【今回レビューする製品】2024年 最新フィルムスキャナの性能とおすすめ:35ミリフィルム・写真の断捨離用スキャナ・カラー雑誌・コミック表紙対応 Windows Mac対応
【比較する製品型番】エプソン フォトスキャナー FF-680W CANON imageFORMULA RS40 EPSON Colorio GT-X830 GT-X980 サンワダイレクト サンワサプライ 400-SCN039 400-SCN058 400-SCN061 400-SCN066 400-SCN065 400-SCN067 400-SCN064 ケンコー Kenko KFS-14DF KFS-14DF Plustek OpticFilm 135i ephoto Z300 OpticFilm 8200i AI OpticFilm 8100 キヤノン CanoScan9000F MarkII KING CABIN CFS-N14
今回のお題
フィルムや写真向きの高画質スキャナのおすすめはどれ?
ども、Atlasです。
今日は、2024年11月現在、最新のフィルムスキャナを比較します。
主に現像写真に向くシートフィード型、フィルム用のフィルムスキャナ型、応用力が高いフラッドベッド型とわけて、各機の機能を紹介していきます。
各機の解像度はもちろん、センサー方式の違いや、作業時の快適性に注目しながら、書きました。
今回は、基本的には「写真・フィルム用」の話として書きました。
しかし、フラッドベッド型は、(高度な)雑誌やコミック表紙の取り込みに使う人がいることふまえて書いています。
1・フィルムスキャナの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:シートフィード型
用途:現像写真
1-3:フィルムスキャナ型
用途:フィルムのみ
1-4:フラッドベット型
用途:写真・フィルム
2・フィルムスキャナの比較 (2)
=最終的なおすすめの提案【結論】
記事では、選び方の基本をはじめに説明します。
その後、各タイプ別のスキャナを順番にみていくという構成にしました。
画質の良さ ★★★★★
作業速度 ★★★★★
ネガフィルムの取込 ★★★★★
プリント写真の取込 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最後の「結論」部分では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種!」を提案する形で記事を進めていきます。
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1・ドキュメントスキャナの比較
2・フラットベッドスキャナの比較
3・ブックスキャナの比較
4・書画カメラ型スキャナの比較
5・フィルムスキャナの比較
6・ハンディスキャナの比較
7・A3スキャナーの比較
なお、今回の記事は、このブログ「家電批評モノマニア」スキャナ記事全体としては、5回目記事になります。
1-1・フィルムスキャナの選び方の基本
1・シートフィード型スキャナ
2・フィルム専用スキャナ
3・フラッドベット型スキャナ
はじめに、フィルムスキャナの「選び方の基本」の説明からです。
この種類のスキャナは、タイプによって、3つの種類に分けられます。
この区分は、「選び方」において重要な部分なので、具体的な製品紹介の前に、あらかじめ解説しておきます。
1・シートフィード型フィルムスキャナ
第1に、シートフィード型スキャナです。
こちらは、どちらかといえば「アルバム写真」の取り込み専用です。本体にローラーが付いていて、セットせずとも写真を取り込める点で、「作業効率重視派」に人気です。
現像済みの写真は、A4サイズまで取り込めます。
フィルムは、基本的に未対応ですが、35mmネガフィルムに対応できる機種があります。
画質は、想像が付きますが、さほど高くない製品が多いです。
2・フィルム専用スキャナ
第2に、フィルム専用スキャナです。
比較的価格が高い機種が多く、ハイアマチュア以上に売れ筋の上位機種です。中盤・大判の銀塩写真のネガ・ポジフィルムの直接取り込みを意図した機種です。
現像済みの写真は、名前が示すように、取り込めない機種です。
フィルムは、35mmネガ/ポジフィルムのほか、ブローニー・「しのご」まで取り込める機種があります。
画質は、画質は期待できます。
作業効率は、スライドケースに入れてコマごと送る形式ですので高めです。
3・フラッドベッド型フィルムスキャナ
第3に、フラッドベットタイプのフィルムスキャナです。エプソンとキヤノンがそれぞれ自社生産しており、センサー品質は最も良好なタイプです
現像済みの写真は、写真専用紙などに印字したものについて、A4までの取り込みに対応できます。
フィルムは、一部高級機は、アダブターにより、35mmネガ/ポジ・ブローニー・「しのご」まで対応できる製品があります。
画質は、センサーの質が良く、写真を動かさないで撮影できるので、一般的に画質はどの方式に比べても、最も良いです。
作業効率は、写真の場合は、一度に他枚数の取り込みが可能で効率的です。
ただし、フィルム専用スキャナと比べると、必ずしもフィルム専用設計ではないので、フィルムを手早く取り込む部分は、専用スキャナに劣ります。
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以上、フィルムスキャナの「選び方の基本」の紹介でした。
この区分に沿いながら、以下では、各製品を見ていこうと思います。
1-2・シートフィード型スキャナの比較
はじめに、入門者に優しい、シートフィード型専のフィルムスキャナを比較します。
フィルムに対応できる製品もありますが、基本的には現像した写真やそのアルバムを整理したい方に向くジャンルの製品です。
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なお、以下では、おすすめできるポイントを赤系の文字色で、イマイチな部分を青字で執筆します。
【2022年発売】
Windows 7〜11 Mac 10.12〜15
1・サンワダイレクト 400-SCN039
¥27,800 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
2・Plustek ephoto Z300
¥27,900 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
センサー方式:CCD
読取階調:24bit出力
解像度: 600 dpi
対応OS:Windows, Mac
400-SCN039 簡単フォトスキャナーは、サンワダイレクトの製品です。
本機は、台湾のプラステックが生産している製品の日本版OEMとなります。
本機はは「現像した写真専用機」ですが、「1つ面白い特長」がある機種です。
接続方法は、USBケーブルを用いる方式です。
ただし電源は別に取る必要があります。
写真の取り込みは、A4サイズまでの写真を、上図のように下部に差し込んで撮影する方式です。
ボタン操作不要で差すだけで、ローラーで取り込んで、下部に排紙される方式です。
スキャン速度も、A4でも1枚5秒以下と高速です。作業効率は高いでしょう。
解像度は、最高600dpiです。
数値としては「並」です。
しかし、レンズの手前にミラーがあるCCDセンサーを採用している点は、大きな特長です。
【ドキュメントスキャナの比較記事】で紹介した富士通の「スキャンスナップ」などの書類専用のシートフィードスキャナは、CISセンサーです。
CISは「モノクロ原稿の取り込みに強いタイプ」のセンサーです。
CCDは、逆に「高画質なカラー原稿の取り込み」に定評があります。とくに、現像写真は、この部分を重視する意味が一定程度あります。
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以上、サンワダイレクトの400-SCN039 簡単フォトスキャナーの紹介でした。
似た製品は、次に見るエプソンやキャノンからも出ますが、CCDセンサー採用という部分が本機の美点です。
一方、仕組み的に、1枚1枚の手差しになる部分で、一度の大量の写真処理は手が疲れます。搬送機構も、状態が悪い写真だと、斜行も(やや)しやすいので、搬送系にあと一工夫欲しいところはあります。
Windows 7〜11 Mac 10.11〜15
【2019年発売】
3・エプソン フォトスキャナー FF-680W
¥58,436 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
センサー方式:CIS
読取階調:24bit出力
解像度: 600 dpi (1200pi)
対応OS:Windows, Mac
フォトスキャナー FF-680W は、2019年にエプソンが出したフォトスキャナです。
形状から分かるように、この製品も「現像した写真専用」です。
写真の取り込みは、A4サイズまでです。
後部のストッカーに置いて読み込ませていく方式です。
スキャン速度は、L判写真(600dpi)で、1分間に36枚です。
サンワサプライの製品に比べると、1枚ずつの手差しではなく、一括処理できるのが魅力です。
書類要で培った技術で、原稿分離もある程度信頼できるので、重送や詰まりの危険も少ないです。重送検知機能もあり、その場合ストップされます。
というよりも、本機は、普通にA4までの両面原稿の取り込みもできる機種です。
結論的にいえば、このブログの【ドキュメントスキャナの比較記事】で紹介した同社の原稿用スキャナと、仕組みも用途も変わらない機種です。
解像度は、600dpiです。
ソフト的な処理で1200dpi「相当」も可能ですが、速度は落ちます。
センサーは、CISです。
CISセンサーは、写真に向いたシステムではありません。例えば、古い写真で反って浮いてしまった写真などは、うまく取り込めません
ドライバーは、ただ出来が良いです。
自動補正の能力が高いので、CISの弱点はある程度緩和できています。
古い写真の濃度ムラを軽減できる機能(退色復元)や、赤目補正なども付属するので、(ハイアマチュアは除き)一般人の感覚では「十分綺麗に」取り込めます。
使い勝手の部分では、センサーにホコリが付着している場合に、警告してくれる機能(汚れ検知)ほか、ソフト的な処理で、明暗表現を軽減する機能などが目立ちます。
そのほか、破れそうな(破れた)原稿をスキャンするためのキャリアシートも付属させます。
ネットワーク機能は、Wi-Fiを装備します。
PCに用意されるのと同名の、Epson FastFotoというドライバアプリを用意します。
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以上、エプソンのフォトスキャナー FF-680Wの紹介でした。
CISセンサーであるのは、画質面で弱点です。
加えて、(写真には)本来不要な、(原稿の)裏面読取用のユニットを搭載するため、写真用のスキャナーとしては割高な価格であるのも欠点です。
ただ、ドライバ(画像補正)の出来も良いですし、補正を含めると、同じシートフィード式のCCD機に迫るクオリティは得れます。
また、サンワサプライの製品と比べると、1枚1枚ささずとも、まとめて処理できる部分で、手間いらずと言えます。1枚ずつだと、曲がって入れないように、集中しないといけないので、結構疲れますし。
平均的な「一般人」が綺麗に取り込めたと感じ、知り合いに送れるクオリティは担保されますし、用途があえば導入するのもありでしょう。
とくに、A4サイズの書類なども取り込みたい!と考えるなら有力な候補です。
Windows 8.1〜11 Mac 10.15〜14
【2021年発売】
4・CANON imageFORMULA RS40
¥48,980 楽天市場 (11/17執筆時)
センサー方式:CIS
読取階調:24bit出力
解像度: 600 dpi (1200pi)
対応OS:Windows, Mac
RS40 は、2022年にキヤノンが出したフォトスキャナです。
本機も同社の書類用のシートフィードスキャナを写真用に「改造」したような製品です。
写真の取り込みは、本機もA4サイズまでです。
後部のストッカーに置いて読み込ませていく方式です。
原稿(写真)自動送り機能でL判写真で40枚まで処理できます。
エプソンとだいたい同じ量です。
解像度は、600dpiです。
本機も、ソフト処理で1200dpiですので、エプソンと変わりません。
センサーは、エプソン同様にCISです。
画像補整は、キヤノンはカメラメーカーらしく、エプソンより多機能です。
汎用的な自動補整機能のほか、エプソンも装備する、褪色補正・赤目補正を装備します。
その上で、人物の顔について、顔くっきり補正・美肌加工が可能なほか、風景写真などで、取り込みの際出てしまうマットな質感を軽減する絹目補正が可能です。
ネットワーク機能は、一方、本機はWi-Fiを未装備です。
EPSONと異なり、パソコン専用となります。
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以上、キヤノンのimageFORMULA RS40 の紹介でした。
エプソンのライバル機です。利便性の部分で言えば、Wi-Fiがない部分が欠点であり、差と言えます。
画像処理面は「カメラメーカー」でもあるキヤノンが少し有利に思えます。
ただ、差はわずかですし、基本的には「Wi-Fi機能」が欲しいか?で決めると良いでしょう。とくに、スマホで運用したいならエプソンのが良いです。
一方、本機についてもCISセンサーではあるので、とにかく「画質にこだわりたい」という方は、最後にみていく、フラッドベッド型の導入も検討の余地があります。
1-3・フィルム専用スキャナの比較
続いて、フィルムの取り込みに特化した「フィルム専用スキャナ」の紹介です。
【2021年発売】(5インチ)
5・Kenko フィルムスキャナー KFS-14DF
¥20,980 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
サイズ:幅136x奥行136x高さ94mm
【2021年発売】(7インチ)
6・Kenko フィルムスキャナー KFS-14D7L
¥22,705 楽天市場 (11/17執筆時)
サイズ:幅174x奥行112x高さ112mm
センサー方式:(固定焦点)
読取階調:不明
解像度: 3100 dpi
対応OS:Windows, Mac
こちらは、ケンコーの製品です。
2機ありますが、違いは、パネルサイズの違いです。
ともに、視認性のよいIPSパネルですが、上位機は1024×600ピクセル(下位機は854×480)なので、細かい確認には有利かと思います。
いずれの機種も「デジタルフォトフレームとしても使える」というキャッチコピーです。
トランセンド 32GB TS32GSDC500S-E
¥2,880 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
接続方法は、画像をSDカードにためるタイプです。
SDカードは別売です。
上部の液晶モニターで取り込んだ画像確認可能です。パソコンを介さずに作業できる点で「初心者」向きです。
写真の取り込みは、現像写真の取り込み機構がないので、この機種は未対応です。
対応するフィルムは、35oのネガフィルムとポジフィルムです。
そのほか、110フィルム(ワンテン)と126フィルムにも対応です。
解像度は、3100dpiです。
実用性においては十分なクオリティが期待できます。
ただ、この機種は、スキャナというより固定焦点方式で、仕組み上(書画)カメラに近いものです。
実用性は高いですが、高画質という意味では、さほど本格的な機種ではありません。
カメラ部分の撮像素子は 1/3.06型CMOSと小さく、1300万画素ですので。
また、「本格的」な利用を考えている方は、48bitフルカラー(約281兆色)で出力できない点は注意してください。
こちらは、24bitカラー(1677万色)までです。液晶モニターは24bitフルカラーが最大なので問題はないですが、Phonoshopなどで階調補正する方で、この部分を気にする方は、注意しましょう。
補整機能は、9段階の露出補正ができるほか、取り込み時の自動傷補整(スクラッチモード)が装備されます。
カラーネガフィルムに限りますが、(可能な限りで)自動的に補整されます。
なお、この機種は、HDMI端子が装備されています。TVに直接画像を出せる点は、何かしら使い途がありそうです。
一方、フィルムは自動で移動せず、ユーザーが手動で動かすタイプです。
サイズ別に4種類のマウンターが付属しますが、図のように付けた状態で、フィルムだけを挿入していける点を「売り」にしています。
ホルダー式よりかなり素早くできますが、気をつけないと、経路にゴミが入ったり、フィルムが傷みそうな構造ではあります。
本機に、ブロワー・手袋・ブラシが付属するのはこう言った理由からです。
とはいえ、本機は、5インチ IPS液晶と作業効率のよい液晶を装備しますし、この部分を含めて、慣れれば作業効率は良さそうです。
そのほか、日時を設定できるため、ファイルに、日付/時刻情報を添付できます
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以上、ケンコーのフィルムスキャナの紹介でした。
カメラ機器メーカーの製品らしく、露出補正や自動傷補整など、厳選されてはいるものの「欲しい機能」が網羅されているのが良い部分です。
ただし、撮影は、固定焦点式(デジカメ撮影)と同じなので、画質は「そこそこ」レベルに止まるでしょう。
自動補正などの機能もないので、その方面はきにせず、気軽にさっさと取り込みたい方に向きます。
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【2022年発売】(2.4インチ)
7・CABIN CFS-N14
¥17,745 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
センサー方式:(固定焦点)
読取階調:不明
解像度:3200dpi
サイズ1:幅136x奥行136x高さ94mm
サイズ2:幅174x奥行112x高さ112mm
対応OS:Windows, Mac
一方、カメラアクセサリーを販売する浅沼商会(KING)もフィルムスキャナを輸入販売します。
対応するフィルムはだいぶ広いです。
35mm以外も、8mm用(Super8)から、110、126KPKまで、アダプタが付属です。
露出の簡単な調整ほか、向きを間違えて挿入した場合の反転(ミラー/フリップ)に対応です。
確認モニターは2.4型で小さく最低限です。
センサーは、1400万画素・1/2.33インチなので、「書画カメラ方式」としては、この値段では良い方かと思います。
なお、解像度は3200dpiです。ソフト補正をする場合の読取解像度は、最大で4000dpi(2200万画素)相当です。
接続方法は、本機もSDカードを介する形で、32GBまで認識します。
また、TV出力もできますが、コンポジット端子なので、アナログです。
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結論的にいえば、昔本格的にカメラに取り組んだ方に向けた、格安機といえそうです。
ニッチなニーズはありそうです。
【2022年発売】
8・Kenko COMBO KFS-14C5L
¥30,500 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
【2023年発売】
9・ サンワダイレクト 400-SCN066
¥34,800 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
センサー方式:(固定焦点)
読取階調:不明
解像度: 3200 dpi
サイズ:幅209x奥行162x高さ182mm
対応OS:Windows, Mac
COMBOフィルムスキャナー KFS-14C5Lも、ケンコートキナーが販売するフィルムスキャナです。
フィルムをスキャンする際の解像度や、モニターサイズ、フィルム対応幅などは、先ほど1つ上の機種と同じです。
一方、サンワサプライ(サンワダイレクト)が直販している400-SCN066は、付属品をを含めて仕様が同じです。輸入元は同じでしょう。
機能面では、底に置いた写真のスキャン(700dpi)も対応する部分で「上位」です。
シートフィード型に比べると、写真の連続処理には向きませんが、「アルバムからいちいち剥がさずともよい」といえます。
センサーは、この用途のために、1500万画素 1/2.3型 CMOSとなるので、下位機に比べると、少し良くしています。
Sandisk SDカード 32GB
¥1,192 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
保存は、SDカードです。
最大32GBまで認識します。
本機も、HDMI端子があるので、そのままテレビに出力も可能です。
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結論的にいえば、割とニーズはありそうです。
実際、古写真は張り付いているような場合も多いですし、遠いご先祖の残した旧い写真のデジタル化などのため、こうした機種は合って良いかと思います。
【2020年発売】(5インチ)
10・サンワダイレクト 400-SCN058
¥27,800 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
【2023年発売】(7インチ)
11・サンワダイレクト 400-SCN067
¥30,800 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
センサー方式:(固定焦点)
読取階調:24bit入出力
解像度: 4200dpi
サイズ:不明
対応OS:(SDカード)
400-SCN05 は、サンワダイレクトの製品です。
先ほどKENKOの類似機をみました。仕様はそれと一部異なりますが、5インチほか、ディスプレイを7インチとした 400-SCN067があるのは同じです。
サンワの場合もモニターサイズ以外の、仕様はいずれも同じですので、以下、同時にみていきます。
キオクシア(旧東芝) 日本製 KTHN-NW032G
¥980 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
接続方法は、こちらも、SDカード(32GBまで)を介する形式です。
ただし別売です。
なお、USBケーブルで本体をPCと直結もできるので、SDカードリーダー不要で転送可能です。
対応するフィルムは、35oのネガフィルムとポジフィルムです。
また、50mm×50mmのスライドフィルムや110/126フィルムにも対応します。
スライドは、本機も、手で動かしながら、液晶モニターで確認して、スキャンする方式です。
一方、こちらもケースは短い仕様で、セットしたあと、フィルム自体は手で送る形式です。
この方式にすることで、変則的なサイズにも対応できるようにした機種です。
解像度は、4200dpi(2200万画素)です。ケンコーより高いです。
切替で3200dpi(1400万画素)にもできます。
一方、本機はセンサー自体は1400万画素のカメラ用のCMOSなので、画像処理で2200万画素にしています。そのため、数値そのままというわけでは、必ずしもないです。
こちらも、デジカメと同じ方式で上から撮影するやり方です。
補整機能は、手動式/自動式の露出補正に対応します。
ただし、取り込み時の自動傷補整などには未対応ですね。
こちらもHDMIケーブルでテレビに出力できます。
大画面で確認しながらスキャンができます。ただ、2200万画素で取り込んだ画像は、表示時に画面の端が見切れるなど、作りが甘い部分もみられます。
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以上、サンワダイレクトのフィルムスキャナの紹介でした。
ケンコーのKFS-14WSと類似する製品ですが、解像度は本機の方が良いです。
値段の違いはありますが、2機種で較べるならば、画質面で本機を選ぶべきでしょう。ただ、本機も(原理的には)あくまで「カメラで上から撮影する方式」ですので、本格的なフィルムスキャナとは異なります。
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【2023年発売】(4.3インチ)
12・サンワダイレクト 400-SCN066
¥27,800 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
センサー方式:(固定焦点)
読取階調:24bit入出力
解像度: 3200dpi
サイズ:不明
対応OS:(SDカード)
このほか、サンワダイレクトは、400-SCN066という製品を出します。
こちらの場合、構造的に8mm・Super8・APSフィルムに追加対応です。
8mmとSuper8用の挿入口を前側に付けているためです。
本機も、フィルムを入れて手動で送っていく方式です。
解像度は、ただ、3200dpiです。
先ほどの機種よりは劣るので、基本的には、ニッチなフィルムを取り込みたい方に向けた製品でしょう。こちらもHDMI端子はあります。
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【2023年発売】(4.3インチ)
13・サンワダイレクト 400-SCN065
¥30,800 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
センサー方式:(固定焦点)
読取階調:24bit入出力
解像度: 3200dpi
サイズ:不明
対応OS:(SDカード)
加えて、サンワダイレクトは、400-SCN066という製品を出します。
こちらの場合、35mmほか、127フィルム、スライドほか、120フィルムのアダプタがあります。ブローニーフィルムの対応は、KENKOほか、このタイプでもありますが、120ブローニー対応は珍しいかと思います。
あとは特段、特徴はないので、この部分が便利に感じる方向けのニッチ製品でしょう。
【2012年発売】
Windows 7〜11 Mac 10.11〜15
【画像編集ソフト・赤外線ホコリ除去あり】
14・Plustek OpticFilm 8200i AI
¥58,900 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
【画像編集ソフト・赤外線なし】
15・Plustek OpticFilm 8100
¥43,500 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
センサー方式:CCD
読取階調:48bit入出力
解像度: 7200 dpi
接続:USB2.0
サイズ:120 x 272 x 119 mm
対応OS:Windows, Mac
OpticFilmは、 Plustekという台湾の光学機器メーカーの製品です。ブックスキャナでも有名なメーカーです。
日本ではオーグが代理店で、オーグ 高解像度フィルムスキャナー」としても売られています。
2機種のうち、下位機種のOpticFilm 8100 は、後述する、赤外線によるホコリ・傷検出とSilverFastという高度な補正用のソフトが付かないモデルです。
接続方法は、USBケーブルです。
パソコンを回して使う製品です。こちらはWindowsのほか、Macにも対応している点で、Macユーザーには嬉しい製品です。
対応するフィルムは、35oのネガ・ポジフィルムです。
ブローニーなどの大判は対応できません。また現像した写真の取り込みには未対応です。
自動的なほこり除去に対応し、速度も36秒ほどと高速です。なお、確認のための約8秒でクイックスキャンすることも可能です。
解像度は、最大で7200dpiと高解像度です。
また、プロ向けの48bit出力にも対応します。
方式も、「書画カメラ」ではなく、被写体深度がある点で、写真の取り込みに向いたCCDセンサーを使った本格的な方式です。画質は期待できるでしょう。
ただし、パソコンは2 GHz 以上のCPUと2GB以上のメモリを要求しています。
なお、上記写真のようなフィルムフォルダに入れて使います。ポジ用が4枚、ネガ用が6枚収納でできます。
フィルム読取速度(1コマ:3600dpi)
・35mm:約36秒
フィルム読取速度(1コマ:7200dpi)
・35mm:約113秒
フィルムの取り込み速度は、Plustekの発表する実測値によると上表の通りです。
後ほど紹介するような、3万円台のフラッドベットタイプと比較しても遜色のないスピードです。
速度的にイライラすることは少ないでしょう。
補整機能は、上位機の場合、傷補正、ホコリ補正、階調の補正かなり充実します。
くすんだ色のフィルムの彩度もある程度回復できます。IT8カラーマネージメントも対応です。
とくに、上位機は、赤外線検知によるホコリ・傷の除去機能を装備します。
専用ソフトで処理せずとも、ある程度の補整は任せられます。
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以上、OpticFilm の紹介でした。
現在高機能なフィルム専用機として家庭用に市販されるのはこのメーカーの機種に限定されています。
最大7200dpiという高解像度も、MacのRetinaを初めとする4K・5K解像度で再生することを考えても十分なスペックです。
Windows 7〜11 Mac 10.10〜15
【2020年発売】
16・Plustek OpticFilm 135i
¥57,500 楽天市場 (11/17執筆時)
【2021年発売】
17・サンワダイレクト 400-SCN061
¥59,800 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
センサー方式:CCD
読取階調:48bit入出力
解像度: 7200 dpi
接続:USB2.0
サイズ:210 x 374 x 189 mm
対応OS:Windows Mac
OpticFilm 135i は、 Plustekの最上位機種です。
現在的に生産終了のOpticFilm 120 とOpticFilm 135の事実上の後継機です。
なお、型番を変更して日本のサンワダイレクト(サンワサプライ)が販売しているモデルも同じ機種です。
対応するフィルムは、35oのネガ・ポジフィルムのほか、幅さえ合えば、パノラマフレームなども対応します。
また、本機も、自動フィルム送り機能が装備されます。
フィルムなら6枚まで、スライドなら4枚の自動スキャンに対応できます。
解像度は、最大で7200dpiと高解像度です。本機も、プロ向けの48bit出力にも対応します。
そのほか、下位機種同様に、赤外線によるホコリ・傷検出も本機は対応となります。
補整機能は、一方、下位機種と異なり、SilverFast 8は同梱しません。
「クイックスキャンプラス」というドライバーソフトのみです。
それなりの調整は可能ですが、フォトショップなどのサードパーティソフトにダイレクト出力して、そちらで編集させるような指示です。
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以上、OpticFilm 135i の紹介でした。
自動送り機能が付属しており、スライドなど次々に送りたいような場合は、便利です。
一方、マシンスペックが結構必要な部分(Core i5以上 8GBメモリ)は注意点でしょう。
1-4・フラッドベッド型スキャナの比較
最後に、フィルムの取り込みのほか、現像した写真や、写真集などの取り込みにも利用できるスキャナを紹介します。
接続方法は、この形式の場合、いずれもUSBで、Windows用/Mac両対応になります。
このタイプは「雑誌やコミック表紙の自炊」に利用する方もいるので、その用途にも対応するように書きました。
一方、画質よりもスピードを重視した「CISセンサー搭載機」は、ビジネス用なので別の記事となります。
写真の取り込みなど画質を重視するのではない場合、上記のリンク記事をご覧ください。
【2014年発売】(在庫限り)
Windows XP〜11 Mac 10.5〜15
18・EPSON Colorio GT-X830
¥75,480 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
センサー方式:α-Hyper CCD II
読取階調:48bit入出力
解像度:6,400dpi
接続:USB2.0
サイズ:280×485×118mm
対応OS:Windows Mac
GT-X830は、エプソンのフィルム対応スキャナの上位機です。
同社は、本機の下位機となるGT-F740を終息させました。また、本機も、在庫限りでの終売が発表されているので、次に見る(最後に残った)上位機との価格差はみてください。
Atlasの調査時だと、価格差は逆転していました。
GT-X830は、同社の(書類用の)一般機と比較した場合、読み取りスピードが高速です。光源として白色LEDを二本搭載していますので、ウォームアップ時間も短いです。
この点で言えば、(少しオーバースペックながら)書類用の上級機ともいえます。
対応するフィルムは、35mmのネガ・ポジ・スライドです。
また、中盤のブローニーも取り込める仕様で、最大6×22cm判までとかなり大きなものまでいけます。
35mmフィルムは、キヤノンと同じで12コマまで連続で処理可能です。コマの連続切り出しにも対応します。
解像度は、6,400dpiです。
画像・画質の点では、センサーは自社技術を使った「α-Hyper CCD II 」を採用します。
CCDは、(そもそも)同社が主導してきたセンサー技術ですし、同社の技術は安定性・信頼性があります。
とりわけ、写真フィルムの取り込みについて言えば、ノイズが少ない画質が得られるメリット性があります。
特に本機は、本体の高さが118oですので、被写体深度も確保しやすいです。
この点で「ぼやけにくい」です。
写真の取り込みにおいて高画質を求める人で、専用機ではなくて、兼用機を選ぶならば、このグレードは欲しいところです。
48bit入出力には(もちろん)対応できます。
標準読取速度(A4:600dpi)
・グレー・モノクロ:12秒
・カラー:約12秒
最高読取速度(L判:6400dpi)
・グレー・モノクロ:約285秒
・カラー:約285秒
読取速度は、理論値(msec/line)から換算する場合、上表のようになります。
十分な速度です。
フィルム読取速度(1コマ:4800dpi)
・35mmポジ:約72秒
・35mmネガ:約95秒
フィルム読取速度(1コマ:6400dpi)
・35mmポジ:約92秒
・35mmネガ:約125秒
フィルムの取り込み速度は、エプソン発表の実測値です。
やはり速度は、速いです。
写真や雑誌の取り込みは、普通のスキャナなので、焼いた写真もA4サイズまで利用可能です。
6400dpiで、センサーはCCDですから、【フラッドベッドスキャナの比較記事】で書いたようなCISセンサーを利用するタイプよりも、カラーの取り込みにおいて画質品質は高いとも言えます。
さらに、2本のLEDの採用、違った角度から光をあてられるため、原稿シワが折り目が目立ちにくいからです。
こうした点で、写真集などの「自炊」にも向くでしょう。
補整機能は、高レベルです。
同社のドライバーは、明度・彩度だけでなく、逆光補正に対応します。色あせた写真の退色復元機能も強力です。
また、読み取る際にフィルム上のゴミ掃除や、写真の破れや汚れ、本の折れ目の画像的処理を自動的に行う機能(DIGITAL ICE)が付きます。
ほこりをドライバーで事後補整するよりも楽で、性能が良いです。
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以上、GT-X830の紹介でした。
しっかりとした読み取りスピードや解像度が高く、フィルムの対応の幅や補整機能も充実しています。
ただ、先述のように、2024年で生産終了です。価格も、上位機とあまり変わらないので、今選ぶならば、上位機だと思います。
【2014年発売】
Windows XP〜11 Mac 10.5〜15
19・EPSON GT-X980
¥71,345 Amazon.co.jp (11/17執筆時)
センサー方式:α-Hyper CCD II
読取階調:48bit入出力
解像度:6,400dpi
接続:USB2.0/IEEE1394
サイズ:308x152.5x503mm
対応OS:Windows Mac
GT-X980は、エプソンの最上位機種です。
対応するフィルムは、大判の4×5フィルム(しのご)まで対応です。
各種マウンターを付属しており、利用上問題を感じる部分はありません。
解像度は、6,400dpiです。下位機種と同じスペックです。
画質は、より期待できます。
こちらは、4群6枚構成高性能レンズが採用され、高詳細な取り込みが可能になっているからです。
さらにARコートされているので、ゴーストの軽減にも繋がります。また、写真の暗部の階調表現にも優位性が期待できます。
また、高詳細の6400dpiと4800dpiのレンズを2つ装備し、フィルムや原稿のサイズに合わせて最適なレンズでスキャニングされます。
組み立てについても、日本製品の安心感で、専用のキャリブレータで、微調整をしてから出荷しており、個体差が少ないと言えます。
標準読取速度(A4:600dpi)
・グレー・モノクロ:21秒
・カラー:約21秒
最高読取速度(L判:6400dpi)
・グレー・モノクロ:約113秒
・カラー:約113秒
読取速度は、理論値(msec/line)から換算する場合、上表のようになります。
エプソンのGT-X830と比べると、低解像度での取り込みはやや遅いですが、画質重視の場合、理論上は相当スピードが出るようです。
フィルム読取速度(1コマ:4800dpi)
・35mmポジ:約66秒
・35mmネガ:約95秒
フィルム読取速度(1コマ:6400dpi)
・35mmポジ:約85秒
・35mmネガ:約76秒
フィルムの取り込み速度は、エプソン発表の実測値です。
光学関係の変更からか、ネガフィルムの取り込みがポジより速いですね。速度的にも不満はなく、最高水準です。
写真や雑誌の取り込みは、A4まで対応します。
ただし、α-Hyper CCD IIセンサー は、ラインが6ラインです。下位機種の12ラインよりも少ないです。
そのため、スキャンのスピードや、シワの寄ったような状態の悪い原稿については、下位機種に優位性があります。この点で、フィルムではなくて、写真そのものや書類の取り込みの場合は、下位機種が良いでしょう。
補整機能は、デジタルアイスを含めて、下位機種と同等です。
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以上、エプソンのGT-X980の紹介でした。
フィルムの取り込み性能については、こちらが「とびきり優秀」です。銀塩カメラをかなり本格的にやっていた人が購入すると良い機種だと思います。
実際、現状のフラッドベッドでこれ以上の機能性を持つ製品はないですし、このタイプが「マスト」である使い方ならば、本機が良いでしょう。
中級機が続々「終息」なので、このグレードもいつまで続くか、若干不安になってきましたので、このタイプはどうしても欠かせないような方は、手に入れる時期は考えてください。
なお、自動搬送機能付きフィルム専用スキャナに比べると、フラッドベッド型は、ふたをしないといけない部分が、作業効率の部分で難点になる部分はあります。
また、ソフト的に「自動的なコマの切り出し」に対応するものの、画像の濃淡で切り出し認識がうまくいかない場合もある点も、公立の部分では、難点です。
とはいえ、センサーは相当優秀ですし、(フィルムを動かさなくてよいぶん)画質はより良好で、失敗は少ないです。そのため、画質最優先の場合は、フラッドベッドタイプが良いでしょう。
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【生産終了】(中古価格)
20・キヤノン CanoScan9000F MarkII
(¥18,800) Amazon.co.jp (11/17執筆時)
センサー方式:CCD(12ライン)
読取階調:48bit入出力
解像度:4800dpi(9600dpi)
サイズ:270×480×111mm
対応OS:Windows Mac
なお、キヤノンは、高性能なフィルム対応スキャナを2020年に終息させてしまいました。
最後に残ったCanoScan9000F MarkIIも現在では普通の値段では手に入りません。
今回の結論
写真やフィルム向けのおすすめスキャナーは結論的にこれ!
というわけで、今回は各社のフィルムスキャナーの比較の1回目記事でした。
しかし、記事は、もう少しだけ「続き」ます。
2・フィルムスキャナの比較 (2)
=最終的なおすすめ機種の提案
画質の良さ ★★★★★
作業速度 ★★★★★
ネガフィルムの取込 ★★★★★
プリント写真の取込 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
続く、2回目記事(こちら)では、ここまで紹介してきた全機種から、いつものように、目的別にAtlasのおすすめ機種を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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