【今回レビューする製品】2023年 小型モバイルスキャナ・ハンディスキャナ・ポータブルドキュメントスキャナの性能とおすすめと選び方・機種の違いと性能ランキング Mac OS・ Windows11対応
【比較する製品型番】ブラザー MDS-940DW Canon imageFORMULA R10 JPN PG DR-P215II DR-P208II 富士通 ScanSnap iX100 FI-IX100A iX100 FI-IX100B FI-IX100BW エプソン DS-C480W DS-C420W DS-360W DS-310 DS-40 ES-50 ES-60WD ES-60WW P-215II P-208II
今回のお題
小型軽量なモバイルスキャナのおすすめはどの機種?
どもAtlasです。
今日は、2023年5月現在、最新のモバイル用のドキュメントスキャナの比較です。
基本となるスキャン速度はもちろん、モバイル性(重さ)や、紙送り性能にも注目しながら、最新機種を比較します。
サイズは、ガジェット的に持ち運べる「超小型・軽量スキャナ」から、いわゆる「社内モバイル用」といえる(少し)「小型スキャナ」までの範囲を扱います。
1・モバイルスキャナの比較 (1)
1-1:選び方の基本の紹介【導入】
1-2:キヤノン
1-3:富士通〈ScanSnap〉
1-4:エプソン
1-5:ブラザー
2・モバイルスキャナの比較 (2)
=最終的なおすすめの提案【結論】
記事では、はじめに「選び方の基本」を説明したあと、以上のようなメーカー順に、各社のモバイルスキャナーを全機種、比較していきます。
スキャン処理 ★★★★★
携帯性 ★★★★★
ネットワーク ★★★★★
画像補正 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
そして、最後の「結論」では、上表のような観点から、目的別・用途別にAtlasのおすすめ機種を提案する形式で書いていきます。
長い記事ですが、よろしくお願いします。
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1・ドキュメントスキャナの比較
2・フラットベッドスキャナの比較
3・ブックスキャナの比較
4・書画カメラ型スキャナの比較
5・フィルムスキャナの比較
6・ハンディスキャナの比較
7・A3スキャナーの比較
なお、今回の記事は、このブログ「家電批評モノマニア」のスキャナー関連記事全体の6回目記事として書きました。
1-1・モバイルスキャナの選び方の基本
1・本体のサイズ
2・取込速度と解像度
3・重送検知と重送対策
4・画質補正機能
はじめに、モバイルスキャナの「選び方の基本」の説明からです。
このジャンルのスキャナの場合、最も重要と言えるのは、以上の4点です。
以下、順番に説明していきます。
1・本体サイズ

第1に、本体サイズです。
モバイルスキャナは、同じジャンルでも「2系統」に分けられます。
重さが1kg以上の「社内モバイル用」と、1kg未満の「社外モバイル用」です。
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「社内モバイル用」は、出先への持ち運びに向く重さではないです。
むしろ、職場に置いて、事務机にしまっておきたいという方に向くものです。
機能的には、しかし充実します。
とくに、「両面原稿対応」「原稿台(スタッカー)搭載」となるため、そこそこ多くの書類を一度に処理したい場合に有利です。
ただし、先述のように、1kg以上と重いモデルしかありませんので、ビジネス用バッグに入れて持ち歩くのは、おすすめできません。
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「社外モバイル用」は、軽量で、A3のビジネス用バッグにいれて持ち運べるモデルです。
ただ、原稿は「1枚ずつの手差し」です。加えて、500g以下の超軽量なものは「片面読み取りのみ」となります。
こうした部分から、外への持ち運びを考えないならば、この種類の製品は「除外」して考えた方が、性能の良いモデルを選べるでしょう。
2・取込速度と解像度
第2に、取込速度と解像度についてです。
今回の記事では、上表のように、白黒2値・グレースケール・カラーについて、解像度に応じた各機の速度を示して、比較しています。
1・仕事の資料
=白黒 ・グレー 300dpi
2・仕事の資料(カラー)
=カラー 300dpi
ただ、仕事用ならば、「300dpi」のみ注意してみれば、OKです。
これが「仕事向き」の解像度です。
仕事の場合、原稿は(古い本のコピーなどではなく)、会議の印刷資料など状態の良いものです。また、(自炊のような)個人的な趣味の保存用でもないでしょう。
したがって、解像度は300dpiあれば、十分以上の画質です。
速度的に片面10枚前後の取込速度があれば、(スタックできない小型機を含めて)使い勝手でストレスも溜めないでしょう。
3・重送検知とその対策

第3に、重送検知機能と重送対策です。
これについては、1kg未満の「社外モバイル用」では、1枚ずつの手差しになるので、関係ない話です。
しかし、「社内モバイル用」は、原稿台に複数の原稿をセットするので、セットした用紙が、うまく分離されず「二重送り」になってしまう重送は、できるだけないほうが快適です。
前回、【ドキュメントスキャナの比較記事】で中型のドキュメントスキャナを比較しました。
そちらでは、超音波センサーで重送を検知される「超音波重送検知」機能がどの機種標準でした。
しかし、モバイルスキャナの場合、重送検知はどれも未装備です。「原稿の長さ」による、簡易的な重送検知ができれば良い方です。
基本的に、一度に大量の処理をしないことを前提にした設計だから搭載されないのでしょう。
なお、皆さんが「置く場所がないからモバイルスキャナを選びたい」という考えでお探しだった場合、再考を要します。
重送が起こらないか「常に見守る」ことは相当のストレスですから。
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結論的にいえば、モバイルスキャナは、重送対策が弱いため、「社外モバイル用」でも「社内モバイル用」でも、一度に多くても20−30枚位で完結できるような人向けの製品です。
自炊のように大量に処理する予定ならば【ドキュメントスキャナの比較記事】で紹介したような、中型スキャナをAtlasは「強く」おすすめします。
なお、モバイルスキャナでも搬送ユニット形状で、重送の発生率が抑えられる場合があります。
中型機ほどの差は出ませんが、ある程度注目しつつ、比較していくつもりです。
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以上、モバイルスキャナの「選び方の基本」を3点説明しました。
このほかにも、画質補正機能・Wi-Fi・バッテリーの有無など、説明したい要素は色々あります。
それらは、本編でおいおい説明することにします。
1・モバイルスキャナの比較 (1)
1-1:キヤノン
1-2:富士通〈ScanSnap〉
1-3:エプソン
1-4:ブラザー
2・モバイルスキャナの比較 (2)
=最終的なおすすめ機種の提案
冒頭にも書きましたが、以上のようなメーカー順で、今回は紹介しました。
1-2・キャノンのモバイルスキャナ
はじめに、キャノンのモバイルスキャナの紹介です。
この分野には力を入れていて、特長のある良い機種を多く出します。
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なお、以下の本文では、いつものように、高評価できる点については赤字で、イマイチな点については青字で書いていきます。
【2014年発売】
Windows XP〜11 Mac 10.8〜13.0
1・Canon imageFORMULA DR-P215II
¥28,800 Amazon.co.jp (5/13執筆時)
重さ :1.0kg
Wi-Fi:未対応
バッテリー駆動:未対応
収納サイズ:長さ28×高さ4×奥行 9.5cm
DR-P215IIは、キヤノンのモバイルスキャナです。
本体の重さは、1kgです。
サイズは、長さ28×高さ4×奥行 9.5cmですし、持ち運べないことではないです。
Atlasも長期出張の際にこれくらいのを持っていったことがあるものの、基本、机のなかにしまえるという意味でのコンパクト型で、持ちはこび用ではないです。
スキャン速度は、上表の通りです。
ビジネスでつかう300dpiだと、白黒・グレーでは15枚/分、カラーだと6面/分です。
モバイル用として、結構なスピードになります。
なお、PC側が、「USB2.0接続」しかない場合は、上表のように速度が落ちます。
・キヤノン 6144B004 ACアダプター
¥3,572 Amazon.co.jp (5/13執筆時)
ただ、最近はそのような仕様のPCは少ないでしょう。
その場合でも、別売補助電源ケーブル買うか、(もう一つある)USBポートからダブルで電源をとれば、速度は戻ります。
そのほか、カードスロットがあるのも特長です。
原稿の搬送技術は、モバイル用としてはかなり高度です。
なぜなら、本機は、給紙ローラーと分離パッドの組み合わせで、重送(=原稿が2枚同時に入ってしまい、ページが飛んでしまうこと)を防ぐ構造を取っているからです。
十分な数のローラーが付いていますし、モバイル用としては、重送は最も起りにくい機種といえます。
ただし、超音波重送検知機能のような、据置型のドキュメントスキャナに見られる上位技術は、採用されません。
メーカーは、取り込む枚数が多くないので不要と考えているのだと思います。単純に、原稿の長さだけで検知する仕組みです。
給紙可能枚数は、この機種は、64g/m2紙換算で約20枚です。
小型機種としては例外的に多いです。
ドライバーは、一般的なものでISIS・TWAIN対応です。
画像処理技術は、プリンターメーカーだけに、優秀です。
斜行してしまった原稿を自動で修正してくれる「斜行補正機能」や、読み取る原稿が、白黒・グレースケール・カラーかを自動で判別する機能が付属します。
このほかにも、用紙の裏写りを自動で取り除く「アドバンストテキストエンハンスメントU」という機能も便利です。状態の悪い原稿をコピーする際に特に威力を発揮するでしょう。
なお、Macについては、カラー・グレー・白黒自動判別については、カラー・グレーのみの判別です。
これは、キャノン機全体に共通する仕様です。
ユーティリティソフトは、CaptureOnTouch Litという名前です。
ユーティリティソフトは、スキャン設定、画像補正、出力などを設定していく、インターフェイスのことです。
面白いのは、本機は、ユーティリティにドライバが組み込まれていて、USBをさすだけで、ソフトのインストールなしでスキャンを開始できる点です(プラグアンドスキャン)。
実際的には(USB)メモリが内蔵されていて、そのソフトを起動させて操作する形式です。
インストール型(CaptureOnTouch)のライト版となります。ただ、画像補正は同一水準で、クラウド連携がないだけなので、問題はないでしょう。
PDF・JPEG・PNGなどの出力も対応です。
また、CaptureOnTouchも、PCインストールすれば使えるため、この部分でも問題はないです。
ネットワーク機能は、Wi-Fiなど未装備です。
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以上、キヤノンのDR-P215IIの紹介でした。
オフィスで使う場合小型スキャナと考えた場合、しっかりとした原稿抑えが付属し、読み取りスピードが早く、ドライバーも高性能なこの機種はオススメです。
【2021年発売】
Windows 8.1〜11 Mac 10.14〜13.0
2・Canon imageFORMULA R10 JPN
3・Canon imageFORMULA R10 PG
¥23,854 Amazon.co.jp (5/13執筆時)
重さ :1.0kg
Wi-Fi:未対応
バッテリー駆動:未対応
サイズ:長さ28.5×高さ4.0×奥行 9.5cm
imageFORMULA R10 は、キヤノンのモバイルスキャナの下位機種です。
おそらくDR-P215IIの後継機ですが、取込速度が遅くなったため、今のところは「下位機種」です。値段差が逆転しているのはそのためです。
本体の重さは、1kgです。
サイズは、長さ28.5×高さ4.0×奥行 9.5cmです。
ようするに、先ほどの機種とほぼ同じです。
やはり、モバイルもできるが、置いておくのが普通、というサイズです。
スキャン速度は、上表の通りです。
スペックから言えば、基本的に300dpiの白黒書類を取り込む専用といえます。
必要十分とはいえますが、速いとは言えません。
原稿の搬送技術は、上位機と同じ構造です。
モバイル用としてはできが良いです。
給紙可能枚数は、64g/m2紙換算で約20枚です。
上位機と同じです。
画像処理技術も、やはり上位機と同じです。
ドライバが(USB)メモリに内蔵される点も同様です。
ネットワーク機能は、Wi-Fiなど未装備です。
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以上、キヤノンのimageFORMULA R10の紹介でした。
基本的には、上位機と同じ仕様です。速度は上位機のが速いので、基本的に上位機があるうちは選択肢にしなくて良いかと思います。
ただ、上位機は発売から7年経った製品です。スペックで見えない部分の改良の可能性はあるので、さほど速度と解像度が不要ならば、本機をえらんだほうが、安心感はあります。
【2014年発売】
Windows XP〜11 Mac 10.8〜13.0
4・Canon imageFORMULA DR-P208II
¥19,500 Amazon.co.jp (5/13執筆時)
5・Canon imageFORMULA P-208II
¥16,947 楽天市場 (5/13執筆時)
重さ :600g
Wi-Fi:未対応
バッテリー駆動:未対応
サイズ:長さ31.25×高さ4×奥行5.55cm
キヤノンのDR-P208IIは、同社の超小型のスキャナーです。
ダイワボウ情報システム発注の別注モデル( P-208II)がありますが、性能は同じですから、値段で決めて良いでしょう。
重さは、600グラムと軽量です。
本体サイズは、長さ31.25×高さ4×奥行5.55cmです。
長めですが、コンパクトなので、A3のビジネスバッグに無理なく入るでしょう。
電源供給方法は、USB給電です。
補助ケーブルは不要です。
スキャン速度は、上表の通りです。
小型ですが、さほど遅いわけではありません。
給紙可能枚数は、64g/m2紙換算で約10枚までとなります。
ただ、モバイルスキャナなので原稿受けがありません。
手で原稿を差しながら、10枚挿入できるということです。
構造的に「1枚ずつ手差し」なので、これ以上速くても、原稿の斜行などが起こってしまい、うまく対応できないでしょう
重送検知などの仕組みは、手差しなので、非搭載です。
ドライバーは、一般的なものでISIS・TWAIN対応です。
画像処理技術は、上位機同様の仕様で、高性能です。
ユーティリティは、本機も、CaptureOnTouch Liteです。
ネットワーク機能は、Wi-Fiなど未装備です。
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以上、キヤノンのDR-P208IIの紹介でした。
上位機より軽い代わりに、実質的に「手差し」になる、という機種です。
ただ、バッグに入れても苦痛ではなく、真の意味で「モバイル用」といえる製品としては、速度や、同社の特許となるプラグアンドスキャンを含めて使い勝手は良いと言えます。
1-3・富士通のモバイルスキャナ
つづいて、富士通(PFU)のモバイルスキャナです。
「スキャンスナップ」という名前の方が通りが良いと思いますが、そのシリーズのモバイルスキャナになります。
Windows 7〜11 Mac 10.7〜13.0
【2022年発売】
6・FUJITSU iX100 FI-IX100B
7・FUJITSU iX100 FI-IX100BW
¥23,500 Amazon.co.jp (5/13執筆時)
【2015年発売】
8・FUJITSU iX100 FI-IX100A
9・FUJITSU iX100 FI-IX100W
¥24,473 Amazon.co.jp (5/13執筆時)
重さ :390g
Wi-Fi:対応
バッテリー駆動:約260枚
サイズ:長さ27.3×高さ4.8×奥行 3.6cm
ScanSnap iX100も、モバイル用のScanSnapです。
2022年に新しい型番になりました。これは、昨今の原料高・物価高の影響での価格改定で、中身は同じです。
すでに価格差は逆転傾向ですが、「安売り」がったならばそちらでも良いでしょう。
本体の重さは、390グラムです。
本体サイズも、長さ27.3×高さ4.8×奥行 3.6cm ですから、軽く持ちはこびしやすい製品です。
1・USBケーブルでPCから給電
2・内蔵バッテリー
電源供給方法は、USB給電か、内蔵バッテリーを選べます。
バッテリーによるスキャンは、フル充電で260枚(300dpi/Wi-Fi)までです。
スキャン速度は、上表の通りです。
なお、スキャンスナップの場合、白黒が注意点で「相当」という文字が付きます。
これは、 「バイリニア法」で、解像度を300dpiから600dpiに(関数計算で)アップスケーリングしているからです。
そのため、他機と単純に速度を比べられないのですが、モバイルスキャナの用途を考えればあ、損ではないですし、十分に高速です。
給紙可能枚数は、1枚です。
本体側に給紙プレートがないので、1枚1枚を手差しで挿入していく必要があります。
したがって、先ほどの速度も「よほどの達人」で、挿入がうまい方の場合です。
基本的には2-3枚くらいのスキャンをしたい方向けでしょう。
画像処理技術は、自動傾き補正は付属します。
しかし、キャノンの「テキストエンハスドモード」に匹敵するような、状態の悪い原稿への対応機能がスキャンスナップにはありません。
その点で、画像処理機能については、今一歩追いついていない印象です。
ドライバーは、ScanSnapの場合、Twainなど汎用規格に非対応の独自仕様のドライバです。
Mac用は、MacのOS 10.15以降は、ScanSnap Homeという新しいドライバソフト(無償)を利用する方式です。
ネットワーク機能は、Wi-Fi搭載です。
そのため、スマホやタブレットに直接転送できます。
パソコンにつなげなくても使えるので、「今すぐ送りたいので、ちょっとスマホで資料送ってよ!」と言われた場合などに便利でしょう。
ただし、バッテリー切れで、USB給電の状況では、(スキャンはできますが)Wi-F機能iは利用できませんので、そのあたりは注意点です。
バッテリーは、720mAhの小型バッテリーです。
先述のように、260枚(300dpi/Wi-Fi)というスペックです。
充電は、1.5時間くらいですみます。
【モバイルバッテリーの比較記事】で書いたような、スマホ用充電器を利用しても良いでしょう。
ScanSnap Connect Application-J
¥0 Apple App Store
ScanSnap Connect Application-J
¥0 google Play
利用するスマホアプリはこちらです。
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以上、ScanSnap iX100の紹介でした。
バッテリーとWi-Fiを内蔵し、PCを介在させなくても利用できるので、ノマドワーカーを中心に需要がある製品です。
ただ、発売から時間が経ったこともあり、他社の追い上げがあるため、それと比較することは、現状では重要です。
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【2022年発売】
Windows 7〜11 Mac 10.13〜13.0
10・富士通 ScanSnap FI-IX1300A
11・富士通 ScanSnap FI-IX1300ABK
¥31,300 Amazon.co.jp (5/13執筆時)
重さ :2000g
Wi-Fi:対応
バッテリー駆動:
サイズ:幅296x高さ114x奥行87mm
なお、ScanSnapは「モバイル」系をだいぶ整理して、現在は iX100以外なくなりました。
一方、こちらの旧機種(ScanSnap FI-S1300B)は「モバイル用」として、このブログでも紹介していた機種です。
しかし、重量2kgに増えたので、(社内用のモバイルとは言えますが)このカテゴリでメインに紹介するのは、すこし「微妙」になりました。
そのため、【ドキュメントスキャナの比較記事】のほうで、詳しく書いています。興味のある方は、そちらの記事をご覧ください。
1-4・エプソンのモバイルスキャナ
続いて、エプソンのドキュメントスキャナーの紹介です。
【2023年発売】
Windows 7〜11 Mac 10.9〜13.0
【上位機種】(加筆予定)
12・エプソン DS-C480W
¥43,155 Amazon.co.jp (5/13執筆時)
重さ :1.9kg
Wi-Fi:対応
バッテリー駆動:
サイズ:長さ29.5×高さ12.5×奥行 10.4cm
【下位機種】
13・エプソン DS-C420W
¥34,024 Amazon.co.jp (5/13執筆時)
重さ :1.8kg
Wi-Fi:対応
バッテリー駆動:
サイズ:長さ29.5×高さ12.5×奥行 10.4cm
DS-C480Wは、エプソンが販売するコンパクトシートフィードスキャナです。
本機には、DS-C420Wという下位機種があります。
2.4型の液晶パネルの有無が主な違いです。
本機はWi-Fiも装備するので、PCレスで運用したい場合は上位機、そうでないならば、下位機という区分でOKです。
あとは、長尺紙の扱いが少し変わる程度ですが、家庭用でも、業務用でも関係する方は少ないと思います。
本体のサイズは、両者とも同じで、収納時に長さ29.5×高さ12.5×奥行 10.4cmです。
業務用にカードなどを取り込む場合、ストレート給紙も可能ですが、基本的にUターン排紙なので、スキャン時も、写真の姿勢で、場所をとらず利用できます。
重さは1.9kg(下位機は1.8kg)ですから、モバイルと言っても、自宅や職場内が基本です。
実際「社内モバイル」のような使い方を提案するソフトと言えます。
電源供給方法は、コンセント給電のみです。
動作時10Wなので、USBでも行るような気がしなくもないのですが、設計上無理だったようです。
スキャン速度は、上表の通りです。
ただ、600dpiの数字は非公開です。「ラインあたりの読取速度」も不定です。
そのため、旧機種での「ラインあたりの速度」と、300dpiにおける新旧の能力差をふまえた推定値となります。
原稿の搬送技術は、優秀です。
基本となる、重送検知はもちろん、ガラス汚れ検知と、ホチキスした原稿を止める「原稿保護機能」まで装備します、
上位機の場合は、液晶パネルに、汚れた部分まで教えてくれる念の入れようです。
構造的にも、ローラー分離なので、重送の起こりにくさを含めて、モバイル用では「業界最強」です。
給紙可能枚数は、A4の80g/m2換算で20枚までセットできます。
キャノンとほぼ同様の構造で、小型機では多いです。
ドライバーは、両OSともに、Twain規格です。Epson Scan 2という名前です。
画像補整機能も、「文字くっきり機能」などキヤノンと同様の性能を有しています。
背景除去や、ドロップアウトカラー、原稿のカラー・モノクロ・グレー自動判別など、基本的な処理は、キャノンと同じく網羅します。
ユーティリティソフトは、エプソンの場合、言及に値します。
初心者向けのEpson ScanSmartほか、上級者向けにDocument Capture Proも用意されるからです。
とくに、上級者向けのものは、ジョブ登録してスキャン処理の自動化の度合いが高いです。
出力も、メール添付レベルではなく、メール転送処理、あるいは、クラウド転送(Google Drive、Evernote、Dropbox)までできるので、高度に運用可能です。
一方、Mac用は(Proのない)Document Captureですが、ジョブ登録などは可能です。
取り込んだデータを、指定枚数ごと分割したり、白紙を挟んで分割する、バーコード挿入、指定した場所の文字列をファイル名にするなど、(高度に)業務用な自動化がMacだとできないだけです。
初心者向けのEpson ScanSmartも、視認性が良い作りで、先述のドライバによる画像補正もフルで可能です。
転送部分で凝ったことをしないならば、こちらでも十分です。
ネットワーク機能は、上Wi-Fiが搭載されます。
そのため、ネットワーク環境があれば、複数のPC・スマホなどで共有可能です。
なお、環境がない場所でも、スマホやPCとアドホックに直接つなげて利用できるので、問題ありません。スマホにも、直接送れます。
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以上、エプソンの DS-C480Wなどの紹介でした。
モバイル用としては「重い」ので、冒頭書いたように「社内モバイル」のような用途に向きます。
その用途では、速度・搬送性能・重送検知・ガラス汚れ・ホチキス検知など、揚げればキリがないほど、優秀な部分が多いです。
個人机にスッキリ置けるので、外に持ち運ばないことを前提にするならばこれでしょう。
【2016年発売】(在庫限り)
Windows XP〜11 Mac 10.6〜13.0
【上位機種】
14・エプソン DS-360W
¥42,429 Amazon.co.jp (5/13執筆時)
重さ :1.3kg
Wi-Fi:対応
バッテリー駆動:対応
サイズ:長さ28.7×高さ6.7×奥行 8.8cm
【下位機種】
15・エプソン DS-310
¥30,373 Amazon.co.jp (5/13執筆時)
重さ :1.3kg
Wi-Fi:未対応
バッテリー駆動:未対応
サイズ:長さ28.7×高さ6.7×奥行 8.8cm
DS-360Wも、エプソンが販売する、コンパクトシートフィードスキャナです。
1つ上で見た新機種の登場で、在庫限りで「販売終了」になることが決まっている機種です。ただ、新機種に比べても独自な部分はあるので(なくなるまで)紹介は続けます。
なお、本機には、DS-310という下位機種があります。
両者の相違点は、上位機種のみ、バッテリーとWi-Fiとが内蔵され、ワイヤレス稼働できる点です。
本体のサイズは、両者とも同じで、長さ28.7×高さ6.7×奥行 8.8cmです。
重さは1.3kgです。
重いものの、形状的には新機種より小さめなので、しまいやすさはあります。
1・USBケーブルでPCから給電
2・コンセントから給電
3・内蔵バッテリーから給電
電源供給方法は、上表の3通りです。
新機種に比べて、フレキシブルです。
ただし、3番は上位機のみの対応です。USBケーブルと、ACアダプターはいずれも付属します。
なお、内蔵バッテリーがどれほど保つのかは、情報非公開です。
しかし、2090mAhというバッテリー蓄電容量をふまえると、数百枚の取り込みは、おそらく問題ないレベルです。
充電時間は、4時間です。
スキャン速度は、上表の通りです。
600dpiは、ラインあたりの読取速度からの推定値です。
いずれにしても、先ほどの新機種のほうが約20%高速です。
一方、注意点は、この速度は、AC電源アダプター利用時、ないし、バッテリーを利用する場合の速度だということです。
USB給電のみの場合は「速度が落ち」ます。どの程度落ちるのかは、残念ながら「非公開」です。
ただ、(上位機は)バッテリー駆動で使ってこその機種ですから、あまり気にしなくても良いでしょう。
原稿の搬送技術は、一方、重送検知はなされます。
ただ、ガラス汚れ・ホチキス検知は、この世代は非対応です。
給紙可能枚数は、A4の80g/m2換算で20枚までセットできます。
キャノンとほぼ同様の構造で、小型機では多いです。
画像処理技術・ネットワーク機能などは、基本的に新機種と同じです。
紹介は省略します。
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以上、エプソンのDS-360WとDS-3610の紹介でした。
性能面で言えば、社内モバイルならば、悪くない性能とは言え、1つ上でみた新機種と比べてしまえば、重さ・サイズ感以外は負けると言えます。
バッテリー駆動も、目安時間が公開されませんし、Atlasが今すぐ買うとすれば、欲しいのは新機種だとはっきり言えます。
【2018年発売】
Windows 7〜11 Mac 10.11〜13.0
16・EPSON モバイルスキャナー ES-50
¥15,145 Amazon.co.jp (5/13執筆時)
重さ :270g
Wi-Fi:非対応
バッテリー駆動:非対応
サイズ:長さ27.2×高さ3.38×奥行 4.7cm
ES-50は、EPSONの超軽量タイプのスキャナーです。
本体の重さは、270gです。
本体サイズも、長さ27.2×高さ3.38×奥行 4.7cmです。
持ち運んでの作業にも支障がない「ガジェット」です。
電源供給方法は、USB給電です。
多くの小型機種と同じです。
スキャン速度は、上表の通りです。
本機も、両面には未対応です。また、本機についても600dpiの取込速度は、換算値なので、前後があります。
給紙可能枚数は、こちらも1枚ずつです。
そのため、「達人」以外は、取込スピードの比較は意味を成さないかもしれません。
ドライバーは、両OSともに、Twain規格です。Epson Scan 2という名前です。
画像処理技術は、やはり富士通より優秀で、キヤノン並みの性能を持ちます。
自動傾き補正や、裏移りのある原稿や状態の悪い原稿は、キャノン同様にドライバーの補整機能で強力に対処できます。エプソン・キヤノンは、通常のスキャナーでも伝統のあるメーカーですから、ドライバーの出来は良いです。
ユーティリティソフトは、一方、こちらは、上位機で説明した上級者向けにDocument Capture Proは非対応です。初心者向けのEpson ScanSmartのみ使えます。
しかし、完全にモバイル用ですし問題ないです。画像処理部分は同じですし、処理の自動化も、本機は「1枚ざし」ですし、あまり意味がないでしょう。
ネットワーク機能は、Wi-Fiなど未装備です。
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以上、エプソンの ES-50の紹介でした。
片面で、原稿スタックができない小型機の場合、速度はあまり意識しなくて良いでしょう。
したがって、値段で決めても良い気もします。
あえて言えば、EPSONは、キャノン同ユニ画質補正機能が強いというメリット性はあります。一方、ドライバインストール不要で使えるプラグアンドスキャン対応のキヤノン機の方が、モバイル利用時になにかと使い勝手が良いかなとは思います。
【2018年発売】
Windows 7〜11 Mac 10.11〜13.0
17・EPSON モバイルスキャナー ES-60WB
18・EPSON モバイルスキャナー ES-60WW
¥20,200 Amazon.co.jp (5/13執筆時)
サイズ:長さ27.2×高さ3.38×奥行4.7cm
重さ :300g
Wi-Fi:対応
バッテリー駆動:約300枚
ES-60Wは、エプソンの上位機種です。
本機も、片面読み取りタイプです。
しかし、Wi-Fi対応である点が、ES-50と大きく異なる点です。
本体サイズは、長さ27.2×高さ3.38×奥行4.7cmです。
スキャンスナップの小型機と比べると、重さがやや軽量で、小型です。
持ち運びやすく、しまいやすい機種です。
電源供給方法は、ACコンセント不要のバッテリー式です。
Wi-Fi利用を前提に使っても、A4 300dpiの解像度で300枚スキャンできます。
電池切れの心配はほぼ不要でしょう。
非常時も、USBバッテリーから充電ができるほか、PCとUSB接続すれば、バスパワーで動かせます。
スキャン速度は、上表の通りです。
下位機種より高速です。片面のみの軽量機としては、数字としては「最速級」です。
なお、600dpiについては、換算値ですが、それでも速めだとは思います。
給紙可能枚数は、ただし、こちらも1枚ずつの手差しです。
そのため、片面のみの超小型スキャナの場合、(一応比較はしていますが)速度はさほど考慮に入れなくても良いでしょう。
画像処理技術は、ES-50と全く同じであり、他社と比べても機能面で充実しています。
ドライバも、ユーティリティソフトの同じです。
ネットワーク機能は、Wi-Fiが搭載です。
無線LANを介してつなげることも、直接スマホにアドホックにつなげることもできます。
Epson DocumentScan
¥0 Apple App Store
Epson DocumentScan
¥0 google Play
スマホアプリも用意されており、PCなしでも、スマホやタブレットから操作・転送が可能です。
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以上、エプソンのES-60Wの紹介でした。
超小型スキャナは、Wi-Fiを搭載していた方が絶対便利でしょう。
電池式か、バッテリー式かは難しい部分ですが、緊急時の対応力という意味では、コンビニで手に入りやすい電池式を選ぶのも良いと思います。
1-5・ブラザーのモバイルスキャナ
最後に、ブラザーのモバイルスキャナの紹介です。
【2020年発売】
Windows 7〜11 Mac 10.12〜13.0
19・BROTHER スキャナー MDS-940DW
¥17,811 楽天市場 (5/13執筆時)
重さ :700g
Wi-Fi:対応
バッテリー駆動:対応
サイズ:長さ31.9×高さ4.54×奥行 6.31cm
MDS-940DWは、ブラザーの小型ドキュメントスキャナです。
本機も、バッテリー駆動に対応するWi-Fiモデルです。
本体のサイズは、長さ31.9×高さ4.54×奥行 6.31cmです。
重さは700gです。
決して重くはなく、モバイル用ですが、他社には、より軽いモデルがあります。
ただし、後述するように、この重さには「理由」があります。
1・USBケーブルでPCから給電
2・内蔵バッテリーから給電
電源供給方法は、2通りです。
USB給電のほか、内蔵式のバッテリーでも対応します。
なお、Wi-Fiと内蔵バッテリーを利用する場合のバッテリーの保ちは情報非公開です。
ただ、Wi-Fi未使用時は、320枚というスペックですから、エプソンと並んで実用水準ではあるでしょう。
スキャン速度は、上表の通りです。
700gという重さを考えると、速度もですが、両面スキャン可能というのは、ワンポイントでしょう。
給紙は、一方、手差しタイプです。
原稿ガイドがないので、複数枚をセットすることが不可能です。
とはいえ、300dpiを1枚4秒で処理できるわけで、ここまで速度が速ければ、利便性は高いと言えます。
一方、本機は、排紙がUターン構造のため、壁際に設置できます。受付など、場所がないところでの利用には便利かもしれません。
ドライバーは、TWAIN対応です(WIA ICAも)。
画像処理技術は、ブラザーも優秀です。
傾き補正や、自動サイズ検知など他社が装備する機能を網羅します。
そのほか、地色除去や、裏移り防止など、ビジネスシーンで便利な機能も網羅です。
また、カラー自動判別機能も、本機は、OSによる制限なしに、しっかり3色の原稿を区別します。
ネットワーク機能は しっかり対応で、Wi-Fiを装備します。
本機のメリット性の1つであり、クライアントに送信するなどの使い方が可能です。
同社の iPrint&Scanというアプリが、Android/ iOS双方に準備されています。
また、PC版アプリを通じてですが、Dropbox/Google Drive/OneDriveへのアップロードに対応します。
なお、こちらの機種は、パソコン、ないし、タブレットやスマホのメモリーではなく、SDカードにも直接データを保存できます。
また、小型ですが液晶窓も付いており、画質やファイル形式やデータの保存先など、スキャンの条件を表示したり、設定を本体側で変更したりできます。
ちょっとした「気遣い」ですが、設定や電池残量が本体で確認できるのは便利です。
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以上、ブラザーのMDS-940Wの紹介でした。
Wi-Fiを搭載しつつ、両面対応であるため、手差し専用の軽量機では優秀な機種です。
もちろん、冒頭に紹介した「少し大きめの」小型機と比較すれば、原稿分離ができず、1枚ずつ手差しになる部分は負けますが、それ以外の部分では、本機が優ると言えます。
資料の束など複数枚の原稿を取り込むシーンがあまり想定できないならば、本機は総合的に言って良いと思います。
今回の結論
小型軽量なモバイルスキャナーは結論的にこれ!
というわけで、今回はモバイルスキャナの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
2・モバイルスキャナの比較 (2)
=最終的なおすすめの提案【結論】
スキャン処理 ★★★★★
携帯性 ★★★★☆
ネットワーク ★★★★★
画像補正 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
続く、2回目記事(こちら)は結論編です。
ここまで紹介した全機種から「Atlasのおすすめ機種」を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら!
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