【今回レビューする内容】 2022年 A4カラーインクジェットプリンター複合機の性能とおすすめ:1万円前後の人気プリンターなど:Wi-Fi/スマホ対応インクジェット複合機:インク価格の違い・人気機種の印刷コストランキング windows 11 Mac 12 対応
【紹介する製品型番】 EPSON Colorio EW-052A EW-452A Brother PRIVIO DCP-J926N DCP-J587N MFC-J904N DCP-J1200N CANON PIXUS TS3330 TS3530 TS7330 TS6330 TS5330 TS7430 TS8630 TS7530 TS5430 TR703a HP ENVY 6020 7CZ37A#ABJ ENVY Pro 6420 6WD16A#ABJ HP Tango X 3DP65D0-AAAA HP OfficeJet 200 Mobile HP CZ993A#ABJ AiO CZ992A#ABJ HP OfficeJet Pro 8020 1KR67D#ABJ 9010 1KR53D#ABJ 9020 1MR73D#ABJ EPSON ecotank EP-M553T EW-M754T EW-M770T G3310 G1310
今回のお題
印刷コストの安いカラープリンターのおすすめはどれ?
どもAtlasです。
今回は、2022年3月現在、最新のカラープリンター複合機の比較です。
主要4社の最新モデル全機種を、初心者の方にも「できるだけ分かりやすく」比較します。
家庭用の新機種だけでも合計50機、ビジネス機を含めると100機以上を比較しました。
今回は、「画質」はもちろん、インクの販売価格をふまえた「印刷コスト」を「独自の方法」で計算して、「インク代の安い」機種を調査しました。
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インクコスト ★★★★★
画質(普通紙)★★★★★
画質(写真) ★★★★★
印刷スピード ★★★★★
総合評価 ★★★★★
以下では、いつものように、各製品を一機ずつ丁寧に比較していきます。
そして、最後の「結論」では、上表の様なポイントから、予算別・目的別にAtlasの「おすすめ機種」をいくつか提案します。
0-1・プリンターの選び方の基本!
このブログ「家電批評モノマニア」では、プリンター比較記事を9本書いています。
1・A4インクジェット複合機(4色)
2・A4インクジェット複合機(6色)
3・A4ビジネスインクジェット
4・A3インクジェット複合機
5・A4モノクロレーザー
6・A4モノクロレーザー 複合機
7・A4カラーレーザープリンタ
8・A3カラーレーザープリンタ
9・プリンターの基本的な選び方 【まとめ】
今回は、上記リンク集のうち、「A4カラーインクジェット複合機」を比較する「1回目」の記事となります。
「インクジェット複合機」とは、プリント・コピー・スキャナ機能が全て付属するプリンタのことです。
1万円前後の格安プリンターも、現在は、家庭むけは、ほぼすべて「複合機」です。
ただ、「インクジェット複合機」は、「家庭向け」といえる新製品だけで50機種以上あります。
そのため、記事は3つに分けてあります。
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第1に、4色インク搭載の「インクジェット複合機」は、今回の1回目記事で比較します。
予算としては、1万円前後あれば、下位機なら購入できます。
初心者に最適な製品で、世の中で「最も売れている」プリンタです。
「一家に一台」な家庭向け標準機といえ、写真/文字印刷にオールマイティに力を発揮する機種が多いです。
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第2に、6色インク搭載の「高画質インクジェット複合機」は、2回目記事(こちら)で比較します。
予算としては、1.5万円があれば、下位機が購入できます。
年賀状・写真印刷において、クオリティを重視したい上級者向けです。
こちらでは、10色インクの「プロ用」まで広く紹介します。
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第3に、4色インク搭載で、「ビジネス向けインクジェット複合機」は、3回目記事(こちら)で比較します。
予算としては、1.5万円があれば、下位機なら購入できます。
普通紙(コピー用紙)で文字がにじみにくいインクを全色で採用するので、家庭でも仕事専用なら良い選択肢です。
ただし、年賀状などの「ふちなし印刷」ができないほか、普通紙以外の用紙(写真用紙など)は非対応なので、あくまで「仕事専用」です。
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「どのグレードの製品にするか検討中の方」は、さしあたって、今回の1回目記事から読み進めて頂くと、分かりやすいと思います。
ただし、レーザープリンタを含めて迷っている場合は、「全体の導入記事」となる【プリンターの選び方の基本記事】を、はじめにご覧いただくと良いと思います。
よろしくお願いします。
0-2・4色インクジェットの選び方の基本!
4色インクジェット複合機は、1万円以下の激安製品が主流です。
そのため、「本体価格の安さ」を優先して「選んでしまう」方が多いと言えます。
しかし、「安いプリンタ」には、水準より「インク代を高く設定」し、実は、ランニングコストが相当悪い機種もあります。
そこで、今回は、「インクコスト」について、メーカーによる参考価格ではなく、アマゾンにおけるインクの実売価格を調べてコストを比較しました(用紙コスト除いた印刷のみの価格)。
もちろん、「印刷の美しさ」や「本体の機能性」なども「選ぶ際の基準」として、最大限注目して、解説していきます。
例えば、画質を重要視し優秀なヘッドを搭載するブラザーや、印刷速度や文字印刷のクオリティを重視するキヤノン、黒インクだけでも印刷できるHPなど、よい特長をもった機種も多くあります。
ーー
1・A4カラープリンタの比較 (1)
1-1:エプソン
1-2:ブラザー
1-3:キヤノン
2・A4カラープリンタの比較 (2)
2-1:HP
2-2:エプソン〈特大インク〉
2-3:キャノン〈特大インク〉
3・A4カラープリンタの比較 (3)
=最終的なおすすめ機種の提案
というわけで、今回は、各社のプリンターを、以上のような順番でみていきます。
基本的に「メーカー順」に並べましたが、大量印刷用は、(写真の大量印刷など)家庭向きとしては特殊なので、最後にまとめました。。
1-1・エプソンのカラープリンター
はじめに、比較するのは、エプソンの「カラリオ」です。
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以下の本文では、高評価できる部分は赤字で、イマイチな部分は青字で書いていくことにします。

Windows XP〜11 Mac 10.6〜12.0
【2019年8月発売】
1・EPSON Colorio EW-052A
¥6,800 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 1色
印刷速度:約4枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:
サイズ:高さ146×長さ390×奥行300mm
EW-052Aは、エプソンのプリンター複合機の「入門機」です。
本機のシステムは、プリンタ機能のほか、スキャナとコピーも付いた「複合機」です。
現在は、どのメーカーの家庭用入門機もこのような仕様です。
なお、入門機なので、本体に液晶パネルは付属せず、このあたりに値段を感じます。
EPSON 4色パック MUG-4CL
¥3,772 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
EPSON ブラック RDH-BK-L
¥1,673 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
純正インクの単価は、Amazonでは、以上の額で販売しています。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約25.7円
A4普通紙カラー 約13.2円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約19.2円
フォト年賀状印刷 28.2円
A4Photoカラー 約105.8円
インクのコストパフォーマンスは、今年ののAmazonでの平均的な実売価格をふまえて再計算すると、上表のようになります。
写真印刷のコストは、L版写真で約19.2円、フォト年賀状で約28.2円、A4縁なしフォト印刷で約105.8円です。
普通紙印刷のコストは、A4普通紙へのカラー印刷で約13.2円と、公表があります。
A4普通紙へのモノクロ印刷の費用は、非公表です。
しかし、用紙の表面積などからコストを計算すれば、約4.3円という計算です。
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本体が格安なプリンターですが、印刷コストもさほど高くなく「標準的」です。
ただし、後ほど紹介するブラザー機など、コスト面でより優秀な製品もあるため、比較は必要です。
カラー印刷のクオリティは、格安機としては、高いです。
5000円前後の製品としては、印字品質は良く、階調性も良好です。デジカメ写真などの「黒つぶれ」も少なめです。
しかし、同社が「画質に力を入れる」機種は「エプソンカラー」機と呼びますが、この機種は、「写真印刷に強い」インクである、黒の染料インクを採用しないので、その「称号」を得ていません。
黒以外の3色は「染料インク」で、インクの打ち出しも、エプソン自慢のMACH方式(マッハジェット式)ですが、それでも、インク構成の部分で、同社の6色上位機などより、画質は落ちます。
文字印刷のクオリティは、逆に、良好です。
なぜなら、黒インクについて、くっきりブラック(顔料インク)を採用するからです。
顔料インクは、一般的な染料インクよりも耐水性が強いので、普通紙印刷では、文字が「にじみ」にくく、ビジネス文書の印刷に向きます。
ヘッドについても、6色インクモデルにも採用する滴下するインクのサイズを的確に打ち分ける、MSDT(マルチ・サイズ・ドット・テクノロジー)を装備します。
印刷速度は、最大の問題点です。
A4原稿へのカラー(写真用光沢紙)の印刷速度が、2分49秒と相当遅いからです。
普通紙へのA4のビジネス文書(黒・カラー)の印刷の場合の速度も、非公開です。
ただ、同じ排紙構造・速度の旧機種で取った実測値を参考にすると、15秒/枚ほどです。
毎分約4枚印刷できる速度ですから、他社の低価格機と較べても、ストレスはあるでしょう。
自動両面印刷機能も、非搭載です。
紙代の節約などのため、裏表を印刷したい場合は、2回操作が必要であり、不便です。
給紙量も、同社の上位機の半分の50枚までです。
こうした点で、あくまで「入門機」という仕様です。
Epson iPrint(スマホアプリ)
¥0 Apple App Store
Epson iPrint(スマホアプリ)
¥0 Google Play
ネットワーク機能は、USB接続のほかWi-Fi(無線LAN)が搭載されます。
そのため、スマホアプリから直接印刷ができます(iPrint機能)。
ただし、先述のように、本体に液晶パネルがないので、こうした利用には、不向きです。
スキャナー解像度は、1200dpi×2400dpiです。
ADF(原稿自動送り装置)はないですが、読取クオリティ自体は良いです。
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以上、EW-052Aの紹介でした。
比較的安く購入できる「エプソン機」として、人気のある機種です。
ただ、能力を見ると、印刷速度は期待できないですし、両面印刷も非対応です。そのため、毎週のように使う方にはおすすめできませんが、それ以外の性能はまとまっています。
印刷コストも割安水準ですし、逆説的な表現ですが、プリンターを「あまり使わない方」で、ある程度信頼できる格安機を探している場合、候補となります。
Windows XP〜11 Mac 10.6〜12.0
【2019年8月発売】
2・EPSON Colorio EW-452A
¥13,650 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 1色
印刷速度:約4枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:高さ170×長さ375×奥行300mm
EW-452Aは、エプソンのプリンター複合機の中級機です。
1つ上で紹介した、EW-052Aの上位機にあたります。
ただし、利用するインクと、搬送ユニットは下位機種と共通化させているため、印刷コスト・印刷速度・印字品質など、基本となる部分は「同じ」です。
一方、下位機種よりパワーアップする部分のうち、注目するべきは、以下の2点です。
第1に、操作パネルに液晶が付属した点です。
1.44型の小さなものですが、コピーなどの操作の確認がしやすくなっています。
スマホから直接印刷する場合も、パネルで確認ができるため、失敗は少なくなるでしょう。
第2に、自動両面印刷機能が、搭載される点です。
職場などに持って行く書類のかさが2分の1にできるため、人によってはかなりメリット性があります。
年賀状などの印刷にも便利です。紙コストの削減にもなります。
1・給紙量の増加(100枚)
2・メンテナンスユニット
3・名刺サイズ対応
4・コピーでのふちなし印刷
そのほか、以上の4点に、下位機種との違いが見られます。
例えば、コピー機能が「オートフィット対応」となり、ふちなし印刷ができる点や、長年の利用後の廃液タンクに「交換式メンテナンスボックス」を採用した点など、です。
ただ、パワーユーザー以外は、あまり関係ない部分だと思います。
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以上、EW-452Aの紹介でした。
エプソンに、これまでなかった4色インクモデルの「中級機」です。
自動両面印刷機能の搭載により、家庭内での利用を前提としつつ、ビジネスよりに便利になったと評価できます。
ただ、その場合、搬送ユニットが下位機種と共通であり、他社に比べて、印刷速度が遅いという致命的な欠点があります。この部分はネックです。
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なお、エプソンは、家庭用の4色プリンターは、後ほど別に紹介する「エコタンクプリンター」を除けば、これらのみです。
上位機は【6色インクジェットの比較記事】で紹介している機種となります。価格面では1万円前後からです。詳しくは、上記リンク記事をご覧ください。
1-2・ブラザーのカラープリンター
つづいて、ブラザーのカラープリンターを紹介しましょう。
ブラザーは、伝統的に4色インクにこだわりを持ち、その高性能化を目指している企業です。
Windows 7〜11 Mac 10.14〜11.0
【2021年10月発売】
【FAXなし】
3・ブラザー PRIVIO DCP-J926N-W
3・ブラザー PRIVIO DCP-J926N-B
¥21,450 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
【FAXあり】
4・ブラザー PRIVIO MFC-J904N
¥27,500 楽天市場 (3/8執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 1色
印刷速度:約17枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:高さ172×奥行341×横幅400mm
DCP-J926Nは、ブラザーの最新の入門用プリンターです。
なお、ブラザーの場合、1万円台前半の機種は、2021年頃からなくなっていて、本機が入門機となります。
MFC-J904Nも、ファックス(カラーファックス)が付属する以外は同じなので、同時に紹介します。こちらは、配色は黒のみです。
本体サイズは、高さ172×奥行341×横幅400mmです。
本機も家庭用であり、設置性は良いです。
本機のシステムも、スキャナとコピーも付いた「複合機」です。
Brother 4色パック LC411-4PK
¥3,820 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
Brother ブラック2個 LC411BK-2PK
¥1,882 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
黒インクに2本入りの「お徳用パック」もあり、お買得感は高いです。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約22.2円
A4普通紙カラー 約9.4円
A4モノクロ 約2.9円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約16.3円
フォト年賀状印刷 約24.1円
A4Photoカラー 約90.1円
インクのコストパフォーマンスは、Amazonにおけるインクの実売価格からすれば、上表のようになります。
インクの種類は、2021年より変わりました。
実インクコストは、上表の通りです。
写真印刷のコストは、エプソンと比べると、約15%安いです。
ランニングコストの面でも、日常に使用するプリンターとしておすすめできます。
普通紙印刷のコストも、ブラザーは自信があるのか公開します。
A4カラー印刷で、1枚9.4円前後、A4白黒印刷の場合は、約2.9円程度です。
いずれも、エプソンの入門機より30%近く安く、他社の入門機比べても、コスパが良いです。
カラー印刷のクオリティは、4色タンクとしては良いです。
エプソン同様に、カラーインク3色は染料インクを利用し、黒のみ顔料インクという構成です。
ただ、新機種になって、インクの最小液滴量が従来の1.5plから2plにダウングレードしています。
後述するように、テレワーク需要に対応するため、印刷速度を高めたためです。
この程度の液適量差で画質は変わらないという説もあるのですが、同社が、1.5pLであることを長年宣伝してきたことをふまえると、差と言えます。
具体的な、画質向上化のための新技術の説明もないので、速度向上のための処置でしょう。
文字印刷のクオリティは、期待値は高いです。
エプソンと同じで、にじみにくい顔料黒インクだからです。
そのため、4色モデルとしては、品質はエプソンと並び、「トップレベル」です。
印刷速度は、1分間にカラー16.5枚・モノクロ17枚です。
この部分は、たいへん優秀で、テレワークを含むビジネス用としても有用です。
ファストプリントの速度も、カラーでも6.5秒と高速です。
エプソンのカラリオシリーズよりも約4倍は高速です。
そのため、家庭で大量印刷を考えている方はブラザーがおすすめです。
Brother Mobile Connect
¥0 Apple App Store
Brother Mobile Connect
¥0 Google Play
ネットワーク機能は、USB接続のほか、Wi-Fiに対応します。
スマホから直接的に印刷できるため、今の時代には便利な機種だと思います。
スマホの部分で言えば、タッチdeプリント&スキャンとして、スマホのNFCをかざすだけでスキャンができる機能も搭載です。
ただ、Android系のみ使えます。
操作も、ブラザーは全機種とも、2.7型のTFT液晶を装備し、しかもタッチパネル式です。
直感的な操作が可能です。液晶パネルが付属し、SDカードスロットもあるため、デジカメからの直接印刷にも便利です。
自動両面印刷機能も搭載されます。
職場などに持って行く書類のかさが2分の1にできるため、人によってはかなりメリット性があります。
年賀状などの印刷にも便利です。紙コストの削減にもなります。
その上で、CDのレーベル印刷などニッチな機能を備えます。
最近はあまり需要は減っている気もしますが、付属するのは、このシリーズの「伝統」です。
スキャナー解像度は、1200dpi×2400dpiです。
上部にADF(原稿自動送り装置)があります。
読み取りは片面のみではありますが、最大で1200×2400dpiの解像度、速度は毎分10.5枚(モノクロ13枚)と、十分に実用性はあります。
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以上、ブラザーのDCP-J926Nの紹介でした。
黒が顔料インクの4色インクである上、印刷速度・スキャン速度とも「速い」ので、「テレワーク寄りの家庭用」として、本機はまとまった性能です。
インクコストも水準より安いため、コスパもかなり良いです。
画質面では、先述のように、最小液滴量が2plである点はありますが、年賀状を含めて、家庭で普通に利用する分には、これでも十分でしょう。
やや、仕事よりの家庭機ですが、仕事・プライベート・年賀状の利用を勘案した総合力ではブラザーのプリビオが間違いなくオススメできます。
同社のCM風に言えば「賢く選べばブラザー」と言えそうです。
Windows 7〜11 Mac 10.11〜12.0
【2021年モデル】
【FAXなし】
5・BROTHER PRIVIO DCP-J1200N
¥24,700 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 1色
印刷速度:約16枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:非対応
サイズ:横幅435×奥行351×高さ161mm
DCP-J1200Nは、ブラザーの新しいファーストタンクモデル搭載モデルです。
印字品質を落とさず、「インクコストが安い」のが、自慢というシリーズになります。
本機のシステムは、プリンタ機能のほか、スキャナとコピー機能が付いた「複合機」です。
液晶パネルがなく、本体は、実用重視で「割り切った」感じの外観です。
本体サイズは、横幅435×奥行351×高さ161mmです。
ADF(原稿自動送り)ほか、自動両面印刷もないので、背は低めです。
いずれにしても、設置に問題なく、家庭用の省スペースモデルと言えます。
【モノクロ2500枚、カラー1500枚】
インクカートリッジ LC414BK【黒】
¥2,000〜 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
インクカートリッジ LC414C【シアン】
¥2,121 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
注意点としては、この製品は、セット販売がなく単品販売の価格だと言うことです。
ただし、「ファーストタンクモデル」で、モノクロ2500枚、カラー1500枚というかなり多めの印刷可能枚数を実現しています。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約16.2円
A4普通紙カラー 約5.5円
A4モノクロ 約0.9円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約11.1円
フォト年賀状印刷 16.2円
A4フォトカラー 約60.8円
インクのコストパフォーマンスは、上表の通りです。
写真印刷のコストは、Amazonでの売価基準でみても、先ほどの機種より、さらに25%ほど安いです。
普通紙印刷のコストは、公開印刷コストベースでも、A4カラー印刷で1枚5.5円前後、A4白黒印刷の場合は、約0.8円程度と、相当安いです。
ただし、1回のインク交換にかかるコストは、1本2000円前後と高めです。そのこともあり、他機と違って、全色セット割引販売がないです。
インクも使わず放置しておくと劣化します。2年寿命ですから、「1回買って5年使おう!」というような動機ならば、この機種は止めた方が良いです。
少なくとも1ヶ月に100枚は印刷する方にだけオススメします。
カラー印刷のクオリティは、本機に限っては2021年モデルながら、1.5plの最小液滴量です。
この部分だけでみると、(諸説あるものの、ブラザー基準では)2plの2021年機より画質は上でしょう。
大容量インク搭載のビジネスモデルだからといって、ヘッドの質などが妥協された作りではないです。
文字印刷のクオリティも、下位機種と同じ水準です。
ここは、評判が良いため、期待して良い部分です。
印刷速度は、1分間にカラー9枚・モノクロ15枚です。
カラーはそこそこですが、仕事で速度が必要なのはモノクロなので、たいていは問題ないでしょう。
ネットワークは、本機も、Wi-Fiが装備されます。
ブラザーは2021年に新アプリになったのですが、(液晶のない)本機でも、スマホで全体の設定ができる用にするためでしょう。
スキャナー解像度は、1200dpi×2400dpiと平均値をクリアします。
その他の点は、ADFとCDのレーベル印刷に非対応な部分が違いです。
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以上、 ブラザーのDCP-J1200Nの紹介でした。
本体価格がやや高額な分、インク価格を「相当やすくしている」というモデルです。
例えば、PTA活動で大量のチラシの印刷が想定されるなどの場合は、総コスト面でこの機種は有利でしょう。
一方、年間の印刷枚数が1000枚以下ならば、インクの対応期限からして、さきほどの機種で良いと思います。また、自動両面印刷がない部分も注意してください。
自動両面印刷を含めて、家庭向きにもう少し使いやすい仕様ならば、もう少し評価できるという意味では少し残念な製品ではあります。
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なお、ブラザーの他のインクジェット機は、(カラー含め)「全量顔料インク」のビジネス向けです。そのため、【ビジネスインクジェットプリンタの比較記事】で、別に紹介しています。
1-3・キヤノンのカラープリンター
続いて、キヤノンの格安プリンタを紹介しましょう。
同社の上位機は、「5本」のインクタンクを使う「4色」モデルもあります。
Windows 7〜11 Mac 10.12〜12.0
【2020年3月発売】(後継機あり)
6・Canon PIXUS TS3330 【各色】
¥7,350 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色(一体型)
黒インク数:1色
印刷速度:約7.7枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:
サイズ:高さ145×長さ435×奥行316mm
TS3330S、最新機ではキヤノンのプリンターとしては、最も安い入門モデルです。
本体色は、ホワイト(TS3430-WH)とブラック(TS3330-BK)から選べます。
本機のシステムも、プリンタ・スキャナ・コピー機能が付いた「複合機」です。
本体のサイズは、高さ145×長さ435×奥行316mmです。
他社に比べても、非常に小型で、設置性の良い機種です。ただし、液晶パネルは、モノクロですね。
CANON BC-346XL 3色カラー (大容量)
¥2,296 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
CANON BC-345XL ブラック (大容量)
¥2,464 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
大容量タンクが利用できるので、その価格を示しました。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約21.7円
A4普通紙カラー 約15.5円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約17.1円
フォト年賀状印刷 約25.3円
A4Photoカラー 約94.6円
インクのコストパフォーマンスは、上表のとおりで、あまり安くないです。
加えて、本機の場合、追加の注意が必要です。
なぜなら、本機は、他社のように「4色独立タンク」を採用しておらず、「3色タンク」+「黒インクタンク」の構成です。
カラーインクの1つがなくなると、カラータンク丸ごと交換になる機種です。
使い方によってはさらに割高な場合もあり得る機種です。
印刷速度は、A4普通紙へのカラー印刷は、1分間に4枚、モノクロ印刷は、1分間に7.7枚です。
ブラザーに比べると遅い機種です。同社の昨年度の下位機種よりも遅く、この部分で性能を削っています。
カラー印刷のクオリティは、インクの最小サイズが2ピコリットルです。
ブラザーの2021年機と同じで、やや粗いです。
写真画質に強い染料インクながら、この部分は少し残念です。
文字印刷のクオリティは、黒インクが顔料インクです。
耐水性の高い独自のインクで、品質は他社並みです。
ネットワーク機能は、USB接続のほかWi-Fi対応です。
液晶窓で確認はできませんが、スマホからのダイレクト印刷に対応できます。ただし、こちらは自動両面印刷機能が非搭載です。
なお、キヤノン機は、【スマートスピーカーの比較記事】で紹介したAmazonとGoogle系の端末で、一部音声操作ができます。
スキャナー解像度は、600×1200dpiです。
エプソンやキャノンより解像度が悪いです。本格的に利用することはあまり想定していないと言えます。
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以上、キヤノンのPIXUS MG3630の紹介でした。
今回の記事の趣旨で言えば、「カラーが独立タンクでない」という点は、難がある機種です。
そのほか、画質面や自動両面印刷の不採用などの面でも難があるので、同社の製品から選ぶとすると、続く上位機のほうが良いでしょう。
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Windows 7〜11 Mac 10.12〜12.0
【2022年3月発売】
7・Canon PIXUS TS3530 【各色】
¥7,350 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色(一体型)
黒インク数:1色
印刷速度:約7.7枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:
サイズ:高さ145×長さ435×奥行327mm
なお、キヤノンは、このグレードの機種を2022年初頭にだします。
多少の本体形状の変更と省エネ性のわずかな改善以外、仕様は同じです。
CANON BC-366XL 3色カラー (大容量)
¥2,700 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
CANON BC-365XL ブラック (大容量)
¥2,800 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約27円
A4普通紙カラー 約17.6円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約20.7円
フォト年賀状印刷 約30.4円
A4Photoカラー 約114.1円
ただ、(画質面での変更はなく)インクの型番を今回新しくしました。
最近の原料高を反映してのことでしょうが、コスパがより悪くなりました。
独立タンクでない部分もありますし、やはり、すこし選びにくいです。
Windows 7〜11 Mac 10.11〜12.0
【2019年】
8・Canon PIXUS TS5330 【各色】
¥16,500 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
【2021年12月発売】
8・Canon PIXUS TS5430 【各色】
¥17.200 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色(一体型)
黒インク数:1色
印刷速度:約13枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:高さ148×長さ403×奥行315mm
TS5330 は、最新機ではキヤノンで2番目に安いモデルです。
2021年12月末に新機種に更新されましたが、外観色の多少の変更以外同じです。
本機のシステムも、プリンタ・スキャナ・コピー機能が付いた「複合機」です。
本体色は、ブラック(TS5330-BK TS5430-BK)のほか、ホワイト(TS5330-WH TS5430-WH)とピンク(TS5330-PK TS5430-PK)が選べます。
下位機種と異なり、前面「ふた付き」で、1.4型のモノクロ有機ELディスプレイが搭載です。
コンセプトとしては、画面へのQRコード表示機能を作り、「操作に迷った場合はスマホで」という発想です。
現在は「スマホ時代」なので、この仕様でも良いかもしれません。ただ、デジカメの直接プリントなどを考えている人は、モニター上で確認ができないため、注意点です。
CANON BC-361XL 3色カラー(大容量)
¥2,617 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
CANON BC-360XL ブラック(大容量)
¥2,682 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。こちらは、昨年モデルと同じインクを流用しています。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約27.8円
A4普通紙カラー 約18.5円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約20.3円
フォト年賀状印刷 約29.8円
A4Photoカラー 約111.7円
インクのコストパフォーマンスは、Amazonの実売価格からすると以上の通りです。
下位機種と同じで「4色独立タンク」を採用しておらず、「3色タンク」+「黒インクタンク」の構成で、使い方によっては、割高な場合もありえる機種です。
印刷速度は、A4普通紙へのカラープリントは1分間に6.8枚、モノクロは、1分間に13.0枚と、下位機種より向上しました。
カラー印刷のクオリティは、下位機種と同じです。
文字印刷のクオリティも、同じです。文字に強い仕様です。
ネットワーク機能は、無線LAN搭載です。
自動両面印刷機能は、搭載です。
スキャナー解像度は、1200×2400dpiです。
本機については、他社機と並んでいます。
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以上、PIXUS TS5130の紹介でした。やはり、非独立タンクはインクコスト面で相当不利です。
スタイリッシュな本体ですが、この機種は、今回の比較の観点からすると、あまりおすすめできる機種とはいえないでしょう。
Windows 7〜11 Mac 10.12〜12.0
【下位機種】(2022年)
9・Canon PIXUS TR703a
¥16,500 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
サイズ:幅372×奥行365×高さ158mm
【中位機種】(2019年)
9・Canon PIXUS TS6330 【各色】
¥20,680 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
サイズ:幅372×奥行315×高さ139mm
【上位機種】(2020年)
10・Canon PIXUS TS7430【各色】
¥25,980 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数:2色
印刷速度:約15枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:幅376×奥行359×高さ141mm
これら3機種は、キヤノンの中級グレードの製品です。
それぞれ発売年度が異なるのですが、インクと速度は同じなので、同時にみていきます。なお、下位機種を除くと、在庫限りで終売になります。
3機種の違いについて、まず説明します。
第1に、TR703aは、スキャナ・コピー機能がない、単機能プリンタです。
「テレワーク」向けにだした格安機といえ、本機のみ、Wi-Fiに加えて、有線LANでの接続をフォローします。本体の液晶は2行表示のモノクロとシンプルになります。
第2に、TS6330は、スキャナ・コピー機能があるプリンター複合機です。
3型のカラー液晶パネルを採用して、その部分を見つつ操作することになります。
接続は、USBほかは、Wi-Fiのみです。
第3に、TS7430も、複合機です。
こちらは、1.4型のモノクロ有機ELを採用して、QRコード経由でスマホで主に操作する「近未来的な」機種です。
なんとなく、カラー液晶を採用するTS6330のが「高級」に思えなくもないです。
ただ、上位機は、プリントの際に自動で電源が入り、トレイが伸張し勝手にプリントを終える「スマートトレイ」対応なので、ギミックとしては、もっとも高級感があります。
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そのほか、プリント品質・コスト・速度などは共通するため、以下では同時に紹介します。
Canon BCI-381 5色マルチパック
¥5,164 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
Canon BCI-380XLPGBK ブラック大容量
¥1,482 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
純正インクの単価は、こちらになります。
ポイントは、このグレードから1色ずつ交換できる独立タンクという点です。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約19.4円
A4普通紙カラー 約10.5円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約14.0円
フォト年賀状印刷 約20.6円
A4Photoカラー 約77.2円
インクのコストパフォーマンスは、Amazonの実売価格からすると以上の通りです。
メーカーの印刷コストは、同じインクを採用する2020年機のデータを基準にしています。
写真印刷のコストは、ブラザー上位機と同等といってよく、「安い」です。
加えて、後述するように、インク数が多く、印字品質もよいので、それを考慮するとかなり安めとも言えます。
普通紙印刷のコストは、下位機種より明らかに安いです。
ブラザーの家庭用上位機に次ぐ水準でしょう。
印刷速度は、特に、普通紙への印字スピードは、キヤノンが圧倒的に速いといえます。
モノクロA4普通紙で15.0枚/分、カラーA4普通紙でも10枚/分と、格安のレーザープリンターに比する速度を出せます。L判光沢紙の場合も31秒とやはり高速です。
キヤノンは伝統的に「普通紙の印字速度の速さ」を売りにして、エプソンに対抗してきた経緯のある会社だということは言及に値するでしょう。
ビジネス用で大量に印刷するならば、印刷の速いキヤノン機は、よい選択肢です。
カラー印刷のクオリティは、他社の4色モデルと比べると健闘しています。
というのも、キヤノンのこの機種は、ブラザーのように黄色・赤色・青色の染料インクを採用した上で、黒色についても、染料インクを搭載するからです。
顔料黒インクだけだと、コントラストと濃度が強すぎるため、カラーの階調が重要な写真に適応するのがやや困難です。
その点で言えば、発色の良さや階調性は、(6色以上の高画質機を除けば)明らかに良いです。
モノクロ印刷のクオリティも、かなり良いです。
というのも、この機種は、染料黒インクのほか、文字に強い顔料黒インクも積んでいるからです。
ややカラー印刷のコストが高いのは、「4色モデル」ながら「5タンク式」を取るからですね。
ネットワーク機能は、この機種もUSB接続のほか、Wi-Fi対応です。スマホからのダイレクト印刷も可能です。
自動両面印刷機能も、搭載です。
そのほか、スキャナーの性能が良く、1200×2400dpiなので、他社より性能が良いです。
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以上、キヤノンのPIXUSの中級グレード2機の紹介でした。
やや本体の値段はしますが、インクの実売価格が安いため、印刷コストの部分で魅力があります。
その上で、黒インクに顔料インク・染料インクを搭載するため、写真の発色も、文字の鮮明度も下位機種より高いです。
こうした点で言えば、文字印刷のクオリティと写真クオリティが両立した良機種です。普段は、モノクロ印刷だが、「年賀状はそれなりにこだわりたい」方には有力な候補です。
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【2021年12月発売】
11・Canon PIXUS TS7530【各色】
¥28,000 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数:2色
印刷速度:約15枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:幅376×奥行350×高さ142mm
なお、最上位機のTS7430は、2021年12月に新機種に更新されました。
流行を反映してか、外観が、都会的なモダンな形状から、ほんわか系のバイデザインに変わります。
画質・速度そのほか、性能はTS7430と変わりません。
【5色パック】
BCI-301+300/5MP
¥6,364 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約31.8円
A4普通紙カラー 約18.8円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約25.5円
フォト年賀状印刷 約37.6円
A4Photoカラー 約141円
しかし、利用するインクの系統が変わります。
新機種はメーカー公表の印刷単価(L判)が2倍の値上げです。
ヘッドも同じで画質は同等ですから、コスト面では各社通しても割高で、魅力に欠ける機種です。
結論的にいえば、今回の比較基準だと「選べない」製品です。
【2020年】【FAX・ADFあり】
12・Canon PIXUS TS8630【各色】
¥24,091 Amazon.co.jp (3/8執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数:2色
印刷速度:約15枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:約438×351×190mm
S8630も、キヤノンの中級グレードのプリンターです。
本機は、上の新機種(TS7530)と違って、下位のTS6330 と同じ、比較的安いほうのインクを利用します。
公表印刷コストの値が異なるのは、プリンタの発売時期のキヤノンでのインク価格の違いに由来するだけでで、コストも変わりません。
また、搬送機構も同じなので、印刷速度も同等です。
デザイン上の相違点も、液晶が4.3型タッチパネルとなる点を除けば、ほぼ同じです。
一方、本機は、写真のようなADF(原稿自動送り装置)とファックス(G3)を装備します。
ようするに、テレワーク需要で出てきた新製品で、ブラザーのADF・FAX付き上位機(PRIVIO MCF-J903N )と競合する製品と言えます。
スキャナー解像度は、1200dpi×2400dpiです。
ADFの性能は、片面読取りだけ対応です。
スキャン速度は、カラー300dpiで毎分5枚というスペックです。ただ、ADF利用時の速度は、しかっりと明示されません。
そのほかは、Wi-Fiと同時に利用できないものの、有線LAN接続に対応する点が相違点です。あとの仕様はほとんど同じです。
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以上、キヤノンのS8630の紹介でした。
コロナ以後の状況にマッチさせる中で出てきた新製品として評価できます。
やや「急ごしらえ」に思える部分もありますが、ブラザーのFAX付の入門機の供給が不安定ですし、2万円以下のFAX付の製品として、一定のプレゼンスがあります。
ただし、ビジネス用には【A4ビジネスインクジェットの比較記事】で紹介したような、全インク顔料インクのプリンターのほうが、水やマーカーでにじまない点で、より優れます。
本機については、あくまで「家庭用で、ちょっとした仕事にも対応できる」という類の製品である点は、留意しましょう。
次回につづく
インクジェット複合機のおすすめは結論的にこちら!

というわけで、今回は、カラープリンターの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
1・A4カラープリンタの比較 (1)
1-1:エプソン
1-2:ブラザー
1-3:キヤノン
2・A4カラープリンタの比較 (2)
2-1:HP
2-2:エプソン〈特大インク〉
2-3:キャノン〈特大インク〉
3・A4カラープリンタの比較 (3)
=最終的なおすすめ機種の提案
続く2回目記事【こちら】では、さらに、米国のHP(ヒューレットパッカード)の製品を紹介します。
また、「桁違いのインク代の安さ」で評判のエプソンとキヤノンの大容量タンク(エコタンク)搭載プリンターを紹介します。
インクコスト ★★★★★
画質(普通紙)★★★★★
画質(写真) ★★★★★
印刷スピード ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その後、第3回目記事(こちら)では、全体の結論として、ここまでに見た「4色インクの機種すべて」から、価格別・目的別に「Atlasのおすすめ機種」を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら!
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