【今回レビューする内容】2023年 打ちやすく疲れない!Mac向け高級キーボードの性能とおすすめ・選び方:日本語・英語US配列対応:MacでのWindows用キーボードの利用法 Karabiner-Elementsの使い方 設定方法:人気機種の違いと性能ランキング
【比較する製品型番】 東プレ REALFORCE for Mac R3HG11 R3HG21 R3HH11 R3HH21 R3HE11 R3HE21 R3HF11 R3HF21 R2-JPVM-WH R2-JPVM-BK R2TL-JPVM-WH R2TL-JPVM-BK SA R2SA-JP3M-WH R2SA-JP3M-BK R2TLSA-JP3M-BK R2TLSA-JP3M-WH R2TLSA-JP4M-BK R2TLSA-JP4M-WH Apple Magic Keyboard MK2A3J/A MK2A3LL/A MK293J/A MK293LL/A MQ052J/A MRMH2J/A MQ052LL/A MRMH2LL/A MK2C3J/A MK2C3LL/A MX MECHANICAL MINI for Mac KX850MSB KX850M KX800M KX800 KX700MPG Matias Tactile Pro Keyboard for Mac FK302-JP Keychron K1 K2 K8 Wireless
今回のお題
打ちやすい!Mac用キーボードのおすすめはどれ?
どもAtlasです。
今回は、2023年1月現在、最新のMac配列のキーボードの比較です。
Atlasは、これまで、30機以上のキーボードをiMacで試しています。その経験をふまえての記事にしています。
記事では、AppleのMagic Keyboardを基準にして、それより打ち心地の良いキーボードを探します。
東プレの RealForce for Macや、人気のあるKeychron K8など、いわゆる「高級キーボード」を含めて、Atlasの利用経験のあるモデルを中心にして比較しました。
Windows用のキーボードを、Macで便利に利用するための方法(ソフトウェアマクロ)についてもふれる予定です。
キーの軽さ ★★★★★
打鍵の正確さ ★★★★★
静音性 ★★★★★
打ちやすさ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
いつものように、記事の最後の「結論編」(こちら)で、予算別・目的別に、Atlasのおすすめ機種を提案する形式で書いていきます。
よろしくお願いします。
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1・東プレ高級キーボード【日本語】
2・東プレ高級キーボード【英語】
3・マジェスタッチ2【日本語】
4・マジェスタッチ2【英語】
5・Bluetooth無線キーボード
6・Mac配列のキーボード
7・プログラマー向けのHHKB
8・おすすめキーボードの選び方【結論】
今回の記事は、このブログのキーボードの比較記事の、6回目記事として書きました。
0・Mac用キーボードの選び方の基本
はじめに、Mac対応キーボードの「選び方の基本」の紹介からです。
Atlasもですが、皆さんは(もともと付属していた)AppleのMagic Keyboardに「不満足」だからこの記事を開いているのだと思います。
ただ、他社機を選ぶ場合、大半のPC用キーボードは、Windows向けとして設計されている点に注意が必要です。
例えば、Macの「日本語配列のキーボード」は、日本語入力と英語入力を切り替えるための「英数」「かな」キーがあります。
しかし、Windowsは、この部分が「変換」「無変換」キーです。
これらに互換性がないので、Macでは「英数」「かな」キーとして働きません。
ほかにも一部の記号(@)が、キーボードの刻印とずれているという問題もあります。
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1・Mac専用(対応)キーボードの利用
2・Windows用をソフト処理で利用
結論的に言えば、この問題を解決するためには、2つの方法が考えられます。
選び方において大事な部分なので、順番に解説しておきます。
第1に、Mac専用設計の他社製キーボードを利用する方法です。
最近では、東プレReal Forceほか、高級なメカニカルスイッチを採用した、「高品質モデル」が増えています。
そういったものをチョイスするのが、最もスマートで確実な方法です。
とくに、初心者ならば、この方法がベストでしょう。
一方、Bluetooth式に限りますが、「Mac対応」といえる製品も存在します。
この場合、Windows・iOS・Androidなど他のOSと共用で、そちら用のキー刻印もありますが、英数」「かな」キーなど、Mac用キーを「専用設計」の製品と同じように使うことできます。
このタイプも、今回の記事でフォローしています。
第2に、Windows専用の製品を利用する方法です。
有志が作っている「キーマッピングを変更できるソフト」を使って、Macに対応させる方式です。
この場合、フィルコの「マジェスタッチシリーズ」など、各社のWindows用の高品質な日本語キーボードが使えます。ただし、Mac側の仕様の限界で、USB有線接続のみ対応できます。
上級者向けの方法ですが、今回の記事では方法を含めて詳しく紹介するつもりです。
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以上、Mac対応キーボードの「選び方の基本」の紹介でした。
1・Mac対応キーボードの比較 (1)
1-1:Apple〈米国〉
1-2:ロジクール〈スイス〉
1-3:Matias〈カナダ〉
1-4:東プレ〈日本〉
2・Mac対応キーボードの比較 (2)
2-1:KeyChron〈香港〉
2-2:アーキス〈日本〉
2-3:Windowsキーボードの利用法
3・Mac対応キーボードの比較 (3)
3-1:最終的なおすすめ機種の提案【結論】
以下の記事では、以上の順番でメーカーごと各社の製品をみていきます。
そのあとで、Windows用キーボードを、リマップして使う方法をみていくつもりです。
変則的な構成ですが、よろしくお願いします。
1-1・AppleのMac用キーボード
はじめに、Appleの純正キーボードからです。
どちらかと言うと「純正が合わない」から探しているという方が多そうですが、 純正だけに「比較基準」となるため、最初に解説しておきます。
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なお、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと感じる部分を青字で記します。
【2021年発売】
【指紋認証なし】
【日本語配列】
1・Apple Magic Keyboard MK2A3J/A
¥13,242 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
【英語配列】
2・Apple Magic Keyboard MK2A3LL/A
¥13,800 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
【指紋認証あり】
【日本語配列】
3・Apple Magic Keyboard MK293J/A
¥17,400 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
【英語配列】
4・Apple Magic Keyboard MK293LL/A
¥17,704 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
配列:Mac用日本語/US配列
接続:USB
Magic Keyboardは、Appleが出している純正のキーボードです。
2021年に多少改良された上、指紋認証付き(タッチID)モデルが新しくでました。
ただし、新しいM1プロセッサ搭載Mac専用です。
接続方式は、Bluetoothの無線キーボードになります。
この方式はバッテリーが必要です。
付属のLightning To USB-CケーブルでiMacなどにつなげて充電することになります。
約1ヶ月で再充電が必要ですが、充電中もキーボードは利用できます。
キーの方式は、パンタグラフ式です。
ようするに、MacBookを含めたノートPCと同じです。
Appleが独自の改変をしているので「改良型シザー構造」と呼ばれます。
キーの押し味は、良質と言えます。
ただ、薄型の本体であるため、キーストローク(押し下げ)が短い点がネックです。
長時間使う場合には押し間違いが発生しやすいです。
さらに、足が付属せず、角度調節ができないため、机にべたっと手を付けて使うことになります。アームレストが使えないので、手がとても疲れます。
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以上、AppleのMagic Keyboardの紹介でした。
公平を期して言えば、キー部分の品質については、本機は「悪くない」です。
1万円以下のキーボードだけで言えば、良質で「打ちやすい」と言えます。
しかし、iPad用としても売っている関係もあり、キーストロークが短い点、角度調整ができない点が劣ります。
デザイン性は良いものの、残念ながら、パソコンで長時間使う場合は、疲れやすい機種と言わざるを得ないでしょう。
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【指紋認証なし】
【日本語配列】
5・Apple Magic Keyboard MQ052J/A
¥16,121 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
【US配列】
6・Apple Magic Keyboard MQ052LL/A
¥16,121 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
【指紋認証あり】
【日本語配列】
7・Apple agic Keyboard MK2C3J/A
¥23,800 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
【US配列】
8・Apple agic Keyboard MK2C3LL/A
¥23,440 楽天市場 (1/27執筆時)
配列:Mac用日本語/US配列
接続:USB
なお、本機については、テンキー付きのフルサイズもあります。
基本的に、省スペース型と同じで、角度調整ができない点と、キーストロークが短い点に、問題があります。
こちらは、AppleのMagic Trackpaと高さを合わせるため、このようなデザインになったのでしょう。
やはり、今回の比較の主旨からは、あまりおすすめできません。
1-2・ロジクールのMac用キーボード
続いて、ロジクール(Logicool)です。
スイスに本部を置く、世界的なPC周辺機器メーカーです。
同社はもうすこし安い「MacとWindowsとの兼用」モデルもありますが、それは後回しにして、ここでは、Mac向けの高性能機だけ見ます。
【2020年発売】
【英語Mac配列】
9・ ロジクール MX KEYS for Mac KX800M
¥16,627 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
配列:Mac用英語配列
接続:USB無線 Bluetooth
【本体のみ】
10・ ロジクール MX KEYS KX800
¥16,800 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
【本体+専用パームレスト MX10 PR】
11・ ロジクール MX KEYS KX800
¥19,200 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
配列:Mac対応日本語配列
接続:USB無線 Bluetooth
MX KEYS for Mac KX800Mは、ロジクールのMac専用設計の製品としては代表的といえるモデルです。
キー配列は、Mac専用設計ながら「英語配列」です。
そのため、親指で日本語/英語入力を切り替えられる「英数・カナ」ボタンがないほか、「@」の位置などが異なります。
この部分で言えば、同時に見るMX KEYS KX800のほうが、「一般のMacユーザー向き」です。
Windowsとの共用設計ですが、Macの日本語キーボードとして認識できる上で、Mac用の刻印もあるからです。
あとは、2機とも同じ製品なので、同時に見ていきます。
接続方式は、こちらは、ワイヤレスです。
Bluetooth接続のほか、USB無線(2.4GHz)方式も選択可能です。
その場合、左図のような同社の極小のUSBレシーバーを利用します。
端子は(四角い)USB-A形状なので、最新のMacの場合、変換アダプタが必要です。
ただ、Bluetoothは回線が細いため、音楽など聴く際にもBluetoothを利用している方は、併用中に、キーの遅延などが起こりやすいです。
このタイプを使う場合は、(面倒でも)USBレシーバーをおすすめしています。
キーの方式は、パンタグラフ式です。
Appleの純正品と同じで、ノートPCのキーボードと同じです。
キーの押し味は、Apple純正と同じほどに打ち味は良いです。
19mmのキーピッチ(キー間の幅)1.8mmのストローク(押し込める長さ)が確保されるためです。
その上で、昔のタイプライターのような独特の溝形状や、筐体に剛性の高いアルミ素材の採用など、打鍵の安定性を確保する仕組みが用いられます。
すくなくとも、Apple純正キーボードと同等の品質はあります。
なお、本機については、暗い場所用にバックライト装備です。
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以上、ロジクールのMX KEYSの紹介でした。
パンタグラフ式でとしては、傾斜角度や凹みの工夫で「打ちやすい」と評価できるキーボードです。
打ち味の部分で、Apple純正キーボードと交換する程の差は感じないですが、音楽などをBTでとばしている方は、安定性の面で、USB無線式の本機を選ぶのは良い選択肢ではあります。
【2022年発売】
【英語Mac配列】
【タクタイル(茶軸)】
12・ ロジクール MX MECHANICAL MINI for Mac KX850MSB
13・ ロジクール MX MECHANICAL MINI for Mac KX850M
¥19,200 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
配列:Mac用英語配列
接続:USB無線 Bluetooth
【日本語配列】
【タクタイル(茶軸)】Tactile Quiet KX850CT
14・ロジクール MX MECHANICAL MINI KX850CT
¥19,200 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
【リニア(赤軸)】Linear KX850CL
15・ロジクール MX MECHANICAL MINI KX850CL
¥16,600 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
【クリッキー(青軸)】Clicky KX850CC
16・ロジクール MX MECHANICAL MINI KX850CC
¥19,200 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
配列:Mac対応日本語配列
接続:USB無線 Bluetooth
MX MECHANICAL MINI for Macも、ロジクールのMac専用設計の製品です。
キー配列は、1つ上でみた製品と同じで「英語配列」です。
Macの日本語キーボードとして利用したい場合は、先ほどとおなじ理由で、Windowsとの共用の「MX MECHANICAL MINI」が最適です。Mac用の刻印もあります。
Logi Bolt USB レシーバー LBUSB1
¥1,100 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
接続方式は、Bluetoothです。
正確には、別売のUSBレシーバーもあります。
こちらも(2.4GHz無線ではなく)Bluetooth通信になります。 ただ、(イヤホンほか)他の機器と混在させない方式なので、安定性はUSB無線式と同じです。
ロジクールは(マウスもですが)企業セキュリティの規格の関係で、最近Bluetooth通信に変えてきています。
キーの方式は、メカニカル式です。
Apple純正のようなパンタグラフ式より、ストロークが取れるため、打鍵感が良いです。
メカニカル式は、スイッチの特性で打ち味が変わりますが、本機は3種類から選べます(Mac用は1種類)。
第1に、タクタイル(茶軸)です。
そこそこ静かな打鍵感とクリック感があるタイプです。
クセのない標準的(中間的)な押し味なので、仕事においては最も「一般向け」です。
第2に、リニア(赤軸)です。
クリック感が少ないタイプで、押した際の爽快感(クリック感)がない代わりに、高速タイプできる製品です。押し味は「軽い」です。
第3に、クリッキー(青軸)です。
クリック感が強いかわりに、静音性に課題がある製品です。
ただ、正確性が担保される部分で、仕事でのタイピングには、最も向く特性です。
ストロークは、いずれも約3.2mmとの表記です。
パンタグラフ式と比べるとだいぶ深いです。
メカニカル式だけで言えば、低身長(ロープロ)ですが、ノートPCのキーボードに慣れているかたは、むしろこの程度でも良いかと思います。
キーの押し味は、メカニカル式だと、Apple純正より、はっきりと「打ちやすい」と言えるレベルになります。19mmのキーピッチ(キー間の幅)です。
打ちやすい角度にですし、ここも問題ありません。
ただ、本機は、数字キー周りの配置とFキーの間隔など、詰め込んだ感じでかなり特殊です。
本機も、暗い場所用にバックライト装備です。
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以上、ロジクールのMX MECHANICAL MINI for Macの紹介でした。
値段相応に性能が期待できる上で、格好も良い製品です。
ただ、配置が特殊で、ブラインドタッチはしにくい(覚えにくい)部分が、唯一にして最大の難点です。
【2020年発売】
【英語Mac配列】
17・ ロジクール Mac Keys Mini KX700MPG
¥14,320 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
配列:Mac用英語配列
接続:Bluetooth
KX700MPGも、スイスのロジクールが出す「Mac向けキーボード」です。
正式名称は、「MX KEYS MINI For Mac Minimalist Wireless Illuminated Keyboard」長大な名前のキーボードです。
Logi Bolt USB レシーバー LBUSB1
¥1,100 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
接続方式は、本機もBluetoothです。
本機も別売のレシーバーがあり、そちらの利用も可能です。こちらも(2.4GHz無線ではなく)Bluetooth通信になります。
キーの方式は、パンタグラフ式です。
バックライトも装備されますので、先ほどみたKX800Mとグレードは変わりません。
キーの押し味も、19mmのキーピッチ(キー間の幅)1.8mmのストローク(押し込める長さ)です。
名前通り「ミニサイズ」ですが、数字キーが小さいの部分を除けばキーの変則的な配置はないです。
ただし、キーは「英語配列」です。
親指で日本語/英語入力を切り替えられる「英数・カナ」ボタンがないほか、「@」の位置などが異なります。
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以上、ロジクールのKX700MPGの紹介でした。
テンキーレス機ですが、メインのキーサイズを小さくはしていないため、手が大きめの方でも、打ちにくくはないと言えます。とはいえ、英語キー配列である点は、理解してから買いましょう。
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18・LOGICOOL k480
¥3,673 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
配列:Mac用日本語配列
接続:ブルートゥース
なお、ロジクールについては、1万円台の格安機のBluetoothキーボードの多くが、(基本)Windows用ながらMacでもキー配置通り使えるという「Mac対応」になります。
ただ、(数がありすぎて)煩雑になるため、Bluetoothキーボードだけ比較した、以上の記事でまとめています。
1万円以内の予算で考えたい方には他にも色々ありますので、よろしければご覧ください。
1-3・MatiasのMac用キーボード
続いて、カナダのマティアスのキーボードです。
後で見るように、2019年以降、東プレが「Mac用日本語配列」の高性能キーボードを出しています。
それ以前から、信頼性のあるメカニカルキーボードを展開してくれていたのが、同社になります。
【日本語配列 FK302-JP】
19・Matias Tactile Pro Keyboard for Mac
¥13,700 Amazon co.jp (1/27執筆時)
【US配列 FK302-US】
20・Matias Tactile Pro Keyboard for Mac
¥(15,074) Amazon co.jp (1/27執筆時)
配列:Mac用日本語配列/英語配列
接続:USB
Matias Tactile Proは、カナダのMatiasが発売するMac日本語配列のキーボードです。
英語配列モデルと日本語配列モデルの両方が用意されています。
輸入取扱いが、近年、プレアデスからダイヤテックに変更されました。
Anker USB-C & USB 3.0 変換アダプタ
¥999 Amazon co.jp (1/27執筆時)
接続方式は、USB接続方式です。
したがって、新しいMacとの接続の場合、変換アダプタが必要です。
キーの方式は、メカニカル方式です。
この場合、キーごとに個別のスイッチを配置します。
そのため、キーの反応・安定性・打鍵感の点で明確な差があります。
Apple純正キーボードに比べて、「打ち味」で明確に「優る」と言えるのは、このグレード以上でしょう。
ここで、少し昔の話をします。
30年ほど前の過去、Appleは、日本のアルプス電気のメカニカルスイッチを使ってApple Extended Keyboardという「高級」キーボードを出していました。
愛用者が多かったのですが、惜しまれつつも絶版されてしまいました。
しかし、カナダのMatias社が、2000年頃に、このキータッチの再現を目指した「後継モデル」を作りました。
この製品は、そのモデルの子孫です。
ちなみに、アルプス(Alps)は、80年代以降キーボードを開発してきた日本の誇る優良メーカーです(故ジョブズ氏の伝記にも出てきます)。
キーの押し味は、19mmのキーサイズ、3.5mmのキーストロークで、「快適な基準」をクリアしています。
打ち味は、さすがに良く、メカニカルキーボードらしいクリック感も心地よいです。
ただし、打鍵音が結構響くので、夜中に人がいる環境や静かめなオフィスでの利用には向きません。この部分が、この製品の、最大の欠点です。
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以上、Matias Tactile Proの紹介でした。
キーボードは文筆業における「ペン」のようなものです。Atlasは、絶版に備えてこの製品予備も含めて最大5台持っていました。
ただ、2019年に、東プレから「静電容量無接点方式」というメカニカル方式以上に「快適」なキー方式の製品が出たものの、値段の安さは魅力ですし、(それに押されて)再び廃盤にはなって欲しくない製品です。
1-4・東プレのMac用キーボード
続いて、日本の東プレのReal Forceキーボードです。
高級キーボードの草分け的存在ですが、Mac配列の展開は遅く、2019年からでした。
しかし、それ以降、Macにおける高級キーボードの「勢力図」が劇的に変わったと言えます。
なお、同社のMac用はかなりの展開数があります。
ただ「キーの荷重」に注目すれば、自分の用途に合ったものを選びやすいと言えます。その部分を中心に紹介します。
【2019年発売】
【日本語配列】【変加重】
21・東プレ REALFORCE R2-JPVM-WH【白】
21・東プレ REALFORCE R2-JPVM-BK【黒/金】
¥25,800 Amazon co.jp (1/27執筆時)
配列:Mac用日本語配列
接続:USB
REALFORCE for Mac は、東プレが販売するMac向けの日本語配列のMac専用キーボードです。
リアルフォースは、業務用の高級キーボードの「代名詞的存在」で、長年にわたって人気です。
なお、東プレは内部のスイッチ部分を含めて自社生産できる東証一部の上場のプレスメーカーです。
Anker USB-C & USB 3.0 変換アダプタ
¥999 Amazon co.jp (1/27執筆時)
接続方式は、USB接続方式です。
USB-C規格準拠の変換アダプタを使えば、最新Macでも利用可能です。
キーの方式は、「静電容量無接点方式」です。
ロジクールで見た「メカニカル式」の上位版です。
機械接点のないスイッチなので、耐久性がありへたりにくいです。また、押し返しも正確で、チャタリング問題もありません。
相当長い歴史があり、入力の正確性が求められる銀行業務に「マストアイテム」として、20年以上採用されてきた歴史もあります。
打鍵感の良さは、「多少不正確な角度の打鍵でも心地よくキーを返す」点で、最上位です。
キーの荷重は、同社製品のもうひとつの特色です。
押す指の位置で、キーの押し味(荷重)を変えた、「変加重」式を採用します。
同じ、メカニカル式で、先ほど見た加奈陀のMatiasと比較すると、キーの荷重(押し込めむ際の抵抗感)が弱めですが、その分、軽快で軽めに使える機種です。
同社には、変加重以外の荷重のモデルもあります。
しかし、同社の「スタンダード」は変加重です。
クセがないので、初めて高級キーボードを買う方が試すには最も良いです。
キーの押し味は、19mmのキーサイズ、4mmのキーストロークという「快適な基準」をクリアしています。
キーの印字も摩擦で消えにくい昇華印刷で、Macに合わせたカジュアルなフォントで視認性も良いです。
キーの配置も、Apple純正のフルサイズキーボード(上段)と比較しても、特殊な部分は少ないです。
唯一、Macに利用しないキー(半角全角キー)が残されます。ただ、これは、切替えてWindows用としても利用できるような措置ということです。
実際、スイッチでモードを切り替えられるので【Mac仮想化ソフトの比較記事】で書いたような、MacでWindowsの仮想環境を利用する方には便利です。
そのほあか、テンキー配置も、「カンマ」「ピリオド」キーを双方入れており、「Macらしさ」を出しています。
付属ソフトは、「REALFORCE ソフトウェア」という純正カスタマイズ用アプリが用意されます。
これにより、CapsLockとCtrlキーの入替が対応します。修飾キーの変更はMacのOS標準機能でも対応できますが、リマップする場合、正確に働かないことがあるための措置だと思います。
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以上、東プレのREALFORCE for Macの紹介でした。
結論的に言って、Atlasとしても(価格をふまえても)「満足できる作り」です。
予算が十分あるならば、Macユーザーは「これで良い」でしょう。
一方、「欲を言えば」、スペースバーがやや小さいです。もう少しあって欲しかったと思います。
ただ、この部分は、中級者以上ならば、「迂回手段」があります。のちほど、「キーリマップソフト」の説明をする際に、詳しく解説します。
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【2019年発売】
【日本語配列】【変加重】
22・東プレ REALFORCE R2TL-JPVM-BK【黒/金】
22・東プレ REALFORCE R2TL-JPVM-WH【白】
¥25,523 楽天市場 (1/27執筆時)
配列:Mac用日本語配列
接続:USB
なお、本機については、省スペース型もあります。
テンキーレスながら、本体の重量は、1.1kgあり、また堅牢な仕様なので安定性には問題ありません。
テンキー不要ならば、こちらでも良いでしょう。
【2019年発売】【日本語配列】
【軽め30g】【APC対応】【静音】
23・東プレ REALFORCE SA R2SA-JP3M-WH【白】
23・東プレ REALFORCE SA R2SA-JP3M-BK【黒/金】
¥27,072 Amazon co.jp (1/27執筆時)
配列:Mac用日本語配列
接続:USB
REALFORCE SA for Macも東プレの製品です。
1つ上で紹介した変加重モデル(REALFORCE for Mac)との相違点は、3つです。
第1に、同じ「静電容量無接点方式」のキーですが、静音性を高めている点です。
通常のリアルフォースはメカニカル系ではさほどうるさくはないですが、深夜などに利用する場合は有利です。
ただ、音が、打鍵の正確性を担保する部分はあるので、この部分は好き好きです。
第2に、APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)を搭載する点です。
この製品は、左図のように、キーをを押した際に、入力を感知する場所を三段階に可変できます。
物理的には、2mmと3mmのスペーサーが付属しますので、ストロークの部分をこだわりたい方にはオススメです。
ただ、どちらかと言えば、ここまでこだわるのは、ゲーマーくらいでしょう。
第3に、キーの荷重です。
先ほどの製品は、東プレの一般的な仕様である「変加重」で、押す指の位置に応じて荷重を最適化していました。
一方、本機は、「ALL30g」仕様であり、どの指でもサクサク入力できます。
長時間タイピングで疲れやすい方には「救世主」なのですが、その分、タイピングの間違いにくさ犠牲になるので、一長一短です。
キー荷重については、別の観点から、後ほど、もう少し詳しく書くつもりです。
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【2019年発売】【日本語配列】
【軽め30g】【APC対応】【静音】
24・東プレ REALFORCE SA R2TLSA-JP3M-BK【黒/金】
24・東プレ REALFORCE SA R2TLSA-JP3M-WH【白】
¥25,500 楽天市場 (1/27執筆時)
配列:Mac用日本語配列
接続:USB
本機の場合も、REALFORCE TKL SA for Mac というテンキーレス型があります。
東プレのテンキーレスは重量があって安定するので、テンキー不要ならば選んでもOKです。
【2022年発売】【直販限定 日本語配列】
【ALL45g】【APC対応】【静音】【BT接続】
25・東プレ REALFORCE R3 R3HE11【黒/金】
25・東プレ REALFORCE R3 R3HE21【白】
¥34,980 Amazon co.jp (1/27執筆時)
配列:Mac用日本語配列
接続:USB BT5.0
REALFORCE R3は、東プレが、Amazonを含む直販ストア限定で展開するシリーズです。
キーの方式は、「静電容量無接点方式」です。
キーストロークや、キーピッチについては、ここまで他機と変わりません。
キーは、本機も静音仕様となります。
キーの配置も、同じで、フルサイズのMac日本語配列の112キーです。
先ほども書いたように、Apple純正のフルサイズキーボード(上段)と比較しても、特殊な部分は少ないです。
キーの荷重は、ここまで見た機種と異なり「ALL45グラム」です。
東プレの現行機種では、最も押し味がしっかりしたタイプです。
先ほどの「変加重」バージョンで最も重い押し味だった45gのキーを、小指のポジションを含めた全キーに採用します。
この部分で打鍵の正確性を重視したい場合は、最も良い製品です。
一方、人によっては押し味が重く感じることもありますので、はじめて買う方で、事前に試せない場合は、(どちらかと言うと)「変加重」をおすすめています。
接続方式は、USB接続ほか、Bluetoothが選べます。
Bluetooth 5.0なので、通信安定性は良いタイプです。
ただし、Mac側のBluetooth5.0対応はだいたい2020年発売機以降からだったので、その場合は、通信安定性が低い、下位互換の規格でつながります。
Bluetooth自体、そもそもの回線安定度が低いので、古い機種の場合は特にですが、USB接続をおすすめします。
また、これは、Bluetooth 5.0対応のMacも含めての話ですが、音楽の送信にBluetoothを使っている場合は、(Bluetoothの回線が細い関係で)不安定になりがちなので、混在はオススメしません。
本機でもUSB接続は使えるため、安定性を求めるならば、USB接続が良いです。
あとの部分は、R3シリーズの場合、APCの調整幅が1段階広い(3→4)一方、スペーサーが別売になる部分以外変わりません。
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【2022年発売】【直販限定 日本語配列】
【ALL45g】【APC対応】【静音】
26・東プレ REALFORCE R3 R3HG11【黒/金】
26・東プレ REALFORCE R3 R3HG21【白】
¥34,540 Amazon co.jp (1/27執筆時)
配列:Mac用日本語配列
接続:USB BT5.0
なお、本機からテンキーを省いたバージョンがこちらです。
キー配置は、Mac日本語91キー配列ですので、やはりクセがないタイプです。
その他の部分は、同じです。
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【2020年発売】【PFU限定 日本語配列】
【ALL45g】【APC対応】【静音】
27・東プレ R2TLSA-JP4M-BK【黒/金】
27・東プレ R2TLSA-JP4M-WH【白】
¥31,350 楽天市場 (1/27執筆時)
配列:Mac用日本語配列
接続:USB
加えて、「ALL45グラム」のテンキーレスは、PFUが東プレにオーダーして作っている特注品も存在します。
仕様は同じですが、前世代のR2ベースなので、Bluetoothは非搭載です。
また、APCの調整幅が1段階狭い(4→3)一方、スペーサーは付属することになります。
色々あって迷いますが、Bluetoothがない分、筐体は少しスリムで見映えが良い部分もあるため、「ALL45グラム」の中だけで言えば、本機を選んでも良いでしょう。
【2022年発売】【直販限定 英語配列】
【ALL45g】【APC対応】【静音】
28・東プレ REALFORCE R3 R3HF11【黒/墨消】
28・東プレ REALFORCE R3 R3HF21【白】
¥31,350 楽天市場 (1/27執筆時)
配列:Mac用英語配列
接続:USB ・BT5.0
R3HF11・R3HF21は、東プレの英語配列のMac用キーボードです。
キーの荷重は、英語用については、ALL45gのみ発売があります。
本機も、先ほどみたBluetooth付きの日本語R3シリーズと同じで、静音キーで、APCも装備します。
キーの配置は、英語用なので、Mac英語配列の108キーになります。
Windows用の英語キーボードと較べる場合、キー刻印がMac用になっているほか、照度の変更や、音量操作など、一部のMac用キーが標準になっている部分が違いです。
ただ、Mac用キーボードについては、英語配列ならWindows用の英語配列モデルとさほど相違なく同じに使えるため、ニーズは少ないかもしれません。
スペースバーが広い利点はありますが、特別な目的がある場合を除けば、初心者は選ばなくて良いかと思います。
キーの配色は、英語用は、黒モデルはキーが「墨消し」である点は注意してください。
無刻印ではないですが、視認性が悪いです。ブラインドタッチができる方についても、特殊記号まで覚えている方は少ないでしょうし、ストレスが溜まることはあります。
この仕様にしているのは、英語用については、ゲーミングやプログラミングのニーズが多いためでしょう。
接続方式は、USB接続ほか、Bluetoothが選べます。
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【2021年発売】【英語配列】
【ALL45g】【APC対応】【静音】
29・東プレ SA2 PZ R2SA-US4M-BK【黒/墨消】
29・東プレ SA2 PZ R2SA-US4M-WH【白】
¥31,350 Amazon co.jp (1/27執筆時)
配列:Mac用英語配列
接続:USB (BT)
そのほか、英語用のフルサイズには、PFUが東プレにオーダーして作っている特注品も存在します。
荷重は同じ「ALL45グラム」の静音キーですが、前世代のR2ベースなので、Bluetoothは非搭載です。
あとは、APCの調整幅が1段階狭い(4→3)一方、スペーサーは付属することになります。
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【2022年発売】【直販限定 英語配列】
【ALL45g】【APC対応】【静音】
30・東プレ REALFORCE R3 R3HH11【黒/墨消】
30・東プレ REALFORCE R3 R3HH21【白】
¥34,540 Amazon co.jp (1/27執筆時)
配列:Mac用日本語配列
接続:USB BT5.0
加えて、「ALL45グラム」の英語用にも、テンキーレス機があります。
キー配置は、普通のMac英語87キー配列です。
配置にクセはありません。
その他の部分は、フルサイズと同じですが、こちらの場合も、黒モデルは、視認性の悪い「墨消し」な部分に注意してください。
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【2020年発売】【英語配列】
【変加重】
31・REALFORCE R2TL-USVM-BK【黒/金】
31・REALFORCE R2TL-USVM-WH【白】
¥23,800 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
【ALL45g】【APC対応】【静音】
32・REALFORCE SA R2TLSA-US4M-BK【黒/金】
32・REALFORCE SA R2TLSA-US4M-WH【白】
¥31,350 Amazon.co.jp (1/27執筆時)
【軽め30g】【APC対応】【静音】
33・REALFORCE SA R2TLSA-US3M-BK【黒/金】
33・REALFORCE SA R2TLSA-US3M-WH【白】
¥32,980 楽天市場 (1/27執筆時)
配列:Mac用英語配列
接続:USB
このほか、Bluetooth非搭載のR2シリーズも テンキーレスが展開されます。
荷重は、省スペース型については、日本語配列と同じく3種類から選べます。
変加重モデルのみ、静音キーではないですが、打鍵音は入力の正確性を担保する部分があるので、一概に悪いとも言えません。
また、これらについては、黒モデルも、キートップが墨消しではなく、視認性が担保されるゴールド刻印ですので、仕事用には向くでしょう。
次回に続く
Mac向け高級キーボードのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は、Mac向けのキーボードを紹介してきました。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・Mac対応キーボードの比較 (2)
2-1:KeyChron〈香港〉
2-2:アーキス〈日本〉
2-3:Windowsキーボードの利用法
3・Mac対応キーボードの比較 (3)
3-1:最終的なおすすめ機種の提案【結論】
続く2回目記事(こちら)は、キックスターター発のキークロン K8 K2などの製品を追加で紹介します。
また、冒頭書いたように、リマップソフト(Karabiner Elements)を利用し、Windows向けの高級キーボードを流用する方法についても、詳しい解説をします。
キーの軽さ ★★★★★
打鍵の正確さ ★★★★★
静音性 ★★★★★
打ちやすさ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、3回目記事(こちら)に入ります。
全体の「結論編」として、今回紹介した製品全てから、予算別・目的別にAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら