1回目記事からの続きです→こちら
4-1・イイヤマのモニターの比較

4回目記事のトップバッターは、日本のイイヤマです。
現在はマウスコンピュータ傘下ですが、古くからあるディスプレイメーカーであり、品質には信頼性があります。
1・27型-28型4Kモニターの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:DELL〈米国〉
1-3:LG〈韓国〉
2・27型-28型4Kモニターの比較 (2)
2-1:BenQ〈台湾〉5K
2-2:ASUS〈台湾〉5K
3・27型-28型4Kモニターの比較 (3)
3-1:EIZO〈日本〉
3-2:アイオーデータ〈日本〉
3-3:フィリップス〈欧州〉
4・27型-28型4Kモニターの比較 (4)
4-1:イイヤマ〈日本 〉
4-2:HP〈米国〉
4-3:ACER〈台湾〉
4-4:TCL〈中国〉
5・27型-28型4Kモニターの比較 (5)
5-1:レノボ〈ThinkVision〉
5-2:Apple〈米国〉5K
5-3:富士通 MSI ほか
6・4Kモニターの比較
6-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿って解説していきます。
----
引き続き、以下では、高評価できる部分は赤系の文字色で、イマイチな部分は青字で、本文を書いていきます。

【28インチ】XUB2893UHSU-B5後継機
【2024年発売】
44・iiyama ProLite XUB2792UHSU-B6
¥38,360 Amazon.co.jp (4/4執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS方式 ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:4ms (GtoG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:
USB給電:
接続端子:HDMI2.0 DP
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2w×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
ProLite XUB2893UHSUは、イイヤマが発売する4Kモニターです。

パネルは、IPSです。
IPSは、先述のように、視野角が広く、注視しても目疲れしにくい性質がある「目に優しい」傾向のパネルです。

なお、イイヤマは、LG製のみIPS表記で、それ以外は「IPS方式」と表記しています。
本機は後者にあたります。
LGの持つ商標の関係です。イイヤマの説明では、「IPS方式」は、パネルの駆動方式と「同等の技術を使用した」パネルという表現になります。
上表は、IPS系パネルを製造する企業と、そのパネル名(商標)を示したものです。日本市場のPCモニターで、採用例が多いと言えるパネルを上から順番に並べています。
生産企業は、表にないその他の準大手の場合などもあり、その場合は、信頼性は少し落ちる場合もありえます。
---
結論的にいえば、本機の場合、変則的なスペックではないので、上表のどこかの企業のパネルでしょう。
正確な開示があった方が信頼性は上がるとは言えますが、仕方ないでしょう。
ここでは、IPSと同じと考えてOKです。「目に優しい」傾向のパネルです。す。
液晶の輝度は、350cd/uです。

応答速度は、4ms (GTG)です。
十分です。
HDRは、非対応です。
ここは、一般向けに売っているモニターだけに、残念です。

画質調整機能は、Adv.contrastの記載があります。
テレビ的なダイナミックコントラストに相当するコントラスト拡張技術です。
動画などでは、それなりに効果があるでしょう。
あとは、映画・テキスト・ゲームなどを選択できる画質モード(i-Style Color)があります。
そのほか、フリッカー対策はあります。

スタンドの品質は、フルスペックです。
調整幅を含めて問題ありません。
接続端子は、HDMI2.0・DPを1つずつ付属します。
USBハブは、USB-CとUSB-Aが3つです。
速度は、普通のUSB3.0で、給電力もUSB-Cで15Wまでと普通です。
付属ケーブルは、DP・HDMIとも1.8mです。
HDCP2.2も、対応です。
スピーカーは、2wの簡易的なステレオスピーカーが搭載です。
---
以上、イイヤマの ProLite XUB2792UHSU-B6 の紹介でした。
パネルの出所は正確に分からないもの、そこを除けば、スタンダードな4Kモニターだと思います。スタンドの稼働性も十分である上で、画像補正もそれなりに充実します。
一方、家庭用と考える場合、最近の製品でHDRに対応していないのは残念です。また、パネルスペックのうち、色域(色空間)の情報がないので、そこも若干懸念材料です。
4-2・HPのモニターの比較

続いて、米国のHP(ヒューレットパッカード)の27インチ4Kモニターです。
同社の場合、4Kはゲーミング用を除くと法人向けの展開が主になります。

【2024年発売】
【27インチ】8J9G2AA#ABJ
45・HP Series 7 Pro 727pk 4K UHD
¥132,000 HPダイレクト (4/4執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:400cd/u
パネル: Black-IPS ノングレア
コントラスト比:2000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR400
USB給電: 100W
接続端子:HDMI 2.0 DP1.4 USB-C(TB4)
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
HP Series 7 Pro 727pkは、HPの4Kモニターです。

液晶パネルは、ノングレアのBlack IPSです。
IPS表記ですが、2000:1というIPSでは抜群なコントラスト比と、400cd/uという高めの輝度、DCI-P3はカバー率で98 %という値からするに、LGが製造するBlack IPSでしょう。
高品質で、黒表現力を高めた映像(特に動画)向けたパネルですし、上等です。
応答速度は、オーバードライブ時、5ms (GTG)です。
問題ないです。
HDRは、HDR400にて対応です。

自動画質調整は、一方、環境光センサーの言及があります。
この場合、明るさだけでなく、部屋の照明色もみて調整できます。
画質向上(色精度の上昇)にもつながるでしょうが、どちらかといえば、明暗調整(アイケア)のほうを同社は強調します。
画質補正は、米国メーカーは基本的に、ユーザーのマニュアル調整可、PC側の調整に任せる場合が多いです。
「目の優しさ」の部分では、そのほか、フリッカー対策の言及はあります。
画像補正機能は、OSDによる一通りの変更はできます。
ただ、デザイナー向けの特定のモードなどは記載がないです。

接続端子は、HDMI 2.0とDP1.4、そして、Thunderbolt 4 (USB-C)です。
USB-Cと思って運用して問題ないですが、出力もあるので、TB4単独でデイジーチェーンできます。
DPもアウトがあるので、接続手段は相当多様な製品です。
なお、Thunderbolt 4 は、最大100Wの給電力があります。
USBハブも、総計5つのUSB-Aと、2つのUSB-Cです(2ポートは15W給電も対応)。
LAN端子もあります。
いわゆる「ドッキングステーション」仕様ですが、(要不要はともかく)ここまで数が多いモデルはなかなかみられないと言えます。
HDCP2.2は、対応です。

スタンドは、フル稼動です。
調整幅は、チルト(上20° 下5°)、左右(45°)、高さ(15cm)と縦回転です。
台座も値段相応に堅牢であり、問題ないです。
保証期間は、3年です。
本機は、「3年間翌営業日訪問修理、パーツ保証」との記載で、手厚いです。
---
以上、HP Series 7 Pro 727pkの紹介でした。
Black IPSクラスのIPSが採用され、スタンドその他も豪華な仕様です。
ただ、同水準のパネルを採用する製品より高めであるのは、接続性の充実と、保証部分が大きいように思います。あって良いラインナップですが、基本的には「法人向け」ではあります。
なお、ドッキングステーション的に端子が充実する製品は、後ほどみるレノボも出すので、底が目当ての場合は比較しても良いでしょう。
4-3・ACERのモニターの比較
続いて、台湾のエイサーです。
全回見たASUS同様に、日本では、ゲーミングモニターに強い印象のあるメーカーです。

【2023年発売】
【27インチ】
46・Acer Vero V7 V277KLbmiipxv
¥26,180 楽天市場 (4/4執筆時)
輝度:350cd/u
【27インチ】
47・Acer KA2シリーズ KA272Kbmiipx
¥28,380 楽天市場 (4/4執筆時)
輝度:250cd/u
解像度:4K(3840×2160)
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1,000:1
応答速度:4ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR10
USB給電:
接続端子:HDMI 2.0x2 DPx1
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:2W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:1年(本体は3年)
Vero V7 V277Kは、AcerのVeroシリーズの27インチ4K液晶モニターです。

Veroシリーズに共通するのは、一定の割合で再生プラスチックを採用する「サステナブル」な仕様である部分です。その方向性に関心のある方に向けたものと言えます。
一方、 KA2シリーズは、別シリーズです。
こちらは、この要素がないほか、輝度が250cd/uと暗めです。今どきなスペックではないです。

液晶パネルは、普通の非光沢のIPSです。
Acerは「IPSテクノロジー」との表記なので、LG以外の各社の可能性はあります。
輝度は、350cd/uです。
4KのIPSとしては少し高めです。
色域は、ただ、sRGBで99%表記のみなので、スタンダードの域は出ない普通のIPSです。
コントラスト比を含めてオーソドックスなパネルです。
応答速度は、4msなので、スペックとしては少し良いです。
HDRは、HDR10のみ対応です。
画質調整機能は、あまり充実しません。
Acerの上位機は、テレビ的な補整をする機種がありますが、本機は強調されません。
一応、ゲーム向けにはAdaptive Sync対応です。
フリッカー対策はなされるので、目への優しさの部分は問題ないです。
スタンドの品質は、課題です。
チルト角度(上25°/下5°)のみ調整可能で、稼働性がイマイチだからです。
接続端子は、HDMI2.0が2ポートと、ディスプレイポートです。
HDCP2.2は、カタログに対応記載がない機種です。
保証期間は、3年です。
ただ、最も心配なパネル・バックライトは1年保証と旧来の業界水準のままです。
最近はパネル・バックライトを含む3年以上の保証や、さらに無輝点保証を付けるメーカーも増えているので、この部分は「あっさり」です。
---
以上、AcerのVero V7 V287Kbmiipxの紹介でした。
性能面での個性はあまりない機種です。欠点はスタンドの稼働性の悪さ以外はないため、法人が一定数そろえる格安モニターとしては、ニーズがあるかもしれません。
ただ、個人用としては、値段を含めてやや見どころに欠けるでしょう。
4-4・TCLのモニターの比較

続いて、TCLのゲーミング用モニターです。
世界的なTV生産企業ですが、PC用曲面機も2025年から展開をはじめました。
【2024年発売】
【27インチ】
48・TCL 量子ドットMini LED モニター 27G74
¥44,800 Amazon.co.jp (5/4執筆時)
解像度:4K
輝度:600cd/u(ピーク輝度)
パネル; mini-QLED-VA ノングレア
コントラスト比:3600:1
応答速度:4ms (GtoG)
リフレッシュレート:最大60Hz
HDR:HDR600
USB給電:65W
接続端子:HDMI 2.1 x2 DP1.4 x1
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA: 100mm
スピーカー:3W×2
4K動画:
保証期間: 1年
27G74は、TCLが発売する4Kモニターです。
後述するように、パネル部分で日本市場ではこれまで見られなかった工夫のある製品です。
画面サイズは、27インチです。
リフレッシュレートは、60Hzです。

パネルは、上表の区分では、QminiLED-VAです。
製造企業ベースだとHVA-IPSでTCL系のパネル企業のTCL CSOTのパネルです。
輝度は、標準輝度が非開示ですが、ピーク輝度(600cd/u)は良いので、低くはないと思います。
色域は、DCI-P3 98%であり広色域です。コントラスト比も3600:1なので、VAらしいスペックです。

なお、 本機の色域の広さは、QLED(量子ドット)技術を採用するためです。その上で、ここまで明るくできているのは、直下型配置のmini-LEDを採用するからです。
最近の高級4K液晶テレビでは、この2つは画質を強化するための必須技術です。
PCモニターでもゲーミング用の高級機では普及してきましたが、本機のような一般向けだと、かなり珍しいです。
輝度制御も、テレビと同じ方式です。エリア分割制御(ローカルディミング)ですし、スペックはかなり良いです。
応答速度は、4msと普通です。ゲーム用ではないので問題ないです。

HDRは、色域や黒レベルの部分もクリアしており、VESA認証(旧CTS1.1)のHDR600と高水準です。
リフレッシュレートは、60Hzです。
ここは普通です。
画質面での補整機能は、仕様上は、あまり強調されません。
ブルーライトカットとフリッカー対策はあります。

スタンドは、高さ(12.5cm)と前後のチルト角度(上15° 下5°)と、左右(40°)の可動幅です。縦回転もできます。
スピーカーは、総合6Wのステレオです。
特段の個性はないです。

接続端子は、HDMI2.0が2系統と、DP1.4とUSB-Cです。
規格上、最大リフレッシュレートは、どの接続方法でも出せます。
USB-Cは、65WでノートPCに対して給電できます。
USBハブは、KVM対応で、USB-A(USB3.0)2つとUSB-C(USB3.0)1つです。
デイジーチェーンはできません。
HDCPは、対応の如何は不明です。
ただ、同一シリーズはHDCP2.2ですので、(保証はしませんが)おそらく対応しているかと思います(調査中)。
保証期間は、1年となります。
PCモニターとして言えば、短く、ここは課題でしょう。
---
以上、TCLの 27G74の紹介でした。
TVがわり的な映像視聴など、VA系の用途にマッチする使い方の場合、27型の一般向けの4K機では、最も映像美を期待できる製品と言って良いでしょう。
あくまで、VAなので、(入力系の)仕事を含めた汎用的な利用に不向きですが、エンターテインメント中心で使いたい場合、かなり有力な候補となります。
次回に続く!
おすすめの4K 5Kモニターは結論的にこれ!
というわけで、今回はは、PC用の27型・28型の4K・5Kモニターの比較の4回目記事でした。
しかし、まだまだ「続き」ます。

5・27型-28型4Kモニターの比較 (5)
5-1:レノボ〈ThinkVision〉
5-2:Apple〈米国〉5K
5-3:富士通 MSI ほか
6・4Kモニターの比較
6-1:最終的なおすすめの提案【結論】
続く、4回目記事(こちら)では、レノボなど、ここまで紹介できなかった企業の製品を追加でみていきます。
液晶パネルの画質 ★★★★★
目の疲れにくさ ★★★★★
動画・ゲーム対応 ★★★★★
品質保証 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、結論編(こちら)へと向かいます。
いつものように、紹介した全てのモデルから、予算別・目的別のAtlasのおすすめ機種を提案していきたいと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
4回目記事は→こちら
---
今回の記事がもし皆さんのお役に立ったようならば、Twitter Facebook はてなブックマークなどで話題を共有していただければ嬉しいです。
