1回目記事からの続きです→こちら
3-1・JBLのヘッドホン
3回目記事のトップバッターは、アメリカのJBLのBluetoothヘッドホンです。
音質的には、伝統的に(迫力より)ボーカルの聴きやすさなど中音域を大事にしてきた印象があるメーカーです。
1・Bluetoothヘッドホンの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:ソニー〈日本〉
1-3:BOSE〈米国〉
2・Bluetoothヘッドホンの比較 (2)
2-1:Apple〈米国〉
2-2:Beats〈米国〉
2-3:パナソニック〈日本〉
2-4:ヤマハ〈日本〉
2-5:オーディオテクニカ〈日本〉
3・Bluetoothヘッドホンの比較 (3)
3-1:JBL〈米国〉
3-2:Anker〈米国〉
3-3:SHURE〈米国〉
3-4:Scallcandy〈米国〉
4・Bluetoothヘッドホンの比較 (4)
4-1:ゼンハイザー〈ドイツ〉
4-2:B&W〈英国〉
4-3:ダイソン〈英国〉
4-4:B&O〈北欧〉
4-5:Philips〈オランダ〉
4-6:AKG〈北欧〉
5・Bluetoothヘッドホンの比較 (5)
5-1:NTTソノリティ〈日本〉
5-2:JVCビクター〈日本〉
5-3:AVIOT〈日本〉
5-4:final・Edifier・Sonos ほか
6・Bluetoothヘッドホンの比較 (6)
6-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿いながら各機をみていきます。
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また、以下の本文では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2025年発売】
(トランスミッター付属):黒のみ
25・JBL TOUR ONE M3 TX JBLTOM3AVIBL
¥52,000 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
(トランスミッターなし)
25・JBL TOUR ONE M3 JBLTOURONEM3BLK
25・JBL TOUR ONE M3 JBLTOURONEM3
25・JBL TOUR ONE M3 JBLTOURONEM3LTT
¥45,900 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
【2023年発売】
(トランスミッターなし)
25・JBL TOUR ONE M2
¥28,700 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:(10Hz-40kHz)
ドライバー: 40mm
コーデック: SBC AAC LDAC LC3
3D音響:対応(自社方式)
個人最適化:対応
連続再生時間:30時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:278g
JBL TOUR ONE M3は、米国のJBLの発売するワイヤレスヘッドホンの上級機です。
こちらは、タッチディスプレイ付属のトランスミッター(JBL Audio Transmitter for JBL Tour One M3)が付属するモデルがあります。
スマホやゲーム機とUSB-C接続をして、電波をヘッドホンに飛ばせます。そのほか、パネルで一部の設定操作ができます。なお、トランスミッターも充電式になります。
飛行機などのエンタメ機器などのBluetooth非対応機器、あるいは、特定のコーデック非対応のパソコンなどに、つなげたい場合に便利でしょう。
なお、非対応機でも、本機はDAC内蔵なので、有線状況なら使えると言うことは付記しておきます。
一方、旧機が残ります。
比較する場合、今年はノイキャンがリアルタイム補正対応の「新世代」になったほか、カップ形状とドライバ素材の見直し(発泡マイカの採用)がありました。
そのほか、立体音響(空間サウンド)でシーンが選べられるようになったほか、ヘッドトラッキングにも対応になっています。SocもLDAC対応で「ハイレゾ級」になっています。
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結論的にいえば、音質、音源について結構な性能差なので、旧機を選ぶとしても「下位機」であることはふまえたほうが良いでしょう。
本体の重さは、278gです。
大手の上級機と同じほどの重さです。若干カップは大きめに見えます。
再生周波数帯域は、10Hz-40kHzです。
ギリギリですが、ハイレゾ対応水準です。
旧機だと、ハイレゾはパッシブ(有線)時のみでしたが、今回はLDAC対応なので、問題ないです。
ドライバーは、40mmです。
以前だと「平均的」と書くところです。
しかし、最近だとカップが小さめの製品が多くなった関係で40mmない製品も多いですし、「少し大きめ」と言えるかもしれません。
素材は、旧世代は、PU(ポリウレタン)とLCP(液晶ポリマー)でしたが、軽量で剛性の高い発泡マイカに変わりました。
据置スピーカー素材としては古典的ですが、ヘッドホンだと珍しい気もします。
Bluetoothコーデックは、SBC・AA・LDAC・LC3です。
先述のように、現行機はハイレゾ対応です。
通信安定性の部分では、Bluetooth5.3なので、問題ないです。
音質のパーソナライズは、他社とはことなる方式ですが、充実します。
年齢・性別と「静か」と感じる騒音レベル、左右の周波数帯域ごとの聞こえ状況を入力し、細かいサウンドプロファイルをつくる機能があります(Personi-fi 3.0)。
この方式の場合、左右の耳、あるいは周波数帯域ごとの「聞こえ」の問題があるかたには、わりと重宝に感じるでしょう。
なお25年機からは、リアルタイムでの調整にも、ソニーなどとおなじで対応です(リアルタイム適応)。
なお、旧機のM2だと、プロファイル設定だけでした(Personi-fi 2.0)。
立体音響は、一方、本機は、「JBL空間サウンド」という名前で対応があります。
BOSE同様、専用音源が必要というわけではなく(イコライザ的な処理として)通常の音源を、独自の計算で「立体音響」にするというものです。
また。2025年モデルは、ヘッドトラッキング対応になりました。
映画やゲームでも立体音響を楽しみやすくなりました。
曽爾ともなって、ゲーム・音楽・映画と、空間サウンドのモード調整もできる用になっています。
ノイズキャンセリング機能は、搭載です。
旧機は左右合計6マイクでしたが、新機種から8マイクでの処理です。
長いですが、「リアルタイム補正機能付きハイブリッドノイズキャンセリング 2.0」という機能名です。
JBLの場合、旧機でもリアルタイム補正ができましたが、処理可能な情報量が増えた結果、キャンセル量がより高まりました。
パーツベースで言えば、旧機(TOUR ONE M2)の場合、クアルコムの「第4世代 Adaptive ANC」(QCC514x )だったと思われます。しかし、今回、「第3世代 Adaptive ANC」(QCC307x )に更新されたようです。
なお、既に見たソニーの最上位機や、2024年登場のクアルコムの「第5世代(QCC309x )」Socだと、6マイクでの処理も可能ですので、そちらには及びません。
とはいえ、それに次ぐ水準です。
オーバーヘッド型がそれ自体パッシブな「耳せん」の役割を果たしますし、一般的に言えば、これでも十分以上でしょう。
なお、マイク自体は通話用を含めた総計10個です。
外音取込モードは、対応です。
また、リアルタイムで状況が見れるので、チャットなどの短い会話の際に、音声に反応し、再生ボリュームを一時的に下げ、マイクを起動する機能(スマートトーク)が利用できます。音楽を消さずとも会話できるので、オンラインゲームなどをする場合も、楽でしょう。
連続再生時間は、ノイキャンONで40時間です。
そのほか、GoogleとAmazon系の音声AIに対応できる機種となります。
マイクは、通話用には4マイクを使います。
ビームフォーミング対応で、Soc由来ですがAIによるノイズ低減アルゴもあります。
通話品質は良好でしょう。
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以上、 JBL TOUR ONE M3 の紹介でした。
音響大手の製品で、大きめのドライバーを採用する機種です。
ノイキャンもソニーの最上位機を除けば、オーバーヘッド型では強いと言って良いです。
音質のパーソナライズ(Personi-fi 3.0)に対応する上で、ハイレゾほか、立体音響も、ヘッドトラッキングを含めて対応する点も、網羅的です。
大手各社の最上位機だけで言えば「安め」ですし、費用対効果は高そうです。選んでもよいでしょう。
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【2023年発売】
26・JBL LIVE 770NC
¥16,820 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:(20Hz-40kHz)
ドライバー: 40mm
コーデック: SBC AAC
3D音響:対応(自社方式)
個人最適化:対応
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:50時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:256g
なお、本機の下位機となるのが、JBL LIVE 770NCです。
大きく異なるのは、外装です。
バンド部分を含めて、若干「若者向き」というか、ポップなデザインにすることで、コストを下げています。
音質の部分では、ドライバーも40mmと同じです。
ただ、素材と構造は上位機と替えているようです。
低音部分の周波数帯域のスペックが20Hzとすこし「落ちて」います。
空間オーディオは、対応ですが、ヘッドトラッキングができない世代です。
音質のパーソナライズ)も、リアルタイム分析ができない旧世代(Personi-fi 2.0)です。
ノイキャンも、クアルコムの旧世代(第3世代 Adaptive ANC)で、片側4マイクです。
悪くないにせよ、騒音の減衰率はやや落ちるでしょう。
外音取り込みは、可能ですが、スマートトークは対応しません。
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結論的にいえば、1つ上でみた、上位機の旧機(JBL TOUR ONE M2)と比べても、とそこそこの値段差があり、安めです。
また、外観は大きく変わりますが、そちらとの機能差はそこまでないようにも思います。
この価格帯の製品としては、ノイキャンの精度も良く、空間オーディオも対応している部分で、費用対効果の部分で魅力があります。
ただし、若向きのデザインである点と、BTだと、ハイレゾ対応水準にならない部分は注意点です。
【2023年発売】JBLT770NCBLK JBLT770NCWHT
27・ JBL Tune 770NC
¥15,840 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC LC3
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:44時間
ノイズキャンセル:Wマイク式
有線接続:
重さ:232g
JBL Tune 770NC E は、米国のJBLの発売するワイヤレスヘッドホンです。
グレードとしては、 JBL Quantum 910 Wireless の下ですが、ヘッドセット的ではなく、また軽めですし用途性自体が違うと考えた方が良いでしょう。
本体の重さは、232gです。
本機のドライバーサイズを考えれば、割と優秀です。
ドライバーは、40mmです。
素材は不明ですが、最近はこのパターンがどこも多いです。
音質は、JBLについては、中音域を重視しつつ、低音を無理のない範囲で強化する方向性です。
これは、各機に共通します。
音質のパーソナライズは、特段機能性を持ちません。
Bluetoothコーデックは、SBCとLC3です。
なお、LC3は、LE Audioの標準規格になるコーデックで、SBCに置き換わるだろう、高圧縮率のコーデックです。
遅延が少ないことが特徴でゲームやTV向きですが、ハイレゾには対応しないです。もちろん、送信機器側の対応も必要です。
立体音響は、特別な対応表明はないです。
再生周波数帯域は、一方、20Hz-20kHzです。
ハイレゾにはしたがって非対応です。
通信安定性の面では、Bluetooth5.0に対応します。
連続再生時間は、ノイキャンを利用して、44時間です。
ノイズキャンセリング機能は、Wマイク式です。
ただ、アダプティブなリアルタイム分析は伴わないものです。
ただ、パッシブな遮音性もあるオーバーヘッド型ヘッドホンならば、この程度あれば、現行水準の中級機として問題ないでしょう。
マイクは、搭載です。
外音取込モードは、2モード搭載です。
一般的なヒアスルー(トークスルー)と、歩行時などに音を安全に下げる、アンビエントアウェアモードを搭載です。
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以上、JBL Tune 770NC の紹介でした。
比較的安めながら、40mmのドライバー、Wマイク式のある程度しっかりしたノイキャンを装備しつつ、わりと軽めです。
外観はカジュアルなので世代を選びそうですが、スペック的にバランスが取れていて良い製品に思います。
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【2023年発売】
28・JBL Tune 520BT
¥6,434 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
【2020年発売】
28・JBL Tune 510BT
¥6,750 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
ドライバー: 33mmドーム型
コーデック: SBC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:57時間
ノイズキャンセル:
有線接続:
重さ:157g
一方、JBLについては、普及機となるTune 510BTというラインもあります。
その旧機種もありますが、少し重めで、バッテリー量が少なくなります。Bluetoothのバージョンも古くなります。
こちらは、ドライバーが33mmと小さめで、形状としても、小さめのオンイヤーです。
音質の傾向は、中音域重視で低音域もそこそこ出るタイプですが、ドライバの限界もあり、高音域は、やや「おとなしい」とは、言えます。
【2022年発売】
29・JBL Quantum 910 Wireless
¥31,200 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:(20Hz-40kHz)
ドライバー: 50mm
コーデック: SBC Wi-Fi
3D音響:対応(JBL QuantumSPHERE 360)
個人最適化:
連続再生時間:39時間
ノイズキャンセル:1マイク式
有線接続:対応
重さ:420g
JBL Quantum 910 Wireless は、米国のJBLの発売するワイヤレスヘッドホンです。
だだし、正確には本機は「ゲーム用のヘッドセット」で、写真のような収納式のマイクが装備されるほか、遅延対策としてBluetoothほかWi-Fiも装備します。
このジャンルはソニーなども展開します。
「ヘッドセット」はヘッドホンとは違うジャンルとみなされるため、このブログでは見ていません。ただ、JBLのハイエンドは、現在、こちらになるため、試みに紹介しました。
本体の重さは、420gです。
軽くはないです。
再生周波数帯域は、20Hz-40kHzです。
ギリギリですが、ハイレゾ対応水準です。
ただ、パッシブでの表記なので、Wi-Fiで使う場合は、ヘッドホンのアンプを使う(アクティブ)なので、ハイレゾ非対応ということのようです。
3.5mmケーブルでつなげた場合の話です。
ドライバーは、50mmです。
ゲーミング用ということもあり、大きめです。
むろん、爆発的な低音域を出すためで、ゲーミング用に最適化されたチューンです。
一方、素材などの説明はないですが、ドライバの周波数特性自体はハイレゾ対応とのことです。
Bluetoothコーデックは、SBCのみです。
この部分で言えば、本機は、本質的にはWi-Fiでつなげる必要があると言えます。3.5mmステレオケーブルでもつながりますが。
音質のパーソナライズは、特段機能性を持ちません。
立体音響は、JBL QuantumSPHERE 360で対応です。
Apple系同様、頭の動きに追随するヘッドトラッキング対応です。
ジャイロとマイクを利用して、利用者の頭の向きに連動して、立体音響の方向性を正しく調整する技術です。
音源は、Netflixなどを含め、多チャンネルデータ(5.1ch 7.1ch)の仮想サラウンド再生(JBL QuantumSURROUND)もできます。
ただし、添付のドングルで、PC(Win)とつなげた上で、専用ソフトを介しての処理になります。したがって、ゲーム機やスマホでは対応できないことになります。
この部分は、Appleとの方向性の違いですが、本機はゲーミング用なので用途的にはこれでよいのかとも思います。
ノイズキャンセリング機能は、本機も搭載です。
同社の場合、Wマイク式はハイブリッドANCと記載されることからすると、1マイク式でしょう。
ただ、ゲーミング用、室内用なので、これで良いのかと考えます。
外音取込モードは、ないです。
ゲーム用なので、ライティングは可能です。
連続再生時間は、ライティングを利用しない状態で39時間です。
Wi-Fiでもあまり短くならないような書き方です。
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以上、 JBL Quantum 910 Wireless の紹介でした。
(当たり前ですが)ゲーム専用で、ゲームに最適化された音質です。多チャンネルデータやヘッドトラッキングを活かせるのも、実際PCだけである部分が注意点でしょう。
音質的にもヘッドセットは、ゲーム(没入感)重視なので、映画視聴との兼用は可能ですが、音楽用との兼用は、さほど向かないでしょう。
3-2・アンカーのヘッドホン
続いて、米国のアンカーのBluetoothヘッドホンです。
日本では、バッテリーメーカーとして知られますが、吸収した音響メーカーのZoloの製品を原点として、この分野でもプレゼンスがあります。
【2024年発売】
30・ANKER Soundcore Space One Pro A3062N11
30・ANKER Soundcore Space One Pro A3062N21
¥26,990 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:20Hz-40Hz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC, AAC, LDAC
3D音響:対応(自社方式)
個人最適化:対応
連続再生時間:40時間
ノイズキャンセル:Wマイク式(自動)
有線接続:対応
重さ:287g
Soundcore Space One Proは、アンカーの密閉型ヘッドフォンの上位機です。
ワイヤレスが、有線接続も可能です。
充電池残量があれば、ノイキャンも利用可能です。
本体の重さは、287gです。
オーバーイヤー型の平均値といったところです。
再生周波数帯域は、20Hz-40Hzです。
業界のハイレゾ認証基準に達しています。
ドライバーは、40mmです。
ドライバーは、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)素材とPU(ポリウレタン)の三層複合振動板です。
イヤホンを含めて採用例が割と多く、例えば、このブログでもNoble Audioのイヤホンで見たことがあります。パナソニックも使っていました。
歪み率の少ない音質であることが強調されます。
音質のパーソナライズは、同社のHear ID(HearID 2.0)に対応です。
同社のTWS型イヤホンで先行採用が見られました。
大手他社でもみられますが、アプリでの調音検査により、聴覚に合わせたフィッティングを行う物です。
通信安定性の面では、Bluetooth5.3に対応です。
最近多い、マルチポイント接続にもしっかり対応します。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACのほか、LDAC対応です。
したがって、ワイヤードでも、ワイヤレスでも「ハイレゾ対応」です。
立体音響は、本機の注目点で、対応です。
正確には「Dolby Audioによる3Dオーディオに対応」との表現です。
ようするに(コンテンツに高さ方面の情報データがある)Dolby Atmosを使える「空間オーディオ」と違い、2Dのデータがイヤホンに入り、独自計算で、3Dサラウンドに仮想化させている独自方式になると思います。
Apple・Sony系以外の大手各社は、自社、あるいは、他社システムを利用して、こうした3Dサラウンド機能を実装してきており、その流れです。
他社でもみられますが、この方式でも、むろん2Dとの違いは分かります。
なお、通信容量の原型で、LDACとの併用は不可です。
連続再生時間は、ノイキャンを利用した場合、50時間です。
LDACとノイズキャンセリング利用時の数字だと37時間ですが、長いと言えます。
バッテリーメーカーらしいと言えます。
ノイズキャンセリング技術は、搭載されます。
「ウルトラノイズキャンセリング3.5」という名前です。
型番の付け方からすると、2020年登場のクアルコムの「第3世代 Adaptive ANC」(QCC307x )の改良版でしょう。
いずれにしても今回使っている区分では、Wマイク式(自動)です。
片側3つのマイク(内側・外側1)を装備し、搭載AIがその情報を解析します。周囲の状況にあわせて、(あま多くないですが)毎分180回をスキャンできる、Adaptive ANCの水準ですので、ヘッドホンだと高度です。
正確に言えば、毎分180回という分析回数は、リアルタイム分析としては、さほど多くもないです。ただ、この部分のスペックは、全企業が出しているわけではないですし比較はできません。分析する部分はやはりワンポイントです。
先述のHear IDのデータの付け合わせまではしませんが、ヘッドホンの場合、それでも良い気がします。
外音取込は、可能です。強度は5段階調整です。
右耳にタッチでの切替です。マイク搭載でハンズフリー通話もできます。
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以上、アンカーのSoundcore Space One Proの紹介でした。
性能面では、空間オーディオとパーソナライズ部分で、大手各社に見られる上位装備を備えます。
その上で、アンカーらしく新技術を安めに楽しめるようにした部分でお買得感もあります。
3Dサラウンドの部分は、ただ、音源のもつ立体音響をふまえた処理・調整に言及がない部分で(言い方が難しいですが)「真の空間オーディオ」と言えない部分はありま。
それでも、安いことは間違いないですので、新技術を値頃な値段で楽しみたい場合、こうほにできるでしょう。
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なお、ANKERはもう少し安めの下位機が他にもあります。
簡単に見ておきます。
【2022年発売】
黒 A3040011 白 A3040021 青 A3040031
31・ANKER Soundcore Space Q45 A3040011
¥14,990 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:20Hz-40Hz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC, AAC, LDAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:50時間
ノイズキャンセル:Wマイク式(自動)
有線接続:対応
重さ:293g
第1に、ANKER Soundcore Space Q45 です。
先ほどの機種がでるまで、同社の上位機だった製品です。
本体の重さは、293gです。
先ほどの上位機とさほど変わりません。
ドライバーも、同じ、40mmです。
ただし、素材的な説明はない二層振動板ドライバーです。
音質のパーソナライズ・立体音響は、非対応です。
ノイズキャンセリング技術は、搭載されます。
こちらはWマイク式(自動)です。
ただし、旧式で、ウルトラノイズキャンセリング2.0という名前です。。
本機もクアルコムのBluetooth Socの機能性を利用しますが「 第2世代 Adaptive ANC」です。
この場合も、ヘッドホンの装着状況はふまえますが、リアルタイム分析は騒音部分のみで、装着状況のリアルタイム分析はなしませんので、性能面で差があります。。
あとは、言及したい違いはないです。
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結論的にいえば、上位機と比べると、3Dオーディオが楽しめない部分はありますが、値段は相当安めです。
ハイレゾ対応水準で、ドライバーも大きめである上で、Wマイク式のノイキャンですし、この価格帯の炊きと比べても、機能面でお買得感を感じます。
入門機で言えば、割と良い選択肢と思います。
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【2023年発売】(執筆時在庫なし)
青 A3027032 赤 A3027052 黒 A3027012
32・ANKER Soundcore Life Q35
¥(11,990) Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC, AAC, LDAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:40時間
ノイズキャンセル:Wマイク式
有線接続:対応
重さ:270g
第2に、Soundcore Life Q35です。
Space Q45の下位機にあたります。
新機種と較べる場合、装着時の快適性に関わる部分と、ノイキャンの部分がさらに旧式です。
とくに、ノイキャンは同じくWマイク式ですが、自動調整に非対応です(ウルトラノイズキャンセリング 1.0)。
交通機関、屋外、屋内と3モードをマニュアル選択する形式になります。
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結論的にいえば、 Soundcore Space Q45と値段差以上の機能差があるので、選ぶならば新機種かと思います。
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【2024年発売】
青 A3035011 白 A3035021 青 A303503
33・ANKER Soundcore SPACE ONE
¥10,990 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:20Hz-20Hz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC, AAC, LDAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:55時間
ノイズキャンセル:Wマイク式(自動)
有線接続:対応
重さ:270g
第3に、Soundcore Space Oneです。
Space Q45 Q35の下位機ですが、発売が新しいので、別ラインと理解するべき製品です。
Q45と較べる場合、外装部分が少しカジュアルです。
音質部分は、一方、ドライバサイズは同じです。
周波数帯域の部分の数字がことなり、高音域がハイレゾ水準表記ではないです。
販売店側の情報だと(おそらくLDAC採用の関係で)ハイレゾともありますが、振動板自体の構造(二層振動板ドライバー)表記もないので、音質部分では、上位機に及ばないようです。
ノイズキャンセリングは、一方、Wマイク式です。
自動調整に対応(ウルトラノイズキャンセリング 2.0)ですので、この部分では、Q35以上で、Q45と同等です。
あとは、発売時期の関係で、Bluetooth 5.3対応で、安定度が増した部分が目につく程度です。
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結論的にいえば、外観のカジュアルさとノイキャン部分の優秀さはありますが、音質に注目するならば、やはりQ45と言えます。
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【2024年発売】
黒 A3028013 青 A3028033 赤 A3028053
34・ANKER Soundcore Life Q30 第2世代
¥8,990 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:16Hz-40kHz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC, AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:50時間
ノイズキャンセル:1マイク式
有線接続:対応
重さ:260g
第4に、Soundcore Life Q30です。
こちらは、LDACに対応しない機種です。
ドライバーは、同じサイズですが、コーデックの関係で、有線接続のみハイレゾ対応水準になります。
ノイキャンは、「ウルトラノイズキャンセリング」の記載がないです。
「2マイク」とありますが、ハイブリッド式(Wマイク)か、両側に片方で2つか、書き方が微妙です。おそらく1マイクだと思います。
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【2023年発売】
黒 A3004Z11 青 A3004Z3 白 A3004Z
35・ANKER Soundcore Q20i
¥6,990 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC, AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:40時間
ノイズキャンセル:本文参照
有線接続:対応
重さ:246g
型番からすると下位機種ですが、ドライバーサイズなどの仕様はLife Q30と似ます。
一方、本機は、片側に2つのマイク(総計4)という記載でです。
ただ、イヤホンの内側と外側にそれぞれ配置される(ハイブリットな)Wマイク式なのかは不明です。
また、 交通機関、屋外、屋内などの状況の切替には対応しません。ノイキャン部分のSOCが(ソニー系でなく)クアルコムのユニットなのかなと思います。
ノイズ除去についても、「自動車や飛行機のエンジン音などの低周波ノイズを除去」との表現だけなので、フルレンジのノイキャンではないのかもしれません。
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【2024年発売】
黒 A3012Z11 白 A3012Z2 赤 A3012Z91
36・ANKER Soundcore H30i
¥5,490 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC, AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:70時間
ノイズキャンセル:
有線接続:対応
重さ:183g
第6に、Soundcore H30iです。
同社では「初」のオンイヤーの小型モデルとされます。
音質面では、オンイヤーながら、40mmのドライバーの搭載を「諦めなかった」部分で交換がもてます。デザイン的にもさほど不格好になっていないかなと思います。
発売年が新しいので、Bluetooth5.3ですし、Ankerらしいバッテリー量の充実を含めて、入門機として、堅実な製品に思えます。
ただし、ノイキャンは未搭載ですし、カップサイズと軽さに問題ないならば、同社の上位機の方が、良いかなと思います。
3-3・SHUREのヘッドホン
続いては、米国のShureのBluetoothヘッドホンです。
同社もコアなファンが多いです。従来、Bluetooth方式には保守的でしたが、近年、音質向上が見られて以降は、多く展開をはじめています。
【2023年発売】
37・SHURE AONIC 50 GEN 2 SBH50G2-BK-J
¥49,806 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:20Hz-22kHz
個人最適化:
3D音響:
ドライバー:50mm
コーデック: SBC AAC aptX HD LL LDAC
連続再生時間:45時間
ノイキャン:Wマイク式
有線接続:対応
重さ: 334グラム
SHURE AONIC 50 GEN 2 は、米国のShureの発売する、ノイキャンヘッドホンです。
本体の重さは、334gです。
少し重いです。
形状は写真のように、本機は口径がやや大きなオーバーイヤー型です。
ドライバーは、カスタム仕様の50mmです。
最近のヘッドホンとしては「大きめ」と言って良いです。
接続方法は、Bluetoothです。有線接続も可能です。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・aptX-HD LL Adaotive ・ LDACと、ほぼフル対応です。
立体音響や、音質のパーソナライズは、非対応です。
連続再生可能時間は、最大45時間です。
再生周波数帯域は、20Hz-22kHzというスペックです。
音質は、ドライバサイズから想像できますが、豊かな低音を特徴とします。
高・中音域も聴きとりやすく、クリアです。モニターヘッドホンの延長線上といえ、味付け少なめで、聴き疲れしないタイプです。
バッテリーは、40時間まで保ちます。
ノイズキャンセリング機能は、対応です。
こちらは、アダプティブな自動処理はしないWマイク式にです。
かかりは4段階で調整できますが、リアルタイム分析などの部分で、新機種には劣ります。
ただ、パッシブな遮音性はメーカー柄、高いと言えそうです。
マイクは、搭載です。
外音取り込みも対応です。
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以上、SHURE AONIC 50 GEN 2の紹介でした。
低音域がしっかりありつつ、味付け少なめのモニターヘッドホンという印象です。ノイキャンをマックスに欠けて、音に没入して聴きたい場合、向きそうな製品です。
パッシブな遮音しかなかった時代からのシュアの「特長」といえるこうした要素を、アクティブなノイキャン時代に合わせて構成としたという意味で「シュアらしい」と思いました。
3-4・Skullcandyのヘッドホン
続いて、アメリカのスキャルキャンディのBluetoothヘッドホンです。
ドクロのロゴで有名な、ストリート系のヘッドホンで、2003年ユタ州で創業された比較的新しいメーカーです。
【2023年発売】
38・SKULLCANDY Crusher ANC 2 S6CAW-R740
¥43,800 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
ブラック:S6CAW-R740
ホワイト: S6CAW-R740
ブルー: S6CAW-S795
ピンク:S6CAW-S987
レッド:S6CAW-S801
【2020年発売】
38・SKULLCANDY Crusher Evo S6EVW-N740-E
38・SKULLCANDY Crusher Evo S6CPW-M685-EE
¥32,800 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:40mmドーム型
コーデック: SBC AAC
個人最適化:対応
3D音響:
連続再生時間:50時間
ノイズキャンセル:Wマイク式
有線接続:対応
重さ:332g
SKULLCANDY Crusher ANC 2 は、アメリカのSkullcandyのノイキャン対応ヘッドホンの上位機です。
同シリーズのSKULLCANDY Crusher Evoは本機の旧機です。ただ、ノイキャンに対応しない機種となります。
後述するように、本機はノイキャン部分も「音質に大きくかかわる仕様」なので、新機種のが良いように思います
本体の重さは、332gです。
300gは重さを感じ始める境目なのですが、ややオーバー気味です。
ドライバーは、40mmのドライバーが採用される点以外、情報非公開です。
音質面は、メーカーとしては、ストリート系に好まれるような、低音域に力を入れる傾向があります。
とくに、本機は、同社のセンサリーベース技術を採用した機種です。
これは、主に低音域について、(物理的な)振動を強化する技術です(10Hz-200Hz)。「ビートを体で感じる」ことが可能です。「サブウーファー」との表記です。
この部分が、人気の秘密です。
音質のパーソナライズは、「パーソナルサウンドプロファイル(パーソナルサウンド by Mimi)」が言及に値します。
アプリ上の聴覚テストに基づいて、音源再生を最適化できる機能です。こうしたカスタマイズ機能は、搭載する企業が一部に限られるので、ワンポイントと言えます。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACに対応します。
立体音響は、特別な対応表明はないです。
通信安定性の面では、Bluetooth5.2に対応です。
問題ないです。
ノイズキャンセリング機能は、搭載です。
Wマイク式(デジタルハイブリッド式アクティブノイズキャンセリング)ですが、騒音の種類の違いや、装着状況のリアルタイム分析処理はなしません。
本機の場合、センサリーベースの反響音を打ち消す意味もあり、音の邪魔をしない「振動」を味わえる、と言うのが1つの売りになります。
外音取り込み機能は、搭載です。
マイクも搭載です。
ノイズリダクションも対応します。
稼働時間は、50時間です。
一方、ユニークといえる機能は、忘れ物防止タグの「Tile」内蔵です。スマホとペアリングしておけば、Bluetoothの送信範囲(45m)ほどで、置き忘れた場所を探すことが可能です。
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以上、SkullcandyのSKULLCANDY Crusher ANC 2 の紹介でした。
センサリーベース技術の作用で、音楽を体感するという部分で、オリジナリティがある製品です。
高度なノイズキャンセラで没入感を高めつつも、音の振動を感じたい人にはとくにおすすめです
次回の予告
Bluetoothヘッドホンのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、Bluetoothヘッドフォンの比較の3回目記事でした。
しかし、記事は、まだまだ「続き」ます。
4・Bluetoothヘッドホンの比較 (4)
4-1:ゼンハイザー〈ドイツ〉
4-2:B&W〈英国〉
4-3:ダイソン〈英国〉
4-4:B&O〈北欧〉
4-5:Philips〈オランダ〉
4-6:AKG〈北欧〉
5・Bluetoothヘッドホンの比較 (5)
5-1:NTTソノリティ〈日本〉
5-2:JVCビクター〈日本〉
5-3:AVIOT〈日本〉
5-4:final・Edifier・Sonos ほか
6・Bluetoothヘッドホンの比較 (6)
6-1:最終的なおすすめの提案【結論】
続く4回目記事(こちら)では、ゼンハイザーなどの海外ブランドのBluetoothヘッドホンを引き続きみていきます。
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
ノイズキャンセル ★★★★★
ハイレゾ再生 ★★★★★
空間オーディオ再生 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回の結論編(こちら)では、ここまで紹介してきたBluetoothヘッドホン全てから、価格別・目的別にAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
4回目記事は→こちら