1回目記事からの続きです→こちら
今回のお題
冬も春も使える加湿空気清浄機のおすすめはどれ?
ども、Atlasです。
今回は、2025年4月現在、最新の加湿空気清浄機の比較の4回目記事です。
ブルーエアほか、ここまで見れていない機種をまとめて紹介していきます。
1・加湿空気清浄機の比較 (1)
1-1:選び方の基本の紹介【導入】
1-2:パナソニック〈日本〉
1-3:ダイキン〈日本〉
2・加湿空気清浄機の比較 (2)
2-1:シャープ〈日本〉
3・加湿空気清浄機の比較 (3)
3-1:日立〈日本〉
3-2:アイリスオーヤマ〈日本〉
3-3:ダイソン〈英国〉
4・加湿空気清浄機の比較 (4)
4-1:ブルーエア〈北欧〉
4-2:他の製品
5・加湿 / 空気清浄機の選び方
=最終的なおすすめの提案【結論】
1回目記事の冒頭(こちら)で書いた、加湿空気清浄機の『選び方の基本』に基づいて書いていきます。
よろしくお願いします。
4-1・ブルーエアの空気清浄機
はじめに、スウェーデンのブルーエアの加湿空気清浄機です。
空気清浄機では、日本でも昔から高級機を出していた老舗です。
ただ、加湿空気清浄機は、2024年からの日本展開となります。ちょうど、同国のエレクトロラックスの日本事業撤退と同時期でした。
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なお、以下では、いつものように、オススメできるポイントは赤系の文字色で、イマイチな部分は青字で書いていきます。
【2024年発売】
73・ブルーエア Blueair 2-in-1 DH3i 111810
¥53,141 Amazon.co.jp (4/10執筆時)
適用床面積:木造 12畳 コンクリ 19畳
清浄時間:10分/8畳
加湿量:730mL/h
最大風量:最大6.3㎣/分
加湿時風量:最大6.4㎣/分
静音性:強:52dB 静音:22dB
サイズ:幅305×奥行340×高さ660mm
イオン:(イオンバリア)
センサー :ニオイ・温湿度
フィルタ寿命:6ヶ月〜9ヶ月
Blueair 2-in-1 DH3i 111810は、スウェーデンのブルーエアが販売する加湿空気清浄機です。
本体サイズは、幅305×奥行340×高さ660mmです。
形は北欧設計らしくユニークですが、同じほどの適用畳数の日本の家電企業の製品とだいたい同じです。
適用床面積は、加湿時の面積としては、木造 12畳 コンクリ 19畳です。
ダイキンの最上位機と同じスペックで、そちらがライバルでしょう。
空気清浄の適用床面積は、最大30畳ですが、これは日本企業の場合と同じです。
8畳あたりの清浄時間は10分ですので、ダイキン上位機と(ほぼ)同じです。
・Blueair 2-in-1 DH3iダストフィルター DH3i 112082
¥11,000 楽天市場(直販) (4/10執筆時)
ほこり用フィルターは、単独で搭載です。
3枚セットですが、3方向吸引なので、1回の交換で3枚全部必要です。
交換の目安は6ヶ月〜9ヶ月です。
同社の空気清浄機とおなじで、耐用期間が短いので、10年使う場合のトータルコストを考えると、相当な高級品である点は理解して買うべきと言えます。
なお、同社のフィルターは「HEPASilentフィルター」採です。
HEPA規格ですが0.1μmまで吸いこめる高性能フィルターです。
また、本機の場合、ダイキンの光ストリーマのようにイオナイザーで帯電させてから、HEPAフィルターで吸引するため、吸引力の点では、現在水準で高い水準の能力を持ちます。
ニオイ用フィルターは、注意点です。
本機は、未付属だからです。
そのため、タバコの煙(粒状物質)はフィルタでこしとるにせよ、料理臭、カビ臭をふくむ、お部屋のニオイはとりません。
ブルーエアは、昔は(加湿のない)空気清浄機もこの仕様でしたが、最近は活性炭フィルタを使えるような機種が増えています。この点で言えば、設計上、脱臭フィルタを載せるスペースがなかったというのが、正直なところかと思います。
本体の風量は、加湿運転時も、最大6.4㎣/分です。
空気清浄は 最大6.3㎣/分ですのでほぼ変わりません。問題ない水準ですが、あえて言えば、空気清浄時のほうがスペックが落ちるのは、わりと珍しいです。
気流制御は、サイド3方向からの吸引で、上部に排出する構造です。
同社の場合、床から少し浮いた部分に吸入口を作ることで、低空を舞いやすい花粉などのほこりをしっかり吸引する仕組みです。やはり、ここは構造を見ても重視している部分で、本機の良い部分です。
清浄された空気は、天井を利用して、コアンダ効果で部屋に拡げていく感じです。
センサーは、PMセンサー(高感度ほこり)と、温湿度センサーです。
先述のように、フィルタがニオイ非対応なので、ニオイセンサーも未付属です。
空気質(AQI)は、本体のLEDで識別できるよく見かける仕様です。
加湿機能は、1時間あたり730ml/hの加湿力です。
ダイキン最上位機よりやや多め、この畳数クラスの製品として十分です。
手付ビーカー1032 3L
¥639 Amazon.co.jp (4/10執筆時)
水タンクのサイズは、3.5Lです。
長時間運転できそうです。
給水は上部給水ですから、大きなヤカンや、上で紹介している大きな手つきビーカーがあると便利でしょう。
なお、満水の95%になると、給水サインが付き、入れすぎを防止する仕組みです。ここは、チャイム的な仕様でも良かったかなとは思いますが、便利でしょう。
本体のお手入れは、加湿関係は、1週間に1回のフィルタを含む水洗いです。
加湿フィルター、ポンプ用プレフィルタ・カードリッジの水洗いと、タンクの中性洗剤による洗浄が推奨されます。
構造的にシンプルではないので、指示通りやるとすると結構時間はかかりそうです。フィルターは、押し洗いは不可のジャバラ型です。普段は水でゆすぎ、ニオイなどの問題が生じたときにはクエン酸のつけ置き洗いになります。
・Blueair 2-in-1 DH3i加湿フィルター 112083
¥3,300 楽天市場(直販) (4/10執筆時)
加湿フィルタとポンプ用プレフィルターは、6ヶ月に1回の交換です。
以上のセット販売です。まあ、オンシーズンだけの利用でしょうから、年1回交換する感じで考えてください。
空気清浄部分は、ダストフィルター前のプレフィルターの掃除だけなので、掃除機ブラシがあれば、面倒ではないです。
衛生面には高い配慮がみられます。
本機は、フィルタにポンプアップして水をかける方式なので、常にフィルタが水に漬からない工夫があります。
水のヌメリ(最近)によるニオイ発生も、UVライトの照射とフィルタの抗菌加工で、対策があります。UV灯の波長は不明ですが、普通のもの(253.7nm)かと思いますが、効果はあるでしょう。
結論的にいえば、ここは、かなり念入りに対策がなされていると言えます。
仕組みは代わりますが、銀イオンで水ヌメリを抑制し、加湿不使用時に水車を浮かせるダイキンなどと同じで、しっかりとした対策があると言えます。
ただし、先述のようにフィルタの抗菌加工で対応するので、消耗品が1シーズン(6ヶ月)で交換です。プレフィルタ付きで、そこまで高くないとはいえ、やはり注意点です。
静音性は、最小運転音が、加湿時には22デシベル、最大で52デシベルです。
ここは問題ありません。
IOT対応は、本機もスマホアプリ(iPhone/Android)で操作できる機種です。
空気質のチェックなどが可能です。
マイナスイオン発生機能は、ありません。
ただ、「イオンバリア」として、フィルタ吸引の際に静電気の除去にイオン効果は利用します。
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以上、ブルーエアの Blueair 2-in-1 DH3iの紹介でした。
ニオイの脱臭が無理なのと、フィルタの交換頻度が注意事項です。フィルタについては、(最も痛む)喫煙者などの場合、10年フィルターでも、短期間で交換とはいえます。
ただ、本機はニオイはとれない仕様ですし、普通に使う分にここまでの頻度での交換を必要とする方は限られるようには思います。
加湿部も、他社機と比べると、若干手入れが面倒には思います。
4-2・その他の空気清浄機
最後に、ここまで見た企業以外の加湿空気清浄機を見ておきます。
【2023年3月発売】
74・ダイキン UVストリーマ ACKB70Z-S
¥68,861 楽天市場 (4/10執筆時)
【2021年発売】
75・ダイキン UVストリーマ ACKB70Y-S
¥52,910 楽天市場 (4/10執筆時)
適用床面積:木造 12畳 コンクリ 19畳
清浄時間:9分/8畳
加湿量:700mL/h
最大風量:6.9㎣/分
加湿時風量:6.9㎣/分
静音性:強:54dB 静音:23dB
サイズ:幅315×奥行315×高さ760mm
イオン:
センサー :ニオイ/ホコリ/温湿度
フィルタ寿命:1年間
UV加湿ストリーマ空気清浄機 ACKB70Zも、ダイキンの加湿空気清浄機です。
1回目記事で紹介できなかった、同社のUVストリーマ対応モデルになります。
ただ、工務店向けの「ACK型番」のみの展開であることから分かるよう(主に)法人向けです。むろん、個人で使っても問題ありません。
旧モデルは、プレフィルタに抗菌加工がされた以外は同じです。
本体サイズは、幅315×奥行315×高さ760mmです。
ダイキンの上位機(MCK70X)と同じです。
適用床面積は、加湿を含めた適用畳数として、だいたい木造 12畳 コンクリ 19畳と言えます。
一方、本機はフィルターの手前にUVC(深紫外線) LEDユニットが付きます。
ホコリ用のHEPAフィルターに対して、90分ごと30分間「深紫外線照射」を行っています。
搭載の目的は、UV灯なので、上図に見られるような除菌的なものです。
ユニットは、旭化成グループのCrystal ISからの提供で、同社の空気清浄機に先行的に搭載入れていたものと同じユニットです。
この仕組みは、第三者機関の試験を経ています。ただし、試験空間(約6畳)での効果なので、カタログには(親切に)注意書きがあります。
また、本機は、HEPAフィルターに抗菌剤を塗布しているので、これとストリーマ放電と、UVCの「合わせ技」としての試験評価です。
ただ、(温泉などにみられるコームの)UV殺菌灯(253.7nm)より強力な、265nmの波長の紫外線です。
近年登場され注目されてきた方式です。
本機の場合、ある程度密閉性のある空間で、しかも「フィルターに対する照射」なので、搭載する意義はあるでしょう。
ダイキン BAFP105A4
¥7,260 楽天市場 (4/10執筆時)
「ほこり」用フィルターは、「抗菌HEPAフィルター」です。
この部分は「注意点」で、先述のように抗菌剤を塗布している関係で1年交換です。
毎年の消耗品コストを考えると「高級機」ですので、基本業務用が「主戦場」の製品です。
その他の部分は、風量がわずかに落ちる部分を除けば、先ほどの製品と変わりません。
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以上、ダイキンのACKB70Zの紹介でした。
やはりフィルタの寿命が1年な部分が注意点です。
この点、どちらかと言えば業務用といえ、ダイキンもそちらを主なターゲットにしているといえます。
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なお、ダイキンには、そのほか「家庭向け」といえる上位機がもう一機だけあります。
除湿もできる「除加湿空気清浄機」という、究極のハイブリッド製品がです。しかし、巨大で価格も高いので、このブログでは【除湿機の比較記事】のほうで比較しています。
【2021年発売】
76・ Coway AIRMEGA 250H APMS-1421J
¥59,840 Amazon.co.jp (4/10執筆時)
適用床面積:木造 10畳 コンクリ 17畳
清浄時間:15分/8畳
加湿量:500mL/h
最大風量:最大6.3㎣/分
加湿時風量:最大4.5㎣/分
静音性:強:49dB
サイズ:幅400×奥行255×高さ720mm
イオン:
センサー :ほこり(高感度)
フィルタ寿命:1年間
Coway AIRMEGA 250Hは、韓国のコーウェイの製品です。
日本は、PC周辺機器ではお馴染みのアーキサイトの取扱です。
本体サイズは、幅400×奥行25×高さ720mmです。
スクエア型の他社機の平均値と言えますが、すこし背は高いと思います。
適用床面積は、加湿時の面積としては、木造 10畳 コンクリ 17畳です。
8畳あたりの清浄時間は、加湿利用時で15分です。空気清浄のみだと10分です。
冒頭書いたように、花粉の時期は、PM2.5の時期でもあるので、加湿でそれを床に「落としたい」場合、やや課題です。
むろん、帰宅直後だけ、加湿をきれば良いとは言えます。
【1年交換】
・AIRMEGA 250H MAX2 Greenフィルター
¥9,680 Amazon.co.jp (4/10執筆時)
「ほこり」用フィルターは、抗菌GreenHEPAフィルターです。
目を引く色ですが、HEPA水準の補足性能のほか、方式は不明ですが、抗菌・抗ウイルス加工をなします。
効果については、第三者機関(日本食品分析センター)ほかのデータが示されます。測定環境の詳細は不明なので、この部分の判断は保留します。
なお、同社の場合、黄砂用・新築用(VOC)のカスタムフィルタも別売で用意されます。
「ニオイ」用フィルターは、一体型です。
活性炭系の脱臭機能があります。VOC対応の表記もありますし、性能はよいでしょう。
加えて、掃除機で吸ったり、洗えったりできるプレフィルター付きです。
この構造で、フィルタ寿命を延ばすタイプです。約110時間運転ごとです。
本体の風量は、加湿運転時に、最大4.5㎣/分、空気清浄機運転時に最大6.3㎣/分です。
加湿運転時風量は、かなり落ちるので、先述のように、清浄時間は、本体サイズに比しても、長めになります。。
気流制御は、一般的な前方給気で、情報に排気するタイプです。
センサーは、一方、PMセンサー(高感度ほこり)のみです。
マイナスイオン発生機能は、未付属です。
加湿機能は、1時間あたり600ml/hの加湿力です。
適用畳数に対して十分です。
水タンクのサイズは、2.5Lです。
多少小さめ水準ですが、問題は生じないと思います。
外しやすいトップオペレーションですが、水入れのしやすさの部分で構造的な工夫は見られないです。
本体のお手入れは、本機もジャバラ式のフィルターなので、加湿部分は面倒なほうです。
水経路も少し複雑です。
清潔性の部分では、加湿利用時以外は、加湿フィルタに水が被らず、風を利用して乾燥させる仕組みがあります。
さらに、水道のカルキ成分を利用して 次亜塩素酸水を生成し、給水トレイのヌメリ防止をする工夫もあります。日立が脱臭機などで使っているのと同じ方式です。
効果はあると思います。
AIRMEGA 250H 加湿フィルターセット
¥4,840 Amazon.co.jp (4/10執筆時)
ただし、本機は、仕組み上の問題でフィルタが1シーズン(4ヶ月)で交換です。
消耗品は3個セットですが、1年つで済むかは「日々の手入れ次第」でしょう。
ジャバラは次亜塩素酸洗浄だから「放置」というのははNGです。目安・週1回でのぬるま湯つけ置きが必要で、それをふまえて「4ヶ月」ですから。
静音性は、最小運転音は非公開ですが、最大で49デシベルです。
IOT対応は、本機はありません。
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以上、Coway AIRMEGA 250Hの紹介でした。
次亜塩素酸の部分で清潔性への配慮が見どころです。ただ、その機能性を維持するため、メンテは「時短とならない」点が注意点です。
加湿空気清浄機は、空気清浄機に比べて、メンテ性の向上は技術的に難しい部分があると言えるので、この部分は、ノウハウをもつ開発の長い企業との違いとはいえます。
次回の予告!
加湿空気清浄機のおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、加湿空気清浄機の比較の4回目記事でした。
しかし、記事は、もう少しだけ「続き」ます。
5・加湿 / 空気清浄機の選び方【結論】
=最終的なおすすめ機種の提案
フィルター性能 ★★★★★
集塵スピード ★★★★★
センサー運転 ★★★★★
加湿力 ★★★★★
消耗品コスト ★★★★★
お手入れ ★★★★★
コンパクトさ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
続く、5回目記事(こちら)は結論編です。
条件別・目的別に、Atlasのおすすめ機種を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
5回目記事は→こちら