【今回レビューする内容】 2024-2025年 A4カラーインクジェットプリンタ複合機の性能とおすすめ:1万円前後の人気プリンターなど:Wi-Fi スマホ対応 インクジェット複合機:インク価格の違い・人気機種の印刷コストランキング windows 11 MacOS 14 対応
【比較する製品型番】エプソン Colorio EW-056A EW-456A EW-052A EW-452A ブラザー PRIVIO DCP-J528N DCP-J587N DCP-J928N MFC-J905N DCP-J1200N DCP-J1203N DCP-J1800N エプソン エコタンク EW-M757 EP-M553T EW-M754 EW-M770 EP-M476T キヤノン PIXUS TS3730 TS6630 TS6730 TS203 TS3330 TS7330 TS8630 TR8630a TS7530 TS5430 TR703a XK130 XK120 XK110 G1330 G3390 G3370 HP ENVY 6020 7CZ37A#ABJ ENVY Pro 6420 6WD16A#ABJ HP OfficeJet 200 Mobile ヒューレット・パッカードHP ENVY Inspire 7220 Inspire 7221 nspire 7920 242P9D0-AAAA 31K15D0-AAAD 31K14D0-AAAC HP OfficeJet 200 Mobile HP OfficeJet Pro 8120 405W4B#ABJ OfficeJet Pro 9120 403W8B#ABJ 403W3B#ABJ HP Smart Tank 5105 5106 6005 6006 7005 7305 7306 ほか
今回のお題
印刷コストの安いカラープリンターのおすすめはどれ?
ども、Atlasです。
今回は、2024年12月現在、最新のカラープリンタ複合機(インクジェットプリンタ)の比較です。
印刷品質・印刷速度などの基本性能ほか、印刷コストを重視して比べます。
コストは、Amazonのインクの実売価格をもとに印刷コストを独自に再計算して、各機の実コストを比べました。
各社の出す印刷コストは、発売時のインク直販の売価をもとに用紙代込みで計算したものなので、実際のコストがみえにくいからです。
Amazonでの割引率も各社で異なるため、その部分をふまえて比較したのが、この記事の一番の特徴です。
ある程度、実際に近いコストで比較できたかと思います。
インクコスト ★★★★★
画質(普通紙)★★★★★
画質(写真) ★★★★★
印刷スピード ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では各社のインクジェットプリンターを比較していきます。
その上で、最後の「結論」では、上表の様なポイントから、予算別・目的別にAtlasの「おすすめ機種」をいくつか提案していこうと思います。
よろしくお願いします。
1-1・カラープリンタの選び方の基本
具体的な製品比較にはいる前に、カラープリンターの「選び方の基本」の説明からです。
今回の「記事構成」の説明を兼ねつつ、選ぶ際に基本となる部分について、簡単に説明していきます。
1・A4インクジェット複合機(4色)
2・A4インクジェット複合機(6色)
3・A4ビジネスインクジェット
4・A3インクジェット複合機
5・A4モノクロレーザー
6・A4モノクロレーザー 複合機
7・A4カラーレーザープリンタ
8・A3カラーレーザープリンタ
9・プリンターの基本的な選び方 【まとめ】
このブログ「家電批評モノマニア」では、以上9本の記事で、プリンターの種類や目的ごとに分けて、各機を比較しています。
今回の記事は、1回目記事です。
プリンタのうち、A4カラーインクジェット複合機を比較するものです。
家庭向きだと、最も売れているタイプです。
印刷方法は、液状のインクトナーを利用して、印刷していく方式です。
一部、ボトル詰め替え式の製品もありますが、多くはカードリッジ式です。
機能性は、プリント・コピー・スキャナ機能が全て付属する複合機であるのが、最近だと普通です。
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ただ、A4カラーインクジェット複合機は、「売れ筋」だけに、現行機種だけでも100機近くあります。
この状況だと、選びにくいため、このブログのの比較記事は、A4インクジェット複合機をさらに、3つに「ジャンル分け」して考えています。
今回の記事の「選び方の基本」となるため、以下、この部分について、少し詳しく書いておきます。
第1に、4色インクの「家庭用」インクジェット複合機です。
今回の1回目記事で比較していく機種です。
予算としては、1万円前後あれば、下位機なら購入できます。
初心者に最適な製品で、世の中で最も売れているプリンタです。
「一家に一台」な家庭向け標準機といえ、写真/文字印刷にオールマイティに力を発揮する機種が多いです。
インクコストの安いモデルも多いです。
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第2に、6色インクの「高画質」インクジェット複合機です。
2回目記事(こちら)で比較します。
予算は、1.5万円があれば、下位機が購入できます。
年賀状・写真印刷において、クオリティを重視したい上級者向けです。
6色インクほか、最大10色インクまでの「プロ用」まで広く紹介します。
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第3に、4色インクの「ビジネス用」インクジェット複合機です。
3回目記事(こちら)で比較します。
予算は、3万円以上の機種が多いですが、1万円以下でも、下位機なら購入できます。
普通紙印刷(コピー用紙)が、このジャンルのプリンタは得意です。
インクジェットでは例外的に、全色とも顔料インクなので、文字がにじみにくいからです。家庭でも仕事専用なら、こちらが良い選択肢です。
ただし、年賀状などの「ふちなし印刷」ができないほか、普通紙以外の用紙(写真用紙など)も多くの機種は非対応なので、あくまでストイックな「仕事用」です。
仕事用でも、(チラシ作りなど)この部分の仕様がネックになる場合、今回記事(1回目)でみていく機種の上位品を選んだ方が良いかと思います。
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以上、A4カラーインクジェット複合機の「選び方の基本」の説明でした。
いろいろ書きましたが、「どのグレードの製品にするか迷ってしまった」方は、さしあたって、今回の1回目記事から読み進めて頂くと、分かりやすいと思います。
ただし、レーザープリンタを含めて迷っている場合は、「全体の導入記事」となる【プリンターの選び方の基本記事】を、はじめに、ご覧いただくと良いと思います。
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1・A4カラープリンタの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:エプソン
1-3:ブラザー
1-4:キヤノン
2・A4カラープリンタの比較 (2)
2-1:HP
2-2:エプソン〈特大インク〉
3・A4カラープリンタの比較 (3)
3-1:キャノン〈特大インク〉
3-2:ブラザー〈特大インク〉
3-3:HP〈特大インク〉
4・A4カラープリンタの比較 (4)
4-1:最終的なおすすめの提案【結論】
というわけで、今回の1回目記事では、最も安く、家庭向きの入門機として最も適している、4色インクの「家庭用」インクジェット複合機を見ていくことにします。
上表のような、メーカー順に、さらに3回に小分けしてみていきます。
ただし、家庭用でも、大量印刷向けの「特大インク」搭載機は少し特殊なので、後半に一括して紹介するという構成にしています。
1-2・エプソンのカラープリンター
はじめに、エプソンの「カラリオ」の4色インクジェット機の比較です。
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以下の本文では、高評価できる部分は赤系の文字色で、イマイチな部分は青字で書いていくことにします。
Windows 7〜11 MacOS 10.9〜15
【2024年発売】EW-052Aの後継機
1・EPSON カラリオ EW-056A
¥8,640 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
【2019年発売】
2・EPSON カラリオ EW-052A
¥11,950 Amazon.co.jp (1/26執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 1色
印刷速度:約4枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:
サイズ:高さ146×長さ390×奥行300mm
EW-056Aは、エプソンのプリンター複合機の入門機です。
前モデルEW-052Aの後継機として登場した新モデルです。
機能性は、スマホの簡単設定の変更程度で毎日使う場合ですが、インク型番の変更がありました。ただ、実印刷コストは新機種とほぼ変わらず同じです。
本体価格は新機種のが安いため、素直に新機種を選びましょう。
プリンタ機能のほか、スキャナとコピーも付いた複合機です。
現在は、どのメーカーの家庭用入門機もこのような仕様です。
なお、入門機なので、本体に液晶パネルは付属せず、このあたりに値段を感じます。
EPSON 4色パック MED-4CL
¥3,980 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
EPSON ブラック MED-BK
¥1,773 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約30.5円
A4普通紙カラー 約15.2円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約21.9円
フォト年賀状印刷 32.2円
A4Photoカラー 約120.6円
インクのコストパフォーマンスは、Amazonでの最近の実売価格をふまえて計算すると、上表のようになります。
写真印刷の実コストは、L版写真で約21.9円、フォト年賀状で約32.2円、A4縁なしフォト印刷で約121円です。先述のように、用紙コストは抜いています。
普通紙印刷のコストは、A4普通紙へのカラー印刷で約15.2円と、公表があります。
A4普通紙へのモノクロ印刷の費用は非公表です。
しかし、用紙の表面積などからコストを計算すれば約4円という計算です。
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本体が格安なプリンターですが、印刷コストは、格安機の「標準」より少し高めという程度です。
ブラザー機など、より低コストの製品もあるため比較は必要ですが、そう枚数を印刷しない方ならば、これなら問題ないでしょう。
カラー印刷のクオリティは、格安機としては、高いです。
この値段の製品としては、印字品質は良く、階調性も良好です。デジカメ写真などの「黒つぶれ」も少なめです。
なお、同社が「画質に力を入れる」機種は「エプソンカラー」機と呼びます。しかし、この機種は、「写真印刷に強い」インクである、黒の染料インクを採用しないので、その「称号」を得ていません。
黒以外の3色は「染料インク」で、インクの打ち出しもエプソン自慢のMACH方式(マッハジェット式)ですが、それでも、インク構成の部分で、同社の6色機などより、画質は落ちます。
文字印刷のクオリティは、逆に、良好です。
なぜなら、くっきりブラック(顔料インク)を採用するからです。
顔料インクは一般的な染料インクよりも耐水性が強いので、普通紙印刷では、文字が「にじみ」にくく、ビジネス文書の印刷に向きます。
ヘッドも、6色インクモデルにも採用する滴下するインクのサイズを的確に打ち分ける、MSDT(マルチ・サイズ・ドット・テクノロジー)を装備します。
印刷速度は、最大の問題点です。
A4原稿へのカラー(写真用光沢紙)の印刷速度が、2分49秒と相当遅いからです。
普通紙へのA4のビジネス文書(黒・カラー)の印刷の場合の速度も、非公開です。
同じ排紙構造・速度の旧機種で取った実測値を参考にすると、4枚/分ほどです。
他社の低価格機と較べても、ストレスはあるでしょう。
自動両面印刷機能も、非搭載です。
裏表を同時印刷したい場合は、2回操作が必要であり、不便です。
給紙量も、同社の上位機の半分の50枚までです。
こうした点で、あくまで「入門機」という仕様です。
Epson iPrint(スマホアプリ)
¥0 Apple App Store
Epson iPrint(スマホアプリ)
¥0 Google Play
ネットワーク機能は、USB接続のほかWi-Fi(無線LAN)が搭載されます。
そのため、スマホアプリから直接印刷ができます(iPrint機能)。
ただし本体に液晶パネルがないので、こうした利用はできるにせよ不向きです。
スキャナー解像度は、1200dpi×2400dpiです。
ADF(原稿自動送り装置)はないですが、読取クオリティ自体は良いです。
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以上、EW-056Aの紹介でした。
比較的安く購入できる「エプソン機」として、人気のある機種です。
ただ、能力を見ると、印刷速度は期待できないですし、両面印刷も非対応です。そのため、毎週のように使う方にはおすすめできませんが、それ以外の性能はまとまっています。
印刷コストも割安水準ですし、逆説的な表現ですが、プリンターを「あまり使わない方」で、ある程度信頼できる格安機を探している場合、候補となります。
Windows 7〜11 MacOS 10.9〜15
【2024年発売】
3・EPSON Colorio EW-456A
¥11,691 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
【2019年発売】
4・EPSON Colorio EW-452A
¥12,800 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 1色
印刷速度:約4枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:高さ170×長さ375×奥行300mm
EW-456Aは、エプソンのプリンター複合機の中級機です。
1つ上で紹介した、EW-056Aの上位機です。
利用するインクと、搬送ユニットは下位機種と共通です。したがって、印刷コスト・印刷速度・印字品質など、基本となる部分は「同じ」です。
一方、旧機種が残ります。やはりインク型番が変わりました。
ただ、印刷コストは同じである上で、こちらの場合、液晶インターフェイスの若干の改良もありました。価格的に旧機が(爆発的に)安いわけではないので、やはり、新機種が良いです。
1つ上でみた下位機種よりパワーアップする部分のうち、以下の2点が注目点です。
第1に、操作パネルに液晶が付属した点です。
1.44型の小さなものですが、コピーなどの操作の確認がしやすくなっています。
スマホから直接印刷する場合も、パネルで確認ができるため、失敗は少なくなるでしょう。
第2に、自動両面印刷機能が、搭載される点です。
職場などに持って行く書類のかさが2分の1にできるため、人によってはかなりメリット性があります。
年賀状などの印刷にも便利です。紙コストの削減にもなります。
1・給紙量の増加(100枚)
2・メンテナンスユニット
3・名刺サイズ対応
4・コピーでのふちなし印刷
そのほか、以上の4点に、下位機種との違いが見られます。
例えば、コピー機能が「オートフィット対応」となり、ふちなし印刷ができるなどです。
メンテ性は、同社の上位機が採用するメンテナンスユニットを採用です。
下位機の場合、(使われなかった)廃インクが「廃インク吸収パッド」に溜まり、溜まりきったら預かり修理です。ただ、このグレードはユーザーが交換できため、結構長いこと、多くの枚数を印刷した場合も、ユーザーで交換できます。
ただ、本機はパワーユーザーが選ぶグレードの機種ではないですし、純正(EWMB3)でも1000円程度なので、そこまで気にしなくても良いです。
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以上、EW-456Aの紹介でした。
エプソンに、これまでなかった4色インクモデルの「中級機」です。
自動両面印刷機能の搭載により、家庭内での利用を前提としつつ、ビジネスよりに便利になったと評価できます。
ただ、その場合、搬送ユニットが下位機種と共通であり、他社に比べて、印刷速度が遅いという致命的な欠点があります。この部分はネックです。
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なお、エプソンは、家庭用の4色プリンタは、後ほど別に紹介する「エコタンクプリンター」を除けば、これらのみです。
上位機は【6色インクジェットの比較記事】で紹介している機種となります。価格面では1万円前後からです。詳しくは、上記リンク記事をご覧ください。
1-3・ブラザーのカラープリンター
つづいて、ブラザーのカラープリンターをみていきます。
ブラザーは、伝統的に4色インクにこだわりを持ち、その高性能化を目指している企業です。
Windows 10〜11 MacOS 11〜15
【2023年10月発売】DCP-J526N後継機
5・ブラザー PRIVIO DCP-J528N
¥15,500 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 1色
印刷速度:約17枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:高さ151×奥行341×横幅400mm
DCP-J528Nは、ブラザーの入門用プリンタです。
本体サイズは、高さ151×奥行343×横幅400mmです。
家庭用であり、設置性は良いです。
本機のシステムも、スキャナとコピーも付いた複合機です。
【LC411-4PKのAmazon型番】
Brother 4色パック LC411-4PK-E
¥3,913 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
【LC411BK-2PKのAmazon型番】
Brother ブラック2個 LC411BK-2PK-E
¥2,047 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
黒インクに2本入りの「お徳用パック」もあり、お買得感は高いです。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約18.6円
A4普通紙カラー 約8.4円
A4モノクロ 約2.7円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約12.5円
フォト年賀状印刷 約18.5円
A4Photoカラー 約69.2円
インクのコストパフォーマンスは、Amazonにおけるインクの実売価格からすれば、上表のようになります。
インクの種類は、上表の通りです。
写真印刷のコストは、エプソン4色機と比べて約45%安いです。Amazon定額お得便設定時の価格ですが、そうでなくても35%は安い計算です。
ランニングコストの面でも、日常に使用するプリンターとしておすすめできます。
普通紙印刷のコストも、ブラザーは自信があるのか公開します。
A4カラー印刷で、1枚8.4円、A4白黒印刷の場合は、約2.7円です。
数字としては、先述のエプソンの推定値ほか、公開のあるHPなど比べても、高水準のコスパです。
カラー印刷のクオリティは、4色タンクとしては良いです。
エプソン同様に、カラーインク3色は染料インクを利用し、黒のみ顔料インクという構成です。
同社の場合、ビジネス向けについては、インクの最小液滴量2plですが、家庭向けの本機は、画質重視で1.5pLです。
文字印刷のクオリティは、期待値は高いです。
エプソンと同じで、にじみにくい顔料黒インクだからです。
そのため、4色モデルとしては、品質はエプソンと並び、「トップレベル」です。
印刷速度は、1分間にカラー9.5枚・モノクロ17枚です。
エプソンのカラリオシリーズよりも約3倍は高速です。
両面印刷の場合は、3.5枚・5.5枚の水準ですので、例えば、自宅で会議資料などを10枚程度印刷するならば、ストレスない速度です。
ファストプリントの速度も、モノクロ6秒・カラー9.5秒ですので、そこそこあります。
そのため、家庭で大量印刷を考えている方はブラザーがおすすめです。
Brother Mobile Connect
¥0 Apple App Store
Brother Mobile Connect
¥0 Google Play
ネットワーク機能は、USB接続のほか、Wi-Fiに対応します。
スマホから直接的に印刷できるため、今の時代には便利な機種だと思います。
操作も、ブラザーは全機種とも、2.7型のTFT液晶を装備し、しかもタッチパネル式です。
直感的な操作が可能です。液晶パネルが付属し、SDカードスロットもあるため、デジカメからの直接印刷にも便利です。
自動両面印刷機能も搭載されます。
職場などに持って行く書類のかさが2分の1にできるため、人によってはかなりメリット性があります。
年賀状などの印刷にも便利です。紙コストの削減にもなります。
スキャナー解像度は、、1200dpi×2400dpiです。
ただ、上図のような原稿を一度に取り込むためのADF(原稿自動送り装置)は未装備です。欲しい場合は、上位機を選びましょう。
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以上、ブラザーのDCP-J528Nの紹介でした。
黒が顔料インクの4色インクである上、印刷速度・スキャン速度とも家庭向きの格安機として「速い」といえます。
インクコストも水準より安いため、コスパもかなり良いです。1万円前後の予算で迷ったら、本機を選べば(たいてい)後悔しないと言えるでしょい。
画質面でも、家庭用の4色インク機とすれば優秀であり、年賀状を含めて、家庭で普通に利用する分には、これでも十分です。
入門機に限定して言えば、仕事・プライベート・年賀状の利用を勘案した総合力ではブラザーのプリビオが間違いなくオススメできます。
同社のCM風に言えば「賢く選べばブラザー」と言えそうです。
Windows 10〜11 MacOS 11〜15
【2023年発売】
【FAXなし】DCP-J926N 後継機
6・ブラザー PRIVIO DCP-J928N-W
6・ブラザー PRIVIO DCP-J928N-B
¥18,800 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
【FAXあり】MFC-J904N 後継機
7・ブラザー PRIVIO MFC-J905N
¥25,000 楽天市場 (12/7執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 1色
印刷速度:約17枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:高さ172×奥行341×横幅400mm
DCP-J928Nは、ブラザーの家庭向きの「中級機」になります。
2機種ありますが、MFC-J905Nは、FAXの有無だけの違いです。
筐体サイズは、高さ172×奥行341×横幅400mmです。
設置性はほぼ同じです。ただ、高さだけ、後述するように、スキャナのADFがある分、少し背が高いです。
Brother 4色パック LC411-4PK-E
¥3,913 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
Brother ブラック2個 LC411BK-2PK-E
¥2,047 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約18.6円
A4普通紙カラー 約8.4円
A4モノクロ 約2.7円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約13.3円
フォト年賀状印刷 約19.1円
A4Photoカラー 約71.7円
インクは、先ほどみた、同じインクを利用します。
したがって、4色インク機としては、かなり「安い水準」と言えます。
印刷速度は、1分間にカラー16.5枚・モノクロ17枚です。
ここは、下位機種より良い部分です。
本機は「テレワーク仕様」として2021年に展開した機種なので、速度を下位機種より強化しています。
ファストプリントの速度も、カラーでも6.5秒と高速です。
エプソンのカラリオシリーズよりも約4倍は高速と言えます。
印刷のクオリティは、ただし、同じインクなのですが、先ほどの機種と比べて、最小液滴量が1.5plではなく2plにダウングレードさせています。
ここは、速度アップさせた部分の弊害ですので、年賀状など専用紙への写真印刷のクオリティは、下位機種に負けます。
ネットワーク機能は、USB接続・Wi-Fiに対応します。
加えて、有線LAN接続も可能になっています。
スキャナー解像度は、1200dpi×2400dpiです。
上部にADF(原稿自動送り装置)があります。
読み取りは片面のみではありますが、最大で1200×2400dpiの解像度、速度は毎分10.5枚(モノクロ13枚)と、十分に実用性はあります。
その他の仕様は、下位機種とほぼ同じです。
あえて言えば、CDのレーベル印刷ができる点、そして、タッチdeプリント&スキャンとして、スマホのNFCをかざすだけでプリントできる機能(Androidのみ)が違いです。
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以上、DCP-J926Nの紹介でした。
先述のように、写真印刷のクオリティを少し犠牲にしつつ、速度を上げた機種です。サイズを維持しつつ両立は難しい部分なので、ここは仕方ないです。
その部分で、年賀状・写真印刷優先ではなく「仕事用」で考えるならば、速度の部分と、スキャナのADFが付く部分で選択肢にできます。
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Windows 7〜11 MacOS 10.12〜15
【2022年発売】
8・ブラザー PRIVIO DCP-J1800N
¥23,000 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 1色
印刷速度:約17枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:高さ172×奥行343×横幅400m
一方、このシリーズの、一風変わった「兄弟機」といえるのが、DCP-J1800N-Wです。
FAX・CDのレーベル印刷と、タッチdeプリント&スキャンとは持たないのですが、その代わり、ユニークな機能が実装されます。
本機の場合、筐体内にロールカッターが仕込まれており、A4用紙をA5にカット可能です。カットした場合も、速度がほぼ低下しないのは、優秀です。
PC上でA5用紙を選ぶ、あるいは、本体の液晶パネルで「カットコピー」を選べばA5で出ていきます。
かなり面白い発想です。
刃の耐久性は、5万枚です。本体の寿命相当ですので、交換は不要です。
安全面も、普段触るような場所ではなく、カッター利用時のみ出る仕組みなので安全です。
平行切断性も、見本を見た限り、ローラーほか搬送機構を使い込んだあとは分かりませんが、新品に近い状況では問題なさそうです。
「重ねてトントン叩いてA5のコピー紙のように書類が揃う」という意味ではないですが、実用上問題ないでしょう。
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結論的にいえば、A5ほかそれより小さいものの印刷(免許証などのコピー他)に利用する場合、わりと家庭用でも便利に思いました。
1-4・キヤノンのカラープリンター
続いて、キヤノンの格安プリンタを紹介しましょう。
同社の上位機は、「5本」のインクタンクを使う「4色」モデルもあります。
【2023年発売】
Windows 7〜11 MacOS 10.12〜15
【ADFなし】TS6330後継機
9・Canon PIXUS TS6630
¥16,500 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
【ADFあり】
10・Canon PIXUS TS6730
¥18,000 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色(一体型)
黒インク数:1色
印刷速度:約15枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:幅374×奥行350×高さ168(208)mm
TS6630とTS6730は、キヤノンのインクジェットプリンタのスタンダード機です。
本機のシステムも、プリンタ・スキャナ・コピー機能が付いた「複合機」です。
2機種ありますが、後者のみスキャナのADF(原稿自動送り)が付属です。
両面非対応で、片面スキャンのみ対応ですが、あれば便利でしょう。個人的にはそちらを推します。
下では同時に紹介します。
本体のサイズは、収納時、幅374×奥行350×高さ168mmです。
ADF付の上位機は高さ208cmですが、いずれにしてもコンパクトです。液晶は、2.7インチで、タッチパネル式になります。
【3色カラー大容量タイプ】
Canon BCI-386XL
¥4,145 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
【ブラック大容量 タイプ】
Canon BCI-385XL
¥3,218 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
純正インクの単価は、こちらになります。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約29円
A4普通紙カラー 約20.3円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約22.2円
フォト年賀状印刷 約32.7円
A4Photoカラー 約122.6円
インクのコストパフォーマンスは、Amazonの実売価格からすると以上の通りです。
エプソン・ブラザーの同クラスの製品に比べて安くないです。
写真印刷のコストは、追加の注意も必要です。
なぜなら、本機は、他社のように「4色独立タンク」を採用しておらず、「3色タンク」+「黒インクタンク」の構成だからです。
カラーインクの1つがなくなると、カラータンク丸ごと交換になるため、使い方によってはより割高な場合もあり得る機種です。
本機の場合、上で示した「大容量タンク」を使った場合のコストです。標準タンクだとさらにコストが悪いです。あまり使わない方は(インクの消費期限の問題もあるので)、さらに、お得ではないと言えます。
普通紙印刷のコストは、メーカーによると、普通紙カラーで20.3円です。 モノクロならば1枚12円強でしょうが、いずれも安くはないです。
印刷速度は、モノクロA4普通紙で15.0枚/分、カラーA4普通紙でも10枚/分です。
ここは、他社と比べても優秀です。
キヤノンは伝統的に「普通紙の印字速度の速さ」を売りにして、エプソンに対抗してきた経緯のある会社だということは言及に値するでしょう。
インク構成は、カラーは染料インクと、黒色は顔料インクです。
エプソン・ブラザーと同じです。
カラー印刷のクオリティは、キャノンでは「中級」です。
キャノンは最近、最小液滴量が非公開です。ただ、カラーインクのノズル数(カラー768・白黒832)から言えば、そう言えます。
4色インクモデルでは良い方ですが、写真向きとは言えない水準、ブラザーの高速モデル(最小液滴量=2pl)と同じ水準と考えて良いでしょう。
実際、キャノンも写真印刷について、あまり強調しません。
モノクロ印刷のクオリティは、文字に強い顔料黒インクですし、やはり、カラーを含めたビジネス文書の印刷に向くインク構成です。
ネットワーク機能は、USB接続のほか、Wi-Fi対応(Wi-Fi5)です。
スマホからのダイレクト印刷も可能です。
自動両面印刷機能も、搭載です。
スキャナーは、解像度は、1200×2400dpiです。
わりと性能は良いです。
先述のように、上位機はADF(原稿自動送り)が付属です。
速度的には300dpiで1分10枚強の水準ですし、格安機としては優秀です。
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以上、キヤノンのTS6630とTS6730の紹介でした。
入門機ですが、仕様的には「ビジネスより」に思える製品です。一方、インクコストは、カラー一体型である上で、インク自体のコストもあまり良くないため、今回の比較基準だと少しおすすめしがたいです。
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なお、キャノンは、以上のような下位機(入門機)の展開があります。
順番にみておきます。
Windows 7〜11 MacOS 10.15〜15
【2024年9月発売】
11・Canon PIXUS TS3730 【各色】
¥8,483 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
【2022年発売】
11・Canon PIXUS TS3530 【各色】
¥12,980 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色(一体型)
黒インク数:1色
印刷速度:約7.7枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:
サイズ:幅435×奥行327×高さ145mm
第1に、TS3530です。
同社の最安モデルです。コストカットのため、液晶パネルはモノクロで小さいです。
なお、旧機種は、Wi-Fi5GHz帯に対応しないWi-Fi4です。家庭用プリンタの場合、特段対応していなくても問題ないのですが、現状で新機種のが安いですし、そちらで良いです。
CANON 3色カラー BC-366XL (大容量)
¥2,836 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
CANON ブラック BC-365XL (大容量)
¥2,900 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約28.1円
A4普通紙カラー 約18.5円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約21.1円
フォト年賀状印刷 約31.1円
A4Photoカラー 約116.7円
インクのコストパフォーマンスは、上表のとおりです。
先ほどの上位機より多少は良いですが、やはり、カラーは一体型です。
印刷速度は、A4普通紙へのカラー印刷は、1分間に4枚、モノクロ印刷は、1分間に7.7枚です。かなり遅いです。
カラー印刷のクオリティは、インクの最小サイズが2ピコリットルです。
ノズルも少ない(カラー320・白黒320)ので、モノクロを含めて、クオリティはあまり重視されません。
自動両面印刷機能は、非搭載です。
ネットワーク機能は、USB接続とWi-Fi対応です。
スキャナー解像度は、600×1200dpiです。
実用水準はありますが良くもないです。
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Windows 7〜11 MacOS 10.11〜15
【2021年発売】
12・Canon PIXUS TS5430 【各色】
¥12.500 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色(一体型)
黒インク数:1色
印刷速度:約13枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:高さ148×長さ403×奥行315mm
第2に、S5430 です。
キヤノンで2番目に安いモデルになります。
本体色は、ブラック(TS5430-BK)のほか、ホワイト(TS5430-WH)とピンク(TS5430-PK)が選べます。
外観は、入門機よりは良い仕様です。
下前面「ふた付き」で、1.4型のモノクロ有機ELディスプレイが搭載ですから。
カラー液晶は不採用ですが、画面へのQRコード表示機能を作り、「操作に迷った場合はスマホで」という発想です。現在は「スマホ時代」なので、この仕様でも良いかもしれません。
CANON 3色カラー 大 BC-361XL
¥3,100 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
CANON ブラック 大 BC-360XL
¥3,218 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約30.2円
A4普通紙カラー 約20.4円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約23.0円
フォト年賀状印刷 約33.9円
A4Photoカラー 約126.9円
インクのコストパフォーマンスは、Amazonの実売価格からすると以上の通りです。
コスト的には、最初に見たキャノンスタンダード機と同じほどで、あまり良くないです。やはり、カラーは一体型です。
印刷速度は、A4普通紙へのカラープリントは1分間に6.8枚、モノクロは、1分間に13.0枚です。下位機種よりは向上しました。
あとの部分は、自動両面印刷機能に対応する点と、スキャナー解像度が、1200×2400dpiと少し良い点を除けば、1つ上の入門機とだいたい同じです。
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Windows 7〜11 Mac OS10.11〜15
【2018年発売】
13・Canon PIXUS TS203 【各色】
¥4.500 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色(一体型)
黒インク数:1色
印刷速度:約7.7枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:
サイズ:幅426×奥行255×高さ131mm
第3に、S5430 です。
こちらは、スキャナ・コピー機能のない単機能のプリンタです。その分安いですが、液晶モニターも、両面印刷機能も、Wi-Fiもない機種です。
印刷速度も、カラー4枚/分、モノクロ7.7枚/分です。
CANON 3色カラー 大 BC-346XL
¥2,545 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
CANON ブラック 大 BC-345XL
¥1,891 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約25.8円
A4普通紙カラー 約17.0円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約16.0円
フォト年賀状印刷 約23.6円
A4Photoカラー 約88.3円
インクのコストパフォーマンスは、ただ、2018年発売のインクということもあり、Amazonの実売価格が安いため、ブラザー並の水準に安いです。
ただ、本機も、カラーインクは一体型なので、実際のところは、もう少しコスパは悪いかもしれません。
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結論的にいえば、どの機種の場合も、独立インクタンクでない部分で、インクコストが読めないのが共通の難点です。
とくに、格安な2機については、印刷速度も難があるので、あまりおすすめできません。
Windows 7〜11 MacOS 10.12〜15
【2022年発売】
【複合機】 TR8630後継機
14・Canon PIXUS TR8630A
¥26,500 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
【単体プリンター】
15・Canon PIXUS TR703a
¥16,500 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数:2色
印刷速度:約15枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:幅438×奥行351×高さ190mm(複合機)
サイズ:幅372×奥行365×高さ158mm(プリンタ)
TR8630Aは、キヤノンの家庭用インクジェットの上位機です。
後述するように本機は、黒色のインクが「2タンク」なので、色としては4つですが、「5色ハイブリッド」と呼んでいます。
なお、TR703aは下位機で、スキャナ・コピー・FAX機能が未付属の下位機です。ただ、利用するインクや、印刷速度は同じなので、同時にみていきます。
本体サイズは、複合機のモデルは、幅372×奥行345×高さ142mmです。
先ほどみた4色インク複合機と同じサイズであり、コンパクトです。
液晶も、同じく4.7型のカラー液晶です。
ただし、プリンタのないTR703aのほうは、小さなモノクロ液晶になります。
【標準容量 5色マルチパック】
Canon BCI-381
¥5,645 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
【ブラック大容量 1本】
Canon BCI-381XLPGBK
¥1,782 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
【大容量 カラー1本】(シアンの価格)
Canon BCI-381XLC
¥1,873 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
純正インクの単価は、こちらになります。
ポイントは、このグレードから1色ずつ交換できる独立タンクという点です。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約20.3円
A4普通紙カラー 約11.5円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約13.7円
フォト年賀状印刷 約20.2円
A4Photoカラー 約75.8円
インクのコストパフォーマンスは、標準容量のマルチパックを利用する場合、Amazonの単品販売価格をベースにすると上表の通りです。
大容量タンクは単品販売だけですが、単品で買ったとしても、ほぼ、標準容量のコストと同じです。
写真印刷のコストは、ブラザーの4色上位機と大きくは変わらず、十分「安い」です。
加えて、後述するように、インク数が多く印字品質もよいので、それを考慮するとかなりコスパとも言えます。
普通紙印刷のコストは、下位機種より明らかに安いです。
ブラザーの家庭用上位機に次ぐ水準でしょう。
印刷速度は、モノクロA4普通紙で15.0枚/分、カラーA4普通紙でも10枚/分です。
下位機と同様のスペックですが、やはりキャノンは高速です。
カラー印刷のクオリティは、他社の4色モデルと比べると健闘しています。
というのも、キヤノンのこの機種は、黄色・赤色・青色の染料インクを採用した上で、黒色も、染料インクも搭載するからです。
顔料黒インクだけだと、コントラストと濃度が強すぎるため、カラーの階調が重要な写真に適応するのがやや困難です。
その点で言えば、発色の良さや階調性は、(6色以上の高画質機を除けば)明らかに良いです。
モノクロ印刷のクオリティも、かなり良いです。
というのも、この機種は、染料黒インクのほか、文字に強い顔料黒インクも合わせて積んでいるからです。
つまり「4色モデル」ながら「5タンク式」と言えます。
ネットワーク機能は、この機種もUSB接続のほか、Wi-Fi対応です。
スマホからのダイレクト印刷も可能です。
そのほか、Wi-Fiと同時に利用できないものの、有線LAN接続に対応する点が相違点です。あとの仕様はほとんど同じです。
自動両面印刷機能も、搭載です。
スキャナーは、こちらも1200×2400dpiなので、他社より性能が良いです。
写真のようなADF(原稿自動送り装置)とファックス(G3)を装備します。
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以上、キヤノンのTR8630Aの紹介でした。
やや本体の値段はしますが、インクの実売価格が安いため、印刷コストの部分で魅力があります。
その上で、黒インクに顔料インク・染料インクを搭載するため、写真の発色も、文字の鮮明度も下位機種より高いです。
こうした点で言えば、文字印刷のクオリティと写真クオリティが両立した良機種です。普段は、モノクロ印刷だが、「年賀状はそれなりにこだわりたい」方には有力な候補です。
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【2021年12月発売】TS7430後継機
16・Canon PIXUS TS7530【各色】
¥17,380 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数:2色
印刷速度:約15枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:幅376×奥行350×高さ142mm
なお、同社の「「5色ハイブリッド」はTS7530という下位機も展開します。
画質と、印刷速度は、上で見たTR8630Aと変わりません。
ノズルは同じものなので。
【5色パック】
BCI-301+300/5MP
¥6,600 Amazon.co.jp (12/7執筆時)
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約33.0円
A4普通紙カラー 約19.6円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約23.8円
フォト年賀状印刷 約34.7円
A4Photoカラー 約130.0円
インクは、しかし、別型番なので、コストは変わります。
先ほどの機種に比べて、だいぶ高額で、正直コスパは良くないです。
本体は、一方、逆に「上等」の部分があります。
写真のように、プリントの際に自動で電源が入り、トレイが伸張し勝手にプリントを終える「スマートトレイ」対応だからです。ギミックとしても高級感があります。
ただ、液晶は、1.44のモノクロ有機ELですし、実用面ではやはり下位です。
そのほか、ファックスとADF(原稿自動送り)が未付属になるのが、先ほどの機種との相違点です。----
結論的にいえば、インクコストの高さはやはりネックです。この部分で、「選べない」製品です。
次回につづく
インクジェット複合機のおすすめは結論的にこちら!
というわけで、今回は、カラープリンターの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・A4カラープリンタの比較 (2)
2-1:HP
2-2:エプソン〈特大インク〉
3・A4カラープリンタの比較 (3)
3-1:キャノン〈特大インク〉
3-2:ブラザー〈特大インク〉
3-3:HP〈特大インク〉
4・A4カラープリンタの比較 (4)
4-1:最終的なおすすめの提案【結論】
続く2回目記事【こちら】では、さらに、米国のHP(ヒューレットパッカード)の製品を紹介します。
また、「桁違いのインク代の安さ」で評判のエプソンとキヤノンの大容量タンク(エコタンク)搭載プリンターを紹介します。
インクコスト ★★★★★
画質(普通紙)★★★★★
画質(写真) ★★★★★
印刷スピード ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その後、第3回目記事(こちら)では、全体の結論として、ここまでに見た「4色インクの機種すべて」から、価格別・目的別に「Atlasのおすすめ機種」を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら!
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