1回目記事からの続きです→こちら
3-1・バイオライトの比較
3回目記事のトップバッターは、ヤマギワのバイオライトです。
バイオライトは、ヤマギワが1990年代に販売していた名機といえるデスクライトです。
「E17ミニクリプトンランプ」に通常より電圧をかけることで、太陽と同等の「演色値Ra100」を疑似的に実現していました。Atlasも、学生時代に、師匠から譲り受けたものを数年使っていました。
その後、ヤマギワの経営危機などで、バイオライトは(突如)消え去りましたが、LED版のバイオライトを販売しはじめました。
ただ、現状では、「ヤマギワブランド」での販売です。
1・LEDデスクライトの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:パナソニック〈日本〉
1-3:NEC(HotaluX)〈日本〉
1-4:コイズミ〈日本〉
1-5:BenQ 〈台湾〉
1-6:山田照明 1〈日本〉
2・LEDデスクライトの比較 (2)
2-1:山田照明 2〈日本〉
2-2:スワン電器(自然光デスクライト)〈日本〉
2-3:フィリップス〈オランダ〉
3・LEDデスクライトの比較 (3)
3-1:ヤマギワ・バイオライト〈日本〉
3-2:ダイソン〈英国〉
3-3:バルミューダ〈日本〉
3-4:アイリスオーヤマ〈日本〉
3-5:ツインバード工業〈日本〉
3-6:ジェントス〈日本〉
3-7:エコリカ〈日本〉
4・LEDデスクライトの比較 (4)
4-1:他の企業
4-2:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)でみた選び方の基本の説明に沿って解説していきます。
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なお、以下の本文では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字系で記していきます。
【クランプ式】
51・ヤマギワ レビオ Rebio 555REBIO/WH
51・ヤマギワ レビオ Rebio 555REBIO/BK
¥44,000 楽天市場 (5/15執筆時)
照度:JIS A水準
演色値:Ra97
多重影:
調光: 3段階
調色:3000K(電球色)
555REBIOは、ヤマギワのバイオライト・レビオの基本セットです。
かつても安売りしない機種でしたが、良かれ悪しかれ、その伝統は守られています。
高級な製品ですが、あくまで、手元灯・読書灯ですから「高級だから広範囲に照らせる」というわけではありません。
あくまで、同社が表明するように、これは「タスクライト」です。
LEDの照度は、直下照度は1600ルクス、読書として普段使う30cmほどの距離でも500ルクスです。
したがって、山田照明の1万円以下のZ-8Wと比べても、あまり変わらない明るさです。
JIS規格照度でも、A型相当です。
60Wの白熱灯をやや下回るといえる明るさです。
ただ、30cm圏内の「実作業域」はJIS AA水準と同社は説明します。
色温度は、しかし、この機種は面白く、3000Kの色温度です。
簡単に言えば、3000KはパナソニックのLED電球でいうところの「オレンジ色の電球色」です。
これは、太陽の色に近づけるという、旧来のバイオライトの思想によるところです。
調色ができない点なども相当のこだわりを感じます。
演色値は、Ra97です。
今回紹介する製品のなかでも、数字として最高です。
電球色ではありますが、(白熱灯時代の感覚として)太陽の光により近いという意味では、こちらはより近いでしょう。
その上で、面白いのは、色温度/演色値が電球色に近い数値なのに、直接光の当たる部分の白色度が高い点です。
これは、同社が利用する、色を複合した高演色LEDの効果で、背景との輝度のコントラストを高められているからです。
アームの使い勝手や品質は、この製品は、2アーム式で、稼働面で問題なさそうです。
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以上、ヤマギワのバイオライト・レビオの紹介でした。
照射範囲の点ではあくまで手元灯のレベルですが、演色値・色温度その他の工夫で、とくに文字の視認性が高められている点は相当考えられた製品だと感じます。
手元用の補助照明としては、相当優秀と言えるため、広範囲の照射が不要だと考える場合は、性能面でイチオシはこちらです。
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【デスクスタンド付属】
52・ヤマギワ レビオ 555REBIOSA-CL-BK
52・ヤマギワ レビオ 555REBIOSA-CL-WH
¥55,000 楽天市場 (5/15執筆時)
【フロアスタンド付属】
53・ヤマギワ レビオ 555REBIO-BKFBBK
53・ヤマギワ レビオ 555REBIO-WHFBWH
¥62,700 楽天市場 (5/15執筆時)
照度:JIS A水準
演色値:Ra97
多重影:
調光: 3段階
調色:3000K(電球色)
なお、レビオについては、台座セットタイプも見られます。
3-2・ダイソンのデスクライト
続いてに、イギリスのダイソンです。
掃除機などで有名なダイソン博士の会社ですが、息子さんのジェイク・ダイソン氏が照明デザイナーで、氏の監修した製品となります。
【2020年発売】CD05BB後継機
【通常型番】
54・Dyson Solarcycle Morph CD06BB
55・Dyson Solarcycle Morph CD06WS
¥67,150 楽天市場 (5/15執筆時)
照度:
演色値:Ra90
多重影:対策あり
調光: 6段階
調色:2700K-6200K(電球色-昼光色)
Dyson Solarcycle Morph は、イギリスのダイソンの製品です。
以前は、Dyson Lightcycleでしたが、名称変更がありました。
いずれも、近未来的なデザインで、これまでなかった形状で面白みがあります。
LEDの照度は、直下照度などのデータが未公開です。
ただ、最大照度は、英国のダイソンサイトによると1546ルクスとのことです。
照射範囲はともかくとして、写真のようにタスクライト的に利用するならば十分でしょう。
一方、一般的な読書灯としては、6個のLEDから角度78度での照射ですから、おそらく機構的にさほどの照射範囲は期待できない点は注意してください。
色温度は、2700K-6200K(電球色-昼光色)で調整可能です。
演色値(太陽光をRa100とする数値)は、Ra90です。
正確には、Ra90or aboveという表現なので、色温度によってはもっと高いのでしょう。
なお、本機は、照度センサー及び、スマホアプリと連動させる形式で、輝度と色温度を「現在地の時刻(明るさ)」「年齢」と合わせて自動調整する仕組みがあります。
製品の宣伝として「自然光をトラッキング」とあるのはこのためです。
学習モード・作業モード・リラックスモード・起床モードと4つのシーンに応じて、自動的に光を調整してくれる仕組みは、家電として非常に面白いです。
そのほか、LEDを冷却するヒートパイプテクノロジーで「60年(181,000時間)」という高寿命を謳う点など、技術的にも面白いです。
USB-C端子でスマホの充電に対応するほか、磁石でワンタッチで収納できる構造など、使い勝手の部分も良いです。
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以上、ダイソンのDyson Solarcycle Morph の紹介でした。
デザイン面の革新性ではいうことがないでしょう。スマホと連動させて、自然光を再現させつつ運用できるなど、抜群の面白さもあります。
一方、単一光源からの照射で、面を照らすものではないので、机一杯に書類を並べるような方には向かないでしょう。
3-3・バルミューダのデスクライト
最後に、日本のバルミューダです。
一芸のあるデザイン家電で有名な日本のブランドです。
【2023年発売】
56・BALMUDA The Light L03A-BK 【黒】
56・BALMUDA The Light L03A-WH 【白】
¥38,090 楽天市場 (5/15執筆時)
【2018年発売】
57・BALMUDA The Light L01A-BK 【黒】
57・BALMUDA The Light L01A-WH 【白】
¥38,200 楽天市場 (5/15執筆時)
照度:
演色値:Ra97
多重影:対策あり
調光: 6段階
調色:3000K(電球色)
BALMUDA The Lightは、バルミューダが最近発売したデスクライトです。
新旧両機種ありますが、仕様は同じです。
同社のプレスリリースによると製造行程の見直しとコスト削減で、同じ品質での製造が担保されたから出したようです。 L03Aと L01Aの違いは仕様上はないと言えます。
子供用としては「高価」だったので、良い変更に思えます。仕様表に見られない部分(プラスチックの質感・肌触り・仕上がりなど)も変わっていようにみえました。
「子どもの目を守る 太陽光LEDデスクライト」というコンセプトのライトです。
下手をすると、学習机より高級で、かなり挑戦的な製品です。
LEDの照度は、直下照度などのデータが未公開です。したがって、JIS規格照度についても分かりません。
しかし、これには理由があります。
なぜなら、この機種は上図の様に、光を斜め方向に照射することで、子供の手元に影が入り込まないようにする仕組みを採用するからです。
したがって、直下照度よりも30cm向こう側の照度のほうが高い機種です。
30センチ離れた場所でも500ルクス以上で照らすため、手元灯のレベルとしては明るいと言えます。
色温度は、この機種は5700Kです。
電球でいうところの、昼光色と昼白色の中間的な色で「文字がくっきり見える」と言われる色です。
学習用には良いでしょう。
演色値(太陽光をRa100とする数値)は、Ra97です。
山田照明やヤマギワのバイオライトと同等で、相当高い数値を出せています。太陽の光に近い数値でしょう。
アームの使い勝手や品質は、この製品は、斜め照射という構造上固定的なので、説明を省略します。
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以上、BALMUDA The Lightの紹介でした。
技術の面で子供用として真面目に設計している点が相当好感が持てる機種です。ただ、公平を期していえば、この値段を出せるのは一部のご家庭に限られるでしょう。
その点さえクリアすれば、最高の子供用照明器具でしょう。
難点はあまりない機種ですが、手元灯、かつ、斜め照射なので、「目に優しい」設置場所については定めがあります。
その点でいえば、子供が意味を理解して、光源を動かさずしっかり使うかによるところが大きいと言えそうです。
しかし、3.2kgという本体の重さと、筆箱兼用という点で、開発者はこの点を考えてはいると思われます。
一方、そもまで予算がない場合ですが、丸形では、子供向きと言えるのがあまりありません。
そのため、面の力で机を広範囲に照射できる長形タイプで、演色値がある程度高いものを選ぶと良さそうです。こうした形状の製品は、このブログの【目に優しいLEDデスクライトの比較記事】で幾つも紹介しています。
3-4・アイリスオーヤマのライト
つづいて、アイリスオーヤマのLEDデスクライトです。
【2019年発売】
【直下照度3000ルクス】
【スタンド式】
58・アイリスオーヤマ LDL-701-W
¥5,509 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
【クランプ式】
59・アイリスオーヤマ LDL-701CL-W
¥5,945 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
照度:JIS AA水準
演色値:Ra85
多重影:対策あり
調光:無段階
調色:約5000K(昼白色)
701タイプは、日本のアイリスオーヤマのLED照明ブランドである ECOHiLUXシリーズのデスクライトです。
2種類ありますが、スタンド式とクランプ式(クリップ式)の違いだけです。
LEDの照度は、JIS AA水準をクリアします。
しっかり計測したデータは非開示ですが、直下照度3000ルクスで、50cm離れた場所で250ルクスなので、同価格帯の「ジェントス機より明るい」と言えます。
色温度は、本機も調光はできないタイプです。
色は、昼白色という表記です。
具体的な色温度(ケルビン値)はかいていませんが、見た感じ5000K前後でしょう。
演色値(太陽の光を100とする数値)は、Ra85です。
その部分を「売り」にしているジェントス機ほどではないですが、平均以上はあります。
明るさ調整は、上部のボタン操作にて無段階で調整可能です。
一方、多重影対策は言及はないですがなされているようです。その上で「まぶしさガード」で光源のバラツキを抑える工夫があります。
アームの使い勝手や品質は、稼働性・高さその自由度の部分では、問題ないでしょう。
太めのアームは、格好良さはイマイチですが、格安品を下手に細身にすると「グラつく」ので、実用重視で良いでしょう。
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以上、アイリスオーヤマの701タイプの紹介でした。
ライバルは、ジェントス上位機やパナソニック上位機でしょう。
比較すると、演色値ではジェントス、昼光色(文字くっきり)ではパナソニック、最大の明るさではアイリスオーヤマが有利でしょう。
ただ、差はわずかなので、最終的なおすすめは、記事の結論で改めて考えます。
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なお、アイリスオーヤマは、比較的安めのデスクライトを他にもいくつか出しています。
順番に見ておきます。
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【直下照度2500ルクス】
60・アイリスオーヤマ LDL-502-W
60・アイリスオーヤマ LDL-502-B
¥4,828 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
照度:JIS AA水準
演色値:Ra85
多重影:対策あり
調光:無段階
調色:約5000K(昼白色)
第1に、LDL-502は、アイリスオーヤマの中級機になります。
LEDの照度は、JIS AA水準をクリアします。
詳しい照度分布は分かりませんが、直下照度2500ルクスですので、上位機に及ばない水準です。
サイズも、(多少低めながら)しっかり高さがあります。
こうした点で言えば、子供の学習机用に安めの製品を探しているのならば、選択肢になります。
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【2021年/23年発売】
【直下照度1700ルクス】
【ベース】
61・アイリスオーヤマ LDL-TBDL-B
¥8,200 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
61・アイリスオーヤマ LDL-TBDL-KB
¥15,180 楽天市場 (5/15執筆時)
【クランプ】
62・アイリスオーヤマ LDL-TCDL-B
¥8,250 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
62・アイリスオーヤマ LDL-TCDL-KB
¥15,180 楽天市場 (5/15執筆時)
照度照度:JIS AA水準
演色値:Ra85
多重影:対策あり
調光:無段階
調色:昼光色-電球色
第2に、LDL-TBDL・LDL-TCDLです。
なお2023に末尾が-KBになる型番がでました。2系統のUSB端子の片側が(丸い)USB-Cになっている点以外は基本仕様は、旧機と同じです。
LEDの照度は、本機もJIS AA水準はクリアする明るさです。
直下照度は、先ほどの機種に負けますが、そのかわり、調色対応です。
ただし、色温度は非公開です。
このあたりのデータをしっかり出さないのが、同社の課題でしょう。
演色値は、同じくRa85です。
シェードもワイドなので、照明部分の品質は、値段相応に良いです。
稼働性は、必要十分です。
あえて言えば、傘の直前の軸が下から回されるタイプ(スワン型)です。
見かけほか、アームが太いのやや邪魔に感じやすい部分はあるかもしれません。
そのほか、台座部分にUSB端子があります。
10.5Wなので、速くはないですが、スマホ充電に対応できます。
また、珍しくリモコンが付いています。
本体のタッチスイッチでも、調光・調色は可能ですが、操作は面倒ですし、ポイントと言えます。
詳しい説明はないですが、おそらく赤外線式なので【スマート家電リモコンの比較記事】で書いたような端末があれば、AIスピーカーでの音声操作や、スマホでの操作もできそうです。
ニッチですが、リモコン付属の部分は割と「ポイント」に思えました。
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【直下照度1700ルクス】
63・ アイリスオーヤマ LDL-52K
¥7,045 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
照度:JIS A水準
演色値:Ra97
多重影:対策あり
調光:無段階
調色:(昼白色)
第3に、LDL-502です。
アイリスオーヤマの高演色タイプになります。
本体色は、ブルーネイビー(LDL-52K-A)・ブラック(LDL-52K-B)・ワインレッド(LDL-52K-R)です。
演色値は、同社では最高のRa97です。
照度はA型相当で、昼白色で調色はできない仕様です。
サイズ感は、他機とほぼ変わりません。
高演色タイプの高級機に比べると、アームほか、明るさや光源配置を含めて、値段差に相応する違いは当然あります。
特に、外装ほか、軸の稼働性、照射範囲の狭さは少し課題です。
しかし、まぶしさや多重影への配慮もあるので、演色性を重要視する場合は選択肢になるでしょう。「目に優しく」、「お財布にも優しい」機種として、プレゼンスがあります。
5000円以下の予算ならば、選べると言えます。
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【直下照度1500ルクス】
64・アイリスオーヤマ LDL-302-W
64・アイリスオーヤマ LDL-302-B
¥4,422 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
照度:JIS A水準相当
演色値:Ra85
多重影:対策あり
調光:無段階
調色:約5000K(昼白色)
第4に、LDL-302です。
こちらは背の低い「手元灯」の類です。
ただ、「JIS規格照度」ではA型相当の照度ですので、用途は限られると言えます。
調色もできません。
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【直下照度1200ルクス】
65・アイリスオーヤマ LDL-QFD-W
¥2,236 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
照度:
演色値:Ra85
多重影:対策あり
調光:5段階
調色:約5000K(昼白色)
第4に、LDL-302です。
本機の場合、台座が、Qiワイヤレス充電器です。
iPhoneなどのワイヤレス給電ができます。出力は9Wです。
15Wクラスではないので、充電はゆっくりめですが、夜ならばまあ良いでしょう。
ただ、照明部分はJIS A水準以下なので、デスクライトとしてはあまり評価できないスペックです。値段相応です。
【2023年発売】
66・アイリスオーヤマ LDL-QF02DL-W
66・アイリスオーヤマ LDL-QF02DL-B
66・アイリスオーヤマ LDL-QF02DL-T
¥7,280 楽天市場 (5/15執筆時)
照度:JIS A水準
演色値:Ra85
多重影:
調光: 無段階
調色:2700-6500K(電球色-昼白色)
LDL-QF02Dは、アイリスオーヤマの販売するスタンドライトです。
シンブルなデザインですが、飽きがこなそうで、外観は結構良いと思えます。
無印にありそうな感じです。
また、本機は、台座部分がQi充電器となっていて、最近のiPhoneなどQiワイヤレス充電に対応できるスマホを、置くだけで給電できる仕様です。
操作は、底面のタッチパネルです。
給電力は、9W(9V 1A)です。
iPhone自体は15W充電できるので、最高速ではないです。ただ、仕事中にちょっと「足し充電」ならば、これでも良いでしょう。
なお背面にUSBポートもあるので、対応できないスマホの場合、ケーブルを利用すれば充電できます。
LEDの照度は、JIS規格照度では、A形相当です。
AA型ではないですが、手元照明としては実用水準でしょう。
演色値は、Ra85です。
色温度は、2700-6500K(電球色-昼白色)で調色可能です。
調光は、無段階です。
アームの使い勝手は、2軸ですが、それなりに動くと言えます。
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以上、アイリスオーヤマのLDL-QF02DLの紹介でした。
スマホ充電をメインに考える場合、意外に良い製品に思えます。
個人的にはデスクライトというか、寝室で本を読む際などの読書灯にはよさげに思います。その部分であえて言えば、赤外線リモコン(IR)かWi-Fiを搭載して、【スマートリモコンの比較】で書いたような端末で、音声操作できるようになれば、最高でした。
3-5・ツインバードのデスクライト
つづいて、ツインバードの製品です。
新潟県の燕三条の会社ですが、ユニークな家電を多く出します。
【2022年発売】LE-H841W後継機
67・ ツインバード LE-H851W
¥11,639 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
照度:JIS AA水準相当
演色値:Ra80
多重影:対策あり
調光: 無段階
調色:5000K(昼白色)
LE-H851W は、ツインバード工業のLEDデスクライトです。
目の優しさに関わる照明LED素子の部分が特長と言える製品です。
LEDの照度は、JIS規格照度AA形の照度基準を満たします。
本機も反射板を使う「リフレクテック」を採用していて、あかりの均一性と拡散性は、シェードのサイズ感以上に拡がります。
配光は、手元配光なので、書類仕事向きです。
ノートPCについては、パナソニックほど特化していないのですが、ノートPC程度ならば、問題ありません。
一方、本機は照明LED素子を日亜化学工業のVitasolisにしています。
光源の「⻘緑域のスペクトルを底上げ(最大+14%)」できるので、(朝のめざめにも関係する)セロトニンの分泌を促すとされます。
ようするに体内時計を整えやすいということになります。色の性質の面で「目に優しい」ともいえます。→開発元によるこの情報は(こちら)
この手の工夫は最近の照明では、一定のブームです。例えば、【LEDシーリングライトの比較記事】で紹介した、ODELICのサーカディアン照明などがそれにあたるでしょう。
色温度は、本機も5000Kに固定です。
演色値は、Ra80です。
目の優しさの部分は先日の技術による担保があるので、問題ないでしょう。
この部分のスペックは低いので、色を扱う仕事には向かない部分があります。
明るさ調整は、ダイヤル式のスイッチでほぼ無段階(24段階)で調整可能です。
アームの使い勝手は、スタンド式として問題ありません。
シリコン製のアームで、上図のように稼働します。
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以上、ツインバード工業のLE-H851Wの紹介でした。
調色できないシンプルな機種としては、値段が高めですが、光源部分に独自で、面白い工夫がある機種です。
色(色偏差)に注目したパナソニック機がライバルでしょう。本機とは仕組みが異なりますが、調整される光色は同じ方向ですので、結果(効果)の部分で両機「似通った機種」といえます。
現状では「新しもの好き」なアーリーアダプタ以外はオススメしませんが、明るさ以外の調整が「面倒」と感じる方で、Vitasolisをこの際、試したい方には良いかと思います。
3-6・ジェントスのデスクライト
続いて、ジェントスのデスクライトです。
同社も日本の照明器具メーカーです。どちらかというと、格安LED製品に強みがある会社のイメージです。
【2023年発売】
【1800ルーメン】【直下照度3800ルクス】
68・ジェントス DK-R190WH
68・ジェントス DK-R190BK
¥8,769 楽天市場 (5/15執筆時)
照度:JIS AA水準相当
演色値:Ra95
多重影:対策あり
調光: 無段階調整
調色:3000-5000K(電球色-昼白色)
ジェントス DK-R190は、同社が2023年に発売した製品です。
スペック的に、かなり「明るい」製品です。
LEDの照度は、40cm直下での照度は、3800Lxです。
下位機種はもちろん、山田照明の上位機に比べても数字としてかなり良いです。
セードも50cm幅はあるため、照射範囲も結構広めでしょう。
演色値も、Ra95です。
色温度は、本機も、昼光色は出せませんが、3000K(電球色)・4000K(白色)・5000K(昼白色)に調色可能です。
無段階で調整できます。
多重影対策も、しっかり言及があります。
アームの使い勝手や品質は、2アーム式なので、使い勝手は問題ないです。
内部配線で見た目もスッキリで良さそうです。
ただ、セードはアームの位置が左右非対称ですので、使用している際にグラつかないかは、確認は要するでしょう。
スイッチは、セードの左端にあります。タッチパネル式です。
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以上、ジェントスのDK-R19の紹介でした。
先述のように、光源のスペックは、照度・演色値を含めてかなり良いです.。
発売後の値段にもよりますが、 割と安めに出るようならば、候補の1つにできそうです。
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このほかにも、ジェントスはいくつか、デスクライトを出します。
目立つモノを、以下でみておきます。
【650ルーメン】【直下照度:1600ルクス】
69・GENTOS R170 DK-R170WH
¥3,799 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
【700ルーメン】【直下照度:910ルクス】
70・GENTOS R115 DK-R115WH【白】
70・GENTOS R115 DK-R115BK 【黒】
¥6,673 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
照度:JIS AA水準
演色値:Ra95
多重影:対策あり
調光: 3段階
調色:
第1に、DK-R170Wなどです。
結構安めですが、JIS AA水準・Ra95を達成する製です。
LEDの照度は、いずれもJIS規格AA水準の明るさをクリアします。
スタンド型は、35cm直下で1600ルクス、クランプ式も、57cmで910ルクスあるので、(上位機ほどではないですが)普通に明るいといって良いでしょう。
しっかりした室内照明があればですが、新聞など(50cm範囲)の照射はいずれも問題ないです。
スタンド型は、ただ、アームの長さ(高さ)は短く、高いところから広範囲に照らせるわけではないです。(背の低い)「手元灯として高スペック」なので、選ぶ場合、この部分は注意してください。
他社より本体の高さが5cmほど低いので、スペック値ほど目に優しいともいえない部分があります。
クランプ式も、セード側の2軸のアームが実質ないタイプなので、ここまで見た同社の他製品に比べても、稼動幅に限界が見られます。
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【2024年発売】
71・ジェントス ルミサス DK-H001BK
¥14,724 楽天市場 (5/15執筆時)
照度:JIS AA相当 1100lm
演色値:Ra92
多重影:
調光: 無段階
調色:不可(だうんらいとあり)
第2に、 DK-H001BK です。
写真のように、 左右のライトが別に動かせるタイプです。
演色値は、Ra92です。
LED自体は、日亜化学の高演色タイプで、天井照明を含めて採用例が多いです。
「くっきり見えやすい」とされますが、実際、
照度は、JIS AA相当です。
直下照度は、器具高が高いので615ルクスと数字は良くないですが、実用性はありそうです。器具光束も1100lmですし、問題なさそうです。
一方、可動性が良い分、ライトの影がどうなるのか読めないです。
サンワダイレクトがだす同じタイプの輸入製品を後ほどみますが、このタイプはここが懸念材料です。
色温度は、不明です。
書き方からすると昼白色だと思います。
調色はできません。中央部に「ダウンライト」として、電球色は出しますが、電球色は120lmなので、用途は限られます。
このほか、台座にUSB-AとUSB-Cがあります。
速度規格がUSB3.0で、給電はいずれも18W(QC3.0互換・USB-PD)なので、しっかりしています。スマホの充電は問題ないです。
スイッチもタッチセンサーで、タイマーも付属です。
アームの可動性は問題なさそうです。
ただ、低めに調整する場合、出幅はありそうです。
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結論的にいえば、先述のように、影がどうなるのかの部分で若干心配です。
あとは、スタンドの調整幅と、調色部分に注意すれば、あとは問題に感じるところはないです。高演色タイプのLEDも採用しますし、そこが重要になる作業にも使えそうです。
【2025年発売】
【1000ルーメン】【直下照度3800ルクス】
72・ジェントス DK-R116IV
72・ジェントス DK-R116BK
72・ジェントス DK-R116WH
¥8,844 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
照度:JIS AA水準
演色値:Ra97
多重影:
調光: 無段階調整
調色:3000-5000K(電球色-昼白色)
DK-R116も、ジェントスのデスクライトです。
本機は、台座部分のQi2規格のワイヤレス充電器が仕込まれます。
台座を立ち上げて、iPhoneなどQi充電に対応するスマホを置いて充電できます。
Qi規格では新しいもので、最大15Wでの充電です。
有線のUSB-Cならばより速く充電できる機種はありますが、一般的に言って実用的で、「快適な速度」と言って良いです。
なお、USB-C出力もありますが、そちらは5Wですし、あまり実用的ではないです。
LEDの照度は、JIS-AA形相当です。
先述のように、この場合、読書灯として明るく使える水準です。
しかし、本機は、50cm、30cm照度などの配光は非開示です。
直下照度 (40cm)が最大1870ルクスとの表記ですので、直下はかなり「明るい」でしょう。
一方、「広配光」という言及はありますが、、セード幅(46.3cm)と身長(約40cm)を考えると、机の上を広範囲に照らすような目的には不向きです。
より正確に言えば、最大光量ならば、机上は広く照らせるでしょう。しかし、その状態だと、直下が明るくなりすぎて眩しい一方、周辺との明るさのムラを強く感じると思います。
結論的にいえば、本機は、あくまで、「(かなり)明るい手元灯」と考えるべき製品です。
演色値は、Ra97です。
繰り返します、太陽光をRa100として、それに近いほど自然光に近いということになります。
Ra90を超えると「高演色LED」といえますが、その点では本機はかなり優秀です。
色温度は、昼光色は出せません。
3000K(電球色)・4000K(白色)・5000K(昼白色)に調色可能です。
多重影対策は、言及がないですが、おそらく問題ないです。
その上で、フリッカーレスである言及があります。
LED方式につきものの「ちらつき」防止がなされているという意味です。LEDバックライトのPCモニターでは「おなじみ」な技術ですが、日本のデスクライトは珍しいです。
ただ、海外企業だとよく使うので、そちらの技術でしょう。
アームは、2軸です。そこまで稼動しないタイプです。
ただ、未使用時に折りたたんでおけるのは、利用法によっては便利です。
スイッチは、手元にあり、タッチセンサー式です。
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以上、ジェントスの DK-R116の紹介でした。
Qi2規格対応のスマホを持っている場合便利そうな製品です。
デスクライトとしても、机の上を「広く照らす」のには、本機はあまり向かない点だけ押さえておけば、問題ありません。
なにかしら細かい作業をする方で、手元灯でとして(一時的に)日光下のような強力な明るさが欲しい場合、選択肢にできる製品といえます。
未使用時には折りたたんでコンパクトにできる部分も、このニーズには合いそうです。
【2024年発売】
【320ルーメン・25cm直下照度2500ルクス】
73・GENTOS ルミリオン DK-R256WH
73・GENTOS ルミリオン DK-R256BK
¥6,673 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
照度:JIS 一般形相当
演色値:Ra97
多重影:
調光:
調色:5000K(昼白色)
DK-R256は、ジェントスのLEDデスクライトです。
今回紹介するモデルの中では、最も安いモデルの1つです。
LEDの照度は、JIS一般形相当との表記です。
配光図をみると、30cmはA相当は越えますが、50cm離れると基準外です。
スポットライトの類に考えるならば問題ないですが、 読書灯としては不適格でしょう。
色温度は、白色LEDですので、蛍光灯で言えば、一般的なLED照明と同じ、5000Kの昼白色です。
読書に向く色合いの1つですが、読書に適当と言える明るさの照射範囲が狭く読書には向かない製品です。
演色値は、Ra97です。
アームの使い勝手や品質は、フレキシブルアームの採用で、ある程度の可動域は確保されます。
ただし、背が28cmと低く、使途としては「手元灯」です。
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以上、ジェントスのLEDデスクライトの紹介でした。
価格面で非常に寝ごろな機種です。しかし、机で使うデスクスタンドとしては、用途が極めて限定的です。あまりおすすめできません。
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【2023年発売】
【320ルーメン・25cm直下照度2500ルクス】
74・GENTOS ルミリオン DK-R255BK
74・GENTOS ルミリオン DK-R255WH
¥3,624 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
【460ルーメン・30cm直下照度1800ルクス】
75・GENTOS ルミリオン DK-R269BK
75・GENTOS ルミリオン DK-R269WH
¥2,927 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
照度:JIS 一般形相当
演色値:Ra97
多重影:
調光:3段階
調色:5000K(昼白色)
なお、本機の上位機・中位機となるのが、DK-R155とDK-R169です。
DK-R255は、先ほどの機種に対して、3段階調光ができる以外は同じです。
DK-R269は、その上で、台座形状が異なり、背も多少高くなります。
直下照度はその分低くなるのですが、LED自体の数は多く明かりが届く範囲は少し広めでです。
ただ、それでも、JIS A水準以下ですし、読書灯としてはもちろん、手元灯としても弱いでしょう。
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【270ルーメン・直下照度2400ルクス】
76・GENTOS ルミリオンDK-S101WHU
¥1,978 Amazon.co.jp (5/15執筆時)
照度:JIS 一般形相当
演色値:
多重影:
調光:3段階
調色:5000K(昼白色)
このほか、同社には、DK-S101WHUという製品もあり、こちらも調光可能です。
USB給電対応です。
内蔵バッテリーで、最高照度で約2.5時間点灯する製品です。
そのため、評価軸は変えないといけないものの、LED1灯式ですので、照射範囲などの点でデスクライトとは言えないでしょう。
なお、直下照度が高いのは、単純に本機の背が低いからです。
3-7・ECORICAのデスクライトの比較
つづいて、日本のエコリカのデスクライトです。
再生トナーで有名な会社ですが、韓国のLG系の企業(M-Tech)と提携して、OLEDデスクライト製品を日本でも展開します。
【2018年発売】
【500ルーメン】
77・Ecorica SKY EELM-SKY100-W
¥41250 楽天市場 (5/15執筆時)
【365ルーメン】
78・Ecorica SKY NEO EELM-SKY200-W
¥22,900 楽天市場 (5/15執筆時)
照度:500lm(器具光束)
演色値:Ra90
多重影:対策あり
調光;3段階
調色:4000K(昼白色)
Ecorica SKYは、エコリカが販売するデスクライトです。
下位機としてEcorica SKY NEOもあります。
安めですが、現物を見た限り明るさが十分でないので、このシリーズだと上位機が良いかと思います。
光源は、本機はOLED(有機EL)です。
この光源を利用する製品は既に、スワン電器でみました。
そちらで書いたように「面発光」ですので、色ムラが少なく、影もできにくい点で「目に優しい」性質があります。
演色値は、Ra90です。
比較的数字は良いです。
色温度は、4000K(昼白色)で固定で、調色は対応しません。
4000KのRa90なので、パネルはおそらくLG系なのだと思います。
LEDの照度は、一方、未開示です。
器具光束として500ルーメンという数字はでます(SKY NEOのみ365lm)。
スワン電器が200ルーメンでしたのでだいぶ明るいです。
そのかわり、調光は3段階ですが、最も暗い段階でも250lmなので、それでもスワンより明るいです。
最大光量で利用する場合、直下はJISのA相当クラスと同等です。
個人的に確認したのは2年弱の展示品なので、経年変化はあったかもしれません。
直下照度は高い一方で、直下ではない場所はLEDに及ばない水準であるのは確かです。
スタンドは、上位モデルは、直上に置いて手元を照らすタイプで、稼動性はないです。
下位機は、2軸で動かせますが、先述のように(動かせる部分をふまえても)あまり明るくないので、その点をふまえてもあまりおすすめしません。
アームの使い勝手や品質は、PROについては、3軸ですし、問題なさそうです。
耐用時間は、4万時間との表記です。
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以上、Ecorica SKYの紹介でした。
有機ELのなかで比べれば、もっとも「明るい」タイプのデスクライトです。
カタログに「光源にばらつき」(明るさ、光色の個体差)がある可能性について触れられていたのが懸念材料でしたが、現品はそういったこともなかったです。
ただし、色温度が4000Kという部分を割り引いても、LEDより明るい訳ではないです。
「優しい光」で直下照度の均一性はたいへん優れる一方、机の広範囲対する明るさの程度はLEDに及びません。大手が、有機EL照明に一気に移行しなかった理由はあります。
ただ、直下を均一に照らせば良い方向けの(広めの)手元灯としては、格段に優れます。
次回に続く
デスクスタンドのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、デスクライトの比較の3回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
4・LEDデスクライトの比較 (4)
4-1:他の企業
4-2:最終的なおすすめの提案【結論】
明るさ ★★★★★
演色値の高さ ★★★★★
調光の柔軟さ ★★★★★
調色対応 ★★★★★
アームの品質 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
続く4回目記事(こちら)では、残りの企業の製品をみたあと、いつものように、Atlasのおすすめ機種!を提案していきます。
ひきつづき、よろしくお願いします。
4回目記事は→こちら!
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