Top 掃除機・掃除用品 比較2024’【吸引力で選ぶ】掃除機95機の性能とおすすめ ・選び方 (1) :サイクロン式ほか

2024年10月20日

比較2024’【吸引力で選ぶ】掃除機95機の性能とおすすめ ・選び方 (1) :サイクロン式ほか

【今回レビューする内容】2024年 吸引力で選ぶ!最新掃除機の性能とおすすめ:1人暮らし用・世帯用・ペットの毛用: 軽量なサイクロン式 キャニスター型ほか:機種の違いと性能ランキング

【比較する製品型番】東芝 VC-CF33(H) VC-S650X(H) VC-SG940X(R) VC-S640X(S) VC-CF32(R) VC-CF22A(W) VC-CF21A VC-CF31 VC-CF20A-W VC-C7A-W VC-C7-R TORNEO V VC-S620X-S VC-S610X-W VC-SG930X(R) VC-SG930X(N) VC-S630X-S VC-S780J-L パナソニック MC-SR610K-W MC-SR41K-A MC-SR600K MC-SR49K MC-SR37G-N MC-SR42K-A MC-SR620K-W 日立 CV-SP900M-V CV-SP300M-N CV-SP900L CV-SV90K-W CV-SP300K-N ダイソン Dyson Ball DC48 TH SB N シャープ EC-U100-N EC-CT12-C EC-VS510-P EC-VS530-N EC-MS330-N 三菱電機 Be-K TC-ED2C-S TC-ED2B-S TCES2CE3D アイリスオーヤマ KIC-CTP1-S IC-CTP2-C IC-C100TE IC-C102-W マキタ CL501DZ

今回のお題
最新モデルの掃除機で、軽量で強力なおすすめ機種はどれ?

 どもAtlasです。

 今回は、2024年10月現在、最新の家庭用の掃除機の比較です。

 このブログでは、新製品だけで100機近く、販売中の型落ちを含めると250機以上の掃除機をレビューしています。

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 今回も、パワー・軽さ・静音性などの要素に注目しながら、一機ずつ良い部分、イマイチな部分について分析していきます。

 ただ、掃除機はかなり数が多いので、記事は4つに分けています。

1・サイクロン式の掃除機の比較
 :車輪型(キャニスター)
2・紙パック式の掃除機の比較
 :車輪型(キャニスター)
3・コードレス掃除機の比較
 :スティック型(手持ち)
4・ロボット掃除機の比較
 :ロボット型(自動掃除)

 今回は、上表リンクだと1回目記事です。 

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 昔からある車輪で押し歩くキャニスター式掃除機のうち、(紙パック不要の)サイクロン式の掃除機に限定して見ています。

 2回目記事は同じキャニスター式でも「紙パック式」を扱います。

 3回目記事は、人気のコードレス型4回目記事は、AIを搭載し自走するロボット型です。

 基本的に、どの記事から読んでも分かるように書いています。

 すでに欲しいジャンルが決まっている方は、お手数ですが、上記リンクから飛んでいただければと思います。

 よろしくお願いします。

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5・掃除機の選び方の解説

 一方、どのタイプの掃除機が良いか決めかねているという方もいるでしょう。

 その場合、ご自宅の状況に合わせた選び方について解説した5回目記事こちら)があります。

 そちらからお読みいただければと思います。

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掃除機の軽さ  ★★★★★
操作性の良さ  ★★★★★
静音性     ★★★★★
集塵力の強さ  ★★★★★
センサー性能  ★★★★★
ゴミ箱のサイズ ★★★★★
総合評価    ★★★★★

 というわけで、1回目記事では、キャニスター式(シリンダー式)のサイクロン式掃除機を、メーカー順に比較します。

 そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントから、Atlasのおすすめ機種を提案していきます。

1-1・サイクロン掃除機の選び方の基本

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 具体的な、製品紹介にはいる前に、サイクロン式掃除機の「選び方の基本」を書いておきます。

 特に、「紙パック式」と迷っている方のため、そちらとの違いを、あらかじめ「導入的」に説明していきます。


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 第1に、吸引力の持続性です。

 サイクロン式が、間違いなく「紙パック式」に優位する部分です。

 この方式は、上方にあるサイクロン室で旋回気流を起こし、「ゴミを下」に、「排気を上に」飛ばす、遠心分離の仕組みを利用しています。

 紙フィルタにゴミを落とすパック式の場合、貯まってくるとゴミの偏りで、吸引力が落ちていくのですが、これがないのが、サイクロン式の最も良い点です。

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 第2に、ゴミ捨ての回数です。

 これは、「紙パック式」にはっきりと「負ける」部分です。

 サイクロン式は、大きめな機種でも、一般家庭で2週間に1回は「ゴミ捨て」になります。

 2ヶ月ほどは保つ場合も多い紙パック式と較べると、周期は1/4ほどです。

ダストカップが大きめで、圧縮機構があるものでも、紙パック式に較べて、4倍ほどのゴミ捨て頻度です。 

 ただ、配慮のある高級機だとゴミ捨ては「比較的簡単」です。日々のストレスにはなりにくいです。

 逆に言えば、そういった部分に「配慮のある」機種を選ぶことが重要なので、今回はしっかり比較します。

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 第3に、吸引力です。

 サイクロン式は、吸込仕事率で言えば、高級機で最大300Wです。

 紙パック式は、最大650Wのモデルもあるので、数字だけで見ると「弱い」です。

 しかし、遠心分離式は、気圧差を利用してモーターで強引に巻き込む方式と違って、仕事率が低く出るので、ここで比較はできないと言えます。

 「吸込力持続率」「捕集率」という数字を出す場合がありますが、こちらも、紙パック式との比較には、あまり用をなさないです。

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 結論的にいえば、同じクラスのホース径・ヘッド性能の機種で比べれば、両方式は「実用上差はない」と言って良いと思います。

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  集塵方式の違いより、ヘッド部分の工夫ホース径などが、機種間の差を生んでいます。

 各社の上位機同士で較べる場合、サイクロン式だから「特別強い」ということはないので、この部分は「選ぶ理由」にはならないでしょう。

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 第4に、消耗品コストです。

 サイクロン式は、消耗品コストがないのが、言うまでもなく良い部分です。

 紙パック式の場合、5枚・1000円前後の普及品を、耐用年数(6年)使うとして、一般家庭で、約6000円の追加コストが必要ですから。

 ただ、同じ企業・同クラスの機能性・吸引力の製品同士で較べる場合、本体価格や修理費も「少し高め」です。

 この部分でも、サイクロン式だから「特別お得」とも言えない部分はあります。「選ぶ理由」としては、やや弱いです。

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 第5に、清潔性です。

 サイクロン式は、清潔性にこだわる場合、見どころがあります。

 ゴミ捨て頻度が多いのは、裏返せば「ゴミを溜めない」ことになります。また、ゴミが「見える」ので、まさかの事態の際、適切な処理ができます。

 さらに、上位機だと、ゴミにふれずゴミ捨てが可能ですし、ダストカップ周りが丸洗いできる機種もあります。

 排気は、サイクロン式はフィルタ性能が重要ですが、この部分も上位機だと多重の配慮が見られます。

 紙パック式は、ただ、紙パック式を捨てれば(ほぼ)清潔性は担保されるとは言えるので、やはり明確な差ではないです。

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 第6に、軽量性です。

 軽量性を自慢にする機種は、サイクロン式・ 紙パック式ともあるので、この部分も(一見)差がないと見えます。

 しかし、同じほどの吸引力の製品同士で言えば、サイクロン式のが、小型・軽量だとは言えます。

 というのも、仕組み的に紙パック式で、吸引力(仕事率)を高めたい場合、ホースパイプにの径を太くする必要があるからです。

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 紙パック式で、吸引力の高いモデル(仕事率500W以上)は、だいたい同じ能力のサイクロン式より径が太いです(左図)。

 軽量化を重視したモデル(仕事率300W前後)はサイクロン並の「細さ」のモデルもある(左図)のですが、吸引力は同じクラスのサイクロン式と比べて、「そこそこ」になります。

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 パイプも同じことが言えます。本体も、構造的に小型・軽量にしやすい部分があります。

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 結論的にいえば、サイクロン式は、この部分では一定のメリット性がみられます。

 もちろん、サイクロン式ならば、「どれも軽く・小さく・パワフル」なわけではないですが、「取り回しやすさ」を重視する場合、良い機種が多い印象です。

 あとの部分は、集塵方式の違いで、目に付く違いはないです。

 静音性も、サイクロン式のほうが傾向として高周波ですが、騒音値の部分では、あまり変わりません。


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 以上、紙パック式との違いを見ながら、サイクロン式の「選び方の基本」と言えるものを、ざっと説明してきました。

 改めて言えば、サイクロン式は、比較的、小型・軽量機でも、パワーがキープできる機種が多い点、吸引力が持続しやすく常にパワフルで使える点が、サイクロン式のメリットです。

 一方、ゴミ捨て頻度が増えるのと解決できない課題だと言えます。

 しかし、先述のように、上位機の場合「ゴミ捨て方法の改良」で、実用上のストレスは減っています。

 昔と違って、サイクロン式固有の欠点は減ったといえます。

 したがって、以下の説明記事をご覧いただき、皆さんにとって「便利そうな機能」があったならば、サイクロン式であることを毛嫌いせず、選んでOKだと言えます。

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1・サイクロン式式掃除機の比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2: 東芝〈日本〉
 1-3:パナソニック〈日本〉
 1-4:日立 〈日本〉
 1-5:ダイソン〈英国〉
2・サイクロン式掃除機の比較 (2)
 2-1:シャープ 〈日本〉
 2-2:三菱電機〈日本〉
 2-3:マキタ〈日本〉
 2-4:おすすめ機種の提案【結論】

 というわけで、サイクロン式の掃除機の比較をはじめます。

 今回は、紹介したい機種が多いので、メーカー別に、以上のような順番で、紹介していきます。

1-2・東芝のサイクロン式掃除機の比較

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 はじめに、東芝ライフスタイルのサイクロン式の掃除機です。

 キャニスター型サイクロン式掃除機をとくに「得意」とするメーカーで、過去には、名作を幾つも出しています。

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 以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。


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 【2024年8月発売】

 1・東芝 トルネオ ミニ VC-CF33(H)
  ¥27,500 楽天市場 (10/20執筆時)

 【2023年8月発売】

 2・東芝 トルネオ ミニ VC-CF32(R)
  ¥24,780 楽天市場 (10/20執筆時)

 【2022年発売】 VC-CF30-R後継機

 3・東芝 トルネオ ミニ VC-CF31-R
  ¥33,616 楽天市場 (10/20執筆時)

 【2019年発売】【ネット限定】

 4・東芝 トルネオ ミニ VC-C7-R
  ¥20,584 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

集塵方法:サイクロン式
集塵容量: 0.25リットル
吸込仕事率: 290 W
騒音値: 63dB〜約58dB
フィルター:高集塵プリーツフィルタ
ヘッド:自走式
本体重量:2.2kg
スティック重量:1.4kg
本体サイズ:220x295x255 mm

 東芝トルネオミニは、小型のサイクロン掃除機です。

 サイズ的に言って、一戸建てなど広い面積に対応できないものですが、軽量・小型機としては、性能面で優れる機種であり人気です。

 旧機種が残ります。

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 2023年機は、本体色が赤になる以外は同じです。

 2022年機は、ブラシが旧式です。

 23年以降は編み方が変わり、毛がラミしにくい「からみレスブラシ」になりました。ペットなどの毛に対する対策は、すこし高度化しました。

 そのほか、カタログ的には、新機種にある機能名がいくつかない(スイング連動・スムーズタイヤ)のですが、旧機でも(名前が付いてないだけで)それらの機能性はみられます。

 フィルターの水洗いも旧機種だとカタログ記載がないのですが、説明書を見る限り仕様は同じ(洗える)です。つまり、全体としてはマイナーチェンジでしょう。

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 2019年機は、Amazonほかネットで「アウトレット」的に売られている、3世代前の仕様のアウトレット製品です。

 修理用の部品在庫の調整のためか、Amazonで過去の型番が売られていることは、家電ではよくあります。

 こちらは(新型)に付属しない隙間ノズル(右図)が付いていました。ただ、新旧機種含めて、左図のような「2WAYブラシ」仕様なので、あまり使わないから減らしたという部分はありそうです。

 あとは、ブラシの抗菌処理がない部分が違いと言えます。

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 結論的にいえば、新機種を含めて、どれもマイナーチェンジです。

 基本的には、年度にかかわらず値段で決めてOKです。

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 本体の重さは、2.2kgです。

 キャニスター式は車輪で押し歩くため、重要なのはスティックとヘッドの重さです。

 グラスファイバー製のヘッドなどを採用するため、1.4kgと相当軽量です。

 ホースと本体を合わせた総重量としても3.5kgであり、サイクロン式として最軽量です。

 掃除機のパワーは、「吸込仕事率」として290Wです。

 小型サイクロン掃除機としては、十分なスペックです。

 ホースなどの口径がやや細い割には、優秀な値です。

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 掃除機のヘッドは、モーターが搭載される自走式です。

 「自走式ヘッド」は、モーターで推進をアシストしてくれるので、格安のエアタービン式より動きが軽いです。

 この部分の差は、キャニスター式のサイクロン場合、掃除機の操作性を「決定的に左右」するので、とても重要です。

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 ダストボックスは、0.25Lと小さめです。

 ただし、この機種はゴミ圧縮機能が搭載されます。

 そのため、その小ささをある程度補えています。

 また、圧縮機能がある場合、吸引力の持続性や・ゴミ捨ての容易さにおいても優れます。

 一方、家庭用のような1/5圧縮などは無理ですから、一戸建てのような広い面積には対応しません。

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 お手入れも、簡単です。

 ゴミ圧縮機能がついている機種は、ゴミが固まっているため未搭載の機種よりゴミ捨てが楽です。

 ダストボックスの開閉も容易で、水洗いも可能で清潔です。

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 掃除機のグリップも高レベルです。

 持ちやすい「新楽わざグリップ」が搭載されるほか、2WAYブラシも装備です。

 掃除機のヘッドが90度まで曲がるため、隙間や壁際の掃除に便利です。

 そのほか、掃除機を持ち上げた際にパワーを落としたり、ダストカップのゴミ量で出力を調整する「エコモード」も付属です。

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 以上、東芝のトルネオ ミニ の紹介でした。

 上位機種には自走式ヘッドゴミの圧縮機能が搭載されている点で、2万円以下のモデルとしてはかなり優秀です。

 本体の軽量性も最高水準のため、軽量な掃除機を探している人には、おすすめです。

 小型ですが、圧縮機能があるため、ワンルームから2DKほどのマンションならば対応できそうです。

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 【2023年6月発売】

 5・東芝 トルネオ ミニ VC-CF22A(W)
  ¥ 21,321 楽天市場 (10/20執筆時)

 【2022年発売】

 6・東芝 トルネオ ミニ VC-CF21A-W
  ¥ 25,300 楽天市場 (10/20執筆時)

 【2020年発売】

 7・東芝 トルネオ ミニ VC-CF20A-W
  ¥ 19,638 楽天市場 (10/20執筆時)

 【2019年発売】【Amazon直販】

 8・東芝 トルネオ ミニ VC-C7A-W
  ¥16,816 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

集塵方法:サイクロン式
集塵容量: 0.25リットル
吸込仕事率: 290 W
騒音値: 63dB〜約58dB
フィルター:高集塵プリーツフィルタ
ヘッド:エアタービン式
本体重量:2.2kg
スティック重量:1.3kg
本体サイズ:220x295x255 mm

 なお、本機は、以上の下位機種の展開もあります。

 新旧機種がありますが、このグレードだと2019年機だけブラシの抗菌化がなされない部分だけが違いで、後は同じといって良いです。

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 1つ上でみた上位機と比べると、本機については、ヘッドがエアタービン式で、モーターによるアシストを伴いません(フローリングターボヘッド)。

 そのほか、先述のように2WAYブラシが未搭載で、代わりに、セットが必要な「隙間ノズル」が付く仕様です。

 先述のエコモードも未付属で、毛がラミしにくいブラシ構造も新機種を含めて未装備です。

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 結論的にいえば、値段差を考えた場合でも性能差が大きすぎるため、選ぶならば、先ほどみた上位機と言えます。


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 【2023年6月発売】

 9・東芝 TORNEO V VC-SG940X(R)
  ¥38,965 楽天市場 (10/20執筆時)

 【2022年発売】VC-SG920X後継機

 10・東芝 TORNEO V VC-SG930X(R)
 10・東芝 TORNEO V VC-SG930X(N)
  ¥44,800 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

集塵方法:サイクロン式
集塵容量: 0.2リットル
吸込仕事率: 180 W
騒音値:64dB〜約58dB
フィルター:(マイナスイオン)
ヘッド:自走式
本体重量:2.3kg
スティック重量:1.4kg
本体サイズ: 180×300×276mm

 こちらは東芝の「トルネオ ヴイ」のVC-SG940Xです。

 同じ「トルネオ」という名前でも、先ほどの小型機種と違って、本機は軽量機ながら、2DK程度までのメイン機にできる性能がある機種です。一戸建てでも対応できます。

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 なお、新旧機種あります。

 旧機種の場合、後述するふとんブラシが「電動」でした。2023年機からおなじような形ですが、モーターによる補助がないので「ふとん叩きの動作」ができなくなりました。

 旧機のがスペックは良いでしょう。

 一方、ブラシ加工が新機種は変わり、毛絡みがしにくい新仕様になりました。この部分の改良は近年における各社のトレンドで、東芝も採用した形です。ペットなどを飼っている方は、とくに良いでしょう。

 これに伴い、ブラシの抗菌方法は変わりましたが、作用は同じです。

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 結論的にいえば、一長一短がありますので、どちらが良いかは、皆さんのニーズによります。ただ、今の値段からすれば、旧機種でしょう。

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 本体の重さは、2.3kgです。

 一軒家に対応できる機種としては軽量です。

 キャニスター式は車輪で押し歩くため、より重要なのはスティックとヘッドの重さです。その部分もこちらは1.4kgとかなり配慮があります。

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 スティックの握りやすさも、ひねりが楽なラクわざグリップです。

 一方、下位機と形状が違っていて自由な位置で握りやすいので、機能名も「ラクわざフリークリップ」としています。

 東芝はアイロンの場合もそうですが、「握り」には独自のこだわりがあります。

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 掃除機のパワーは、吸い込み仕事率は180Wです。

 この機種は10気筒です。先ほども書きましたが、サイクロンに多気筒を利用している場合、実際の能力より吸込仕事率は低く出てしまいます。

 それを勘案すると、実際は500W以上クラスの強力機と同等以上の性能を持ちます。電気代も2割くらい安くすみますので、その点でもお買い得かと思います。

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 掃除機のヘッドは、こちらも自走式ヘッドです。

 「ラクトルパワーヘッド」というブランド名で、ヘッドの吸引部が広いほか、回転ブレードを着脱させ洗える点を「売り」にしてます。

 ブラシは、抗菌加工がなされます。その上で、新機種は、毛が絡みにくい「からみレス ラクトルパワーヘッド」仕様になりました。

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 ダストボックスは、ゴミの圧縮率は1/7と、相当強力です。

 先述のように2.0Lサイズの集塵容量ですが、東芝は気筒が多く圧縮率が高いので、一軒家でも無理なく使えます。

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 お手入れも、その手軽さが、この機種の売りです。

 フィルターレスサイクロンを採用し、目詰まりの心配がありません。

 さらに、分離してサイクロン気筒の中まで水で洗えバーティカルトルネードシステムCLEARも内蔵です。

 そのほか、ダストカップに親水性コーティングを施すことで、水洗いでゴミが簡単に洗える仕様にしました。

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 センサーは、パナソニックのようなゴミ量センサーと、日立のような床面検知センサーがダブルで搭載です。

 後者は、床面に合わせたパワーの自動制御も行えます。掃除機を床から離したときに自動的にオフになるオートオフ機能も搭載です。

 付属品は、充実します。

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 第1に、通常のモーターヘッドのほか、ふとんブラシが付属です。

 先述のように、新機種から、電動ではなくなり(ふとん)叩き動作がなくなりました。なお、叩くことの意味性については、このブログだと【布団掃除機の比較記事】で説明しています。

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 第2に、エアコンの上部などが掃除できるロングアタッチメントがついている点です。

 つまり、付属品の相違のみです。価格が高いため、高度なふとん掃除機能が不要ならば、VC-SG700Xでも十分です。

 そのほか「隙間用ノズル」がつきます。

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 以上、「トルネオ ヴイ」のVC-SG940Xの紹介でした。

 世帯用としては多少小さめですが、2DKまでなら十分に利用可能です。

 その上で、高度なゴミ圧縮機能やハウスダスト発見センサーが付属しており、機能の充実度では群を抜いています。小型化でもパワフルなメイン機を探している方に特にオススメできます。

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 【2023年8月発売】VC-S650X-H

 11・東芝 TORNEO V VC-S650X(H)
  ¥37,739 楽天市場 (10/20執筆時)

 【2023年発売】VC-S640X-S

 12・東芝 TORNEO V VC-S640X(S)
  ¥29,800 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

 【2022年発売】VC-S630X-S

 13・東芝 TORNEO V VC-S630X(S)
  ¥33,999 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

 【2019年発売】

 14・東芝 TORNEO V VC-S610X-W
  ¥22,800 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

 (特定店向け型番)VC-S620X改良機

 15・東芝 TORNEO V VC-S780J-L
  ¥ 39,800 楽天市場 (10/20執筆時)

集塵方法:サイクロン式
集塵容量: 0.2リットル
吸込仕事率: 180 W
騒音値:64dB〜約58dB
フィルター:(マイナスイオン)
ヘッド:自走式
本体重量:2.3kg
スティック重量:1.4kg
本体サイズ: 180×300×276mm

 なお、下位機種として、VC-S650Xという製品も発売されています。

 かなりの年数の旧機種が残ります。

 しかし、1つ上で見た上位機同様、本機も毛がラミしにくいブラシ隙間ノズルの有無に止まります。

 「特定店向け」は、特定のデンキヤに卸される限定品です。

 2021年モデルをベースにしますが、ふとん用ブラシがオマケで付きます。ただ、モータのない簡易的なものなので、さほどの魅力はないです。

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 一方、1つ上でみた上位機と較べる場合、全機種ともゴミ量センサーがないです。

 ラクわざグリップも「フリー」の文字がない「新ラクわざグリップ」になります(上図)。

 このタイプは、「ラクわざグリップ」と「ラクわざフリーグリップ」の中間の時期(2014年)に開発されたもので、若干グリップ部分のカーブが弱く、持ち方にやや制限がかかるといえます。

 家具の隙間を照らす、ワイドピカッとブラシ省略です。それ以外は、上で書いた2点の(豪華)付属品がない以外は同じです。

 ただ、(発売年度単位でみれば)さほどない価格差を考えると、基本的に上位機が良いでしょう。

1-3・パナソニックのサイクロン式の比較

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 続いて、パナソニックのキャニスター型のサイクロン式掃除機を比較します。

 同社は、「お年寄りより向け」の掃除機を新しく展開するほか、ペットを飼っている方にも人気のある機種が多い点に特徴があります。


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 【2024年8月発売】

 17・パナソニック MC-SR620K-W
  ¥55,140 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

 【2023年発売】

 18・パナソニック MC-SR610K-W
  ¥41,984 楽天市場 (10/20執筆時)

 【2022年発売】

 19・パナソニック MC-SR600K-W
  ¥42,550 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

集塵方法:サイクロン式
集塵容量: 0.25リットル
吸込仕事率: 60W
騒音値:62〜約59dB
フィルター:抗菌消臭フィルター
ヘッド:自走式
本体重量:2.6kg
スティック重量:1.5kg
本体サイズ:238×327×290mm

 MC-SR620Kは、パナソニックの軽量タイプのサイクロン掃除機です。

 通称「ダブルメタル プチサイクロン」です。

 小型タイプではないので、一戸建てのメイン機にもできる対応できるタイプです。

 新旧両機種ありますが、性能は同じです。

 正確には、22年機のみ、ヘッドデザインが一部異なり、弱運転の際の仕事率の数字が1.5%ほど動きました。何かしらのプログラム調整はあるかもしれませんが、気にするほどではないでしょう。

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 本体の重さ2.6kgです。

 そえなりに、パワフルな機種のなかでは、軽量なモデルです。

 スティック部分とヘッド部分の重さを合わせても、4.1kgですので、持ちはこびはに有利でしょう。

 吸引力が落ちるホースの細径化などではなく、中空ガラス配合軽量プラスチック採用など素材の工夫で軽量化を図っている点は、好感が持てます。

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 掃除機のパワーは、仕事率としては60Wです。

 先述のように多気筒のサイクロンの場合、仕事率は低くでるため「あてにならない」です。

 ステンレスガードを使った一次遠心分離ユニットと、メタルコートがされた8気筒の2次遠心分離ユニットをダブル搭載する「ダブルメタル」ですから、吸引力は期待できます。

 とくにこの構造の場合、ゴミの遠心分離の精度が高く、ゴミが溜まっても吸引力が持続します。

 パワー面で不満に感じることはまずないでしょう。

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 掃除機のヘッドは、自走式(パワーノズル)です。

 さらに、ヘッドは、2020年新開発の「からまないブラシ」です。

 中心部でローラーを2つに分けて、配置も円錐型にしてあります。これにより、髪の毛やペットの毛が劇的に絡みにくくなっています。

 掃除機は、完成された家電であまり進化がないですが「毛がらみ」という誰もが不快になる部分にメスを入れたことは、高く評価できます。

 新機構の搭載により、重さは200gほど増えたのですが、もともと軽いですし、問題ないでしょう。

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 機能性の部分では、フローリングの「ふき掃除」を再現できる機能が搭載されます。

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 その上で、ヘッドを取り外した部分の子ノズルに、LEDナビライトが付きます。

 他社はヘッド自体にLEDを搭載する場合が多いですが、パナソニックはすき間掃除の利便性を考えて、子ノズルに搭載です。

 簡単に外せますし、パナソニックは機構的に隙間は外してノズルの方がやりやすいため、この仕様で良いかと思います。

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 ダストボックスは、 0.25リットルです。

 小さめですが、こちらもゴミ圧縮機能が付属しますから、2LDKあたりまでならメイン機になるでしょう。

 また、パナソニックは、ブリーツフィルタがなく、フィルターレス構造です。

 サイクロン式の吸引力を維持するためには、フィルターの手入れが欠かせません。しかし、こうした機種は、2年間手入れが不要です。

 お手入れは、フィルターレス構造で、手入れする点数が少なくて済む上、ダストボックスの丸洗いも可能です。


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 センサーは、ハウスダストセンサーが搭載です。これは、従来からパナソニックの「売り」です。

 絨毯など「目に見えない」部分にゴミが残っていた場合、手元のランプでゴミがあることをお知らせしてくれます。

 センサーは、ハウスダストや花粉までセンサーが検知可能な高性能センサーです。アレルゲン対策としては非常に有効な機能です。

 センサーをつかって、ゴミがある場合/ない場合で運転の強弱を付ける自動運転もできます。

 静音性は、後述する日立機ほど徹底はしませんが、最大でも62dBと標準レベルです。

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 付属品は、本機は、ふとん清潔ノズルとすき間用ノズルです。

 ふとん用は、モーターは付属しませんが、モーター式は吸いつきすぎるので、この仕様でも良いかと思います。

---

 以上、パナソニックのMC-SR620Kの紹介でした。

 小型機では「パワー」と「軽量性」の両立度する機種です。

 自走式構造かつ、軽量スティックで操作性が良い上、8気筒サイクロンで吸引力も期待できます。メンテの部分も、「丸洗い対応」「フィルターレス」と能力が高いです。

 ハウスダストセンサーも、絨緞の奥に潜んだハウスダストを全て吸い尽くすには効果的な装備です。

 その上で、新たに「からまないブラシ」を採用することで、掃除効率も上がり、隙の無い機種になった印象です。マンションなどでのアレルゲン対策やペットのダニ対策にはきわめて良い機種です。

ーーー

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 【2024年8月発売】

 20・パナソニック MC-SR42K-A
  ¥45,387 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

 【2023年発売】

 21・パナソニック MC-SR41K-A
  ¥35,370 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

 【2022年発売】

 22・パナソニック MC-SR40K-A
  ¥36,500 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

集塵方法:サイクロン式
集塵容量: 0.25リットル
吸込仕事率: 60W
騒音値:62〜約59dB
フィルター:抗菌消臭フィルター
ヘッド:自走式
本体重量:2.6kg
スティック重量:1.6kg
本体サイズ:238×327×290mm

 なお、本機の下位機にあたる製品がMC-SR40Kです。

 旧機種が残りますが、やはり基本性能は同じです。

 一方、上位機との機能差は、スティック部分です。

 形状が異なり、ロングハンドル不採用で、重さも100g重いです。

 上位機は中空ガラスを採用するなど、軽量化もなされますが、本機についてはありません。抗菌も同じくです。

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 付属品も、2WAYノズルのみです。また、子ノズルにLED照明がありません。

 値段差をふまえても、上位機種が良いでしょう。

1-4・日立のサイクロン式掃除機の比較

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 続いてに日立のキャニスター型のサイクロン式掃除機です。

 多気筒式を採用するパナソニックと方向性が違って、モーター出力を重視します。サイクロン式でも、「モーターの日立」らしいラインナップと言えます。


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 【2024年7月発売】

 【上位機種】CV-SP900M-V

 23・日立 CV-SP900M(V)
  ¥49,370 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

 【下位機種】CV-SP300M-N

 24・日立 CV-SP300M(N)
  ¥41,300 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

 【2023年発売】

 【上位機種】CV-SP900L-V

 25・日立 CV-SP900L(V)
  ¥35,291 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

 【下位機種】CV-SP300L-N

 26・日立 CV-SP300L(N)
  ¥32,980 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

集塵方法:サイクロン式
集塵容量: 0.25リットル
吸込仕事率: 290W
騒音値:59〜約54dB
ヘッド:自走式
本体重量:2.5kg
スティック重量:1.3kg
本体サイズ: 300×224×287mm

 CV-SP900シリーズは、日立の中型の「パワかるサイクロン」シリーズの掃除機です。

 202410201315.jpg

 旧機種が残ります。

 新機種は、ブラシの植毛形状が変わり2アングル形状になりました。

 自走する際の、操作感を軽くしつつ、ゴミをかき出せるための改良とされます。旧機とブラシの見た目に変化はないのですが、部品番号も変わっていますし、改良があったと言えます。

 そのかわり、仕事率が10Wだけ落ちました。ただ、サイクロンであり、かつ、理由があってのことなので、ここは気にしなくて良いです。

--

 結論的にいえば、マイナーな改良ですので、値段の安いうちは旧機でOKです。

 ちなみに、同社のスティック式も同年度からこの構造です。そちらは、左右からもゴミを吸うように、ヘッドの吸引構造も変わりましたが、こちらは従来と同じです。来年あたり変わるかもしれません。

 一方、各年度とも下位機があります。

 ただ、後ほど紹介するように、アクセサリーの違いだけです。

 そのため、同時に見ていきます。

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 本体の重さは、2.5kgです。

 抜群に軽いわけではないですが、パナソニックと同等水準です。

 一方、パナソニック同様、日立はスティックに「カーボンライト」素材を採用するなど、スティックとヘッドの軽量化に力を入れています。

 この機種の場合も、1.5kgの重さを実現しています。

 ただ、パナソニックの方が、ほぼ同じ仕事率(吸引力)で、スティックは軽いです。

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 掃除機のパワーは、290Wです。

 多気筒のパナソニックと分離方式が違うので、パワー差が性能差ではないです。

 ただ、「モーターの日立」としてこの部分は負けていないことは、実際操作を試すと分かります。

 正確には、2019年以前(410W)より数字が落ちたのですが、ホースの小径化(軽量化)は、高齢化社会では重要ですし、現在でも他社平均よりも「パワフル」です。

 先述のように、紙パック式よりこの部分は影響が少なめなので、そのように評価しました。

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 掃除機のヘッドは、自走式ながら小型パワフル スマートヘッドです。

 2022年モデルは「パワフル スマートヘッド light」表記ですが、同じものです。 

 ヘッドには、LEDナビライトが付属です。

 緑色の場合、フローリングでゴミがくっきり見える特性があるので、同社は採用します。

 ダイソンのスティック型などにも採用例があります。

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 ヘッドは、前後にフラップを配置して、押し/挽きで圧力を調整できるシンクロフラップを採用しています。引く動作でもゴミを吸いやすくする工夫です。

 加えて、吸引力が強すぎる場合の張り付きも防げるのでカーペット掃除には向きます

 そのほか、毛絡みの少ないからまんブラシを採用するほか、フローリングなどの(簡易的な)「ふき掃除」機能も、ブラシに搭載です。

 しっかり、この部分の新旧のトレンドを抑えています。

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 なお、日立は「ヘッドの利便性」は改めて強調に値します。

 日立機は、首の部分が90度曲がるような仕様(クルっとヘッド)になっており、部屋の隅のまで掃除機のヘッドを付けたまま掃除をすることが可能です。

 また、右図のように完全に180度水平にできる「ペタリンコ構造」で、すき間掃除が巧みです。

 他社(パナソニックなど)は完全に水平にできないため、日立の利点といえます。

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 加えて、すぐ取り出して使える「パッとブラシ」(左図)や、持ち手にあるトリガーを引きつつ、ヘッドを踏んで押し上げるだけでヘッドの伸縮ができる「サッとズームパイプ」など、使い勝手の工夫は、同社は研ぎ澄まされたものがあります。

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 ダストボックスは、0.25Lです。

 小さいですが、ゴミ圧縮機能が装備されます。

 ただ、東芝やパナソニックのようなフィルターレス構造ではありません

 センサーは、他社に見られるゴミセンサーは非搭載です。

 一方で、床面検知センサーが付属するため、「エコモード」の際は、自動で強弱の調整が可能です。

 静音性は、最小運転時で54デシベルです。

 最大運転時でも59デシベルで、割と静かです。

 少しでも、騒音を押さえたいと考えている方は、この機種はオススメです。

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・2024年・2023年(上位機)
 ・パッとブラシ
 ・ワイドふとんブラシ
 ・すき間用吸口
・2023年(上位機)
 ・パッとブラシ
 ・ワイドふとんブラシ
 ・ほうきブラシ
・各年(下位機)
 ・パッとブラシ
 ・すき間用吸口  

 付属品は、収納式のパッとブラシ、吸い付きにくいワイドふとんブラシと、よくある隙間ノズルです。

 22年機は、小物を掃除しやすいほうきブラシでしたが、大きな違いはないです。

 下位機種は、各年度とも、ふとんブラシが未付属です。

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 以上、日立のCV-SP900シリーズの紹介でした。

 キャニスター式のサイクロン機の高級機の中ではパワーが上級である上で、「取り回し」もこなれていて、使いやすいです。

 とくに、スティックの操作性がかなり良く、独特のシンクロフラップの工夫も評価できます。

 緑色のLEDヘッドライト搭載の部分を含めて、隙間や壁の近くのゴミの取り残しは「少ない」と言えます。

 上位機は、付属ツールも充実します。天井など高い部分を除けば、先述の操作性の良さを含めて、「だいたい家中きれいにできる」のが(パワーと共に)日立の新しい特長に思えます。

 一方、パナソニックなど他社に比べると、ゴミセンサーが付かない部分や、フィルタレスではない点など、全方位的に上回るわけではないです。

 そのため、最終的な「おすすめ」は、記事の最後に改めて考えるつもりです。

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 【2022年6月発売】

 27・日立 CV-SV90K-W
  ¥21,500 楽天市場 (10/20執筆時)

 (特定店向け)ワイドふとんブラシ付

 28・日立 CV-S920 C
  ¥26,980 楽天市場 (10/20執筆時)

集塵方法:サイクロン式
集塵容量: 0.4リットル
吸込仕事率: 300W
騒音値:59〜約54dB
ヘッド:エアタービン式
本体重量:3.5kg
スティック重量:1.3kg
本体サイズ: 336×40×290mm

 なお、日立機で(数字の上で)パワーが最も強いのはCV-SV90Kです。

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 本機は(軽さと操作性にシフトする前の)2019年までの日立の上位機と似た仕様で、他社よりも幅広といえる25cmヘッドを採用します。

 昔の機種をお持ちの方ならば「なじみ」の形状かと思います。

 ただ、普通のエアタービン式(パワフルエアーヘッド)で、LEDなどの工夫もない製品です。

 ホース径の部分で、同じ仕事率でも上位機より「吸う」部分はありそうです。しかし、ヘッド性能が低いですし、小回りも効きません。

 今選ぶならば、ヘッド性能がよい上位機が断然良いです。

1-5・三菱のサイクロン式掃除機の比較

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 続いて、三菱電機サイクロン式掃除機です。 

 紙パック式では、個性的な機種をだします。しかし、キャニスター型サイクロン式は、軽量機を除いて、最近規模を縮小しました。


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 【2024年2月発売】

 29・三菱電機 Be-K TC-ED2D-S
  ¥28,326 楽天市場 (10/20執筆時)

吸込仕事率 :300W

 【2023年発売】

 30・三菱電機 Be-K TC-ED2C-S
  ----- Amazon.co.jp (10/20執筆時)

 【2022年発売】

 31・三菱電機 Be-K TC-ED2B-S
  ¥29,800 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

 (特定店向け型番)TCES2CE3Dの色違い

 32・三菱電機 Be-K TCES2DE4A
  ¥29,800 楽天市場 (10/20執筆時)

吸込仕事率 :320W

集塵方法:サイクロン式
集塵容量: 0.6リットル
騒音値:64dB〜約58dB
ヘッド:自走式
本体重量:2.4kg
スティック重量:1.4kg
本体サイズ: 323×210×220mm

 TC-ED2Cは、三菱のBe-Kシリーズのサイクロン掃除機です。

 旧機種があります。

 本機の場合、23年旧の方が吸込仕事率が約5%良かったと言えます。

 風路や機構は変わらず、他のスペックは変わりません。同社の紙パック式もそうなので、モーター仕様に変更があったのだと思います。

 あとは、22年機以前について、抗菌加工(プラスチック練込)がされる場所が少ない程度の違いです。

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 TC-ES2DE4-Aは旧機を元にした特定店向けです。

 こちらだけヘッドが旧式(かるスマ自走式パワーブラシ)で、「毛がからみにくい」という機能性がないです。

 その代わり、内装式の「すみずみブラシ」が2つ付属するなど良い部分もありますが、メインのヘッドの性能差は大きいでしょう。

--

 結論的にいえば、仕事率の違いはありますが、サイクロン式ですしそう大きく気にしなくても良いと思います。ただし、特定店向けはヘッドが弱いので、それを除き、残りの機種から値段で決めてOKです。

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 本体の重さは、2.4kgです。

 スティックとヘッドの部分は1.4kgですから、家庭用としては、十分な軽量機と言えます。

 掃除機のパワーは、仕事率としては320Wです。

 本機も日立と同じで多気筒ではないので、そのままの値を信じて良いでしょう。

 絨緞にも対応できるスペックです。

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 掃除機のヘッドは、しっかり自走式ブラシが搭載されます。

 「快速からみにくい自走ブラシ」という名前です。

 最近の掃除機の「流行」ですが、ペットなどの毛がからみにくいような特殊な植毛を採用しています。

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 三菱の場合、ブラシに付いた毛自体から毛をこしとるバンパー(らくリーニングヘッド)もあるので、他社機と比べても、この点に工夫があるほうだと言えます。

 202203251442.jpg

 毛絡みの処理も、ブラシを引き抜くだけで、処理できるような構造を採用します。

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 そのほか、ローラー前方のバンパーの工夫で、壁際のゴミ処理を改善させています。

 ただ、この点については、ヘッド自体を根本的に設計し直し、「吸いつき対策」まで組み入れた日立機に比べると、従来機の延長といえ、まだ工夫の余地はありそうです。

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 ダストボックスは、0.6Lです。

 目を引くスペックですが、本機はゴミ圧縮機能が付属しないので、実際はあまり強調できません。

 202103261458.jpg

 お手入れは、ダストボックス洗浄は可能ですが、フィルタがあるためメンテフリーではないです。

 一方、「ティッシュdeガード」というフィルタメンテの頻度を軽減する仕組みがあります。

 ただ、セットすると、吸引力や騒音に悪影響があるほか、ダストサインの表示が早くなるなどの弊害があります。

 センサーは、 特に付属しません。

 静音性も、特に強調できないです。

---

 以上、三菱のTC-ED2Cの紹介でした。

 サイクロン式ですが、単気筒で、ゴミ圧縮機能もない機種です。

 同社のBe-Kシリーズは、パック式では一定の見どころがあるのですが、こちらのサイクロン式は、突出した部分もなく、ややオススメしにくいです。

1-5・ダイソンのサイクロン式掃除機の比較

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 続いて、イギリスのダイソンのキャニスター型掃除機の紹介です。

 同社は、(吸引力の点で)掃除機は、「スティック型でもうOK」と宣言し、そちらの開発に注力しています。

 ただ、ゴミ箱の量が多いキャニスター型も、業務用をふくめ、酷い面積を一度に掃除する方など根強い人気があります。


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 【2022年発売】TH SB後継品

 33・Dyson Ball DC48 タービンヘッド TH SB N
  ¥29,985 Amazon.co.jp (10/20執筆時)

集塵方法:サイクロン式
集塵容量: 0.5リットル
吸込仕事率: 170 W
最大騒音値:-----
フィルター:(マイナスイオン)
ヘッド:エアータービン
本体重量:2.7kg
スティック重量:2.1kg
本体サイズ: 212 x 698 x 694 mm

 Dyson Ball DC48 Turbinehead は、ダイソンのキャニスタータイプの掃除機です。

 ロングセラー機ですが、2022年に型番が変更になりました。

 ただ、旧機と性能は変わりません。

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 本体の重さは、2.7kgです。

 本機は、ダストボックスが大きいのですが、軽量化も相当意識しています。

 なお、ダイソンの場合はコード重量が入るので単純に国内他社と比較できませんが、スティックとヘッド(+コード)は約2.1kgです。実際手に取ったときも「しっかり」しています。

 201807131619.jpg

 掃除機のパワーは、仕事率としては170Wです。

 ただし、サイクロンの気筒は12気筒と多いです。

 先ほども書いたように、気筒が多いサイクロンは、仕事率が低く出ます、

 実際の吸引力は数字より高いでしょう。

 201807131620.jpg

 掃除機のヘッドは、しかしながら、この機種はヘッドが自走式ではありません

 価格もそれなりに高いため、この点は残念な部分です。

 ダストボックスは、集塵容量は0.5Lと多めです。

 容量は問題ないですが、圧縮式ではない点は、取扱いにおいてはやや不便でしょう。


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 フィルターは、空気清浄機と同じグレードの交換不要のHEPAフィルターを採用するなど排気の面でも工夫が見られます。

 センサーは、ゴミセンサーが搭載されません。必須機能ではないですが、こうした点は、やや残念かもしれませんね。

 静音性は、一方ダイソンの「強み」です。

 ダイソンは騒音値のスペックを出しませんが、音響工学を駆使した本体構造と、同社が開発したデジタルモーターV4の力で、人間が「うるさい」と感じる高周波の低減が図られています。

---

 以上、Dyson Ball DC 48 Turbineheadの紹介でした。

 およそ掃除機とは思えないキューブなデザインでとてもオシャレな機種です。

 また、高い静音性など、国内他社の製品にはみられず、この点で魅力の高い機種です。ただ、自走式ではないのが難点です。

 以前は、対応の上位機( Dyson V4 Digital Fluffy+・ Dyson Ball Motorhead+など)ががあったのですが、日本では展開終了です。スティック型に注力する方針ゆえでしょう。

後編につづく!
軽量で強力なおすすめ掃除機は結論的にこの機種!

 というわけで、今回は、サイクロン式の掃除機を比較しました。

 しかし記事は、もう少しだけ「続き」ます。

  201807131655.jpg

2・サイクロン式掃除機の比較 (2)
 2-1:シャープ 〈日本〉
 2-2:アイリスオーヤマ〈日本〉
 2-3:マキタ〈日本〉
 2-4:おすすめ機種の提案【結論】

 次の2回目の記事こちら】では、今回紹介できなかった、シャープなどのサイクロン式掃除機を追加で紹介していきます。

掃除機の軽さ  ★★★★★
操作性の良さ  ★★★★★
静音性     ★★★★★
集塵力の強さ  ★★★★★
センサー性能  ★★★★★
ゴミ箱のサイズ ★★★★★
総合評価    ★★★★★

 その上で、今回紹介した全機種から、予算別・目的別にAtlasのオススメ機種を選んでみたいと思います。

 ひきつづき、よろしくお願いします。

 第2回目の記事は→こちら

---

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posted by Atlas at 14:25 | 掃除機・掃除用品

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