です。色域(sRGB 102%)です。

 フィリップスの多くの機種と同じで、色域が少し良い水準です。あとは、ごく普通のスタンダードクラスのIPSパネルのスペックです。

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 上位機は、「USB-C ドッキングモニター」として売られるビジネス向けです。

 ただ、こちらは、ギガビット級のLAN端子(RJ-45 )も装備していて、さらに汎用的な「USB Type-C ドッキングステーション」として機能させることを目的にします。

 その他の仕様は、カメラなしのEラインに似ます。

 チルトの稼働性と高さ調整(15→13cm)と多少劣りますが、パーフェクトスタンドには変わりませんし、問題ないです。

 ただし、下位機(241S9A/11 )は、スタンドの稼働性が悪いほか、ドッキングステーションとしての要素がない、シンプルなモニターです。

 IPSのモニターとして、値段はそれなりに安いですが、スタンドはネックでしょう。

3-3・アイオーデータのモニターの比較

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 続いて、日本のアイオーデータの製品です。

 三菱電機の液晶モニター部門を吸収して、プレゼンスを高めた日本企業です。


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 【2025年発売】 

 【27インチ】

  55・IODATA EX-D272SA-F
  ¥21,980 Amazon.co.jp (5/6執筆時)

スタンド:チルト 左右 高さ 回転

  56・IODATA EX-D272SA
  ¥19,980 Amazon.co.jp (5/6執筆時)

スタンド:チルト

解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPS (AHVA) ノングレア
コントラスト比:1300:1
応答速度:4ms GTG)
リフレッシュレート:最大100Hz   
HDR:
USB給電:65W
接続端子:HDMI DP
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2w×2)
保証期間:3年

 EX-D2S-Fシリーズなどは、アイオーデータのPCモニターです。

 同社がネット向けに出す格安な入門機になります。

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 パネルは、IPSです。

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 正確には、台湾大手のAUOが作るAHVA-IPSですが、性質は同じです。

 商標の関係でアイオーデータではAHVA表記にしているだけです。

 スペックは、輝度(250cd/u)、コントラスト比(1300:1)です。

 色域は非開示です。

 AUOのこのスペックだとsRGB 83%(P3 68%)あたりでしょう。少なくとも、この部分は強調できないIPSです。

 応答速度は、オーバードライブ時に最大4msです。

 標準だと14msほどの普通のパネルです。

 リフレッシュレートは、100Hzです。

 やや良い水準です。

 画像補正機能は、「あっさり」です。

 同社モニターは、超解像度技術や、広色域化技術を伴うパネルもあります。

 しかし、本機はそうではないです。フリッカー対策はあります。

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 スタンドは、上位機は稼動性は良いです。

 チルト(上23°・下5°)・左右90度・高さ15cmと縦回転です。

 下位機は、チルトのみですし、あまりおすすめしません。

 接続端子は、 HDMIDPが、1系統のみです。

 スピーカーは、総合4Wのステレオスピーカーで。

5年保証:フル稼動スタンド
 :LCD-D272SA-F
 :LCD-D272SA-FX
 :LCD-D272SA-F-AG (+抗菌)
5年保証:チルトのみ
 :LCD-D272SA
 :LCD-D272SAX
 :LCD-D272SA-F-AG(+抗菌)  

 保証期間は、3年間です。

 なお、本機は「法人向け」「個人向け」で別型番であって、そちらは5年保証です。

 ただ、いずれも輝点保証などはないです。

---

 以上、アイオーデータのEX-D2S-Fシリーズなど紹介でした。

 同社の売りの画質補正面であまり個性はないです。

 パネルも、コントラスト比はやや良いですが、逆に色域に課題がありそうなパネルです。

 若干おすすめポイントに欠ける製品です。


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 【27インチ】

 【2024年発売】 

 (個人向けワイドモデル)

 57・IODATA LCD-C271DBX
  ¥27,017 楽天市場 (5/8執筆時)

 (法人・文教向けモデル)

 58・IODATA LCD-C271DB   【黒】
 58・IODATA LCD-C271DW   【白】
  ¥26,200 楽天市場 (5/8執筆時)

 (ネット限定モデル):保証3年

 59・IODATA EX-C271DB  【黒】
 59・IODATA EX-C271DW   【白】
  ¥26,800 Amazon.co.jp (5/8執筆時)

スタンド:チルト

 (個人向けワイドモデル)

 60・IODATA LCD-C271DB-FX
  ¥32,800 楽天市場 (5/8執筆時)

 (法人・文教向けモデル)

 61・IODATA LCD-C271DB-F   【黒】
 61・IODATA LCD-C271DW-F  【白】
  ¥29,736 楽天市場 (5/8執筆時)

 (ネット限定モデル):保証3年

 62・IODATA EX-C271DB-F  【黒】
 62・IODATA EX-C271DW-F  【白】
  ¥29,800 Amazon.co.jp (5/8執筆時)

スタンド:チルト 左右 高さ 回転

解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:250cd/u
液晶方式:ADS ノングレア
コントラスト比:3000:1
応答速度:5ms(GTG)
リフレッシュレート:最大75Hz   
HDR:
USB給電:65W
接続端子:HDMI DP USB-C
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2w×2)
保証期間:5年

  LCD-C271DBXシリーズなどは、アイオーデータのPCモニターです。

 「法人・文教向け」の製品と、個人向けの製品がありますが、基本仕様は同じです。

 ただし、ネット限定モデルだけ、保証が短い代わりに安くしています。

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 液晶パネルは、ADSです。

 ADSも、「IPS系パネル」の1つです。

 IPSとADSは正確に言えば、中身の仕組みが少し異なりますが、表示傾向は同じです。

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 ADSは、中国大手のBOEが生産しているIPS系パネルです。

 TV用パネルでむしろ知られますが、PC用でも昔から同社は採用しており、信頼性も十分です。

 スペックは、輝度(250cd/u)、コントラスト比(1000:1)、視野角(178°)です。

 色域は、本機も非開示です。

 応答速度は、オーバードライブ時に最大5msです。

 オーバードライブはオン/オフが選択可能です。 

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 自動画質調整は、シーン別オート調整モード(画面モード)が付きます。

 日本企業の製品はモードが多い傾向です。

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 画像補正機能は、アイオーデータの場合、超解像技術を搭載します。ネット動画で、DVDレベルの低画質ソースを向上できます。

 一方、写真画質向上のための「エンハンストカラー」の言及はありますが、LGのブラックスタビライザーに該当する機能はないです。

 その上で、この機種は、フリッカーレス設計の言及があります。

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 スタンドは、こちらは、フル稼動の「パーフェクトスタンド」が選べます。

 チルト(上20°・下5°)・左右90度・高さ130cmと回転ですので、十分です。

 選ぶならば、そちらでしょう。

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 接続端子は、 HDMI・DPほか、USB-C端子も付属します。

 DELLでもみましたが、対応するノートPCなどに対して65W給電できます。

 ケーブルは、HDMIとUSB-Cケーブルが付属です。

 スピーカーは、総合4Wのステレオスピーカーが搭載されています。

 保証期間は、5年間です。

 輝点保証などはないですが、同社は長めです。ただし、ネット限定モデルは3年となります。

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 以上、 LCD-C271DBXシリーズなど紹介でした。

 基本的には27インチ機の教育市場向けでしょうが、画像補正やUSB-C給電などの部分で「家庭向き」な部分もあります。

 一方、ADS液晶であるのは、目への優しさにおいて、過度に大きな問題ではないですし、値段によっては選べるでしょう。ただし、モニターアームがしっかりした上位機に限ります。

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 このほか、アイオーデータは、27インチモニターのラインナップがかなりの数あります。

 以下、簡単にですが、順番にみておきます。

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 【27インチ】

 【2023年発売】 

 (個人向けワイドモデル)

  63・IODATA LCD-A271DBX
  ¥18,390 Amazon.co.jp (5/8執筆時)

 (法人・文教向けモデル)

  64・IODATA LCD-A271DB  【黒】
  64・IODATA LCD-A271DW  【白】
  ¥19,173 楽天市場 (5/8執筆時)

リフレッシュレート:最大60Hz   
保証期間:5年

 【2024年発売】 

 (特定店限定)

 65・IODATA DI-A271DB
  ¥11,800 楽天市場 (5/8執筆時)

 65・IODATA KH-A271DB
  ¥18,500 楽天市場 (5/8執筆時)

 (Amazon限定)

 66・IODATA EX-A271DB
 66・IODATA EX-A271DW
  ¥17,800 Amazon.co.jp (5/8執筆時)

リフレッシュレート:75Hz
保証期間:3年

解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:250cd/u
液晶方式:ADS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:
USB給電:
接続端子:HDMI D-SUB
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(1w×2)

 第1に、LCD-A271DBXなどです。

 かなり多くの型番があるのは、個人用文教・法人用ほか、特定量販店向けのモデルで型番を分けるからです。ただ、仕様は同じです。

 正確には、教育機関向け合わせた政府認証をとりますが、個人で買う分には変わりませんし、

 リフレッシュレートの違いはは気にせずとも良いでしょう。

 パネルは、ADSです。

 先ほどの機種と同じです。

 スタンドは、しかし、いずれの機種もチルト角度調整のみです。

 その部分で「価格相応」です。

 接続端子は、HDMIとD-subのみのあっさり構成です。

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 結論的にいえば、若干、画像補正が充実するものの、基本的には、文教用に機能を絞った廉価版と言えます。

 とくに、スタンドの貧弱さは、どの機種の場合も個人用としてはネックです。

ーーーー

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 【2021年発売】【27インチ】

 【教育市場向け】

  67・IODATA LCD-DF271EDB-F
  67・IODATA LCD-DF271EDW-F
  ¥25,939 楽天市場 (5/8執筆時)

解像度:フルHD (1920x1080)
輝度:300cd/u
液晶の方式ADS ノングレア方式
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:最大60Hz
HDR:
USB給電:
接続端子:HDMI D-SUB DP
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(1w×2)
保証期間:5年

 第2に、LCD-DF271ED-Fシリーズです。

 こちらも、端子構成は旧式で、USB-Cがない古い構成です。

 輝度は、300cd/uと少し良いですが、色域の開示はないですし、そこまで上位ではないです。

 202505081813.jpg

 スタンドは、稼働性が良い「パーフェクトスタンド」仕様です。

 チルト(上20° 下5°)、左右(90°)、高さ(13cm)と縦回転ができます。

 画面サイズを考えても、これで十分でしょう。

 202201191444.jpg

 その上で、こちらのみジャイロセンサー内蔵になります。

 Windowsに限られますが、縦回転した際に自動で画面も回転します。この点で、ビジネス用に便利と言えます。

 一方、フリッカー対策はあるものの、アイオーデータの特徴の1つである超解像技術・エンハンストカラーは不採用ですので、ストイック)な仕事用と言えます。


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 【2024年発売】(一部21年)

 【27インチ】

 68・IODATA GigaCrysta LCD-GD271SH
  ¥23,600 楽天市場 (5/8執筆時)

保証期間:3年 +無輝点保証(1ヶ月)

 69・IODATA GigaCrysta EX-GD271SH
  ¥22,480 Amazon.co.jp (5/8執筆時)

 69・IODATA GigaCrysta KH-GD271SH/KS
  ¥21,780 楽天市場 (5/8執筆時)

 69・IODATA GigaCrysta KH-GD271SH
  ¥21,800 楽天市場 (5/8執筆時)

 69・IODATA GigaCrysta LCD-GD271SH
  ¥23,600 楽天市場 (5/8執筆時)

保証期間:5年 +無輝点保証(1ヶ月)

解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:350cd/u
液晶方式:IPS系+ (HFS-IPS) ノングレア
コントラスト比:1500:1
応答速度:1.9ms(GTG)
リフレッシュレート:最大120Hz
HDR:HDR10
USB給電:
接続端子:HDMI DP
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:

  LCD-GD271SH などは、アイオーデータが販売する、27インチのフルHDモニターです。

 同社のゲーム向けのGigaCrystaシリーズですが、リフレッシュレートの部分で、さほど本格的でもないので、一般モニターとしてこちらで見ることにしました。

 複数の型番がありますが、以下で見る基本仕様は同じです。

 違いは保証年数の部分だけで、あとは流通ルートで型番が無数に分かれていると考えてください。そこだけ注意すれば、あとは値段で決めてOKです。

 202405131257.jpg

 パネルは、HFSパネルという表記です。

 HFSは、IPS系パネルの一種です。

 中国大手TVメーカーのTCL系子会社のTCL CSOT(華星光電)のパネルです。

 スペックは上表だとIPS相当ですが、高コントラスト(黒表現)は、それを上回ると言えます。標準品のIPSの1.5倍となる、1500:1ですので。

 輝度は、350cd/uですが、色域非開示です。

 恐らくsRGB 100% 相当ですので、広色域IPSの類ではないですが、上図のIPS+あたりのスペックはあるでしょう。

 その上で、IPSの弱点である「黒の締まり」に、メスを入れた低コストパネルとしてプレゼンスがあります。

 応答速度は、最大1.9ms(120Hz時)です。

 最大リフレッシュレートも120Hzです。

 一般モニターとして言えば高いですが、このブログの【ゲーミング用モニターの比較】で見た製品ほど、本格的ではないです。どちらかといえば、PS5などのゲーム機にもつなげて使いたい、という感じのかたに向く、ライトなゲーム用と言えます。

 AdaptiveSyncですので、DP接続時のみですが、チラツキ対策もフォローします。

 202108121142.jpg

 HDRは、HDR10対応です。

 画質補正は、ゲーム向けに充実します。

 暗部補正(Night Clear Vision)ほか、同社ではお馴染みの、画質無視で、極限までオーバードライブする「バーストモード」などをフォローします。

 202108121122.jpg

 「映像美」に関わる技術として「超解像技術」「エンハンストカラー」など、やはり、同社にお馴染みに補正技術が見られます。

 アイオーデータは、元は三菱電機のディスプレイ部門が前身なので、テレビ的な補正は充実します。

 そのほか、フリッカー対策があります。

 ディスプレイスタンドは、ただ、チルト(上20°、下5°)のみです。

 接続は、HDMIとDisplayPortが1つです。

 保証は、3年と5年と選べます。

 一方、どの機種も無輝点保証が付属します。

 ただ、1ヶ月のみなのでベンキューと同じ水準ですので、そこまで意義は強調できないものです。

---

 以上、アイオーデータLCD-GD251SHの紹介でした。

 珍しいタイプのIPS系パネルですが、コントラスト比が良く、格安機の中では割と良い仕様に思えます。

 一方、スタンド性能がイマイチで、ゲーミング用としていえば、リフレッシュほか、チラツキ対策がAdaptiveSyncという部分で、若干、物足りなさはあります。

 また、従来からこのシリーズに付属するリモコンも未付属ですし、廉価版的な色合いが強い製品でには思います。

次回に続く!
27型液晶モニターのおすすめ結論的にこれ!

 というわけで、今回は、27インチのFHDモニターの比較の3回目記事でした。

 しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。

  202010131001.jpg

4・27型フルHDモニターの比較 (4)
 4-1:JAPANNEXT〈日本〉
 4-2:Lenovo シャオミ ほか〈各社〉
 4-3:最終的なおすすめの提案【結論】


液晶パネルの品質 ★★★★★
スタンドの性能  ★★★★★
動画ゲーム対応  ★★★★★
品質保証     ★★★★★
総合評価     ★★★★★

 続く4回目記事こちら )では、ここまで見ていない各社の製品をみたあと、結論編に入ります。

 引き続きよろしくお願いします。

 4回目記事は→こちら

posted by Atlas at 23:04 | PC用液晶モニター

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