1回目記事からの続きです→こちら
4-1・セルスターのドラレコ(続き)
4回目記事のトップバッターは、日本のセルスターの2カメラ式ドラレコのうち、3回目記事で紹介できなかった機種の説明からです。
1・前後2カメラのドラレコの比較 (1)
1-1:選び方の基本の紹介【導入】
1-2:パイオニア〈日本〉
2・前後2カメラのドラレコの比較 (2)
2-1:ユピテル〈日本〉
2-2:JVCケンウッド〈日本〉
3・前後2カメラのドラレコの比較 (3)
3-1:コムテック〈日本〉
3-2:セルスター 〈日本〉
4・前後2カメラのドラレコの比較 (4)
4-1:トランセンド 〈台湾〉
4-2:アイリスオーヤマ 〈日本〉
4-3:他の企業
5・ドラレコの比較(まとめ)【結論】
=最終的な「おすすめ」の提案
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた選び方の基本に沿いながら、各機を説明していきます。
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以下では、いつものように、高評価できる部分は赤系の文字色で、イマイチな部分は青字で書いていきたいと思います。
【2025年発売】
58・セルスター CS-2000SM
¥58,000 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
画素数:200万画素×2
記録画角:141度+141度
液晶:10.2インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応: PureCel Plus HDR F2.0レンズ ほか
防犯機能:(オプション)
GPS記録: 搭載(みちびき対応)
安全運転支援:搭載(5種類)
通信機能:
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: 32GB MicroSD(128GBまで)
CS-2000SM は、セルスターのミラー型の2カメラ式ドラレコです。
KENWOOD・セルスターでもみた、フロントカメラがスマート・ルームミラーになるタイプです。
液晶パネルは、10.2型です。
インナーミラーに嵌める形での設置になります。
ややコンパクトですので、無理なく設置できる車種は多そうです。
一方、液晶パネルの表示性能については、情報非開示です。
視野角の広いIPS系液晶かどうかも、スペックからは分かりません。
カメラは、本機も、前後にカメラのある2カメラです。
画角は、前方カメラ・後方カメラ、いずれも対角141°です。
必要十分とも言えますが、他社より狭めに設定しているとは言えます。
画素数は、200万画素のフルHDです。
ドラレコの画質は、撮像素子が中国のOmni VisionのPureCel Plusです(1/2.8)。
これは、ケンウッドやコムテックと共通です。
ソニーのスタービスに相当する製品で、裏面照射型で夜間に強い製品です。
その上で、F2と明るめのレンズで、HDRに対応しますし、この部分の仕様は文句ないです。
LED信号対応は、対応します。
安全機能は、レーンキープほか、前方車発車警告、車間距離保持警告ほか、後方車接近警告と、死角検知機能を装備します。
後方1台ですがあおり対策ができる部分は他社にも見られますが、死角検知があるのは、便利でしょう。ただし、自社速度80km/h以上です。
ソフト面では、本機も、災害通報に対応します。
日本のみちびき衛星が最近「災危通報」の発信に対応したようで、それを利用するものです。自動車を運転しながら得られるのは便利でしょう。
加えて、GPSおしらせ機能があります。
2025年の新機種から、同社の上位モデルで搭載がはじまったもので、内蔵GPSデータで、事故多発エリアほかの各種情報を、警告音と画面表示でお知らせするものです。
液晶パネルが大きな本機では便利でしょうが、どちらかと言えば、ナビ側にあってほしいような気はします。
なお、データ更新は、スマホアプリ(MyCellstar)で行いますが、発売時Android系のみしかアプリがないのは、不便でしょう。その場合PC/Macからになります。
セルスター GDO-41 常時電源コード(3極DCプラグ / 2A)
¥3,245 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
駐停車中のバッテリー録画は、オプション対応です。
車載バッテリーから電気をとるタイプですが、他社同様、起動時間をタイマー設定できるほか、電圧低下時に自動でオフになる機能が付きます。
最大12時間です。
駐車時の録画方法は、指定した時間・電圧まで撮り続ける常時録画と、動体検知(カメラ式)に対応できます。
一方、衝撃検知も対応します。
この部分は、(やや注意を擁する)タイムラプス録画を含めて先ほどの機種と変わりませんので、説明は省略します。
GPSは、搭載です。
本機も、準天頂衛星みちびき対応ですので、精度は良いです。
【2020年】 [128GB](1万時間)
・SANDISK ドラレコ対応カード 128GB
¥2,436 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
SDカードは、32GBのMicroSDカードが付属です。
他者にもありますが、カードは、メンテナンスフリーの対策があります。
ネットワークは、Wi-Fi未搭載です。
接続は、本機も、シガープラグです。
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以上、セルスターのCS-2000SM の紹介でした。
このタイプの、他社と比べる場合、先述の警告機能が目新しいといえます。画面サイズを活かしたもので、ナビ側にその機能性がない場合、便利に感じるかと思います。
ただ、iOSに「冷たい」のと、パネル自体の品質情報がないのは気になりますが。
4-2・トランセンドのドラレコ(2カメラ)
つづいて、台湾のトランセンドの2カメラ式ドラレコです。
PC周辺機器では有名ですが、ドラレコも日本市場で長いこと展開します。
【2021年発売】
58・ トランセンド TS-DP620A-32G
¥24,800 楽天市場 (5/30執筆時)
画素数:200万画素
記録画角:140度×2
液晶:2.4インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応: Starvis・F2レンズ WDR
防犯機能:(オプション)
GPS記録: 搭載
安全運転支援:搭載(3種類)
通信機能:Wi-Fi
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: 32GB MicroSD×2(256GBまで)
DrivePro 620 TS-DP620A-32Gは、台湾のトランセンドが販売する2カメラモデルです。
カメラは、前後にカメラのある2カメラタイプです。
画角は、前方カメラとも140度です。
過度に良いわけではないですが、標準です。
画素数は、前後とも、200万画素でフルHDです。
ドラレコの画質は、一方、一長一短です。
本機は、裏面照射型のソニーのStarvisで、レンズもF2.0と十分に明るい品質です。
ただ、HDR不採用で、WDR(ワイドダイナミックレンジ)が搭載です。
したがって、夜間走行はそれなりに強いでしょうが、トンネル出口などの逆行状況は弱い部分があります。
LED信号対応は、一方、注意点です。
グローバルモデルとなる関係で信号のフレームレート対策の表明がないです。
そのため、信号色が記録できない場合はありそうです。
長年この部分がネックなのですが、一向に改良がないのは残念です。
安全機能は、レーンキープ・前方衝突のほか、速度警告に対応します。
3種類というのは日本の多くのモデルと同じですが、前方発進警告がない点は注意です。
そのほか、休憩を促す長時間運転アラートがあります。
駐停車中のバッテリー録画は、本機は標準対応です。
本機は、リチウムポリマー電池が内蔵されていて、それを使って録画します。
ただし、衝撃検知後15秒のイベント記録のみで、フロントカメラのみ有効です。
限界はありますが、バッテリー直結ケーブルを使わずに使える点では、手軽です。
この場合の持続時間は不明ですが、エンジンに連動しないシガープラグを使っている方のために、48時間で切れる仕様ではあります。
GPSは、付属するモデルになります。
米国のGPSのほか、ロシアのグロナスを取得できます。
SDカードは、32GBのMicroSDカードが2枚付属です。
本機については、フロントカメラとリアカメラで、別に記録するため2枚です。
同社は、カード自体も生産している企業ですが、同社らしい製品、といえます。
なお、いずれにしても、リアカメラに電源は必要なので、ワイヤレスではないです。
ネットワークは、Wi-Fiを装備です。
先述のように、リアとフロントカメラのカードが別ですが、Wi-Fiを使えば、簡単にアクセスできます。
ユピテル機のように自動バックアップ的な機能はないですが、なくて良いかと思います。
接続は、本機も、シガープラグです。
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以上、トランセンドの DrivePro 620 TS-DP620A-32Gの紹介でした。
信号のフレームレート対策がないのが課題です。
ただ、Wi-Fiを搭載する機種としてはお買得ですし、どちらかというと、事故対策より、撮影をメインに考えて使うならば良い選択肢です。
実際、長年この部分を重視していた企業ですので、スマホアプリの出来は良いです。
4-3・アイリスオーヤマのドラレコ
続いて、アイリスオーヤマのドラレコです。
色々な家電に進出中ですが、ドラレコは24年からです。
【2024年発売】
59・アイリスオーヤマ IDR-C121
¥13,800 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
画素数:829万画素+200万画素
記録画角:136度+126度
液晶:3インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応: Starvis F1.8(前のみ) WDR
防犯機能:(別売)
GPS記録: 搭載
安全運転支援:5種類
通信機能:
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: microSD 32GB(256GBまで)
IDR-C121 は、アイリスオーヤマの販売するドラレコです。
この家電分野には、2024年から進出ですが、性能重視で出してきました。
カメラは、前後の2カメラです。
前カメラは、それなりに大きい筐体ですが、バックに3インチの大きめモニターが付きます。
画角は、前方カメラは136度で、後方カメラは126度です。
超広角レンズではなく、若干側面方面の記録性が他機より弱いです。
画素数は、前方カメラが4K解像度(800万画素)で、後方がフルHDです。
言うまでもなく、前方が注目点です。
こちらはセンサーに、ソニーの4KHDRのスタービス( IMX415)を採用で、高解像度を出しています。現行のドラレコ向け、解像度の部分で最高です。
夜間対応力は、このセンサーの場合、低輝度照度も、WQHDで多く採用されるIMX335と同等で、性能は良いです。
その上で、レンズのF値(F1.8)も良いです。おそらくCPUの限界から、HDRは非対でWDRではありますが、総合的に前方カメラについては、解像度を含めて評価できます。
リアカメラは、しかし、課題です。
200万画素(フルHD)F2.2、WDRであるのは必要十分としても、スタービス非対応で、夜間記録に(高級機としては)不安が残る仕様です。
LED信号対応は、対応です。
安全機能は、充実です。
他社でもよくみられるものとしては車間距離・車線逸脱・前方発進警告に対応します。
その上で、長時間運転通知と、ヘッドライト点灯推奨がオリジナル要素です。
ただ、やはり、後方対策(あおり対策)が弱めで、あおり検知(注意)がないです。
ネットワークは、Wi-Fiなど未装備です。
PAC-IDR001
¥2,683 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
駐停車中のバッテリー録画は、別売のオプション対応です。
説明書を見る限り電圧監視おこないますが、タイマー設定はありません。
駐車中監視は、独特で、常時録画がないです。
駐車5分後から作動する「衝撃検知」記録とタイムラプス+動体検知記録のみです。
衝撃検知は、衝撃前の録画に非対応で、あくまで衝撃後30秒です。
タイムラプス+動体検知は、被写体の動きを検知すると10分の常時録画になる仕様です。
この仕様の場合、上表だと「動体検知(カメラ)」に仕様は近く、(人に反応してしまうので)街中の駐車場での運用はあまり向かないといえます。
ただ、そのシーンを除けば、わりと「あり」な仕様かとはおもいます。
GPSは、搭載です。
ただ、GPSモジュールは外付けです。
また、補足衛星数などの情報がなく、みちびき対応可も不明です。
【高耐久】 [64GB]
・SANDISK ドラレコ対応カード 64GB
¥1,525 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
SDカードは、32GBが初期付属です。
最大で、256GBまで増設できます。
接続は、シガープラグです。3.6mの電源ケーブル、リア用の8mケーブルが付きます。
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以上、アイリスオーヤマ のDR-C121 の紹介でした。
フロントカメラの画質がポイントで4K/30fpsの記録に対応できるのが魅力です。一方、リアカメラが、スタービス非対応で、性能も並なのが対象的です。
前方の記録画質が良いので、むしろ、記録した映像を「見て楽しむ」用途には向くでしょう。
ただ、事故記録用としては、正直ここまでの解像度は不要です。実際、4K解像度を扱う場合、CPUにかなり負荷がかかるため、筐体は大型化し、他の性能が「割を食う」場合が多いです。本機の場合、リアカメラの性能部分や、HDRに対応できない部分などがそれにあたります。
実際、大手が4K上位機を最近展開しなくなったのはこの部分も大きいと言えます。
4-4・他社のドラレコ
最後に、ここまで見た以外の企業のドラレコを追加でみていきます。
【2023年発売】
60・ サンコー THCADVSNA
¥8,850 楽天市場 (5/30執筆時)
画素数:200万画素+30万画素
記録画角:150度+90度
液晶:4インチ
衝撃センサ:搭載
夜間対応:
防犯機能:
GPS記録:
安全運転支援:
通信機能:
音声記録: 対応(ON/Off)
SDカード: 別売(64GBまで)
THCADVSNA は、秋葉原のサンコーが販売する2カメラモデルです。
2カメラ式では「最安級」と言えます。
液晶はかなり大きめの4インチです。筐体も室内用カメラが横に付く形式で大きめなので、設置できる箇所は、ミラー後部などに限られます。
接続は、シガープラグです。3mのケーブルが付属です。
カメラは、前後に2カメラほか、室内用のカメラもあるので3カメラです。
画角は、前方カメラは150度です。
画素も200万画素でフルHDです。
一方、室内カメラはともかく、リアカメラは30万画素(640×480)ですので、ナンバーの可視性を含めた、スペックは値段相応です。
2カメラを制御するためには、良いエンジンが必要な部分もあっての限界でしょう。
ドラレコの画質は、スタービスの言及がないです。
加えて、HDR処理などの記載もないです。
宣伝の写真に夜間のものがないのは、ここが理由で、日中専用です。
LED信号対応は、対応情報がないです。
安全機能は、特段記載はないです。
ネットワークは、Wi-Fiなど未装備です。
駐停車中のバッテリー録画は、パーキングモードはあります。
詳しい仕様は不明ですが内蔵バッテリーがあり、30秒間録画とあるので、Gセンサーに連動するのだと思われます。
GPSは、ありません。
【高耐久】 [64GB]
・SANDISK ドラレコ対応カード 64GB
¥1,525 Amazon.co.jp (5/30執筆時)
SDカードは、最大64GBのMicroSDカードまで対応です。
ただし、別売です。
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以上、サンコーのTHCADVSNA の紹介でした。
リアカメラの画質が期待できないほか、フロントも昼間限定といえます。
GPSも付属しませんし、やはり、2カメラ式は1万円を切る価格だといろいろ難しいと言えます。
次回の予告
ドラレコのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、2カメラのドライブレコーダーの比較の4回目記事でした。
しかし、記事は、もう少しだけ「続き」ます。
5・ドラレコの比較(まとめ)【結論】
=最終的な「おすすめ」の提案
画角の広さ ★★★★★
解像度の良さ ★★★★★
夜間の画質 ★★★★★
駐車監視機能 ★★★★★
安全運転支援 ★★★★★
後方監視 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
次回は、最終回となる結論編【こちら】です。
今回紹介した全機種から「目的別・予算別」にAtlasのおすすめ機種!を提案してみたいと思います。
引き続きよろしくお願いします。
結論編は→こちら