【今回レビューする内容】 2023年 3合炊き小型炊飯器の性能とおすすめ・選び方:1人暮らし向き炊飯器・2人世帯向け少量炊き炊飯器:3合 4合 3.5合:パナソニック タイガー 三菱 アイリスオーヤマ 象印 東芝 シャープほか
【比較する製品型番】象印 NP-GL05 NP-RT05 NP-RN05 NW-US07 NW-MA07 NL-BD05 NL-BC05 NL-BV05 NL-BU05 NP-GK05 NP-GW05-XT NP-GJ05-XT NP-RM05 NP-RN05 NP-RZ05 NP-RY05-TD NW-ES07-BZ NL-BE05 NL-BX05 NL-NH05-WZ パナソニック SR-KT060 SR-JX058 SR-JW058 三菱 炭炊釜 NJ-SED06-B NJ-SED06-W NJ-SE06F-B NJ-SE06F-W NJ-SWD06-B BALMUDA The Gohan K03A-BK K03A-WH K08A-BK K08A-WH
今回のお題
美味しく炊ける小型炊飯器のおすすめはどれ?
どもAtlasです。
今日は、2023年6月現在、最新の小型炊飯器の比較です。
加熱方式・内釜の質・食感調整・保温機能などの機能差に注意しながら、3合・3.5合ほどの少量でも「美味しく炊ける!」製品を紹介します。
1万円以下の激安炊飯器から、5万円以上の高級小型炊飯器まで扱います。
今回はスペック面ほか、見本市やイベントなどで「味見」をし、主観的な調査の結果もふまえています。
皆さんが目的に適った炊飯器を「楽しく選べる」ような記事構成に心がけました。
1・3合炊き炊飯器の比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2: 象印
1-3:パナソニック
1-4:三菱電機
1-5:バルミューダ
2・3合炊き炊飯器の比較 (2)
2-1:タイガー
2-2:アイリスオーヤマ
2-3:日立
3・3合炊き炊飯器の比較 (3)
3-1:東芝
3-2:バーミキュラ
3-3:シャープ
3-4:シロカ〈長谷園〉ほか
3-5:最終的なおすすめの提案【結論】
記事では、はじめに小型炊飯器の「選び方の基本」を示します(1-1)。
その後、メーカー別にわけながら各機を比較していくという構成です。
もちもち炊飯 ★★★★★
しゃっきり炊飯 ★★★★★
ご飯の甘み ★★★★★
保温性能 ★★★★★
手入れの手軽さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
また、最後の「結論」では、上表のようなポイントからAtlasのおすすめ機種を提案していきます。
よろしくお願いします。
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1・5合炊きの高級炊飯器の比較
人数:2-4人用
予算:3.5万円〜
2・5合炊きの格安炊飯器の比較
人数:2-4人用
予算:1万円〜
3・一升炊きの高級炊飯器の比較
人数:5人以上
予算:3.5万円〜
4・一升炊きの格安炊飯器の比較
人数:5人以上
予算:1万円〜
5・3合炊き小型炊飯器の比較
人数:1-2人用
予算:5千円〜
6・糖質カット炊飯器の比較
人数:1-4人用
予算:1万円〜
7・おすすめ炊飯器の選び方 【まとめ】
なお、今回の記事は、このブログの「炊飯器比較シリーズ」全体としては、5回目記事として書きました。
1-1・小型炊飯器の選び方の基本
はじめに、小型炊飯器の「選び方の基本」について、書いておきます。
3合炊きの小型炊飯器は、ご飯茶碗に軽くもって「10杯前後」と、少人数家庭に便利な炊飯器です。
「小型である」というメリット性のほか、「電気代が安い」というメリット性もあります。
ただ、最も魅力なのは、「少量炊飯でもご飯が美味しく炊ける」という点です。
5合炊きの高級機には、「少量炊飯モード」がついている機種もあります。しかし、内釜のサイズなど構造的に3合に合わせた機種に味の面で遠く及びません。
結論的に言えば、「電気代」と「味」の面でも、小型炊飯器は有利です。
ーーー今回の記事では、「美味しく炊ける小型炊飯器を探すこと!」をテーマに、各社の高級炊飯機を比較していきます。
1・沸騰温度の持続性
2・加熱方式
3・内釜の素材と厚さ
4・ご飯の炊き分け機能
その場合、炊き上がりのごはん「味」で、炊飯器を選びたい場合、ポイントとなるのは、以上の4つの要素です。
重要な部分ですので、順番に解説しておきます。
1・沸騰温度の持続性
第1に、炊飯器の沸騰温度の持続性です。
家庭用炊飯器で美味しいご飯を炊くには、100度以上の温度を長く続けられることが最大のポイントです。
しかし、小型炊飯器でも、ヒーター1本ではパワーが弱く、持続的な沸騰温度の維持ができないといえます。そのため、性能の高い高級機は、複数のIHヒーターや、補助的な電熱ヒーターを、複数装備します。
例えば、上図は、底面にIHヒーターが1段と、側面とふたに電熱ヒーターが3本の、総計「4重ヒーター」です。
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今回の記事では、「小型でもヒーターの強い機種!」を探していこうと思います。
2・炊飯器の加熱方式
第2に、炊飯器の加熱方式です。
これらは、沸騰温度の持続性にも寄与しますが、むしろ、炊飯の味の方向性(個性)を決める要素と、Atlasは考えています。
小型炊飯器の加熱方式は、次の4つがあります。
1・マイコン式
=ご飯の味は劣るが、料理に使える
2・IH方式
=米そのもの味の個性が出やすい
3・圧力IH方式
=ふっくら/もちもち系の炊飯が得意
4・可変圧力IH式
=かたさの炊き分けが得意
5・スチームIH方式
=ハリがある硬めの炊飯が得意
具体的な仕組みや得意とする味の傾向を示すと以上のようになります。
さらに、それぞれの炊飯の特徴を(ざっくり)示すと、上表のようになります。
あくまで「傾向」なので、メーカー・機種によって傾向は変わります。細かい違いは、本編で書いていきます。
ただし、マイコン式炊飯器(=底面に電熱線ヒータがあってそれが鍋を加熱する)とと、IH式炊飯器(=鍋自体を電磁波で加熱する方式)との間では、「味の面で超えられない高い壁」があることだけは、確定的な事実です。
率直に言って、マイコン式で美味しいご飯が炊ける炊飯器はありません。
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IH式炊飯器は、硬めの炊飯が得意であるほか、(お米をいじらないので)お米の品質や銘柄の個性がストレートに出るので、銘柄の違いが楽しめます。
しかし、食感や堅さの炊き分けが苦手で、お米の粘りも出しにくいと言えます。
圧力IH炊飯器は、ご飯の甘みや粘りをよく引き出せます。
しかし、どのような銘柄のお米も同じような味になりがちで、個性を楽しみにくい、ということになります。
他方式については、各製品を紹介する中で、詳しくふれたいと思います。
3・内釜の厚さとグレード
第3に、内釜の厚さとコーティングのグレードです。
小型炊飯器でも、高級なものは、内釜の部品代が本体価格の大部分を占めているものもあるほど、メーカーが重要視しています。
内釜の厚さは、比較する場合、とくに重要な要素です。
厚いほど、沸騰温度の維持や温度の均質性において有利であり、味の面でプラス作用があります。
「内釜の構造や材質」も同様に重要です。
様々な素材で、釜を独特の形状に加工することで、「かまど炊きの再現」を狙った商品が多く出ています。
今回の記事では、釜の品質にも比重を置いてを置いて調査します。
4・ご飯の炊き分け
第4に、ご飯の炊き分け機能です。
安い炊飯器は、「かため」「ふつう」「やわらかめ」など、ご飯の堅さを選ぶ機能が付属しません。
高級炊飯器は、しかし、これらに加えて「しゃっきり」「もちもち」などご飯の食感も指標に加えます。
上図のように立体的にご飯の炊き分けが可能な機種もあります。
自分の好みのお米の「堅さ」「食感」が表現できる方は、炊飯器の炊き分け機能の有無を重要視するべきでしょう。
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以上、美味いご飯を炊ける炊飯器を見極めるポイントを4点紹介しました。
今回は、これらを基準としつつ、「長時間保温機能」や、「蒸気レス機能」・「お手入れの手軽さ」など、利便性に関わる部分を含めて比較します。
1・3合炊き炊飯器の比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2: 象印
1-3:パナソニック
1-4:三菱電機
1-5:バルミューダ
2・3合炊き炊飯器の比較 (2)
2-1:タイガー
2-2:アイリスオーヤマ
2-3:日立
3・3合炊き炊飯器の比較 (3)
3-1:東芝
3-2:バーミキュラ
3-3:シャープ
3-4:シロカ〈長谷園〉
3-5:最終的なおすすめの提案【結論】
以下では、3合炊き炊飯器について、メーカーにわけながら、「価格の安い製品から、高級な製品へ」という順番で紹介します。
1-2・象印の炊飯器の比較
はじめに、日本の象印の炊飯器を紹介します。
炊飯器の老舗企業の1つですが、特に小型機は「よく売れている」印象です。
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なお、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分を青字で記しています。
【2021年発売】
1・象印 極め炊き NP-GK05-XT
¥16,070 楽天市場 (6/23執筆時)
1・象印 極め炊き NP-GW05-XT
¥16,800 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
【2019年発売】
2・象印 極め炊き NP-GJ05-XT
¥16,917 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
炊飯方法:IH式
圧力炊飯:
内釜素材:黒まる厚釜
内釜厚さ:1.7mm
内釜保証:1年保証
保温機能:うるつや保温
堅さ調整:
NP-GKシリーズは、象印の「極め炊き」シリーズに属する炊飯器です。
性能の期待できるIH式だけで言えば、同社では最も安い炊飯器です。
旧機種があります。
2021年機は、流通ルートの違いで別型番(NP-GW05)がありますが、そちらを含めて、新機種と同じ性能です。
2019年機は、麦ごはんメニューがない変わり、(東洋ライスの)金芽米専用メニューがある機種です。
あとは、「立つしゃもじ」の有無程度なので、値段的にはこちらを選ぶのがよさそうです。
炊飯方式は、IH式炊飯式です。
ムラ無く加熱できる点で、あらゆるマイコン炊飯式の「上を行く」方式です。
この原則に例外はないです。
搭載されるIHヒーターは、底面と側面の2段式です。
その上で、ふたヒーターを搭載するので、「全面加熱」に対応します。
使われている釜は、1.7mmの黒まる厚釜です。
さほど厚みはない上で、素材的な工夫もないです。
IH方式をできるだけ安く提供するために、釜の部分のコストを削減したのでしょう。
ただ、それでも、あらゆるマイコン式より「味は上」でしょう。
炊き分けは、「かたさ」などの指標では「未対応」です。
ただ、この機種から「熟成炊き」が加わります。炊飯に通常よりも時間をかけることで米の甘みを引き出す「プレミアムコース」です。
そのほか、同社の下位機種のようにパンの発酵・焼き機能があります。
そのほか、雑穀米・玄米など専用の「健康米メニュー」がありますね。
保温機能は、この機種の場合、「うるつや」保温機能が搭載です。
底部の温度センサーで、最適な温度でご飯を保温できるでしょう。
お手入れは、IH式炊飯器に共通しますが「楽」です。特に象印は、庫内がフラットで拭きやすいです。
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以上、象印の「極め炊き」NP-GKシリーズの紹介でした。
同社に限定してみれば、格安でIH炊飯器が手に入る点で魅力な機種です。
釜の厚みはもう少し欲しいですが、ふた・側面を合わせた全面加熱で、味の部分では「負けていない」です。
くわえて、「うるつや」保温機能が付属します。IH式炊飯器は、マイコン式のように「ご飯がすぐに乾く」ことはないですが、重量センサーのあるなしは、大きな違いです。
炊飯器を切らずに保温を利用する方は、この機種は良い選択肢でしょう。
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【2023年1月発売】
3・象印 マイコン式 NS-NH05-WZ
¥9,240 楽天市場 (6/23執筆時)
内釜素材:遠赤黒まる小釜
内釜厚さ:0.8mm
【2022年12月発売】
4・象印 マイコン式 NL-BE05-HZ
4・象印 マイコン式 NL-BE05-WZ
¥11,739 楽天市場 (6/23執筆時)
【2021年発売】
4・象印 マイコン式 NL-BD05
¥12,119 楽天市場 (6/23執筆時)
【2019年発売】
4・象印 マイコン式 NL-BC05
¥15,408 楽天市場 (6/23執筆時)
内釜素材:黒圧厚
内釜厚さ:2.5mm
【2022年発売】
5・ 象印 マイコン炊飯器 NL-BX05-BA
¥13,198 楽天市場 (6/23執筆時)
【2021年発売】
5・ 象印 マイコン炊飯器 NL-BV05-BA
¥11,970 楽天市場 (6/23執筆時)
【2019年発売】
5・ 象印 マイコン炊飯器 NL-BU05-BA
¥30,029 楽天市場 (6/23執筆時)
内釜素材:黒圧厚
内釜厚さ:5mm
炊飯方法:マイコン式
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:
なお、象印については、3合炊きの下位機種として以上の製品もあります。
ただ、いずれもマイコン式です。
冒頭書いたように、この方式は、IH式炊飯に比べて火力が弱く、ご飯の味は期待薄です。
上ふた、側面、釜底に、シーズヒーターを採用する全面加熱仕様で、加熱ムラなどへの対策はあります。しかし、先述のように、IH式にはどうしても及ばないと言えます。
5mm厚とすこし厚めの内釜を採用する上位機を含めて、値段以外の部分では「選びにくい」と言えます。
【2021年12月発売】
6・象印 圧力IH式 3合 NP-RN05-BA
6・象印 圧力IH式 3合 NP-RN05-WA
¥21,680 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
【2020年発売】
7・象印 圧力IH式 3合 NP-RM05-TA
7・象印 圧力IH式 3合 NP-RM05-WA
¥22,800 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
炊飯方法:圧力IH式
圧力炊飯:1.15気圧
内釜素材:丸厚釜
内釜厚さ:1.7mm
内釜保証:1年保証
保温機能:3段階
堅さ調整:うるつや保温
NP-RMシリーズは、象印の炊飯器です。
新旧両機種ありますが、色構成以外変わりませんので、値段で決めてOKです。
炊飯方式は、圧力IH式です。
IHヒーターなどの熱源を持ちつつ、圧力を使って沸騰温度の維持に努める仕組みです。同社は、「豪熱沸とう」と呼んでいます。
象印は古くからこのタイプに力を入れており、このグレード以上が「同社の真骨頂」と言えます。
かけられる圧力は、ただ、1.15気圧です。
象印は1.3気圧という、他社よりも高圧をかける点が「味の秘密の1つ」なので、スペックはやや低いです。
搭載されるIHヒーターは、段数非公開です。
おそらく底面がIHヒーターで、側面・ふたに3つの補助ヒータを備える「4重式」だと思います。
圧力式としては十分でしょう。
使われている釜は、1.7mmの黒丸厚釜です。
2万円以上の機種と考えれば、物足りなくも思えます。
しかし、圧力炊飯器は、圧力で「持続的に沸騰温度を出す」仕組みです。
そのため、大型の圧力炊飯器についてもこの程度の場合もあり、一概に比較できません。コーティング層も非公開です。
炊き分けは、「対応」です。
かため(しゃっきり)・ふつう・やわらかめの炊き分けが可能です。
また、象印の「プレミア炊飯」機能である熟成炊きに対応します。
炊飯時間を延ばして甘さを引き出す機能です。
なお、圧力炊飯は、「ふっくら」「やわからめ」のご飯が得意です。
ただ、象印は、圧力のかけ方と炊飯時間の調整で、「かため」に対応させますが、普通のIH式炊飯器のほうが「かため」の味は上です。
保温機能は、の機種の場合、「うるつや」保温機能が搭載です。
底部の温度センサーを使って、最適な温度でご飯を保温します。
お手入れは、圧力式は少し注意です。
IH式に較べると、安全弁などがある構造なので、お手入れに「一手間」余分にかかります。
ただ、それでも30秒とかからないですし、構造が単純化し、昔よりだいぶ楽になりました。
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以上、象印のNP-RLシリーズの紹介でした。
3合炊きの圧力式炊飯器としては価格が安いです。甘みで粘りがあるご飯が好きな方は、IH炊飯器よりも、こちらのような圧力IH炊飯器が特におすすめです。
ただし、圧は低めなので、あくまで「入門機」です。
【2021年12月発売】
8・象印 極め炊き 3合 NP-RT05-BA
¥25,090 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
【2020年発売】
8・象印 極め炊き 3合 NP-RZ05-BA
¥31,400 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
炊飯方法:圧力IH式
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:鉄器コートプラチナ厚釜
内釜厚さ:1.7mm
内釜保証:1年保証
保温機能:うるつや保温
堅さ調整:4通り炊き分け
NP-RT05は、象印の少量炊きでは、中位機にあたる製品です。
旧機種が残ります。
2020年機は、メニューの若干の入替(東洋ライスの金芽米モード)程度ですので、買われる際の値段次第では選んでも良いかと思います。
炊飯方式は、この機種も圧力IH式です。
かけられる圧力は、1.2気圧です。
高圧対応なので、その分温度は高くできます。
下位機種よりも甘みともちもち感を引き出しやすいです。
搭載されるIHヒーターは、段数非公開です。
おそらく下位機種同様の4重式だとは思います。
使われている釜は、1.7mmの鉄器コートプラチナ厚釜です。
内釜の内側のコーティング材にプラチナナノ粒子を採用している点が名前の由来です。
象印によると、水をアルカリ性に変化させるこで米の甘みを引き出す効果があります。お米の甘みが従来比30%引き出せるとのことです。
加えて、外装は鉄器コートとし、発熱効率や熱伝導率を高めています。ZZ
炊き分けは、この機種は「対応」です。
下位機種よりも多い3つの指標です。
その上で、玄米と白米に対応する「熟成炊き」に対応します。玄米の場合、時間をかけて炊飯することで、GABA量が1.4倍と強化されます。
ご飯の保温設定は、本機も温度センサーを利用した「うるつや」保温機能が搭載です。
この価格帯の製品として「優秀」です。
お手入れは、下位機種同様です。
昔に比べれば、圧力式は手入れが楽になりました。
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以上、象印のNP-RT05の紹介でした。
下位機種に比べると「プレミア釜」が採用されている点と、圧力が高い点が魅力です。
とくに、「圧力の強さ」の点では、1.2気圧かかるこのグレード以上が「真の圧力IH炊飯器」と言えるかもしれません。
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【2021年7月発売】NW-MA07(BZ)
9・象印 極め炊き4合 NW-MA07-BA
¥32,990 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
炊飯方法:圧力IH式
圧力炊飯:1.3気圧
内釜素材:鉄器コートプラチナ厚釜
内釜厚さ:2.2mm
内釜保証:3年保証
保温機能:うるつや保温
堅さ調整:49通り炊き分け
一方、外観がスマートなNW-MA07は、本機の上位機です。
比較する場合、内釜のグレードは同じですが、厚みの部分で2.2mmなので上位です。圧力も、1.3気圧となるので、わずかに高いです。
加えて、炊き分けの部分について、「かたい・やわらかい」という指標と、「もちもち・しゃっきり」という指標を組み合わせて、49通りになります。
あとは、外気温や水温で炊飯の仕上がりを調整する「人工知能AI炊飯」が新設された点と、お掃除部分で蒸気口がない分、洗い物の点数が減ったののが目立つ違いです。
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結論的にいえば、現状の値段差ならば、こちらを選んでも良いかと思います。
仕組みが大きく変わるので、味の部分でも差はつきそうですので。
【2021年7月発売】NW-US07(BZ)
10・象印 炎舞炊き4合 NW-US07-BZ
¥56,790 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
【2019年発売】NW-ES07(BZ)
10・象印 炎舞炊き4合 NW-ES07-BZ
¥62,200 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
炊飯方法:圧力IH式
圧力炊飯:1.3気圧
内釜素材:業炎かまど釜
内釜厚さ:2.2mm
内釜保証:3年保証
保温機能:うるつや保温
堅さ調整:81通り炊き分け
象印の「炎舞炊き」NW-US07は、象印の最上位機です。
なお、こちらは「4合炊き」です。
新旧両機種ありますが、本機の場合、旧機種の方が少しだけグレードが高いと言えます。
例えば、保温の際に水分を逃がしにくい「うるおい二重内ぶた」、フタの部分がふわっと開く「油圧ダンパー構造」が省略になりましたので。
とはいえ、大きな差ではないので、値段で決めてもOKです。
炊飯方式は、本機も圧力IH炊飯です。
かけられる圧力は、最高1.3気圧で、象印では最高クラスです。
高圧の炊飯器は、お米のアルファ化を促し、甘みをより効果的に引き出せるでしょう。
搭載されるIHヒーターは、最も注目するべきポイントです。
底IHヒーターを2つ搭載し、独立制御させるローテーションIH式をとるからです。
内釜の中に、複数の複雑な対流が生じ、米が「激しくおどり」ます。
ムラのない熱対流は「美味しいご飯を炊く秘訣」ですが、サーモグラフィを見ても、実際相当に熱が均等です。
IH式以降、発熱体の部分は核心的な発明がなかったのですが、象印はこの部分に手を入れました。
使われている釜は、新開発の「業炎かまど釜」です。
形状を見て分かるように、「かまどを再現」することを優先しているためです。
アルミ・鉄・ステンレス複数素材を利用したハイブリッド式で、2.2mmの厚さの製品です。
なお、この部分で言えば、旧世代機は、「南部鉄器極め羽釜」という鋳鉄製の「伝統工芸」とも言える釜を使っていました。今回のモデルは、工業製品で、釜圧も薄いのです。
しかし、先述のローテーションIH式の効用で、熱伝導率は相当にパワーアップしています。新機種との対照実験(サーモグラフィ)でそれが示されています。
なお、Atlasは、鋳鉄(南部鉄器)である技術的必然性について象印から説明がなく、効果に「疑問」がありました。その点でも、新機種の「進化」は、とても良いものだったと思います。
象印が大事にしてきた羽釜形状も、8mmの「ふち」をつける形で、継承しています。
ご飯の堅さは、かなり自在に選べる仕様です。
堅さは11段階、粘りは11段階選べ、総計で121通りの炊き分けが可能です。
AI搭載で、液晶モニターにその日のご飯の評価を入力していくと、次の炊飯に反映していく仕組みです。
ご飯の保温は、本機も、温度センサーを利用するうるつや保温が付きます。
さらに、内ぶたを二重にして密閉させるうるおい二重内ぶたにより、水分の蒸発量を約40%抑制し、つやのあるご飯を長時間保つことを可能にしています。
ご飯を夕飯に炊いた後で保温し、朝食も食べるようなご家庭では重宝するでしょう。最大30時間まで保温できます。
お手入れの際、洗う必要があるのは、ご飯のお釜と内ぶたセットと蒸気口です。
このうち内ぶたは「二重ぶた」を外して洗う必要があります。内ぶた凹凸があり、若干洗いにくいですが、圧力IH炊飯器にしては掃除がしやすいといえます。
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以上、象印の「炎舞炊き」NW-ES07の紹介でした。
従来的に象印が強い「加圧」に加えて、ローテーションIH式という、びっくりする新機軸を搭載した機種です。おそらく、数年にわたって評判を呼んでいく「名機」になると思います。
伝統工芸の進行も素晴らしいことですが、家電好きとしては「技術の進化」を感じさせるこの機種に、とても好感を持ちました。味も確かです。
1-3・パナソニックの炊飯器の比較
つづいて、パナソニックの炊飯器です。
総合家電メーカーとして、古くから炊飯器を作っています。
この分野に強かった旧三洋電機を吸収してからは、両者の技術の「ハイブリッド」な優秀な製品を多く出すようになりました。
【2020年発売】
11・パナソニック SR-KT060-K
11・パナソニック SR-KT060-W
¥19,490 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
炊飯方法:IH式
圧力炊飯:
内釜素材:備長炭釜
内釜厚さ:2mm
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:
SR-KTシリーズは、パナソニックでは、最も安価な小型炊飯器です。
こちらは3.5合炊きの炊飯器です。
外観形状は、小型でスタイリッシュです。
とくにフラットな天面がガラスパネルで、3合炊きでも屈指のデザイン性です。「一目惚れ」して買う方も多そうです。
炊飯方式は、IH式炊飯です。
搭載されるIHヒーターは、2段です。
ただし、側面とふたにシーズヒーターが2本で「4重」であり「全面加熱対応」です。
パナソニックは、「全面加熱で沸騰温度を維持することこそ、米の味を引き出す」という思想です。
多ヒーターでムラ無く加熱できるため、米をアルファ化できる沸騰温度の維持力には期待が持てます。
使われている釜は 2mmの備長炭釜です。
厚みはIH炊飯器としてはやや薄めです。
ただ、内側に備長炭コートを施しており、蓄熱性はそこそこ良いでしょう。
加えて、ふた部分の「うま味キャッチャー」構造も言及に値します。
これは、通常蒸気を通して逃げてしまう「おねば」成分を炊飯器の中に戻す仕組みです。それにより、IH炊飯でもお米の甘さを感じられる炊飯を実現します。
炊き分けは、「かたさ」などの指標では「未対応」です。
ただし、玄米・雑穀米などの健康米コースのほか、「炊きおこわコース」もあります。蒸すと相当時間がかかるので、便利だと思います。
保温機能は、重量センサーを利用した高度なものではないです。
しかし「いきいき保温」という密閉性を利用した方法で、半日程度なら「まあ食べられる水準」で保温は可能です。
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以上、パナソニックのSR-KTシリーズの紹介でした。
デザイン性はこの価格帯では飛び抜けて高いです。
ご飯の味についても、釜の厚みは「ほどほど」ですが、「うま味キャッチャー」などの独自の工夫があるほか、「全面加熱対応」で火力も高いので、この価格帯では「水準以上」だと思います。
【2018年7月発売】
12・パナソニック おどり炊き SR-JX058-K
¥50,500 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
炊飯方法:可変圧力IH式
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:ダイヤモンド竈釜
内釜厚さ:2.4mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:5段階
SR-JXシリーズ は、パナソニックの高級小型炊飯器です。
「Jコンセプト」というブランドに属します。これは、主に、「団塊の世代」をターゲットにした同社の家電製品群ですが、炊飯器もラインナップがあります。
炊飯方式は、可変IH圧力式です。
可変IH圧力式は、一般的な圧力IH式と異なり、加圧と減圧を繰り返すことができます。そのため、米の対流を促し、ムラ無く加熱することができます。
かけられる圧力は、1.2気圧です。
ただし可変式なので、大気圧(1気圧)と1.2気圧を繰り返す仕様です。
この方式の場合、圧力IH式が不得意な「かため」「しゃっきり系」のご飯も、割と上手です。
「ふっくら」「甘め」のご飯についても、上部に旨み循環タンクを搭載しており、蒸発する水蒸気を「おねば」としてご飯に還元できるため、通常の圧力IH式よりも高水準です。
また、かまどご飯の「一握りのわら燃やし」を再現するため、最後の仕上げ過程で加圧・追い炊きする点も、ご飯の「甘み」の引き出す要素です。
同社は、このような構造を「可変圧力おどり炊き」と名付けています。
搭載されるIHヒーターは、4段式です。
他社の場合、側面上部とふたは、普通のシーズヒーターを使いIHではない機種が多いです。そして「5重」などと(多少苦しい)表現をしています。
しかし、パナソニックの上位機の場合、ふたヒータまでIH式です。同社は古くからIH式のクッキングヒーターを出していて、おそらくその技術に「こだわり」があります。
使われている釜は、2.4mmのダイヤモンド竈釜です。
外側に中空セラミックスを採用すること蓄熱性を高め、熱伝導性のあるアルミと、発熱層を持つステンレスを採用した上で、内側にダイヤモンドハードコートをすることで、細かい泡を効果的に作り出すと共に、高耐久性を確保しています。
三菱・象印は、鋳物・磁器の分野の伝統工芸に助けを借りる場合が多いです。
しかし、パナソニックは、プレス素材を工夫することで、(あまり費用をかけず)高品質な釜を目指す方向性です。
炊き分けは、多彩です。固さも、「ふつう、かため、やわらか、よりやわらか、もちもち」の5種類のモードに対応します。
団塊の世代の人は傾向として柔らかめのご飯が好きという統計を見たことがありますが、圧力を使うこの機種は、そういった炊飯は得意でしょう。Jコンセプトシリーズにふさわしい技術です。
おこわを炊くコースや、玄米・雑穀米などを炊飯できるコースも付属です。
その他、大きな文字盤を採用したり、お手入れのしやすい構造を取ったり、使い勝手に配慮された製品と言えます。と
ご飯の保温は、象印ほどの多機能性がありません。炊きあがったらすぐ食べてしまうか、冷蔵庫で保温するのが良いでしょう。
お手入れについては、ふたを取って洗うだけなので手軽です。
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以上、パナソニックの Jコンセプト おどり炊きの紹介でした。
機能面は「可変圧力式」ということで、食感を調整してもクオリティを維持しやすい機種です。米の種類や、その日の気分で炊き分けたいご家庭に向きます。
米自体の味についても、4段IHヒーターの採用や、工業技術を駆使したダイヤモンド竈釜などの効能で、底時からもある機種です。
味などの点だけでなく、文字盤や掃除の使い勝手を含めて、子育ての終わった2人世帯のご家庭に最もおすすめできる製品です。プレゼントとしても良いでしょう。
もちろん、Jコンセプトシリーズは、クオリティの高さからより若い世代の人たちにも人気です。ただ、こちらについては、保温機能がない点は、そうした方への訴求力は弱めでしょう。
【2018年発売】
13・パナソニック SR-JW058-KK
13・パナソニック SR-JW058-W
¥72,000 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
炊飯方法:可変圧力IH式
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:ダイヤモンド竈釜
内釜厚さ:2.4mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:6段階
SR-JWシリーズ は、「Wおどり炊き」という名前が付く、パナソニックの少量炊き炊飯器の最上級機です。
こちらも、大きな文字盤を採用したJコンセプトラインになります。
炊飯方式は、こちらも、可変IH圧力炊飯器です。
搭載されるIHヒーターも、同じで4段IH式です。
ただし、IHヒーターの切替で相互対流を起こす「大火力おどり炊き」に対応します。
ご飯の対流がより進むため、ご飯の旨み(甘み)は下位機種以上に引き出せます。
「可変圧力」+「大火力おどり炊き」を合わせて、「Wおどり炊き」となります。
これは、同社の大きな炊飯器にも採用されている、同社では最高峰の技術です。
釜の厚みは、最大2.4mmのダイヤモンド竈釜です。
細かい部分では、ディンプル加工が施され、「細かい泡」が発生しやすくなる効果があります。
炊き分けは、下位機種と同じです。
「ふつう、かため、やわらか、よりやわらか、もちもち」の5種類のモードに対応します。
また、6種類の銘柄炊き分け機能もあります。
そのほか、玄米・雑穀米専用のメニューもあります。
保温については、やはり、突出した機能性がありません。
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以上、パナソニックのSR-JWシリーズ の紹介でした。
下位機種と価格の開きがあります。実際的には、「大火力おどり炊き」にがどの程度の「投資」に見合うかという判断になるでしょう。
個人的には、味の傾向は下位機種と同じである点から、基本的には「下位機種」でも良いかと思っています。このレベルまでいくと、食べ比べて、しっかり味の分かる方はおそらく少数でしょう。
1-4・三菱電機の炊飯器の比較
続いて、三菱電機の製品です。
三菱電機は、圧力式は(不自然な粘りが出るとして)少し懐疑的なメーカーで、釜の質にこだわった「IH式炊飯器」の開発をしています。
【2020年発売】
14・三菱 炭炊釜 3.5合炊き NJ-SE06F-B
14・三菱 炭炊釜 3.5合炊き NJ-SE06F-W
¥36,300 楽天市場 (6/23執筆時)
【2022年発売】
15・三菱 炭炊釜 3.5合炊き NJ-SED06-B
15・三菱 炭炊釜 3.5合炊き NJ-SED06-W
¥19,250 楽天市場 (6/23執筆時)
炊飯方法:IH式
圧力炊飯:
内釜素材:炭炊釜
内釜厚さ:2mm
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:4通り
NJ-SEシリーズは、三菱電機の発売する3.5合炊き炊飯器です。
新旧両機種ありますが、従来からのハンドルに加えて、ボタンも抗菌化された点以外は同じです。値段で決めてOKです。
四角い形状が同社の炊飯器の特徴で、炊飯器への参入以来続けています。
炊飯方式は、IH式炊飯です。
搭載されるIHヒーターは、2段です。
ただし、胴回りに2本、ふたに1本ヒーターを搭載するため「五重全面加熱」と三菱は呼んでいます。
パナソニック同様に、「包み込むように加熱」することで、沸騰温度の維持を狙う仕組みです。
値段面からもさすがに全部がIHヒーターではないですが、火力は十分でしょう。
加えて、三菱の独自機能として、超音波吸水という、仕込み時に短時間で米に水をたっぷり吸収させることのできる機能も付属しています。
米を水に浸しておく時間が短くても、美味しく炊ける仕組みです。
とくに、2020年機からは、「可変超音波吸水」として、かけ具合を2段階で調整できるようになりました。後述する食感の再現度に寄与しています。
使われている釜は、2.0mmの炭炊釜です。
厚みは、発売時価格2万円の機種としては多少薄いです。層も2層です。
三菱の高級機では「ホンモノの炭」で作る炊飯器もあります。
しかし、本機の場合は、遠赤外線効果を期待しての炭コーティングを意味します。ちなみに、パナソニックは内面に、三菱は外面に炭をコーティングします。
炊き分けは、食感として「かため」「ふつう」「やわらか」です。
先述の「可変超音波吸水」の恩恵などで「もちもち」という指標も出せるので、実質的に4通り選べます。もちろん、それぞれについて、「無洗米」と「白米」の種類も選べます。
そのほか、プレミアムモードである芳潤炊きのほか、麦飯2合炊きには対応します。新機種は、玄米も対応できます。
保温機能は、特段の機能はみられません。
ただ「保温なし」を選べる点は、言及に値します。
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以上、三菱のNJ-SEシリーズの紹介でした。
同社の炊飯器は、ハリのあるご飯の炊飯が、パナソニックのIH式同様に得意です。
パナソニックの同クラスの製品と、火力・釜の性能ともほぼ互角です。
一方、パナソニックは「うまみキャッチャー」でご飯の甘さを引き出せる点が、三菱は、超音波吸水で、炊き分けができる点、また、時短で美味しく炊ける点が、それぞれの特長です。
どちらを選んでも、後悔しないでしょうが、最終的なおすすめ機種については、記事の最後で改めて書きたいと思います。
【2022年5月発売】
16・三菱 本炭釜 NJ-SWD06-B
¥54,830 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
炊飯方法:IH式
圧力炊飯:
内釜素材:本炭釜
内釜厚さ:10mm(最大)
内釜保証:1年
保温機能:
堅さ調整:2通り
NJ-SWシリーズは、三菱の炊飯器の3.5合炊きの炊飯器です。
四角いユニークな形状の炊飯器です。
炊飯方式は、IH式炊飯式です。
三菱は、昔ながらの「かまどご飯」の炊飯に圧力はかけないから、「圧力IH炊飯器は不自然」とする、ハッキリした思想を持った会社です。そのため、高級機でも、圧力IH式を採用していません。
そうした哲学がしっかりある機種は、「高級」でも選びたくなります。
搭載されるIHヒーターは、2段です。
それに3段の補助ヒータを合わせて「5重式」となります。
三菱の下位機種と同じ数値です。サイズ的な限界かもしれませんが、値段差を考えると、この部分は、上位機の強調すべき部分ではないのでしょう。
使われている釜は、最大10mmの本炭釜です。
答えを言えば、この部分に「最もお金をかけている」製品です。
炭素材料を焼成し、職人が中をくりぬき「一点もの」として、釜を作っています。炭コーティングではなく、純度99.9%本物の「炭」です。
炭素素材はIHと相性が良く、ステンレス素材の40倍の浸透度です。遠赤効果は最大級に期待できます。
さらに、ふた部分も炭コートを施し、全体から遠赤を発生させるという方向性です。
炊き分けは、「かたさ」などの指標では「未対応」です。
ただし、「もちもち」という指標での炊飯ができるため「2通り」と言えます。
そのほか、同社のプレミアムモードである芳潤炊きも選べます。
健康米については、玄米と麦飯に対応します。
保温については、「保温無し」と「食べ頃保温」というご飯を通常より低音で保温する仕組みのみです。
この部分の機能性は高くありません。
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以上、三菱のNJ-SWシリーズ の紹介でした。
「ほぼ完全に炭素」である最大10mmの本炭釜の採用が魅力です。それを、「全面加熱」で炊きあげるという、美味しいご飯を炊く基本を丁寧になぞった点で、好感が持てる機種です。
一方、炭素素材なので、陶磁器同様に破損リスクがある点と、保温機能がイマイチ弱い点は、注意点です。
1-5・バルミューダの炊飯器の比較
続いて、バルミューダの製品です。
日本のデザイン家電メーカーですが、スチーム式にこだわったユニークな炊飯器もなします。
【2022年12月発売】
17・BALMUDA The Gohan K08A-BK
17・BALMUDA The Gohan K08A-WH
¥42,358 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
【2017年発売】
18・BALMUDA The Gohan K03A-BK
18・BALMUDA The Gohan K03A-WH
¥31,950 Amazon.co.jp (6/23執筆時)
炊飯方法:スチーム式
圧力炊飯:
内釜素材:
内釜厚さ:
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:
BALMUDA The Gohan K08Aは、バルミューダの3合炊き炊飯器です。
同社の場合、「蒸気炊飯器」ですが、他社のスチーム式とはだいぶ炊飯方式が異なると言えます。
なお、新旧両機種あります。
外観デザインのほか、温度制御部分で変更がありました。
旧機種の場合、60度までの低温でじっくり浸水させ、炊き上げる方法でした(上図)。
新機種は、40度までの時間を長めにとり、そこから直に温度を上げる仕組みになりました。
本機は「おこめを動かさないで炊飯する」ところにポイントが置かれる機種なので、その方向性をより徹底したものと思われます。
プログラムだけでなく、本体構造も少し見直されています。
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結論的にいえば、(完全に新機軸だった)初代の問題点が改善している可能性があるので、選ぶならば、新機種かと思います。
炊飯方式は、スチーム炊飯式です。
大きな炊飯器については、IHスチーム炊飯器を出す企業があります。
しかし、本それらと全くことなる技術です。
バルミューダの場合、底面ヒーターで発生させた蒸気を内釜に送り込み、直接ご飯を対流させずにご飯を炊飯していく方式となります。
これは、強火力による対流(おどり)を重視する、これまでの炊飯器と180度異なる発想で斬新です。
沸騰温度の維持は、この機種の場合、とある理由から、全く重要視されません。
バルミューダによると、火を使う土鍋や羽釜の炊飯では、米は動いていないことを発見したそうです。
そして、それを再現するために、スチームで上方から「米を踊らせず炊きあげる」独自方式をあえて採用しています。
興味深い話です。ただ、電気と直火ではそもそも火力が違う部分は意識が必要です。
「かまどご飯」で美味しい「カニ穴」が開くのは、(米が踊るかはともかくとして)強力な火力で、激しい熱対流が起こる結果であるのは確かです。
沸騰温度が持続しないと、かまど特有のふっくら甘みのあるご飯の再現性は低いです。
ただし、お米の粘り気や甘みは控えめで、その代わりにハリとツヤのある堅めのご飯が炊ける炊飯器としては、逆に相当期待がもてます。
これ系の味のニーズは世の中に確実にあります。
例えば、以前【炊飯用土鍋の比較記事】で紹介したような、ガス火炊飯の小型土鍋を使っている人は、味の傾向が割と似ているので、この機種は合う好みが合う可能性は高いでしょう。
Atlasも初代で試食しましたが、独特の食感は、かなり好感が持てました。
使われている釜は、現状非公開です。
ただ、こちらの製品は、仕組みが独特なので、厚ければ良いというわけではないでしょう。
炊き分けは、硬さに関する機能はないです。
この方面ではあまり見所はないです。ただし、玄米や炊き込みご飯についてはモード変更が可能です。
ご飯の保温設定は、蒸気構造が災いしてか、機能自体が無く、炊きあげたら、冷凍するか、おひつに入れて保存しないといけません。
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以上、BALMUDA The Gohanの紹介でした。
独特な味の傾向を持つ炊飯器なので、あまり考えずに選ぶのは「冒険」でしょう。
ただ、堅めで、ハリツヤのあるご飯は実際美味しく炊けるので、あまり浸水しない固めのご飯が好きな人には「画期的で相性が格別に良い」といえます。人を選びますが、確実にニーズはあるでしょう。
次回に続く!
美味しく炊ける小型炊飯器は結論的にこの機種!
というわけで、今日は、少量炊きの炊飯器の比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ続きます。
2・3合炊き炊飯器の比較 (2)
2-1:タイガー
2-2:アイリスオーヤマ
2-3:日立
3・3合炊き炊飯器の比較 (3)
3-1:東芝
3-2:バーミキュラ
3-3:シャープ
3-4:シロカ〈長谷園〉
3-5:最終的なおすすめの提案【結論】
続く2回目記事(こちら)では、今回紹介できなかったタイガーなどの炊飯器を紹介します。
もちもち炊飯 ★★★★★
しゃっきり炊飯 ★★★★★
ご飯の甘み ★★★★★
保温性能 ★★★★★
手入れの手軽さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
また、その上で、ここまで紹介してきた全機種のうちから、価格別・目的別にAtlasがもっともおすすめできる機種を数機種選んでいきたいと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。
2回目記事は→こちら
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