1回目記事からの続きです→こちら
4-1・HPのモニターの比較
4回目記事のトップバッターは、米国のHP(ヒューレット・パッカード)のモニターです。
DELLのライバル企業ですが、展開されるモニターについては、両社で方向性が異なる印象です。
1・2.5K液晶モニターの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:LG〈韓国〉
1-3:EIZO〈日本〉
1-4:フィリップス〈日本〉
2・2.5K液晶モニターの比較 (2)
2-1:DELL〈米国〉
2-2:ASUS〈台湾〉
2-3:ACER〈台湾〉
2-4:BenQ〈台湾〉
2-5:イイヤマ〈日本〉
3・2.5K液晶モニターの比較 (3)
3-1:アイオーデータ〈日本〉
3-2:JAPANNEXT〈日本〉
3-3:レノボ〈中国〉
4・2.5K液晶モニターの比較 (4)
4-1:HP〈米国〉
4-2:フィリップス・シャオミ ほか
4-3:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた選び方の基本の説明に沿って解説をしていきます。
ーー
なお、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2023年発売】(在庫限り)
【27インチ】
67・HP E27u G5 6N4D3AA#ABJ
¥43,994 楽天市場 (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:350cd/u
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:75Hz(WQHD)
HDR:
USB給電:65W
接続端子: DP HDMI USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
保証期間:3年
E27u G5 は、米国のHPの高級モニターで、法人向けディスプレイの上位機です。
価格コム限定モデルがありますが、性能は同じです。
画面サイズは、27インチの大画面です。
パネルは、IPSです。
輝度は少し高めの350cd/uです。ただ、こちらは、同社にしては珍しく、sRGBでの色域(色空間)の情報がないです。
その点で、スタンダードなIPSの水準を超えると言えるかは、残念ですが分かりません。
3辺フレームレスで、色を含めて、見かけが「格好良い」です。
色空間は、情報がないです。
自動画質調整は、一方、充実しません。
米国メーカーは基本的に、ユーザーのマニュアル調整可、PC側の調整に任せる場合が多いです。
画像補正機能は、フリッカー対策・ブルーライトカットなどは網羅します。
ただ、それ以上の機能は、搭載しません。
ディスプレイスタンドは、前後左右高さ回転をすべてフォローしています。
調整幅は、高さ15cm、チルト角度(上20° 下5°)、スイーベル(90°)、ピボット(90°)です。
EIZOほど稼働性はないですが、値段相応に高機能です。あえて言えば、スイーベル角度が若干他社より弱いですが、裏返して使うようなシーンは、個人用では(まあ)ないでしょう。
接続端子は Display port・HDMI・USB-Cが装備です。
ケーブルは、全種類とも1.8MのHDMIケーブルです。
USB-C端子は、USB-PDにより、対応するノートPCなどに対して65W給電に対応です。
EIZO機の説明でも書きましたが、この水準があれば(ゲーミング用を除けば)十分です。
このほか、USBハブとして、USB-C(15W)が1つ、USB-A(USB3.0)が3つ、背面にあります。
LAN端子も装備ですし、ビジネス用として充実します。
スピーカーは、付属しません。
保証は、3年間です。
無輝点保証はただ同社にはありません。EIZOやDELLとの違いです。
----
以上、HP E27u G5の紹介でした。
同社のコーポレートカラーの1つと言える「シルバー」貴重で、格好良いモニターです。
一方、高性能スタンドや豊富な端子類を含めて、ビジネスに使いやすい工夫は多いです。
これで安ければ良いのですが、発売時期や円安の関係もあるのか、EIZOの同級機と比べても、少し高めには思えます。
【2024年発売】【27インチ】
68・HP Series 7 Pro 727pu QHD モニター
¥(107,120) 楽天市場 (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:400cd/u
液晶方式:Black IPS ノングレア
コントラスト比:2000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:120Hz(WQHD)
HDR:HDR400
USB給電:100W
接続端子: DP HDMI Thunderbolt4
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
保証期間:3年
HP Series 7 Pro 727puは、HPの2.5Kモニターのフラッグシップです。
一般のビジネス用としては相当高級ですが、デザイナーモニターとしてみれば、それなりに納得感がある価格という製品です。
画面サイズは、27インチです。
パネルは、Black IPSです。
2022年1月の見本市(CES)で発表されたLGの上位パネルです。
先述のように、IPSはスタンダード型でも、視野角が広く、目にも優しいという点で、仕事に向くパネルです。
IPS Blackは、こうした良い部分を残しながら、IPSが従来弱かったコントラスト部分にメスをいれた製品です。
実際、コントラスト比は2000:1というIPS液晶としては従来の2倍の水準の数値です。
その点で、黒表現力を高めた映像(特に動画)向けたパネルです。
バックライトに工夫のある超高性能製品(miniLEDモニターほか)を例外とすると、(普通のモニターでは)もっともこの部分の性能が良いです。
「目の優しさ」の部分では、コントラストはあまり意味がないですが、映像美の部分の進化として意義深いです。
輝度も400cd/uですし、色域も、本格的なデザイナーモニターといえるレベルです。
動画に重要なDCI-P3カバー率は98%です。静止画用のAdobeRGBは非公開で、sRGB100%とのみの記載です。
その点で言えば、主に動画編集向けに出されたものです。
むろん、出荷前のキャリブレーションの記述はあります。
HDRは、しっかりピーク輝度はHDR400の域に達します。
自動画質調整は、一方、環境光センサーの言及があります。
この場合、明るさだけでなく、部屋の照明色もみて調整できます。
画質向上(色精度の上昇)にもつながるでしょうが、どちらかといえば、明暗調整(アイケア)のほうを同社は強調します。
画質補正は、米国メーカーは基本的に、ユーザーのマニュアル調整可、PC側の調整に任せる場合が多いです。
画像補正機能は、OSDによる一通りの変更はできます。
ただ、デザイナー向けの特定のモードなどは記載がないです。そのほか、フリッカー対策・ブルーライトカットなどの記載もみられません。
ディスプレイスタンドは、前後左右高さ回転をすべてフォローしています。
調整幅は、高さ15cm、チルト角度(上20° 下5°)、スイーベル(90°)、ピボット(90°)です。
つまり、先ほどの機種とここは同じです。
接続端子は Display port1.4・HDMI2.0・USB-Cが装備です。
USB-Cは、Thunderbolt4ですので、速度面で上位です。
給電も、USB-PDで100Wですので、最高クラスです。
そのほか、LAN端子が付属するほか、DP・Thunderboltはそれぞれ出力があるので、デイジーチェーンができます。
USB-ハブも、付属です。
USB-A(USB3.0)が3系統です。うち1ポートのみ7.5W給電対応です。
また、1ポートが(マウスなどの共有のための)KVM仕様になります。
USB-Cは、2ポートで、それぞれ15W給電対応です。
スピーカーは、付属しません。
保証期間は、3年です。
本機は、「3年間翌営業日訪問修理、パーツ保証」との記載で、ここは手厚いです。
----
以上、HP Series 7 Pro 727pu の紹介でした。
WQHD解像度で、10万円前後のデザイナー用は(意外と)ないので、4Kまでは不要という方には、スペック面で選択肢にできそうな高級機です。
静止画向けのスペックはないですが、HDRに対応する動画編集向けとしてプレゼンスがあります。
4-2・他社の液晶モニター
最後に、ここまで紹介した以外のブランドの製品を「ざっくりと」ですが、まとめて紹介します。
【2021年発売】【27インチ】
69・グリーンハウス GH-LCW27WB-BK
¥31,799 楽天市場 (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:300cd/u
液晶方式:ADS ノングレア
コントラスト比:1,000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:75Hz(WQHD)
HDR:
USB給電:65W
接続端子: HDMI×2 DP
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2w×2)
保証期間:5年
GH-LCW27WBは、日本のPC周辺機器メーカーのグリーンハウスの製品です。
2次組み立て工場を持たないOEM生産である点ではJAPANNEXTと同じですが、こちらのほうが少し老舗です。
液晶は、ADSです。
先述のように、IPSと同じ性質のパネルで、中国のBOE系の生産するIPSです。
スペックは、輝度(300cd/u)、コントラスト比(1,000:1)ですが、色域は非公開です。
ただ、輝度は少し高めですし、それなりの品質ではあります。
保証年数も、5年です。
これらの点で、おなじくADSを多く採用するアイオーデータとも「張れる」製品です。
スタンドは、しかし、チルトのみです。
画像補正も、ADS(IPS)の欠点である「黒の締まりのなさ」を改善できるDCR機能は装備するものの、画像補正はやはり、アイオーデータのほうが良い部分は感じます。
【27インチ】
【2025年発売】B0DS54HLR5
70・Xiaomi A27Qi ELA5814US
¥18,980 Amazon.co.jp (5/6執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:6ms (GTG)
リフレッシュレート:最大100Hz
HDR:
USB給電:
接続端子:HDMI DP1.4
スタンド:チルト
VESA:75mm
スピーカー:
保証期間:1年
Xiaomi A27Qiは、シャオミが販売する、27インチの2.5Kモニターです。
スマホでは知らない人はいない中国の大企業です。同社は、24年頃からPCモニターの日本販売をはじめています。
3辺ベゼルレス仕様とスリムスタンドで、格好良い形状です。
液晶パネルは、ノングレアのIPSです。
同社の場合、IPSが、ADSなどを含む「IPS系パネル」を意味するか、(商標としての)IPSなのかは不明瞭です。
スペックは、輝度(250cd/u)、視野角(178°)、コントラスト比(1000:1)と、スタンダードなIPSのスペックです。
ただ、色域(sRGB 99%)は、平均より少し良い値を出しています。
応答速度は、6msです。
平均値より多少落ちますが、問題ありません。
画像補正機能は、特に言及ではないです。
また、ブルーライトカットの言及はあるものの、フリッカー対策の部分が不明瞭です。
モニタースタンドは、チルトのみです。
また、見た感じ、キーボードなどの振動で揺れ(ぐらつき)がありそうな感じです。
ただ、新機種は、規格はVESA対応なので、問題があったら交換すれば良いでしょう。
まあ、売りの「安さ」が削がれますが。
接続端子は、 HDM・DP 1.4が1系統ずつです。
問題ないです。
スピーカーは、ありません。
保証期間は、ただ、ディスプレイは1年とのことです。
---
以上、Xiaomi A27Qiの紹介でした。
価格の安さと、本体の格好良さに「全振り」したモニターです。
それ以外の部分は、IPS採用以外の部分で抜き出た個性はないですが、値段の安さは目立ちます。
今回の結論
WQHD液晶モニターのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は、2.5K液晶モニターを比較してきました。
最終回となる4回目記事では、最後に、予算別・目的別に、Atlasのおすすめモニターを提案しておきます。
第1に、一般的なビジネス向けの入門用2.5Kモニターとして、おすすめできるのは、
【2023年発売】
(末尾-JPはドット抜け1ヶ月保証あり)
【27インチ】GW2790QT
31・BenQ GW2790QT【白】
¥49,090 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
31・BenQ BL2790QT【黒】
¥53,100 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
【27インチ】
32・BenQ GW2790QT-JP【白】
¥56,460 楽天市場 (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:350cd/u
液晶方式:IPS+ ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(WQHD)
HDR:
USB給電: 65W
接続端子: HDMI DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2w×2)
保証期間: 1年(本体は3年)
液晶パネルの品質 ★★★★★
スタンドの性能 ★★★★★
動画ゲーム対応 ★★★★☆
品質保証 ★★★★☆
総合評価 ★★★★★
BenQのGW2790QTが良いでしょう。
先述のように、GW2790QT-JPのみ1ヶ月間の無輝点保証が付きますが、期間の短さと、価格差から判断すると値段で決めてOKには思えます。
パネルは、IPSです。
スペックも、輝度が350cd/uと明るめで、sRGB色域も99%カバーなので、冒頭示した「IPS+」の基準をクリアする上級品です。
加えて、フル稼動のスタンド・フリッカー対策と、「目の優しさ」で重要な部分が網羅的です。
そういった機種は他社機にもあります。
しかし、ベンキューは、明るさ・色温度(照明色)がみれる環境光センサーを搭載する点で、この価格帯では独自です。
また、単純に輝度を調整するだけでなく、表示コンテンツに合わせて調整するため、実用性が高いと言えます。
B.I. Gen2世代なのでユーザーが設定した明るさを基準に調整されますし、「目の優しさ」の部分でプラスアルファもあります。
自動画質調整も、プログラム用、MacBook用など、割とユニークな仕様です。
ニッチなニーズでしょうが、個人的にはここも見どころに思えます。
そのほか、スタンド底部の工夫や、内蔵スピーカーとマイク部分にノイズフィルタ・ノイキャンを搭載して、通話時の品質を上げるなど、こまごまとした部分に工夫がある点が、評価できます。
こうした部分で、仕事用の「スタンダード機」として、本機はオススメできます。
第2に、動画視聴やマルチメディア用途において良さそうな、高性能な2.5K機は、
【27インチ】
【2023年発売】
【USB-C 充電 90W】
17・Dell U2724DE
¥66,875 楽天市場 (5/7執筆時)
【USB-PD給電不可】
18・Dell U2724D
¥54,500 楽天市場 (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:350cd/u
液晶方式:Black IPS ノングレア
コントラスト比:2000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:最大120Hz
HDR:
USB給電:90W
接続端子: HDMI DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
保証期間:3年(無輝点保証)
DELLのU2724DEは良い選択肢です。
USB-C充電が不要ならば、下位機でもOKです。
液晶パネルは、こちらは、ノングレアのIPS-Black液晶です。
IPSの上位液晶の1つで、2000:1とコントラスト比の数字が良いのと、色域が広い(DCI-P3のカバー率98%)のが自慢です。
動画編集にも使えるスペックですが、むしろ、ユーザーとして「映像美」を重視して選ぶ場合に、本機は良さそうにみえます。
味付けは派手目にはなるので、書類仕事メインに考える場合は、BenQやEIZOのほうがオススメできますが、そうでもないならば、こちらでしょう。
スタンドの可動性もよいですし、接続もしっかり、USB-C(90W)に対応できます。
保証も、「常時消灯(輝点)の交換保証」がありますし、安心感もあるでしょう。
ーーー
【27インチ】
【2024年発売】
53・JAPANNEXT JN-27iB120Q-H-C6
¥38,164 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:350cd/u
液晶方式: IPS-Black(AHVA) ノングレア
コントラスト比:2,000:1
応答速度:8ms (GTG)
リフレッシュレート:120Hz(WQHD)
HDR:HDR10
USB給電:65W
接続端子:DP HDMI USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:2W×2
保証期間:1年
パネルは、本機も、Black-IPSです。
2.5Kの27インチだと、この種のパネルを採用してこれ以上安いモデルはないでしょう。
画像補正部分は、「あっさり」です。
ただ、パネル自体のスペックが良いですし、そこまで気にしなくても良いでしょう。
スタンドも、しっかりフル稼動です。
応答速度は、GtoGで最大8msです。
まあ、MPRTでは1msです。本機は、相応の速さを必要とする、本格的なEゲーム用というわけではないですし、ここはこれで良いでしょう。
逆に、DELLが非対応のHDRにも対応する点、また、リフレッシュレートが120Hzに達している点、そして、Black-IPSの採用で、(普通の)ゲームなどの「映像美」の部分は、むしろ楽しみやすいと言えます。
ただし、本機は、DELL同様に、マルチメディア用途をより重視した設計です。(見つめるような)書類仕事用メインで考える場合は、やはり他機が良いと言えます。
第3に、比較的安めの予算で、購入できるお買得モデルは、
【2022年発売】
【27インチ】
14・フィリップス 27E1N5500E/11
¥25,800 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
【23.8インチ】
15・フィリップス 24E1N5500E/11
¥21,800 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
スタンド:チルト 高さ 回転
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:300cd/u
液晶方式:IPS+ ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:4ms (GTG)
リフレッシュレート:75Hz(WQHD)
HDR:
USB給電:65W
接続端子: HDMI USB-C DP
VESA:100mm
保証期間:5年
液晶パネルの品質 ★★★★★
スタンドの性能 ★★★★☆
動画ゲーム対応 ★★★★☆
品質保証 ★★★★★
総合評価 ★★★★☆
フィリップスの7E1N5500E/11が良いでしょう。
小型画面の24E1N5500E/11でも構いません。
いずれも、今回みた製品の中では、最安水準である上で、性能が良いと言えます。
液晶パネルは、IPS液晶です。
輝度は、300cd/uで、色域も、sRGBで113.4%ですので、上表の「IPS+」の水準を超える水準で、この価格と考えれば割と良いです。
おそらく、サムスンのPLS-IPSパネルかなと思います。
画質補整も、同社のSmartImage・SmartContrastとを搭載で、それなりに充実します。
スタンドの稼働性も、必要十分です。
フリッカー対策もあるため、「目への優しさ」という部分も、わりと性能が期待できるかと思います。5年間と長めの保証が得られる部分も、本機の魅力です。
ーーー
【27インチ】
【2024年発売】67C0UAC6JP
65・ Lenovo L27h-4A QHD 67C0UAC6JP
¥24,980 Lenovo直販 (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:350cd/u
液晶方式:IPS+ ノングレア
コントラスト比:1500:1
応答速度:4ms (GTG)
リフレッシュレート:最大100Hz
HDR:HDR10
USB給電:75W
接続端子:HDM2.1I×2 -DP1.4 USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:3W×2
保証期間:3年
一方、パネル部分のスペックを重視する場合、レノボのL27h-4Aはわりと良い選択肢に思います。
パネルは、IPSとの表記です。
ただ、コントラスト比は1500:1と、一般的なIPSの1.5倍です。
輝度も350cd/uで、色域も、(sRGBより基準が厳しい)動画向けのDCI-P3で90%です。
リフレッシュレートも100Hzと高めで、パネル周りは「今どき」です。
スタンドは、上下左右高さ回転と全方向対応です。
可動幅もチルト(上 22度 下5度)、左右(360度)、高さ(15cm)ですから、27インチとしては十分です。
接続も、75W給電付きのUSB-C端子を装備しますし、3万円以内だと性能面のバランスの良さが目立ちます。
ーーー
【2024年発売】【27インチ】
(Amazon限定)
55・JAPANNEXT JN-i27QR-C65W-HSP
¥28,480 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:400cd/u
液晶方式: IPS+ (AHVA) ノングレア
コントラスト比:1,000:1
応答速度:8ms (GTG)
リフレッシュレート:75Hz(WQHD)
HDR:HDR10
USB給電:65W
接続端子:DP HDMI USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:2W×2
保証期間:1年
もう一機挙げるとすると、ジャパンネクストのJN-i27QR-C65W-HSPです。
こちらは、コントラスト比は普通ですが、輝度は、400cd/uと少し高めで、色域も、DCI-P3 98%と優秀です。
個人的には、コントラスト比を重視した方が「映像美」は得やすいと思いますが、ゲーム的な「派手さ」を重視する場合、この構成も悪くないような気がします。
ただ、保証年数の部分と応答速度は、本編で書いたように「課題」なので、その部分をふまえると、レノボでしょうか。
第4に、デザイン向けの向けの入門用2.5Kモニターとしておすすめできるのは、
【2020年発売】
(末尾-JPはドット抜け1ヶ月保証あり)
【27インチ】
30・BenQ AQCOLOR PD2705Q
¥60,000 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
30・BenQ AQCOLOR PD2705Q-JP
¥60,000 楽天市場 (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:350cd/u
液晶方式:IPS+ ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:4ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(WQHD)
HDR:HDR10
USB給電: 65W
接続端子: HDMI DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(1w×2)
保証期間: 3年
液晶パネルの品質 ★★★★★
スタンドの性能 ★★★★★
動画ゲーム対応 ★★★★☆
品質保証 ★★★★☆
総合評価 ★★★★★
BenQのPD2705Q が良いでしょう。
液晶パネルは、本機もIPS液晶です。
もちろん、冒頭示した「IPS+」の基準をクリアする上級品です。
色空間は、sRGB色域の100%をカバーです。
DCI-P3のカバー率が示されないので、現行の動画的な編集には適さないにせよ、「(静止画の)デザイナー向け」の入門機の水準はあるでしょう。
自動画質調整も、写真向けの「sRGBモード」ほか、主立ったものは網羅されます。
先述の環境光センサーも搭載しているので、部屋の照明色にある程度左右されずに仕事ができるかと思います。もちろん、書類仕事の際にも便利です。
スタンドもしっかり「フル稼動」ですし、その部分でも評価できます。
ーーー
【2025年発売】【27インチ】
33・BenQ AQCOLOR PD2706QN
¥63,000 Amazon.co.jp (5/1執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:350cd/u
液晶方式:IPS+ ノングレア
コントラスト比:1,000:1
応答速度:5ms(GTG)
リフレッシュレート:100Hz(WQHD)
HDR:HDR10
USB給電: 90W
接続端子: HDMI2.0 DP1.4 USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:3w×2
保証期間: 3年
ただ、完全にデザイン専用で考える場合、同社の PD2706QNの方が良いでしょう。
液晶パネルは、今回の定義ではIPS+に相当します。
高めの輝度であるほか、色域がDCI-P3で95% です。
本格的なデザイナー向けだと、もっと数字が良い製品はあります。
ただ、この価格では優秀でしょう。
画質調整機能は、完全にデザイナー特化型です。
同社のソフトウェアキャリブレーションに対応ですし、簡単に色合わせしたい場合などにも、こちらならば対応できます。
一方、本編で書いたように、明るさセンサーが未付属ですので、ストイックなデザイナー用です。
とはいえ、IPS液晶で、フリッカー対策がありつつ、スタンドの稼働性も良いので、普通に使うにしても、水準は高いように思います。
ーーー
【2024年発売】【27インチ】
68・HP Series 7 Pro 727pu QHD モニター
¥(107,120) 楽天市場 (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:400cd/u
液晶方式:Black IPS ノングレア
コントラスト比:2000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:120Hz(WQHD)
HDR:HDR400
USB給電:100W
接続端子: DP HDMI Thunderbolt4
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
保証期間:3年
一方、この水準を超えるものだと、HP Series 7 Pro 727puが候補になります。
画面サイズは、27インチです。
液晶パネルは、Black IPSです。
WQHD解像度のパネルだと、これ以上は望めないパネルです。
コントラスト比は2000:1でIPSの限界を超えています。輝度も高めで、色域もしっかりDCI-P3カバー率は98%です。
静止画用のスペックはないですが、今どきだとこれでも良いように思います。
自動画質調整は、一方、環境光センサーの言及があり、照明色などの状況を見れますし、しっかり、キャリブレーションもなされています。
個人が、常識的な値段で買える、デザイナー用としては最も良いように思います。
第5に、比較的予算に余裕がある方が、仕事用に「目に優しい」2.5Kモニターを選ぶならば、
【27インチ】
【2025年発売】
4・EIZO FlexScan EV2720S-WT
4・EIZO FlexScan EV2720S-BT
¥68,830 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:350cd/u
液晶方式:IPS+ ノングレア
コントラスト比:1500:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:61Hz(最大)
HDR:
USB給電:70W
接続端子: HDMI DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(1w×2)
保証期間:5年
液晶パネルの品質 ★★★★★★
スタンドの性能 ★★★★★
動画ゲーム対応 ★★★★☆
品質保証 ★★★★★★
総合評価 ★★★★★★
EIZOのV2720Sでしょう。
パネルは、しっかり(IPS+水準の)IPSです。
スペックも輝度(350cd/u)、コントラスト比(1500:1)と新世代です。
色域は、正確な値は示しませんが、その他のパネルスペックからしてsRGB 100%でしょう。
一方、輝度が高すぎるパネルは、最低輝度が十分に落とせない仕様の液晶モニターは割と多いです。
しかし、映像は、1cd/uいう低輝度まで落とせます。部屋の照度によらず、制御しやすいです。
実際、EIZOは、照度センサーを利用した調光部分でより精密です。
タイピングが多い「文字仕事」用は、高輝度ほか高いパネルスペックは不要です。むしろ「低輝度」時の視認性に配慮した本機が、目への優しさの部分で「ワンランク性能が良い」と言えます。
EIZOは検品体制がしっかりしているので、「液晶ムラ」などの問題に遭遇するリスクが低いと言えます。
動画性能も他機種に引けを取りませんが、やはり、強調するべきはこちらです。
5年保証に加えて、無輝点保証が無料で付属する点も見逃せません。
スタンドも、稼動性や安定性は全体を通してもみても、評価できます。
値段が高いのが難点ですが、伝統的に評価が高い同社のスタンド性能を含めて、効果は確実に期待できます。フリッカー対策もなされます。
ーーー
【27インチ】
【デイジーチェーン非対応】(2022年)
6・EIZO FlexScan EV2781-BK
7・EIZO FlexScan EV2781-WT
¥70,300 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
【デイジーチェーン対応】(2020年)
8・EIZO FlexScan EV2795-BK
9・EIZO FlexScan EV2795-WT
¥80,863 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:350cd/u
液晶方式:IPS+ ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:61Hz(最大)
HDR:
USB給電:70W
接続端子:HDMI DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(1w×2)
保証期間:5年
ただし、USB-C端子からの給電が必要ならば、同社の上位機を選択しましょう。
しっかり、USB-C端子で70W給電できるのは、EIZOではこのグレードからなので。
図のように、モニターを2台つなげて使わないならば、EV2781で問題ありません。
第6に、設置場所の関係で、小型の2.5Kモニターを選びたい方におすすめなのは、
【2021年発売】
【23.8インチ】
3・LGエレクトロニクス 24QP750-B
¥34,927 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:300cd/u
液晶方式:IPS+ ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:75Hz(最大)
HDR:HDR10
USB給電:65W
接続端子:HDMI DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
保証期間:3年
液晶パネルの品質 ★★★★★
スタンドの性能 ★★★★★
動画ゲーム対応 ★★★★★★
品質保証 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
LGの24QP750-Bでしょう。
解像度が、23インチならばフルHDでも問題ないですが、やはりWQHD(2560x1440)解像度が出せる場合、書類を広げられる場合有利です。
仕事はもちろん、輝度も300cd/uですから、最近のゲームコンテンツの傾向にもマッチします。
その上で、本機は、小型機としては珍しく、HDRコンテンツに対応するため、対応する動画やゲームの鮮やかさは、格段に上昇するでしょう。
スタンドの稼働性も十分で、IPS液晶採用ですし、基本スペックも優れます。
映像補正も、ブラックスタビライザーや超解像技術をふくめて、大事な部分は網羅されます。
スタンドの稼働性もよいですし、USB-C給電も対応ですから、ゲームだけでなく、仕事などにも使い安いかと思います。
補足:液晶モニター関連記事の紹介
というわけで、今回は、27インチの2.5K液晶を中心に紹介しました。
2・31.5インチ液晶モニターの比較
=TV兼用にも使える大きめサイズ
3・25インチ液晶モニターの比較
=ビジネス向けに人気の中型
4・23.8インチ液晶モニターの比較
=テレワークでも人気なコンパクト型
1・27インチ液晶モニターの比較
・解像度:フルHD
・予算:2万円〜
2・27インチ2.5K液晶モニターの比較
・解像度:WQHD
・予算:4万円〜
3・4K解像度の液晶モニターの比較
・解像度:4K 5K
・予算:5万円〜
4・ゲームミングモニターの比較
・解像度:フルHD〜4K
・予算:3.5万円〜
【まとめ記事】
1・Mac向けの液晶モニターの選び方
2・液晶モニターの選び方とおすすめ
そのほか、上の2つの「まとめ記事」では、主にモニターサイズの観点から、このブログの全10回のモニター関連記事を横断的にまとめています。
サイズの部分で決めかねている方などは、こちらもぜひご覧ください!
補足:PCモニター関連製品について
最後に「おまけ」で、液晶ディスプレイに関係する周辺機器についてです。
第1に、モニターアームです。
より「目への負担の軽減」をお考えならば、新しいモニターと同時に、別売のモニターアームを導入するのも効果的です。
予算としては+1万円ほどです。
このブログの【モニターアームの比較記事】で詳しく紹介していますので、興味があれば、ぜひご覧ください。
なお、今回の記事のスペック表記の部分で【VESA100mm】と書いてある製品については、モニターアーム用の統一規格のネジ穴があるため、こうしたモニターアームが利用可能です。
ーーー
第2に、PC用スピーカーです。
ここで挙げたディスプレイの一部には内部スピーカーが付属します。しかし、スピーカーの口径が圧倒的に小さく、音質は全く期待できません。
・おすすめPCスピーカーの比較記事
・おすすめBluetoothスピーカーの比較記事
そのため、少しでも音にこだわりたい方は、上記の記事で紹介しているような外部スピーカーを買われると満足度が高いでしょう。
ーーー
ディスプレイ用クリーニングリキッド
¥755 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
第3に、PC用液晶クリーナーです。
液晶モニターを手入れする場合、普通のティッシュペーパーなどで拭かないでください。
液晶に傷がつきますので、専用のクリーニング・リキッドの使用をおすすめします。
アルコール・界面活性剤を使っていませんので、モニター表面のコーティング塗装に影響しないからです。
【サンワ DK-KC5】
液晶画面用ハイテククロス DK-KC5
¥567 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
ドライクリーニングティッシュ60枚入り
¥819 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
これを、ハイテククロスに吹きかけて使うのがオススメです。
ただ、スプレー式のクリーナーは拭いた後に「ふき跡」が画面に白く僅かに残ります。
拭いた後が気になる人は、仕上げにドライクリーニングティッシュを使うのが良いです。
皮脂汚れはあまりとれませんが、拭き跡をとるための仕上げにはもってこいです!
---
また、最後になりましたが、この記事がもし皆さんのお役に立ったようならば、Twitter Facebook はてなブックマークなどで記事を共有していただければ嬉しいです。
ではでは。