前回記事からの続きです→こちら
5-1・ECOVACSのロボット掃除機の比較(続き)
5回目記事では、前回の4回目記事(こちら)で見切れなかった中国のエコバックスのロボット掃除機の残りの製品をを見ていきます。
1・ルンバなどロボット掃除機の比較
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:ルンバ 〈入門機〉
2・ルンバなどロボット掃除機の比較
2-1:ルンバ 〈中級機〉
2-2:ルンバ 〈上級機〉
3・アンカーのロボット掃除機の比較
3-1:アンカー
4・Ecovacsのロボット掃除機の比較
4-1:エコバックス 〈1〉
5・Ecovacsのロボット掃除機の比較
5-1:エコバックス 〈2〉
6・RoboRockのロボット掃除機の比較
6-1:ロボロック
7・世界のロボット掃除機の比較
7-1:ダイソン
7-2:TP-Link・シャオミ
8・ロボット掃除機の比較
8-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で示したスペック面での「選び方の基本」を軸にしながら、各機の性能を、具体的に比べていきます。
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引き続き、以下では、高評価できるポイントは赤系の文字色で、イマイチなところは青字で表記していきます。
【2024年発売】
【上位機】
53・エコバックス DEEBOT X5 PRO OMNI DDX39-11EE 【黒】
54・エコバックス DEEBOT X5 PRO OMNI DDX39-12EE 【白】
¥136,182 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
【下位機】
55・エコバックス DEEBOT X5 OMNI DDX19-11EE 【黒】
56・エコバックス DEEBOT X5 OMNI DDX19-12EE 【白】
¥129,800 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
マッピング:レーザー (DTOF) + 構造化ライト+ カメラ
走行:ルート走行
本体サイズ:35cm
段差対応:2.2cm
隙間対応:約10cm
物体認識:対応(動体も対応)
吸引力:12,800PA
ステーション: ゴミ収集・モップ洗浄
床ふき: 高度(回転式・自動洗浄)
バッテリー:140分
DEEBOT X5 PRO OMNIは、Xシリーズ(X8)の1世代前の製品です。
つまり、前回記事の最後(こちら)でみた、2025年のハイエンドとなるX8の1世代前のハイエンドです。
なお、この世代と下位機としてDEEBOT X5 OMNIも、流通限定で展開されます。
ただ、こちらは、カメラによる物体識別(AVI 3D 2.0)に非対応です。障害物回避の部分で決定的な差がありますし、あまりおすすめしません。
そのほか、内蔵マイクによる音声アシスタントに非対応で、静音性も水準が落ちます。
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結論的にいえば、本機の最も魅力的な部分が下位機はないので、旧機から選ぶとしても上位機でしょう。
以下は、上位機ベースで本機の説明をしていきます。
本体サイズは、幅313×奥行346×高さ95mmです。
新しいハイエンドと違って、この世代だとスクエアに近い形状です。
以前のルンバにもあった形状ですが、壁際まで寄って、モップやサイドブラシで、すみずみまで掃除するための工夫です(True Edge アダプティブモッピング)
幅は高級機としては(まあ)狭いため、すきまの対応性は十分でしょう。
高さも9.5cmですので、10cmほどの隙間ならば問題ないです。
走行方式は、本機も、AIによるマッピング方式で、ルート走行をする機種です。
カメラセンサーを利用した3Dマップの表示も対応です。
センサーは、レーザー距離センサー・物体回避センサー・AIVIカメラです。
この部分は、すでにみた、2025年の最新最上位機(X8)、あるいは、Tシリーズの最上位機(T50)と仕様は同じです。
正確には、個々の機能のバージョンが上がっている部分もあるのですが、明示的に、変更されたといえる点は、センサー回りではないです。
とはいえ、他社も含めて、この部分は「現行最高峰」ですし、追いついている企業も見られません。
・靴下 ・ ラグ・ 靴
・電線 ・U字型の椅子・充電ドック
・カーペット・ベッド ・ソファ
・コーヒーテーブル ・ペットトイレ
・ドア ・ テレビキャビネット ・ ダイニングテーブル
・椅子・服 ・ 帽子・・マスク ・ 手袋
・ゴミ・ベッドのサイドテーブル
・ハードフロア ・フロアタイル
・粒子状物質(犬のエサなど)
・動体(人間・ペット)
物体識別も、新機種と示される性能は変わりません。
ただ、バージョン名は1バージョン低い(AIVI 3D 2.0)のと、AIの機械学習による判別性能の向上は著しいので、細かく言えば、性能は上がっているとはいえます。
段差は、2.2cmまで対応です。
水拭き利用時もこの数字です。
吸引機構は、12,800PAです。
新機種は、18000PAなのでそれに比べれば弱いです。
しかし、この水準は普通弱いとは言えません。
十分であり、カーペット対応水準と言って良いです。
静音性は、清掃時63.9dBです(下位機67.9dB)。
水ふき時は、多少ですがより上がります。
パワーとバーターですし、ここは仕方ない部分です。
バッテリーの量は、仕様の上では、上位機で最大175分まで連続稼働します。
充電時間は4.45時間です。
ネットワーク機能は、Wi-Fi搭載です。
この世代も各社のAI(Google / Alexa / Apple Siri)搭載のスマートスピーカーと連携できます。
上位機は、新機種同様、マイクを備えた上で、ロボットに独自の音声アシスタント(YIKO)も内蔵されます。ただ、その精度は、新機種のほうが高いと同社はしています。
水ふきは、一方、毎分180回転の回転式モップ方式です。
前回記事で書いたように、Xシリーズの現行機(X8)は、筒型ローラー式の新仕様に移行しています。そのため、2025年モデルだけで言えば、こちらは、上から2番目のTシリーズと同じの方式といえます。
先述のように、新しい筒形ローラーのほうが、床にしっかり圧がかけられる関係で、磨き残しは少ないと言え、「人間がかけるモップ」により近いです。
綺麗に拭ききる力は、特に新機種には及ばないでしょう。
ただ、回転モップ式は、同社の下位機種のような、一般的に、「回転しないモップ」に比べれば、かなり汚れは落とせるといえます。
Tシリーズでも書きましたが、この方式が、全く無能力というわけではないことは、改めてフォローしておきます。
回転モップ式を採用する、他社の最上位機並みの性能は期待できます。
本機も、水拭き時もーペットを検知した場合、モップを「持ち上げる」構造です。
仕組みが違うので、一概に比較できませんが、15mmの持ち上げ幅は、新機種より高いです。
また、新機種同様に、超音波センサーを備えて、カーペットを検知できます。
したがって、本機も、リフトアップにより、ふき掃除と清掃の完全自動化ができる性能を持ちます。言いかえれば、人間の手を介さずに、掃除を完結できます。
ステーションは、付属です。
上位機らしく、ゴミ収集・水の自動給水・モップ洗浄とフル対応です。
サイズは、幅394×奥行443×527.5cmです。
設置幅は全自動タイプでは狭めで、考えられています。
ゴミは、60日を超える日数のゴミが入ります。
清潔性の部分では、70度の温水モップ自動洗浄・乾燥にも対応です。
70度の温度で洗った上での乾燥なので、汚れのこりやニオイにおいて対策があります。
清水タンクは4L、汚水タンクは3Lと十分です。
自動洗浄には、洗った後の汚水が別タンクに溜まる仕組みです。そのため、この部分のメンテは必要です。
ただ、汚水タンクや清水タンクの満タン/水不足のアラート通知があるので、放置して忘れる危険は少なそうです。
【X5 OMNI用】
・X5 OMNI消耗品セット
¥8,950 楽天市場 (5/23執筆時)
【X5 OMNI対応】
・OMNI抗菌ゴミパック3個入り DDB020008
¥999 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
【X5 OMNI対応】
・X5 OMNI モップパッド4個入り
¥2,950 楽天市場 (5/23執筆時)
消耗品は、写真のようなセット販売があります。
モップパッドは、本機も、広い面積(〜5部屋)で毎日利用するとして、1-2ヶ月の寿命です。
ただ、家庭で毎日掃除するわけでもないならば、4枚セットで1年は保つかと思います。
おすすめしませんが、互換製品だと割と安めです。
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以上、エコバックスの DEEBOT X5の紹介でした。
新機種(DEEBOT X8)とは、吸引力(真空度)も違いますが、やはり決定的な違いは、水拭きの精度です。
ただ、本編で書いたように、本機の回転モップ方式もそう悪いわけではないので、ここに大きなこだわりがない場合で、新機種より価格が安いようならば、「1年落ちのハイエンド」として、選んでも良いように思います。
とくに、2025年の「上から2番目」で、同じようなセンサー構成で、同じ回転モップ式のT50 Proと比べて、こちらが十分に安い状況ならば、上位機はわりと「狙い目」といえます。逆に言えば、そうでもないならば、T50 proが良いかと思います。
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なお、エコバックスは高級機が長い間残る傾向なので、型落ちの高級機が、本機以外にも、いくつかあります。
DEEBOT X5を基準としつつ、性能面の違いを説明しておきます。
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【2023年発売】
57・エコバックス DEEBOT X2 OMNI DEX86【黒】
¥78,310 楽天市場 (5/23執筆時)
マッピング:レーザー (DTOF) + 構造化ライト+ カメラ
走行:ルート走行
本体サイズ:35cm
段差対応:2.2cm
隙間対応:約10cm
物体認識:対応(動体も対応)
吸引力:8000PA
ステーション: ゴミ収集・モップ洗浄
床ふき: 高度(回転式・自動洗浄)
バッテリー:140分
第1に、 DEEBOT X2です。
現行機から数えて、Xシリーズの2世代前です。
一方、X5との大きな違いは吸引力です。
ブラシなどの改良がはいる前の世代なので(弱くはないですが)最大の吸引力は、8000Paとなります。
センサー構成などは、基本的に同じです。
AIVIカメラセンサーも含めて装備です。
あとは、ブラシが旧式になる関係で、毛絡み防止の部分が旧式構造になる点、モップが壁際までよる「TruEdgeアダプティブエッジモップ」に対応しない点が目に付く違いです。
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結論的にいえば、2世代前ということもあり、売出時価格の半値以下で、価格は相当「安い」です。
吸引力は、ハイエンドというには多少「弱い」ですが、この価格クラスならば、上級です。完璧なカーペット対応が不要ならば、値段面で候補にできます。
次回に続く
ロボット式掃除機のおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回も、ロボット掃除機の比較の5回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
6・RoboRockのロボット掃除機の比較
6-1:ロボロック
7・世界のロボット掃除機の比較
7-1:ダイソン
7-2:TP-Link・シャオミ
8・ロボット掃除機の比較
8-1:最終的なおすすめの提案【結論】
つづく6回目記事(こちら)では、中国のBRTが出すロボロックを紹介します。
センサーの性能 ★★★★★
掃除のスピード ★★★★★
すきま対応力 ★★★★★
バッテリー ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回記事(こちら)では、全体の結論として、目的別・価格別のAtlasのおすすめ機種を提案ししていきます。
よろしくお願いします。
6回目記事は→こちら