Top オーディオ製品 比較2025'【高音質】PCスピーカー86機の性能とおすすめ・選び方:ハイレゾ対応 (4)

2025年06月20日

比較2025'【高音質】PCスピーカー86機の性能とおすすめ・選び方:ハイレゾ対応 (4)

 1回目記事からの続きです→こちら

4-1・ロジクールのPCスピーカー

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 4回目記事のトップバッターは、スイスの「ロジクール(Logitech)」の製品です。

 PC周辺機器全般を生産する世界的企業です。

 アナログなスピーカーを生産してきたオーディオ企業ではないですが、特に「低音が充実する」迫力重視のスピーカーを多くラインナップします。

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1・PCスピーカーの比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:CREATIVE〈シンガポール〉
 1-3:Edifier 1〈香港〉
2・PCスピーカーの比較 (2)
 2-1:Edifier 2〈香港〉
 2-2:フォスター〈日本〉
 2-3:オーディオテクニカ〈日本〉
 2-4:JBL〈米国〉
3・PCスピーカーの比較 (3)
 3-1:クリプトン〈日本〉
 3-2:パイオニアDJ〈日本〉
 3-3:Mackie〈米国〉
 3-4:サンワサプライ〈日本〉
 3-5:Razer〈米国〉
 3-6:EVE AUDIO〈ドイツ〉
4・PCスピーカーの比較 (4)
 4-1:ロジクール〈スイス〉
 4-2:FiiO〈中国〉
 4-3:SONY〈日本〉
 4-4:Audioengine〈米国〉 
 4-5:その他
5・PCスピーカーの比較 (5)

 5-1:最終的なおすすめの提案【結論】

今回も、 1回目記事の冒頭(こちら)でみた「選び方の基本」に基づいて、今回も説明していきます。

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 なお、以下の本文では、Atlasのおすすめできるポイントについては赤字で、イマイチな部分については青字で書いていきます


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 【2020年発売】

 【通常型番】

 67・ロジクール PCスピーカー Z407
  ¥15,000 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

 【直販型番】(性能は同じ)

 67・ロジクール PCスピーカー Z407a
  ¥14,250 楽天市場 (6/19執筆時)

ハイレゾ:
出力:10W×2+20W (RMS)
スピーカー:5.8cm
高音域:★★★☆☆
低音域:★★★★★
小音量:★★★★☆
接続:USB・Bluetooth・アナログ
サイズ:幅9.4× 高さ20× 奥行8.5cm

  Z407は、ロジクール(Logitech)が販売するPCスピーカーです。

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 大きさは、幅9.4cm× 高さ20cm× 奥行8.5cmです。

 ただし、サブウーファが別に付属し、そちらが、幅23.4cm× 高さ24cm× 奥行18cmです。

 机の下などに設置すれば良いでしょう。

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 PCとの接続は、ステレオミニ端子によるアナログ方式ほか、BluetoothUSBが選べます。

 ネットワークは、したがって、Bluetooth搭載です。

 ただ、圧縮音源並に音質が劣化するSBCコーデックのみなので用途は限定されます。

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 【0.5m〜2m】

 USB C to Micro Bケーブル
  ¥1,127〜 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

 USB A to Micro Bケーブル
  ¥1,296〜 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

 結論的にいえば、 音質を重視したい場合は、USB接続がおすすめです。

 ただ、ケーブルが未付属なので、PC側のUSB端子形状に合わせて別売ケーブルを買う必要があります。

 「オーディオグレード」でなくてOKならば、この値段で手に入ります。

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 ケーブルは、PCからサブウーファに引き込みます。

 その後、付属の有線ケーブル(RCA)で、左右のスピーカーに伝送されます。

 アンプ出力は、ロジクールは、カタログ上総合RMSですが、左右合計20Wとサブウーファ20Wの、総合出力40Wです。

 最大出力で言えば80Wなので、わりと強力です。ゲーム用などには良いでしょう。

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 スピーカーは、5.8cmインチのアルミコーンを1つだけ装備するフルレンジです。

 多少大きめといえ、かつ、サブウーファが付属するので、低音は充実するでしょう。

 本機は、サブウーファが本体を兼ねる仕組みなので、使わないことはあり得ないため、低音は十分かと思います。

 なお、低音域は、レベル調整を単独でできるため、「低音が爆発」するようなことはないです。

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 ボリューム調節は、付属のワイヤレスリモコンで可能です。

 音源の再生・一次停止・ミュート・スキップなどの調整も可能です。

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 以上、ロジクールの Z407の紹介でした。

 音質的には(意外と)手堅い構成なので、重低音を効かせる聴き方ならば、「指名買い」で良さそうです。音域もサイズ感からすると広いです。

 割と良い機種だと思いました。

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 なお、ロジクールは、本機の「下位機種」といえる格安機が、いくつか発売されています。

 順番にみておきます。

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 【2010年発売】

 68・ロジクール PCスピーカー Z313 Z313a
  ¥7,480 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

ハイレゾ:
出力:5W×2+15W (RMS)
スピーカー:5.1cm
高音域:★★★☆☆
低音域:★★★★☆
小音量:★★★★☆
接続:USB・Bluetooth・アナログ
サイズ:幅8.9× 高さ14.2× 奥行815cm

 第1に、Z313a です。

 同じようなサブウーファー付きですが、総合25W(最大50W)となる部分で下位機です。

 ドライバーは、ツイーターぽい突起がありますが、小さめの5.1cmのフルレンジです。

 サブウーファーは、11.4cmでパッシブラジエータ付です。

 上位機と比べて、総じて低音域は弱いですが、左右スピーカーは小柄で設置性は良いです。また、軽量機ですが、先ほどの機種と同じく、床からの振動を受けにくい構造です。

 価格からすると、本機も低音域〜高音域までバランス良く聞かせてくれます。

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 結論的にいえば、机下などにサブウーファの置き場所さえあれば、この価格帯ではおすすめできます。

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 【2022年発売】

 【Amazon限定】Z120BW後継

 69・ロジクール S150 USB Stereo Speaker
  ¥(2,300) Amazon.co.jp (6/19執筆時)

ハイレゾ:
出力:1.2W+1.2W
スピーカー:5cm
高音域:★★☆☆☆20Hz
低音域:★★★☆☆90Hz
小音量:★★★☆☆
接続:USB
サイズ:幅6.8× 高さ6.4× 奥行15.8cm

 第1に、S150です。

 日本ではAmazon限定で売られる、格安機です。

 一方、こちらは、海外だと在庫がありますが、日本ではしばらくないので、生産完了(日本展開終了)の可能性がある点、補足しておきます。

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 サイズは、幅6.8cm× 高さ6.4m× 奥行15.8cmですので、かなりの小型です。

  スピーカーユニットは、50mmのフルレンジ型です(米国サイトで確認)。

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 PCとの接続は、USB端子から、データとともに給電もできます。

 総合出力を2.4Wと抑えているのは、この仕様のためで、レトロなUSB2.0でも、普通に鳴る仕様です。

 音質は、このパワーだと、値段以上には期待できないとは言えます。

 「貧弱なノートPCを手軽に良い音で」というニーズには叶いますが、デスクトップ用でじっくり聞くには、音圧をふくめ不向きです。

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 【Amazon限定】

 70・ロジクール Multimedia Speakers Z150BK
  ¥3,960 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

ハイレゾ:
出力:1.5W+1.5W(RMS)
スピーカー:5cm
高音域:★★☆☆☆
低音域:★★★☆☆
小音量:★★★★☆
接続:アナログ(3.5mm)
サイズ:幅8.5×高さ15.1×奥行15.2cm

 第2に、Z150BKです。

 電源をコンセントから取るタイプで、PCとの接続も、USB DACがないのでアナログ式です。

 やはり、出力の弱さから、あまりおすすめできません。


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 【2020年発売】

 71・ロジクール PCスピーカー Z625
  ¥(21,940) 楽天市場 (6/19執筆時)

ハイレゾ:
出力:35W×2+130W (RMS)
スピーカー:約6.3cm
高音域:★★★☆☆
低音域:★★★★★
小音量:★★☆☆☆
接続:光・アナログ
サイズ:幅11.6×高さ19.5×奥行12.4cm

 Z625は、PC用としては、ロジクールの最上位機になります。

 現状在庫がなかったのですが、海外ではまだ売っています。やはり日本展開終了の可能性がありますが、復活する可能性があるので、しばらく残しておきます。

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 アンプ出力は、総合出力200W(RMS)です。

 最大400Wですから、音圧的に言って、かなり強力なシステムです。

 ただ、近接視聴を前提にするシステムとして多少バランスが悪く、音圧重視のゲーム専用と言えます。

 とくに、小音量再生は不得意です。

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 例えば、映画視聴やゲームだけに考えるならば、本機は「あり」でしょう。

 ただ、この値段を出せる方で、このような用途に限定して使うならば、【サウンドバーの比較記事】で書いたような、TV用のバータイプのうち「短め」を流用したほうが、現実的には良いかと思います。

 本機は、2017年発表で、こうしたシステムが出る以前の仕組みのスピーカーであることは意識して良いでしょう。

4-2・FiiOのPCスピーカー

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 続いて、中国広東のFiiOのスピーカーです。

 小型アンプは、相当前から日本でシェアが高かったブランドですが、スピーカーは2023年からです。日本ではエミライが代理店です。


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 【2024年発売】

 72・FiiO SP3 BT FIO-SP3BT-B
 72・FiiO SP3 BT FIO-SP3BT-W
  ¥63,892 楽天市場 (6/19執筆時)

接続:Bluetooth5.0 USB-C 光 同軸 アナログ
ハイレゾ:対応
高音域:★★★★★ 40kHz
低音域:★★★★☆ 65Hz
小音量:★★★★★
サイズ:幅12.0× 高さ16.3× 奥行13.2cm

 【2023年発売】(在庫限り)

 73・ FiiO SP3 FIO-SP3-B
 73・ FiiO SP3 FIO-SP3-W
  ¥68,187 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

接続:アナログ(3.5mm RCA)
ハイレゾ:
高音域:★★★★☆ 20kHz
低音域:★★★★☆ 65Hz
小音量:★★★★★
サイズ:幅12.0× 高さ16.3× 奥行13.2cm

出力:40W+40W
スピーカー:8.89cm+2,5cm
サイズ:幅12.0× 高さ16.3× 奥行13.2cm

  FiiO SP3 BTは、FiiOのデスクトップ用のスピーカーの上位機です。

 価格的には、Edifierの上位ライン、あるいはAudioengineの製品あたりがライバルですが、やや小型です。

 旧機種が残りますが、大きな違いは接続方法で、アナログのみです。そのほか、周波数帯域の部分でハイレゾ対応の表明は新機種からです。旧機はこの部分は不明瞭でした。

 1年での更新ですが、後述するBluetooth SOCの生産が遅れていた事情でしょう。もとからこの仕様を狙った製品だったようにも思います。

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 結論的にいえば、価格ほか、アクティブスピーカージャンルということで、利便性の部分でも新機種のほうを推します。

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 本体色は、黒と白です。

 素材はアルミダイキャストで、一体成形です。角度は下部のスタンドを逆にすることでで水平にもできます。

 底面はライトです。24色に調色可能です。

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 大きさは、幅12.0× 高さ16.3× 奥行13.2cmです。

 冒頭書いた「幅13cm」の枠内には入るので、邪魔にならずに置ける方は多いでしょう。

 PCとの接続は、基本、USB-Cを利用します。

 そのほか、光デジタル・同軸もあるので、接続手段は多いです。

 なお、これらの端子の対応サンプリングレートは、最大で96kHz/24bitです。

 定額音楽サービスのハイレゾ音源(Flac)水準はありますし、問題ないでしょう。

 RCAと3.5mmステレオのアナログも利用できますが、(サウンドカードにこだわりがある場合は別として)デジタル伝送のが良いでしょう。

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 ネットワークは、Bluetoothを利用できます。

 コーデックは、SBC AACなどほか、LC3を除く、LDAC・Apt-X Adaptiveまでフル対応です。

 最近、クアルコムで、ソニー系のLDACまで対応するQCC5124というSOCが出ましたが、それを使っています。

 Bluetoothなどの通信機器はノイズ対策も重要ですが、先述のアルミダイキャスト製の筐体もその部分を重視します。

 ハイレゾは、周波数帯域の部分でも新機種は適合水準です。

 おそらく、旧機も実際は対応できるスペックだったような気はします。 

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 アンプ出力は、総合で40Wです(ウーファー30W・ツイーター10W)。

 小型機なのでこれくらいで十分でしょう。

 強くはないですが、構成からみても小音量で普通に視聴するには十分です。

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 スピーカーは、低音再生用のウーハーが8.89cm、高音再生用のツイーターが2.5cmです。

 本体のサイズ感に相応する、ちょうど良いほどの大きさです。無理して大きなものを積んでもいません。

 ウーファーは、弾性の強いカーボンファイバー製、ツイーターはシルクドームです。このあたりは、しっかり「オーディオしている」感じで、真面目です。

 余裕のある電源供給力、スピーカーユニットごと2系統としたマルチアンプ(D級)構成など、やはり基本に真面目です。

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 低音域は、写真のようなS字型のバスレフポートで強化します。

 この部分もオーソドックスですが、機能するでしょう。

 ハイレゾ音源は、非対応です。

 そこを目的にした機種ではないです。

 ボリューム調節は、後面にあるツマミで調整が可能です。

 左右のユニットの入替もスイッチで可能です。

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 以上、 FiiO SP3 BTの紹介でした。

 伝統的な「アナログ機」として出すポリシーかと思いましたが、1年でBluetooth機に生まれ変わったという製品です。

 先述のように、旧製品が1年で終了となったのは、改良と言うより、おそらく、Bluetooth用のSOCの調達の問題もあったかなと思います。

 この部分、最初に買ってしまった方は残念に思う方もいそうですが、逆に言えば、良い製品になったと言えます。

 一方、アンプ内蔵型として最も重要なノイズ対策は、筐体、ケーブル、回路と引き続き多重の工夫があります。その上で、電源供給力も十分で、スピーカーユニットにも素材的な工夫が見られます。

 見かけも格好良く本体幅も12cmなので、この価格グレードの製品では、かなり良い選択肢に思えます。

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 【2024年発売】

 74・FiiO SA1 FIO-SA1-B
 74・FiiO SA1 FIO-SA1-W
  ¥31,560 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

ハイレゾ:対応
出力:25W+25W
スピーカー:8.9cm + 1.9cm   
高音域:★★★☆☆ 20kHz
低音域:★★★☆☆ 65Hz
小音量:★★★★☆
接続:Bluetooth USB-C 光 同軸 アナログ
サイズ:幅13.5× 高さ18.5× 奥行15.5cm

 なお、同社からは、本機の下位機として FiiO SA1という製品も登場しています。

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 大きさは、幅13.5× 高さ18.5× 奥行15.5cmです。

 こちらは、上位機より幅広で、若干幅のひろい机向けと言えます。

 一方、本機の口絵や仕様からして、ニアフィールドというより、レコードなどを含めて、リビングなどに置いて、BGM用に使うことを主眼に想定しているようにはみえます。

 しかし、浅めの奥行と、ドライバーのサイズと構成からしても、どちらかと言えば、デスクトップでの利用がむしろよさげです。

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 スピーカーは、8.9cmのウーファーと、1.9cmのトゥイーターです。

 ウーファーは、ウッドファイバー、トゥイーターは、アルミニウム・マグネシウム合金と、先ほどの機種と素材が変わります。

 低音域は、素材特性上、温かみのある音質、高音域は、金属系特有な明晰さ重視です。

 本機が、周波数帯域的に、ハイレゾ対応水準でない部分を含めて、「落ちついて聴く」ような、昔からのユーロ系のスピーカーに近い音質です。

 PCとの接続は、上位機とほぼ仕様は同じです。

 ただ、レコードプレーヤー用のフォノ端子と、サブウーファー用の出力が本機のみ加わります。

 一方、USB接続、光、同軸ともに、仕様的に、サンプリングレートは、ハイレゾ対応水準です。

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 Bluetoothコーデックも、上位機と比べると、SBC・AAC・LDACだけになりますが、やはり、LDACでハイレゾ対応水準です。

 ただ、周波数特性(65〜20kHz)を見ても、ユニット側でその用途を想定していないといえます。

 リモコンも、装備です。

 低音を含めた音質調整も可能です。

 あとは、言及したい部分はないです。

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 結論的にいえば、本機は、どちらかと言えば、PC用スピーカーとしてデスクトップ利用に向く機種で、そのような設計です。

 実際、ある程度の机の幅さえ確保できれば、「温かみのある音質」が好みで、ハイレゾに特に対応する必要を感じないならば、PC用スピーカーとして堅実な性能を発揮してくれるでよう。

 一方、先述のように、「レコードプレーヤー」を置く口絵から、一見すると「リビング用」にも向くように見えますが、構成としては、今回見ている他機と同じで、あくまで「近接視聴用」の設計といえます。

 なお、今回の比較の主旨からは外れますが、「レコード用」で考える場合、本機は、比較的狭めの空間で、大げさでないシンプルなシステムで、昔のレコードを聴きたいと思っている、「ライト層」に向けた製品といえるでしょう。

4-3・ソニーのPCスピーカー

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 続いて、ソニーのアクティブスピーカーです。

 近年は10万円以下の製品を取りやめてしまったので、高級機が唯一の展開です。

 基本的には、音楽を聴くといより、作成者向けというか、DTM向けの製品です。


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 【2020年発売】

 75・SONY SA-Z1
  ¥744,880 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

ハイレゾ:対応
出力:106W+106W
スピーカー:本文で説明
高音域:★★★★★★ 100kHz
低音域:★★★★★★ 10Hz
小音量:(確認中)
接続:USB ウォークマン
サイズ:幅19.8× 高さ20.7×奥行32.6cm

 ニアフィールドパワードスピーカー SA-Z1は、SONYの高級ライン「Signature Series」に属するハイエンド機です。

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 スピーカーの大きさは、幅19.8× 高さ20.7×奥行32.6cmです。

 ノートPC運用でないと、上図のような配置では使えないでしょう。

 「ニアフィールド」用には違いないのですが、相当に大きく、気軽に使うような設計ではないです。

 とくに、奥行は必要です。

 机上棚などの工夫をせず、デスクトップPCで使う場合は、このブログの【PCデスクの比較記事】で紹介したような、奥行の取れる机を選ぶなど、相当考えないといけません。

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 PCとの接続は、基本的には、USB端子を利用します。

 オーディオやプリンタで使うUSB-B(USB3.0)です。PCとつなげるための USBケーブル(USB-C/USB-B)は、最初から付属します。

 この場合、PCM 768 kHz/32 bitまで対応できます。DSDは、最大11.4 MHzです。

 光デジタル入力端子もありますが、 ハイレゾを扱う場合、最大96 kHz/24 bitにボトルネックがあります。

 なお、本機は、【ウォークマンの比較記事】で紹介した、同社のハイレゾ端末との有線接続も考慮しているので、WM-PORTも存在します。

 なお、音質有線設計のためか、Bluetooth接続は非対応です。

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 アンプ出力は、まさに「パワードスピーカー」であり、片側につき、106Wです。

 同社のハイエンドウォークマンにも採用される、フルデジタルアンプの「S-Master HX」を、大出力向けにカスタマイズしたD.A.ハイブリッドアンプ(デジタル+アナログ)です。

 また、左右のスピーカー間は、専用ケーブルでデジタル伝送させるなど、遅延問題にも配慮します。

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 本機は、4スピーカーです。

 それぞれのチャンネルに4つのアンプを装備する「16ch独立駆動制御」により、タイミング精度も高度です。

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 スピーカーは、2WAY5スピーカーです。

 多くのスピーカーがある場合、解像感を得るための調整はより難しくなります。

 ただ、本機は、そもそも違和感を生じさせない「点音源化」を前提に設計されているので、近接視聴でも解像感が得られます。

 その上で、ウーハーとツイーターも、相当なこだわりを見せています。

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 低音再生用ウーハーは、10cmのユニットが対向配置されます。

 こうした配置は(角度は違いますが)最近の360度スピーカーにも見られますが、全周囲への低音の自然な広がりを意識しています。

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 音再生用のツイーターは、19mmが1基と、14mmが2基です。

 「スーパートゥイーター」という表現は使っていませんが、2基は、実際のところ、ウーハーにあわせた音の広がり(指向性)の向上のほか、100kHz再生を可能にさせるために装備しているようです。

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 小音量再生については、Low Volume Modeが装備です。

 この部分は、しっかり試聴ができたら、フォローしようと思います。

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 ボリューム調節は、コントロールユニットのほか、リモコンでも可能です。

 またサブスピーカー側には、周波数範囲の調整などを微調整するスイッチが付属です。

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 このほか、本機については、ハイレゾ以外の音源をアップスケーリングするDSEE HXが付属です。

 ソニー製品の音楽機器ではお馴染みですが、有線のPCスピーカーへの搭載は初かと思います。

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 以上、SONYSA-Z1の紹介でした。

 値段面で「おすすめ」とは言いにくいですが、音質だけで言えば、ダントツでオススメになるでしょう。

 Atlasも、サイズの部分さえ何とかなれば、長期でぜひ試したい製品です。

4-4・オーディオエンジンのPCスピーカー

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 続いて、米国のAudioengineの製品です。

 2005年にテキサスで起業した会社ですが、面白い小型機を結構出しており、注目しています。。


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 【2019年発売】

 76・Audioengine A2+ WIRELESS
  ¥(40,920) 楽天市場 (6/19執筆時)

ハイレゾ:
出力:30W+30W(RMS 30W)
スピーカー:7cm+1.9cm
高音域:★★★☆☆ 22kHz
低音域:★★★★☆ 65Hz
小音量:★★★★☆
接続:USB-C Bluetooth アナログ
サイズ:幅10× 高さ15.0×奥行13cm

 A2+ワイヤレススピーカーシステムは、米国の音響メーカーAudioengineの販売するPCスピーカーです。

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 大きさは、幅10× 高さ10.0×奥行13cmです。

 繰り返し書いてきましたが、幅13cmクラスだと、工夫しないとデスクに圧迫感がでます。

 本機は、高級機ながら幅10cmですので、その部分で貴重な存在です。

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 PCとの接続は、アナログ接続もできますが。

 しかし、USB DACを内蔵しますし、デジタル接続が良いでしょう。

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 ネットワークBluetooth搭載です。

 コーデックは、SBC・AACほか、Apt-Xも対応するため、ハイレゾ音源にこだわらないならば、ワイヤレスでも高音質です。

 アンプ出力は、最大出力で80Wです。

 小型でもパワーはあります。

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 スピーカーは、低音再生用のウーハーが7cm高音再生用のツイーターが1.9cmです。

 コンパクトな機種ですので、口径はこの程度です。

 ウーハーに、アラミド繊維(ガラスアラミド)を採用します。固い繊維で、FOCALなどの高級機も採用しますが、高剛性だけに力強い音が鳴ります

 結構な出力な製品ですが、素材的な工夫で、音圧に負けない構成です。

 なお、グリル(網)本機の場合は「不要」となります。

 小音量再生は、もともとスピーカーユニットが小さめなので、問題ないでしょう。

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 ボリューム調節は、調整つまみが本体の裏面です。

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 以上、AudioengineのA2プラスの紹介でした。

 10cmの設置幅で設置可能で、比較的設計の新しい製品です。音質面も、ドライバー素材を含めて期待値が高いと言えます。

 ハイレゾ音源に対応する必要がないならば、候補になります。


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 【2018年発売】

 77・Audioengine HD3 Wireless Speakers
  ¥55,000 楽天市場 (6/19執筆時)

ハイレゾ:(対応)
出力:30W+30W(RMS 30W)
スピーカー:7cm+1.9cm
高音域:★★★☆☆ 22kHz
低音域:★★★★☆ 65Hz
小音量:★★★★☆
接続:USB-C Bluetooth アナログ
サイズ:幅11× 高さ14.0×奥行14cm

 HD3も、Audioengineの販売する製品です。

 上で見たA2プラスの上位機です。

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 大きさは、幅11× 高さ14.0×奥行14cmとなります。

 サイズ感は、先ほど見た同社のA2プラスと同じです。

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 PCとの接続は、本機もアナログほか、USB接続に対応します。

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 ネットワークは、Bluetooth 4.2です。

 最新ではないですが、アンテナも付属しますので、安定性は担保されそうです。

 コーデックは、SBC・AAC Apt-XとApt-X HDに対応です。

 ハイレゾに対応できる規格ですので、下位機種より優秀です。

 一方、これは、USBの場合もそうですが、スピーカー部分の再生周波数帯域は、本機も22kHzなので、(業界基準的な意味で)「ハイレゾ機」とは言いがたい部分はあります。

 アンプ出力は、最大出力で80Wです。

 言うまでもなく、力強いです。

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 スピーカーの直径は、低音再生用のウーハーは7cm高音再生用のツイーターは1.9cmです。

 A2プラスと同じですが、ウーハー素材がアラミドからケプラーになっています。

 防弾チョッキにも使われる高品質スピーカーではお馴染みの素材です。やはり、小さなユニットで力強くならすためでしょう。 

 小音量再生は、問題ないでしょう。

 ボリューム調節は、フロントに調整ダイヤルが付属です。

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 以上、AudioengineのH3プラスの紹介でした。

本機も10cmの設置幅で設置可能であり、小型のアクティブスピーカーを探している方には選択肢になるでしょう。

 一方、下位機種と比較すると、ハイレゾに「準対応」する点と、前面にボリュームがある点が、割と魅力に思えます。ただ、個人的には価格差ほどの差はないかと思います。

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 【2024年発売】

 78・ Audioengine HD5 HOME MUSIC SYSTEM
  ¥109,890 楽天市場 (6/19執筆時)

ハイレゾ:(対応)
出力:75W+75W(RMS 50W)
スピーカー:12.7cm+1.9cm
高音域:★★★☆☆ 22kHz
低音域:★★★★★ 50Hz
小音量:★★★★☆
接続:USB-C Bluetooth アナログ・光
サイズ:幅18× 高さ27.0×奥行20cm(アンテナ込み23cm)

 なお、このシリーズの最上位機となる、HD5が2024年に出ました。

 価格は高いですが木調のものは、外側にウォルナット材の突き板(ベニア)な「リアルウッド・キャビネット」になります。

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 サイズは、ただし、幅18cm× 高さ27.0cm×奥行20cmです。

  写真は24型ほどのモニターとのコンビの写真に見えますが、机の方の幅が結構ありそうです。

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 「選び方の基本」で書いたように、相当幅広の机でないと、利用時に邪魔になるでしょう。

 その上で、奥行の工夫も必要なので、基本的には別にボードなどを用意して使うものです。

  実際、ここまでの性能の製品を近接視聴用につかう場合、音量をある程度抑えて気味で使うことになるので、やはりバランスが悪いです。

 アンプは、クラスABアンプで合計150Wです。

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 スピーカーは、先ほどの機種より、ウーファーが12.7cmとなっての2ウェイです。

 ウーファーは、こちらもアラミドファイバー素材であり、同社の「こだわり」と言えます。

 端子は、下位機に対して、光デジタル端子が加わります。

 202311021507.jpg

 ネットワークは、Bluetooth 5です。

 コーデックは、SBC・AAC Apt-XとApt-X HDに対応です。

 USB-DACは、珍しく種類が記載で、旭化成のAKM AK4396です。

 ロングセラーの高級オーディオ用DACで、値段相応の組み合わせです。

 ハイレゾ対応のDACですが、 接続方法というより、周波数帯域の部分で業界認証基準に満たず、ハイレゾ基準には未到達になります。

--- 

 結論的にいえば、サイズ面で、デスクトップ用を探すという、今回の記事の主旨からは少しそれる製品といえます。

 やはり、「パワードブックシェルフ」として、リビングなどで使いたい機種でしょう。その用途ならば、おすすめできます。

 サブウーファーアウトもありますし、そうした用途を主に想定した高級機といえます。

4-5・その他のPC用スピーカー

 最後に、ここまで紹介した以外のメーカーのPC用スピーカーのうち、目に付いたものを「ざっくり」とですが、紹介します。


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 【Amazon限定】

 79・Amazonベーシック V620BLACK
 79・Amazonベーシック V620SILVER
  ¥3,004 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

ハイレゾ:
出力:1.2W+1.2W(RMS)
スピーカー直径
高音域:★★★☆☆ 20kHz
低音域:★★☆☆☆ 80Hz
小音量:★★★★☆
接続:アナログ【3.5mm】
サイズ:幅10×高さ7.1×奥行6.6cm

  V620は、AmazonのPB商品となる「Amazonベーシック」のPCスピーカーです。

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 本体色は、ブラック(V620BLACK)とシルバー(V620SILVER)から選べます。

 大きさは、幅10×高さ7.1×奥行6.6cm です。

 PCとの接続は、アナログ方式です。

 USB端子がありますが、給電のみで、音声は、3.5mmヘッドフォンジャックでの転送です。

 アンプ出力は、片側1.2Wですので音圧は期待しにくいでしょう。

 スピーカーの直径は、情報がないです。

 さほど大きくないでしょうが、下部のパッシブラジエータで低音を補う仕組みです。

 ボリューム調節は、本体で可能です。

---

 以上、ダイナミックサウンドスピーカーの紹介でした。

 値段の安い製品としてみても、アンプ出力が弱いため、この部分はネックです。

 USBの供給電力の限界があるので仕方ないとはいえ、音質を重視する場合は選択肢にはしにくいです。

ーーー

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 【4W 幅33.5cm(左右分離可能)】

 80・AINEX ASP-SB04A
  ¥1,373 Amazon.co.jp (6/19執筆時)
  

 【6W 幅60cm】

 81・AINEX ASP-SB03   
  ¥2,473 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

ハイレゾ:
出力:4W
スピーカー:5×9cm
接続:アナログ(3.5mm)
サイズ:幅50.0× 高さ5.5×奥行58cm
※ASP-SB04のスペック

 このほか、値段面で値ごろ感がある製品としては、バー式のアイネックスのASP-SBシリーズも人気です。

 ただ、PC用としても、ドライバーのサイズが小さく、左右のステレオスピーカーに較べて音質はイマイチです。


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 【2015年発売】VL-S3後継機

 82・TASCAM VL-S3BT
   ¥14,900 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

ハイレゾ:
出力:14W+14W
スピーカー:7.6cm+1.2cm
高音域:★★★☆☆ 22kHz
低音域:★★☆☆☆ 80Hz
小音量:★★★☆☆
接続:Bluetooth・アナログ
サイズ:幅110×奥行138×高さ170mm

 VL-S3 は、TASCAM が販売するPCスピーカーです。

 TASCAMは、音響機器メーカーのTEACの業務用の別ブランドです。

 したがって、家庭用機ではないのですが、それ用にも「売れる」製品です。

 大きさは、幅110×奥行138×高さ170mです。

 幅11cmなので、そこそこ存在感ありますが、幅100cmほどの普通の机でも、モニター脇の配置で使えるサイズです。

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 PCとの接続は、基本、アナログ接続です。

 その上で、本機には、Bluetoothモデルもあり、そちらについては、ワイヤレスに対応できます。

 SBC・AACほか、Apt-Xに対応します。

 スピーカーは、2ウェイ式です。

 低音再生用のウーハーが、7.6cm高音再生用のツイーターが1.2cmです。

 さほど大きくないですが、オーソドックスなスピーカーという点で「ライバル」になる、FOSTEX PM0.3Hより安くて同級なので、やはり(価格の割には)優秀でしょう。

 なお、低音については、後部にバスレフポートがある仕様です。

 アンプ出力は、総合28Wです。

 本体サイズからすれば、強力ではないですが、弱くもないです。 

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 ボリューム調節は、調整つまみが本体の後方にあります。

 基本的にはPCで調整する必要がありますが、まあ問題ないでしょう。

---

 以上、タスカムのVL-S3 Kの紹介でした。

 クラシックなシステムですが、このようなタイプは、ONKYOが撤退してからは、ラインナップが激減しており、貴重です。

 ただ、本機は、TASCAMブランドで、基本「業務用」のモニター設計なので、低音域の音圧と、高音域の伸びという部分で、家庭用の近接視聴に必ずしも向くわけでもないです。

 評価が大きく分かれるタイプなので、できれば試聴後に買われた方が良いでしょう。


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 【2023年発売】

 83・NZXT Relay Speakers AP-SPKB2-JP
 83・NZXT Relay Speakers AP-SPKW2-JP
   ¥33,791 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

ハイレゾ:
出力:40W+40W
スピーカー:7.62cm+2cm
高音域:★★★☆☆ 20kHz
低音域:★★★☆☆ 70Hz
小音量:★★★☆☆
接続:アナログ・TRS
サイズ:幅11.5×奥行18.6×高さ15.9cm

 Relay Speakers AP-SPKB2は、NZXTの販売するスピーカーです。

 むしろPCケースで有名な米国企業で、日本ではASKが代理店です。

 ゲーミング関係の周辺機器としての発売でしょう。

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 大きさは、幅11.5×奥行18.6×高さ15.9cmです。

 ここは、本機の良い部分で、高音質型スピーカーとしては珍しく、幅が狭いです。

 Edifierなどにはラインナップがないですし、良いかと思います。先ほどみた FiiO SP3より小さいです。

 PCとの接続は、一方、アナログのRCAです。

 ようするに、PC側のサウンドボードや、別に使うならばDACの性能が重要になるでしょう。

 TRS端子があるのは珍しいですが、演奏ニーズからでしょうか。

 Bluetoothは未搭載です。

 スピーカーは、2ウェイ式です。

 低音再生用のウーハーが、7.62cm高音再生用のツイーターが2cmです。

 前者はグラスファイバー繊維、後者は、シルクドームです。

 いずれのお馴染みの素材ですが、信頼性は高いでしょう。

 アンプ出力は、総合80Wです。

 かなり強力です。周波数帯域的には低音は70Hzですが、ウーハーの径や、この部分を含めて言えば、小柄な本体に似合わないスペックです。

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 ・NZXT サブウーファー AP-SUB80-JP
   ¥24,090 楽天市場 (6/19執筆時)

 なお、サブウーファー端子と、純正のサブウーファーも別売で存在します。

 純正の場合、165mmの後継で140Wの出力です。

 ボリューム調節は、本体の後部です。

 リモコンもないので、基本的には、PCで調整する方向です。

---

 以上、NZXTRelay Speakers AP-SPKB2の紹介でした。

 小型でパワフルな特性の機種はあまりなかったので面白いと思いました。机の面積は限られるが、その部分を重視したい場合は選択肢になるでしょう。

 ただ、繰り返しますが、アナログ入力なので、出力側のDACの水準で音質はだいぶ変わるかと思います。上級者向きでしょう。


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 【2020年発売】

 84・Kanto YU2 DAC内蔵PCスピーカー
   ¥48,998 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

ウォルナット:‎CA-YU2WALNUT
ブラック: YU2MB
ホワイト: ‎YU2MW
バンブー:‎YU2BAMBOO

ハイレゾ:
出力:25W+25W(RMS)
スピーカー:7.62cm+2cm
高音域:★★★☆☆ 20kHz
低音域:★★★☆☆ 80Hz
小音量:★★★★★
接続:USB アナログ
サイズ:幅10×奥行13.5×高さ15cm

 Kanto YU2は、カナダのKantoが販売するPCスピーカーです。

 おなじみの完実電気が日本の代理店です。日本発売は2023年からですが、海外展開自体は、もう少し前からあります。

  202401151601.jpg

 大きさは、幅10×奥行13.5×高さ15cmです。

 本機も、かなり幅が狭く、デスクトップで利用するには良い仕様です。

  202401151543.jpg

 Kanto デスクトップスピーカースタンド S2 ホワイト
  ¥4,980 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

 なお、別売ですが、専用スタンドが用意されます(黒もあり)。

 16段階のチルト対応です。小型なので、しっかりした姿勢で、デスクワークに臨む場合、かなり良いように思います。

 机でのニアリスニングの場合、こういった工夫ができるのは、音質向上において、結構効果的です。

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 以前販売があった、ソニーのCAS-1(写真)も、インシュレータの工夫で「振り上げ」にできましたが、それと異なる方法で、それを実現していると言えます。

 PCとの接続は、USB接続対応です。

 ただ、USB-DACの限界(48kHz・16bit)でハイレゾは非対応です。

 そのほか、アナログのRCAも対応しますが、Bluetoothは未搭載です。

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 スピーカーは、2ウェイ式です。

 低音再生用のウーハーが、7.62cm高音再生用のドームツイーターが2cmです。

 インチ表記だと、3インチと3/4インチで、小型スピーカーでは割とよく見る構成です。 

 前者は、防弾チョッキにも使われるケブラー繊維、後者は、シルクドームです。

 やはり、よく見られる構成であり、堅実です。

 アンプ出力は、RMS表記で、総合50Wです。

 サイズ感からすれば、十分です。D級アンプです。

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 (黒もあり)

 kinto SUB8
  $269.99

 本機も、サブウーファー端子を持ちますので、低音強化はできますが、そういった用途に使うのは、少数派かもしれません。純正だとkinto SUB8という製品がありますが、執筆時、日本未発売です。

 ボリューム調節は、本体の後部です。

 リモコンもないので、基本的には、PCで調整する方向です。

---

 以上、Kanto YU2の紹介でした。

 最近みた小型の高級機の中で、とくに「目についた」と言って良い製品です。Atlasも仕事場の1つでまだ使う、すでに生産完了のSONYCAS-1の代替機になりそうだったので。

 本体サイズほか、口径も素材も似ています。低音を膨らます部分の構造は異なりますが、良い意味で堅実な構成ですので、こちらも悪くないです。

 唯一、スペック的にハイレゾ水準ではないので、そこだけが(個人的に)残念には思います。ただ、その点を問題にしない場合、デスクトップ用の小型機としては、そのデザイン性を含めて、かなり良い選択肢でしょう。

ーーー

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 【2017年発売】

 85Kanto YU4 DAC内蔵PCスピーカー  
   ¥59,800 Amazon.co.jp (6/19執筆時)

ウォルナット:‎YU4WALNUT
ブラック: YU4MB
ホワイト: ‎YU4MW
バンブー:‎YU24AMBOO

ハイレゾ:
出力:45W+45W(RMS)
スピーカー:10.16cm+2cm
高音域:★★★☆☆ 20kHz
低音域:★★★☆☆ 60Hz
小音量:★★☆☆☆
接続:Bluetooth アナログ 光×2
サイズ:幅14×奥行19×高さ22cm

 なお、本機のウーファーを4インチクラスにした上位機となるのがYU4です。

 こちらは、USB入力がない(出力のみ)かわり、光デジタル端子が2系統あります。

 そちらだと、24bit/96kHzまで通りますが、スピーカー側の限界もありつつ、ハイレゾ対応水準とはしていません。

 そのほか、Bluetooth 4.0を搭載(apt-X)です。

--

 結論的にいえば、下位機種と違って小型であるメリット性はない機種です。音質は、ウーファーが大きい部分で充実するでしょうが、発売時期の関係で、Bluetoothのバージョンや、DACの部分で、多少古くさくみえます。


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 【2025年発売】

 86・ELAC Debut ConneX DCB41
   ¥77,821 楽天市場 (6/18執筆時)

ハイレゾ:
出力:45W+45W(RMS)
スピーカー:11.5cm+.1.9cm
高音域:★★★☆☆ 25kHz
低音域:★★★★★ 50Hz
小音量:★★☆☆☆
接続:Bluetooth アナログ 光 HDMI USB
サイズ: 幅140x奥行203x高さ245mm

 Debut ConneX DCB41は、ドイツの高級オーディオメーカーElacの製品です。

 高級オーディオメーカーですが、こちらの「 Debutシリーズ」は、比較的価格を抑えてだされている、同社のコスパモデルになります。

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 大きさは、 幅140x奥行203x高さ245mmです。

 PC用スピーカーとして考えると、わりと幅があります。

 「選び方の基本」でも書いたように、このサイズだと、ある程度、幅広で、奥行もある机が欲しい感じです。

 PCとの接続は、USB接続が基本です。

 ただ、同軸、光端子ほか、eARC対応のHDMI端子まで装備される点で豪華です。

 一方、25年発売ですが、USB端子自体の形状はUSB-Bですので昔ながらです。

 DACの限界で、最大 96kHz/24bitまでですが、定額音楽サービスなどの、Flac音源を聴きたい位ならば、問題ないです。

 ハイレゾは、ただ、本機のスピーカーが示す周波数帯域のスペック(25KHz)からすると、少なくとも日本の業界団体の基準では、ハイレゾ対応機では「ない」です。

 メーカーも、特に、この部分の対応には言及しません。

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 Bluetoothは、コーデックとして、SBCほか、Apt Xは対応表明があります。

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 スピーカーは、115mmポリプロピレン製コーンを採用するウーファーと、19mmのソフト ドーム型のトゥイーターです。

  (アンプ非搭載の)Debutシリーズの場合、アラミドファイバーの場合が多いですが、こちらは変わります。採用理由などは示されませんが、コスト面でしょうか。

 一方、ただ、可動域の大きいロングストローク・ウーファーの採用は シリーズに貫徹するもので、ELACの特長である、低音域の豊かさにつながるものといえます。

 バスレフポートは、フロント配置ですし、壁ぎわでも(音が籠もらず)使いやすそうです。

 アンプ出力は、RMS表記で、総合90Wです。

 サイズ感からすれば、十分です。D級アンプです。

 ボリューム調節は、本体の後部です。

 ただ、リモコンは付属です。

 なお、アンプのL/Rは切り替えることができる仕様です。

---

 以上、Debut ConneX DCB41の紹介でした。

 端子構成は「豪華」で HDMI端子まである点で、PCだけでなく、色々に使いたい場合に対応できる仕様です。

 逆に言えば、サイズ感を含めて、そこまで、デスクトップ利用に最適化されているわけでもないので、この用途だけで考えれば、もう少し安めでも最適な機種はありそうです。

 また、これは、他社でみた「大きめ」とも共通しますが、机の幅・奥行がある程度ないと、ステレオ感はやや得にくいでしょう。注意点です。

 ただ、作りも堅牢で、外観を含めて格好良いといえるELAC製のスピーカーを「PC用スピーカー」として普段使いたい誘惑に狩られる気持ちは、Atlasも(よく)わかります。

今回の結論
パソコンスピーカーのおすすめは結論的にこの機種!

 というわけで、今回は、PC用スピーカーの比較の4回目記事でした。

 しかし、記事はまだまだ「続き」ます。

  201806221008.jpg

5・PCスピーカーの比較 (5)
 5-1:最終的なおすすめの提案【結論】

音質の良さ  ★★★★★
重低音の迫力 ★★★★★
小音量の音質 ★★★★★
ハイレゾ再生 ★★★★★
設置スペース ★★★★★
総合評価   ★★★★★

 続く、5回目記事こちら)は、結論編です。

 今回紹介する全機種から、目的別・予算別に「Atlasのおすすめ機種!」を提案していきます。

 引き続きよろしくお願いします。

 5回目記事は→こちら

posted by Atlas at 00:18 | オーディオ製品

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