【今回レビューする内容】2025年 自炊向け・業務用ドキュメントスキャナーの性能とおすすめ:PFU スキャンスナップ キヤノン エプソン ブラザー:人気機種の違いや性能評価のランキング
【比較する製品型番】リコー (富士通) PFU ScanSnap iX2500 FI-IX2500BK FI-IX2500W ix1600 FI-IX1600A FI-IX1600ABK iX1400 FI-iX1400A FI-IX1300 FI-IX1300A FI-IX1300ABK RICOH GPN356 fi-8040 GMW568 fi-800R GMW564 fi-8190 GMW565 fi-8170 GMW566 fi-8150 GMW561 PFU fi-8290 GMW562 fi-8270 GMW563 fi-8250 GMW571 fi-7300NX GMW572 FI-N7100E キヤノン imageFORMULA R30 DR-C225 II DR-C240 DR-C230 DR-S350NW EPSON DS-790WN DS-531 DS-571W DS-530 DS-570 FF-680W ブラザー ADS-1800W ADS-4300N ADS-4700W ADS-4900W ADS-3600 エプソン DS-870 DS-970 DS-870R2 DS-970R2 DS-900WN CANON DR-M260 DR-M140II imageFORMULA ScanFront 400II ほか
今回のお題
使い勝手が良い!最新スキャナーのおすすめどれ?
ども、Atlasです。
今日は、2025年8月現在、最新のスキャナー(ドキュメントスキャナ)の比較です。
今回はスキャン速度や画質補正の違いをとくに重視します。
加えて、重送検知・汚れ検知など作業時のストレス軽減となる要素や、クラウド連携などの使い勝手についても注目しました。
Atlasは仕事や書籍の自炊で20年以上にわたり、さまざまなスキャナを使い続けてきました。その経験をふまえながら、今回の記事を書いています。

1・A4ドキュメントスキャナの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:PFU (ScanSnap)
1-3:キヤノン
1-4:エプソン
2・A4ドキュメントスキャナの比較 (2)
2-1:ブラザー
2-2:PFU〈業務用〉
3・A4ドキュメントスキャナの比較 (3)
3-1:キヤノン〈業務用〉
3-2:エプソン〈業務用〉
4・A4ドキュメントスキャナの比較 (4)
4-1:最終的なおすすめの提案【結論】
記事では、はじめにスキャナーの「選び方の基本」を説明します。
その後、家庭用から業務用の順でメーカーごとの機種を比較します。
速度(仕事時) ★★★★★
速度(自炊時) ★★★★★
画質調整 ★★★★★
重送のしにくさ ★★★★★
色の自動判別 ★★★★★
クラウド対応 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
記事の最後では、これらの評価ポイントをもとに、目的別・価格別に最もおすすめできる製品はどれなのか?について、書いていきます。
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1・ドキュメントスキャナの比較
目的:書類の取込・自炊
画質:標準
速度:20枚/分〜
2・フラットベッドスキャナの比較
用途:書類の取込
画質:普通
速度:1枚ずつ
3・ブックスキャナの比較
用途:非破壊自炊
画質:高い
速度:1枚ずつ
4・書画カメラ型スキャナの比較
用途:非破壊自炊
画質:悪い
速度:普通
5・フィルムスキャナの比較
用途:写真用
画質:最高
速度:1枚ずつ
6・ハンディスキャナの比較
用途:モバイル用
画質:悪い
速度:5枚/分程度
7・A3スキャナーの比較
用途:図面の取込など
画質:普通
速度:普通

このタイプは、自動で原稿を送り込める形式で、自炊や仕事用の書類取り込みに広く利用されています。ニーズが最も多いと考え、初回のテーマとしました。

その他のスキャナ(フラットベッド型、A3タイプ、モバイル用など)については、別の記事で取り上げています。必要な方は上記リンクをお使いください。
よろしくお願いします。
1-1・ドキュメントスキャナの選び方の基本
はじめに、各社のドキュメントスキャナの「選び方の基本」の説明からです。
ドキュメントスキャナを選ぶ際に重要となるのは、以下の3点です。
1・取込速度と解像度
2・重送検知と重送対策
3・画質補正機能
以下、順番に説明していきます。

第1に、取込速度と解像度についてです。
取込速度は、速いほど使いやすい一方で、解像度を高めるほど速度は低下します。
したがって、自分の用途に適した解像度を理解したうえで、その条件でどの程度の速度が出るかを確認することが大切です。
カタログに記載された「取り込み速度」が速くても、それが実際に使いたい解像度で達成される数値かどうかは別問題です。
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Atlasの経験から言えば、用途別に求められる解像度の目安は次の通りです。
解像度の目安
・仕事の資料: 白黒 300dpi
・仕事の資料(OCR用途):白黒 400-600dpi
・ラノベ・コミック:グレースケール 300dpi
・写真集や雑誌:カラー 300dpi
白黒(2値)のビジネス文書は300dpiで十分です。
しかし、OCR処理を行う場合は、400dpi、可能ならば、600dpiを推奨します。日本語の漢字は字形が複雑なため、解像度を高めることで認識率が向上するからです。
カラーやグレースケールについては、業務や自炊でも300dpiあれば実用上問題ありません。
ただし、白黒に比べて情報量が多いため、解像度を上げるとファイルサイズが急激に大きくなり、閲覧端末の性能によってはページ移動が重くなることもあります。
拡大印刷などを前提にする場合は600dpiが望ましいですが、PCやタブレットで閲覧する程度であれば、実用解像度は300dpiでも十分です。
今回の記事では、それぞれの解像度を基準にした取り込み速度を比較していきます。
例として、一般向けに最も売れているScanSnapの最新機(価格:約4.5万円)では、上記のような仕様が標準となっています
この機種を「基準」としつつ、極端に遅い機種については注意点を補足していきます。
第2に、重送検知機能と重送対策です。
重送とは、、セットした用紙が二重に送り込まれてしまう現象で、「ダブルフィード」とも呼ばれます。
自炊の場合は「本の糊残り」、書類の場合は「ホチキスの取り忘れ」れなどが原因となり、実際によく発生します。
そのため、重要になるのが、重送検知と重送対策です。

重送検知機能知とは、搬送不良を検知してスキャナを自動停止させる機能です。
代表的なのが「超音波重送検知」で、複数の紙が同時に送られていないかを超音波で確認します(上図)。
この機能があると、スキャニング中に「見守る」必要がなくなり、並行作業が可能になるため、作業効率は大きく向上します。まさに必須機能といえるでしょう。
最新機種の多くに搭載されていますが、一部の普及機では非搭載のものも残っているため注意が必要です。

重送対策とは、そもそも用紙を二重に送り込まないように設計する仕組みのことです。
ピックアップローラー(紙分離ローラー)の形状や数がポイントで、メーカーごとに精度に差が出ます。

近年は、この分野でも技術革新が進んでいます。
例えば、PFUのScanSnap上位機には、原稿の厚みを判定して分離を補助する「アクティブプレス構造」が採用されています。
エプソンも、ホチキスの取り忘れや、ガラスの汚れを検知する機能を搭載する機種があります。
今後の比較では、こうした各社の重送対策技術の違いにも注目していきます。

第3に、画質補正機能です。
取り込んだ画像を、ソフト的に自動処理する機能性です。
PFU(ScanSnap)は総合的に優れた製品ですが、この分野に限って言えば、エプソンやキヤノンの評価が高いとされています。

特に古い書類を読みやすくする補正処理については、この2社が得意とするところです。追加のソフトを使わず、読み取り後のデータをそのまま活用したい場合は、両社の強みが活きます。

また、エプソンの一部機種には「ガラス汚れ検知」機能が搭載されています。
これは、本の糊残りによるガラス面の汚れが原因で発生する筋状ノイズ(光線)を検知する機能です。画像補正の前段階でトラブルを防げるため、自炊用途には特に有効です。
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以上、ドキュメントスキャナーの「選び方の基本」を3点説明しました。
なお、このほかにも、センサーの種類(CIS・CCD)や、カラー/白黒原稿自動判定機能など、補足すべき要素は多くありますが、それらは本編で順に取り上げます。
1・A4ドキュメントスキャナの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:PFU (ScanSnap)
1-3:キヤノン
2・A4ドキュメントスキャナの比較 (2)
2-1:エプソン
2-2:ブラザー
2-3:PFU〈業務用〉
3・A4ドキュメントスキャナの比較 (3)
3-1:キヤノン〈業務用〉
3-2:エプソン〈業務用〉
4・A4ドキュメントスキャナの比較 (4)
4-1:最終的なおすすめの提案【結論】
なお、A4ドキュメントスキャナは数が多いので、4回連続記事で進めます。
はじめに、個人用・家庭用といえる比較的安い機種をメーカーごとに見たあとで、業務用・仕事用といえるモデルをみていきます。
よろしくお願いします。
1-2・PFUのスキャナ〈家庭用〉

はじめに、PFUのスキャンスナップシリーズの紹介からです。
ScanSnapは、はPFUの家庭向けブランドで、手軽に使えるドキュメントスキャナとして人気があります。PFUはかつて富士通の子会社でしたが、2023年に事業譲渡が行われ、現在はリコーブランドとして販売されています。
なお、10万円以上の業務用モデルも多数ありますが、それらは第2回の記事で改めて扱う予定です。
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なお、以下の本文では、いつものように、高評価できる点については赤系の文字色で、イマイチな点については青字で書いていきます。

【2025年発売】(加筆予定あり)
Windows 7〜11 Mac 10.15〜15
1・リコー PFU ScanSnap iX2500 FI-IX2500BK
2・リコー PFU ScanSnap iX2500 FI-IX2500W
¥56,350 Amazon.co.jp (8/26執筆時)
センサー:CIS
原稿枚数:100枚まで
重送検知:超音波式
原稿保護:
自動色判別:カラー・黒・グレー
接続:USB・Wi-Fi 6
収納サイズ:幅292x高さ159x奥行161mm
ix2500シリーズは、PFUの販売するScanSnapのA4フラッグシップモデルです。
後ほど見る業務用(Fiシリーズ)もありますが、ScanSnap系だとハイエンドになります。

本体サイズは、収納時に幅292x高さ159x奥行161mmです。
同社の従来機(FI-IX1600)とほぼ変わらず、置きやすい特長はそのままです。
展開するとある程度の大きさになりますが、少量の取り込みであれば排紙受けを畳んだまま机上に常設することも可能です。

スキャン速度は、上表の通りです。
300dpiの速度は、カラー・グレー・白黒にかかわらず45枚/分と高速です。
600dpiの速度は、カラー・グレーは並ですが、白黒が45枚/分と他社よりも突出して優れています。
600dpi(白黒)はOCRに適した解像度であり、ScanSnapの速度性能は大きな利点です。ただし、ここには注意が必要です。
PFUの速度表記は独特で、「白黒」に限って「600dpi相当」と表記されます。他社機やPFUの他シリーズではこのような表現は使われていません。そのため、他社機との比較を行う際は、この点を理解しておく必要があります。

ScanSnapでは、白黒2値を選んだ場合、ドライバが内部処理で解像度を300dpiから600dpiに関数計算でアップスケーリングします。具体的には「バイリニア法」と呼ばれる処理です。
上図は、Atlasが300dpiの文字フォントをバイリニア法で「600dpi相当」にアップスケーリングしたものです。
この方法では、文字のギザつきが減少し、見た目の滑らかさは向上します。一方で、全体的にややぼやけた印象となり、真の600dpiスキャンには及びません。
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結論的にいえば、ScanSnapの「600dpi相当」とは「他機の300dpi」より画質は良いが、「他機の600dpi(あるいは400dpi)」より劣るという中間的な品質に位置づけられます。
効果は一定の意味がありますが、数値上は「600dpi」として直接比較するのは公正ではありません。そのため、本記事では「相当」処理を適用する前の元の数値を基準に比較します。
上図は、今回の基準に則し「相当」ではない場合の本機の速さです。
「相当」でない場合の速度でも家庭用のの平均値を上回っています。
OCR用途で用いる白黒600dpiの数値は「相当」表記よりは落ちるものの、ScanSnapは依然として速度性能に優れる機種といえるでしょう。

原稿分離の性能は、問題ない水準です。
分離性能が不足すると、原稿がうまく1枚ずつ送られず、ページ抜けや紙詰まりの原因となります。
しかし、PFUは「フィードローラー」と「リタードローラー(ブレーキローラー)」を組み合わせる方式を採用しています。これは業務用機にも使われる業界標準の仕組みで、確実に1枚ずつ紙を分離できます。

重送検知機能は、超音波重送検知(超音波方式マルチフィードセンサー)が搭載されています。
この機能がない場合は、ダブルフィードが起きていないか、目視で監視する必要がありますが、本機では不要です。最近ではモバイル機を除き、多くのスキャナが標準搭載しています。
そのほか、長さ検知も利用可能です。

原稿自動判別機能は、カラー・グレースケール・白黒の自動判別機能をフル搭載しています。
例えば、ラノベなどでカラーページとモノクロページが混在する原稿を取り込む場合に便利です。
ただし、判別精度は各社共通して完全ではなく、現行技術では誤判定を避けきれません。そのため、必須というより補助的な機能と考えるのが妥当です。

給紙可能枚数は、100枚(80g/m2紙)まで給紙可能です。
業務用の専門機を除けば、かなり多めです。
他社機と比べると、レシートや名刺用のガイドも搭載されます。レシートの電子化・整理を考えている事業者には便利な仕様です。
なお、A4以上の原稿も折り曲げればスキャンして自動合成できますが、手での1枚差しになります。
搭載されるセンサーは、CISセンサーです。
CISは読み取り時に反射光の影響を受けやすく、カラー原稿の再現性ではやや不利です。
ただしモノクロやグレースケールでは問題なく、カラーも一般的な用途であれば実用上支障はありません。

ドライバーは、業界標準規格のTWAINやISISに非対応で、独自規格のみとなっています。
例えば、OCRソフトや、Adobe CCなど外部アプリから直接スキャナを操作して取り込むことはできません。オフィスソフトなど、同社がリストで示す連携ソフト(こちら)のみ連携対応です。
画像処理技術は、基本的な装備はしっかり備えます。
取り込む際の原稿の傾きを修正する自動傾き補正機能と、簡易的な「裏写り除去機能」、糊跡による「縦筋軽減機能」などです。
また、写真のモアレ防止処理(クリアイメージキャプチャ)も今回から対応です。
一方、古い原稿や状態の悪い資料類の補正技術は、エプソンやキヤノンに比べて弱い部分です。

ネットワーク機能は、しかし、最大の特長です。
5インチの静電容量方式のタッチパネルを搭載し、スキャナ本体の操作だけでWi-Fi(Wi-Fi6)経由でPCなどにデータを転送できます。WPA3にも対応なので、セキュアな通信も可能です。
接続は、従来通りUSBでも対応です。
また、今後のアップデート(2025年秋)からは、NAS(ネットワークHDD)への直接保存にも対応できるようになります。検索可能なPDF(透明PDF)もNASに保存できます。
なお、NASの詳しい仕組みは、このブログの【NAS(ネットワークストレージ)の比較記事】をご覧ください。

クラウド連携は、Evernote・ドロップボックス・Googleドライブ・One Driveど主要なサービスを網羅しています。
こうした部分は他社機も備えるモデルがありますが、他社製品でも同様の機能を持つモデルはありますが、ScanSnapは特に会計ソフトや名刺管理ソフトとの連携が強みです。
Concur Expenseや弥生会計など、業務や経理向けのクラウドサービスに幅広く対応しており、アウトソーシング系サービスの利用面では他社を上回ります。

クラウド転送は「ワンタッチ」で可能です。
仕組みとしては、まずPFUが提供するScanSnap Cloudにデータを送り、そこから自動的に各クラウドサービスへ振り分けます。メール転送にも同じ仕組みが利用されます。

スマホ・タブレットでの利用は、モバイルアプリ(モバイル版ScanSnap Home)を利用します。
2024年以前の「ScanSnap Connect Application」とは異なり、モバイルからでも傾き補正などが可能になりました。透明PDF(検索可能なPDF)も対応です。
ただし、原稿種自動判別は利用できず、PC版と比べて一部機能差があります。利用を想定する方は、PFUの説明(こちら)を確認してください。

一方、モバイルアプリ化して設計自由度が上がったためでしょうが、スマホ、タブレット上の「いつもの設定」が、即時で反映される仕様になりました。職場での共用には便利です。
このほか、スマホをかざすだけで接続できる仕組みもアップデートで対応予定とのことです。

自動振り分け機能も、注目点です。
取り込みサイズをもとに、レシート・名刺・文書・写真を判別して、対応クラウドサービスに自動的に転送させることが可能です。
さらに、月500ページまでの制限付きながら、ScanSnap Cloudで自動OCR化サービスも利用できます。精度は専門ソフトに及びませんが、簡易的な検索には十分役立ちます。

添付されるソフトは、PDF編集ソフトとしてKofax Power PDF Standard 4が付きます。
従来機に添付されていたNuanceの製品と同じですが、買収の関係で名前が変わりました。
基本的なPDF編集機能は備えるため、ワンポイントといえます。
さらに、ScanSnap専用にカスタマイズされたOCRソフト ABBYY FineReader for ScanSnap も付属します。ただし、こちらはライト版で、日本語認識には対応するものの、用語辞書がなく専門ソフトに比べ性能は劣ります。
OCR精度を重視する場合は、専用の上位ソフトを導入するのが望ましいでしょう。
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以上、PFUの FI-IX2500の紹介でした。
本機は作りが堅実で、安定して取り込める技術も備えており、最も売れている理由がよく分かるモデルです。
とくに、個人事業主などでクラウドを活用して会計や名刺整理を行う場合には、レシートや名刺用のガイド、自動振り分け機能が大きな利便性を発揮します。そのため、バックオフィス業務における経費節減効果は高いと考えられます。
一方で、自炊用途については、取り込み速度が十分であるとはいえ、特化した強みはあまり見られません。
特に画像処理の面ではそう言えます。通常の書籍取り込みで問題になることは少ないものの、黄ばみが目立つ古い原稿や破れかけの状態が悪い原稿を扱う場合には、他社機種もあわせて検討するのが良いでしょう。
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なお、ScanSnapは以下のような、旧機、下位機があります。
違いを順番にみておきます。

【2023年発売】
Windows 7〜11 Mac 10.12〜15
3・リコー PFU ScanSnap FI-IX1600A
4・リコー PFU ScanSnap FI-IX1600ABK
¥53,113 Amazon.co.jp (8/26執筆時)
センサー:CIS
原稿枚数:50枚まで
重送検知:超音波式
原稿保護:
自動色判別:カラー・黒・グレー
接続:USB・Wi-Fi
収納サイズ:幅292x高さ152x奥行161mm
第1に、ix1600シリーズです。
FI-IX2500の旧機にあたります。
本体サイズは、収納時に幅292x高さ152x奥行161mmです。
新機種とそこまで変わりません。
ただ、現行の給紙が50枚と半減するか、レシートや名刺用のガイドが旧仕様になります。

スキャン速度は、先述のように、新機種だと、300dpi45枚/分でした。
旧機だと40枚/分と5枚だけ少ない仕様です。
そこまで違いはないとは言えますが、今回プロセッサ(Soc)の更新があったので、ネット利用や、起動速度その他を含めると、速度面の仕様差はあります。
原稿分離・重送検知・現行犯別は、新機種とかわりません。
画像処理技術も、モアレ防止がない程度でほぼ同じです。
あとは、スマホ利用時に、縦筋軽減が利用できない点、無線LANがWi-Fi5になる点が目に付く違いです。
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結論的にいえば、十分な実用水準はありますが、すでに新機種とそこまで価格差がない状況です。
現状の価格差ならば、新機種が良いでしょう。
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【2023年発売】
5・リコー PFU ScanSnap FI-iX1400A
¥39,800 Amazon.co.jp (8/26執筆時)
センサー:CIS
原稿枚数:50枚まで
重送検知:超音波式
原稿保護:
自動色判別:カラー・黒・グレー
接続:USB
収納サイズ:幅292x高さ152x奥行161mm
第2に、iX1400(FI-IX1400)シリーズです。
このグレードの「廉価版」です。
搬送速度はix1600と同じです。
しかし、液晶パネルとWi-Fi未搭載で、USB接続でPCから操作が前提になります。
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結論的にいえば、常設はせず使う際にだけたまに出して使うならば、価格面で選択肢にはなるいでしょう。
ただ、やはり、ネットワーク面の使い勝手がScanSnapの特長ですから、あえて「ScanSnap」である必要性は低くなると言えます。
この仕様で良い場合、後ほど見るような他社機との比較は重要でしょう。

【2023年発売】
Windows 7〜11 Mac 10.13〜15
6・リコー PFU ScanSnap FI-IX1300A
7・リコー PFU ScanSnap FI-IX1300ABK
¥31,700 Amazon.co.jp (8/26執筆時)
センサー:CIS
原稿枚数:20枚まで
重送検知:長さ検出
原稿保護:
自動色判別:カラー・黒・グレー
接続:USB・Wi-Fi
収納サイズ:幅296x高さ114x奥行87mm
ScanSnap iX1300は、PFUが「A4エントリーモデル」として発売しているコンパクトなスキャナーです。

収納時サイズは、幅296x高さ114x奥行87mmです。
ここまで紹介した上位機種より小型です。
在宅のテレワーク用、あるいは、カウンター業務用にだしてきたコンパクト機です。

排紙も、後ほどみるキヤノン機にもありますが、上面給紙・上面排紙のUターンスキャン(左図)なので、小机でも置きやすいメリット性があります。
名刺やカードのスキャン時には、カバーを閉じた状態で、1枚ずつリターンスキャン(右図)もできるので、カウンター業務にも便利です。

スキャン速度は、先述のように、ScanSnapは、白黒はバイリニア法の圧縮をしますので、カタログでは「相当」表記です。
上表は、その補整を除いた場合の速度です。
小型機にしてはそれなりに高速といえます。
給紙可能枚数は、最大20枚(80g/m2紙)までです。
小型機なので、やはり多くはないです。
重送検知機能は、本機の問題点と言えます。
重送検知が低性能の「長さ検知」だけで、業界標準の超音波重送検知が未装備だからです。
この点で言えば、本機は、、基本的には、一度に数枚程度しか処理しない方が、「詰まったら、やり直したら良い」と割り切って使うべきモデルです。

一方、本機は、(小型)モバイルスキャナ用の搬送系で、パッドユニット(左図)で分離する方式です。
ローラーを2つ利用する方式よりやや分離性能が劣るほか、さほど高くない(1000円強)ものの、交換周期が3万枚とローラーの1/3程になります。
原稿自動判別機能は、カラー・グレースケール・白黒の自動判別機能をフル搭載します。 画像処理技術は、先ほどみた下位機と基本的に同じです。
ドライバーも、同様です。

ネットワーク機能は、本機は、USBほか、Wi-Fiを装備します。
そのため、クラウドへの転送、スマホでの処理など、FI-IX1600同様に便利に使えます。
ただ、液晶パネルは未付属となるので、本機だけでスキャン操作をすることは想定していません。テレワークやカウンター業務用なので、問題ないでしょう。
添付されるソフトは、本機は、OCRソフトの「ABBYY FineReader for ScanSnap」のみの付属となります。
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以上、PFUのFI-IX1300の紹介でした。
超音波重送検知がないので、自炊など一度に多くの枚数を処理するには、不適当な機種です。
ただ、(簡単な)カウンター業務や、家庭で小枚数処理したい場合の格安機としてはプレゼンスがあります。
あまり費用をかけずこうした用途で導入したい場合、選択肢にできるでしょう。ただし、ブラザーも同型のコンパクト型を出しているので、比較は必要です。後ほどみる予定です。
1-3・キャノンのスキャナ〈家庭用〉

続いて、キャノンのドキュメントスキャナです。
スキャンスナップのライバルとして、古くからこの分野のスキャナ製品を出してきました。

【2018年発売】
Windows XP〜11 Mac 10.8〜15
8・Canon imageFORMUL DR-C225 II
¥35,966 Amazon.co.jp (8/26執筆時)
センサー:CIS
原稿枚数:30枚まで
重送検知:超音波式
原稿保護:
自動色判別:カラー・黒・グレー
接続:USB
収納サイズ:幅300x高さ220x奥行156mm
DDR-C225 IIは、キャノンのドキュメントスキャナです。

本体サイズは、幅300x高さ220x奥行156mmです。
数字で言えば、ScanSnapとあまり変わりません。

しかし、ラウンド方式のスキャン構造を採用しているので、排紙受けを前に出さなくても良い構造です。
デスク上で10枚以上の原稿をスキャンすることが多い方には、邪魔にならずに利用しやすいと言う点で良い機種です。

スキャン速度は、上表の通りです。
速度的に言えば、よく使う300dpiで速度が平均値以下です。
600dpiの高解像度は、カラーにが非実用的速度と言えます。

原稿分離の性能は、こちらも「フィードローラーとリタードローラー」を組み合わせる方式です。
重送検知機能も、ScanSnapと同じく超音波重送検知機能が付属しており、安心です。

給紙可能枚数は、注意が必要です。
省スペースモデルであるため、30枚(80g/m2紙)のみの給紙となります。
その点で、本のように大量の原稿を取り込む用途にはやや不利です。
原稿自動判別機能も、Windowsについては、ScanSnapと同じく、カラー・モノクロ・グレースケールの自動判別機能を持ちます。
ただ、Macの場合は、カラーとモノクロの判定だけと、実用性が低いです。
搭載されるセンサーは、CISセンサーです。
CCDセンサーは最近は格安機では全くなくなっています。

画像処理技術は、PFUのScanSnap系より上回ります。
とくに、白黒2値で取り込む場合について利用できる、「テキストエンハンスドモード」は便利です。
例えば、コピーした原稿などで、端に「黒つぶれ」があったり、文字に汚れがかかってしまっている場合、ScanSnapなどでは綺麗に仕上がりません。
この状態だと、取り込んでもOCRソフト(=テキスト検索可能にするソフト)を利用できません。

しかし、テキストエンハンスドモードを使うと、ほぼ枠や汚れを消した状態で取り込んでくれます。
OCR化を前提にスキャナニングをする研究者にとって、この補整機能の搭載は大きいです。
たしかに、Photoshopで後で加工し直すことも不可能ではなです。しかし、作業に費やすべき時間を考えると非現実的です。
また、黄ばんだ古い原稿の補整にも有効なので、日焼けした大量の古書を処理する場合などにも有効です。

そのほか、PFUのScanSnapにも搭載される自動傾き補正機能・裏写り除去機能が付属します。
さらに、原稿への赤ペンでの書き込みを自動的に消去してくれる「赤色除去機能」や、ファイルの綴じ穴の後を自動的に消してくれる機能など、「かゆいところに手の届く」機能も満載します。
ドライバーは、TwainとiSISに対応します。
そのため、Adobeのillustratorなど、他社ソフトとの連携も問題ありません。
ネットワーク機能は、未搭載です。
最近まで、本機をベースにWi-Fiも搭載した兄弟機DR-C225W IIがあったのですが、販売終了になりました。
液晶パネルがなかった部分もあり、早期終了になったのだと思います。
添付されるソフトは、特に注目するべきものはありません。
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以上、キャノンの DR-C225W IIの紹介でした。
基本的に、スペース的な利点を重視して買う機種です。
画像補正は魅力ですが、原稿の給紙枚数は少ないです。
この点で言えば、卓上における小型機種でできるだけ性能の良いものを探しているオフィスワーカーや、短い論文のコピーがたくさんある研究者の方など、本機が向く方は限定的かと思います。
【2023年発売】
Windows 10〜11 Mac 11-15
9・Canon imageFORMULA R30
¥33,975 Amazon.co.jp (8/26執筆時)
センサー:CIS
原稿枚数:60枚まで
重送検知:長さ検知
原稿保護:
自動色判別:カラー・黒・グレー
接続:USB
収納サイズ:幅293x高さ245x奥行251mm
imageFORMUL R30も、キャノンのドキュメントスキャナです。
同社の家庭用では、久しぶりの新製品でした。
本機は(同社のモバイルスキャナのように)「ドライバーレス」で運用できる点に一定の特長がある機種です。

本体サイズは、幅293x高さ245x奥行251mmです。
先ほどの機種と違って、一般的な「ドキュメントスキャナ」の形状です。

スキャン速度は、上表の通りです。
なお、600dpiのデータは非公開です。従来機のスペックからの推定ですが、仕組み上そう誤差はないかなと思います。
いずれにしても遅いです。200dpiでも最大25枚なので、速度を重視した新機種ではないです。

原稿分離は、「フィードローラーとリタードローラー」を組み合わせる方式です。
重送検知機能は、はっきりとした問題点です。
こちらは、超音波重送検知がないです。
原稿の「長さ検知」でみるだけ方式なので、原稿分離が全くできていない場合検知がされません。
今どきの製品とは思えませんが、それゆえに「速度を落とした(あげれなかった)」ような気配はあります。
給紙可能枚数は、60枚(80g/m2紙)です。
同社の上位機と同じで、他社機より多めです。
原稿自動判別機能は、本機も、カラー・モノクロ・グレースケールの自動判別機能を持ちます。
搭載されるセンサーは、こちらも、CISセンサーです。

ドライバーは、冒頭ふれたように、本機は「ドライバーレス」です(プラグアンドスキャン)。
正確には、USB端子をPCに挿した際、スキャナ内蔵のストレージにあるドライバソフト経由で(PCインストール不要で)利用できる形式です。
新OSの更新が不安に感じますが、内蔵メモリのドライバを新しく書き換えれば、この部分は問題ないという仕組みです。
同社のモバイル用のスキャナと同じものです。
ただ、本機は環境による速度低下の可能性の註記があります。
OSは今どき(ほぼ)64bitでしょう。同じドライバを利用する他機(モバイルスキャナ)も同じ註記なので、ドライバーレス仕様の限界なのかと思います。
画像処理技術は、本機も良いです。
本機の場合、ドライバーは「CaptureOnTouch Lite」いう名前です。
他機は「CaptureOnTouch」ですが、ドライバーによる画像処理の部分で「ライト版」的な要素はないです。
本機のドライバーは、同社のモバイル用と同じものなのですが、要するに、ネットワーク(クラウド)部分の対応ができない仕様になるだけです。
ネットワーク機能は、したがって、未搭載です。
添付されるソフトは、特に注目するべきものはありません。
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以上、キャノンの imageFORMUL R30の紹介でした。
良かれ悪しかれ「ドライバーレス」を評価できるかどうか、という製品です。先述のように、重送検知や速度に「課題」あるので、一般向きではないでしょう。
持ち歩くには大きく重いですし、モバイルスキャナと違い、電源はとる必要もあるので、あまりおすすめな用途が思いつかない感じの製品です。
あえて言えば、企業や学校内の備品として「貸し出し用」にする感じならば、ニッチなニーズはあるのかなとは思います。

Windows 7〜11 Mac 10.11〜15
【上位機種】【2015年発売】
10・Canon imageFORMULA DR-C240
¥54,581 Amazon.co.jp (8/26執筆時)
【下位機種】【2019年発売】
11・Canon imageFORMULA DR-C230
¥34,890 Amazon.co.jp (8/26執筆時)
センサー:CIS
原稿枚数:60枚まで
重送検知:超音波式
原稿保護:
自動色判別:カラー・黒・グレー
接続:USB
収納サイズ:幅291x高さ231x奥行253mm
DR-C240は、キヤノンの上位機種です。
なお、後から下位機種となるDR-C230が追加発売されました。
両社は速度が違いますが、本体は同じなので、同時に見ていきます。

本体サイズは、幅291x高さ231x奥行253mmです。
先ほどみた機種と似た形状です。
ただ、ラウンドスキャンは採用されず、排紙トレイを前に出す形状なので、使用時にはScanSnapほどの面積は必要です。

上位機は、価格的には、ScanSnapのライバルとなる機種です。
スキャン速度は、上表の通りです。
300dpiは、十分に実用水準でしょう。グレースケールは特に数値が良いです。
600dpiも、激しく劣るカラーの数字以外は、わりと良いといえます。

下位機は、白黒.・グレースケールの300dpiの数字が遅くなります。
600dpiの場合は、変わらないです。
上位機は、ビジネスニーズに合うよう調整してあるのでしょう。
ただ、個人用と考えると、値段差ほどの性能差はないので、下位機種でも良いかと感じます。
原稿分離の性能や重送検知機能は、同社の下位機種と同水準です。
問題ないです。

給紙可能枚数は、60枚(80g/m2紙)まで給紙可能です。
5万円以下で購入できるスキャナーでは、最も多くセットでき優秀です。
原稿自動判別機能も、カラー・モノクロ・グレースケールの自動判別機能を持ちます(Windows)。
搭載されるセンサーは、CISセンサーです。
カラーが苦手ですが、通常の読み取りで差を感じる機会は少ないでしょう。

画像処理技術は、下位機種同様に優秀です。
古い原稿や黄ばんだ原稿の白黒2値化に有利な「テキストエンハンスドモード」などが採用されます。キヤノンは、このあたりの技術は高いです。
ドライバーは、TwainとiSISという標準規格に対応になります。
ネットワーク機能は、未搭載です。
USB接続のみとなります。
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以上、キヤノンのDR-C240とDR-C230の紹介でした。
速度的には、いずれもカラー原稿に少し弱いと言えると思います。
ビジネス用であまりカラーを重視しない場合に良いでしょう。給紙可能枚数も60枚と多めですし、ストイックな「仕事用」として便利に思います。
1-3・エプソンのスキャナ〈家庭用〉

続いて、エプソンの一般向けのドキュメントスキャナーの紹介です。
ドキュメントスキャナの参入は、キャノン・PFUより遅かった企業です。
ただ、もともと光学技術の蓄積があったからか、最近では、かなり優秀なモデルを出します。

Windows XP〜11 Mac 10.6〜15
【2020年11月発】
【Wi-Fiあり】
12・EPSON スキャナー DS-571W
¥43,563 Amazon.co.jp (8/26執筆時)
【Wi-Fiなし】
13・EPSON スキャナー DS-531
¥38,780 Amazon.co.jp (8/26執筆時)
センサー:CIS
原稿枚数:50枚まで
重送検知:超音波式
原稿保護:ホチキス/ガラス汚れ検知
自動色判別:カラー/黒・カラー/グレー
接続:USB・Wi-Fi
収納サイズ:幅296x高さ176x奥行169mm
DS-571とDS-531は、エプソンの入門用のシートフィードスキャナです。
本機には、Wi-Fiが省略となる DS-531という下位機種もあります。
他の部分は同じですので、同時に見ていきます。

本体サイズは、幅296x高さ176x奥行169mmです。
ライバルと言えるScanSnap ix1600と、さほど変わらないと言えます。
またキャノンの入門機と違って、ラウンドスキャンではないので、本格的な利用時は、排紙トレイを前に出すタイプです。

スキャン速度は、以上の通りです。
300dpiは、実用上スキャンスナップと同等に見て良いでしょう。
600dpiは、カラー・グレー・白黒とも、スキャンスナップより良いです。
ただ、EPSONについては、600dpiの実測値が非公開で、1lineあたりの速度(msec/line)からの換算です。
処理面は未考慮ですので、環境によっては数字よりやや遅くなるかと思います。

ただ、EPSONは白黒400dpiも選択可能です(カラー・グレーも可)。
OCR(原稿のテキスト化ソフト)を高度に利用する場合でも、400dpiで足ります。
その場合(先述の換算式で)速度的に20枚/40面前後になりますし、実用性はあるでしょう。
結論的にいえば、この価格帯の製品の中で、本機は「速度面ではかなり優秀」です。

原稿分離の性能も、ワンポイントがあります。
本機は、DS53RKIT1という幅広形状の新型ローラーを採用します。
分離性能が良いので、従来よりも薄い紙でも対応できるようになったほか、高速読込でも重送が生じにくくなっています。

重送検知機能は、超音波重送検知機能に加えて、長さの違いで感知できる機能も搭載です。
その上で、エプソン機の場合、ホチキス留めの用紙を誤ってスキャンした場合に動作を止める「原稿保護機能」と、ガラス面に糊などが付着して汚れている場合に警告する「ガラス汚れ検知」があります。
この2つの機能は、2020年モデルから搭載されたものです。仕事はもちろん、自炊ユーザーにも「便利」と思えるだろう新機能です。
原稿保護機能は、感度の調整が可能です。

給紙可能枚数は、50枚(80g/m2紙)までです。
サイズ的にはキャノンの上位機よりも多少少ない枚数で、ScanSnapと同等です。

原稿自動判別機能は、仕組みが他社と少し異なります。
本機は、カラー/モノクロ判別か、カラー/グレースケール判別かをあらかじめ選ぶ形式です。
個人的には、自炊時に、白黒とグレーは併用したくない(文字の色合いが変わる)のでこの仕様で問題ないです。白黒2値とグレースケールの判別が「マスト」の場合は、注意してください。
搭載されるセンサーは、本機もCISセンサーです。
CCDセンサー採用機は、もう少し価格が高くないと最近はありません。

ドライバーは、Twainに対応します。
ISISは未対応ですが、さほど困らないでしょう。
画像処理技術は、キャノン同様に、オリジナル機能も目立ち、魅力的です。
一方、白黒2値でのスキャンの場合は、テキストエンハスドモードに値する「文字くっきり機能」があります。ただ、この部分の精度は、(Atlasが試した限り)キヤノンの方が良いように思います

さらに、例えば、以前紹介したAmazonのKindleに向いた白黒2値のPDFファイルを作る場合、白黒画像の部分と、文字の部分の領域を認識し、それぞれに最適な読み取りをする機能も付属します。
このほか、傾き補正など、他社で一般的な機能はほぼ網羅されており、機能は優秀です。

ユーティリティソフトは、Document Capture Proです。
ユーティリティソフトは、スキャンから、ドライバによる画像補正、ファイルとしての出力までを行う「総合ソフト」のことです。
ドキュメントスキャナの場合、ドライバ(ソフト)区分がない機種も多いですが、エプソンは分けています。
わりと高度で、書類の処理法をフロー化して自動処理できるほか、フォルダほか、メールや、クラウド上への転送まで自動化できます。

一方、Mac用は(Proのつかない)Document Captureですが、ジョブ登録などは可能です。
取り込んだデータを、指定枚数ごと分割したり、白紙を挟んで分割、バーコードの挿入、指定した場所の文字列をファイル名にするなど、(高度に)業務用な自動化がMacだとできないだけです。
ドライバー(Epson Scan2)自体は、MacもWindowsも同じなので、繰り返しますが、画像処理部分は、Macでも同じにできます。
ネットワーク機能は、上位機の DS-571WのみにWi-Fiが付属します。
基本は無線LANルーター経由ですが、アドホックに直接PCとつなげることも可能ですので、職場などのルーターが使えない環境でも使えます。
スキャン操作・転送は、ただし、液晶ディスプレイがないため、操作・設定は、PC/Macか、スマホを利用する必要があります。
正確に言えば、ネットワークインタフェースユニット(DSBXNW1)を購入すれば可能ですが、3万円近いので、費用対効果は悪いでしょう。

クラウド連携は、多少注意が必要です。
というのも、こちらは、クラウドサービスとの直接的な連携ができないからです。
つまり、PCやスマホのソフトに1度取り込んだ後で、これらのサービスにつなげる方式です。

PCの場合、先述のDocument Capture Proを経由すれば、 クラウド転送までのフローの自動化はできますが、スキャナ単独でのクラウド転送には非対応です。
また、「Evernote・Google Drive・SugarSync」のみ対応で、DropBoxが非対応である部分を含め、大手サービスへの対応数は少なめです。

スマホ・タブレットでの利用は、iOS、Android向けの無料アプリEpson Smart Panelを利用してスキャニングする形です。
それらを介して、DropboxやEvernoteなどクラウドに転送させることもできます。
ただ、PCやスマホを介さないで、直接クラウドにアップロードすることは不可能です。

付属するソフトは、やさしく名刺ファイリングエントリー5です。
メディアドライブがだす、同名の名刺管理ソフトのエントリー版です。
名刺限定でOCR処理でテキストにするWindows専用ソフトです。
ScanSnapと比較すると、専門的なPDF自体の編集ソフトが付かない構成です。
ただ、先述のユーティリティが多機能ですし、総じて言えばソフト面が他社機より弱いとも言えない側面はあります。

EPSON DS53FBDOCK
¥12,575 Amazon.co.jp (8/26執筆時)
その他の部分では【フラットベッドスキャナの比較記事】で紹介した、原稿台タイプのGT-S650とドッキング運用できる部分がユニークです。ただし、上記のアダプタが必要です。
同じドライバーで動作しますし、カウンター業務などの省スペース化には結構良いでしょう。
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以上、エプソンのDS-571とDS-531の比較でした。
本機の元となった期待は2016年になった製品ですが、とくに、原稿保護の部分で追加された2機能は、ドキュメントスキャナの本質的な部分の改良と言え、高評価できます。
エプソンは、ローラーの工夫や「低速モード」を持つなど、状態の悪い古い原稿や、規格外の薄い用紙の対応度が高かったのですが、今回の改良で、「より優しくなった」と言えます。
難点は、個人向きには、付属ソフトの部分でしょうが、OCRソフトなど、単品ソフトで買った方が性能はよいわけで、あまり問題にならないでしょう。
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【2023年発売】
【上位機種】
・エプソン DS-C480W
¥44,000 Amazon.co.jp (8/26執筆時)
【下位機種】(液晶なし)
・エプソン DS-C420W
¥32,000 Amazon.co.jp (8/26執筆時)
センサー:CIS
原稿枚数:20枚まで
重送検知:超音波式
原稿保護:ホチキス/ガラス汚れ検知
自動色判別:カラー/黒・カラー/グレー
接続:USB・Wi-Fi
サイズ:長さ29.5×高さ12.5×奥行 10.4cm
なお、エプソンは、もう1サイズ「小さな」ドキュメントスキャナを出します。

スキャン速度は、サイズ感からすれば速いので、今回の記事で紹介してもよいように思いました。

しかし、重さも1.9kgで、サイズも小型であり、かつ、Uターン排紙で、原稿台は「20枚まで」なので、【モバイル用スキャナーの比較】のほうで、比較することにしました。
とくに業務用に考えている方で、先ほどの機種が「すこし大きめ」に感じている方は、こちらも合わせて考えても良いかと思います。
重送検知ほか、ガラス汚れ・ホチキス検知も装備し、搬送性能も良い小型機です。
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そのほかエプソンは、FF-680Wという製品も人気です。
ただ、写真取り込みに特化したスキャナーなので、【フィルムスキャナの比較記事】のほうで詳しく紹介しています。
次回につづく!
ドキュメントスキャナのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回はA4ドキュメントスキャナの比較の1回目記事でした。
しかし、記事は、まだまだ「続き」ます。

2・A4ドキュメントスキャナの比較 (2)
2-1:ブラザー
2-2:PFU〈業務用〉
3・A4ドキュメントスキャナの比較 (3)
3-1:キヤノン〈業務用〉
3-2:エプソン〈業務用〉
4・A4ドキュメントスキャナの比較 (4)
4-1:最終的なおすすめの提案【結論】
続く、2回目記事(こちら)は、ブラザーの一般機をみたあと、PFUの業務用を観ていきます。
業務用は、個人でも「速度」が欲しい場合は要注目です。また、単純に速度が速くなるだけでなく、重送検知など機能面で充実した機種も多いです。
速度(仕事時) ★★★★★
速度(自炊時) ★★★★★
画質調整 ★★★★★
重送のしにくさ ★★★★★
色の自動判別 ★★★★★
クラウド対応 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、「結論編」となる4回目記事(こちら)で、目的別・予算別に、Atlasのおすすめ機種を提案していきます。
ひきつづき、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら!
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