Top 美容家電 比較2024' 新型のイオンドライヤー73機の性能とおすすめ・選び方 (Hair Dryer-1)

2024年11月06日

比較2024' 新型のイオンドライヤー73機の性能とおすすめ・選び方 (Hair Dryer-1)

【今回レビューする内容】2024年 マイナスイオンドライヤーの性能とおすすめ 男女対応:大風量高級ターボドライヤー 美容師業務用対応:ナノイー プラズクラスターの効果:機種の違いと性能・人気ランキング

【比較する製品型番Panasonic ナノケア EH-NA0J EH-NA9M EH-NA7M EH-NA0G EH-NA9G EH-NA2K EH-NA9F ナノケア アルティメイト EH-NC50-K EH-NC80-Tイオニティ EH-NE7M EH-NE5M EH-NE7L EH-NE5L EH-NE4E EH-NE2E EH-NE5C EH-NE4J EH-NE2J Dyson Supersonic Shine HD15 ULF IIF BNBC DBBC CP ダイソン Dyson Supersonic Nural Shine HD16 VLP CPATO VBTO Dyson Supersonic Shine HD15 ULF IIF BNBC Dyson Supersonic Origin HD08 ULF BBN ENT Dyson Supersonic r HD17 VLP CPATO VBTO シャープ Plasmacluster Beauty IB-WX902 IB-P802 IB-P602 IB-WX901 IB-WX801 IB-P601-W IB-WX3 IB-NP9 IB-MP9 IB-NP7 IB-WX1 IB-HP9-A IB-HP9-R IB-HP9-N IB-GP9-N テスコム Speedom TID2400B Nobby by TESCOM NIB500A NIB400A NIB300A TD770A-W NB2100 TD360A TD570A TD260A TD465A TD565A-K TDX300A コイズミ KHD-W995 KHD-W915 KHD-W815 KHD-W810 KHD-W740/K KHD-W915 KHD-W910 Salon Sense KHD-9560/K TDX300A VS VSD-1271/KJ VSD-1242 VSD-1241/KJ ヤーマン HC-20 HC-9W YJHC0L アイリスオーヤマ MiCOLA HDR-M301 HDR-M201 モノクローム KHD-9532/BK KHD-9530/WH KHD-9200/W ほか

今回のお題
大風量で強力なマイナスイオンドライヤーのおすすめはどれ?

 どもAtlasです。

 今回は、2024年10月現在、最新のマイナスイオンドライヤーの比較です。

 イオン効果の違いほか、髪ケアに重要な「温度・風量」、スタイリングに重要な「アタッチメント」や静音性を含めて、各機を比較していきます。

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1・イオンドライヤーの比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:パナソニック〈ナノケア〉
 1-3:ダイソン〈スーパーソニック〉
2・イオンドライヤーの比較 (2) 
 2-1:コイズミ〈モンスター〉
 2-2:テスコム〈Speedom〉
3・イオンドライヤーの比較 (3)
 3-1:シャープ〈 Plasmacluster Beauty〉
 3-2:クレイツイオン〈エレメア〉
 3-3:ヤーマン〈スカルプ〉
 3-4:アイリス〈Moist Pro〉
4・イオンドライヤーの比較 (4)
 4-1:VS〈マジックシャイン〉
 4-2:パナソニック〈イオニティ〉
 4-3:モノクローム ほか
 4-4:最終的なおすすめの提案【結論】

 記事では、ドライヤーの「選び方の基本」を説明したあと、メーカーごとに代表的な製品のスペックをみていきます。

 1万円以上の高級ヘアドライヤーから、5000円以下の大風量のドライヤーまで広く扱います。

風量の強さ  ★★★★★
髪への優しさ ★★★★★
本体の軽さ  ★★★★★
総合評価   ★★★★★

 というわけで、以下では、いつものように、各機種を比較していきます。

 そして、記事の「結論」部分では、上表のようなポイントから、目的別・予算別におすすめ機種!を提案していきます。

ーーー

1・イオンドライヤーの比較
2・くるくるドライヤーの比較
3・ヘアアイロンの比較

 なお、今回は、美容家電の比較記事の1回目記事として書きました。

 なお、カールドライヤー(くるくるドライヤー)タイプは、記事が別となります。2番のリンクをご覧ください。よろしくお願いします。

1-1・イオンドライヤーの選び方の基本!

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1・パワー(風力・風速・風温)
2・静音性
3・マイナスイオンの効果
4・ドライヤーの軽さ

 はじめに、イオンドライヤーの「選び方の基本」からです。

 ドライヤーを選ぶ際に、「ここを覚えておけばよい」といえるスペックについて、あらかじめ説明します。

1・ドライヤーのパワー

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 ドライヤーのパワーは、最も大事な速乾性に関わるスペックと言えます。

 ドライヤーの場合、風量風速(風圧)風温のバランスで、髪の毛の乾きの速さが決まると言えます。

 重要な部分ですし、この3要素について、以下、少し細かく説明しておきます。


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 第1に、風量です。

 大手ならば、「1.6㎥/分」などの値で、風量を数字で公開します。

 測定基準が、JIS規格で定められていて、この数字の信頼性は高いです。

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 ただし、風量は吹出口でノズルを付けない際の風の強さを示します。

 そのため、髪に実際届く風の強さを表すものではないです。そのため、実際の風量は強いことをしめすため、「自社基準」を出す企業もあります。

 ただ、それではスペック比較にならないので、今回の記事では、客観性を担保するため、JISの値を重視して、比べていきます。


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 第2に、風速(風圧)です。

 こちらは、速乾性の部分で、近年重視されてきたスペックです。

 風速が強い機種だと、毛量が多くても地肌まで風が届きやすく、また、風の力で水を短時間で吹き飛ばせるため、髪の毛が乾くのが早いです。

 しかし、「風速自慢」の機種ほど、一般的に風量の値は弱くなります(1㎥/分以下)。仕組み上、吹き出し口を細身にするなどして、風を拡げないようにする必要があるからです。

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 それでも、最近こうした機種が増えています。

 これは、風量を犠牲にしても、風速を重視した方が髪が乾くのは速いといえるからです。近年の高級機は、風速優先で設計する機種も増えました。

 注目のスペックと言えます。

 ただし、特にセット時においてブローの仕方が従来と少し変わります。また、髪を広範囲に巻き上げないので、ダメージヘアの場合、製品によっては髪がらみが起きやすい場合があります。

 静電気も、速度自慢の機種は一般的に発生しやすいでしょう。

 とはいえ、イオン機能や形状の工夫などでこうした難点を克服して、パワーを強めた機種はあります。

 今回の記事でも、注目して比較するつもりです。


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ダイソン:100度
パナソニック:95度
シャープ:95度
クレイツ:80度

 第3に、風温です。

 ここは、高ければいいというものでもないので、若干注意するべき部分です。

 風温高い場合、濡れた髪の速乾性は高まるわけですが、強すぎると髪にダメージを与えやすいからです。

 以前は、100度超えの機種も多かったです。

 しかし、最近は、最大でも100度を超えない温度で、髪をいたわりながら、風力と風速で乾かすのが、高級ドライヤーのトレンドです。

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 配慮のある機種の場合、(段階的に)温度設定できます。

 そのほか、高度な温度センサーを使い、無駄に高温にならないように自動制御する機種もあります。このあたりが、「最先端」といえます。

 ただし、1万円以下の格安機の場合で、最大温度が低い、あるいは、非公開の製品は、少し注意が必要です。ヒーターが弱く最低減の熱が乗せられないため、短時間で乾かない機種があるからです。

 いくら熱が髪に悪いと言っても、前髪などのセット時、あるいは、整髪料などを付けた後など、「素早く熱を入れたい」場合はあるので、今回はこの部分も重視して書いていこうと思います。

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 以上、ドライヤーのパワーについての説明でした。

 店頭ではそう細かく試せないですし、ドライヤー選びで一番難しいのは、この部分です。

 結論的にいえば、基本的には「1.3㎥/分」程度のJIS水準の風量スペックが公開されている上で、最大風温が100度前後まで出せる機種ならば不便なく使えると言えます。

 一方、風速が(明確に)強力な機種の場合、風力で速乾力が担保できるで、その場合は風量スペックが低くても無視して良いと言えます。ただし、毛絡みなどの副作用もおきやすいため、対策がある高級機の場合、選ばない方が「無難」といえます。

 こうした要素に「適った」機種を、今回の記事では「おすすめ」していくつもりです。

2・ドライヤーの静音性

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 ドライヤーの静音性は、正直、実際ドライヤーを使わない限り、スペックから分かりにくい部分です。

 例えば、パナソニックです。

 上位シリーズ(ナノケア)と下位シリーズ(イオニティ)は、モーターや制音構造の違いから、実使用時の不快音の量が大きく変わります。

 騒音値(デシベル)の大小の問題と言うより、不快音(キンキン音)を含めた話になるので、実機レビューも参考にしにくいです。

 傾向として言えば、格安機は特に、風の通る本体部分が細めで、風量(風速)の強い製品は、結構うるさいとは言えます。

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 ただ、高級機の場合、例外があります。

 ブラシレスDCモーターを採用した、小型高級機です。

 軽量で細身な本体で、ある程度パワフルでありつつ、直流モーターの採用で、音の質はかわるものの、従来より静かなドライヤーです。先ほど書いた、風速(風圧)が強いタイプにあたります。

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 以上、ドライヤーの静音性についての説明でした。

 相当の高級機を買われる場合を除いて、ある程度「静か」に利用したい場合、あまり細身の機種を選ばないのが、コツといえます。

 ただ、正直なところ1万円以下で「良音」なドライヤーというのはみかけたことがないため、気にする方は、ある程度予算をかけざるをえないとは言えます。

3・ドライヤーのイオン効果

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 ドライヤーのマイナスイオンの効果は、イオンドライヤーの場合、気になる部分です。

 パナソニックの「ナノイー(ナノケア)」とシャープの「プラズマクラスター」は、家庭用の家電で広く知られます。

 マイナスイオン効果は、ドライヤーの場合、乾燥後に「髪がまとまりやすくなる」というものです。髪の静電気(=プラス帯電)を相殺してくれるからです。

 ナノイーは、弱酸性の水分を発生させられる仕組み(ペルチェ式)があるので、その部分の性能は定評があります。

 そのほか、亜鉛・プラチナ電極などでミネラルを発生させ付随効果を狙う製品など、各社とも工夫が見られます。一方、企業によっては、十分な科学的検証のない「魔術的な機能説明」なイオン機能も目立ちます。

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 以上、マイナスイオン効果についての説明でした。

 効果は、大手でも自社内の官能試験(感覚試験)の域に止まるので、結構注意が必要ではあります。ただ、静電気抑制とそれによる効果は科学的な検証ができていますし、プラスαの部分も官能試験では効果が示されるため、何十年もドライヤーに使われてきたと言えます。

 ただ、Atlasがこれまで見てきた限り、説明や検証が怪しめのモデルは多いので、今回は注意しながら比較します。 

4・ドライヤーの軽さ

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 ドライヤーの軽さは、実際、毎日使う家電ですし、購入前にみるべき重要と言えます。

 メーカーによって、重量表記が「電源コード込みの重さ」である場合、「本体のみの重さ」である場合があります。

 どちらの重さか、しっかり注意してみてください。

 本体のみで450g、ケーブル込みで550gを下回れば、平均より軽いモデルと言えます。

 本体のみで600g、ケーブル込みで700gを超えるものは、重さに注意を要すると言えます。

 ただし、サロン向けを家庭用にした製品は、電源コードが家庭用の約2倍となる3メートルの場合があります(右図)。

 コード全てを持ち上げるわけではないので、サロン向けは、電源コード込みの重さは「アテにしにくい」ので、本体の重さを確認して選ぶのがコツです。

 このあたりの情報も、分かる限りですが、今回しっかり説明していくことにします。

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 というわけで、ドライヤーの「選び方の基本」の説明でした。

 あとは、家庭用の洗面台のコンセントは1200Wまでの場合が多い点も注意してください。サロン専売品の強力なモデルは、それを越える場合もありますので。注意するべき製品は、今回の記事でも言及していこうと思います。

 以下では、こうした部分を重視しながら、各メーカーのマイナスイオンドライヤーを比較します。

1-2・パナソニックのナノケアの比較

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 はじめに、パナソニックのドライヤーの紹介です。

 ここでは、上位機の「ナノケア」と「ナノケア アルティメイト」をみていきます。

 なお、同社の5000円以下でも買える普及機の「イオニティ」は、イオン部分で完全に別ラインです。そのため、4回目記事こちら)で、別枠でみる予定です。

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 なお、以下の本文では、おすすめできるポイントを赤系の文字色で、イマイチな点は青字で書いていきます。


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 【2022年発売】

 1・ パナソニック ナノケア EH-NA0J-A
 1・ パナソニック ナノケア EH-NA0J-W
 1・ パナソニック ナノケア EH-NA0J-H
 1・ パナソニック ナノケア EH-NA0J-P
  ¥35,780 Amazon.co.jp (11/5執筆時)

最大風量:1.6㎥/分
最大風温:約95度
温風モード:4種類
自動温度調整:対応
イオン:高浸透ナノイー+ミネラル
重さ:550g(ケーブル込)

 EH-NA0Jシリーズは、パナソニックの「ナノケア」の上位機です。

 後ほど上級シリーズ(ナノケア アルティメイト)もみますが、そちらは、本格的な美容器具の価格です。つまり、一般向けの上位機といえるのは、こちらです。

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 重さは、550gです。

 ケーブル込みの重さと考えれば、平均より軽めです。

 また、本機は、ノズルを付けない状態だと、胴が短いです。

 風量は、最大で1.6㎥/分です。

 十分な水準で、速乾性は高いです。

 冒頭書いたようにむやみに風量だけ強くすると、風温が落ちます。

 しかし、本機は余裕をもった風経路のサイズで大きめファンを回すため問題ありません。

 速乾性の高い製品は、静電気が発生しやすいのですが、後述するように、マイナスイオン(ナノイー)でバランスをとっています。

 静音性も、強調できます。

 ファンの径が大きいのと、取り込み口の風路の消音設計などで、ナノケアは、他社のターボドライヤーや同社の下位の「イオニティ」系に比べると、けたたましい騒音はなく音に「落ち着き」を感じます。

 これは、ナノケアシリーズだと「どれも」です。

 風量調整は、3段階(強・中・弱)の3段階で調節可能です。

 多すぎても切替が面倒ですし、ここは問題ないです。

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 パナソニックの場合、図のように、強弱が調整された複数の経路で吹き分けます。

 毛束をほぐれやすくするための気流の工夫です。この工夫がない旧機と比べると、風量はそのままで、乾燥スピードの15%ほどの向上が期待できるようです。

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 ノズルは、3種類です。

 (何も付けない)速乾ノズルが最も速く乾きます。

 その上で、髪の根元を乾かしやすいように風の拡がりをおさえる根元速乾ノズルと、セット用のノズルがつきます。なお、付ける場合、風速は上がりますが、風量のほうが落ちます。


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 風温は、95度です。

 2世代前(2022年まで)は125度までだせる機種がありましたが、風で水を飛ばすほうが髪を傷めにくいという発想で温度を落としました。

 その上で、温度ムラを少なくし、乾きムラを少なくする方向です。

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 センサーは、室温センサー(環境温度センサー)だけでなく、風温センサーを搭載です。

 髪ケアをより重視する方向性です。

 温風モードは、ホット・コールドのほか、次の5つのモードを搭載します。

 順番にみておきます。

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 第1に、温風リズムモードです。

 9割程度乾いてから選ぶと良いとされる機能です。

 温風でクセを伸ばし、冷風でそれを固定させることで、クセをとることを目的にします。

 美容院でも、最後に冷風で髪をまとめてセットする美容師さんがいます。同じような作用を、自動での温風・冷風切替で扱いやすくした機能性です。

 髪がしっかり伸びるので、ツヤ感もだせます。

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 第2に、毛先ケア集中モードです。

 乾燥後、毛先のダメージケアのため弱風で使うものです。

 2種の温度センサーを利用しての判断で、最適な間隔・風量で、温風と冷風を交互に出します。

 後述のイオン(ナノイー)の効果をふくめて、髪のまとまり感を出す効果が謳われます。 

 そのほか、地肌に優しい低め60度の温風で乾かすというスカルプモードと、ナノイーを「顔あて」するスキンモードで、総計4種です。

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 結論的にいえば、洗髪後に、強風で乾かして、9割ほど乾いたらボタンで温風リズムモードにして髪全体を「伸ばし」、その後に「毛先ケア」してほしいというのがパナソニックの提案です。

 ボタン配置は単純なので、数回使えば、このルーティンで迷わず使えそうです。

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 マイナスイオンは、高浸透ナノイーです。

  「ナノイー」とは、静電霧化技術を利用して空気中から水なしで弱酸性のミスト(マイナスイオン)を作り出す技術です。専門用語では「ペルチェ方式」と呼ばれています。

 一般的なマイナスイオンの場合でも、静電気をおさえつつ、髪の毛の表面を「さらさら」にする効果はあります。

 ナノイーは、その機能性がある上で、水分に由来する次の2つの効果が加わります。

 第1に、髪の補修効果です。

 髪に水分を浸透させられるので、髪が傷んだ状態の際に水分を補う効果が期待できます。

 第2に、頭皮のケア効果です。

 水分を補修して皮脂を正常な状態に戻す効果が期待できます。 

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 ナノイーは、その発生量でグレードがあります。

 本機は高浸透ナノイーです。水分自体の発生量が18倍と格段に多くなります。

 毛質水分増加量も、(普通の)ナノイーに対して1.9倍というデータです。従来のコロナ放電式から、マルチリーダー放電式を換えたことによる効果となります。

 そのほか、ミネラルプラチナ(ダブルミネラル)の発生機能を搭載します。

 亜鉛とプラチナでできた電極から放出されるイオンのことです。

 「キューティクルの密着性を高め、さらに摩擦ダメージに強い髪」へと改善することが効果として示されます。

 カタログでは、ヘアカラーの退色・UVケアに効果があるとされています。

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 冒頭書いたように、静電気除去以外の付帯効果は、科学的実証の側面で「論争的」な部分はあります。

 ただ、少なくとも(マイナスイオンならば)静電気除去の効果はありますし、同社によれば、個人差はあるものの、通常のナノイーより、水分増加の効果はあるようです。

 実際、「髪のまとまり」は実感できる方が多いため、「20年以上も搭載され続けている」とはいえるでしょう。

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 以上、パナソニックのナノケアEH-NA0Jの紹介でした。

 風量と風温のバランスが良い上で細かく調節できる機種です。センサー技術など家電企業としての専門性を活かした結果でしょう。

 機能面も、ヘアサロンというよりヘッドスパに近い工夫もあり、高額な理由はある機種です。

 もうすこし軽いとより良いとは言えるのですが、機能面では、予算が許せば選んで間違いない機種です。

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 なお、「ナノケア」シリーズは、次のような下位機があります。

 上でみた上位機との違いを確認しておきます。

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 【2024年発売】

 2・ パナソニック ナノケア EH-NA9M-E
 2・ パナソニック ナノケア EH-NA9M-H
  ¥29,500 Amazon.co.jp (11/5執筆時)

最大風量:1.5㎥/分
最大風温:約95度
温風モード:4種類
自動温度調整:対応
イオン:ナノイー+ミネラル
重さ:580g(ケーブル込)

 第1に、EH-NA9Mです。

 ナノケアだと、先ほどの機種の1グレード下の中級機になります。

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 重さは、580gです。

 上位機より30g重くなります.。

 形状はほぼ同じですが、全体的にすこしだけ大きめになります。

 風量も、弱くはないですが、1.5㎥/分です。

 静音性は、見た感じだと、さほど変わりません。

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 ナノイーは、一方、上位機と最も変わる部分です。

 こちらは、高浸透ナノイーではなく、普通のナノイーです。発生方式が従来のコロナ放電式になるので、水分は発生します。

 ただ、上位機は、発生量で18倍、毛髪への水分増加率で50%ほどのはあるため、効果の部分で差が付きます。

 その関係で、先述の「ヘアカラー・白髪染の退色抑制」という効果は未確認です。

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 操作系も、少し変わります。

 上位機は、持ち手はON/OFFだけで、操作は、上部の2つのホタンに集約する構成です。

 下位機(本機)は、従来通り、持ち手に強弱切替、上部にモード切替という構成です。

 使い慣れた後のモード切替は、明らかに上位機のが使いやすいです。

 あとは、根元速乾ノズルが付属しないのが目立つ違いです。

 4つのモードも、同じ構成で、基本の使い方も、先ほど説明したものと同じです。

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 結論的にいえば、使い勝手とナノイー部分で、値段差分の差は上位機とはあります。

 ただ、価格差はありますし、従来のナノイーでも効果はあります。予算を節約したい場合、本機でも良いでしょう。

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 【2024年発売】

 3・ パナソニック ナノケア EH-NA7M-P
 3・ パナソニック ナノケア EH-NA7M-A
  ¥23,000 Amazon.co.jp (11/5執

最大風量:1.5㎥/分
最大風温:約95度
温風モード:
自動温度調整:対応
イオン:ナノイー
重さ:565g(ケーブル込)

 第2に、EH-NA7Mです。

 この形状では最も安いナノケアで、下位機です。

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 形状は、1つ上のEH-NA9Mと変わりません。

 機能面は、4つの温風モード(温風リズム/毛先ケア/スカルプ/スキン)が選べない仕様です。

 加えて、プラチナミネラルの発生機能が省略です。

 あとは、重さが(これらの省略で)多少軽いほかは、変わりません。

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 結論的にいえば、本機も、イオン効果に注目する場合、少し選びにくいでしょう。

 パナソニックは「お出かけ用」として宣伝しますが、サイズは、1つ上の製品と同じで、そこまで小型ではないです。

 先ほどの最上位機とも変わらないので、むしろ上位機を買って、家でも、外出先でも使うという方向でも良さそうです。


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 【2021年発売】

 4・Panasonic ナノケア EH-NA0G
  ¥27,000 Amazon.co.jp (11/5執筆時)

最大風量:1.5㎥/分
最大風温:約125度
温風モード:5種類
自動温度調整:対応
イオン:高浸透ナノイー+ ミネラル
重さ:595g(ケーブル込)

 EH-NA0Gシリーズは、パナソニックの「ナノケア」上位機の旧型です。

 冒頭でみた機種の1世代前で、在庫限りで売られます。

 ディープネイビー(EH-NA0G-A)・モイストピンク(EH-NA0G-P)・ウォームホワイト(EH-NA0G-W)の3色から選べます。

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 本体は、珍しい流線型のデザインです。

 重さは、595gです。

 新機種とさほど変わりませんが、体積としては27%大きいです。

 近年の流行は小型形状であるので、先ほどの機種がでた形です。

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 風量は、最大で1.5㎥/分です

 原稿の中級機と同じですが、風温125度です。

 髪ケア重視の新機種より温度は高めです。同社の調査でも問題ない温度とされますが、最近のトレンドからすると、古いとはいえます。

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 温風モードは、5種です。

 新機種で説明した4種(温風リズム・毛先ケア・スカルプ・スキン)に加えて、この世代は、季節に合わせて、温度調整するインテリジェント温風モードがありました。

 おそらく(あまり使われないので)廃止になったのかと思います。

 センサーは、一方、室温センサーはありますが、風温センサーは未付属です。 

 その部分で、とくに毛先ケアを含めた、弱風・低音風利用時の「髪へのいたわり」は新機種にすこし負けます。

 マイナスイオンは、上位の高浸透ナノイー+ミネラルです。

 新しい上位機と同じですが、ナノイーの発生口の場所の違いで、効果においては(同社によると頭皮のうるおいにおいて20%)はあるようです。

 あとは、根元速乾ノズルが付属しない(セット用のノズルのみ)となるのが、新しい上位機との差です。

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 以上、EH-NA0Gシリーズの紹介でした。

 イオン部分速乾性は、冒頭でみた新機種とほぼ同じと考えて良いでしょう。

 ただ、形状ほか、ケアの方向性(低温で、優しく)が、現在のヘアケアの発想からすれば、旧世代と言えそうです。値段の違いはありますが、今選ぶならば、新形状の製品でしょう。 

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 なお、旧形状の製品にも、中位機、下位機があります。

 順番にみておきます。

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 【2021年発売】

 5・Panasonic ナノケア EH-NA9G
  ¥20,500 Amazon.co.jp (11/5執筆時)

最大風量:1.3㎥/分
最大風温:約125度
温風モード:5種類
自動温度調整:対応
イオン:ナノイー+ミネラル
重さ:575g(ケーブル込)

 第1に、EH-NA9Gです。

 旧形状の下位機になります。

 本体色は、ゴールド(EH-NA9G-N)とピンクゴールド(EH-NA9G-PN)の2色です。

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 形状は同じです。

 風量は、1.3㎥/分です。

 多少、弱くなりますが、相当程度の速乾性を期待するのでないなら、問題ない程度です。

 風温は、同じで、最大125度です。

 本機も最上位機で説明したものと同じ、5つのモードを搭載します。

 マイナスイオン機能は、ただし、発生量が少ない(無印)ナノイーです。

 ミネラルの発生量も半量となります。

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 結論的にいえば、旧機ではありますが、価格としては値ごろ感があります。

 温風モードは5種利用できますし、この値段ならば(高浸透ではない)ナノイーでも妥協できるかなと思います。

 効果量は落ちますが、程度の差こそあれ、他社のマイナスイオン方式に比べて、この部分の機能性は期待できるでしょう。

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 【2023年発売】

 6・Panasonic ナノケア EH-NA2K
  ¥12,780 Amazon.co.jp (11/5執筆時) 
 

最大風量:1.3㎥/分
最大風温:約110度
温風モード:
自動温度調整:
イオン:ナノイー
重さ:475g(ケーブル込)

 第2に、EH-NA2Kです。 

 ナノケアの旧形状製品の下位機にあたります。

 本体色は、ホワイト(EH-NA2K-W)とピンクゴールド(EH-NA2K-PN)です。

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 軽量・コンパクト性は、ただ、大きな魅力です。

 重さが、コード込みでも475gです。

 重いドライヤーが苦手な方にはおすすめしたい機種と言えます。

 風量は、本機も1.3㎥/分です。

 ただ、スカルプケアなど、先ほどみた5つの温風モードは、非搭載です。

 温度センサーによる自動制御はないです。

 風温は、ターボ時の風音が110度です。

 マイナスイオン機能はナノイーです。

 ただ、ミネラルはありません。そのため、UVケアとカラーヘアへの効果は明示されません。

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 結論的にいえば、ナノイー搭載機でこの価格というのは、お買得感があります。

 また、普通程度の速乾性が欲しいならば、風量・風温は十分です。

 ケアモードなどはないですがナノイーで髪をいたわりつつも、普通に乾燥できれば良いという方には、今だと良い選択肢でしょう。

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 【2021年発売】

 7・Panasonic ナノケア EH-NA9F
  ¥24,800 Amazon.co.jp (11/5執筆時)
 

最大風量:1.1㎥/分
最大風温:約100度
温風モード:
自動温度調整:
イオン:ナノイー+ミネラル
重さ:620g(ケーブル込)

 第3に、EH-NA9Fです。

 旧形状のナノケアでは少し特殊な位置にあるもので、唯一の海外電圧対応機です。

 本体色は、ルージュピンク(EH-NA9F-RP)とピンク(EH-NA9F-PN)です。

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 こちらは、100〜120V/200〜240Vの変圧ができるため、海外でも使える仕様です。

 風量は、ただ、1.1㎥/分です(120V地域は1.2㎥/分)。

 風温も、日本では最大100度です(120V地域は125度)。

 モードは、上位シリーズの5種類を装備し、ナノイー+ミネラルマイナスイオンという構成です。

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 結論的にいえば、海外旅行や出張の多い人向けの製品です。ただ、とくに速乾性の部分が弱いため、兼用を考えないならば、他機が良いでしょう。


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 【2024年発売】

 8・パナソニック ナノケア アルティメイト EH-NC50-K
  ¥58,200 Amazon.co.jp (11/5執筆時)

最大風量:0.8㎥/分
最大風温:約95度
温風モード:4種類
自動温度調整:対応
イオン:高浸透ナノイー 2nd +ミネラル
重さ:590g(ケーブル込)

 EH-NC50-K は、パナソニックの「ナノケア アルティメット」シリーズに属する製品です。

 24年から展開された新シリーズで、ここまでみた「ナノケア」の上位版です。

 後述するように、高浸透ナノイーが第2世代になるほか、ノズル形状とモーター種の変更で(風量ではなく)風速が強化され、速乾性も強化されています。

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 重さは、590gです。

 従来機よりわずかに重さはあるのですが、600gは切りますし、バランスは良いです。

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 風量は、一方、0.8㎥/分です。

 近年増えてきたのですが、小型高出力モーターで、地肌まで強く届く強風を作り出す方式です。

 その代わり、巻き込める風量が少なめになるので、従来のドライヤーと使い勝手は少し変わってきます。

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 細かくドライヤーを動かしつつ、素早く水分を風で飛ばしきり、その後、風速を弱めて、熱を使いながら乾燥させるという感じです。

 先述のように、あまり熱を使って乾かすのが(最近)髪ケアに良くないとも言われるようになってきており、風を重視した使い方の提案から生まれた機種と言えます。

 あまり風が強いと(とくにダメージヘアだと)利用時の毛絡みが心配です。実際、先行した他社機の場合も、その傾向はあったのですが、従来のナノケアと同じで、ノズルで適度に風を拡散させる空力設計です。 

 この部分に対策もあるのは、速乾タイプのドライヤーではよいことです。

 静音性も、モーター変更で、音の傾向が変わりますが、そこまでうるさくないです。

 本体を無理に小型にしなかったのは、このためかと思います。


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 風量調整は、本機も、3段階(強・中・弱)の3段階で調節可能です。

 操作系は、写真のようにボタンと液晶の組み合わせで、視認性が良いです。

 個人的には、モードが音声で切り替えられれば便利に思っていますが、そのような製品は(アトラスの知る限り)世にはみられません。

 ノズルは、セットノズルのみ付属です。

 風温は、本機も、95度です。

 センサーは、室温センサー(環境温度センサー)だけでなく、風温センサーを搭載です。

 ナノケアと同じです。

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 温風モードも、ナノケアシリーズと同じ4種(温風リズム・毛先ケア・スカルプ・スキン)です。

 基本の使い方も同じです。

 繰り返せば、洗髪後に、強風で乾かして9割ほど乾いたらボタンで温風リズムモードにして髪全体を「伸ばし」、その後に「毛先ケア」してほしいというのがパナソニックの提案です。

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 マイナスイオンは、本機も、高浸透ナノイーです。

 第2世代になり、発生量ベースで第1世代の10倍、毛筆水分増加量では20%増加しています。

 そのほか、プラチナミネラル(ダブルミネラル)発生機能のほか、補足的なマイナスイオン発生機能が付属です。

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 効果は同じなのですが、発生量(水分量)の調整で、3つのパーソナルメニュー(モード)が選べます。

 髪のパサつきケア(モイスト)、ボリュームアップ(エアリー)と、うねり防止(ストレート)です。

 試験結果の開示はありますが、自社検証の官能試験なので、実際、モード変更で、実感できる違いを生むのかは(Atlasには)評価不能です。

 しかし、発生量の増加自体は、ペルチェ式の仕組みからして意味があることでしょうし、一部美容家電メーカーにみられる(意味不明な)「魔術的」な説明と一線を画するといえます。

---

 以上、パナソニックのナノケア・アルティメットEH-NC50の紹介でした。

 下位シリーズとの本質的な違いは、ナノイーやパーソナルメニューではなく、モーター由来の速乾性の部分です。先述のように、このタイプは、従来とドライヤーの使い方を変える必要があるのですが、慣れてしまえば、実際のところ、速く乾く印象です。

 一方、下位シリーズと比べた場合のメリットは、洗髪後のセットの「時短化」の部分でしょう。

 その点をふまえると、仕事前などの忙しい朝でも、朝に洗髪するような方で、髪が長めのビジネスパーソンに向くのかなと思います。逆に言えば、時短性を求めないならば、下位のナノケアでよさそうです。

ーーー

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 【2024年発売】

 9・パナソニック ナノケア アルティメイト EH-NC80-T
  ¥82,000 Amazon.co.jp (11/5執筆時)

最大風量:0.8㎥/分
最大風温:約95度
温風モード:4種類
自動温度調整:対応
イオン:高浸透ナノイー 2nd +ミネラル
重さ:590g(ケーブル込)

 なお、ナノケア アルティメットのハイエンドとなるのは、EH-NC80です。

 本体性能は、基本的に先ほどの機種と同じです。

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 ノズルは、ただ、セットノズルに加えて、ボリュームアップ&ストレーターが付属です。

 こうした、ノズル部分の工夫は、次に見るダイソンも色々ありますが、コーム方式は独自です。

 ただ、この方式が実用的かは(Atlasには)少し判断できない部分です。

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 そのほか、ノズルが多いのでスタンドが付属します。

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 イオン発生機能は、仕様は同じです。

 ただ、先述のイオンの発生量を変更するパーソナルメニューに、スムースというメニューが加わり、4段階になります。 

---

 結論的にいえば、下位機との値段差の理由は、(ほぼほぼ)ボリュームアップ&ストレーターのパーツ代に止まります。高級美容家電の場合、これは仕方ない部分がありますが、そう考えるとコスパは悪いです。

 このパーツの評判次第で評価は変わるでしょうから、使用者レビューを確認する場合、そこを中心に確認すると良いでしょう。

1-3・ダイソンのsupersonicの比較

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 続いて、イギリスのダイソンのドライヤーです。

 独特のデザインの掃除機や空調家電などを出しているメーカーですが、得意とするデジタルモーター技術を活かしてドライヤーにも参入しています。


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 【2024年発売】

 【通常型番】

 10・Dyson Supersonic Nural Shine HD16 VLP
 10・Dyson Supersonic Nural Shine HD16 CPATO
  ¥45,320 楽天市場 (11/5執筆時)

 【直販限定色(青)】(性能は同じ)

 11・Dyson Supersonic Nural Shine HD16 VBTO
  ¥53,801 楽天市場 (11/5執筆時)

最大風量:2.4㎥/分
最大風温:100度
温風モード:5種類(風温調整)
自動温度調整:
イオン:
重さ:720g(ケーブル込)

 Dyson Supersonic Nural Shineヘアドライヤー HD16は、ダイソンの販売するドライヤーです。

 日本登場以来「6代目」となる製品です。

 常識的な形状を否定する斬新なデザインですが、同社のDyson Hyperdymiumモーターの恩恵で、この形でもパワフルです。

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 本体重さは、720gです。

 軽く見えますが、他社機と較べると重量はあります。

 ただ、重心設計が良いので、あまりこの部分は問題に感じません。

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 アタッチメントは、標準で3種類です。

 なめらかツール・低温ツールの使い方は想像が付くでしょう。

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 ツヤ出しツールは、旧製品にあった「浮き毛抑制ツール」の改良版となる機能です。

 適度に乾かした後、このツールを装着します。(ダイソンの空調ではおなじみの)コアンダ効果による風で、髪をコーム状の本体に引きよせ滑らかに整えます。

 完全に乾いたら、浮き毛抑制モードに切り替え、浮き毛を内側に隠していくという仕組みです。

 コアンダ効果を発生させるための円筒形のパーツは、ダイソンだしく「家電好き」としてとても面白く感じました。

 風量は、2.4㎥/分です。

 正確には今回の製品は風量は非公開です。ただ、米国仕様(1600W)のエアフローの値(13l/s)が新旧で変わっていないことから判断して、旧機と同じと判断できます。

 パナソニックの最上位機の約1.7倍の風量であり、業界最高風量です。

 風量調整は、3段階の調整が可能です。

 最大風速で試しましたが、実際、今までのドライヤーより強力で、乾き残しはまずありません。

 実際、短髪の方ならば、熱を入れずに風だけで乾くレベルです。風量だけ見れば「最強のドライヤー」と言えます。

 静音性は、静かさの水準がかなり良いです。

 個人的には、この部分がこの機種の一番のポイントなのではないかと思います。

 ただし、同社の掃除機のような(柔らかながら)高周波系(キーン系)なので、嫌いな方は「嫌い」と言います。

 風温は、今回からセンサーの改良があったため、従来と変更になりました。

 速乾100℃)と、80℃・60℃・28℃です。

 ダイソンの場合は、100度以上は髪に悪いというのが伝統的な哲学なので、この最大温度にしています。

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 センサーは、本機は、温度センサーほか、上述のボッチの部分に距離センサーがあります。

 頭皮との距離を把握して、設定した温度に合わせるので、距離にかかわらず温度が正確という特長があります。

 「スカルプモード」という名前です。OFFにすることもできます。

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 距離センサーは、Nuralセンサーという名前です。

 これはシャープが先行して採用していた、赤外線レーザー距離センサー(クラス1)です。ビームを長時間見つめるようなことがなければ、安全ですし、高性能です。

 Nuralセンサーという商標ですので、データをAI(人工知能)を利用して分析するタイプでしょう。

 なお、本機搭載のLEDは、設定温度で色が変わるので、(鏡を利用することで)設定温度が間違っていないのか容易に確認できます。

 センサーはこのほか、アタッチメントの種類を把握するRFID、台座に置いたことを把握するためのホールセンサーが装備です。

 マイナスイオン機能は、非搭載です。

 従来機(ナノサイズイオン)との差です。この部分は、LED・距離センサー搭載とのバーターになったか、先述の「パナソニックとの論争」をふまえた同社の新しい哲学か、どちらかでしょう。

 いずれにしても、本機は、強風を生かして、熱をさほど入れず、ムラのない髪の乾燥ができるため、この部分を過度に強調しなくても良いのでしょう。

---

 以上、ダイソンのDyson Supersonic Nural Shineの紹介でした。

 Atlasも何度も試したラインの最新作です。アタッチメントなどは同じですが、距離センサー・LEDの搭載で、ヘアケアの部分で、確実に進化をしました。

 大風量で、地肌から乾いていく感じは引き続き評価できる上で、髪の乾かしすぎによるダメージは最も防げる機種です。高価ですが、この点でオススメできるヘアドライヤーです。

 重さも重心が持ち手の部分にあるため、(軽くはないですが)気にはなりにくいです。

ーーーー

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 【2023年発売】ダイソン Dyson Supersonic Shine

 12・Dyson Supersonic Shine HD15 ULF IIF
 12・Dyson Supersonic Shine HD15 ULF BNBC
  ¥39,000 楽天市場 (11/5執筆時)

 【廉価版】Supersonic Origin HD08

 13・ Dyson Supersonic Origin HD08 ULF BBN ENT
  ¥30,680 楽天市場(ダイソン) (11/5執筆時)

最大風量:2.4㎥/分
最大風温:100度
温風モード:5種類(風温調整)
自動温度調整:
イオン:ナノサイズイオン
重さ:720g(ケーブル込)

 なお、本機の旧機となる第5世代のがこれらの製品です。

  比較する場合、この世代だと、赤外線距離センサーが非搭載です。

 温度は、100度から5段階(88度、78度 45度 28度)です。

 ただ温度センサーのみで判断するため、あくまで他社機と同じ吹き出し口の温度です。

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 アタッチメントは、こちらも標準で3種類です。

 ただ、廉価版は、さらに前の世代をベースにするのでなめらかツール(右上)のみになります。

 マイナスイオン機能は、この世代だとナノサイズイオンという名前で搭載です。

 機能性は静電気除去ほどであまり強調していませんでした。

---

 結論的にいえば、値段差をふまえても現行機が良いでしょう。

 発売来、1-2を争う「メジャーアップデート」があったと言えますので。


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 【2024年発売】

 【通常型番】

 14・Dyson Supersonic r ヘアドライヤー HD17 VLP
 14・Dyson Supersonic r ヘアドライヤー HD17 CPATO  
  ¥42,200 楽天市場 (11/5執筆時)

 【直販限定色(青)】(性能は同じ)

 15・Dyson Supersonic r ヘアドライヤー HD17 VBTO
  ¥59,000 楽天市場 (11/5執筆時)

最大風量:
最大風温:100度
温風モード:5種類(風温調整)
自動温度調整:
イオン:搭載
重さ:約308g(速乾ツール/ケーブル込755g)

 Dyson Supersonic r ヘアドライヤー HD17は、ダイソンの販売する新型ドライヤーです。

 2024年新登場の同社の新型です。

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 後述するようい軽量・小型なモデルですが、携帯用という意味ではないです。

 海外だと「プロサロン用」として展開されるモデルなので。

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 重さは、755gです。

 形状は上で見た従来型より30%小さく、20%軽量とされます。

 一方、示される重さはこちらのが5%重いのですが、ケーブルほか、速乾ツール+プラグ込みの重さなので、本体だけなら20%軽いということでしょう。

 ちなみに、US仕様(1700W)だと、本体約308g表記ですので、参考になるかと思います。

 202407201143.jpg

 アタッチメントは、標準で3種類です。

 速乾ノズルがあるのは「プロサロン」向けの要素でしょう。

 つや出しツール的なものはないです。

 202407201210.jpg

 ちなみに、米国仕様だと、ツヤ出しツール(フライアウェイアタッチメント)やディフューザーがあります。

 電力(出力)の違いもあるので日本で出るかは不明です。

 202407201147.jpg

 風量は、非公開です。

 後ほど他社のブラシレスDCモーター採用の小径ドライヤーをみていきます。

 それらと同じで、ピンポイントの風速は強いが、巻き込める風量は少ないタイプでしょう。

 細身でコントロールしやすい部分を含めて「プロサロン用」と言えます。

 風量調整は、3段階です。

 静音性は、スペックが明記されません。

 ただ、先ほどの機種とほぼ同じ(わずかに下)です。

 風温は、一方、「インテリジェント・ヒートコントロール」の表記です。

 ようすするに、先述の赤外線距離センサーが非搭載で、距離に応じた風温調整はされません。温度(風温)センサーのみを利用します。

 3段階で調整されますが、具体的な温度は明記されません。

 マイナスイオン機は、こちらは無名ながら搭載です。

---

 以上、Dyson Supersonic rの紹介でした。

 基本はサロン用かなと思います。日本では一般向けの展開ですが、他社がブラシレスDCモーター採用の細身を出していていることに合わせた、日本的な売り方かなと思います。

 いずれにしても、個人で利用する場合、先ほどの機種のが良いかと思います。

次回につづく
イオンドライヤーのおすすめは結論的にこれ! 

 というわけで、今回は、イオンドライヤーの比較の1回目記事でした。

 しかし、記事は、まだまだ「続き」ます。

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2・イオンドライヤーの比較 (2) 
 2-1:コイズミ〈モンスター〉
 2-2:テスコム〈Speedom〉
3・イオンドライヤーの比較 (3)
 3-1:シャープ〈 Plasmacluster Beauty〉
 3-2:クレイツイオン〈エレメア〉
 3-3:ヤーマン〈スカルプ〉
 3-4:アイリス〈Moist Pro〉
4・イオンドライヤーの比較 (4)
 4-1:VS〈マジックシャイン〉
 4-2:パナソニック〈イオニティ〉
 4-3:モノクローム ほか
 4-4:最終的なおすすめの提案【結論】

 次回の2回目記事こちら】では、日本の大手美容家電メーカー2社の製品を紹介していきます。

風量の強さ  ★★★★★
髪への優しさ ★★★★★
本体の軽さ  ★★★★★
総合評価   ★★★★★

 その上で、「結論編」となる4回目記事こちら)では、今回紹介する全機種から、目的別・予算別にAtlasのおすすめ機種を提案したいと思います。

 引き続き、よろしくお願いします。

 2回目記事は→こちら!

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posted by Atlas at 01:17 | 美容家電

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