【今回レビューする内容】2023年 軽量でパワフルなコードレススチームアイロンの性能とおすすめ・選び方:アイロンの選び方:パナソニック・東芝・T-falの違いと特長など
【比較する製品型番】Panasonic スチームアイロン NI-WL407 NI-CL313 NI-WL507 NI-WL607 NI-WL707 NI-WL406 NI-WL506 NI-WL606 NI-WL706 NI-CL312 東芝 La・coo TA-FDX650 TA-FDX750 TA-FDX950 TA-FV450 TA-FDX650 TA-FV460 TA-FV560 フリームーブパワー9980 FV9980J0 9985 9986 FV9986J0 フリームーブミニ 6420 FV6420J0 6440 FV6440J0 6460 FV6460J0 5020 6110 FV6110J0
今回のお題
スチームが強く軽量なコードレスアイロンのおすすめはどの製品?
どもAtlasです。
今回は、2023年3月現在、最新のアイロンの比較です。
「軽量性重視!」のコードレスアイロンと、「パワー重視!」のコードレスアイロン双方を取りあげます。
もちろん、双方のバランスが取れた「万能機」も取りあげる予定です。
1・コードレスアイロンの比較 (1)
1-1:パナソニック〈日本〉
1-2:東芝〈日本〉
1-3:T-Fal〈仏国〉
2・コードレスアイロンの比較 (2)
2-1:日立〈日本〉
2-2:アイリスオーヤマ〈日本〉
2-3:3R〈日本〉
3・コードレスアイロンの比較 (3)
=最終的な「おすすめ」の提案
今回は、3回連続記事の1回目記事です。
上表のような順番で、メーカーごと製品を紹介してていきます。
軽さ ★★★★☆
スチーム力 ★★★★★
滑りやすさ ★★★★★
作業時間 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、コードレスアイロン各機を丁寧に比較します。
その後、最後の「結論編」(こちら)では、上表の5つのポイントから、予算別・目的別に、Atlasのおすすめ機種を提案していきます。。
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1・コードレスアイロンの比較
2・コード付きアイロンの比較
3・衣類スチーマーの比較
4・ズボンプレッサーの比較
今回の記事は、家庭用アイロン関連製品の比較記事の1回目記事として書きました。
なお、(プレスより)衣類へのスチームショット利用に特化した製品は、コードレスでも、【衣類スチーマーの比較記事】として、別立てで4回目の記事(こちら)でフォローします。
また、「同じ家電名」で「ややこしい」のですが、「理美容家電」のほうは、このブログでは【ヘアーアイロンの比較記事】の方で紹介しています。
よろしくお願いします。
0・ アイロンの選び方の基本
はじめに、コードレスアイロンの「選び方の基本」について書いておきます。
上表は、ここで見ていく3社のアイロンの特徴を「ざっくり」と表にしたものです。
家庭用のアイロンで「自分のニーズにあうアイロン」を選びたい場合、メーカーごとの特徴をまず抑えると、(わりと)選びやすいです。
0-1・アイロンの軽さ
0-2・スチームの強さ
0-3・かけ面の滑りやすさ
0-4・持ちやすさ
そのため、具体的な製品紹介にはいる前に、簡単に解説しておきます。
0-1・アイロンの軽さ
第1に、アイロンの軽さです。
軽量なアイロンは、基本的にコードレスで、小回りが効きやすく、エリやボタン部分などの、ポイントがけもしやすいです。
その点で言えば、「座りながらアイロンをかける」方は、軽さを重視して選ぶのがよいでしょう。
得意なメーカーは、日本のパナソニックと東芝です。
日本市場では特に人気があるため、パナソニックと東芝は、軽量タイプのみ生産しています。後半で紹介する、日立やアイリスオーヤマの製品もこのタイプです。
軽量アイロンの欠点は、「スチーム力」と「かけ面の広さ」が犠牲になる点です。つまり、アイロンがけに時間がかかる点が欠点と言えるでしょう。
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結論的にいえば、座り掛けを基本として、ボタン周りなどの細かい部分まで気を使いたい方は、「軽量性を重視した、パナソニックや東芝の製品が合うでしょう。
0-2・スチームの強力さ
第2に、スチームの強力さです。
スチーム力が強力なアイロンは、以前はコードつきアイロンだけでした。
しかし、最近は、コードレスでも強力な機種が出ています。
家庭用のアイロンは、全社とも滴下式という圧力を加えない方式を用いています。ただ、上位機は、かけ面の下の孔の数が多く、厚い衣類まで深くスチームが浸透します。
シワのより安い洗濯乾燥機による乾燥には「強い味方」で、このタイプは、同時に「かけ面が広い」ため、アイロン掛けも短時間で終わります。
得意なメーカーは、フランスのT-Falです。
同社のアイロンは、国内他社より5倍以上のスチーム噴射が可能で、この点で固定ファンが多いです。
強力スチームアイロンの欠点は、「本体の重さ」と「ポイントがけのしにくさ」です。
ただ、立体的な人体アイロン台を利用して「立ち掛け」する場合方は、「アイロンの重さを利用してプレスをしていく」ため、重さはさして欠点になりません。
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結論的にいえば、「立ち掛け」を基本として、一度にかなりの量をさばく方は、スチームと本体の重さを利用しながら強力にシワを伸ばせる、T-Falのアイロンが合うでしょう。
東芝・パナソニックも、上位機はスチーム力がやや強めですが、それでもT-Falの下位機にも及ばない水準ですから。
0-3・かけ面のグレード
第3に、かけ面のグレードです。
かけ面とそのコーティングは、、アイロンのなかでも部品代がかかる部分です。
そのため、各社とも、上位機と下位機で、グレード差を付けています。
上位のグレードになるほど、アイロンが滑るように動くため、一般的にかけやすさが高まります。とくに最上位機は、各社とも工夫を凝らします。
例えば、T-Falは、パラジウムにより、スチーム孔のメンテが不要になるT-Falの「オートクリーン」かけ面を採用します。
パナソニック・東芝も、ニッケル素材を採用し、滑りやすさと操作性を向上させています。
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結論的にいえば、「今持っているアイロンよりも高品質」で、明らかに違いが分かるアイロンを選びたい場合、少なくとも、上表の「2位以上」のアイロンを優先して選ぶとよいでしょう。
0-4・アイロンの持ちやすさ
第4に、アイロンの持ちやすさです。
パナソニックは、アーチ型を採用します。
これは、衣服を安定的にプレスできるよう、力が均一に衣服に伝わることを重視した構造です。
東芝も、2020年からは、上位機ではフラットハンドル型を採用しました。
パナソニックようなアーチ型ではないため、体重を効果的に使ってシワを伸ばすという部分ではパナソニックに負けるでしょう。
ただ、後部の特殊形状を利用したポイントプレスのしやすさなど、細かい部分の処理については、東芝は定評があります。
T-Falは、コードレス式では、取り回しやすいレバー式を採用します。
これは、アイロンベースに戻す際などの取り回しやすさを重視した構造です。
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結論的にいえば、「しっかりきれいにアイロン掛け」をしたい場合アーチ型、使い勝手を重視する場合はレバー式が良いでしょう。
ただ、ここまで見てきた他の要素よりも、両者の差は「わずか」なので、過度に気にしなくても良い部分です。
−−
以上、アイロンを選ぶ際の「基本」について書いてきました。
パナソニック
・かけ面が狭く、時短効果は少ない
・アイロンが軽い
・ポイントプレスは普通
・スチームが若干弱い
・取り回しは普通
=体重を利用してプレス
東芝
・かけ面が狭く、時短効果は少ない
・アイロンが軽い
・ ポイントプレスがしやすい
・スチームが若干弱い
・レバー式で取りまわしやすい
=体重を利用してプレス
ティファール
・かけ面が広く、時短効果は高い
・アイロン本体が重い
・ポイントプレスは不得意
・スチームが強力
・取り回しは、やや難
=アイロン重みを利用してプレス
改めて、各社の特徴を「メーカー別」にまとめなおせば、以上の用になります。
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もちろん、各社の製品とも「例外」はありますので、以下の記事では、そうした点もふまえつつ、1機種ずつ詳しく調査を加えていきます。
2・パナソニックのアイロンの比較
はじめに、パナソニックのコードレスアイロンを紹介します。
同社の製品は、数機種あります。個別の機種の紹介に入る前に共通の特長について書いておきます。
なお、以下では、オススメできるポイントについては赤字で、イマイチな部分については、青字で書いていきます。
第1に、その小型・軽量性です。
後ほど紹介するように、ティファールは、コードレスモデルだと重さが1.35キロほどあります。
パナソニックの場合、本体の重さが約1キロです。その分、一度にかけられる面積は狭いものの、圧倒的な軽量性は、力のない女性に人気です。
なお、本体が軽量なので、アイロンは、体重を上手に乗せながらかけていく方式です。
第2に、どら焼き型のかけ面構造を持つことです。
前方のみにかけるのではなく、前後左右に動かしながらかけられる点でメリット性があります。
下手に動かしても、シワが付きにくいというメリット性があり、初心者向きでもあります。
第3に、スチーム噴射の均一性です。
パナソニックは、スチーム孔から噴出するスチームの噴霧範囲が広く、均一になっています。
後ほど紹介するティファール社のアイロンに比べると、最大のスチーム力が1/5ほどと敵いません。しかし、孔の形状や配置を工夫することで、少ない蒸気を効率的に服に噴霧する構造になっています。
また、上位機種は、かけ面が「低温」でもスチームを噴出できる「低温スチーム」に対応します。
T-falは、圧力式でハイパワーであるため、全機種、低温スチームは不可能ですので、パナソニックのメリット性と言えるでしょう。
第4に、その「スリムヘッド構造」です。
アイロンの先端面を丸く加工することで、アイロンが生地に引っかかりにくくなっています。これは小さなことですが、ポケットやエリなどの段差がある服にアイロン掛けする際に格段に快適です。
なお、どの機種もスーツなどへのスチームショットは可能です。ただし、スチームのパワーについて言えば、ティファール社の方が強力です。
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さて、全機種共通の特長を紹介しました。ここからは機種別に格安モデルからハイエンドモデルまで比較していきたいと思います。
【2022年発売】
1・Panasonic NI-WL407-P
1・Panasonic NI-WL407-H
¥7,473 Amazon.co.jp (3/2執筆時)
【2019年発売】
2・Panasonic NI-WL406-P
2・Panasonic NI-WL406-H
¥6,780 Amazon.co.jp (3/2執筆時)
かけ面 :シルバーチタン
コード :コードレス
注水量 :120ミリリットル
最大スチーム量:9.5g/分
かけ面サイズ:10×22.0cm
重さ :1kg
NI-WL407は、パナソニックのスチームアイロンの入門機です。
以前は、「カルル」という愛称がありましたが、最近は「コードレススチームWヘッドアイロン」という長い名前です。
本機には1世代前の旧機種が残りますが、性能は同じです。色も同じ系統の2色で、スイッチ部分の配色などが違うだけなので、値段で決めてOKです。
かけ面のサイズは、22×10cmです。
先述のように、パナソニックのアイロンは、小ぶりで、細かい部分で、操作しやすいアイロンです。
写真は上位機のものですが、本機も形状は同じで、その特長を持ちます。
本体の重さも、1キロと軽量です。
そのため、重いアイロンが苦手な人でも快適にかけられると思います。
かけ面のコーティングは、パナソニックでは下位グレードであるシルバーチタンコートです。
同価格帯のティファール製品は特殊セラミックかけ面を使っているのに比べて、やや弱い感じです。
したがって、かけ面のすべりやさの部分では、あまり期待できないでしょう。
スチームのパワーは、9.5g/分というスペックです。
同社の上位機種と比較してこの点ではかなり弱い機種です。
ハンガーショットによりシワ伸ばしなどはあまり期待できません。
操作部は、高温・中温・低温の切り替えが可能と標準的です。
ただ、スチームについては、注意が必要です。
というのも、この機種は、アイロンが高温・中温のみでスチームが利用でき、低温では使用できないからです。
また、設定温度を効果的にキープするためのマイコン温度設定機能を持ちません。
このあたりが弱点でしょう。
充電は、台座において行います。一回のフル充電で180秒のアイロン掛けが可能です。
この時間は、上位機種でも、この最安モデルでも変わりません。
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以上、パナソニックのNI-WL407の紹介でした。
この機種はかけ面の「どら焼き型構造」などの基本的特徴を除けば、上位機種に較べて、能力が高いとは言えない機種です。あまり購買意欲はわきませんね。
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【2021年発売】
3・パナソニック NI-CL313-P
3・パナソニック NI-CL313-H
¥6,364 Amazon.co.jp (3/2執筆時)
【2019年発売】(性能は同じ)
4・パナソニック NI-CL312-P
4・パナソニック NI-CL312-H
¥6,290 Amazon.co.jp (3/2執筆時)
かけ面;シルバーチタン
コード :コードレス
注水量 :80ミリリットル
スチーム量:5g/分
重さ :0.9kg
なお、パナソニックは、格安コードレス機としてNI-CL313 の展開もあります。
ただ、写真を見ると分かるよう、ハンドル形状が異なる格安仕様の製品です。
スチームのパワーは、5g/分と弱くなる部分や、先ほどの機種と同じく、マイコン制御ではない点を含めて、上位機とこの値段差ならば、選択肢にしなくて良いでしょう。
【2022年発売】
5・Panasonic NI-WL507-A
5・Panasonic NI-WL507-P
¥9,645 Amazon.co.jp (3/2執筆時)
【2021年発売】
6・Panasonic NI-WL506-A
6・Panasonic NI-WL506-P
¥8,499 Amazon.co.jp (3/2執筆時)
かけ面 :ハードチタン
コード :コードレス
注水量 :160ミリリットル
最大スチーム量:13g/分
かけ面サイズ:10×22.0cm
重さ :1.1kg
NI-WL507は、パナソニックの中級グレードのコードレスアイロンです。
本機の場合も、新旧両機種ありますが、多少の配色の違い以外、性能も色構成も同じです。
かけ面のサイズは、22×10cmで下位機種と同じです。
本体の重さは、その一方で、機能強化で100gだけ重量を増しています。
かけ面のコーティングは、ハードチタンコートです。
セラミックコートではないものの、下位機種に較べて上位のコーティングであり、滑りやすさが向上しています。
スチームのパワーも、13g/分です。
下位機種よりも50%近く強力です。また、この機種から、アイロンの温度が低温でもスチームが利用可能です。
また、これ以降の上位機はスチーム量も2段階で調整が可能です。
機能面でも、この機種からは温度センサーが搭載されます。
そのため、設定温度に近くなるように細かくセンサーでマイコン制御する機能を持ちます。
安全性能も、このグレードから、消し忘れを防止するための「うっかりストッパー」が付きます。
操作部も、下位機種より工夫があります。
アナログのスイッチ式ではなく、NI-WL507からは、ボタンスイッチになっています。実用は変わりませんが、デザイン性はこちらのほうが良いと思います。
その上で、このグレードから、握りの部分に、指かけグリップがある点も、下位機種と異なると言えます。また、ハンドルもこのグレードより上位の機種は、抗菌仕様になります。
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以上、パナソニックのNI-WL507の紹介でした。
下位機種に較べて、かけ面のグレードがあがり、すべりが向上している点が魅力です。スチームのパワーも、実用的といえるレベルに向上していますし、
安全面も優れます。1万円以下の予算で、小型・軽量機種を選ぶならば、とてもよい選択肢の1つだと思います。
【2022年発売】
7・Panasonic NI-WL607-PN
7・Panasonic NI-WL607-S
¥12,100 Amazon.co.jp (3/2執筆時)
【2021年発売】
8・Panasonic NI-WL606-PN
8・Panasonic NI-WL606-S
¥11,781 Amazon.co.jp (3/2執筆時)
かけ面 :セラミックコート
コード :コードレス
注水量 :160ミリリットル
最大スチーム量:13g/分
かけ面サイズ:10×22.0cm
重さ :1.1kg
NI-WL606は、パナソニックの「コードレススチームWヘッドアイロン」の上位機です。
ただ、かけ面のサイズや重さは、下位機種と同様です。
また、新旧の違いは、このグレードの場合も、スイッチ部分などの多少の配色の違いに止まるので、値段で決めてOKです。
かけ面のコーティングは、上位のセラミックコートを採用します。
メーカーが異なりますが、ティファールと同じ素材です。
一般的に、チタン含有系のコーティングより高度ですから、滑りはより良いでしょう。
スチームのパワーも、13g/分と下位機種と同じです。
ただ、タンクの容量が多少大きく、また、霧吹き代わりに使える、スプレー機能が付属します。
機能面では、下位機種の持つ全ての機能に加えて、アイロンの孔のカルキでの目詰まりを防止する加工が施されています。
ただし、ティファールの「オートクリーン」のようにかけ面全体に有効な機能ではなく、薬剤によるものです。ただ、カルキ対策に効果的でしょう。
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以上、カルルNI-WL607の紹介でした。
注目するべきは、セラミックかけ面の採用と、カルキ対策でしょう。
とくにかけ面は、セラミックが採用されるモデルは、非セラミックモデルに比べて滑りやすさが実感できるます。
小型で滑りやすいモデルを探している場合は、このグレード以上のものが良いでしょう。
【2022年発売】
9・Panasonic NI-WL707-C
9・Panasonic NI-WL707-H
9・Panasonic NI-WL707-P
¥14,890 Amazon.co.jp (3/2執筆時)
【2021年発売】
10・Panasonic NI-WL706-C
10・Panasonic NI-WL706-H
10・Panasonic NI-WL706-P
¥14,300 Amazon.co.jp (3/2執筆時)
かけ面 :ミラーマジ軽
コード :コードレス
注水量 :160ミリリットル
最大スチーム量:13g/分
かけ面サイズ:10×22.0cm
重さ :1.1kg
NI-WL707は、パナソニックの最上位機種です。
下位機種と色目以外のデザインは同じですが、使用されているプラスチックの材質などが異なります。
また、旧機種がありますが、こちらについても、性能は同じです。値段で決めてOKです。
一方、かけ面のサイズや重さ、スチームのパワーといった部分が、下位機種と同様です。
かけ面のグレードは、唯一の機能上の相違点です。
最高性能第1位のかけ面であるミラーマジ軽ベースが採用されます。
こちらはステンレス地にニッケルメッキしたかけ面で、通常のセラミックかけ面よりも滑りやすくなっています。
汚れ耐性も強く、スプレー糊などの汚れも付きにくく、お手入れ面でもメリット性があります。
その他、全温度スチーム、マイコン温度制御、水漏れ防止、うっかりストッパーなど、下位機種が持つ性能は全て持ちます。
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以上、パナソニックのカルルNI-WL707の紹介でした。
端的に言って、違いはかけ面素材だけです。ただ、この部分は、アイロンの稼働性に最も影響を与えるといって良い部分です。
値段差はありますが、素材の価格差からすると、むしろ割安にも思えますし、予算があれば本機が良いかと思います。
3・東芝のラクーの比較
ここからは、東芝のアイロンを機種ごとに紹介します。
シリーズ名は「ラクー」です。東芝の白物家電のシリーズ名は「ザブーン(洗濯機)」など長音を入れますね。
東芝は、ハンドルがフラットで、パナソニックに比べると、体重はすこしのせにくいです。
ただ、重さは1kgを切っているため、水タンク満水状態でも150gほどパナソニックより軽いです。
後部に傾斜があるため、一方向では無く前後左右にアイロンを動かしても、アイロンじわができにくい構造になっています。
従来のアイロンは、後ろに動かした際シワができやすいという構造的欠点がありました。
パナソニックは、上下対称のどら焼き型のかけ面構造にすることで、後ろに動かしてもシワが寄りにくい工夫をしていました。
東芝の場合、後部に傾斜を付けることでこれを緩和しています。
また、アイロンの両側の先端構造も特徴です。
パナソニックは、ボタンの間などに対応するため「スリムヘッド構造」を採用していました。
東芝も、前側の先端部で同じような所作ができるようにしています。
一方、反対側に、プリーツやフリルなどの仕上げに対応できる「ポイントプレス用の傾斜」があるので、仕上げの「ふんわりがけ」がしやすいです。
この部分は、東芝独自であり、強調できる構造です。
【2022年発売】
11・東芝 La・coo TA-FDX650-H
¥7,808 楽天市場 (3/2執筆時)
かけ面 :シルバーセラミック
【2020年発売】
12・東芝 La・coo TA-FDX650-L
12・東芝 La・coo TA-FDX650-P
¥7,500 楽天市場 (3/2執筆時)
かけ面 :シルバーチタン
コード :コードレス
注水量 :80ミリリットル
最大スチーム量:13g/分
かけ面サイズ:10×20cm
重さ :0.95kg
TA-FDX650(H) は、東芝の上位シリーズとなる「美(ミ)ラクルLa・Coo」シリーズの製品です。
これより下位機種もあります。ただ、そちらはハンドル形状異なるので、上位機特有のハンドル形状を採用する機種としては、本機が「最安」です。
一方、本機の場合、旧機種が残ります。ただ、「最重要」といえるかけ面素材が、シルバーチタンとだいぶ落ちるので、値段差分の差はあります。値段差はありますが、選ぶならば、新機種でしょう。
重さは、0.95kgです。
かけ面のサイズは、10×20cmです。
かなりの小型で、操作性重視と言えます。
かけ面のコーティングは、中位のシルバーセラミックコートです。
セラミック塗装なので、チタン系より、すべりが良く、耐久力も高めです。
スチームのパワーは、13g/分です。
パナソニックと同様の「全周スチーム」が採用されます。59個の孔から強力なスチームを満遍なく噴射できます。
高温・中温・低温全てでスチームが使えますし、スチーム量も2段階(5g/分)で調整できます。
パナソニックの上位機と同じほどスチーム量が多いため、シワを取るだけではなく、衣類の臭い消しなどのケアにもある程度使えるレベルです。
ただし、ティファールのスチーム力に比べると4分の1ほどに止まります。
機能面では、同社の下位機種には搭載されない、多くの便利機能が搭載です。
例えば、切り忘れを防止するオートパワーオフ機能、アイロンベースに置くたびに、素早く適温状態に戻せるスピード給電、かけ面に手に触れにくい構造のセーフステーション構造などです。
また、水漏れしにくいオートバルブを採用している点は、よい部分です。そのほか、設定温度になった際、ランプ以外にブザーで知らせる機能が付属です。
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以上、東芝の TA-FDX650の紹介でした。
下位機種と比較する場合、スチーム面での弱さが解消されたほか、使い勝手・安全性の部分でも能力が強化されています。
一方、かけ面のグレードは、チタン系であり、滑りやすさはイマイチです。この点で言えば、もう少しだけ上位機を選んでも良さそうです。
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【2022年発売】
13・東芝 La・coo TA-FV460(W)
¥4,546 楽天市場 (3/2執筆時)
13・東芝 La・coo TA-FV460(P)
¥5,202 楽天市場 (3/2執筆時)
【2020年発売】
14・東芝 La・coo TA-FV450(H)
¥6,024 楽天市場 (3/2執筆時)
14・東芝 La・coo TA-FV450(P)
¥6,500 Amazon.co.jp (3/2執筆時)
かけ面 :シルバーチタン
コード :コードレス
注水量 :80ミリリットル
最大スチーム量:5g/分
かけ面サイズ:10×20cm
重さ :0.9kg
なお、ラクーシリーズについては、以上の下位機種があります。
ただ、ハンドル形状がそちらだけ旧式でし。すべりの部分でも下位のシルバーチタンです。
スチームのパワーも、穴が17個と減る関係で、最大5g/分となり、低温スチームの利用もできません(中・高温のみ)。
加えて、安全面でのセーフステーションや、給水お知らせブザーがないです。
東芝機はこのグレードはマイコン制御ではないので、適温にもなりにくいでしょう。
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【2022年発売】
15・東芝 La・coo TA-FV560(H)
¥4,546 楽天市場 (3/2執筆時)
かけ面 :シルバーチタン
コード :コードレス
注水量 :80ミリリットル
最大スチーム量:11g/分
かけ面サイズ:10×20cm
重さ :0.9kg
なお、2022年に、同じシングルレバー形状の上位機が登場しました。
こちらは、孔の数が少し多めでスチーム量が11gと少し増えます。
ただ、引き続き、マイコン制御ではなく、低温スチームも不可です。
昔の東芝は上位機もシングルレバーだったので、アイロン台(充電台)からのとりまわしの良さで愛用者はいるでしょう。ただ、どうせならば、もう少し上位仕様で「復活」してほしかったように思います。
【2020年10月発売】
16・東芝 La・coo TA-FDX750(T)
¥7,016 楽天市場 (3/2執筆時)
かけ面 :シルバーセラミック
コード :コードレス
注水量 :160ミリリットル
最大スチーム量:13g/分
かけ面サイズ:10×21cm
重さ :0.95kg
TA-FDX750-Tは、ラクーシリーズの上位機です。
かけ面のサイズは、10×21cmと下位機種よりわずかに大きいです。
本体の重さは、950gです。
かけ面のコーティングは、中位のシルバーセラミックコートです。
セラミック塗装なので、チタン系より、すべりが良く、耐久力も高めです。
スチームのパワーは、13g/分です。
本機も「全周スチーム」が採用で、この部分は下位機種と同じです。
機能面では、下位機種に搭載される全ての機能を持ちます。
加えて、水タンクの内側ガラスを水溶性ガラスにして抗菌作用のある銀を含有する仕組みです。
その効果で、水あかを抑えてスチーム孔の目詰まりを低減するアクアクリーンユニットが装備されます。
スチーム利用時は水を加熱するのでこの機能は無用ですが、水を入れっぱなしで保存している状態で水垢を防ぐ作用があるのは、目詰まりを防ぐという意味で重要です。
また、霧吹きとして使えるミスト機能も、本機から搭載です。こちらも銀の効果で「抗菌ミスト」です。
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以上、東芝のTA-FDX750-Tの紹介でした。
下位機種同様の十分なスチーム力に加えて、セラミック系のかけ面が採用されることで、本機は「上位機にふさわしいスペック」になっていると言えます。
性能面でも最近の高級機のトレンドを押さえていますし、持ち手の形状が好みならば、選んで問題のない機種だと思います。
【2020年10月発売】
17・東芝 La・coo TA-FDX950(N)
¥9,240 楽天市場 (3/2執筆時)
かけ面 :ニッケル
コード :コードレス
注水量 :160ミリリットル
最大スチーム量:13g/分
かけ面サイズ:10×21cm
重さ :0.95kg
TA-FDX950-Nは、ラクーシリーズの最上位機です。
かけ面のサイズは、下位機種と同じです。
本体の重さは、950gですから、本体部分の性能差はありません。
かけ面のコーティングは、同社1位のニッケルコートです。
以前は、摩擦係数がさらに低い「ボロンコート(ニッケルボロン)」の最上位機がありました。
現在はニッケルコートが最上位です。
ニッケルメッキでのコートは、耐久性があるほか、かけ面の滑りやすさの点でも下位機種よりも有利です。
スチームのパワーは、13g/分です。
この部分の仕様は、下位機種と同等です。
機能面では、低温・中温の温度設定が2段階ずつあり、100-200度の間で5段階で温度が選べる仕様です。基本的に3段階あれば足りるでしょうが、特に低温度で処理したい場合には有効かもしれません。
そのほかは、下位機同様の抗菌ガラスの採用に加えて、プラチナボールを含有することで、抗菌性だけでなく、「水を除菌」するという表現が加わった程度の違いです。
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以上、TA-FDX950の紹介でした。
下位機種との大きな違いは、ニッケル採用のかけ面でしょう。現行の東芝機だけで言えば、品質は最高です。
滑りやすさでは、パナソニックの最上位機とほぼ同じですし、ポイントプレスのしやすさや、「とにかく軽量」という観点で選ぶならば、本機が最高でしょう。
5・T-Falのコードレスアイロンの比較
ここからは、「スチームが強く、アイロンの面積が広くかけやすい」フランスのティファールのコードレスアイロンを比較していこうと思います。
ここまでと同じような視点から比較していきましょう。
【2019年発売】
18・フリームーブパワー9986 FV9986J0
¥15,800 楽天市場 (3/2執筆時)
かけ面 :オートクリーンかけ面
コード :コードレス
注水量 :250ミリリットル
最大スチーム量:110g/分
かけ面サイズ:12.5×27.0
重さ :1.35kg
フリームーブパワー9986 は、ティファールのコードレスです。
同社は、コード付きが有名なメーカーですが、日本市場向けにコードレスモデルも積極的に展開しています。
かけ面のサイズは、12.5×27.0cmです。
他社のコードレスタイプよりも、やや広いです。
広いかけ面の場合、一度の往復で広い面積がかけられるので、アイロン掛けについてある程度時短効果が期待できます。
本体の重さは、一方、かけ面積が広いこともあり、他社標準より重く、1.35キロほどあります。
ただし、この部分は、他社に比べての欠点とは言えず、体重を使わずとも、アイロンの自重でプレスできるというティファール社のアイロンの優れた特長を活かすためでしょう。
もちろん、本体で充電する際持ち上げる動作を考えれば、非力な方には一長一短です。
かけ面のコーティングは、1位の「オートクリーンかけ面」が採用されています。
「オートクリーン(メンテ不要)」は、かけ面に付着した繊維を、蒸気と二酸化炭素に分解して自動で取り除くという仕組みをとっています。
表面素材の金属に含有された水素を利用する方式で、熱を加えると酸化触媒反応が起こり、繊維を無機化合物に変化できます。そのため、スチーム孔に繊維ゴミがたまらず、メンテ不要です。
本機の旧モデルでは、体積の935倍の水素を含有できるパラジウムを利用との情報があったので、本機も同じ素材を用いていると思われます。
実際、アイロンからカルキの固まりがでるのは不快ですし、良い機能だと思います。アイロンを多用する人には、オススメの技術です。
「すべりの良さ」は、かけ面に2層のエナメルコーティングが追加されました。同社の説明では、「33%のすべりの良さアップ」とのことです。
スチームのパワーは、コードレスとしては、例外的に強いです。。
トリガーを握ってのジェットスチーム利用時、110g/分のパワーと相当なハイパワーです。
「コードレスはパワー不足」という固定観念を覆すために、同社はコードレスをハイパワーにしているのだと思います。パワーの点で物足りなく感じる部分はないでしょう。
なお、通常のアイロン掛けにおけるスチーム量は、かけ面温度により自動調整されます。
もちろん、100g/分はプレス時のシワ伸ばしには強すぎるため、最大25g/分までと、(しっかり)調整されています。
それでも他社機より量は多いです。
その他、かけ面が低温時の水漏れ防止機能や、アイロンのオートオフ機能など、実用面、安全面では他社に比べても遜色ありません。
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以上、フリームーブパワー9986 の紹介でした。
他社より重めです。
その点で、「座って使うアイロン台」を利用なさるかたで、「軽さ」を追い求めるならばあまりオススメできません。他社モデルが良いでしょう。
しかし、立ち掛け用のアイロン台を利用する場合は、その重さを苦にせず使えます。
また、体重をかけてプレスできる分、「アイロン上手」な方ほど、仕上がりも期待できるでしょう。
それなりに価格が高いですが、オートクリーンの採用で、スチーム孔に溜まる繊維ゴミを焼き切る点は、使い勝手の部分でかなりの魅力です。
ほかにも、他社のコードレスと比較して、余熱時間が短くて済むこと、相対的にかけ面積が広いこと、ジェットスチームの力が5倍以上強いことなどが、「売り」です。
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19・フリームーブパワー9980 FV9980J0
¥(11,162) Amazon.co.jp (3/2執筆時)
かけ面 :特殊セラミック
コード :コードレス
注水量 :250ミリリットル
最大スチーム量:100g/分
かけ面サイズ:12.5×27.0cm
重さ :1.35kg
なお、参考までに示しておくと、2022年初頭まで、本機の下位機種がありました。
かけ面グレードが落ちる機種で、スチーム量がわずかに落ちます。
このシリーズはおそらく「アイロン上級者」に人気なので、中級機はあまりニーズがなかったのかと思います。
【2020年モデル】
【フッ素かけ面】
20・フリームーブミニ 6420 FV6420J0
¥5,679 楽天市場 (3/2執筆時)
【チタンかけ面】
21・フリームーブミニ 6440 FV6440J0
¥5,390 楽天市場 (3/2執筆時)
【セラミックかけ面】
22・フリームーブミニ 6460 FV6460J0
¥8,778 楽天市場 (3/2執筆時)
【フッ素かけ面】(特定量販店用型番)
23・フリームーブミニ 6110 FV6110J0
¥5,679 楽天市場 (3/2執筆時)
かけ面 :下で解説
コード :コードレス
注水量 :80ミリリットル
最大スチーム量:80-90g/分
かけ面サイズ:10×21.0cm
重さ :約0.9kg
フリームーブミニは、2017年に登場したフリームーブシリーズの最新機です。
このモデルについては、同社の従来品と設計思想が少し異なり、軽量性を突き詰めています。
その意味で、従来から言えば「T-falらしからぬ」新型であり、ここまでの機種とは一線を画するものです。
かけ面のサイズは、10×21.0cmと、他社を含めても相当小さくなっています。
本体の重さは、どの機種も900g前後です。
ライバル会社のコードレスアイロンより徹底して軽量化している点は、かなり戦略を練ってきた製品だと思います。
かけ面のグレードは、一方で、注意するべき点です。
FV6420J0 がフッ素かけ面、FV6440J0 がチタンかけ面だからです。
最上位機のFV6460J0 は、同社3位のセラミックかけ面ですから、それでも最上位ではないです。
上位のかけ面を採用していないのは、T-falとしては、あくまでこうした小型機機種は「特殊ニーズ」であることを示すためでしょう。
つまり、自信を持ってオススメしたいのは、ここまで紹介してきたようなかけ面が大きなモデルということだと感じます。
スチームのパワーは、80g・85g・90gと各グレードに差を付けています。
通常スチーム利用時の滴下は、10g・12g・14gです。
最上位機のFV6460J0 は、通常14g・ジェット90gのパワーですので、他社の最上位機を少し上回るスペックです。
ただ、タンクへの注水量は、他社の上位機の約半分の80mLである点は、小型化の弊害と言えそうです。パワーが強いので、水はなくなりやすいでしょう。
その他、かけ面が低温時の水漏れ防止機能はありますが、アイロンのオートオフ機能の言及がありません。
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以上、フリームーブミニの紹介でした。
最上位機については、小型軽量性・スチームの強さ・かけ面のグレードが総合的にまとまっている部分で評価できます。
ただ、タンクの小ささの部分は、利便性の面で注意するべき機種です。
その点言えば、あまり大量にアイロンはしないが、軽量な高性能機は欲しいと言う、「アイロン初心者」の1人暮らしの方には、向くでしょう。
次回に続く!
軽量で強力なアイロンのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は、コードレスアイロンの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ、続きます。
2・コードレスアイロンの比較 (2)
2-1:日立〈日本〉
2-2:アイリスオーヤマ〈日本〉
2-3:3R〈日本〉
3・コードレスアイロンの比較 (3)
=最終的な「おすすめ」の提案
続く2回目記事(こちら)では、比較的安い機種が多めにラインナップされる、日立とアイリスオーヤマのコードレスアイロンを紹介します。
軽さ ★★★★★
スチーム力 ★★★★★
滑りやすさ ★★★★★
作業時間 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、3回目記事の結論編(こちら)では、ここまで分析してきたデータに基づいて、価格や性能や使い勝手から、「最もおすすめと言える機種」を選定したいと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら。