【今回レビューする内容】2024年 打ちやすく疲れない!Mac向け高級キーボードの性能とおすすめ・選び方:日本語・英語US配列対応:MacでのWindows用キーボードの利用法 Karabiner-Elementsの使い方 設定方法:人気機種の性能の違いと性能ランキング
【比較する製品型番】 東プレ REALFORCE for Mac R3HG11 R3HG21 R3HH11 R3HH21 R3HE11 R3HE21 R3HF11 R3HF21 R2TL-JPVM-BK SA R2TLSA-JP3M-BK R2TLSA-JP3M-WH R2TLSA-JP4M-BK R2TLSA-JP4M-WH Apple Magic Keyboard MXCL3J/A MXCL3LL/A MXCK3J/A MXCK3LL/A MX MECHANICAL MINI for Mac KX850MSB KX850M KX800M KX800 KX700MPG Matias Tactile Pro Keyboard for Mac FK302-JP MX KEYS S for Mac KX800sMSG ほか
今回のお題
打ちやすい!Mac向けのキーボードのおすすめはどの機種?
どもAtlasです。
今回は、2024年11月現在、最新のMac配列のキーボードの比較です。
Atlasは、仕事柄、60機以上のキーボードをこれまで試しています。
これまでの経験を活かして、標準のApple Magic Keyboardより、打ち心地の良製品をいろいろ提案していくつもりです。
1・Mac対応キーボードの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:Apple
1-3:ロジクール
1-4:Matias
1-5:東プレ
2・Mac対応キーボードの比較 (2)
2-1:KeyChron
2-2:アーキス
2-3:Windowsキーボードの利用法
2-4:最終的なおすすめ機種の提案【結論】
記事では、はじめに、Mac特有のキーボードの選び方の基本(注意点)を説明します。
その上で、東プレの RealForce R3 for Macや、Keychron K8などを含めて、メーカーごと各製品を比較します。
また、Windows専用キーボードを、Macで利用する方法(ソフトマクロ)も含めて、これからキーボードを買う方に役立ちそうな情報も、いくつか提供するつもりです。
キーの軽さ ★★★★★
打鍵の正確さ ★★★★★
静音性 ★★★★★
打ちやすさ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
最後の「結論編」(こちら)では、予算別・目的別に、Atlasのおすすめ機種も提案するつもりです。
よろしくお願いします。
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1・東プレ高級キーボード【日本語】
2・東プレ高級キーボード【英語】
3・FILCO マジェスタッチ
4・キークロンのキーボード
5・Bluetooth無線キーボード
6・Mac配列のキーボード
7・プログラマー向けのHHKB
8・おすすめキーボードの選び方【結論】
今回の記事は、このブログのキーボードの比較記事の、6回目記事として書きました。
1-1・Mac用キーボードの選び方の基本
はじめに、Mac対応キーボードの「選び方の基本」の紹介からです。
Atlasもですが、皆さんは(もともと付属していた)AppleのMagic Keyboardに「不満足」だからこの記事を開いているのだと思います。
ただ、他社機を選ぶ場合、大半のPC用キーボードは、Windows向けとして設計されている点に注意が必要です。
例えば、Macの「日本語配列のキーボード」は、日本語入力と英語入力を切り替えるための「英数」「かな」キーがあります。
しかし、Windowsは、この部分が「変換」「無変換」キーです。
これらに互換性がないので、Macでは「英数」「かな」キーとして働きません。
ほかにも一部の記号(@)が、キーボードの刻印とずれているという問題もあります。
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1・Mac専用(対応)キーボードの利用
2・Windows用をソフト処理で利用
結論的に言えば、この問題を解決するためには、2つの方法が考えられます。
選び方において大事な部分なので、順番に解説しておきます。
第1に、Mac専用設計の他社製キーボードを利用する方法です。
最近では、東プレReal Forceほか、高級なメカニカルスイッチを採用した、「高品質モデル」が増えています。
そういったものをチョイスするのが、最もスマートで確実な方法です。
とくに、初心者ならば、この方法がベストでしょう。
一方、Bluetooth式に限りますが、「Mac対応」といえる製品も存在します。
この場合、Windows・iOS・Androidなど他のOSと共用で、そちら用のキー刻印もありますが、英数」「かな」キーなど、Mac用キーを「専用設計」の製品と同じように使うことできます。
このタイプも、今回の記事でフォローしています。
第2に、Windows専用の製品を利用する方法です。
有志が作っている「キーマッピングを変更できるソフト」を使って、Macに対応させる方式です。
この場合、フィルコの「マジェスタッチシリーズ」など、各社のWindows用の高品質な日本語キーボードが使えます。ただし、Mac側の仕様の限界で、USB有線接続のみ対応できます。
上級者向けの方法ですが、今回の記事では方法を含めて詳しく紹介するつもりです。
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以上、Mac対応キーボードの「選び方の基本」の紹介でした。
1・Mac対応キーボードの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:Apple
1-3:ロジクール
1-4:Matias
1-5:東プレ〈日本語〉
2・Mac対応キーボードの比較 (2)
2-1:東プレ〈英語〉
2-2:KeyChron
2-3:アーキス
3・Mac対応キーボードの比較 (3)
3-1:Windowsキーボードの利用法
3-2:最終的なおすすめ機種の提案【結論】
以下の記事では、以上の順番でメーカーごと各社の製品をみていきます。
そのあとで、Windows用キーボードを、リマップして使う方法をみていくつもりです。
変則的な構成ですが、よろしくお願いします。
1-2・AppleのMac用キーボード
はじめに、Appleの純正キーボードからです。
どちらかと言うと「純正が合わない」から探しているという方が多そうですが、 純正だけに「比較基準」となるため、最初に解説しておきます。
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なお、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと感じる部分を青字で記します。
【2024年発売】
【指紋認証なし】
【日本語配列】
1・Apple Magic Keyboard MXCL3J/A
¥14,202 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
【英語配列】
2・Apple Magic Keyboard MXCL3LL/A
¥14,202
【指紋認証あり】
【日本語配列】
3・Apple Magic Keyboard MXCK3J/A
¥20,919 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
【英語配列】
4・Apple Magic Keyboard MXCK3LL/A
¥20,919
キー方式:パンタグラフ式
配列:日本語78キー・英語78キー
接続:Bluetooth 4.0 LE
キーピッチ:19mm
キーストローク:1mm
Fキー:フルサイズ
電池: 充電式(1ヶ月)
サイズ:279x11.49x10.9mm
Magic Keyboardは、Appleが出している純正のキーボードです。
2024年に充電端子が変更(Lightning→USB-C)になった関係で、型番が変わりました。
なお、指紋認証付き(タッチID)がありますが、これは、最近のApple純正のM系プロセッサ搭載Macのみ対応です。
接続方式は、Bluetoothの無線キーボードになります。
この方式はバッテリーが必要です。
付属のUSB-CケーブルでiMacなどにつなげて充電することになります。
約1ヶ月で再充電が必要ですが、充電中もキーボードは利用できます。
キーの方式は、パンタグラフ式です。
ようするに、MacBookを含めた、一般的なノートPCと同じです。
下面全体にメンブレンシートがひいてあり、その上に写真のようなパンタグラフ構造のバネがある形です。
Appleが独自の改変をしているので「改良型シザー構造」と呼ばれます。
キーピッチ(キーとキーの間隔)は、一般的な19mmです。
キーストローク(押し下げ幅)は、しかし、約1mmです。
パンタグラフ式でも、もう少しストロークのあるものはあります。そういったものはよりしっかりしたクリック感があります。
本機の場合は、イマイチです。
キーの押し味は、ストローク問題を除くと、値段からすると良質です。
ただ、その部分で、長時間使う場合には押し間違いが発生しやすいです。
さらに、足が付属せず、角度調節ができないため、机にべたっと手を付けて使うことになります。アームレストが使えないので、手がとても疲れます。
そのほか、Bluetoothキーボードでは、採用例が多いキーボードバックライトも、Appleは非装備です。
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以上、AppleのMagic Keyboardの紹介でした。
公平を期して言えば、キー部分の品質については、本機は「悪くない」です。
1万円以下のキーボードだけで言えば、良質で「打ちやすい」と言えます。
しかし、iPad用としても売っている関係もあり、キーストロークが短い点、角度調整ができない点が劣ります。
デザイン性は良いものの、残念ながら、パソコンで長時間使う場合は、疲れやすい機種と言わざるを得ないでしょう。
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【2021年発売】
【指紋認証なし】
【日本語配列】
5・Apple Magic Keyboard MQ052J/A
¥16,121 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
【2024年発売】
【指紋認証あり】
【日本語配列】
6・Apple Magic Keyboard MXK73J/A
7・Apple Magic Keyboard MXK83J/A
¥24,758 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
【US配列】
8・Apple Magic Keyboard MXK73LL/A
8・Apple Magic Keyboard MXK83LL/A
¥(24,758) Amazon.co.jp (11/13執筆時)
キー方式:パンタグラフ式
配列:日本語・英語109キー
接続:Bluetooth 4.0 LE
キーピッチ:19mm
キーストローク:1mm
Fキー:フルサイズ
電池: 充電式(1ヶ月)
サイズ:279x11.49x10.9mm
なお、本機は、テンキー付きのフルサイズもあります。
基本的に、省スペース型と同じで、角度調整ができない点と、キーストロークが短い点に、問題があります。
こちらは、AppleのMagic Trackpaと高さを合わせるため、このようなデザインになったのでしょう。
やはり、今回の比較の主旨からは、あまりおすすめできません。
1-3・ロジクールのMac用キーボード
続いて、ロジクール(Logicool)です。
スイスに本部を置く、世界的なPC周辺機器メーカーです。
同社はもうすこし安い「MacとWindowsとの兼用」モデルもありますが、それは後回しにして、ここでは、Mac向けの高性能機だけ見ます。
【2023年発売】
【日本語配列】(Windowsとの共用)
9・ ロジクール MX KEYS S KX800sGR
10・ ロジクール MX KEYS S KX800sPG
¥19,800 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
配列:日本語112キー
【2020年発売】
【英語Mac配列】(Mac専用)
11・ ロジクール MX KEYS S for Mac KX800sMSG
¥19,800 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
配列:英語109キー(Mac配列)
キー方式:パンタグラフ式
接続:Bluetooth(Logi Bolt)
キーピッチ:19mm
キーストローク:1.8mm
テンキー:あり
Fキー:フルサイズ(ほぼ)
電池: 充電式(10日間)
MX KEYS for Mac KX800Mは、ロジクールのMac専用設計の製品としては代表的といえるモデルです。
キー配列は、Mac専用設計のほうは「英語配列」です。
そのため、親指で日本語/英語入力を切り替えられる「英数・カナ」ボタンがないほか、「@」の位置などが異なります。
この部分で言えば、同時に見るMX KEYS KX800のほうが、一般のMacユーザー向きです。
Windowsとの共用設計ですが、Macの日本語キーボードとして認識できる上で、Mac用の刻印もあるからです。
接続方式は、こちらは、ワイヤレスです。
Bluetooth接続のほか、上図のような極小のUSBレシーバー(Logi Bolt)対応します。
2.4GHz帯無線ではなく、Bluetoothドングルです。PC内蔵のBluetoothと違い、一対一でつながるので、企業的な情報セキュリティ基準に適うという意味で採用されています。
ただ、Mac用( KX800sMSG)は、このドングルは未装備で、本体のBluetoothを利用することになります。
キーの方式は、パンタグラフ式です。
Appleの純正品と同じで、ノートPCのキーボードと同じです。
キーの押し味は、Apple純正と同じほどに打ち味は良いです。
キーピッチ(キー間の幅)は、19mmで、キーストロークは1.8mmです。
Apple純正のキーボードよりストローク(押し込める長さ)が広めです。
その上で、昔のタイプライターのような独特の溝形状や、筐体に剛性の高いアルミ素材の採用など、打鍵の安定性を確保する仕組みが用いられます。
押し間違いが少なく、高速タイピングには、Apple純正より良い部分があります。
暗い場所用にバックライトも装備です。
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以上、ロジクールのMX KEYSの紹介でした。
パンタグラフ式でとしては、傾斜角度や凹みの工夫で「打ちやすい」と評価できるキーボードです。
打ち味の部分で、Apple純正キーボードと交換する程の差は感じないですが、音楽などをBTでとばしている方は、安定性の面で、USB無線式の本機を選ぶのは良い選択肢ではあります。
【2022年発売】
【英語Mac配列】(Mac専用)
【タクタイル(茶軸)】KX850MSB KX850M
12・ ロジクール MX MECHANICAL MINI for Mac
13・ ロジクール MX MECHANICAL MINI for Mac
¥18,091 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
配列:Mac英語配列84キー
【日本語配列】(Windowsとの共用)
【タクタイル(茶軸)】Tactile Quiet KX850CT
14・ロジクール MX MECHANICAL MINI KX850CT
¥18,091 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
【リニア(赤軸)】Linear KX850CL
15・ロジクール MX MECHANICAL MINI KX850CL
¥18,091 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
【クリッキー(青軸)】Clicky KX850CC
16・ロジクール MX MECHANICAL MINI KX850CC
¥18,091 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
配列:日本語89キー
キー方式:メカニカル式
配列:日本語89キー
接続:Bluetooth 5.0 (Logi Bolt)
キーピッチ:19mm
キーストローク:3.2mm
Fキー:フルサイズ
電池: 10ヶ月(バッテリー)
MX MECHANICAL MINI for Macも、ロジクールのMac専用設計の製品です。
キー配列は、1つ上でみた製品と同じで「英語配列」です。
Macの日本語キーボードとして利用したい場合は、先ほどとおなじ理由で、Windowsとの共用の「MX MECHANICAL MINI」が最適です。Mac用の刻印もあります。
接続方式は、Bluetoothです。
こちらの場合も、Windowsとの共用製品のみ、Bluetooth方式のUSBドングルとなるLogi Boltが付属です。
キーの方式は、メカニカル式です。
Apple純正のようなパンタグラフ式より、ストロークが取れるため、打鍵感が良いです。
メカニカル式は、スイッチの特性で打ち味が変わりますが、本機は3種類から選べます(Mac用は1種類)。
第1に、タクタイル(茶軸)です。
そこそこ静かな打鍵感とクリック感があるタイプです。
クセのない標準的(中間的)な押し味なので、仕事においては最も「一般向け」です。
第2に、リニア(赤軸)です。
クリック感が少ないタイプで、押した際の爽快感(クリック感)がない代わりに、高速タイプできる製品です。押し味は「軽い」です。
第3に、クリッキー(青軸)です。
クリック感が強いかわりに、静音性に課題がある製品です。
ただ、正確性が担保される部分で、仕事でのタイピングには、最も向く特性です。
ストロークは、いずれも約3.2mmとの表記です。
パンタグラフ式と比べるとだいぶ深いです。
メカニカル式だけで言えば、低身長(ロープロ)ですが、ノートPCのキーボードに慣れているかたは、むしろこの程度でも良いかと思います。
キーの押し味は、メカニカル式だと、Apple純正より、はっきりと「打ちやすい」と言えるレベルになります。19mmのキーピッチ(キー間の幅)です。
打ちやすい角度にですし、ここも問題ありません。
ただ、本機は、数字キー周りの配置とFキーの間隔など、詰め込んだ感じでかなり特殊です。
本機も、暗い場所用にバックライト装備です。
ペアリングは、3台まで登録できます。
本機は、Macほか、Win・Chrome・Andoroidに公式対応です。
キーマップは、Logi Options+というアプリで調整できます。
また、OS間を超えてファイルなどの移動ができるお馴染みのLogicool Flowも対応です(上記写真)。
なお、Logicool Flowは、マウスを使って便利な機能なので【ワイヤレスマウスの比較記事】のほうで説明しました。
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以上、ロジクールのMX MECHANICAL MINI for Macの紹介でした。
値段相応に性能が期待できる上で、格好も良い製品です。
ただ、配置が特殊で、ブラインドタッチはしにくい(覚えにくい)部分が、唯一にして最大の難点です。
【2020年発売】(Windowsとの共用)
17・ ロジクール MX KEYS mini KX700
¥16,400 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
配列:日本語83キー
【2020年発売】(Mac専用)
18・ ロジクール Mac Keys Mini KX700MPG
¥16,700 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
配列:Mac英語配列79キー
キー方式:パンタグラフ式
接続:Bluetooth LE
キーピッチ:19mm
キーストローク:1.8mm
Fキー:中サイズ
電池: 充電式(5ヶ月)
KX700MPGも、スイスのロジクールが出す「Mac向けキーボード」です。
正式名称は、「MX KEYS MINI For Mac Minimalist Wireless Illuminated Keyboard」と長大な名前のキーボードです。
接続方式は、本機もBluetoothです。
こちらも、Windowsとの共用版のみ、Logi Boltが付きます(Mac版は別売)。
キーの方式は、パンタグラフ式です。
バックライトも装備されますので、先ほどみたKX800Mとグレードは変わりません。
キーの押し味も、19mmのキーピッチ(キー間の幅)1.8mmのストローク(押し込める長さ)です。
名前通り「ミニサイズ」ですが、数字キーが小さいの部分を除けばキーの変則的な配置はないです。
ただし、キーは「英語配列」です。
親指で日本語/英語入力を切り替えられる「英数・カナ」ボタンがないほか、「@」の位置などが異なります。
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以上、ロジクールのKX700MPGの紹介でした。
テンキーレス機ですが、メインのキーサイズを小さくはしていないため、手が大きめの方でも、打ちにくくはないと言えます。とはいえ、英語キー配列である点は、理解してから買いましょう。
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19・LOGICOOL k480
¥4,000 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
なお、ロジクールについては、1万円台の格安機のBluetoothキーボードの多くが、(基本)Windows用ながらMacでもキー配置通り使えるという「Mac対応」になります。
ただ、(数がありすぎて)煩雑になるため、Bluetoothキーボードだけ比較した、以上の記事でまとめています。
1万円以内の予算で考えたい方には他にも色々ありますので、よろしければご覧ください。
1-4・MatiasのMac用キーボード
続いて、カナダのマティアスのキーボードです。
後で見るように、2019年以降、東プレが「Mac用日本語配列」の高性能キーボードを出しています。
それ以前から、信頼性のあるメカニカルキーボードを展開してくれていたのが、同社になります。
【日本語配列 FK302-JP】
20・Matias Tactile Pro Keyboard for Mac
¥13,262 Amazon co.jp (11/13執筆時)
キー方式:メカニカル式
配列:Mac用日本語111
接続:USB有線
キーピッチ:19mm
キーストローク:3.5mm
Fキー:フルサイズ
電池: 不要
Matias Tactile Proは、カナダのMatiasが発売するMac日本語配列のキーボードです。
輸入取扱いが、近年、プレアデスからダイヤテックに変更されました。
日本語配列モデルほか、英語配列もありましたが、最近在庫がないです。
Anker USB-C & USB 3.0 変換アダプタ
¥999 Amazon co.jp (11/13執筆時)
接続方式は、USB接続方式です。
したがって、新しいMacとの接続の場合、変換アダプタが必要です。
キーの方式は、メカニカル方式です。
この場合、キーごとに個別のスイッチを配置します。
そのため、キーの反応・安定性・打鍵感の点で明確な差があります。
Apple純正キーボードに比べて、「打ち味」で明確に「優る」と言えるのは、このグレード以上でしょう。
ここで、少し昔の話をします。
30年ほど前の過去、Appleは、日本のアルプス電気のメカニカルスイッチを使ってApple Extended Keyboardという「高級」キーボードを出していました。
愛用者が多かったのですが、惜しまれつつも絶版されてしまいました。
しかし、カナダのMatias社が、2000年頃に、このキータッチの再現を目指した「後継モデル」を作りました。
この製品は、そのモデルの子孫です。
ちなみに、アルプス(Alps)は、80年代以降キーボードを開発してきた日本の誇る優良メーカーです(故ジョブズ氏の伝記にも出てきます)。
キーの押し味は、19mmのキーサイズ、3.5mmのキーストロークで、「快適な基準」をクリアしています。
打ち味は、さすがに良く、メカニカルキーボードらしいクリック感も心地よいです。
ただし、打鍵音が結構響くので、夜中に人がいる環境や静かめなオフィスでの利用には向きません。この部分が、この製品の、最大の欠点です。
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以上、Matias Tactile Proの紹介でした。
キーボードは文筆業における「ペン」のようなものです。Atlasは、絶版に備えてこの製品予備も含めて最大5台持っていました。
ただ、2019年に、東プレから「静電容量無接点方式」というメカニカル方式以上に「快適」なキー方式の製品が出たものの、値段の安さは魅力ですし、(それに押されて)再び廃盤にはなって欲しくない製品です。
1-5・東プレMac用キーボード
続いて、日本の東プレのMac向けReal Forceキーボードです。
高級キーボードの草分け的存在ですが、Mac配列の展開は遅く2019年からでした。
しかし、それ以降、Macにおける高級キーボードの「勢力図」が劇的に変わったと言えます。
以下、Mac向きで現状手に入る製品を全機種みていきます。
【2022年発売】【直販限定 日本語配列】
【ALL45g】【APC対応】【静音】【BT接続】
21・東プレ REALFORCE R3 R3HE11【黒/金】
22・東プレ REALFORCE R3 R3HE21【白】
¥37,180 Amazon co.jp (11/13執筆時)
キー方式:静電容量無接点方式
配列:Mac日本語112キー
接続:USB有線 Bluetooth5.0
キーピッチ:19mm
キーストローク:4mm
Fキー:フルサイズ
電池: 単3電池×2(3ヶ月)
REALFORCE R3 R3HE1 は、東プレが販売するMac向けの日本語配列のMac専用キーボードです。
リアルフォースは業務用の高級キーボードの「代名詞的存在」で、長年にわたって人気です。
なお、東プレは内部のスイッチ部分を含めて自社生産できる東証一部の上場のプレスメーカーです。
接続方式は、USB接続ほか、Bluetoothが選べます。
Bluetoothは、安定性の高いBluetooth5.0ですので、それなりに信頼感はあります。
ただ、Mac側のBluetooth5.0対応はだいたい2020年発売機以降からだったので、それ以前のMac場合は、通信安定性が低い下位互換の規格でつながります。
Bluetooth自体、そもそもの回線安定度が低いので、古い機種の場合は特にですが、USB接続をおすすめします。
また、これは、新しいMacも含めての話ですが、音楽の送信にBluetoothを使っている場合は、(Bluetoothの回線が細い関係で)不安定になりがちなので、混在はオススメしません。
これは、他社のBluetoothモデルについても言えます。
Anker USB-C & USB 3.0 変換アダプタ
¥999 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
エレコム Type-C やわらかケーブル 2M
¥1,349 Amazon co.jp (11/13執筆時)
ケーブルは着脱式で、1.8mのUSB-C to USB-Aケーブルです。
キーボード本体側が、USB-Cなので、USB運用したい場合上のようなアダプタを利用するか、あるいは、市販のUSB-C to USB-Cケーブルを増設するかしてください。
バッテリーは、単3電池2本です。
USB-C接続(有線)の場合挿入しなくても使えます。アルカリ電池で約3ヶ月保ちます。一定時間未操作で電源を落とすエコモードを利用する場合、伸ばせます。
これは、同社のBluetooth対応のハイブリッド型の場合、どれも共通仕様です。
キーの方式は、「静電容量無接点方式」です。
ロジクールで見た「メカニカル式」の上位版です。
機械接点のないスイッチなので、耐久性がありへたりにくいです。また、押し返しも正確で、チャタリング問題もありません。
相当長い歴史があり、入力の正確性が求められる銀行業務に「マストアイテム」として、20年以上採用されてきた歴史もあります。
東プレの場合、打鍵音に配慮がある、静音キーと一般的なキーの2系統あります。
Mac用の場合、現行機は静音キーを採用します。
通常のリアルフォースはメカニカル系ではさほどうるさくはないですが、深夜などに利用する場合は有利です。タクタイルなので、静音でも打鍵感はありますし、問題ないです。
打鍵感の良さは、「多少不正確な角度の打鍵でも心地よくキーを返す」点で、仕事用では、全社通しても最上位です。
キーの荷重は、同社製品の場合、以上のラインナップがあります。
ただし、現行のMac用の場合上表のALL45gのみ発売がある状況です。東プレの現行機種では、最も押し味がしっかりしたタイプです。
45gキーを、小指のポジションを含めた全キーに採用します。
この部分で打鍵の正確性を重視したい場合は、最も良い製品で、同社の最近の製品では一般的です。
以前は「変加重式」として、ポジションでキー荷重を換えた製品が標準でしたが、傾向が変わりました。
なお、変加重やより軽い荷重(ALL30)などもMacで利用する方法はあります。サードパーティの「キーリマップソフト」介したやり方です。
各社のキーボードの紹介が全て終わった後、詳しく書くつもりです。
キーの押し味は、19mmのキーサイズ、4mmのキーストロークという「快適な基準」をクリアしています。
キーの印字も摩擦で消えにくい昇華印刷で、Macに合わせたカジュアルなフォントで視認性も良いです。
REALFORCE R3 キースペーサー M0401J
¥2,090 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
なお、上級者でこの部分に、ストローク部分にこだわりたい場合、R3シリーズ用の「キースペーサー」で、ストロークは調整できます。
【5枚セット】M0601B
REALFORCE パネルデザインキット R3
¥2,640 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
REALFORCE R3 Color Panel
¥(3,080) Amazon.co.jp (11/13執筆時)
R3 / R3S Color Keycaps Set
¥11,880 Amazon.co.jp (11/13執筆時)
カスタマイズは、可能です。
東プレリアルフォースの「カスタマイズ」とは、東プレ独特の言い回しです。これは、上面パネルを別売品で「着せ替え、コーデできる」という意味です。
家庭用プリンタで印刷してパネルデザインができるキットと、既製品双方が展開します。
キーキャップ自体も多色カラーで売られるので、こだわれば凝ったコーデは可能です。
キーの配置は、Apple純正のフルサイズキーボードと比較しても、特殊な部分は少ないです。正統派の「フルサイズ」です。
唯一、Macに利用しないキー(半角/全角キー)があります。
ただ、これは、切替えてWindows用としても利用できるような措置ということです。
実際、スイッチでモードを切り替えられるので【Mac仮想化ソフトの比較記事】で書いたような、MacでWindowsの仮想環境を利用する方には便利です。
Fnキーもあるので、ライトや音量の調整などのショートカットボタンとしても使えます。
そのほか、テンキー配置も、「カンマ」「ピリオド」キーを双方入れており、「Macらしさ」を出しています。
一方、「欲を言えば」、スペースバーがやや小さいです。もう少しあって欲しかったと思います。
ただ、この部分は、付属ソフト(REALFORCE CONNECT)でリマップできます。
Mac対応版のソフトも出たので、細かく設定もできます。修飾キーの変更だけでなく、メインキー自体も変えられます。
APCは、対応です。
APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)とは、 キーをを押した際に、入力を感知する場所を可変できる機能です。
専用ソフトで4段階(0.8mm・1.5mm・2.2mm・3.0mm)で、キー単位で変更可能です。一般的には、いじらなくてOKです。その方が使いやすいといえます。。
ただ、上級者は、底打ちせず高速にタイピングしたい派の方は浅く(0.8mm)、しっかり打鍵し正確性を担保したい派の方は深く(3.0mm)設定することも「あり」です。
キーボード本体に2種類記憶できるので、使い分けもできるでしょう。
そのほか、APC対応機の場合、専用ソフト経由で、ファームウェアのアップデートや一部キーの入れ替えなどにも対応できます。
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以上、東プレのREALFORCE for Macの紹介でした。
特に、仕事でタイピングが多い方については、メカニカル式キーの「最高峰」のシステムなので、これ以上快適なモデルはなかなかないと言えます。
一方、ALL45gは、一般的なユーザーならば問題ないですが、しっかりした「押し味」で、人によっては「疲れやすい」部分はあります。
この部分が気になる場合、Windows用RealForceを選んで、リマップするなどの対処手段が考えられます。詳しくは、あとで書きます。
【2022年発売】【直販限定】
【ALL45g】【APC対応】【静音】
23・東プレ REALFORCE R3 R3HG11【黒/金】
24・東プレ REALFORCE R3 R3HG21【白】
¥36,520 Amazon co.jp (11/13執筆時)
キー方式:静電容量無接点方式
配列:Mac日本語91キー
接続:USB有線 Bluetooth5.0
キーピッチ:19mm
キーストローク:4mm
Fキー:フルサイズ
電池: 単3電池×2(3ヶ月)
REALFORCE R3 R3HG11などは、東プレの販売する、日本語のテンキーレス機です。
東プレの場合、テンキーレス機でも、1kg以上の重さがあるので、不意に動きにくく、堅牢です。
キー配置は、テンキー部分を除けば、テンキー付と同じです。
Mac日本語91キー配列です。
特殊配列がなく「打ちやすい」仕様です。
キーの重さは、ALL45gで、キーは静音キーです。
先述のように、現行のMac用はこれ以外の選択肢がないです。
ただ、多くの場合、問題ないです。
接続方式は、USB接続ほか、Bluetoothが選べます。
Bluetoothの場合の注意点は、フルサイズで書いた通りです。
あとの仕様は、テンキー付のフルサイズと同じなので、説明は省略します。
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以上、REALFORCE R3 R3HG11などの紹介でした。
特段テンキーが不要ならばこちらでも良いでしょう。
東プレは、テンキーレス機でもしっかりした重さがありますので、タイピング時にずれませんし、問題ないです。
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【2019年発売】
【軽め30g】【APC対応】【静音】
25・東プレ REALFORCE SA R2TLSA-JP3M-BK【黒/金】
26・東プレ REALFORCE SA R2TLSA-JP3M-WH【白】
¥19,800 楽天市場 (11/13執筆時)
キー方式:静電容量無接点方式
配列:Mac日本語91キー
接続:USB有線
キーピッチ:19mm
キーストローク:4mm
Fキー:フルサイズ
電池: 不要
なお、 REALFORCE SA R2TLSAは、東プレの旧型です。
「在庫限り」ですが残っています。
キーは、静音キーですが、荷重はALL30gです。
先述のように、少し軽めが好みの場合、こちらを選んでOKです。
接続は、USB(USB-A)のみとなります。
APCの仕様は1世代前です。
【2022年発売】【直販限定 英語配列】
【ALL45g】【APC対応】【静音】
27・東プレ REALFORCE R3 R3HF11【黒/墨消】
28・東プレ REALFORCE R3 R3HF21【白】
¥37,180 Amazon co.jp (11/13執筆時)
キー方式:静電容量無接点方式
配列:Mac英語108キー
接続:USB有線 Bluetooth5.0
キーピッチ:19mm
キーストローク:4mm
Fキー:フルサイズ
電池: 単3電池×2(3ヶ月)
REALFORCE R3 R3HF11などは、東プレの英語配列のMac用キーボードです。
こちらは、現行機です。
キーの荷重は、英語用もALL45gのみです。
本機も、静音キーで、最新型のAPCも装備します。
接続方式は、こちらも、USB接続ほか、Bluetoothが選べます。
Bluetoothを利用する場合の注意点は先述の通りです。
キーの配置は、英語用なので、Mac英語配列の108キーになります。
Windows用の英語キーボードと較べる場合、キー刻印がMac用になっているほか、照度の変更や、音量操作など、一部のMac用キーが標準になっている部分が違いです。
ただ、Mac用キーボードについては、英語配列ならWindows用の英語配列モデルとさほど相違なく同じに使えるため、ニーズは少ないかもしれません。
スペースバーが広い利点はありますが、特別な目的がある場合を除けば、初心者は選ばなくて良いかと思います。
キーの配色は、英語用は、黒モデルはキーが「墨消し」である点は注意してください。
無刻印ではないですが、視認性が悪いです。ブラインドタッチができる方についても、特殊記号まで覚えている方は少ないでしょうし、ストレスが溜まることはあります。
あとは、日本語キーボードの仕様と同じなので、説明は省略します。
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以上、東プレのREALFORCE for Macの紹介でした。
基本的には、ゲーミングやプログラミングのニーズがある方が選ぶモデルに思います。ブラインドタッチの部分ほか、日本語を主にタイピングするならば、日本語用のほうが、効率が良いキー配置ですから。
【2022年発売】【直販限定 英語配列】
【ALL45g】【APC対応】【静音】
29・東プレ REALFORCE R3 R3HH11【黒/墨消】
30・東プレ REALFORCE R3 R3HH21【白】
¥36,520 Amazon co.jp (11/13執筆時)
キー方式:静電容量無接点方式
配列:Mac英語87キー
接続:USB有線 Bluetooth5.0
キーピッチ:19mm
キーストローク:4mm
Fキー:フルサイズ
電池: 単3電池×2(3ヶ月)
第1に、REALFORCE R3 R3HH11などは、東プレの英語配列のテンキーレス機です。
キー配置は、普通のMac英語87キー配列です。
配置にクセはありません。こちらの場合も、黒モデルは、視認性の悪い「墨消し」な部分に注意してください。
キー荷重は、ALL45グラムで、静音キーです。
APC対応の部分を含めて、あとは変わりません。
接続方式は、こちらも、USB接続ほか、Bluetoothが選べます。
あとの部分は、他のR3シリーズと変わりませんので、説明は省略します。
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以上、REALFORCE R3 R3HH11などの紹介でした。
英語配列の場合、必ずしも、Mac配列がマストでもないです。Windows向けでも問題なく使える部分は多いでしょう。
ただ、Fnキーを介在させる所作が使えるのは、メリットと言えばメリットなので、その部分を重視するならば、選択肢になるでしょう。
次回に続く
Mac向け高級キーボードのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は、Mac向けのキーボードの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・Mac対応キーボードの比較 (2)
2-1:KeyChron
2-2:アーキス
2-3:Windowsキーボードの利用法
2-4:最終的なおすすめ機種の提案【結論】
続く2回目記事(こちら)は、ここまで見ていない各社のMac用キーボードを追加で紹介します。
また、冒頭書いたように、リマップソフト(Karabiner Elements)を利用し、Windows向けの高級キーボードを流用する方法についても、詳しい解説をします。
キーの軽さ ★★★★★
打鍵の正確さ ★★★★★
静音性 ★★★★★
打ちやすさ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、全体の「結論編」として、今回紹介した製品全てから、予算別・目的別にAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら