【今回レビューする内容】2023年 強く吸う!強力なスティック式掃除機の性能とおすすめ・選び方:ダイソン・日立編:エレクトロラックス・マキタ・三菱・パナソニック・日立・シャープ・東芝・パナソニックなどハンディスティック掃除機
【比較する製品型番】ダイソン Dyson V6 V7 Slim SV11 SLM BK V8 Slim Fluffy Extra SV10K EXT FU BU SV10KSLM Fluffy+ SV10K SLM COM Dyson Digital Slim Fluffy SV18 FF N Origin SV18 FF ENT N SV18 FF ENT2 V12 Detect Slim Fluffy SV20 FF N SV20 FF EX V15 Detect Complete SV22 ABL2 SV22 ABL ON SV22 ABL EX V10 Fluffy SV12 FF LF ダイソン Dyson V12 Detect Slim+ SV30 ABL BC Dyson V8 Origin SV25 RD V10 Fluffy Black SV12 FF LF BK 日立 PV-BH500H PV-BH900H PV-BH500J PV-BH900J PV-BH900K PV-BH900SK
今回のお題
コードレスの掃除機のなかで、吸引力の強いおすすめ機種は?
どもAtlasです。
今日は、2023年1月現在、最新のコードレス掃除機(スティック式掃除機)を比較します。
とくに、吸引力のパワーや軽量性については重視して、各製品を調査しました。
1:ダイソン〈英国〉
2:日立〈日本〉
3:パナソニック 〈日本〉
4:東芝 〈日本〉
5:シャープ〈日本〉
6:三菱電機〈日本〉
7:アイリスオーヤマ〈日本〉
8:シャーク〈米国〉
9:エレクトロラックス〈北欧〉
10:Tineco〈中国〉
11:AQUA〈日本〉
12:マキタ〈日本〉
今回の記事では、人気のダイソンの掃除機をふくめ、現行機種は「全機種」紹介します。
そのほか、上表のメーカーの製品は、型落ちを含めて、手に入る機種はほぼ網羅して比較しました。
デンキヤ店頭で見かける製品だだいたい「網羅」できていると思います。
吸引力の強さ ★★★★★
バッテリー量 ★★★★★
掃除機の軽さ ★★★★★
ヘッドの性能 ★★★★★
センサー性能 ★★★★★
ゴミ箱のサイズ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、、以下では、いつものように、各機種を細かく比較します。
そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントから、Atlasのおすすめ機種!を提案していきます。
長い記事ですが、よろしくお願いします。
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1・サイクロン式の掃除機の比較
2・紙パック式の掃除機の比較
3・コードレス掃除機の比較
4・ロボット掃除機の比較
5・おすすめ掃除機の選び方 【まとめ】
なお、今回の記事は、このブログの掃除機の比較シリーズの第3回目記事として書きました。
0・コードレス掃除機の選び方の基本
はじめに、コードレス掃除機の「選び方の基本」について、書いておきます。
ここ5年ほど、各社のコードレス掃除機は、相当の「技術的進化」を見せています。
0-1・掃除機のパワー
0-2・本体の軽量性
0-3・バッテリー稼働時間
0-4・掃除機のセンサー
0-5・本体の収納方法
結論的にいえば、現状の技術をふまえると、「時代遅れではないコードレス掃除機」を選びたい場合、上表の4点が、ひときわ重要となります。
これらについて、順番に見ていきましょう。
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第1に、掃除機のパワーです。
例えば、英国のダイソンは「今後コードレス掃除機以外は開発しない」と言い切るほど、充電池の性能とモーターのパワーが上がりました。
各社の高性能機は、フローリングやだけでなく、絨毯や畳も含めて「キャニスター式の代わり」になり得る性能の機種を出しつつあります。
今回の記事では、この部分を重視して比較しますが、とくに「自走式ヘッドの性能」と「モーターのパワー(仕事率)」には注意して調査しました。
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第2に、本体の軽量性です。
以前は、軽量の掃除機と言えば、「通販生活」などで有名な「マキタの掃除機」1択でした。
しかし、シャープなどが、1.5kgを切る優秀な軽量機を出してきており、市場を賑わせています。
また、「自走式ヘッド」を搭載した強力モデルも、2kg前後の軽量機を出しており、「重さ」は比較基準として特に重要となっています。
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第3に、バッテリー稼働時間です。
最近の機種は、モーターやバッテリーの効率を大幅に改善し、標準運転で30分以上連続運転できる機種も多くなっています。
また、それだけではなく、バッテリーを簡単取り外せるように設計し、「片方を充電しながら」常に利用できるような設計思想の機種も現れています。
今回はこのような「面白い機種」も多く紹介しました。
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第4に、掃除機のセンサー(自動運転)です。
「じゅうたん用」の場合、コードレス機はここも重要です。
なぜなら、コードレス機はバッテリー稼働時間の問題があるため、必要なときだけ「強運転」にすることで、運転時間が延ばせる「自動運転モード」を普段利用することになるからです。
自動運転は、2種類の方式があります。
床質をじゅうたんと判断した場合だけ強運転をする「床面検知センサー式」(日立・シャープほか)と、ゴミ量が多い時だけ強運転をする「ゴミ量センサー式」(ダイソン・パナソニックほか)とがあります。
前者は、「ゴミ残り」が把握できない一方、じゅうたんを検知すると自動でパワフルになるのがメリットです。
後者は、カーペットの見えない「ゴミ残り」をLEDランプで視覚的に検知できるのがメリットです。しかし、カーペット検知ができないので、「強運転」時でしか吸えない、カーペットの奥に潜むゴミを取り切れない可能性があります。
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結論的にいえば、一長一短があります。
ただ、カーペットは「常に強く吸わせたい」ものです。床面検知センサーのほうが、手動でスイッチを「強」にする回数は少ないでしょう。
特に、部屋の一部の場所だけが「毛の長いじゅうたん」という場合などなら、「床面検知センサー」搭載機のほうが相性が良いでしょう。
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第5に、本体の収納方法です。
各社からは、各社工夫を凝らす部分ですが、壁に簡単に立て掛けて充電できたり、自立して置ける機種が出はじめています。
一方で、基本的に壁にネジ固定が基本の機種もあるため、こうした収納性についてもしっかり比較するつもりです。
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以上、コードレス掃除機の選び方の基本について書きました。
今回の記事では、これらの点を重視しながら、メーカーごと、主要なコードレス掃除機を比較していきます。
0-5・今回の記事構成について(重要)
1・強力なコードレス掃除機の比較
・主な用途:じゅうたんも対応
・重さ: 1.5kg〜3kg
2・軽量なコードレス掃除機の比較
・主な用途:フローリング・畳
・重さ:0.8kg〜1.5kg
3・2WAY式コードレス掃除機の比較
・主な用途:フローリング・ソファ
・重さ:2kg〜3kg
4・おすすめコードレス掃除機 【結論】
・用途別のおすすめ機種の提案
コードレス掃除機は、各社から80機以上は出ており、紹介すべき機種が多いです。
そのため、今回の記事は、さらに「4つに分けて」います。
1回目記事(今回記事)は、自宅の「メイン機」とできる「カーペット対応」の強力なコードレス掃除機の紹介です。
広めご家庭で、吸引力を重視して考えたい場合は、この記事が適当です。
2回目記事は、一方、「フローリングのみ対応」の超軽量機を紹介します。
この路線でお探しの方は、2回目の【軽量なコードレス掃除機の比較記事】から、お読み頂ければと思います。
3回目記事は、スティックを取り外して「軽量なハンディ掃除機」としても使える2WAY式コードレス掃除機の紹介です。
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一方、強力なモデルと、軽量なモデルを比較して考えたい!という方は、自宅の「メイン機」の紹介となる、今回の記事から順番にお読みください。
1・強力なコードレス掃除機の比較 (1)
1-1:ダイソン〈英国〉
1-2:日立〈日本〉
2・強力なコードレス掃除機の比較 (2)
2-1:パナソニック 〈日本〉
2-2:東芝 〈日本〉
2-3:シャープ〈日本〉
2-4:三菱電機〈日本〉
2-5:アイリスオーヤマ〈日本〉
2-6:バルミューダ〈日本〉
3・強力なコードレス掃除機の比較 (3)
3-1:シャーク〈米国〉
3-2:エレクトロラックス〈北欧〉
3-3:Tineco〈中国〉
3-4:AQUA〈日本〉
3-5:マキタ〈日本〉
4・おすすめコードレス掃除機 【結論】
=予算・目的別おすすめ機種の提案
1-1・【強力】ダイソンの掃除機の比較
はじめに、イギリスのダイソンの掃除機から紹介をしていきます。
1・軽さ重視のダイソン機
・フローリング 畳
・毛の短いじゅうたん
2・パワー重視のダイソン機
・フローリング 畳
・毛の長いじゅうたん
ダイソンは、相当数あるので、さ吸引力水準で2つに分けて紹介します。
なお、掃除機の仕事率(=掃除機のモーターパワー)の数字は、コードレス機の場合、各社とも基本的に出しません。
ヘッドほかモーター以外の部分の工夫で吸引力を高める工夫があるので、その部分を評価しない数字を出しても意味がないからです。
ただ、ダイソンは(旧機種の)仕事率をかつて公開していて、カタログによる説明を基準にして、現行機との比は推測できるため、推定値を今回出しました。
モーター以外の部分の力も加味されるので、他社製品の値と比べるには適しません。
しかし、同社の製品間の吸引力を比べる際には、参考になるかと思います。
1・軽さ重視のダイソン機
では、比較をはじめます。
ここでは、ダイソン機のうち、「フローリング」ほか、「毛の長くないじゅうたん」までなら対応できる軽量タイプのダイソン機を紹介します。
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なお、以下では、いつものように、オススメできるポイントを赤字で、イマイチな点は青字で書いていきます。
【2019年8月発売】
【通常製品】
1・ダイソン V8 Slim Fluffy SV10KSLM
¥40,975 楽天市場 (1/10執筆時)
【ミニモーターヘッド付属】(赤・青・黒)
2・V8 Slim Fluffy Extra SV10K EXT FU
2・V8 Slim Fluffy Extra SV10K EXT BU
2・V8 Slim Fluffy Extra SV10K EXT BK
¥34,280 楽天市場 (1/10執筆時)
【ミニモーターヘッド・LED隙間ノズル付属】
3・ダイソン V8 Slim Fluffy+ SV10K SLM COM
¥43,022 楽天市場 (1/10執筆時)
重さ:2150グラム
吸い込み仕事率: 115W(推定)
標準駆動時間:30分
集塵方式:サイクロン式
ヘッド:モーター式
充電時間: 5時間00分
V8 Slimは、ダイソン現行のの入門機です。
2017年登場のV8シリーズの改良型で、ヘッドが軽量化され「第2世代」となった機種です。
なお、V8 Slim Fluffy+やV8 Slim Fluffy Extraもありますが、付属品以外同じなので、同時に紹介します。
掃除機の重さは、2150gです。
他社の「強力タイプ」には、2kgを切る、もっと軽いものもあります。
ただ、よほど非力の方でない限り、この重さでは問題ないです。
2.5kgを超えてくると「ズッシリ」くるものですが、この程度ならば、「軽々と動かせる」と言えます。
本機は、「ダイソンは上位機になるほど重い」という、従来の「ダイソンの法則」を初めて崩した「歴史的機種」でもあります。
なお、軽量化は、ヘッドの改良と、スティック素材の見直しで実現しました。
吸引力は、推定115Wです。
V8モーターは、以前のV7シリーズと同じ15気筒ですが、比べると吸引力が10%ほどアップしています。
多気筒のサイクロン式は、実際より仕事率が低く出るので、他社機と比較しにくいです。
ただ、本機は、じゅうたんにも対応できるパワーがあります。実際試しましたが、吸引力は視認できるほどの向上しています。
騒音も50%ほどカットされています。排気の清浄能力も高いです。
掃除機のヘッドは、スリムソフトローラークリーナーヘッド(Slim Fluffyクリーナーヘッド)です。
モーター式ですが、本体幅は25cmと「幅広タイプ」です。
アルミなど軽量化を徹底し、また、構造を見直したことで、「幅広ながらスリムで軽量」にしています。
中身のローラーに、静電気を抑えるカーボンファイバーを採用するため、細かいゴミの捕捉率が上がっています。
付属品は、コンビネーションノズル・隙間ノズルです。
V8 Slim Fluffy ExtraとV8 Slim Fluffy+ は、ミニモーターヘッドが付属です(左図)。
ハンディクリーナーとして使えるほか、マットレス用掃除機としても利用可能です。
その場合、ゴミ用と布団用で同じヘッドを使わずに済むので清潔です。そのほか吸付かずに軽いふとんが手入れできる「フトンツール」(右図)も付属です。
V8 Slim Fluffy+ は、これらに加え、隙間ノズルがLED隙間ノズル(中央図)ですので、少し上位です。
バッテリー持続時間は、モーターヘッド使用時でも30分の連続使用が可能になっています。
カタログスペックは40分ですが、モーターヘッド駆動の場合は30分です。
掃除機のセンサーは、非搭載です。
ダイソンの場合、ゴミ量に応じてセンサー自動運転(自動強運転)できるのは、後ほど見る上位シリーズ上位シリーズだけです。
バッテリー充電時間は、5時間です。
短いとは言えないですが、容量を考えれば仕方ないことです。
サイクロン分離方式も、ゴミの圧縮機能を持たない構造です。
あとで見ていくように、他社機は、風圧でゴミを圧縮して、ゴミを捨てやすくする機能があります。
掃除機の収納は、壁にネジ固定する収納ブラケット固定です。
したがって、賃貸の場合は、設置に難があります。
しかし、 サードパーティから、充電台も据え付けられるスタンド式壁掛けが出ており、対応は可能です。
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以上、ダイソン V8 Slimの紹介でした。
現行の「最安」グレードですが、モーターのパワーのほか、高性能な「幅広タイプ」のヘッドを搭載するため、吸引力は同価格帯の他社製品に比べても負けません。モーターも静かです。
難点は、少しバッテリー充電時間が長く、連続使用できない場合がある点だけです。
とはいえ、充電さえ忘れなければ、「メイン機」として間違いなく使えるシリーズです。
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【2019年発売】
4・Dyson V7 Slim SV11 SLM
4・Dyson V7 Slim SV11 BK
¥38,300 楽天市場 (1/10執筆時)
【2017年モデル再販】
4・Dyson V8 Origin SV25 RD
¥32,440 楽天市場 (1/10執筆時)
なお、ダイソンは「販売終了モデル」について、在庫部品を使用した「アウトレット特価セール」用といえる格安製品を不定期で売っています。
現在は、以上の機種が見られます。
第1に、V7 Slim です。
こちらは1世代古いV7モーターで、15気筒ながら10%ほど能力が落ちます(推定105W)。
ヘッドも1世代前のコンパクトモーターヘッドです。「じゅうたん対応」ですが、あまり毛の長いものを取り切るのは少し難しいので、薄いじゅうたん用です。
本体の重さは、2200グラムで、充電時間は3.5時間です。この部分はV8 slimとあまり変わらず優秀です。ただし、モーターヘッド利用時の駆動時間が少し短め(20分)です。
第2に、V8 Originです。
2022年登場ですが、実際はV8 Slimが軽量化する前にあった2017年発表のV8の「再販製品」です。モーターはV8なので、V8 slimとパワーは同等です(推定115W)。
本体の重さは、しかし、2600gとかなり重いです。
ソフトローラー(Fluffy)の製品でこの重さというのは、さすがに「時代遅れ」で使いにくいでしょう。充電時間も5時間です。
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結論的にいえば、相当安い場合を除けば、いずれも除外して考えるべきでしょう。
【2020年発売】(2022年型番変更)
【通常製品】SV18FFN
5・ダイソン Digital Slim Fluffy SV18 FF N
¥54,980 Amazon.co.jp (1/10執筆時)
6・ダイソン Digital Slim Fluffy SV18 FF
¥56,880 楽天市場 (1/10執筆時)
【高所掃除対応】SV18FFEX
7・ダイソン Digital Slim Fluffy SV18 FF EX
¥79,200 楽天市場(Dyson公式) (1/10執筆時)
【マルチ掃除対応】
8・ダイソン Digital Slim Fluffy+ SV18 FF COM
¥66,350 楽天市場 (1/10執筆時)
重さ:1900グラム
吸い込み仕事率: 160W(推定)
標準駆動時間:40分
集塵方式:サイクロン式
ヘッド:モーター式
充電時間: 3 時間30分
ダイソンDigital Slimは、2020年6月に新発売された機種です。
多くの種類がありますが、付属品の部分以外は、色が違うだけです。
あとで詳しく説明しますが、その部分だけで決めてOKです。
なお、ダイソンの場合、このグレード以上は、じゅうたん対応タイプでも「重いが、超強力」と「軽いが、まあ強力」と2タイプに分かれます。
こちらは「Slim」系となるので後者です。じゅうたん対応できる水準のパワーを維持しつつも、重さに加減を加えた製品です。
掃除機の重さは、1900gです。
Slimタイプの下位機であるV8 Slimより250g軽いこので、この部分を突き詰めた機種と言えます。
日本メーカーがパワフルな軽重量機を売りにした機種で対応していることから、それへの対抗策と言えます。
吸引力は、推定160Wです。
毎分12万回転のDyson Hyperdymiumを使います。
同社のスリムタイプは、15%小型なのですが、サイクロンが従来の15気筒ではなく11気筒です。しかし、モーターと空力の見直しで、吸引力はV8を上回るパワーとされます。
ただし、軽量化のためホース径が細い部分も含めて、後ほど見ていく「重いが、超強力」な上位機よりは、パワーは低めです。
本製品は、グラフを使って「変わらない吸引力」をアピールします。
これは、同社の製品と比べたのではなく、3社の売れ筋最上位機と比較した際、本機のゴミが溜まった時の吸引力の持続性の優秀さを示すものです。
一般的にサイクロンは、紙パック式よりこの部分は強いです。
しかし、多気筒で高効率サイクロンを採用するダイソンは、ゴミが溜まっても、吸引力が全く落ちないことを、グラフで示しています。
一方、これは、他のダイソン機では示されないデータなので、(今のところ)本機に限定しての特長です。
小型・軽量化によるダストカップ自体の小型化への対処、という側面もあるでしょう。
掃除機のヘッドは、本機もスリムソフトローラークリーナーヘッド(Slim Fluffyクリーナーヘッド)です。
一方、毛の長いじゅうたんなどに使えるヘッドは未装備です。
一方、このグレードの場合、全機種とも壁掛け不要の専用充電ドックと、マットレスなどの掃除用のミニモーターヘッドが付属となります。
したがって、別売品を買わずとも、壁に孔を開けなくても使えるといえます。
付属品は、通常製品については、コンビネーションノズル、隙間ノズルです。
上位機は、構成が2機種あります。
第1に、SV18 FF COMは、高所掃除対応型と言えます。
先ほども見たふとんツール(左図)ほか、LED搭載の隙間ノズル(左図)と、高所掃除に便利なアップトップアダプタ(右図)いう構成です。
第2に、SV18 FF COMは、自動車を含むマルチ掃除対応型です。
LED隙間ノズル・ふとんツールほか、延長ホース・ハードブラシという構成です。ダイソン公式限定のSV18 FF PROは、この構成に、予備バッテリーが追加になります。
どれを選ぶかは迷いますが、高いところを扱いたい場合は、前者が良いかと思います。
バッテリー持続時間は、一方、通常(中)で25分です。
エコモードだと40分の評価ですが、V8 Slimより必ずしも良いとは言えません。
軽量化の犠牲になった部分ではありそうです。
ただ本機は、バッテリーの着脱が容易です。やはり、補修部品扱い(965171-01)ですが、1.2万円ほどで充電器とバッテリーが販売されています。
この部分は、良い改良であり、弱点を消しています。
そのほか、細かい部分ですが、液晶ディスプレイで、それぞれのモードにおける、残り稼働時間が確認できるのは、便利そうです。
掃除機のセンサーは、本機も未装備です。
バッテリー充電時間は、3.5時間です。
サイクロン分離方式は、こちらもゴミの圧縮機能を持たないものです。
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以上、ダイソンDigital Slimの紹介でした。
「軽くても吸う」という強力タイプの高級機が後発の他社から多く出てきたことへの、ダイソンからの「回答」といえる機種です。
実際、着脱式バッテリーや軽量素材の小径のスティックなど多くの見どころがあります。
他社との違いという意味では、「ゴミが溜まっても吸引力が落ちない」という部分が目立ちます。この部分を(サイクロン式で)突いてきた製品はあまりないですから。
一方、本機は、フローリングなどには「超強力」ですが、(毛の長い)じゅうたん対応については明言されない点は、注意するべきです。
とはいえ、値段を考えなければ、フローリング用としては「無双」といえ、ゴミを取りきる力は、相当レベルが高いでしょう。
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【下位機】
〈型番:SV18 FF ENT N ・SV18 FF ENT 〉
9・ダイソン Digital Slim Fluffy Origin
9・ダイソン Digital Slim Fluffy Origin
¥50,406 楽天市場 (1/10執筆時)
【中位機】
〈型番:SV18 FF ENT2 〉
10・ダイソン Digital Slim Fluffy Origin
¥51,798 楽天市場 (1/10執筆時)
【上位機】
〈型番:SV18 FF ENT EX 〉
11・ダイソン Digital Slim Fluffy Origin
¥67,100 楽天市場(Dyson公式) (1/10執筆時)
重さ:1900グラム
なお、似た名前の製品ですが、末尾に「Digital Slim Fluffy Origin」は、このシリーズの廉価版です。
違う点は、付属品だけです。
いずれも、先述の縦置きできる充電ドック(左図)が付属しません。
下位機は、ふとん掃除などにつかうミニモーターヘッド(右図)も省略です。
上位機は、一方、充電ドックがないだけで、ミニモーターヘッドほか、先述のUptopアダプタ+布団ツール+LED隙間ノズルは、装備になります。
ただ、充電ドックは実用度が高い付属品なので、ないのは非常に「惜しい」と思います。
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このほか、ダイソンには最軽量機となるDyson MicroとDyson Omni-glideもあります。しかし、カーペット向けではないですから、【軽量コードレス掃除機の比較】のほうで紹介しています。
2・パワー重視のダイソン機
続いて、ダイソン機のうち、「フローリング」・「毛の長くないじゅうたん」以外に、「毛の長いじゅうたん」も含めて対応水準と言える製品です。
【2021年発売】(2022年型番変更)
【通常製品】
〈型番:SV20 ABL N〉
12・Dyson V12 Detect Slim Total Clean
¥74,856 楽天市場 (1/10執筆時)
〈型番:SV20 ABL〉
13・Dyson V12 Detect Slim Total Clean
¥78,500 楽天市場 (1/10執筆時)
【高所掃除対応型】
〈型番:SV30 ABL EX〉
14・Dyson V12 Detect Slim Complete
¥102,300 楽天市場(Dyson公式) (1/10執筆時)
【マルチ掃除対応型】
〈型番:SV20 ABL EXT〉
15・Dyson V12 Detect Slim Absolute Extra
¥98,780 楽天市場 (1/10執筆時)
重さ:2200グラム
吸い込み仕事率: 240W(推定)
標準駆動時間:30分
集塵方式:サイクロン式
ヘッド:モーター式
充電時間: 3 時間30分
ダイソン V12 Detect Slimは、2021年6月に新発売された新機種です。
こちらも、「軽いが、まあ強力」な部類の機種で、1つ上のDigital Slimの直接的な上位機です。
本機の場合も、色のほか、付属品の違いで3タイプあります。
違いは後ほど紹介します。
掃除機の重さは、2200gです。
軽量化処理をしたSlim系ですが、この系統としては重めです。
吸引力は、冒頭書いた基準で推定すれば、240W水準です。
名前は、下位機種と同じ、11気筒のDyson Hyperdymiumモーターです。
しかし、回転数が12.5万回になるほか、ヘッド構造の見直しなどで、吸いこむ力は、スリム系では「パワフル」です。
実際、このシリーズについては、後述するように、長い毛のじゅうたんに使えるヘッドを装備する機種もあるので、吸引力は、1つ上のDigital Slimより強いです。
掃除機のヘッドは、基本は、フローリング向けのソフトローラー(レーザースリムフラフィクリーナーヘッド)です。
下位機シリーズには見られない「レーザー」という単語が付きますが、これは、フローリング上のホコリを見つけやすくするため、ヘッドに緑色レーザーが装備されることを示します。
この製品名に「 Detect(探索)」が付く理由の1つです。
加えて長い毛のじゅうたん用の、モーターバークリーナーヘッド(Mortorbar)も装備です。なお、以前は「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」という名前でした。
その点でも、(ダイソン水準で)「毛の長いじゅうたん対応」と言えるのは、このグレードからでしょう。ただし、レーザーはこちらのヘッドにはありません。
付属品は、機種によって違います。
通常製品でも、装備するのは、隙間ノズル・コンビネーションノズルと毛絡み防止スクリューツールです。
毛絡み防止スクリューツールは、下位機種にはありませんでした。
これは、従来の「ミニモーターヘッド」の改良版といえ、ソファやベッド用です。髪の毛を、絡まず吸い取りやすくしたものです。
ソファほか、ベッドなど平面の掃除も(ミニモーターヘッド同様)対応可です。
一方、これら以外の付属品は、製品によって変わります。
第1に、 Detect Slim Total Cleanです。
基本となる通常製品ですが、ふとんツールと延長ホースは装備です。
第2に、 Detect Slim Completeは「高所掃除対応型」の上位機と言えます。
LED搭載隙間ノズルと、高所用のアップトップアダプタが付属です。
ただ、この構成は、ふとんツールはつきますが、キャニスター型のように使える延長ホースが未付属です。
第3に、 Slim Absolute Extraは、「マルチ掃除対応型」の高級機です。
LED隙間ノズル・ふとんツール・延長ホースが付属となります。
第4に、 Slim+は、2022年末に追加された直販限定の特別版です。
延長ホースほか、アジャスタブル隙間ノズルとスクラッチフリーソフトブラシが付きます。
新開発のツールです。前者は、22度の角度を付けた長めの隙間ノズルで、車や家具の隙間に入りやすいタイプの隙間ノズル、後者は、ナイロン製の回転ブラシが優しくゴミを吸うタイプのブラシです。
いずれも、5000円前後で別売もなされています。
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結論的にいえば、この構成の「マルチ掃除対応型」は、通常製品とあまり変わらない(ノズルにLEDが付くだけ)なので除外して良いでしょう。あとの3つから、付属品の好みで選べばOKです。付属品は単品でも売られるので、あとから買い足せます。
バッテリー持続時間は、通常(中)で30分です。
エコモードだと50分となります。本機も、バッテリーの着脱が容易ですので、必要に応じてあとから買い足しても良いでしょう。
掃除機のセンサーは、このグレードから、ゴミ量センサーが付属です。
床のゴミのこりが上部ディスプレイでわかるほか、ゴミ量に応じた自動運転(強弱制御)にして、バッテリーを節約できます。
床面検知センサーは未搭載です。
ただ、ダイソンは(そもそも)フローリングとじゅうたんと「ヘッド交換」を要する設計です。床質を知ることは意味がないため、ゴミ量センサーにしています。
バッテリー充電時間は、3.5時間です。
サイクロン分離方式は、こちらもゴミの圧縮機能を持たないものです。
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以上、ダイソン V12 Detect Slimの紹介でした。
スリム系としては2200gとやや重いのですが、長い毛のじゅうたんに強力に対応できる製品としては、同社では「軽い」とも言える製品です。
続いて見ていく、重さとパワーの面で、先ほど見た下位機種と、次にみる上位機との「ちょうど真ん中」位なので、総合的には本機が便利そうです。
下位機種にない「レーザー」と「ゴミ量センサー」という2つの工夫もありますし、予算が許せば、買って良い機種です。
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【2021年発売】(2022年型番変更)
【通常製品】
〈型番:SV20 FF N 〉
16・Dyson V12 Detect Slim Fluffy
¥63,180 楽天市場 (1/10執筆時)
〈型番:SV20 FF 〉
16・Dyson V12 Detect Slim Fluffy
¥85,980 楽天市場 (1/10執筆時)
【高所掃除対応型】
〈型番: SV20FF EX / SV20 FF EX 〉
17・Dyson V12 Detect Slim Fluffy
¥90,200 楽天市場(Dyson公式) (1/10執筆時)
重さ:2200グラム
なお、このシリーズについても、下位機種と言えるモデルがほかにもあります。
本体性能は同じです。
しかし、こちらは、フローリング向けのソフトローラー(レーザースリムフラフィクリーナーヘッド)だけ装備です。
つまり、フローリング専用の「高級仕様」と言え、特に、ゴミを見つけやすいLED灯に惹かれる方が(下位シリーズではなく)本機を選ぶ、という製品です。
構成は2種類です。
通常製品は、先述の毛絡み防止スクリューツール(写真)ほか、コンビネーションノズルと(LEDなしの)隙間ノズルだけです。
ふとんツール・延長ホースも付かない「シンプル」構成です。
やはり、床掃除だけできれば、基本OKという方向けです。充電ドックは付属です。
高所掃除対応型は、LED隙間ノズル・ふとんツールと、高所掃除用のアップトップアダプタです。
ただ、こちらは、毛絡み防止スクリューツールではなく、下位のミニモーターヘッド(写真)が付属となる部分に注意を要します。
実用上問題ないと思いますが、損した気分といえばそうかもしれません。
【2021年発売】(2022年型番変更)
【通常製品】
〈型番:SV22 ABL2 / SV22 ABL N〉
18・Dyson V15 Detect Complete
¥90,200 楽天市場 (1/10執筆時)
【高所掃除対応型】
〈型番:SV22ABLON / SV22 ABL ON〉
19・Dyson V15 Detect Complete
¥104,950 楽天市場 (1/10執筆時)
【高所・マルチ掃除対応型】
〈型番:SV22ABLEX / SV22 ABL EX〉
20・Dyson V15 Detect Complete
¥115,500 楽天市場(ダイソン直販) (1/10執筆時)
重さ:2610グラム
吸い込み仕事率: 368W(推定)
標準駆動時間:30分
集塵方式:サイクロン式
ヘッド:モーター式
充電時間: 4 時間30分
ダイソン Dyson V15 Detectは、2021年にダイソンが発表した製品です。
2022年に付属品を変えた構成になりました。
本機は「Slim」の表現がない点で、重さに全くこだわらず、「パワーを最大」にした製品です。
掃除機の重さは、2610グラムです。
明らかに重いと言える数字です。
吸引力は、推定368Wほどです。
本機も、12.5万回転/分のDyson Hyperdymiumモーターですが、サイクロンの気筒が、スリム系の11気筒に対して、14気筒になるため、吸引力は最強です。
静音性も、前世代で、ディフューザーの改良と、静音パーツの採用があり、昔の機種より改善しています。
掃除機のヘッドは、いずれの機種も、フローリング向けのソフトローラー(レーザースリムフラフィクリーナーヘッド)と、毛の長いじゅうたんに利用できる、ダイレクトドライブクリーナーヘッドも付属です。
前者については、V12 Detect Slimと同じで、緑色レーザーで、フローリングのホコリを可視化できる仕組みがあります。
付属品は、製品によって異なります。
第1に、通常製品です。
コンビネーションノズル、隙間ノズルと、先ほど紹介した(ミニモーターヘッドの後継の小型ヘッドとなる)毛絡み防止スクリューツールです。
ファブリック用の小型ヘッドもつきますし、充電ドックも付属です。この構成でも実用度は高いでしょう。
第2に、高所掃除対応型です。
こちらについては、通常製品に付属する全パーツに加えて、ここまで何回も紹介した、高所掃除用のアップトップアダプターが付属します。
あとは、ミニソフトブラシが付く程度の違いです。
第3に、マルチ掃除対応型です。
こちらは、ダイソン直販限定です。高所掃除対応型をベースに考えると、ふとんツールが付属し、隙間ノズルにLEDが搭載される点が違いです。
下位シリーズと違って、延長ホース付属のモデルは未発売ですが、(あまり使われないためか)ダイソン全体として、これは無くす方向性に思えます。
必要に応じて選ぶと良いでしょうが、価格差はないので、直販限定のマルチ掃除対応型は、お得です。
バッテリー持続時間は、30分です。
新型セルの採用で、モーターヘッド利用時でも40分の連続使用が可能になっています。(不使用時は、カタログにあるように、60分)
バッテリー充電時間は、4.5時間と決して短いとは言えません。
バッテリー自体は本機も着脱が簡単なので、使ってみて不便ならば、買い足せば良いかと思います。
掃除機のセンサーは、本機もゴミ量センサー付属です。
上部モニターで確認もできます。
サイクロン分離方式は、こちらもゴミの圧縮機能を持たないものです。
ただ、ダストカップが大容量なので、ゴミ捨ての頻度という点では、下位機種より楽です。
掃除機の収納は、本機も専用充電ドックが付属します。
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以上、ダイソン Dyson V15 Detectの紹介でした。
スリム系のV12でも「長い毛のじゅうたん」に対応できますが、パワーは本機が上です。
個人的には、ここまでのものは不要です。
ただ、Atlasの知り合いにもいますが、「徹底して取りたい」というかなりの「完璧主義」の方は、これほどの「吸いこむ力」がないと、押し歩く(キャニスター式の)掃除からの卒業は難しいかもしれません。
そういった意味で、ニーズは確実にあると思います。
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【2018年発売】
21・Dyson Cyclone V10 Fluffy SV12 FF LF
21・Dyson V10 Fluffy Black SV12 FF LF BK
21・Dyson Cyclone V10 Fluffy SV12 FF
¥39,700 楽天市場 (1/10執筆時)
重さ:2580グラム
吸い込み仕事率: 130W(推定)
標準駆動時間:40分
集塵方式:サイクロン式
ヘッド:モーター式
充電時間: 3 時間30分
なお、重量級のダイソン機は、2018年発表の V10というグレードが過去にありました。
大手のデンキヤやTVショッピングで「旧型番を使っての特別セール」で、本機はまだ見かけます。
掃除機の重さは、2580グラムです。
多少加減がありますが、パワーは、推定130Wほどで、現行水準より弱いです。
静音性の部分も、この世代の後に改良がなされたため、本機は劣るでしょう。
加えて、本機については、長い毛のじゅうたんに対応できるタイプの「ダイレクドドライブクリーナーヘッド」(左図)が付いた機種が終息しています。
重さやパワーからして、現状ではかなり選びにくいです。
なお、このほか、V11というグレードもあったのですが、それは終息しました。やはり、重さ面の問題を解決していない機種でした。
1-2・【強力】日立のコードレス掃除機の比較
続いて、日立のコードレス掃除機の比較です。
昔から「モーターの日立」と呼ばれるメーカーで、掃除機にも力を入れています。
【2022年8月発売】PV-BH900K N
(シルバー)
22 ・日立 パワーブースト PV-BH900K-N
¥57,800 Amazon.co.jp (1/10執筆時)
(黒) PV-BH900SK K
22 ・日立 パワーブースト PV-BH900SK-K
¥64,000 楽天市場 (1/10執筆時)
【2021年8月発売】PV-BH900J N
22 ・日立 パワーブースト PV-BH900J-N
¥52,108 Amazon.co.jp (1/10執筆時)
重さ:1700グラム
吸い込み仕事率:
標準駆動時間:40分
集塵方式:サイクロン式
ヘッド:自走式
充電時間: 2時間
パワーブーストサイクロンは、コードレス掃除機における日立の「看板商品」で、最上位機です。
新機種は色違いで2機ですが、黒のみ再生プラスチックを4割利用したエコ品です。
一方、2021年機が残ります。
2022年機は、モーター部分の改良があり、吸引力(静圧)が20%上がりました(1.25万PA)。それに伴い、強運転(最大15分)の上に、ターボモード(最大6分)が付いたことが最も大きな違いです。
あとは、充電時間の短縮(3.5時間→2時間)と隙間ノズルの形状の若干の改良です。
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結論的にいえば、今の値段差なら安い旧機種でよいでしょう。
吸引力だけで言えば、新機種がよいです。
しかし、2021年旧機の強運転(最大15分)は、202年新機種の「強」と同じパワーではなく、むしろ、ターボに近い出力です。値段差ほど差はないですし、十分に、毛の長いじゅうたんにも対応できます。
そもそも日立は、床質センサーで「自動運転」ができるため、新旧の違いを意識するシーンは、実際少ないと思います。
本体の重さは、1700グラムです。
カーペットに対応する機種としては、ダイソンのスリムシリーズより軽量であり、優秀です。
高齢者の多い日本のニーズに合うでしょう。
吸引力は、仕事率は非公開です。
ただ、2021年機からジェット3Dファンモーターの開発で、従来機(小型ハイパワーファンモーターX4)よりも風量が15%アップしています。
2022年は、風量は同じですが、モーターの改良で静圧(=吸い込み口で空気を吸いこむ力)を20%高めています。それに伴い、パワフル3Dファンモーターと名前を変えました。
全体としては、軽量化に主眼が置かれた改良ですが、サイクロン式は風量は吸引力に直結するため、パワーの面では大きな改良です。
ダイソンやパナソニックと違って多気筒式のサイクロンではないのですが、「モーターの日立」らしく、吸引力の点で不満に感じることはないでしょう。
掃除機のヘッドは、「自走式」です。
ダイソンなどの場合、モーターはゴミをかき出すためのブラシの回転に使っていました。本機は、前への推進に使える出力です。その場合、(業界では)「自走式」と区別して呼ばれます。
キャニスター式(車輪)の掃除機では珍しくないですが、スティック型では珍しいです。力を入れずに操作できる点で、自走式は「モーター式の上位互換」とも言えます。
ブラシ部分は、最近の日本企業各社の新トレンドなのですが、毛絡み防止を主軸におく「からまんブラシ」を採用します。
さらに、本機の場合、前方に掃除機を掛ける際に、前面のフラップが空いて吸引力を高め、逆に掃除機を引くときに、後方のフラップを開けて、後方のゴミを巻き込む構造です。
前方が開く仕組みはパナソニックが新機種で止めたので、日立独自です。
前後が連動して開く仕組みは、(自走ゆえの)絨緞への吸い付きすぎを抑える、という稼働面でのメリット性もあります。
そのほかLEDヘッドライトも搭載です。
ランプはダイソンとおなじ緑色で、ゴミが見えやすい色です。
なお、写真のような稼働性も日立の売りです。キャニスター型でもお馴染みですが、ヘッドが直角に曲がるクルッとヘッドと、すきま対応が良いペタリンコ構造など独自です。
付属品は、上位機と下位機で異なります。
上位機種は、スマートホースが付属します。
高い場所や階段などで、キャニスター掃除機のように利用できます。従来的にあまりなかった発想で、面白いです。車の掃除などにも便利でしょう。
加えて、小回りの利く小さめのミニパワーヘッドのほか、長さ調整できる伸縮すき間用吸口・延長パイプ、エアコンのフィルタ掃除に向くハンディブラシ、サッシ掃除などにつかえるほうきブラシも付属です。
付属品の多さは、日本独特の掃除機文化ですが、日立は「立体おそうじ」と表現します。
バッテリー持続時間は、標準運転・パワーヘッドありで最大40分です。
なしだと60分です。
標準以上だと、強(15分)・ターボ(6分)ですが、標準で(普通の)「じゅうたん対応水準」です。
掃除機のセンサーは、床質センサー(床面検知)が搭載です。
自動運転時、毛の長いじゅうたんなどを検知した場合など、状況に合わせて吸引力を強める仕組みです。
ゴミ量センサーがないので、床のゴミのこりは目視できません。
しかし、自動モードにしておけば「じゅうたんは強力」に、「フローリングは静かに」運転してくれます。
冒頭でも書いたように、部分的にじゅうたんがあるだけご自宅の場合、コードレス機では、ゴミ量センサーより、実用性は少し高いでしょう。
バッテリー充電時間は、約3.5時間で満充電となります。
サイクロンは、ゴミを圧縮するパワーブーストサイクロンが採用されています。
圧縮率などは非開示ですが、ゴミがまとまるので捨てるのがより簡単になります。
なお、圧縮時に髪の毛などがからみにくくなる「からまんプレス構造」も採用です。
さらに、スティックを持ったまま捨てられる「ゴミ捨てレバー」が付属しており、この部分の利便性は高いです。
本体の収納は、充電台が付属します。
直立での充電に対応できるほか、はめ込み式の中棒を外すことでハンディ充電にも対応します。
全てのアクセサリーが収納できる構造である点も、同社は売りとします。
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以上、日立のパワーブーストサイクロンの紹介でした。
風量がアップして吸引力が強化されましたが、明確に仕事率や対応幅は示さない部分で、(完璧を期すならばですが)フローリングや「毛の短いじゅうたん」クラスまででしょう。
その点で言えば、ダイソンのSlim系がライバルです。
比較すると、本機の方がだいぶ軽量であるほか、キャニスター式のように使えるほか、平面的なおそうじだけでなく、高所を含めた「立体おそうじ」ができる点で、従来式の「メイン機の代替」として優れる気がします。
さほど、毛の長いじゅうたんがい場合は、本機で十分かと思います。
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【2020年8月発売】
【上位機種】
23 ・日立 パワーブースト PV-BH900H-N
23 ・日立 パワーブースト PV-BH900R-R
¥52,480 Amazon.co.jp (1/10執筆時)
【下位機種】
24・日立 パワーブースト PV-BH500H-W
¥49,800 Amazon.co.jp (1/10執筆時)
重さ:1900グラム
吸い込み仕事率:
標準駆動時間:40分
集塵方式:サイクロン式
ヘッド:自走式
充電時間: 3時間30分
本機は、さらに2020年の旧機種が残ります。
2021年とはモーターが違っていて、その重さのほか、風量の部分で15%、本機のほうが劣ります。
ただ、本機でも「毛の短いじゅうたん」までは十分以上にこなせます。Atlasもいじりましたが、長めでも多くの場合いけそうな感触でした。
そのほか、ヘッドの毛絡み防止がない点(シンクロフラップはあり)、LEDが白色である点などが先ほどの機種との差です。
付属品も、上位機については、ハンディブラシやすきまブラシの仕様が新機種と違うくらいです。
ただし、下位機の場合は、簡易的なふとん用と隙間用の吸口と、ハンディブラシ・延長パイプという構成で、「平面的なおそうじ」しかできないと言えます。
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結論的にいえば、この値段差ならば、2020年機の上位機については、割とお買得なので選んでOKでしょう。お買得感を感じます。
次回に続く!
強力なコードレス掃除機のおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、強力なコードレスの掃除機について紹介しました。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・強力なコードレス掃除機の比較 (2)
2-1:パナソニック 〈日本〉
2-2:東芝 〈日本〉
2-3:シャープ〈日本〉
2-4:三菱電機〈日本〉
2-5:アイリスオーヤマ〈日本〉
3・強力なコードレス掃除機の比較 (3)
3-1:バルミューダ〈日本〉
3-2:シャーク〈米国〉
3-3:エレクトロラックス〈北欧〉
3-4:Tineco〈中国〉
3-5:AQUA〈日本〉
3-6:マキタ〈日本〉
4・おすすめコードレス掃除機 【結論】
=予算・目的別おすすめ機種の提案
吸引力の強さ ★★★★★
バッテリー量 ★★★★★
掃除機の軽さ ★★★★★
ヘッドの性能 ★★★★★
センサー性能 ★★★★★
ゴミ箱のサイズ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最後の「結論編」(こちら)では、全てのコードレス掃除機について、上表のようなポイントから、Atlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら