Top 無線LANルーター 比較2025’【最速】Wi-Fi7ルーター31機の性能とおすすめ・選び方:11be対応Wi-F 7 iルーター (1)

2025年04月18日

比較2025’【最速】Wi-Fi7ルーター31機の性能とおすすめ・選び方:11be対応Wi-F 7 iルーター (1)

【今回レビューする内容】2025年 Wi-Fi 7対応無線LANルーターの性能とおすすめ・選び方:IEEE 802.11be対応ルーター

【比較する製品型番】バッファロー AirStation WXR18000BE10P WXR18000BE10P/D WXR18000BE10P/N WXR9300BE6P WXR9300BE6P/D WXR9300BE6P/N NEC Aterm PA-7200D8BE TP-Link Deco BE8 TP-Link Archer BE550 BE9300 TP-Link Archer BE805 BE19000 Archer BE3600 BE220 TP-Link Archer GE550/A GE550 TP-Link Deco BE75 (2パック) TP-Link Deco BE65(1パック) TP-Link Deco BE65(2パック) TP-Link Deco BE65 Pro P-Link Deco BE25 TP-Link Archer BE900 BE24000 Archer BE7200 Archer BE450 ASUS ROG Rapture GT-BE98 RT-BE14000 エレコム WRC-BE94XS-B WRC-BE36QS-B WRC-W701-B アイオーデータ IODATA WN-7T94XR WN-7D36QR WN-7D36QR/UE ほか

今回のお題
Wi-Fi7対応ルーターのおすすめはどの機種?

 ども、Atlasです。

 今日は、2025年4月現在、最新の無線LANルーターの比較です。

 各社の「最速」といえるWiFi 7 (IEEE 802.11be)対応機を比べていきます。

 まだ、日本市場で対応機はかなり限られるので、市場にある製品は全部フォローできるかなと思います。

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1・最速Wi-Fi7 ルーターの比較 (1)
 1-1:選び方の基本の解説【導入】
 1-2:バッファロー 〈日本〉
 1-3:NEC 〈日本〉
 1-3:TP-LINK 1〈中国〉
2・最速Wi-Fi7 ルーターの比較 (2)
 2-1:TP-LINK 2〈中国〉
 2-2:エレコム〈日本〉
 2-3:アイオーデータ〈日本〉
 2-4:ASUS〈台湾〉
3・無線LANルーターの比較 (まとめ)
 =最終的なおすすめ機種の提案【結論】

 記事では、Wi-Fi7ルーターの「選び方の基本」を説明したあと、上表のような企業順で各機を説明していきます。

ーーー

1・標準の無線LANルーターの比較
 速度: 2402Mbps(最大)
 予算:7500円〜
 用途:2LDK・一戸建て
2・安めの無線LANルーターの比較
 速度:1300Mbps(最大)
 予算:3千円〜
 用途:1LDK・ワンルーム向け
3・高速なWi-Fi 6ルーターの比較
 速度: 4803Mbps(最大)
 予算:1.5万円〜
 用途:大家族・ゲーマー・トレーダー
4・最速なWi-Fi 7 ルーターの比較
 速度: 11520Mbps(最大)
 予算:3万円〜
 用途:高速10G回線ユーザー
5・メッシュWi-Fiルーターの比較
 速度: 11520Mbps(最大)
 予算:3万円〜
 用途:旅館・自営業・3F建ての家庭
6・おすすめの無線LANルーター 【結論】
 =予算別・目的別のおすすめ機種の提案

 なお、今回の記事は、このブログの無線LANルーターの比較記事全体だと、4回目の記事になります。

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 このクラスのルーターは(例外もありますが)基本的にプロ用・企業用といえるグレードです。

 個人だと、主に「フレッツ 光クロス」の10Gbpsを契約していて、速度がしっかり出ている方、あるいは、ルーター1台でかなりの端末を同時使用する方で、超高度の「通信安定性」が欲しい方に限られます。

 例えば、プロ級のトレーダー、ゲーマーなどです。

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 また、中級者以下も、導入が推奨できる方はいます。

 24年以降のiPhone(16 17世代)を含めて、すでにWi-Fi7対応を果たした端末をお持ちの方です。後述するように、この規格は、速度的なメリットだけでなく、対応機機同士の通信安定性が高まるからです。

 普及は確実な規格なので、(あまり高くない)対応機のスペックで足りるようならば、導入(買い換え)を考えて良いでしょう。

ーーーー

対応人数   世帯向き
速度(ネット)★★★★★
速度(宅内) ★★★★★
無線の安定性 ★★★★★
設定の容易さ ★★★★★
総合評価   ★★★★★

 というわけで、各社の対応ルーターの紹介をしていきます。

 そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントから、価格別・性能別にAtlasのおすすめ機種を提案していきます。

1-1・Wi-Fi7ルーターのと選び方の基本

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 はじめに、簡単に、WiFi 7 (802.11be) 規格について解説しておきます。

 これまで最速だった「Wi-Fi6・Wi-Fi6E」との違いについて書くつもりです。

 それ以前のWi-Fi5(11ac)と「Wi-Fi6・Wi-Fi6E(11ax)」は、前回の【Wi-Fi6 Wi-Fi6Eの比較記事】で書いています。

 少なくとも5年前(2019年以前)の製品からの買換の方は、お持ちのルーターは、Wi-Fi5(11ac)の可能性が高いので、あまり詳しくない方は、前回記事(こちら)で、2者の違いを把握してから、改めて、Wi-Fi7を検討した方が良いかなと思います。

1・通信速度の進化

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 2020年初頭に普及したWi-Fi6、そして、2022年開始の、新6GHz帯対応のWi-Fi6Eは、最高速度としては、4804Mbps(=600メガバイト/秒)がマックスでした。

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 しかし、WiFi 7は上表のように、6GHz帯において、最速で11.5Gbps(約1565メガバイト/秒)という、倍以上の速度を出せる「夢の規格」になります。

 海外では先行していましたが、日本は23年末に対応機がでて、24年から普及していきそうな新規格になります。

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 高速化は、新しい変調方式(4096QAM)をフォローする上で、6GHz帯に限っては超ワイドバンド320MHz)が使えるため、実現できたものといえます。

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 なお、正確には、Wi-Fi7は、6GHz帯をフォローしない製品でも「名乗れる」規格です。

 これは、それが「要件」であるWi-Fi6Eとの違いです。

 ただ、「通信安定性を高めるWi-Fi7だけの独自技術」が使えるので、そういった機種でも導入の意義はあります。詳しくは、後ほどかきます。

 その意味では、広く普及している「Wi-Fi5」にとって変わる新時代の規格とも言えそうです。


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 ネット速度は、6GHz帯対応の上位機の場合、従来機より強化されると考えて良いです。

 超太の高速回線(10Gbps-フレッツ 光クロス)を導入する場合で、最大で10Gpbsの速度が得られるはずです。

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 ルーターのWAN/LANも同じく、最大10Gpbsには達しています。

 そのため、少なくとも、市販されている回線契約でも10Gpbs(1250MB/秒)では引き込めるわけで、Wi-Fi6E時代より、速度向上が期待できます。

 むろん、実行速度との違いはあるでしょうが、少なくとも、契約回線の潜在能力は「出し切れると言えます。


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 ONN WiFi 7カード9.3Gbps 802.11BE
  ¥4,499 Amazon.co.jp (4/18執筆時時)

 対応ネットワークカードは、PCで利用する場合は必須です。

 一方、最高速をえるためには、端末側(PC側)のWi-Fiが、アンテナ4本あり、さらにWB(ワイドバンド)対応していないといけない部分をふまえると、先述のように、上級者向きです。

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 ただ、【最新のiPhoneの比較記事】で見たように、24年の第16世代からWi-Fi7(アンテナ2本)で対応がはじまりました。

 そのほか、ノートPCの一部(Surfaceほか)や、Anroid系のスマホやタブレットでも採用がはじまりつつあります。

 冒頭でも少し書きましたが、機器側の使用環境は徐々に整ってきた感があるので、先行投資的に考えれば、初心者・中級者の方でも選んで良いといえます。

2・通信安定性の強化

 通信安定性の部分では、3つの技術革新が見られます。

 ルーターや対応端末がWiFi 7を名乗る上での「必須要件」とも言えます。

 順番にみておきます。

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 第1に、MLO(マルチリンクオペレーション)です。

 複数の帯域の同時接続に対応できるため、電波干渉が少なく、太い回線でそのまま送受信できるのが「売り」です。

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 ただし、現状では、先ほどだした(アンテナ4本の)PCIeのネットワークカードを利用できる方、あるいは、同型の端末を複数用意して、メッシュネットワークを組み、そのバックホール通信(親機-中継機間の通信)に活用するなどに、MLOの対応は制限されるでしょう。

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 第2に、Multi-RU(マルチリソースユニット)です。

 Wi-Fi6世代で導入されたOFDMAは(直交周波数分割多元接続)の進化版です。

 そちらは、1チャンネルの周波数帯域幅(20MHz・40Hzなど)をいくつかのサブキャリアに小分けして伝送に使うしくみでした。

 Multi-RUは、小分けにしたものをユーザーが束ねて利用することもできます(=チャンネルバンディング)。

 その結果、複数端末を同時に使う場合、通信速度が効率よく運用されるようになります。

 この技術も、スマホやPCなど、端末側のWi-Fi7への対応はマストです。

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 第3に、パンクチャリングです。

 プリアンブルパンクチャリング(Preamble Puncturing)とも呼ばれます。

 こちらもWiFi 7の必須装備です。

 小分けされたサブチャンネルの一つが電波干渉を受けた場合、それだけを隔離して、チャンネル全体への影響を防ぎ、速度維持する仕組みと考えてください。

ーーー

 以上、3つの「安定化」のための技術について説明しました。

 素晴らしい進化ですが。ただ、端末側(PC/スマホ)の対応も必須という部分は忘れないでください。

ーー

 以上、WiFi 7 (802.11be) 規格の新しさについて「選び方の基本」として書いてみました。

 通信速度面では、基本的には「超上級者向き」とはいえます。

 ただ、通信安定化の部分は、対応端末をお持ちの方に限られるものの、効果を期待できる新仕様と言えそうでSう。

 消費電力も、(最大)23.5Wあたりの製品もでてきており、その部分でも、しきいは低くなってきた感じがあります。

 通信距離の長さも、先述の安定化技術や、干渉に強い超ワイドバンド320MHz)の採用で、期待値は一般的に高いとみて良いです。

 電波法の限界でスペック上の距離は同じにしていますが、実環境でのロスが少ないので、海外レビューをみてもこの部分の評価が高い場合が多いと感じます。

ーーー

1・最速Wi-Fi7 ルーターの比較 (1)
 1-1:選び方の基本の解説【導入】
 1-2:バッファロー 〈日本〉
 1-3:NEC 〈日本〉
 1-3:TP-LINK 1〈中国〉
2・最速Wi-Fi7 ルーターの比較 (2)
 2-1:TP-LINK 2〈中国〉
 2-2:エレコム〈日本〉
 2-3:アイオーデータ〈日本〉
 2-4:ASUS〈台湾〉
3・無線LANルーターの比較 (まとめ)
 =最終的なおすすめ機種の提案【結論】

 というわけで、Wi-Fi7ルーターの比較をはじめます。

 まだあまり数はないですが、以上のようなメーカー順に対応機を解説していきます。

 今回は、以上のような順番で、メーカー別に製品を紹介します。

1-2・バッファローのWi-Fi7ルーター

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 はじめに、日本のバッファローWi-Fi7ルーターです。

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 以下の本文では、Atlasのおすすめポイントは赤系の文字色で、イマイチだと思う部分は青字で書いていきます。


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 【2024年発売】(全て同じ性能)

 1・バッファロー AirStation WXR18000BE10P
  ¥49,900 楽天市場 (4/18執筆時時)

 2・バッファロー AirStation WXR18000BE10P/D
  ¥26,980 楽天市場 (4/18執筆時時)

 3・バッファロー AirStation WXR18000BE10P/N
  ¥58,480 Amazon.co.jp (4/18執筆時時)

Wi-Fi規格:Wi-Fi7(11be/ax)
2.4GHz帯速度:688Mbps
5.0GHz帯速度:5760Mbps
6.0GHz帯速度:11,520Mbps
有線LAN:1000BASE-T×3 10G×1
WAN:10G〈WAN専用〉
メッシュ:EasyMesh
USB:USB3.0×1
IPv6: 対応
WPA3: 対応

  WXR18000BE10Pシリーズは、BUFFALOWi-Fi7対応のルーターです。

 同社のハイエンドになります。日本企業だと初めてこの規格の製品をだしました。

 型番で流通ルートを分けますが、基本性能はどれも同じです。

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 本体サイズは、幅300×奥行75×高さ195mmです。

 アンテナ(角)部分は考慮しないでのサイズです。

 小型ではないですが、同社の従来の最上位機(Wi-Fi 6E)と同じサイズというのは言及に値します。

 廃熱などのため、大きくせずとも搭載できた点で言えば、思ったよりWi-Fi7ルーターが普及するのは近いかなと思わせられました。

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 最大速度は理論上、11,520Mbps(約1440メガバイト/秒)です。

 1桁目は、四捨五入や切り捨てで各社ばらつきますし、無視してください。 

 アンテナの構成は、各帯域にアンテナが4セットずつの「トライバンド(3バンド)」機です。

 少し細かくみておきます。

 2.4GHz帯は、2本のアンテナを利用します。

 11beとして接続する場合は、688Mbpsです。

 5GHz帯は、4本のアンテナです。

 ワイドバンド対応で、5760Mbpsでます。

 6GHz帯は、4本のアンテナです。

 ワイドバンド対応で、11,520Mbpsです。

-- 

 結論的にいえば、2.4GHz帯は(やや)割り切った構成です。

 ただ、先述のように、Wi-Fi7の場合、6GHz帯が飛ぶので このような構成でも良いようには思います。

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 アンテナユニットは、一方、バッファローは伝統的に変則的です。

 6GHz帯と、5GHzのうち2本のアンテナは専用ですが、5GHz/2GHzの2本のアンテナは、共用アンテナです。

 専用アンテナが10ストリームではない点は他社との違いです。

 無線の安定性は、冒頭に書いた、MLO・Multi-RU ・パンクチャリングは、Wi-Fi7の必須要件なので網羅します。

 Wi-Fi6の必須要件であるビームフォーミング・MU-MIMO・OFDMAも当然網羅します。

 一方、要件に含まれない、バッファローの独自技術は、次のものがあります。

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 第1に、バンドステアリングです。

 この機種は、スマホなどを、混雑していない帯域に自動的に誘導する機能です。

 とくにBUFFALO機は、2019年7月に当局から開放された144ch帯をフォローできるため、チャンネルの柔軟性も他社より高いです。

 第2に、干渉波自動回避機能です。

 これは、電子レンジなどの電波を感知した場合、自動的にノイズを回避する機能です。

 とくに、双方向性のデータ通信が必要なゲームなどの断線対策に有効です。ただし、この機能は、6GHz帯では働きません

 一方、従来の一部ハイエンド機(Wi-Fi6E)に見られたアドバンスドQoS4Kモードは、省略のようです。

 QOSは複数の端末で、通信速度の優先順位を設定できる機能です。

 例えば、動画やゲームに通信量を優先設定しておけば、データが切れてしまうような事態を防げます。

 ただ、これは、Wi-Fi7標準の先述の4096QAM(4K-QAM)の性能が良いからでしょう。

 4K/8K時代のコンテンツ伝送のために採用されたWi-Fi7の基礎技術です。

 CPUは、不明です。

 高性能機はたいてい質の良いCPUを組み込み、その情報がありますが、本機は不明です。

 とはいえ、下位機で4コア(2.2GHz)でしたので、それを下回ることはないと思います。

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 接続端子は、充実します。

 WAN・LANそれぞれに単独の10G端子が付属します。

 1000BASE-Tも3つなので、LANについての接続性は良いでしょう。

 インターネット速度は、無線でも有線でも、10Gbpsがそのままスルーされて端末まで届きます。

 USB端子も、付属です。

 AppleのTime Machine用を含めて、ストレージ用にニーズがありそうです。

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 メッシュは、業界の標準規格のEasyMesh対応です。

 業界共通規格で、他社対応機ともネットワークが組みやすい仕様です。最大4台まで中継機を導入できます。

 また、Wi-Fi7の基礎要件となる先述のMLOで各帯域を束ねた上で、親機・中継機間のバックホール通信に利用できます。本機を軸にしつつメッシュを組むのは「あり」でしょう。

 ただし、バックホール通信でMLOを利用したい場合、対応機(=本機)だけなので、他機互換性があるEasyMesh機とは、言いにくい部分はあります。

 消費電力は、最大35.5Wです。

 先述のように、Wi-Fi7対応機ということをふまえると省エネです。

 セキュリティは、WPA3に対応です。

 iPhoneなども対応がはじまっている新しい暗号化で、従来のWPA2より強固で、実際的に突破は無理と言われる規格です。

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 このほか、ネット脅威ブロッカー2 プレミアムという、オンラインセキュリティソフトの「1年間の無料利用権」が付属です。

 IOT家電をセキュアにしたい場合特に良いです。ただ、PC用セキュリティソフトではないので、ウイルス対策は不可です。

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 以上、BUFFALOWXR18000BE10Pシリーズの紹介でした。

 同社は、新規格の対応が日本企業ではいつも最速ですが、今回もそうでした。

 仕様を比較できる他社機が少ないので、まだ確定的なことは言えませんが、冒頭書いた、Wi-Fi7の潜在能力は十分に引き出せる仕様にしているとみなせます。

 加えてバンドステアリング干渉波自動回避機能などの独自技術もあります。

 こうした部分で、今後出る機種の比較基準になるとも言えそうです。

ーーー

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 【2024年発売】

 (全て同じ性能)

 4・バッファロー AirStation WXR9300BE6P
  ¥26,908 楽天市場 (4/18執筆時時)

 5・バッファロー AirStation WXR9300BE6P/D
  ¥26,980 楽天市場 (4/18執筆時時)

 6・バッファロー AirStation WXR9300BE6P/N
  ¥31,480 Amazon.co.jp (4/18執筆時時)

Wi-Fi規格:Wi-Fi7(11be/ax)
2.4GHz帯速度:688Mbps
5.0GHz帯速度:2,882Mbps
6.0GHz帯速度:5,764Mbps
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:10G〈WAN専用〉
メッシュ:EasyMesh
USB:USB3.0×1
IPv6: 対応
WPA3: 対応

 なお、同社からは2024年末に、Wi-Fi7対応の下位機がでました。

 先述のように、新型iPhone(16世代)も対応しましたし、一般向けに(少し)安めの機種も出したという感じです 。

 サイズは、幅230×高さ163×奥行60mmです。

 上位機より少しコンパクトで、消費電力も、最大23.5Wと、少し加減があります。

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 最大速度は理論上、5,764Mbps(約720.5メガバイト/秒)です。

 ようするに、6GHz用の単独アンテナ2本と、5GHz/2.4GHzの共通アンテナ2本に減じた製品です。

 本機の場合も、共通アンテナが入るので、専用アンテナ6本の構成の他社機とは構成が変わります。

 処理(CPU)の部分もあるので、テスト、あるいは実感で分かるかは微妙ですが、複数端末時の駆動は、単独構成には及ばないとは言えるでしょう。

 一方、カタログ上、本機はMLO(マルチリンクオペレーション)の仕様において、MLMR(Multi-Link Multi-Radio)モードほか、 MLSR(Multi-Link Single-Radio)モードの対応表記があります。

 MLSRは、カタログ上、表記は本機だけですが、MLMRとともに、上位機も装備します(確認済)。

 改めて以下、これらの機能性を説明しておきます。

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  MLMRは冒頭でも書いた、3バンド同時にマルチリンクして速度アップができる接続法です(上図)。

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  MLSRは、それに対して、同時接続はしないが、電波干渉が生じた際に、素早く他の帯域に移すことで、通信安定性をはかる仕組みです。

 アンテナ数や用途が限られるスマホなどの場合、実用性は高いでしょう。

 ちなみに、これらの両モードは手動でユーザーが設定できるわけではない(オート設定)なので、その働きがユーザー側に実感できる類のものではないです。

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 一方、下位機(本機)は、上位機に装備されるWi-Fi7のパンクチャリング(干渉波対策)は、非搭載です(確認済)。

 これはWi-Fi7の必須条件(だと思った)のですが、そうではなかったようです。

 同社は共用アンテナがあり、アンテナ構成が特殊なので、このようになるのかもしれません。

 あとは、目立つ違いはないです。

---

 結論的にいえば、フレッツ光クロスほかの高速回線を契約している(速度と言うより)通信安定性を期待して買う場合、候補になりうる製品です。

 パンクチャリング非対応の部分もありますが、それをふまえても(Wi-Fi6Eに比べて)安定面に利点はありそうです。ただ、先述のように、アンテナ構成が特殊な部分はありますので、他社のWi-Fi7機と比べる必要はあるかと思います。

1-3・NECのWi-Fi7ルーター

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 続いて、NEC(NECプラットフォーム)の、Atermシリーズの紹介です。

 バッファローと並ぶ、国内シェア2強といえる企業です。

 最新規格の対応は他社より遅れる傾向で、Wi-Fi7も多少遅くにでました。


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 【2025年3月発売】

 7・ NEC Aterm PA-7200D8BE
  ¥27,478 Amazon.co.jp (4/18執筆時時)

Wi-Fi規格:Wi-Fi7(11be/ax)
2.4GHz帯速度:1376Mbps
5.0GHz帯速度:5764Mbps
6.0GHz帯速度:
有線LAN:2.5G×1 1000BASE-T×3
WAN:10G〈WAN専用〉
メッシュ:対応〈自社機のみ〉
USB:
IPv6: 対応
WPA3: 対応

  PA-7200D8BEは、NECの販売するWi-Fi7ルーターです。

 バッファロー機(最上位機)に比べると、ややライト層に向けた機種で、一般家庭用の高速機といった感じです。

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 本体サイズは、幅54×奥行215×高さ200.5mmです。

 Wi-Fi7ルータとしては割とコンパクトで、同社のWi-Fi6Eの上位機より小さめです。

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 最大速度は、理論上5,764Mbps(約720メガバイト/秒)です。

 下一桁は企業によって、四捨五入、切捨てで数字が変わるだけですし無視してください。

 5GHz帯は、アンテナ4本+WBの水準で5760Mbpsです。

 2.4GHz帯も、アンテナ4本の水準で1376Mbpsです。

 いずれも速いですし、アンテナは、共有ではなく、専用です。

 6GHz帯非対応です。

 ここは注意点です。

 Wi-Fi6Eの場合、6GHz対応は「必須条件」ですが、Wi-Fi7は、通信技術の部分の規格なので、6GHz帯対応が、必ずしも必要ないため、規格上、こうした仕様はあり得ます。

 アンテナ構成は、したがって、デュアルバンドです。

-- 

 結論的にいえば、隣家との混線問題に6GHz帯はかなり有利なので、この仕様は「ハイエンド機」として考えると若干残念です。

 おそらく、NECは「専用アンテナ」搭載と、その数にこだわる企業なので (あまり大きく、消費電力が高い仕様にしないため)この仕様に落ちついたのだと思います。

 一般家庭にはむろん十分な仕様ですが、同時接続が相当多い業務用(商業用)はともかく、個人宅にはむしろ(Wi-Fi7より)、6GHz帯に対応してくれた方が「将来性」があったかなとは感じます。

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 なお、NECは実測で、3Fでも2ストリーム機(=アンテナ2本)より2.9倍飛ぶように宣伝します。ただ、比較対象は(6GHz帯非対応の)Wi-Fi6世代のアンテナ2本機なので、注意してください。

 【Wi-Fi6・Wi-Fi6Eルーターの比較記事】でみた、NECのWi-Fi6Eの最上位機( PA-WX11000T)と比べて速いのかについては、口をつぐんでいます。

 おそらく、そう遠くない将来、搭載する上位機を出すつもりでしょう。

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 無線の安定性は、MLO・Multi-RU などの、Wi-Fi7の構成要件を備えます。

 また、バッファローの下位機と違って、パンクチャリング(プリアンブルパンクチャリング)もあるので、通信安定性を高める部分でのWi-Fi7の利点は、しっかり活きます。

 先述の6GHz帯の省略も、パンクチャリング対応して干渉波を防ぐほうが(6GHz帯を利用するより)効果があるという判断かもしれません。まあ、両方装備した方がよいでしょうが。

 一方、NECは、業務用ルーター・モデムの大手ということもあり、規格要件に含まれない独自技術も多く備えます。

 順番にみていきます。

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 第1に、ワイドレンジアンテナPLUSです。

 アンテナ部分の工夫です。

 同社は「(角突き)外部アンテナ」の効果には否定的な企業で、むしろ内蔵アンテナにこだわります。

 伝統的に同社の内蔵アンテナによる「360度方向への電波の飛び」は、外部アンテナが目立つモデルと変わらないという評価です。

 さらに、本機は、立体的に3直交するワイドレンジアンテナPLUSを採用することで、水平方向への実効速度もキープされます。

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 第2に、バンドステアリングです。

 バッファローにもみられる機能性ですが、混雑した帯域から自動的に「逃げる」機能です。接続

 第3に、オートチャネルセレクトです。

 接続数の点で混雑した帯域を自動的に回避する機能です。

 ただし、バッファローの干渉波自動回避機能と違って、レンジほかのノイズを回避するために動く機能性はないです。ただ、この部分は(端末側がWi-Fi7対応ならば)先述のパンクチャネリングがあるので、そこまで惜しくはないかもしれません。

 第4に、QoS(Quality of Service)です。

 速度を優先したい端末を指定できる企業です。

 こちらも、バッファローにはありました。

 一方、処理に利用するCPUは、コア数を含めて、非開示です。

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 接続端子は、2.5Gの高速LAN端子が1つと、ギガビット級が3つです。

 WAN側は10Gの専用端子です。

 この構成の場合、フレッツ光クロスほか10Gクラスの超高速回線を活かせます。

 LANは2.5G(2500Mbps)までですが、(まあ)ボトルネックとは普通言わないでしょう。一般家庭用ですし、問題ないです。

 インターネット速度は、先述の最大速度を得たい場合は、Wi-Fiが必要です。

 USB端子は、ありません。

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 メッシュは、対応です。

 ただ、業界規格には非対応で、自社ルーターのメッシュ対応機とのみつなげる仕様です。

 その上で、同じ機種を中継機とすることを「推奨」していますので、そこまで力を入れてはいないです。

 なお、メッシュ中継機は最大9台まで、端末としては36台までです。業務用(商用)としては向きません。

 消費電力は、最大25Wです。

 セキュリティは、WPA3に対応です。

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 以上、NECPA-7200D8BE の紹介でした。

 信頼性の高いNECでは、初めてのWi-Fi7対応機で、ある程度コンパクトで、消費電力も標準水準という機種です。

 通信安定性を高めるための既存の独自技術の省略なしに、しっかり「4本アンテナの独立構成」でWi-Fi7を出してきた部分も、同社らしく好感がもてます。

 ただ、トライバンド(3バンド)機ではなく、6GHz帯に対応できない点はやはり残念です。やはり、今の日本のネット環境だと、改善効果が見込める帯域なので。

 その部分で、NECの上級機を「指名買い」したい場合も、今のところは (少々高いですが)【Wi-Fi6・Wi-Fi6Eルーターの比較記事】でみている、同社のWi-Fi6E機(の上位機、あるいは下位機)が良いかなと思います。

1-4・TP-LINKのWi-Fi7ルーター

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 つづいて、中国のTP-LINKです。

 Wi-Fiルーターでは世界的シェアのある企業で、お国柄もありゲーミングも強いです。


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 【2024年発売】

 8・TP-Link Archer BE805 BE19000
  ¥39,802 Amazon.co.jp (4/18執筆時時)

Wi-Fi規格:Wi-Fi7(11be/ax)
2.4GHz帯速度:1376Mbps
5.0GHz帯速度:5760Mbps
6.0GHz帯速度:11,520Mbps
有線LAN:1000BASE-T×4 10G×1
WAN:10G〈WAN専用〉
メッシュ:EasyMesh
USB:USB3.0×2
IPv6: 対応
WPA3: 対応

  Archer BE805 は、TP-LinkWi-Fi7対応のルーターです。

 グローバルで通信インフラ機器を販売する中国の大企業で、日本への進出歴も長いです。

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 本体サイズは、幅265×奥行105×高さ297mmです。

 角(アンテナ)がない形状ですが、サイズはバッファローより大きいです。

 存在感がありますが、そのために、見映えのあるデザインにしているとはいえます。

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 最大速度は、11,520Mbps(約1440メガバイト/秒)です。

 アンテナの構成は、各帯域にアンテナが4セットずつの「トライバンド(3バンド)」機です。

 2.4GHz帯は、4本のアンテナです。

 速度は、1376Mbpsです。

 5GHz帯は、4本のアンテナです。

 ワイドバンド対応で、5760Mbpsです。

 6GHz帯は、4本のアンテナです。

 ワイドバンド対応で、11,520Mbpsです。

 バッファロー機と比べる場合、2.4GHz帯の速度が速い部分は強調できます。

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 アンテナユニットも、共用なしに12本のです。

 Zero Wait DFSアンテナという名称で、チャンネル変更の待機にかかる1分間の待機時間を回避するための工夫が見られます。6GHz帯を除けば、気象・航空レーダーと帯域が被るのですが、その干渉を避けるため、候補となるチャンネルを先読み(予約)しておく仕組みです。

 無線の安定性は、Wi-Fi6・Wi-Fi7の必須要件となる機能は、ビームフォーミングを含めて、対応です。(規格上の必須要件ではないらしい)パンクチャネリングは不明記ですが、TP-LINKによるWi-Fi7規格の解説だと装備前提のような書き方ですし、あるでしょう。

 加えて、同社のHomeShield(ネットワークセキュリティ)機能の一環で、QOS機能が利用できます。デバイス・カテゴリーで優先順位をつける方法です。セキュリティ部分は、他社同様に有料ですが、QOS部分は、無料で利用できます。

 スマホアプリで簡単に設定できます。

 CPUは、性能面での言及はないです。

 接続端子は、WAN・LANそれぞれに単独の10G端子が付属します。

 1000BASE-Tも34です。

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 USB端子も、USB3.0が2系統付属です。

 AppleのTime Machine用を含めて、ストレージ用にニーズがありそうです。

 メッシュは、EasyMeshに対応します。

 先述のように、MLOで各帯域を束ねてバックホール通信ができるので、Wi-Fi7はこの部分でかなり有利です。

 消費電力は、最大30Wです。

 本機もおもったよりは低消費電力です。

 セキュリティは、WPA3に対応です。

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 以上、TP-Link Archer BE805の紹介でした。

 バッファローと比べると、2.4GHz帯の速度が速い部分や専用の12ストリームのアンテナ構成であるなど、ハード面では勝つように思います。

 機能部分もQOSが利用できますし、特定の端末に速度が欲しいゲーミング用などにこちらは良いように思います。

 一方、バンドステアリング干渉電波自動回避など、日本の住宅事情への配慮は、バッファローのほうが少し良いように思えます。

ーーー

 なお、同社のアーチャーシリーズからは、Wi-Fi7対応ルーターについて、以下のような製品展開もあります。

 順番にみておきます。

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 【2024年発売】

 9・ TP-Link Archer BE900 BE24000
  ¥76,027 Amazon.co.jp (4/18執筆時時)

Wi-Fi規格:Wi-Fi7(11be/ax)
2.4GHz帯速度:1376Mbps
5.0GHz帯(1)速度:5760Mbps
5.0GHz帯(2)速度:5760Mbps
6.0GHz帯速度:11,520Mbps
有線LAN:1G×1 2.5G×4 10G×3
WAN:10Gbps〈WAN専用〉
メッシュ:EasyMesh
USB:USB3.0×1 USB2.0×1
IPv6: 対応
WPA3: 対応

 第1に、Archer BE550です。

 このシリーズのハイエンドです。

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 サイズは、幅96×奥行302×高さ262.5mmです。

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 最大速度は、先ほどの機種と同じです。

 ただ、5GHz帯が2系統ある、クアッドバンド(4バンド)です。

 総アンテナ数は12で、16ストリームです。

 おそらく、6GHz帯は専用アンテナ4本、5GHz(1)もが専用アンテナが4本、2.5GHz帯と5GHz帯(2)の共用アンテナが4本でしょう。

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 LAN・WANは、ハブと言って良いほど充実します。

 消費電力は、最大75Wです。

 さすがにこれほどの同時通信処理をするので、ハイスペックなノートPCほどの消費電力です。

 詳しい記載はないですが、しっかりしたCPUを搭載しているでしょう。 

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 結論的にいえば、メッシュを組むまでもない空間に、多数のネットワーク機器があるような場所のメイン機といえます。

 ただ、日本だと、完全にオフィス用でしょう。

ーーー

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 【2024年発売】

 10・TP-Link Archer BE550 BE9300
  ¥22,979 Amazon.co.jp (4/18執筆時時)

Wi-Fi規格:Wi-Fi7(11be/ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2880Mbps
6.0GHz帯速度:5760Mbps
有線LAN: 2.5G×4
WAN:2.5Gbps〈WAN専用〉
メッシュ:EasyMesh
USB:USB3.0×2
IPv6: 対応
WPA3: 対応

 第2に、Archer BE550です。

 このシリーズの中級機となります。

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 アンテナの構成は、「トライバンド(3バンド)」機ですが仕様が変わります。

 6GHz帯は、2本のアンテナです。

 ワイドバンド対応で、5,760Mbpsです。

 5GHz帯は、2本のアンテナです。

 ワイドバンド対応で、2880Mbpsです。

 2.4GHz帯は、2本のアンテナです。

 速度は、574MbsですがこれはこのバンドのみWi-Fi6にしているからです。

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 接続端子は、注意点です。

 こちらは、WAN・LANそれぞれ2.5Gbps端子だからです。

 この速度だと、ネット速度について2500Mbpsでボトルネックが生じるので、ここまで見た機種と違って、10G回線の潜在能力は活かせないと言えます。

 ただ、それでも、MLO・Multi-RU ・パンクチャリングという、Wi-Fi7だけの通信安定化技術の恩恵は得られるので、そこだけを目的に、格安機をねらう場合に、候補になると言えます。

 その部分で言えば、LAN端子は、4つの全端子ともが2.5Gポートと上位機より仕様は良いので、室内ネットワークの高速化を主目的にする場合、選択肢になる機種といえそうです。

 そのほかの部分に目立つ相違点は見られません。

ーーー

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 【2024年発売】

 11・TP-Link Archer BE3600 BE220
  ¥9,180 Amazon.co.jp (4/18執筆時時)

Wi-Fi規格:Wi-Fi7(11be/ax)
2.4GHz帯速度:688Mbps
5.0GHz帯速度:2880Mbps
6.0GHz帯速度:
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:1000BASE-T×1〈WAN専用〉
メッシュ:EasyMesh
USB:
IPv6: 対応
WPA3: 対応

 第3に、Archer BE3600です。

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 サイズは、幅170×t高さ155×奥行52.5mmです。

 かなり小型で、消費電力も18Wと優秀です。

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 本機も、Wi-Fi7対応ですが、6GHz帯がない仕様です。

 アンテナは、5GHz帯が1つと2.4GHz帯が2つです。

 いずれもワイドバンド(WB)対応で、上記の速度になります。

 LAN・WAN端子は、いずれも、1000BASE-Tです。

 そのため、1000Mbps(125メガバイト/秒)にボトルネックはあります。

ーーー

 結論的にいえば、速度面ではWi-Fi6クラスですが、通信安定性の部分では最先端です。

 正直、Wi-Fi7の速度は一般人は持て余すでしょうし、通信安定性の面だけ強化したこうした製品も「あってよい」と思います。

 一方、これは同社の問題ではないですが、Wi-Fi7という名称は、一般人が「爆速機」だと勘違いする場合があるので、標準規格名は(6GHz帯対応機は)「Wi-Fi7E」(非対応機は)「Wi-Fi7」と分けて欲しかった感はあります。

ーーー

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 【2024年発売】

 12・TP-Link Archer BE3600 BE220
  ¥9,180 Amazon.co.jp (4/18執筆時時)

Wi-Fi規格:Wi-Fi7(11be/ax)
2.4GHz帯速度:688Mbps
5.0GHz帯速度:2880Mbps
6.0GHz帯速度:
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:1000BASE-T×1〈WAN専用〉
メッシュ:EasyMesh
USB:
IPv6: 対応
WPA3: 対応

 第4に、Archer BE3600です。

 202411221300.jpg

 サイズは、幅170×t高さ155×奥行52.5mmです。

 かなり小型で、消費電力も18Wと優秀です。

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 本機も、Wi-Fi7対応ですが、6GHz帯がない仕様です。

 アンテナは、5GHz帯が1つと2.4GHz帯が2つです。

 いずれもワイドバンド(WB)対応で、上記の速度になります。

 LAN・WAN端子は、いずれも、1000BASE-Tです。

 そのため、1000Mbps(125メガバイト/秒)にボトルネックはあります。

ーーー

 結論的にいえば、速度面ではWi-Fi6クラスですが、通信安定性の部分では最先端です。

 正直、Wi-Fi7の速度は一般人は持て余すでしょうし、通信安定性の面だけ強化したこうした製品も「あってよい」と思います。

 一方、これは同社の問題ではないですが、Wi-Fi7という名称は、一般人が「爆速機」だと勘違いする場合があるので、標準規格名は(6GHz帯対応機は)「Wi-Fi7E」(非対応機は)「Wi-Fi7」と分けて欲しかった感はあります。


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 【2024年発売】

 13・TP-Link Archer GE550/A
  ¥39,800 Amazon.co.jp (4/18執筆時時)

 14・TP-Link Archer GE550
  ¥38,810 楽天市場 (4/18執筆時時)

Wi-Fi規格:Wi-Fi7(11be/ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2,882Mbps
6.0GHz帯速度:5,764Mbps
有線LAN:2.5G×4 5G×1
WAN:5Gbps〈WAN専用〉
メッシュ:EasyMesh
USB:USB3.0×2
IPv6: 対応
WPA3: 対応

 GE550/A も、TP-LinkWi-Fi7対応のルーターです。

 ピラミッド形状のこちらはゲーミングルーターとして出されるモデルです。

 流通ルートで型番が変わりますが、性能は同じです。

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 本体サイズは、幅129×奥行237×高さ193mmです。

 小さくはないですが、幅はそこまでではないですので、隙間を探しておきやすいといって良いでしょう。

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 最大速度は、6GHz帯の5,764Mbps(約720.5メガバイト/秒)です。

 アンテナの構成は、「トライバンド(3バンド)で、速度は帯域ごとかわります。

 6GHz帯は、2本+WBのアンテナ構成で5,764Mbpsです。

 5GHz帯は、2本+WBのアンテナ構成で2,992Mbpsです。

 2.4GHz帯は、こちらのみWi-Fi6(11ax)構成です。

 アンテナ数は2本で、574Mbpsと少し遅めです。

 アンテナユニットは、一方、総本数は4本との情報開示です。

 つまり、2帯域が共有アンテナになる構成です。マニュアルを見た感じでは、6GHzが単独アンテナで、あとの2帯域が共有だと思います。

 同じ速度の同社のビジネス向き(Archer BE550 BE9300)は、専用6本(2×3)でしたので、そちらには負けます。

 ただ、本機はゲーミング用で、(主に)メインマシンの接続安定性を高める意図性がある製品ですし、同じ基準では図れないでしょう。

 なお、Wi-Fi7はマルチリンクオペレーション(MLO)で帯域を束ねる仕様ですが、その際は2.4GHzを含めて束ねられるようです。

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 無線の安定性は、Wi-Fi6・Wi-Fi7の必須要件となる機能は、ビームフォーミングを含めて対応です。

 QOS機能もあります。

 こちらの場合、ゲーム通信自体をターゲットに「高速化」させるような設定もできます。

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 一方、ゲーム用ということで、最適なサーバーを見つけるWTFast GPNにも対応します。

 そのほか、ダッシュボードで、サーバーの混雑状況(ping)を見れる仕様は、各社のゲーミングOSと共通です。

 CPUは、性能面での言及はないです。

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 接続端子は、WANが専用で5G、LANが2.5G×4 5G×1です。

 10GBは非対応ですが、問題ないでしょう。一方、5GのLANは、ゲーミングLANポートに設定でき、優先接続対応です。

 なお、Wi-Fでiも、5GHz帯の排他利用設定(5GHzゲーミングバンド)が可能です。

 USB端子も、USB3.0が1系統付属です。

 メッシュは、EasyMeshに対応します。

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 消費電力は、説明がないです。

 ゲーミング用のLEDイルミもありますし、通常機に比べても消費電力は高めかもしれません。

 セキュリティは、WPA3に対応です。

---

 以上、TP-Link Archer GE550 の紹介でした。

 若干高めですが、ゲーミング用には専用機能があるため、ニーズはあるかと思います。

 先述のように、アンテナ構成(本数)が変則構成ですが、この手の製品を個人が買う場合、1ルート(あるいは2つ)高速ならば良いという感じでしょうし、これでも良いかと思います。MLOもありますので。

次回に続く
Wi-Fi7対応ルーターのおすすめは結論的にこれ!

 というわけで、今回は、Wi-Fi 7ルーターの比較の1回目記事でした。

 しかし、記事はまだまだ「続き」ます。

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2・最速Wi-Fi7 ルーターの比較 (2)
 2-1:TP-LINK 2〈中国〉
 2-2:エレコム〈日本〉
 2-3:アイオーデータ〈日本〉
 2-4:ASUS〈台湾〉
3・無線LANルーターの比較 (まとめ)
 =最終的なおすすめ機種の提案【結論】

 続く、2回目記事こちら)では、TP-linkののこりの機種をみたあとASUSなどのWi-Fi7ルーターを引き続きみていきます。

対応人数   世帯向き
速度(ネット)★★★★★
速度(宅内) ★★★★★
無線の安定性 ★★★★★
設定の容易さ ★★★★★
総合評価   ★★★★★

 その上で、最終回となる、最後の「結論編」(こちら)では、このブログで紹介した全ルーターから、価格別・目的別にAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。

 引き続き、よろしくお願いします!

 2回目記事は→こちら

posted by Atlas at 17:28 | 無線LANルーター

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