Top 美容家電 比較2023' 新型のイオンドライヤー56機の性能とおすすめ・選び方 (Hair Dryer-1)

2023年02月13日

比較2023' 新型のイオンドライヤー56機の性能とおすすめ・選び方 (Hair Dryer-1)

【今回レビューする内容】2023年 マイナスイオンドライヤーの性能とおすすめ 男女対応:大風量高級ターボドライヤー 美容師業務用対応:ナノイー プラズクラスターの効果:機種の違いと性能・人気ランキング

【比較する製品型番Panasonic ナノケア EH-NA2J EH-NA0G EH-NA9G EH-NA9F EH-NA2G EH-CNA0E EH-NA2E EH-CNA2E イオニティ EH-NE7J EH-NE6J EH-NE5J EH-NE5G EH-NE4E EH-NE2E EH-NE1E EH-NE5C EH-NE4J EH-NE2J Dyson Supersonic HD08 ULF N IIF BBN N BNBC   HD08 ULF BBN ENT HD08 ULF VBR BXBR シャープ beaute A IB-RP9 IB-RP7-W IB-WX3 IB-NP9 IB-MP9 IB-NP7 IB-MP7 IB-WX1 IB-HP9-A IB-HP9-R IB-HP9-N IB-GP9-N

今回のお題
大風量で強力なマイナスイオンドライヤーのおすすめはどの機種?

 どもAtlasです。

 今回は、2023年2月現在、最新のマイナスイオンドライヤーの比較です。

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1・イオンドライヤーの比較 (1)
 1-1:Panasonic〈ナノケア〉
 1-2:Dyson〈スーパーソニック〉
 1-3:シャープ〈beaute A〉
2・イオンドライヤーの比較 (2) 
 2-1:コイズミ〈モンスター〉
 2-2:テスコム〈Speedom〉
 2-3:VS〈マジックシャイン〉
 2-4:クレイツイオン〈エレメア〉
3・イオンドライヤーの比較 (3)
 3-1:Philips〈プレステージ〉
 3-3:ヤーマン〈スカルプ〉
 3-3:アイリス〈Moist Pro〉
 3-4:その他〈各社〉
 3-5:最終的な「おすすめ」の提案【結論】

 「髪に優しい(髪ケア)」をキーワードにしながら、全3回の記事で各社のイオンドライヤーを比較していきます。

 スペックの比較ですが、個人的な使用感のほか、美容院や百貨店イベント取材などを通じて記事を書きました。

 1万円以上の高級ヘアドライヤーから、5000円以下の大風量のドライヤーまで広く扱います。

風量の強さ  ★★★★★
髪への優しさ ★★★★★
本体の軽さ  ★★★★★
総合評価   ★★★★★

 というわけで、以下では、いつものように、各機種を比較していきます。

 そして、記事の「結論」部分では、上表のようなポイントから、目的別・予算別におすすめ機種!を提案していきます。

ーーー

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1・イオンドライヤーの比較
2・くるくるドライヤーの比較
3・ヘアアイロンの比較

 なお、今回は、美容家電の比較記事の1回目記事として書きました。

 なお、カールドライヤー(くるくるドライヤー)タイプをお探しの方は、記事が別となります。

 お手数ですが、2番のリンク【こちら】をご覧ください。よろしくお願いします。

0・イオンドライヤーの選び方の基本!

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1・風量の強さ
2・風温設定の柔軟性
3・マイナスイオンの効果
4・家庭向けとサロン向けの違い

 イオンドライヤーは、ドライヤーの種類としては最も多いです。今回紹介する製品だけでも50機以上あります。

 メーカー間で、「個性の違い」もかなりありますが、「選び方の基本」と言えるのは、以上の3点です。


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 第1に、風量の強さです。

 風量は、速乾性に最も関係する部分です。

 ファン(羽根)のサイズ、風経路の面積、吹出口のサイズなどでスペックが変わります。

 現在、最も性能の良いドライヤーで「2.4㎣/分」です。

 これ以上は、サイズ・騒音・温度低下などの問題があり、技術的に難しいようです。

 必要な風量は、Atlasが思うに、最低で「1.3㎣/分」ほどです。

 現行水準で「十分な強風」が得られるでしょう。

 一方、「風量自慢」の機種は、風温十分出せない機種が多いです。

 そのため、風量が強いドライヤーが「一番速く乾く」とも言えません。

 風温と風量のバランスが重要です。

 風量の調整力も、重要です。

 「髪のセット」を考慮すれば「風量が段階的に調整できる」と便利です。

 記事では「風量設定の柔軟さ」も重視してみていくつもりです。

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 風量の実測値は、大手家電メーカーの製品なら公開しています。

 測定方法は、JIS規格(JIS C 9613)で定められています。

 そのため、メーカーの出すスペックから比較が可能です。今回の記事ではとくに重視しています。

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 ちなみに、風速は、吹出口でノズルを付けない際の風の強さを示します。

 そのため、例えば、パナソニックは、吹出口以外から風を取る仕組みがあるので、自主基準の注釈を付けています(上図)。

 そのほか、他社は「メーカー測定方法による」として、JIS基準での測定かか「ぼかす」場合があります。美容家電メーカーに多いように思います。

 注意点は、今回の記事のなかで記すようにします。


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 第2に、風温設定の柔軟性です。

ダイソン:100度
パナソニック:125度
シャープ:115度
クレイツ:80度

 ダメージを受けない最大温度は、メーカーによって主張はマチマチです(上表)。

 それらの主張は置いておくとしても、パーマやカラーのダメージケア・頭皮ケアのため、「低温が段階的に調整できるかどうか」は重要です。

 一部の上位機は、低温が出せるだけではなく、各種センサーで、「髪に優しい温度」を自動で出せます

 速乾性は、風温よりも風量のほうが重要です。

 ただ、季節によっては温度も重要です。また、前髪などのセット時、あるいは、整髪料などを付けた後など、「素早く熱を入れたい」場合もあるでしょう。

 そのためも、風温も今回は重視して比較します。


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 第3に、マイナスイオンの効果の違いです。

 パナソニックの「ナノイー(ナノケア)」とシャープの「プラズマクラスター」などは、家庭用の家電で広く知られます。

 マイナスイオン効果は、ドライヤーの場合、乾燥後に「髪がまとまりやすくなる」というものです。髪の静電気(=プラス帯電)を相殺してくれるからです。

 そのほか、空気中の水分を引き寄せることにより髪の中に水分を浸透させる効果を説明する企業もあります。ただ、(静電気と違い)この部分の効果は、科学的に「論争的」な部分はあります。

 仕組みが各社で異なるため、今回は、この部分も重視して比較します。


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 第4に、サロン専用品と個人用の違いです。

 ドライヤーですには「サロン専用品・サロン設計」としても売られているドライヤーがあります。

 ただ「自分以外の頭を乾かすこと」に主眼を置かれて、形状や重さのバランスが設計されている場合があります。

 「個人用」としては使いにくい場合も多いです。

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 とくに、パワフルな「サロン専用品」の一部は、消費電力が1200Wを超える場合があります。

 家庭の利用でも問題ないのですが、家庭用の洗面台のコンセントは1200Wまでの場合が多いです。自宅で問題ない場合も、外出先で使う方は注意が必要です。

 そういった機種は注意が必要なので、該当機は、今回の記事でも言及していきます。

ーーー

 というわけで、今回は、これら4点を重視しながら、各メーカーのマイナスイオンドライヤーを比較します。

1-1・パナソニックのナノケアの比較

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 はじめに、パナソニックのドライヤーの紹介です。

 上位機の「ナノケア」、普及機の「イオニティ」の順番に見ていきます。

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 なお、以下の本文では、おすすめできるポイントを赤字で、イマイチな点は青字で書いていきたいと思います。


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 【2021年発売】

 1・Panasonic ナノケア EH-NA0G
  ¥31,680 Amazon.co.jp (2/13執筆時)

最大風量:1.5㎣/分
最大風温:約125度
風温調整:5段階
イオン:高浸透ナノイー
本体の重さ:595g

 EH-NA0Gシリーズは、パナソニックの「ナノケア」の上位機です。

 最上位機が出たので、同社では「2番目に高い」グレードの製品です。

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 本体のデザインは、珍しい流線型のデザインです。

 プラスチックの質感も良く、高級感があるドライヤーです。

 ディープネイビー(EH-NA0G-A)・モイストピンク(EH-NA0G-P)・ウォームホワイト(EH-NA0G-W)の3色から選べます。

 重さは、595gです。

 コード込みの重さなので、家庭用ドライヤーとして平均的な重さと言えます。

 バランスはよく持ちやすいですが、欲を言えば、もう少し軽いとより良いと思うところはあります。

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 風量は、最大で1.5㎣/分です(ターボ時)。

 十分な水準で、速乾性は高いです。

 冒頭書いたようにむやみに風量だけ強くすると、風温が落ちます。

 しかし、本機は余裕をもった風経路のサイズに、大きめファンをまわすため、ここは問題ありません。

 速乾性の高い製品は、静電気が発生しやすいのですが、後述するように、マイナスイオン(ナノイー)でバランスをとっています。。

 風量調整は、ターボ・ドライ・セットと、3段階で調節可能です。

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 パナソニックの場合、図のように、強弱が調整された5つの経路で吹き分けます。

 毛束をほぐれやすくするための気流の工夫です。

 この部分の工夫がない同社の機種と比較すると、風量はそのままで、乾燥スピードの15%ほどの向上が期待できます。

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 風温は、最大125度です。

 パナソニックによれば、この温度は毛髪にダメージを与えない最大の温度です。

 センサーで、この温度以上を出さないようにしています。

 風も相当強いため、相乗効果で乾燥時間は短いです。

 5種類の切替が可能です。ホット・コールドの他に、次の5つのモードを搭載します。

ーー

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 第1に、スカルプモードです。

 地肌ケアのための低温モードを意味します。

 約60度の温風に制御することで、毛根へのダメージを軽減する効果があります。


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 第2に、毛先ケア集中モードです。

 温風と冷風を交互に出すモードです。

 これにより、髪のつやが約1.2倍向上するほか、髪のうねりを抑える効果があるようです。

 美容院でも、最後に冷風で髪をまとめてセットする美容師さんがいます。同じような作用ですが、室温センサーを利用し、室温に合わせた運転ができる点で、「素人でも扱いやすい」です。

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 第3に、インテリジェント温風モードです。

 「周囲の温度をセンサーで検知し、季節に合わせてドライヤーの温風を自動調整」させる機能です。

 これを利用すると、「夏場でも風量を確保したまま、自動で風温の熱さを低減しつつ、しっかり髪を乾かすこと」が可能です。

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 このほか、仕上げ用の温冷リズムモードと肌にナノイーを照射するためのスキンモードで、総計5種類です。

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 マイナスイオンは、ナノイーです。

 「ナノイー」とは、静電霧化技術を利用して空気中から水なしでミスト(マイナスイオン)を作り出す技術です。これは、専門用語では「ペルチェ方式」と呼ばれています。

 ペルチェ方式の場合、次の3つの効果を得られます。

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 第1に、髪の補修効果です。

 髪に水分を浸透させられるので髪が傷んだ状態の際に、水分を補う効果が期待できます。

 第2に、頭皮のケア効果です。

 水分を補修して皮脂を正常な状態に戻す効果が期待できます。

 第3に、静電気の抑制効果です。

 マイナスイオンの効果で、静電気が抑えられ、髪の毛がまとまりやすくなる効果があります。

 ナノイーは「縮毛矯正をあてた人」には「効きにくい」と言われます。しかし、私でもそこそこ効きました。

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 ナノイーは、発生量でグレードがあります。

 本機は「高浸透ナノイー」です。水分自体の発生量が18倍と格段に多くなります。

 毛質水分増加量も、(普通の)ナノイーに対して1.9倍というデータです。従来のコロナ放電式から、マルチリーダー放電式を換えたことによる効果となります。

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 そのほか、プラチナミネラル発生機能(ダブルミネラル)も搭載します。

 亜鉛とプラチナでできた電極から放出されるイオンのことです。「キューティクルの密着性を高め、さらに摩擦ダメージに強い髪」へと改善することが効果として示されます。

 カタログでは、ヘアカラーの退色や、UVケアに効果があるとされています。

 冒頭書いたように、静電気除去以外の付帯効果は、科学的実証の側面で「論争的」な部分はありますが、とくに「髪のまとまり」は実感できる方が多いため、「20年以上も搭載され続けている」とはいえるでしょう。

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 以上、パナソニックのナノケアEH-NA0Gシリーズの紹介でした。

 風量と風温のバランスが良い上で細かく調節できる機種です。センサー技術など家電企業としての専門性を活かした結果でしょう。

 機能面も、ヘアサロンというよりヘッドスパに近い工夫もあり、高額な理由はある機種です。

 もうすこし軽いとより良いとは言えるのですが、機能面では、予算が許せば選んで間違いない機種です。


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 【2022年発売】

 2・Panasonic ナノケア EH-NA0J
  ¥38,610 Amazon.co.jp (2/13執筆時)

最大風量:1.6㎣/分
最大風温:約95度
風温調整:3段階
イオン:高浸透ナノイー
本体の重さ:550g

 EH-NA0Jシリーズは、パナソニックの「ナノケア」の「最上位機」です。

 2022年初登場のモデルです。

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 本体のデザインは、同社の他機と変わります。

 ノズルを付けない状態だと、胴が短いです。

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 髪量(密度)が多い方は根元が乾きにくい部分があるので、一般的なセットノズルのほか、上図のような「根元速乾ノズル」を添付します。正しい使い方(根元→中間→毛先)と乾かしていけば問題ありません。

 そうでもない場合は、使わなくてOKです。

 本体色は、ディープネイビー(EH-NA0J-W)・ラベンダーピンク(EH-NA0J-P)・ウォームホワイト(EH-NA0J-W)の3色です。

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 風量は、最大で1.6㎣/分です(強運転・ノズル未使用時)。

 吹き出し口が大口径に取ることで風量に余裕を持たせています。

 そのため、静音性ほかを犠牲にすることなく速乾性を向上させています。

 強風と弱風を同時に出す仕組みは、3系統です。

 下位機種(5系統)よりは細かくないですが、髪をほぐしやすくする工夫はあります。

 ただ、髪量(密度・重さ)が高く、なかなか乾きにくい方については、ノズル部分を含めて、先ほどの下位機(2番目に高い機種)より、逆にセットに時間がかかるとも言えそうです。

 使い方にもよれば逆のことも言えそうですが、満足度の個人差はあるでしょう。

 強・中・弱と、風量は3段階で調節可能です。

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 風温は、95度です。

 先述のように、同社は125度までは髪を傷めないという従来の主張でした。

 しかし、本機は、最上位機ながら95度になります。「風で水を飛ばす」ほうが髪を傷めにくいという発想です。

 同社によれば、このほうが温度ムラは少ないとしますが、温度が低いのですし当然そうなるでしょう。

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 センサーは、室温センサー(環境温度センサー)だけでなく、風温センサーを搭載することです。

 髪ケアをより重視する方向性です。

 各種モードは、下位機と一部共通します。

 つまり、地肌ケアのための60度のスカルプモード、温風・冷風を交合に出す毛先集中ケアモード、肌にナノイーを照射するスキンモード、仕上げ用の温冷リズムモードです。

 季節(温度)に応じて温風を調整するインテリジェント温風モード省略です。

 最大風温が下がったためで、問題には感じません。

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 マイナスイオン機能は、本機も高浸透ナノイー+ミネラルです。

 ナノイー発生量は同じです。

 ただ、送風機構の改良と、イオンの吹出口を送風口に近づけたことで、同社によると「頭皮のうるおいが20%アップ」とのことです。

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 なお、ダイソンとパナソニックは、ナノイーの効果について喧嘩(係争)になっています。

 ただ、少なくとも(マイナスイオンならば)静電気除去の効果はありますし、同社によれば、個人差はあるものの、通常のナノイーより、水分増加の効果はあるようです。

 本機は、この喧嘩に対するパナソニックの「反論」として出された機種にも思えました。

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 以上、パナソニックのナノケアEH-NA0Jシリーズの紹介でした。

 先ほどの(2番目に高い)上位機と較べる場合、速乾性が高まった上で、風温と風量のバランス調整とナノイー機構の調整で、髪のダメージケアの部分に手を入れた印象です。

 だいたいの方には、本機の方が、お持ちのドライヤーとの「違い」を感じられるでしょう。とくに、男性をふくめた髪量がさほど多くない方には、かなり相性が良い製品にも思います。

 ただ、髪量が多く乾きにくい方は、先ほどの機種のほうが向くでしょう。そのため、旧世代にあたる、先ほどの機種を廃止せずに残している感じがしました。


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 【2021年発売】

 3・Panasonic ナノケア EH-NA9G
  ¥21,700 Amazon.co.jp (2/13執筆時)

最大風量:1.3㎣/分
最大風温:約125度
風温調整:5段階
イオン:ナノイー
本体の重さ:575g

  EH-NA9Gは、パナソニックのナノケアシリーズの中級機です。

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 本体のデザインは、このシリーズの他機と重さを含めてほぼ同じです。

 本体色は、ゴールド(EH-NA9G-N)とピンクゴールド(EH-NA9G-PN)の2色です。

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 風量は、1.3㎣/分です。

 新しい上位機と異なり、風量は旧水準です。

 ただ、先述のように一般的にこれでも十分以上に思えます。

 風温は、最大125度です。

 本機も最上位機で説明したものと同じ、5つのモードを搭載します。

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 マイナスイオン機能は、一方、他機と構成が変わります。

 ナノイー+ミネラルマイナスイオンという構成は同じです。

 しかし、「浸透型ナノイー」が不採用であるほか、ミネラルマイナスイオンの発生量も半量となります。

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 ただ、静電気ケア・くせ毛の伸び・キューティクルケアなどは、これでも十分な水準です。

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 以上、ナノケアの EH-NA9Gの紹介でした。

 美容家電は、「上を見ればキリがない」部分があります。費用対効果で考えると、ナノケアでは、このグレードが「最もお買得」に思えます。

 上位機との違いは「イオン効果」に集約されます。しかし、程度の差こそあれ、静電気を含めて、十分な対策ができます。


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 【2021年発売】

 4・Panasonic ナノケア EH-NA9F
  ¥25,500 Amazon.co.jp (2/13執筆時)
 

最大風量:1.1㎣/分
最大風温:約100度
風温調整:2段階
イオン:ナノイー
本体の重さ:620g

 EH-NA9Fは、パナソニックのナノケアでは、唯一の海外電圧対応機です。

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 100〜120V/200〜240Vの変圧ができるため、海外でも使える仕様です。

 本体色は、ルージュピンク(EH-NA9F-RP)とピンク(EH-NA9F-PN)です。

 風量は、1.1㎣/分です(120V地域は1.2㎣/分)。

 上位機と比較する場合、弱い風量になります。

 こちらも3段階で風量の調整は可能です。

 風温は、注意が必要です。

 日本で利用する場合の温度は、最大100度になるからです(120V地域は125度)。

 モードは、先述の5種類です。

 マイナスイオン機能は、本機もナノイー+ミネラルマイナスイオンという構成です。

 あとは変わりません。

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 以上、パナソニックのEH-NA9Fの紹介でした。

 海外旅行や出張の多い人向けの製品です。ただ、とくに速乾性の部分が弱いため、兼用を考えないならば、他機で良いでしょう。


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 【2022年発売】

 5・Panasonic ナノケア EH-NA2J
  ¥11,109 Amazon.co.jp (2/13執筆時) 

 【2021年発売】

 5・Panasonic ナノケア EH-NA2G
  ¥11,480 楽天市場 (2/13執筆時)
 

 【特定量販店限定】(性能は同じ)

 5・Panasonic EH-CNA2G
  ¥11,000 Amazon.co.jp (2/13執筆時) 

最大風量:1.3㎣/分
最大風温:約110度
風温調整:2段階
イオン:ナノイー
本体の重さ:475g

  EH-NA2Gは、パナソニックナノケアシリーズでは最も安いドライヤーです。

 新旧3系統ありますが、性能はどれも同じです。

 本体色は、ただ変わります。

 新作はホワイト(EH-NA2J-W)とピンクゴールド(EH-NA2J-PN)です。

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 軽量・コンパクト性は、この機種の大きな魅力です。

 重さが475gと500グラムを切ります。

 重いドライヤーが苦手な方にはおすすめしたい機種と言えます。

 風量は、1.3㎣/分です。

 最上位機を除けば最高クラスで問題ないです。

 ただ、スカルプケアなど、先ほどみた5つのモードは、非搭載です。

 風温は、ホット・コールドの切替のシンプルな仕様です。

 ただ、ターボ時の風音が110度であり、最上位機種の120度に迫る風温があります。

 そのため、小型機ならば、冬場の速乾性が期待できます。

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 マイナスイオン機能はナノイーです。

 ただ、ミネラルマイナスイオンが付属しないので、UVケアとカラーヘアへの効果は明示されません。

 た静電気対策や、保水によるくせ毛ケアは、ナノイーに依存する部分なので同じです。

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 以上、パナソニックのEH-NA28の紹介でした。

 「ナノケア」シリーズでは格安な機種ですが、風量・風温は十分です。

 上位機と比べると、髪ケア・ヘッドスパて的な要素はないですが、ナノイーで髪をいたわりつつも、普通に乾燥できれば良いという方には、価格も値頃であるこの機種は良い選択肢でしょう。


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 【2022年発売】

 6・Panasonic イオニティ EH-NE7J
  ¥6,928 Amazon.co.jp (2/13執筆時)

最大風量:2.0㎣/分
最大風温:80度
風温調整:2段階
イオン:ミネラルマイナスイオン
本体の重さ:580g

  EH-NE7Jは、パナソニックの「イオニティ」シリーズの製品です。

 ここまで見てきた「ナノケア」と違って、ナノイーを搭載しない点で下位シリーズになります。

 重さは、580gです。

 ナノケアシリーズより、僅かに重めです。ただ、気にするほどの差ではないです。

 本体色は、ブラウン(EH-NE7J-K)とピンクゴールド(EH-NE7J-P)です。

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 風量は、2.0㎣/分です。

 シンプルに風量だけで言えば、ナノケアより強力です。

 低価格製品では、他社機と比べても大風量が得られるターボドライヤーであり、風を使った速乾性を売りにした機種です。

 ナノケア同様に、風の吹き分けの工夫があり、髪に風を届きやすくしています。

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 なお、JIS基準では、吹出口の風量を記載するのが規則です。

 ただ、本機は10cm離れた毛先の風量(自主基準)も同時に公開しています。

 これは「イオニティ」独特の空力構造ゆえです。

 吹出口以外から風を巻き込むような設計(上図)なので、実はより強風なのだ!と言いたいわけです。

 この価格帯の製品は「風量自慢」の他社機も多いです。

 しかし、実風量で言えばそれらに「引けを取らない」と言えます。

 風温は、ただし、注意点です。

 ターボ時の温風温度は80度に止まるからです(ホット時100度)。

 先述のように、強風と高温は両立しにくいです。

 風を強化する方が、(制御しつつ)温度を強化するよりコストが安いため、「風力重視」のバランスにしているとも言えるでしょ宇。

 その点で言えば、風乾燥だけで十分乾くだろう、髪のボリュームが中程度までの方向けの製品とはいえます。

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 マイナスイオン機能は、ナノイーではない普通のマイナスイオンです。

 電極に使われる素材は分かりませんが、ミネラルの要素は本機もあります。

 左右2カ所から出る点で強力ですが、ミネラルの要素がやや不確定なので、期待できるのは静電気の抑制効果だけでしょう。

 要するに、20年ほど前からあるのとイオンドライヤーと同じです。

 ただし、温冷ツインフロー機能を搭載し、温風と同時に冷風が両サイドから出る構造になっています。

 ナノケアの「温冷リズムモード」ほど高度ではないですが、ある程度のヘッドスパ効果を期待できます。

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 以上、パナソニックの EH-NE7Jの紹介でした。

 「イオニティ」シリーズなので、イオン部分ではナノケアと「」があります。

 そのほか、風温や温度の安定性の部分でも及ばないため、「熱でセットしたい場合」には、上位機と差を感じ安いでしょう。風質(肌あたり)と静音性の部分でも差はあります。

 ただ、1万円以下の製品としては「選んで良い」製品の1つです。

 風温が出せない分、風の力を最大限利利用することで、速乾性を高めていますので。

 外観もシンプルで現代的ですし、選んで損はないでしょう。

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 【2022年発売】

 7・Panasonic イオニティ EH-NE6J
  ¥5,538 Amazon.co.jp (2/13執筆時)

最大風量:1.9㎣/分
最大風温:85度
風温調整:2段階
イオン:マイナスイオン
本体の重さ:530g

 一方、パナソニックの「イオニティ」シリーズは下位機種がいくつかあります。

 EH-NE6KJは、1グレード下の機種です。

 本体色は、ブラック(EH-NE6J-K)とペールピンク(EH-NE6J-P)です。

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 上位機と比べると、風量が1.9㎣/分と僅かに落ちるほか、イオン発生部分でミネラルの要素が省かれます。

 それ以外は、ほぼ性能差がないです。

 たださほど値段差がない点と、外観が旧式ですこし野暮ったいので、選ぶならば上位機が良いと思います。

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 【2022年発売】

 8・Panasonic イオニティ EH-NE5J
  ¥5,000 Amazon.co.jp (2/13執筆時)

 【2021年発売】(新機と同じ性能)

 8・Panasonic イオニティ EH-NE5G
  ¥3,400 Amazon.co.jp (2/13執筆時)

最大風量:1.9㎣/分
最大風温:80度
風温調整:2段階
イオン:マイナスイオン
本体の重さ:475g 

 さらに、もう1つグレードが下位となるのがEH-NE5KJです。

 本体色は、ブラック(EH-NE5J-K)とペールピンク(EH-NE5J-P)です。

 風量1.9㎣/分と同じです。

 しかし、弱風と強風が同時に出る仕組みが不採用です。

 風温も、多少落ちます。

 工夫に欠けますし、選ぶならば上位機でしょう。

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 【2021年発売】

 9・Panasonic イオニティ EH-NE5C
  ¥5,080 楽天市場 (2/13執筆時)

最大風量:1.2㎣/分
最大風温:105度
風温調整:2段階
イオン:マイナスイオン
本体の重さ:470g 

 一方「騒音抑制タイプ」として売られるのがEH-NE5Cです。

 構造的に騒音が出にくくしています。

 ただ、風量をかなり弱めています。

 本機は、側面にイオンチャージパネルがあり、手で触れてマイナス耐電を体から逃がすことで、イオン効果を高める独自の工夫があります。

 ただ、値段はすこし割高ですし、速乾性が犠牲になる点で、イマイチに思えます。


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 【2023年発売】

 10・Panasonic イオニティ EH-NE4J
  ¥4,300 Amazon.co.jp (2/13執筆時)

 【2021年発売】(性能は同じ)

 10・Panasonic イオニティ EH-NE4E
  ¥4,685 楽天市場 (2/13執筆時)

最大風量:1.6㎣/分
最大風温:1000度
風温調整:2段階
イオン:マイナスイオン
本体の重さ:485g

 EH-NE4Jは、パナソニックのイオニティシリーズの下位機種です。

 ペールピンク(EH-NE4J-PN)・ゴールド調(EH-NE4J-N)という色構成です。

 風量は、1.6㎣/分です。

 一般的には十分ですが、このシリーズでは、風量は弱めです。

 風温は、風量が弱い分、温度が減衰しないため100度です。

 ただ、速乾性は期待できないでしょう。

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 マイナスイオンは、下位機種と同等ランクです。

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 以上、パナソニックのEH-NE4Jの紹介でした。

 パナソニックの場合、この程度の価格のモデルは、上位機との値段差があまりないです。

 そのわりに、機能差は割とあるため、性能から選ぶならば、もう少し上位でも良いでしょう。ドライヤーは一度買うと長く使うことになる部分もありますので。

ーーーー

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 【2023年発売】

 【下位機種】(下段は旧機種)

 11・Panasonic イオニティ EH-NE2J
  ¥3,800 Amazon.co.jp (2/13執筆時)

 11・Panasonic イオニティ EH-NE2E
  ¥2,364 Amazon.co.jp (2/13執筆時)

 【最下位機種】

 11・Panasonic イオニティ EH-NE1E
  ¥2,028 楽天市場 (2/13執筆時)

最大風量:1.3㎣/分
最大風温:110度
風温調整:2段階
イオン:マイナスイオン
本体の重さ:420g

 本機の下位機種にあたるのが、EH-NE2Jです。

 出張先のビジネスホテルや、温泉などで頻繁に見かけるので、個人的になじみがあります。

 本体色は、今年度は、ゴールド(EH-NE2J-N )・グレー(EH-NE2J-H)という構成です。

 風量は、1.3㎣/分とさらに落ちます。家庭用ではオススメしません。

 ただ、軽量で、畳んだとき小さいため、例えば、ビジネスホテルの備品などとして、収納スペースを抑えたい場合には、選択肢となるでしょう。

 値段面ではEH-NE1Eという機種が最安です。

 こちらは、イオンの吹き出し口部分が単純化されており、風質が、他のイオニティシリーズと異なります。

 (備品として置くにしても)できれば、上位機が良いでしょう。

1-2・ダイソンのsupersonicの比較

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 続いて、イギリスのダイソンのドライヤーです。

 独特のデザインの掃除機や空調家電などを出しているメーカーですが、得意とするデジタルモーター技術を活かしてドライヤーにも参入しています。


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 【2021年発売】Supersonic Ionic HD08

 12・Dyson Supersonic HD08 ULF IIF N
 12・Dyson Supersonic HD08 ULF BBN N
  ¥39,449 楽天市場 (2/13執筆時)

 【廉価版】Supersonic Origin HD08

 12・ Dyson Supersonic Origin HD08 ULF BBN ENT
  ¥39.280 楽天市場(ダイソン) (2/13執筆時)

最大風量:2.4㎣/分
最大風温:100度
風温調整:5段階
イオン:ナノサイズイオン
本体の重さ:720g

 Dyson Supersonic Ionic HD08は、イギリスのダイソンの販売するドライヤーです。

 「常識」的な形状を否定する斬新なデザインで発売された製品の「4代目」です。

 超小型のデジタルモーターV9の恩恵で、この形が実現できました。

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 4世代目では、新しく「浮き毛抑制ツール」を採用しました。

 同社の空調でも使われるコアンダ効果を利用し、髪の毛を引き寄せつつブローできるツールです。

 なお、廉価版となるDyson Supersonic Originは、本機の自慢の多様なアタッチメントが未付属(スムージングノズルのみ)です。

 あとは、同じなので同時に紹介していきます。

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 本体重さは、720gです。

 軽く見えますが、他社機と較べると重量はあります。

 ただ、重心設計が良いので、あまりこの部分は問題に感じません。

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 アタッチメントは、多いです。

 ポイントブローができるようなノズルディフューザーなどのアタッチメントが付属します。通常のドライヤーと同じように使えます。

 そのほか、先ほど見た「浮き毛抑制ツール」と、風量・温度をよりおさえられるジェントルエアーリング(左上)が、現世代の付属品になります。

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 風量は、2.4㎣/分です。

 パナソニックの最上位機の約1.7倍の風量であり、業界最高風量です。

 風量調整は、3段階の調整が可能です。

 最大風速で試しましたが、実際、今までのドライヤーより強力で、乾き残しはまずありません。

 実際、短髪の方ならば、熱を入れずに風だけで乾くレベルです。風量だけ見れば「最強のドライヤー」と言えます。

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 その上で、前髪のブローなど、とくに風量を抑えたい場合、最小風量を弱めに、温度を高め(最高100度)に設定できるようになっています。

 風温の調節も、ボタンにより2段階で調整可能です。

 風温は、可変的に設定できます。

 「熱い」設定の際には、弱風=100度、中風=88度、強風=78度となります。

 「熱くない」設定の際は、45度低温モード28度冷風(常温)モードです。

 強風力のわりに設定温度も安定的であり、温度と風量ともに値段相応の性能です。

 センサーで、風温を切り替えるようなモードは搭載されず、エステ的(ヘッドスパ)な楽しみは、パナソニックの方があります。

 髪ケアの部分では、インテリジェントヒートコントロール機能が搭載され、髪の乾かしすぎを防止する機構が備わります。

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 マイナスイオン機能も、搭載です。

 ダイソンはナノサイズイオンという名前です。

 静電気除去のために備えるだけですので、説明はシンプルです。

 本機は、強風を生かして、熱をさほど入れず、ムラのない髪の乾燥ができるため、この部分を過度に強調しなくても良いのでしょう。

 静音性は、独特の稼働音ながら、静かさの水準がかなり良いです。

 個人的には、この部分がこの機種の一番のポイントなのではないかと思います。

---

 以上、ダイソンのスーパーソニックドライヤーの紹介でした。

 挑戦的な機種で、Atlasも滞在したホテルで何回も試し、自分用に欲しくなった機種です。

 大風量で、地肌から乾いていく感じがあるほどのドライヤーですから、髪の乾かしすぎによるダメージは最も防げる機種でしょう。高価ですが、この点でオススメできるヘアドライヤーです。

 一方、重さ部分も重心が持ち手の部分にあるため、使い勝手は良い印象でした。そうなると、価格が高いのが唯一の難点でしょう。

ーーー

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 【Dyson直販限定発売】

 (スタンド付き)

 13・Dyson HD08 ULF BNBC
  ¥45,760 楽天市場(ダイソン) (2/13執筆時)

 (収納ボックス付)

 13・Dyson HD08 ULF VBR BXBR
  ¥47,960 楽天市場(ダイソン) (2/13執筆時)

 (収納ボックス・コーム付)

 13・Dyson HD08 ULF TOTO BX
  ¥45,760 楽天市場(ダイソン) (2/13執筆時)

 なお、直販限定ですが、同じ性能の「おまけ」つきのが期間限定で定期的に展開します。

 性能は、先ほどの機種と同じです。

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 通常別売(6600円)の収納ケースと、コームとブラシのおまけ付きのモデルが出ています。

 直販(楽天市場ダイソン店含む)だと、スタンド(5500円)もオマケです。

 スタンドはパーツとしては「地味」です。ただ、本機はアクセサリーが多いので、実際あると「かなり便利」です。

1-3・シャープのプラズマクラスターの比較

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 つづいて、シャープのドライヤーの比較です。

 ナノイーのライバルであるプラズマクラスターを搭載するドライヤーです。


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 【2022年発売】

 14・シャープ beaute A IB-RP9
  ¥19,458 楽天市場 (2/13執筆時)

 【2021年発売】

 14・シャープ beaute A IB-NP9
  ¥14,800 楽天市場 (2/13執筆時)

 【2020年発売】

 14・シャープ beaute A IB-MP9
  ¥9,800 楽天市場 (2/13執筆時)

 【Amazon限定】(GB-GP9後継)

 14・シャープ beaute A IB-HP9
  ¥8,680 Amazon.co.jp (2/13執筆時)

最大風量:1.7㎣/分
最大風温:約115度
風温調整:4段階
イオン:プラズマクラスター
本体の重さ:590g

 IB-RP9シリーズは、シャープの「プラズマクラスター」搭載のヘアードライヤーです。

 旧モデルほか、(実質的な)Amazonモデルもあります。補修部品として残しておいたもののアウトレット的販売かと思います。

 性能はどれも同じなので、値段で選んで良いでしょう。

   202109131453.jpg

 重さは、590gです。

 パナソニックのナノケアに比べると、少し重めです。

 重心的にいっても、重さは感じやすいです。

 本体色は、年度ごとに異なります。

 最新機だとサーブルベージュ( IB-RP9-C)・ピンク(IB-RP9-P)です。

 Amazon限定は、ブルー(IB-HP9-A)・レッド(IB-HP9-R)・ゴールド(IB-HP9-N)です。

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 風量は、ターボ時に1.7㎣/分です。

 風の強さだけで言えば、本機は強風です。

 なお、シャープは最近、鳥の翼や昆虫の羽根などの研究が盛んで、その構造を扇風機などの家電に応用しています。この製品もアマツバメの翼を応用したファンを採用で、強い直進風が得られる構造です。

 一方、パナソニックと比べると「強風や弱風」を混ぜて、「髪をほぐす」ような風質ではないです。

 静音性は、ただ、ナノケアより風量が強いのと、風経路の構造の違いで、僅かにシャープのが音はするように思います。

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 風温は、最高で、約115℃です。

 風量自慢ですが、温度はしっかり出せる製品です。

 通常は、95度に設定される「ホット」の他に、75度の「いたわりドライ」と50度の「地肌ドライ」を使います。

 風量が強い分、各温度設定は10度ほど低めになっており、髪に優しいです。

  201806031208.jpg

 温度切り替えボタンは、ワンボタンで操作できます。

 センサーは、シャープは、温度センサーを搭載です。

 これを利用して、周囲の温度に合わせた、温度の異なる温風を交互にだしながら、熱による髪や頭皮へのダメージを軽減できるビューティーモードが利用できます。

 ただ、室温センサーなので、風温自体を見ているわけではないので、この部分では、他社の高級機と「」は見られます。

201806031209.jpg

 マイナスイオンは、お馴染みのプラズマクラスターです。

 パナソニックのナノイーと同じくらい宣伝で見かけるマイナスイオンです。

 ただ、メカニズムが異なります。

 ナノイーの場合、水分子を利用する「ペルチェ方式」で、髪に「水分を浸透させる」という効能がありました。

 プラズマクラスターは、しかし「水分子で表面をコート」という多少あいまいな表現です。

 保湿性などの効果は、原理上あまり期待できません。

 効果条件も、縮毛矯正だけではなく、カラーリングやパーマなどの髪については、条件が厳しく書かれています。

 キューティクルでなく、表面コートと言う原理だからです。

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 加えて、プラズマクラスターは「冷風」モードでないと効果がありません。温風時も放出されていますが、効果は低減されます。「冷風での使用時」と説明書に記載があります。

 ただ、冷風と温風を交互に出すビューティーモード利用時は、プラズマクラスターの効果も期待できます。そのため、時間をかけて髪を乾燥する場合は、この弱点は問題にならないと言えます。

 もちろん、マイナスイオンであることは変わらないので、静電気の発生を抑えることが可能です。

---

 以上、シャープのIB-RP9の紹介でした。

 同じ「イオン性能」重視のパナソニックのナノケアがライバルでしょう。

 較べる場合、総じて風量が強いのが特徴と言えます。その分、風温設定が低くても乾くので、髪への優しさにも十分な配慮がみられます。

 一方、温風時にフル性能を発揮できない部分で、プラズマクラスター方式は、ドライヤーとはさほど相性が良くないようには思います。

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 【2022年発売】

 15・シャープ beaute A IB-RP7-W
  ¥13,390 楽天市場 (2/13執筆時)

 【2021年発売】

 15・シャープ beaute A IB-NP7-W
  ¥11,800 楽天市場 (2/13執筆時)

 【2020年発売】

 15・シャープ beaute A IB-MP7-P
  ¥12,780 楽天市場 (2/13執筆時)

最大風量:1.7㎣/分
最大風温:約90度
風温調整:4段階
イオン:プラズマクラスター
本体の重さ:535g

 なお、シャープは、このモデルの下位機種も売っています。

 こちらは冷風と温風を交互に出すビューティーモードが利用できないドライヤーです。

 また、プラズマクラスター発生機能は持ちますが、温風の最高温度が90度と低いです。

 値段を見ても、あまり魅力的ではないと言えます。


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 【2022年発売】

 16・シャープ beaute A IB-WX3
  ¥18,880 楽天市場 (2/13執筆時)

 【2019年発売】

 16・シャープ beaute A IB-WX1
  ¥18,880 Amazon.co.jp (2/13執筆時)

最大風量:1.1㎣/分
最大風温:(約90度)
風温調整:3段階
イオン:プラズマクラスター
本体の重さ:610g

 IB-WX3も、シャープの製品です。

 特徴的な形ですが「プラズマクラスター・ドレープフロー・ドライヤー」と名付けています。

 旧機種が残ります。

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 主な違いは、ジェントルモードの新設です。

 後述するように、本機は「子供に使いやすい」ドライヤーです。

 風量・温度・騒音などをおさえた上で、(後述するセンシングにより)近づきすぎると冷風に切り替わります。

 あとの機能面は変わりません。

---

 結論的にいえば、乳幼児くらいの年齢のお子さんがいなければ、旧機でOKです。

 本体色は、リネンゴールド(IB-WX3-N)とフローズンホワイト(IB-WX3-W)です。

 旧機種は、ピンク(IB-WX1-P)とホワイト(IB-WX1-W)です。

 重さは、610gです。

 小型のように見えますが、割としっかりした重さがあります。

 ただし、重心設計は良好です。

 202001111132.jpg

 風量は、ターボ時に1.1㎣/分です。

 この部分だけで言えば、「能力が低い」と見えてしまいます。

 ただ、本機は吹き出し口を2つ備えて、髪を名前の通り「ドレープ状」になびかせることで、速乾させる新方式です。

 吹き出し口を部品で区切り、二重気流のようにする仕組みはナノケアなどでもあります。

 ただ、物理的に完全に二重に区切ってしまった点がこの製品の独自性です。

 202001111136.jpg

 同社の調査では、ターボ時に1.7㎣/分に較べて、乾燥時間を25%短くなったとのことです。

 速乾性は逆にアップしていると言います。

 美容院での「Wドライヤー」での感想にヒントを得たという新方式です。

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 風温は、一方、最高温度が非公開です。

 ただし、速乾のできる「HOT」では90度、「スカルプ」では50度の温度が出ます。

 周辺温度に合わせて温度を調整する「BEAUTYモード」が下位機種同様に搭載です。

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 一方、ヘアケアの部分では、ドライヤーに「距離センサー」を搭載しての「センシングドライモード」が、もうひとつの「売り」です。

 吹き出し口に(人体に影響がないとされる)クラス1のレーザー光線投射機があり、それが、距離センサーとしてドライヤーと髪との距離を把握する仕組みです。

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 ようするに、温度によるダメージを減らす仕組みです。

 ここは、お子さんを含めた自分以外のスタイリングの際には特に良いでしょう。

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 温度切り替えボタンは、デザイン性重視のためか、やや小さめです。

 「売り」である、距離センサーは、「センシングモード」利用時しか有効でないため、HOTモードなどと頻繁に切り替える必要がある点をふまえると、改良の余地があるでしょう。

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 ネットワーク機能は、シャープは、メーカーとしての「強み」のある領域ですが、こちらもBluetoothを搭載し、スマホと連携します。

 とくに、ドライモードの運転温度と運転時間を、秒単位で設定できる点は、ダメージヘアのケアに重きを置きたい方には、良い部分です。

 マイナスイオン機能は、先ほどの製品と同様に、プラズマクラスターを採用します。

 この部分は、下位機と変わらないため、そちらの紹介をご覧ください。

---

 以上、シャープのIB-WX3の紹介でした。

 仕組み上、速乾性は熱ではなく風を原動力にするため、(前髪など)熱による速乾性を重視したい部分には、値段ほどの能力は期待できない製品です。

 また、吹き出し口が2つなので、通常使わないで済む場合も、セットノズルが必要とされるシーンも多いかもしれません。

 一方、「熱の管理」については、レザーを用いたセンシングを含めて、「業界最高レベル」にこだわりがある機種です。ドライヤーの熱によるダメージヘアの方は、先述のように、子供への用途を含めて、期待値が高い製品です。

次回につづく
イオンドライヤーのおすすめは結論的にこれ! 

 というわけで、今回は、イオンドライヤーの比較の1回目記事でした。

 しかし、記事は、まだまだ「続き」ます。

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2・イオンドライヤーの比較 (2) 
 2-1:コイズミ〈モンスター〉
 2-2:テスコム〈Speedom〉
 2-3:VS〈マジックシャイン〉
 2-4:クレイツイオン〈エレメア〉
3・イオンドライヤーの比較 (3)
 3-1:Philips〈プレステージ〉
 3-3:ヤーマン〈スカルプ〉
 3-3:アイリス〈Moist Pro〉
 3-4:その他〈各社〉
 3-5:最終的な「おすすめ」の提案【結論】

 次回の2回目記事こちら】では、引き続き、以上のメーカーの製品を紹介していきます。

風量の強さ  ★★★★★
髪への優しさ ★★★★★
本体の軽さ  ★★★★★
総合評価   ★★★★★

 その上で、「結論編」となる3回目記こちら)の最後では、今回紹介する全機種から、目的別・予算別にAtlasのおすすめ機種を提案したいと思います。

 引き続き、よろしくお願いします。

 2回目記事は→こちら!

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posted by Atlas at 19:05 | 美容家電

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