1回目記事からの続きです→こちら
8-1・三菱重工のエアコン
8回目記事のトップバッターは、、三菱重工冷熱の「ビーバーエアコン」のハイグレードモデルです。
パワフルな冷暖房能力と、強めの気流を大事にした開発をしている企業という印象です。
1・格安エアコンの比較 (1)
1-1:選び方の基本の解説【導入】
1-2:パナソニック
1-3:ダイキン
2・格安エアコンの比較 (2)
2-1:日立
2-2:富士通
3・格安エアコンの比較 (3)
3-1:三菱重工
3-2:三菱電機
4・格安エアコンの比較 (4)
4-1:シャープ
4-2:東芝
5・格安エアコンの比較 (5)
5-1:アイリスオーヤマ
5-2:コロナ
予算:5万円〜
6・高性能エアコンの比較 (1)
6-1:パナソニック
6-2;日立
7・高性能エアコンの比較 (2)
7-1:富士通
7-2:ダイキン
8・高性能エアコンの比較 (3)
8-1:三菱重工
8-2;三菱電機
9・高性能エアコンの比較 (4)
9-1:シャープ
9-2;東芝
予算:10万円〜
10・エアコンのおすすめ 【まとめ】
=最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事冒頭の「選び方の基本」(こちら)で書いた基準に沿いながら、各機をみていきます。
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以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2025年4月発売】
【6畳向き】SRC2225S
48・三菱重工 Sシリーズ SRK2225S-W
¥151,427 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:2.5kW (0.7〜6.0)6〜 7畳
冷房能力:2.2kW (0.9〜3.6)6〜 9畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:109%(27年度)
年間電気代:17,918円(578kWh)
【8畳向き】
49・三菱重工 Sシリーズ SRK2525S-W
¥157,345 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.7〜6.0)6〜 8畳
冷房能力:2.5kW (0.9〜3.8)7〜 10畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:106%(27年度)
年間電気代:20,956円(676kWh)
【10畳向き】
50・三菱重工 Sシリーズ SRK2825S-W
¥169,052 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:3.6W (0.8〜7.7)8〜 10畳
冷房能力:2.8W (0.9〜4.5)8〜 12畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:106%(27年度)
年間電気代:23,467円(757kWh)
【12畳向き】
51・三菱重工 Sシリーズ SRK3625S-W
¥177,287 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:4.2W (0.8〜7.7)9〜 12畳
冷房能力:3.6W (0.9〜4.7)10〜 15畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:100%(27年度)
年間電気代:31,192円(1032kWh)
三菱重工のSシリーズは、同社のエアコンでは最もグレードの高い製品です。
消費電力量は、いずれも100%を超えます。
既に見たパナソニック(最上位機)とほぼ同じ水準と言えます。
高級機らしい仕様であり問題ないです。
ただ、これはパナソニックもそうでしたが、12畳用は(100%ながら)多少落ちます。
もちろん、適用畳数にあったモデルでないと(結局)余分な電気代がかかるので、適切な畳数を選ぶことが重要です。
暖房能力は、同社が力を入れる部分と言って良いでしょう。
本機は全体の仕様として寒冷地モデルではないですが、どの畳数の製品も相当パワフルです。
冷房能力も、高レベルです。
いずれにしても、基本と言えるパワーを重視している部分が、ビーバーエアコンの特徴です。
一方、冷暖房ともに、最小出力の運転が不得意で、低くてもだいたい0.8kWからです。
このあたりは、他社に負ける数字です。パワフルだが、安定温度到達後の駆動は、「ざっくり」という「大味さ」はありそうです。
気流の到達距離は、同社の下位機同様直進気流で14M出せる出力です。
三菱重工のジェット機(スペースジェット)と同様の解析技術を使ったとされます。
なお、強運転のさらに強い風量を同社は「JET」と呼んでいます。TURBOのようなものです。
足元暖房に利用する場合の到達距離は非開示ですが、弱くはないでしょう。
一方、本機は、起動時に「ワープ運転」を設定できます。
要するに、15分限定で最大運転をなす機能性です。
パナソニックの「パワフル」モードと同じで、帰宅直後に有効です。
気流制御は、上下+左右エアスクールという機能名です。
フラップが左右に分かれており、4枚のフラップが独立可動するタイプです。
この部分自体は高級機としては普通ですが、フラップの動きに同社の増波技術を応用していることを「売り」とします。
「気流の渦」をフラップの動きで作り出し、例暖房時に温度ムラの少ない気流を作るという工夫です。
企業柄、この手の空力設計にも主張があると言えます。
除湿機能は、一方、2種類選べます(お好みドライ)。
第1に、「新お好みドライ」は基本の除湿です。
方式は弱冷房除湿なので、基本夏用です。
第2に、「ランドリードライ」は、洗濯物を乾かす専用です。
パナソニックにも見られます。風で水分吹き飛ばすが除湿のみ、ではなく、ドライ・冷房・暖房を使い分けるため、まあ「自動運転」と同じとも言えます。
一方、再熱除湿を含めた機能性はないです。
作動温度(上表)をみても、実際的に夏専用です。
上位機としては物足りず、この部分は他社に比べ、はっきりと負けます。湿度の段階設定もできません。
加湿機能は、未付属です。
ただ、【加湿器の比較記事】で書いた、重工のだす、一部加湿器(roomist)との強調運転ができます。
そちらを利用するのが良いでしょう。
センサーは、温湿度センサーほか、人感センサーと、サーマルセンサー(赤外線)が備わります。
それらの情報と、過去の運転状況の情報をAIが分析し、賢く運転していく仕組みです。
「AI自動快適運転」という機能名です。
ここは充実しており、自動運転の精度は(レーダー性能に傾注する)東芝を除けば、他社の上位機に比べても遜色ないといえます。
人の位置や、在不在を把握しながら、節電しつつ、快適度を高めます。
自動お掃除機能は、付属です。
ごく普通の仕組みで、フィルタにブラシが消したゴミを、ダストボックスに貯めるというものです。
ゴミ捨ては1年に1回とされます。清掃ランプが点灯したら、手入れをします。
空気清浄機能は、バイオフィルタによります。
こちらに花粉やアレル物質を吸着させる仕組みです。
ただ、フィルタのリフレッシュのため、フィルタ内成分(尿素・酵素)で不活性化させるため、100時間運転ごと自動掃除(1.5時間)が必要です(バイオクリア運転)。
吸湿、抑制、乾燥処理なすため部屋の温度は上がるので、とくに夏は留守中などに設定しないといけません。
【1年交換】
バイオクリアフィルター 1枚 CFA11
¥1,100 Amazon.co.jp (6/10執筆時)
この部分の仕様が面倒である上、仕組み上、このフィルタは1年交換の消耗品(100時間)です。
高い消耗品ではないですが、毎シーズンの交換を面倒と感じる方はいそうです。
なお、花粉は90分の運転で99.3%という試験結果です(12畳モデル)。
集塵速度や集塵率の点で、根本的な花粉症対策にはならない水準ですので、あくまで、そうした家電の「補助(お守り)」くらいに考えてください。
脱臭は、同社の下位機種(活性炭フィルター方式)と違って、内蔵の「水洗いサンフィルター」によります。
こちらは定期交換は(基本)不要です。しかし、光触媒を使う仕組みなので、定期的に洗う必要があります。また、その際は、日光にあてて乾かさないと機能性は回復しません。
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結論的にいえば、本機の場合、しっかり消耗品を交換しフィルタをまめに洗う場合、空気清浄機の「アシスト」レベルではありますが、それなりに効果は期待できます。
逆に、買ったあと全く手入れしないならば、(フィルタがない機種以上に)不潔と言えます。説明書をしっかり読んで使える方に向くでしょう。
清潔性は、アクアオゾンクリーン運転という機能性があります。
内蔵のイオナイザー(電極)で、「さわやかイオン(マイナスイオン)」と「アクアオゾン(低濃度オゾン)」を発生させる仕組みです。
シャープのプラズマクラスターにせよ、パナソニックのナノイーにせよ、マイナスイオン技術をつ買う製品は、微量ですが低濃度オゾンがでています。
ただ、重工の場合、除菌力(カビ抑制力)を高めるため、オゾン濃度を高めている仕様ですので、その放出はあくまで、使用後の「掃除運転」の際だけです。
プラズマクラスターやナノイーと違って、マイナスイオンを室内に放出して、室内の空気環境を改善する方向の技術ではないです。運転時に室内にだすとオゾン臭がするでしょうし、そうした機能性は謳いません。
一方、アクアオゾンだけで完璧に「除菌」できるわけではないといえます。
そのため、他社同様に、「さらに増殖を防げる」掃除時に加熱乾燥も選択できるようにしています。
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結論的にいえば、オゾンは「オゾン臭」、加熱乾燥は「不快な熱さ」という欠点をそれぞれ抱えるのといえます。
いずれにしても、人間が近くにいる状態で使いにくい部分があるので、無駄な「機能重複」とまでは言いませんが、あまり「相性の良くない」組み合わせには思います。
ネットワーク機能は、本機もWi-Fiを装備します。
他社同様に、外出先からその操作に対応します。
スマホのGPS連動で、指定した距離から離れた際切り忘れのお知らせまでも可能です。逆に、パナソニックと違い、指定した距離から近づいた際のお知らせ機能はないです。
このほか、Googleアシスタント・Amazon AlexaなどのAIスピーカーに公式対応しており、声での操作も可能です。
酷暑対応は、吹き出し口温度50度対応ですので、問題ないです。
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以上、三菱重工のビーバーエアコンのSシリーズの紹介でした。
他社と比べると、若干、除湿部分に弱さを感じるのと、機能面であまり整理されていないように見える、空気清浄と清潔性の部分が気になります。
ただ、冷暖房とも出力はパワフルで、センシングを含めた気流制御は上位機にふさわしいスペックです。
また、加湿や換気ができるなど目立った工夫はないですが、(その分)最上位機としては「安め」といえます。
こうした部分でとくに、冷暖房のパワーを期待する場合は向くでしょう。一方、本機の仕様だと「ほったらかし許容度」は低めなので、まめな掃除や消耗品の交換を面倒くさがるような気質の方は、逆にあまり向かないといえます。
その部分が注意点に思います。
8-2・シャープの高性能エアコン
続いて、三菱電機の高性能エアコンです。
同社の場合、ハイエンド(最高級機)シリーズとなるFZシリーズ、FDシリーズは、低畳数用がなく200V機のみです。
100V 20Aまでだと、今回見るZシリーズが最上級です。
今回は、200Vは扱わない記事なので、ここではZシリーズを見ていきます。
Zシリーズも、同社のハイエンドと同じで、センシングにこだわった製品展開といえます。
【2024年10月発売】(2025年モデル)
【6畳向き】
52・三菱電機 霧ヶ峰 Zシリーズ MSZ-ZW2225-W
¥229,800 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:2.5kW (0.6〜5.2)6〜 7畳
冷房能力:2.2kW (0.6〜3.4)6〜 9畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:104%(27年度)
年間電気代:18,693円(603kWh)
【8畳向き】
53・三菱電機 霧ヶ峰 Zシリーズ MSZ-ZW2525-W
¥229,760 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.6〜5.2)6〜 8畳
冷房能力:2.5kW (0.6〜3.5)7〜 10畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:103%(27年度)
年間電気代:21,545円(695kWh)
【10畳向き】
54・三菱電機 霧ヶ峰 Zシリーズ MSZ-ZW2825-W
¥242,340 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:3.6W (0.8〜6.9)8〜 10畳
冷房能力:2.8W (0.9〜4.2)8〜 12畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:104%(27年度)
年間電気代:23,808円(768kWh)
【12畳向き】
55・三菱電機 霧ヶ峰 Zシリーズ MSZ-ZW3625-W
¥151,427 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:4.2W (0.6〜6.9)9〜 12畳
冷房能力:3.6W (0.6〜4.3)10〜 15畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:100%(27年度)
年間電気代:31,192円(1032kWh)
三菱電機のZシリーズは、100V展開のある同社のエアコンだと最上位になる製品です。
消費電力量は、いずれも100%を超えます。
各社の最上位機に相当する水準であり、省エネ性は問題ないです。
暖房能力と冷房能力は、一方、最大能力の部分で、そこまで高くはないです。
その上で、三菱重工ほどではないですが、最小出力の運転も不得意です。
気流制御は、本機も左右でフラップが別に動く仕様です。
最大風力は三菱重工に及ばないですが、三菱重工の上位機同様に、左右独立型の4枚のフラップです。
後述する同社の「売り」のセンシングと連動しつつ、上位機らしい気流制御を行えます。
ちなみに、同社のハイエンド(FZシリーズ)の場合、シロッコ型ファンが2系統あるため、風の強弱も2系統つけられます。
先述のように、FZシリーズは、工事が必要な200Vの大畳数用しか展開しかないので今回記事では見ません。
除湿機能は、三菱電機は再熱除湿に対応です。
富士通ゼネラルでも説明しましたが、冬場を含めてオールシーズン除湿したい場合、再熱除湿が機能があると能力が大幅に向上します。
一方、本機は冷房(弱冷房除湿)と再熱除湿を自動で切り替えて自動運転する「さらっと除湿冷房」という機能性もあります。
また、本機は、設定した安定温度に達した後、本機はファンが止まります。
他社機の場合、運転が止まるか、微風運転を続けるかなので、ファンが停止した状態で、除湿運転を内部で続けられる部分がワンポイントと言えます。
新湿度制御という機能名ですが 除湿時の快適度では、一定の意味があるでしょう。なお、この機能は、同社の入門機から搭載されるもので、同社の「売り」でもあります。
なお、同社の場合、目標湿度は40〜70%の範囲で数値設定できます。
そのほか、「ランドリー」機能として、3.5時間、洗濯物の乾燥に適した運転をさせることが可能です。
加湿機能は、未付属です。
三菱電機 換気ユニット MAC-700KB
¥17,599 楽天市場 (6/10執筆時)
三菱電機 換気ホース MAC-700KP
¥14,850 楽天市場 (6/10執筆時)
換気は、一方、別売の換気ユニット(MAC-700KB)と換気ホース(MAC-700KP)を購入すれば、工事時の対応はできます。
ただ、換気量も示されませんし、この機能に期待するならば、ダイキンやパナソニックなど、この機能が元から付いていて、エアコンと高度に一括制御できるような製品を買ったほうが良いでしょう。
また、設置麹的に、ユニットは外壁固定なので、高所設置は難しそうです。
なお、AI換気アシストとして、あらかじめ設定した窓方向に送風する機能性は、増設なしでも利用できます。
センサー(自動運転)は、三菱の一番の特徴です。
同社の場合、赤外線センサー(ムーブアイmirA.I.+)とエコモアイとよばれる、人間の脈を測れるバイタルセンサー(ミリ波レーダー)から得た情報を、AIが解析して、自動運転を行っています。
赤外線センサー(ムーブアイmirA.I.+)は、昔からの三菱電機の「十八番」です。
今の技術だと、部屋にいる複数の人間の部位別の温度まで、しっかりデータとして認識でき、AIに情報を受け渡せます。赤外線なので、夜でも問題ないです。
これにより、複数のフラップの制御で、人間の居る場所へと「風を送る」こと、遠くに人間がいる場合は「ロング気流」にすること、部屋全体に人がいる場合は「ワイド気流」にすること、熱だまりに向けて風を発することなど、自動で賢く制御します。
エアコン風が苦手な方は、逆に自動で「風よけ」させる設定もできます。
この手の制御は、東芝と三菱電機が突出して技術投資をしているといえますので、このあたりが「最先端」といえます。
バイタルセンサーは、一方、三菱電機のもうひとつの特色です。
2023年に登場したもので、エアコン本体が微弱な電波を発し、跳ね返った電波から、人間の脈拍(の変動)をセンシングするというものです。
見慣れない技術ですが、ミリ波レーダーによる脈波や呼吸のセンシングは、(Apple Watchなどの)ウェアラブル端末に取って代わる「次世代」と言われる技術であり、現在注目されています。
三菱電機のエアコンの場合、脈波の情報は、自動運転において、次の2つの役割を果たします。
第1に、「風よけ」「風あて」の判断です。
脈波の変動データから、エアコン風に対する人間の快/不快を推定し、自動での「風よけ」をするかの参考情報にします。
なお、脈波と快不快の相関関係は、ロバートソンが編集した自立神経学の論文集(『ロバートソン自律神経学』)の所収論文が典拠の1つとされています。
第2に、フレッシュモードです。
同社によると、脈と脳の活動量は相関します。
そのため、脈の変動から活動量が低下していると判断された場合、自動運転で「風あて」するという機能性です。
先述の「換気」ユニットを増設する場合、換気も可能です。
なお、 この見解は、2003年のシンポジウム報告(ヒューマンインタフェースシンポジウム2003一般発表「複雑系解析から見た多重課題遂行中の付加課題の影響」)を基にしたものとされます。
一方、エアコンのAIに、正確に我々の「感情」が把握されていたかは、アプリで確認することができます。この部分で、ユーザーから「逃げていない」のは好感がもてました。
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結論的にいえば、試みとして三菱電機らしく面白いと思います。
正直なところバイタルセンサーに由来する機能性は、まだ論拠があいまいで、第三者による検証も不十分です。
ただ、長年の信頼性の高い赤外線センサー(ムーブアイmirA.I.+)があった上で、補助的な「参考情報の1つ」として脈波の情報を使う形ですし、両センサーの搭載は、無意味ではないでしょう。
なお、バイタルセンサーは、リビングに多人数いる場合、全員の脈波の平均値を元に駆動します。つまり、「暑がり」と「寒がり」が同じ部屋にいる場合は、あまり「合わない」機能性ではあります。
この点に関するAtlasの願望を言えば、将来的に、顔認証ができるカメラセンサーで、「家族のだれが風が苦手か?、暑がりか?」までAIが把握できる機能性と、声紋認証ができるマイクで、「風をあてて欲しいか否か」の微調整をエアコンにできる機能性とが共に実装されれば、より便利だとは思っています。
自動お掃除機能は、付属です。
ダストボックス式で、10年間相当の大容量なので、ゴミ捨て不要とされます。
ただ、捨てないのはあまり清潔ではない気はします。
空気清浄機能は、ピュアミストという機能性があります。
水に高電圧をかけてナノレベルの水粒子をエアコンから放出し、空気中の禁などを抑制するとします。
フィルターではなく部屋への「放出型」なので、シャープのプラズマクラスターや、パナソニックのナノイーと同じです。
ただ、ピュアミスト(電気を帯びた大きめの水粒子)」なので、発生条件は厳しめ(18〜30℃で、湿度35〜90%)です。
プラズマクラスターはもちろん、同じ水イオン系のパナソニックのナノイー(5〜35℃で、湿度30〜85%)に比べても、狭いです。
ようするに、実質的に、オンシーズンで、エアコンを使っていない状況で、単独運転しても効果性は見込めないといえます。
花粉も、25㎥(約12畳)の密閉空間で抑制まで3時間ですので、単独での花粉対策は無理なのはもちろん、補助としても微妙です。
ニオイも(荒い水分子は吸着しにくいので)同じことが言えます。
一方、ピュアミストを送風利用した際に、肌や髪が「潤う」という機能性も示されます。
まあ「風あて」した際より「(保湿)風よけ」した方が肌が乾燥しないこと、「風よけ」した状態で、ミスト(水分子)を放出したら、より保湿されるだろうことも、当たり前でしょう。
ただ、こうした機能性が有用なのは、肌が乾燥する暖房運転する冬場と言うことをふまえると、加湿器なり、「加湿機能」がある他社のエアコンを買った方がより「肌に良い」かと思います。
あえて言えば、加湿器を利用しない時期に(保湿面の保険で)利用するならば良いかもしれませんが、エアコンを送風状態にしておく必要があるのは、邪魔くさいでしょう。
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結論的にいえば、おそらく、(ダイキンやパナソニックなど)加湿機能を持つエアコンに対する、宣伝上の「対抗策」的な機能性といえ、あまり魅力には思えません。
それらとは、根本的に質が異なるものです。本機を選ぶとしても、ここは、選ぶ際のポイントにならないです。
清潔性は、フィルターの抗菌、撥油、ウイルス抑制加工と、熱交換器、ファン風経路、フラップの、油汚れ・防かび加工は見られます。
この部分が突出して強い日立を除けばそれなりの水準です。
内部クリーンは、一方、三菱重工と仕組みは似ていて、防かび効果がある低濃度オゾンを利用しています。発生方式は、先述の「ピュアミスト」と共通です。
なお、同社の場合、最終的に必ず加熱乾燥を伴う仕様ですが、本機は(とくにニオイがしやすい)「送風運転」に先述の機能性(ピュアミスト)を持たせる機種ですし、これくらい徹底していた方が良いと思います。
そのほか、シーズンインの際など、利用前にニオイを脱臭したい場合に有効な30分間の「スタート脱臭」機能などがあります。
なお、三菱重工の場合と同じで、低濃度オゾンを利用する場合、微量の「オゾン臭」がする場合があります。気になる方は、注意してください。
ピュアミスト利用時も、その可能性はあります。
ネットワーク機能は、Wi-Fiを装備します。
他社同様に、外出先からその操作に対応します。
三菱電機の場合、先述の用に、脈波計測による「エモーションマップ」を見られたり、部屋のサーモグラフィを見られる部分で、他社に比べても面白みがあります。
動体に追随はしませんが、外出先から、熱画像をタッチして、ペットの居る場所に熱を送るなどの操作も可能でしょう。
酷暑対応は、室外機の吹き出し口温度50度対応です(STRONG冷房)。
問題ないです。
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以上、 三菱電機のZシリーズの紹介でした。
後ほど見る東芝と同じで、センサーによる「センシング」がポイントとなる製品です。
この部分が良い場合、「風あて」「風よけ」部分に精度が出るので、エアコンの風が苦手という方は、三菱は候補になります。
その上で、除湿部分も(三菱や日立も良いものの)オールシーズン実用的に使える再熱除湿と、夏向きの弱冷房除湿を併用する「さらっと除湿冷房」や、設定温度到達後に、(体が冷える)送風を止めた状態で除湿ができる制御ができる部分で、見どころがあります。
一方、空気清浄、加湿(保湿)、清潔性の部分については、他社にもっとよい機種はありそうです。
また、基本となる冷暖房能力も、若干他社に比べてスペックが弱いのも目に付くところではあります。
次回に続く
高性能エアコンのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は、エアコンの比較の9回目記事でした。
記事はまだまだ「続き」ます。
9・高性能エアコンの比較 (4)
9-1:シャープ
9-2;東芝
予算:10万円〜
10・エアコンのおすすめ 【まとめ】
=最終的なおすすめの提案【結論】
続く9回目記事(こちら)では、シャープと東芝の高級エアコンを見ていきます。
冷房能力 ★★★★★
暖房能力 ★★★★★
気流制御 ★★★★★
スマホ連携 ★★★★★
異常気象対応 ★★★★★
カビ臭対策 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回となる、結論編(こちら)では、ここまで紹介してきた全機種から、Atlasのおすすめといえる機種を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
9回目記事は→こちら!
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