【今回レビューする内容】2025年 ドキュメントスキャナーの光線・重送・光線(緑・赤・紫などのカラーの線が入る)故障の対処法とメンテナンス方法について: 交換ローラーや分離パッドの交換方法・紙詰まり対策・掃除法
【紹介する製品型番】CANON imageFormulaDR-C225WDR-C125 DR-P215II DR-2510C 0697C003 5595C001 EPSON DS-530 DS-570 DS-571W DS-531 DS53RKIT1 DSA4RKIT4 ブラザー ADS-2800W ADS-3600W ADS-1700W SP-2001C PUR-2001C 0697C003 5595C001 6144B001 6144B002 DS53RKIT1 DSA4RKIT4 DS31ROL DS31PAD
今回のお題
重送や光線を避けるためのドキュメントスキャナのメンテナンス法は?
どもAtlasです。
今日は、ドキュメントスキャナのメンテナンスについての話です。
キヤノン・EPSON・Brotherのドキュメントスキャナについて、メンテナンスの方法や故障時の対処法について書きました。
富士通のScanSnapについては、(とても人気がある機種のため)別に専用の記事を書いています。
富士通のユーザーの方は、【ScanSnapのメンテナンス方法に関する記事】を参考になさってください。
1・日常的なメンテナンスの必要性
最近のドキュメントスキャナーは高性能化し、紙が薄いなどのことがないかぎり重送は滅多に起こらなくなりました。
ただ、それでも定期的にローラー部分を手入れをしないと重送は発生します。
また、読み取りを続けていると原稿に黒の線や、緑色などの光線が発生する場合があります。
これは、スキャナ読み取り面が、本の糊などで汚れたために発生するものです。
これについても定期的なメンテナンスが必要です。
2・日常的なメンテナンスの方法
頻繁に「重送」が発生している場合、メーカー問わず、どの製品でもはじめに必要なのは、ローラー部分の拭き掃除です。目に見えている部分を固く絞った布で拭いてください。
例えば、これは、キヤノンの最新機であるDR-C225Wの内部構造を表した図です。
このうち、少なくとも、駆動部(ローラー)は全て拭き掃除する必要があります。
とくに、重送防止の「核」となるパーツである、リタードローラーは、しっかり外して掃除するべきです。
例えば、キヤノンのDR-C225Wの場合、ローラーの外し方は以下のようになります。他機の場合も、ローラーは個人交換可能な消耗品として販売されているので、外せる構造のはずです。
3・拭き掃除に便利なアクセサリー
拭き掃除にあたっては、ティッシュペーパーやぞうきんなどは控えて下さいしょう。
なぜなら、それらの繊維が装置の奥に入り込み、さらに重送や光線問題がより深刻になりかねないからです。
エレコム ドライティッシュ DC-DP60N
¥795 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
キムワイプ 12×21.5cm (400枚入) S-200
¥174 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
掃除には、エレコムのPCディスプレイ用の乾式紙クリーナーか、キムワイプをオススメします。
なお、キムワイプは、本来実験器具の清掃に使うものです。こちらもホコリが出にくい質なので、ローラーの掃除にも適しています。水で湿らせて拭くことになります。
富士通 クリーナF1 FI-C100CF1
¥2,489 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
エプソン クリーニングキット DSCLKIT1
¥2,364 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
また、スキャナを多用している方は、水ではなく、パッド部分専用のクリーナーを買うとよいです。これでキムワイプを湿らせて拭き取ります。
各社が発売しますが、中身の成分(=アニオン性界面活性剤)の差はないです。安いのを買ってください。
なお、取り込んだ画像に、黒や白の線や、カラーの光線が発生している場合は、その原因は、(ほぼ)間違いなく、本体内部の読み取りガラス部分に本の糊が付着しているからです。
読み取り面はデリケートで傷が付いたり、ほこりが付いたら「終わり」なので、より慎重に拭いてください。
超極細繊維クリーニングクロス DK-KC5
¥567 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
傷が付かないように、先ほど紹介したキムワイプを使うと良いです。また、ほこりが出ないクリーニングクロスを使っても良いでしょう。
4・掃除しても改善しない場合の対処法
さて、「掃除しても改善しない場合」は、どうするべきでしょう?
皆さんの抱えている問題が「光線問題」ならば、これは、残念ながらメーカーの「ユーザーサポート行き」です。
とくに、本体内のガラスの読み取り部分の「裏側」にゴミが付着しているならば、ユーザーでは対処できません。
メーカーによる本体修理です。
修理は、「持込み修理」です。光線の場合、読み取り部分(光源)の総取り替えになります。そのため、技術料と部品代で片側につき1万円以上の出費の覚悟は必要です。
ちなみにAtlasは、キャノンの業務用のDR-6030C という専門機を長年愛用しています。この場合、光源ユニットの修理代に12万強もかかり、頭痛と胃痛を起こしたことがあります。
いずれにしても、修理代は、小売価格ではなく定価ベースで決められるため、家庭用の場合もかなり割高です。
買い直しを検討される場合、最新のドキュメントスキャナーについては、このブログでは、【おすすめドキュメントスキャナの比較記事】で紹介しています。よろしければ後ほどご確認ください。
ただし、皆さんの抱えている問題が、重送の多発「だけ」の場合は、補修部品と、リタードローラーを購入することで、おそらく解決可能です。
この場合、メーカーに「修理」に出しても、補修パーツの交換対応になり、送料や技術料の分だけ割高になるだけです。
キヤノン・ブラザー・エプソンの最新機の場合、ローラーは10万-20万スキャンほどで交換ですが、使い方が荒いと、かなり早い時期に交換となります。
1冊の本を500ページ(250枚)とするならば、約400冊でローラーユニットの交換時期です。
メーカーによってはドライバーが交換時期をお知らせしてくれる場合もありますが、プロパティでも、利用枚数は確認できます。
ただし、モバイル機種や古いスキャナの場合、1つのローラーと、上図のような「はけ」状の「分離パッド」が交換部品となっている機種があります。
この部品はかなり脆く、1万枚ほどで駄目になることもあります。早めに交換するべきです。
5・主要なスキャナの消耗部品の紹介
重送の多発の場合、皆さんが購入するべき「メンテナンスパーツ」は以下の通りです。
繰り返しますが、「リモコンにおける乾電池」と同じで、ユーザーが交換できるように設計されています。
たいていの場合、これらの部品を交換してしまえば重送についての問題は解決します。
若干の投資ですが、快適に使うためには必要だといえます。
1・キヤノンの交換ローラー
【交換ローラーキット】(10万枚)
DR-C125/225W用交換ローラー 5484B001
¥4,397 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対象スキャナー (2011年〜)
:DR-C225W II
:DR-C225 II
:DR-C125
キヤノンの現行入門機となるDR-C225W II・DR-C225 IIや、その旧型で、2011年発売だったDR-C12は、以上の交換ローラーが消耗品です。
交換の目安は、10万枚(10万スキャン)ですので、そこそこ長寿命です。
ただ、経年変化や、取り込んだ原稿質によっては、これよりだいぶ短くなる場合はあります。
先述の手入れをしても駄目で、ローラー部分を確認して変形や摩耗などがあったら、交換になります。
【交換ローラーキット】(25万枚)
※ 0697C003の後継品:5595C001
キヤノン R30 DR-M160U/M160/C240/C230用
¥4,032 楽天市場 (5/14執筆時)
対象スキャナー (2011年〜)
:DR-C240
:DR-C230
:DR-M160U
:M160
:imageFORMULA R30
キヤノン中位機となる以上の各機は、こちらのローラーです。
DR-C240・DR-C230以下も、同じ交換部品になります。
これらは、もとの交換ローラーキットの型番( 0697C003 )が廃盤となっていて、新しい型番( 5595C001 )に統合された形です。
交換の目安は、25万枚(25万スキャン)です。
かなり長寿命ですが、先述のように、ゴム質なので、経年変化による変質などはあるので、たまにしか使っていない場合も、問題が生じているようならば交換です。
【交換ローラーキット】(25万枚)5595C001
DR-S150/DR-S130用 交換ローラー
¥4,032 楽天市場 (5/14執筆時)
対象スキャナー (2011年〜)
:DR-S150
:DR-S130
大きめのDR-S150・DR-S130の場合はこちらです。
こちらも、もともとの交換ローラーキットの型番( 0697C003 )は廃盤となったので、新しい型番( 5595C001 )です。
交換の目安は、25万枚(25万スキャン)です。
【分離パッド】(1万枚)
4179B001 DR-150用 分離パッド
¥2,649 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
【給紙ローラ】(10万枚)
4179B002 DR-150用 フィードローラー
¥1,923 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対象スキャナー (2007年〜)
:DR-C150
【分離パッド】(1万枚) 6144B001
DR-P215II R10 分離パッド
¥1,890 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
【給紙ローラ】(10万枚) 6144B002
DR-P215II R10 フィードローラー
¥1,698 楽天市場 (5/14執筆時)
対象スキャナー (2011年〜)
:DR-P215
:DR-P215 II
【交換ローラーキット】(10万枚)
キヤノン DR2510C/DR2010C/SF300P/220P用
¥5,160 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対象スキャナー (2007年〜)
:DR2510C
:DR2010C
:DR-C150
:ScanFront SF300P
:ScanFront 220P
そのほか、モバイル用ほか、10年以上前の入門機については、部品が異なります。
ローラー以外の交換できない可動部品もあるので、10年以上前のモデルの場合は、ほかの搬送部品の状態もしっかりみてください。
ただ、モバイル機で使われる分離パッドは「すぐにへたる」ので、そこが重送の原因である場合が多く、交換すれば使える可能性は高いです。
2・エプソンの交換ローラー
【交換ローラー】(20万枚)
EPSON DS-530/DS-570W用 DS53RKIT1
¥5,445 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対象スキャナー (2016年〜)
:DS-530
:DS-570W
【交換ローラー】(20万枚)
EPSON DS-531/DS-571W用 DSA4RKIT4
¥5,364 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対象スキャナー (2020年〜)
:DS-531
:DS-571W
EPSONは、機種の違いで交換ローラーが2種類です。
据置型は、DS-531/DS-571Wは2020年秋発売だったので、それ以前に買った方は前者でしょう。
いずれの機種も、耐久性が20万枚と頑丈ですが、やはり、掃除してもすぐに重送するならば「替え時」です。
【交換ローラー】(20万枚)
EPSON DS-780W用 DS53RKIT1
¥5,445 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対象スキャナー (2016年〜)
:DS-780W
【交換ローラー】(20万枚)
EPSON DS-790WN用 DSA4RKIT4
¥5,364 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対象スキャナー (2020年〜)
:DS-790W
一方、上位機となる DS-700番台も、上でみた下位機の場合は、交換ローラーと同じものとなります。
【給紙ローラー】(5万枚)
EPSON DS-480W/DS-C420用 DSA4RKIT5
¥2,308 楽天市場 (5/14執筆時)
対象スキャナー (2023年〜)
:DS-C480W
:DS-C420W
2023年登場の小型(の大きめ)になる各機は、5万枚です。
下部のリタードローラーが1つである関係もあるかと思います。ただ、その分、消耗品費は安めです。
【給紙ローラー】(10万枚)
EPSON DS-360W/DS-310用 DS31ROL
¥2,640 楽天市場 (5/14執筆時)
【分離パッド】(1万枚)
EPSON DS-360W/DS-310用 DS31PAD
¥1,861 楽天市場 (5/14執筆時)
対象スキャナー (2016年〜)
:DS-360W
:DS-310
モバイル型は、キヤノン機と同じで、分離パッドの寿命が短いので、その部分が問題の方が多いかと思います。
交換部品は2点となります。
3・ブラザーの交換ローラー
【交換ローラー】(20万枚)
ブラザー ADS-2800W ADS-3600W用 PRK-A2001
¥7,370 楽天市場 (5/14執筆時)
対象スキャナー (2016年〜)
:ADS-2800W
:ADS-3600W
2018年発売の、ブラザーの1世代前となるADS-2800W ADS-3600Wの交換部品はこちらです。
耐久性は、20万枚が目安となります。
【交換ローラー】(10万枚)
ブラザー ADS-2200 PRK-A3001
¥6,549 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対象スキャナー (2018年〜)
:DS-360W
:DS-310
ただし、ブラザーの入門機となるADS-2200には、ピックアップローラーが変わっているので注意です。
耐久性は10万枚なので、20万枚が目安の上位機と、コストは変わりません。
【交換ローラー】(20万枚)
ブラザー ADS-4790W PRK-A3001
¥6,549 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対象スキャナー (2022年〜)
:ADS-4300N
:ADS-4700W
なお、2022年にブラザーは筐体が新型化しました。
この世代を買われた場合もローラーは、1つ上のものと同じです。
【交換ローラー】(20万枚)
ブラザー ADS-4900W PRK-A4001
¥6,472 楽天市場 (5/14執筆時)
対象スキャナー (2022年〜)
:ADS-4900W
ただし、新しい最上位機だけは、同じ耐久枚数ながら、少し高めです。
高速対応のためでしょう。
【分離片】(1万枚)
ブラザー ADS-1700W SP-2001C
¥2,210 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
【分離ローラー】(10万枚)
ブラザー ADS-1700W PUR-2001C
¥5,490 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対象スキャナー (2018年〜)
:ADS-1700W
:ADS-1800W
同社のコンパクト型のADS-1700Wは、分離パッド式なので消耗品は2つです。
やはり、分離片が1万枚の耐久性なので、さきに「へたり」ます。
6・まとめにかえて
というわけで、今日は、キャノン・エプソン・ブラザーのドキュメントスキャナのメンテナンスの話でした。
なお、掃除しても、交換しても無理な場合は、残念ながら「寿命」です。
ちなみに、家庭用の場合、装置寿命は、据置型だと(目安として)40万枚前後です。
交換できない稼働部品が傷んでいくためです。過去に1-2回ローラーを交換した経験があれば、「買い換え」の検討も手です。
このブログ「モノマニア」では、最新の自炊に関係する機材について、以下のような記事をこれまで書いてきました。
1・ドキュメントスキャナーの比較記事
2・ブックスキャナーの比較記事
3・裁断機の性能比較記事
4・ディスクカッターの比較記事
5・日本語OCRソフトの比較記事
6・英語OCRソフトの比較記事
スキャナの買い換えなども検討される方は、これらの記事も、よろしくお願いいたします。
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ではでは。