Top カメラ 比較2025’【画質重視】高級コンデジ18機の性能とおすすめ・選び方 (1)

2025年06月22日

比較2025’【画質重視】高級コンデジ18機の性能とおすすめ・選び方 (1)

【今回レビューする内容】2025年 レンズが明るい!デジタルカメラの性能とおすすめ・選び方:機種の違いと性能ランキング:1型 フォーサーズ F値の高いレンズほか

【比較する製品型番】CANON PowerShot G9 X MARKII PSG9X PowerShot G7 Mark III PSG7X Power Shot G1 X Mark III PowerShot V1 6390C001 パナソニック LUMIX DC-LX100M2 DC-DC-TX2D-K DC-TX2-K SONY Cyber-shot RX100 RX100M2 DSC-RX100M3 DSC-RX100M5A DSC-RX100M4 DSC-RX100M7 DSC-RX100M6 Leica ライカ D-LUX8 D-LUX 8 D-LUX 7

今回のお題
最新の高性能デジタルカメラのおすすめはどれ?

 ども、Atlasです。

 今日は、2025年6月現在、最新のデジカメの比較です。

 明るいレンズ大きなセンサーを搭載した、各社の高性能なコンデジを紹介します。

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1・高画質なコンデジの比較(3-15倍)
2・超高倍率ズームのデジカメ(24倍-)
3・単焦点の高級デジカメ(1倍)

 1回目記事(今回)は、最大でも15倍までの低倍率ズームながら「明るいレンズ」と「大きな撮像素子」を積んだ小型機を見ていきます。

 ただ、このジャンルの高級コンデジは、軒並み「生産完了」になっているので、今回は、中古で状態が良いものがまだある製品を含めて、見ています。

 一方、ニッチと言える、25倍を超える高倍率デジカメは、2回目記事こちら)、ズームのない単焦点コンデジは、3回目機器こちら)扱います。

 そちらは、まだ新品の継続生産品が(そこそこ)ある感じです。

 どの記事から読んでも分かるように書きましたので、上記リンクをご利用ください。

 よろしくお願いします。

画質の良さ    ★★★★★
ズーム倍率    ★★★★☆
フォーカスと連写 ★★★★★
手ぶれ補正    ★★★★★
動画撮影     ★★★★★
軽量性      ★★★☆☆
スマホ連携    ★★★★☆
総合評価     ★★★★★

 というわけで、以下では、高画質な小型コンデジを順番に比較します。

 その後、最後の結論編こちら)では、いつものように、目的別・価格別にAtlasのおすすめ機種を提案していきます。

 よろしくお願いします。

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1・高画質な小型コンデジの比較
2・高倍率な中型デジカメの比較【24倍-】
3・単焦点デジカメの比較 【1倍】
4・格安なコンデジの比較
5・高耐久/防水デジカメの比較
6・Vlog用動画カメラの比較

7・ミラーレス一眼の比較
8・一眼レフカメラの比較
9・デジカメ全体の選び方【解説】

 なお、今回の記事は「モノマニア」のデジカメ特集記事全体としては、1回目の記事として書きました。

1-1・高画質デジカメの選び方の基本!

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 はじめに、高画質デジカメの「選び方の基本」からです。

 基本的なスペックの読み方については【デジカメの選び方の解説記事】で細かく書きました。

 そのため、ここではコンデジの「画質」をきめる「2大ポイント」だけ、抜き出して説明するに止めたいと思います。


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 第1に、撮像素子の大きさです。

 撮像素子とは、レンズの光を電気信号に変える部品です。

 このパーツが、大きいほど、光が多く集められるため、色彩豊かな写真が撮影できます。カメラで最も重要なパーツです。

 この部分が悪いと、いくら画素数が高くても高画質を得られません

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 高級コンデジの場合、最も大きなのはAPS-Cです。

 続いて、フォーサーズ(約70%)、1型(約30%)・1/2.3(約8%)と続きます(カッコはAPS-Cとの面積比)。正確には、フルサイズのソニーの単焦点機がありますが、ニッチなので除きました。

 いずれにしても、面積に比例して、情報量が多くなり、解像感が高まります。

 スマホなどと「画素数が同じでも、より綺麗に撮影できる」理由は、ここにあります。

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 結論的にいえば、超高倍率機を例外とすると、「少なくとも1型以上」が良いでしょう。

 ただ、大きな撮像素子を搭載する機種は重いので、利便性を削いでまで大きな撮像素子の製品を選ばずともOKです。


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 第2に、レンズの明るさです。

 デジカメの場合、F値が、カメラの明るさを表す数値です。

 簡単に言えば、F値の数値が小さいほど、レンズが明るくて高性能になります。

 例えば、F3.5と、F1.8のカメラを比べると、F1.8のカメラの方が明るく高性能なカメラです。

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 明るいレンズは、夜間撮影や、室内撮影にとりわけ強く画質が良いです。とくに、背景にボケ味を出すのが得意です。

 高画質カメラを狙う方は重要視して良い部分です。そこで、今回の記事では、F値(広角側)が「少なくともF2.9以下」カメラを「高画質デジカメ」として比較しました。

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 レンズは、ズーム倍率が高い機種ほど、レンズが暗くなるのが基本です。

 多くの枚数のレンズを搭載する必要があり、光が通りにくくなるからです。

 例えば、30倍ズームを搭載する高倍率コンデジは、基本的にレンズ(F値)は暗めです。

 そのため、「高画質デジカメ」は、「ズーム倍率」が控えめな機種に多いです。

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 一方、世の中には、「大きな撮像素子」「高倍率ズーム」「F値の明るいレンズ」という、誰もが欲しい要素を兼ね備える「夢のコンデジ」もあることはあります。

 しかし、カメラのサイズと重さが相当大きくなり、コンデジの利点が削がれます。

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 以上、高級コンデジカメラを選ぶ上で重要なポイントを紹介しました。

 結論的にいえば、「レンズの明るさ」・「ズーム倍率」・「本体の重さ」の3点のバランスが良い機種こそ、真の高性能機だと考えています。

 そうした機種こそ「名機」と言えるでしょう。

 先述のように、このほかの「スペック部分の違い」に興味のある方は、このブログでは【デジカメの選び方のまとめ】記事のほうで、もう少し広い観点から解説しています。

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1・高画質なコンデジの比較(1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:キヤノン
 1-3:パナソニック
2・高画質なコンデジの比較(2)
 2-1:ソニー
 2-2:ライカ
3・高画質なコンデジの比較(3)
 3-1:最終的なおすすめの提案【結論】

 というわけでここからは、具体的な製品の比較にはいります。

 以上のような企業順で、各社の高画質タイプの小さめコンデジを見ていきます。

 よろしくお願いします。

1-2・キヤノンのデジタルカメラ

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 はじめに、キヤノンのデジカメの比較です。

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 なお、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思うポイントを青字で記していきます。


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 【2019年発売】 

 1・CANON PowerShot G7 X PSG7X Mark III BK
 2・CANON PowerShot G7 X PSG7X Mark III SL
  ¥195,800
Amazon.co.jp (6/22執筆時)

光学ズーム:4.2倍
撮像素子:1.0型高感度CMOS
広角側の明るさ:F1.8
望遠側の明るさ:F2.8
画素数:2010万画素
焦点距離 :24mm〜100mm
手ぶれ補正:2軸+CMOS(4段)
モニター:3型タッチパネル(104万)
ファインダー:なし
AF:コントラスト式(31点)
連写:約8.3コマ/秒
動画:4K(30p)
重さ:280g(電池込305g)

 Power Shot G7 X Mark IIIは、キヤノンの「プレミアムモデル」に属する高級機です。

 正確に言えば、スマホ全盛期になる以前は、G5G1などの「フラッグシップ」がありました。後で見ますが、生産完了で、今だと中古市場でないと入手困難です。

 そういった事情を加味すると、(ビデオ撮影向けを除き)キヤノンの現行の最上位機は、本機と言えます。

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 本体の重さは、電池込みで280gです。

 多少重めなのは、コントローラーリングや露出補正などの各種ダイヤルのほか、可動式のチルト式液晶を採用するからです。

 ズーム倍率は、光学4.2倍ズームです。

 焦点距離は24mm〜100mmです。広角側も、望遠側もそれなりに広いです。

 さほど高倍率機ではないとはいえ、使い勝手はよさそうです。

 広角側(1倍ズーム側)も広く撮れるので、より、風景などの撮影には向くでしょう。旅行にも良さそうです。

 撮像素子は、1.0型です。

 本機はソニーの積層型CMOSイメージセンサーを搭載します。

 従来機と比べて画素数や感度などの向上効果は見られませんが、本体の軽量化に寄与していそうです。

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 レンズの明るさは、広角側でF1.8、望遠側でもF2.8と相当明るいです。

 レンズ設計と、とくに反射を防ぐコーティングの工夫で、光の透過率を高め、この性能を出せています。

 美しい「背景のボケ味」も出しやすいでしょう。

 HDR機能は、対応です。

 スマホでもお馴染みですが、3枚の写真を合成し、逆光時の白飛び・黒つぶれを防ぎます。 

 ISO感度は、125〜12800の幅です。

 上限の数値が大きいほど、夜間などの高感度撮影に強くなります。

 そして本機の数値は、平均値を超えており、優秀と言えます。

 なお、加減に向かって広いと、(シャッターが速く切れて)手ぶれしにくくなりますが、普通のコンデジの場合、上限より意識しなくてもよいかなとは思います。

 画像エンジンは、DiGIC8です。

 2018年登場製品で、「AI世代」以前です。

 2020年登場のDIGIC X搭載の製品は、次に見るビデオ向けを除いて、出ていません。

 このあたりは、市場規模の縮小で仕方ないところです。

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 手ぶれ補正は、2軸の光学式手ぶれ補整です。

 キヤノンの場合、ジャイロセンサーから2軸(角度ブレ)補整を行うと同時に、撮像素子からも画像ブレ情報を取得できるデュアルセンシングISです。

 手ぶれだけでなく、ゆっくりとした体揺れも検知できるため、一般的な光学式手ぶれ補整より強力です。

 3倍ズーム機としてシャッター速度4段分ですから、十分な数字です。

 どのカメラもそうですが、ズーム時は手ぶれしやすいので、この点は安心でしょう。

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 なお、上表は、カメラの手ぶれ補正の方式の違いによる、補正を表にしたものです。

 コンデジの場合、(動画を除き)写真に使える5軸補正機はないので、3軸が最高です。

 また3軸についても、超高倍率機と単焦点を除くとないので、「2軸+CMOS」となる本機は、結構優秀です。

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 オートフォーカスは、31点の測距点のコントラスト式AFです。

 オートフォーカスは、性能が良いほど、ピント合わせが高精度・高速となり、動く被写体への強さが増します。

 本機は、追尾AF(サーボAF)にも対応です。

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 顔検出機能は、やや苦手です。

 「顔検出」機能がないので、顔にピントを合わせる場合も、他の物体と同様の方式になります。

 ただ、個人認証機能はあります。

 「顔」「年齢」「名前」を事前に登録しておくと、自動で適したモードを選択します。笑顔や寝顔なども検知できます。

 オート撮影モードは、充実しません。

 「オート」モードはありますが、夜景・人物など20種類以上のモードを自動で選択させ、「どこでも押すだけで高画質」というのは無理です。

 まあ、このグレードの上級者用では必ずしも必要はないかもしれませんが。

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 連写速度も、8.3コマ/秒です。

 この数値は、被写体のピントを追随するサーボAF時(追尾AF)ですから、優秀でしょう。

 さらに、ピントを固定する場合(ワンショットAF)は、最大で30コマ/秒までの連写可能です。

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 液晶モニターは、チルト式液晶です。

 チルト式液晶は、アングルを変えたり「セルフポートレート撮影」ができ便利です。

 その上でタッチパネルも採用されている点で、上級です。

 ピント合わせが直感的にできます。

 ファインダーは、付属しません

 動画撮影機能は、4K動画(30フレーム/秒)に対応します。

 クロップせず、フル画角の4Kが撮影できるため、実用度も高いです。

 動画専用の「5軸手ぶれ補正」も付属です。なお、他社の場合、4K動画撮影時に手ぶれが有効でなくなる機種がありますが、キヤノンは、そのような制限記載がないです。

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 ネットワーク機能は、Wi-Fi機能のほか、Bluetooth LEが搭載です。

 Bluetoothは、低消費電力なので、カメラの電源がオフの状態でも、スマホアプリから画像を読み出し、選択した写真を送信することが可能です。

 Bluetoothは回線が細いので、転送操作する際だけWi-Fiに切り替わります。iPhoneのAirdpopのような仕組みです。

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 以上、 Power Shot G7X MarkIIIの紹介でした。

 現行モデルの写真撮影向けの製品で言えば、この価格帯としては性能の良いレンズを搭載し、手ぶれ補正機能なども強力にな機種です。

 その上で、高速連写と4K動画の撮影に対応できる点、チルト式液晶を採用する点が、良い部分です。

 一方、高性能レンズや可動式モニターを採用した結果、重さは319gすこしあります。従来より縮小してきた高級コンデジ界隈では、この部分は妥協するべき部分かなと感じます。

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 【2017年発売】(中古含む)

 3・CANON PowerShot G9 X PSG9X MARKII
  ¥83,000 楽天市場 (6/28執筆時)

光学ズーム: 3倍
撮像素子:1.0型高感度CMOS
広角側の明るさ:F2.0
望遠側の明るさ:F4.9
画素数:2010万画素
焦点距離 :28mm〜84mm
手ぶれ補正:2軸+CMOS(3.5段)
液晶モニタ:3型タッチパネル(約104万)
ファインダー:なし
AF:コントラスト式(31点)
連写:(8.1コマ/秒)
動画:4K非対応
重さ:182g(電池込み206g)

 一方、このグレードに従来あった下位機がPowerShot G9 X MARK IIです。

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 ズーム力3倍と若干弱くなるのですが、広角側のレンズは少し明るいです。

 撮像素子のサイズも1型ですので、新機種と同じです。

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 なにより、重さが206gですので、より軽量です。

 そのほか、4K動画に非対応であり、また、GPS(A-GPS)の取得が、Wi-Fi時に限られる点、液晶がチルト式ではなく、稼動しない点などが相違点です。

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 結論的にいえば、中古市場「狙い」で、割と軽量で小型な機種を狙っている場合、本機は選択肢になります。

 低倍率ズームの高級コンデジは、ご存じのようなスマホカメラの高画質化と、ミラーレスの軽量化で居場所がなくなり、現行製品で代替可能といえるものは、みあたらないです。

 最近は(若い方達を含む)「レトロコンデジ」のプチブームで需要があるため、中古価格も「高値安定」で、新品も(希少価値から)プレミアが付いている状況です。

 それでも、状態が良く、価格面で折り合いも付く製品があった場合、本機の中古ならば割と良いように思います。先述のように、後継機は期待できないでしょうから。

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 【2019年発売】(中古含む)

 4・CANON PowerShot G5 X PSG5X MarkII
  ¥129,800 Amazon.co.jp (6/22執筆時)

光学ズーム: 5倍
撮像素子:1.0型高感度CMOS
広角側の明るさ:F1.8
望遠側の明るさ:F2.8
画素数:2090万画素
焦点距離 :24mm〜100mm
手ぶれ補正:2軸+CMOS(4段)
モニター:3型タッチパネル(約104万)
ファインダー:有機EL(約236万)
AF:コントラスト式(31点)
連写:約8コマ/秒
動画:4K(30p)
重さ:340g(電池込316g)

 一方、本機の上位だった製品は、PowerShot G5 X MarkIIです。

 2024年で後継機が出ずに生産完了のようですので、中古価格を出しました。

 本体の重さは、電池込みで340gです。

 チルト式液晶のほか、ファインダー(EVF)が付属するため、仕方ない部分です。

 とはいえ、デジカメは、500g以下なら、ポケットに入れることはできないものの、バッグに入れたり、ネックストラップで持ち運ぶならば、全く問題ないです。

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 ズーム倍率は、光学5ズームです。

 下位機種より多少ズームが伸びています。

 明るさは、広角側F1.8、望遠側F2.8であり、犠牲になっていません。

 HDR機能ISO感度・撮像素子手ぶれ補正・ネットワークの部分は、全てG7X MarkIIIと同じ構成です。

 オートフォーカスは、コントラスト式で、測距点が31点です。

 こちらも下位機種と同じです。

 ただ、ファミリー向けの、個人認証機能はない仕様です。

 連写速度は、サーボAF時に8コマ/秒までと、多少ですが、下位機種より落ちます。

 被写体のピントを固定した場合、30コマ/秒まで伸ばせる点は同じです。

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 液晶モニターは、先述のように可動式のチルト液晶モニターです。

 タッチパネル式です。

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 ファインダーは、本機はポップアップ式のものが搭載されます。

 0.39型約236万ドットの有機ELを採用した電子式ファインダー(EVF)です。

 光学式ではないので、実像ではないいわば「ビデオ」ですが、実用性は高いです。

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 結論的にいえば、G7X MarkIIIと比較した場合、目に見えて異なる部分は、ファインダーの搭載だけです。

 ただ、340gと重さが増しているので、ファインダーが不要ならば、下位機種で良いでしょう。


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 【2025年発売】 

 5・CANON PowerShot V1  6390C001
  ¥140,350
楽天市場 (6/22執筆時)

光学ズーム:3.1倍
撮像素子:1.4型CMOS
広角側の明るさ:F2.8
望遠側の明るさ:F4.5
画素数:2390万画素
焦点距離 :16mm〜50mm
手ぶれ補正:2軸(5段)
モニター:3型タッチパネル(104万)
ファインダー:なし
AF:デュアルピクセルCMOSAF (425点)
連写:約8.2コマ/秒
動画:4K(60p)
重さ:379g(電池/カード込426g)

  PowerShot V1 は、キヤノンの「ビデオコミュニケーションモデル」として売る製品です。

 写真向けの装備のものは、1つ上の「プレミアムモデル(Gシリーズ)」があくまで最高峰であり、こちらは、ビデオ向けの装備が充実するものです。

 グレード差はありますが【Vlog向けカメラの比較記事】でみている、同社のPowerShot V10の上位モデルと言えます。

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 画像エンジンは、2020年登場のDiGICXです。

 同社の一眼(フルサイズミラーレスのR50・R10・R7など)の上位機でも採用される上位クラスのエンジンです。

 この部分で新しいので、補正については、登場時(2025年)同社の PowerShotシリーズでは、画像補正部分ほかで、近年の技術の恩恵を得られています。

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 本体の重さは、電池・カード込みで426gです。

 コンデジとしては重いですが、Vlog向けのミラーレスよりだいぶ軽いと言えます。

 撮像素子は、1.4型 CMOSです。

 画素数は、総画素数で2390万画素(動画撮影時:1870万)です。

 22年発売の同社のAPS-Cミラーレス( EOS R7)と同じ世代の素子を、コンデジ用にそのまま小さくした感じのスペックです。

 スペック的に高感度タイプです。

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 ズーム倍率は、光学3.1倍ズームです。

 焦点距離は、35mm換算で16〜50mmです(動画:17〜52mm)。

 望遠側の倍率より、広角側の広さがむしろ目に入ります。

 スマホもですが、最近では広く撮れた方が使い勝手が良いところはあります。

 レンズの明るさは、広角側でF2.8、望遠側でもF4.5です。

 HDR機能は、対応です。

 ISO感度は、常用感度で、100〜32800の幅です(動画:ISO 12800)。

 先述のように、同社のミラーレス(R7)と同じエンジン・撮像素子なので、ここは同じです。

 夜間撮影などは優秀な製品です。

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 手ぶれ補正は、普通の2軸の光学式手ぶれ補整です。

 デュアルセンシングISの採用は、スペック上示されませんので。

 補正段数は、倍率がさほど高くない機種ですが、写真撮影時に5段(中央)表記であり良いです。

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 一方、動画は、電子式(動画電子IS)と光学式(2軸)を併用する手ぶれ補正です。

 大ブレを光学式が担うタイプです。

 水平補正と手ぶれは併用不可です。また、後述する被写体追尾を行う場合も、電子式補正が使えない仕様です。やや制限が多いです。

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 オートフォーカスは、デュアルピクセルCMOS AF II for PowerShotです。

 測距点は、425点と言えます(動画時376点)。

 正確には3431ポジションから、カメラ制御として最大425分割(動画時3139ポジション)です。

 いずれにしても、コンデジでは最高クラスです。

 コンデジの場合、ソニーほかは「ハイブリッドAF」という、位相差AFとコントラストAFを併用するセンサーを採用します。

 キヤノンの場合、像面位相差AFの改良版といえるデュアルピクセルCMOSAFにこだわります。

 同社によると(レンズの行き来がある)ため、ハイブリッドAFでも合焦速度は遅れるとします。それを解決するために、(あえて)像面位相差AFを研ぎ澄ましたわけです。

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 実際、この技術の第2世代機にあたる本機は、画面の90%の領域で像面位相差AFが働きます。

 追尾AF(サーボAF)にも対応です。

 顔検出機能は、装備します。

 瞳検出も対応します。

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 被写体追尾は、一方、被写体追尾ISという機能性があります。

 スマホやPCカメラではAI世代になってからお馴染みな機能性ですが、キヤノンでは本機で初搭載です。 

 ようするに、撮影時に被写体が動いても、常にセンターなど指定位置に固定して、切り出し(クロップ)します。

 クロップについては、後ほど別に説明します。

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 オート撮影モードは、シーンインテリジェントオート搭載です。

 動画でも使えます。

 一方、シーンインテリジェントオート時、特に、夜間、逆光時の場合、強力な補正を行う「アドバンスA+」も、同社のミラーレス同様に搭載です。

 こうした部分で、優れるのも、新エンジンの恩恵です。

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 そのほか、美肌補正、レビュー動画用補正、手ぶれ動画補正など、各社ともお馴染みになってきた機能性は、網羅します。

 連写速度は、メカシャッター時8.2コマ/秒です。

 追尾(サーボ)AF不要ならば15コマ/秒、さらに電子シャッター時ならば30コマ/秒です。

 液晶モニターは、3.0型のチルト式液晶です。

 チルト式液晶は、アングルを変えたり「セルフポートレート撮影」ができ便利です。

 その上でタッチパネルも採用されている点で、上級です。

 ピント合わせが直感的にできます。

 ファインダーは、付属しません

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 動画撮影機能は、4K動画(60フレーム/秒)対応します。

 ただし、クロップ(切り出し)しての4K/60Pです。

 その点で言えば、「1型相当」なのですが、先述の被写体追尾ISほか、大きいことによる利点も多いです。

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 また、4K撮影に必要な画素数より画素数が多いことを活かして、5.7Kオーバーサンプリングも対応です。

 他社でもお馴染みなハイレゾ系機能で、4K/30P撮影時の解像感が高まります。

 一方、先述のように、動画撮影時の手ぶれ対策は、5軸補正ほか、上位の機能性はみられないと言えます。

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 ネットワーク機能は、Wi-Fi機能・Bluetooth(LE)・USB有線が搭載です。

 同社アプリ(Canon Camera Connect)で接続も用意で、無線でのライブ配信も対応です。

 そのほか、キャノンは自社でクラウド(mage.canon)を用意します。無料で30日間ストレージ保存ができるほか、AIによる静止画の自動仕分けや、自身のPCあるいは、外部サービス(Google Photos YouTube Flickrなど)への自動転送も対応です。

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 連続撮影時間は、外気23度時の動作可能時間として、4K/60Pで45分です。

 自動電源オフ温度を「高」に設定する場合、2時間以上というスペックです。

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 本機の場合、コンデジはかなり大きいと言える冷却ファンが内蔵で、それによって効果的に冷やせるからです。

 ウェアラブルカメラベースの超小型「ビデオカメラ」に比べてですが、この部分も特長です。

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 以上、 PowerShot V1の紹介でした。

 動画向けですが、エンジンが新しい部分と、撮像素子が大きな部分で、静止画向けにも「最上位」といっても良い部分はあります。

 もちろん装備の部分や、重さの違い、あるいは広角側のレンズの明るさの違いもありますが、AF部分を含めて、先ほどみた G7X MarkIIIと比べて、本機の装備が劣る部分はみられないように思います。

 一方、動画向きの製品として言えば、手持ち時の若干手ぶれ部分の弱さはすこし気になります。

 ただ、ミラーレス以外で4K/60P撮影できる機種はほかにないですし、冷却ファンによって、バッテリー寿命を超える撮影時間を得れている部分も見どころです。


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 【2017年発売】(中古含む)

 6・CANON Power Shot G1 X Mark III
  ¥114,900 Amazon.co.jp (6/22執筆時)

光学ズーム: 3倍
撮像素子:APS-C
広角側の明るさ:F2.8
望遠側の明るさ:F5.6
画素数:2420万画素
焦点距離 :24mm〜172mm
手ぶれ補正:2軸+CMOS(4段)
モニター:3型タッチパネル(104万)
ファインダ:有機EL(236万)
AF:デュアルピクセルCMOSAF (49点)
連写:約7コマ/秒
動画: 4K非対応
重さ:399g(バッテリーなし375g)

 PowerShot G1 Mark 3は、キヤノンの(静止画系)コンデジでは最も高級な機種です。

 こちらも生産終了で、手に入るのはほぼ中古です。

 また、撮像素子が、ビデオ用Vシリーズと違って、1世代前のGIGIC 8ですので、その性能に依拠する部分(AFほか)は、必ずしも最新ではない点は注意点です。

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 本体の重さは、399gです。

 低倍率ズーム機では軽いとは言えないものの、常識的な重さの範疇で、持ち運びやすくなもあります。

 実際、この重さで、内蔵ファインダーとバリアングル液晶搭載なので、相当優れた機種です。

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 光学ズームは、3倍です。

 下位機種と比べてやや低いですが、画質を最優先した設計であるため仕方ないでしょう。

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 撮像素子は、本機のポイントでAPS-Cです。

 最も重要な部分で妥協がない点はかなり好感が持てます。

 キヤノンは、解像感が高くなるローパスレスではないですが、この部分は、メーカーの「こだわり」となります。

 なお、この機に限っては、裏面照射型(高感度)CMOSではないですが、レンズも明るいので、問題ないでしょう。

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 レンズの明るさは、広角側(1倍ズーム側)で、F値2.8です。

 十分な明るさですが、下位機よりはスペックダウンです。撮像素子のサイズと本体の重さを優先したためでしょう。

 HDR(逆光補正)は採用です。

 ISO感度は、100〜25600の幅です。

 下位機よりスペックが良く、ミラーレス水準です。

 夜間にはさらに強いといえる機種です。

 手ぶれ補正は、4段分です。

 CMOSセンサーからも補整データを得られる最新テクノロジーのデュアルセンシングISを採用します。

 そのため、現行水準の高級デジカメとしては「最優秀」の部類です。 

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 オートフォーカスは、デュアルピクセルCMOSAFです。

 先述のビデオ向き(Vシリーズ)でみたものです。

 効果も同じですが、測距点は49点です。

 顔検出機能は、下位機種同様の水準です。

 フォーカス速度とは関係ないですが「個人認証機能」のがあり、笑顔・寝顔検出機能は可能です。

 連写速度は、7コマ/秒です。

 ピントを固定する場合、9/コマ秒です。

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 液晶モニターは、バリアングル液晶で自由に回転できます。

 ファインダーは、下位機種と同じファインダーが内蔵されます。

 0.39型・約236万ドットと下位機種と同品質のもので、品質は高いです。

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 動画性能は、4K動画は対応しませんが、動画専用の5軸手ぶれ補正を搭載し、画質は期待できます。

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 ネットワーク機能は、Wi-Fi機能Bluetooth LE対応です。

 そのため、GPS位置情報をスマホから常時受けられます。

 ただし、撮影画像のWi-Fiによる自動転送には非対応で、選択した画像を転送させる仕組みです。

---

 以上、PSG1X MARKIIIの紹介でした。

 最高級機ですが、発売から時間が経って値頃感が出ています。

 下位機種と比較した場合、高速連写や4K動画には対応しませんが、そもそもの、撮像素子のサイズが大きく、オートフォーカス性能が「一眼レベル」です。

 もちろん、4K動画や、ネットワーク周りは、旧世代の仕様に近いですが、カメラとして基礎となる画質やフォーカス性能の部分を重視するならば、本機は、性能が良く、お買得です。

1-3・パナソニックのデジタルカメラ

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 続いて、パナソニックの低倍率ズームの高級コンデジの比較です。

 なお、現状でパナソニックは、高級コンデジから撤退で、新品入手が難しくなっています。

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 ただ、一部では新品がのこるほか、一部ユニットが共通するライカからは継続製品があります。そちらは、後ほどみる予定です。 


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 (中古価格

 【2022年発売】(184万ドット)

 7・パナソニック LUMIX DC-TX2D-K
  ¥126,000 楽天市場 (6/22執筆時)

 (中古価格

 【2018年発売】(124万ドット)

 8・パナソニック LUMIX DC-TX2-K
  ¥87,800 Amazon.co.jp (6/22執筆時)

光学ズーム: 15倍
撮像素子:1型高感度MOS
広角側の明るさ:F3.3
望遠側の明るさ:F6.4
画素数:2010万画素
焦点距離 :24mm〜360mm
手ぶれ補正:2軸(レンズ)
モニター:3型タッチパネル(約184万)
ファインダー:有機EL(233万)
AF:空間認識AF(49点)
連写:6コマ/秒
動画:4K(30p)
重さ:340g(電池込)

  LUMIX DMC-TX2Dは、パナソニックが2022年に発売した高級デジカメです。

 15倍ズーム機なので、「スマホとの差異化」はそれなりにありそうな製品です。

 現状で、2022年機を含めて生産終了が発表されていますので、中古価格を示しています。

 そのまた旧機種の DC-TXがも残ります。

 モニター解像度が184万ドットではなく124万ドットになります。

 それ以外は、基本的に同じです。

 あえて言えばモニター性能の向上で、標準撮影可能枚数が360枚と10枚新機種が少ない程度です。マイナーチェンジですので、状態がよかったらこちらでも良いように思います。

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 本体の重さは、340グラムです。

 「とても軽量」とは言えません。しかし、ズーム倍率の高さや、ファインダーを搭載する点などを考えると、納得感があります。

 実際、バッグに入れても苦ではないコンパクトカメラと言えます。

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 パナソニック DMW-FL70
  ¥3,550 Amazon.co.jp (6/22執筆時)

 なお、本機はフラッシュは別売です。標準的なものだと以上の値段です。

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 ズーム倍率は、15倍です。

 小型機では十分なズーム力です。

 300g台の「常識的な重さ」のカメラですし、ワンポイントです。

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 撮像素子は、1型を採用します。

 同社はももともフォーサーズをコンデジにも投入していましたが、終売です。

 フォーサーズより小さいですが、15倍ズームで1型というのは、他社と比べて最大級です。

 冒頭の「選び方の基本」で書いたように、コンデジのサイズで収めようとする場合、何かを犠牲にしないと、この倍率になりません。 

 なお、パナソニックの場合、高感度MOSという書き方ですが、これは裏面照射型と同じなので、暗い場所に強いレンズと言えます。

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 レンズの明るさは、広角側(1倍ズーム側)で、F3.3で、望遠側(15倍ズーム)でF6.4です。

 15倍だけにズーム側のスペックは落ちます。

 しかし、広角側は、F3.3の水準で「踏ん張って」います。

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 なお、パナソニックは、(モアレが防ぎにくい代わりに)解像感が高まるローパスフィルターレス機も多く出してきましたが、本機はそうではないです。

 ただ、画像エンジンを使った回折補正を行い、風景画の輪郭をクリアに向上させる技術を搭載します。

 テレビメーカーらしく、優秀な画像エンジンによるこうしたソフト面の処理は同社は優秀です。「レンズの明るさ」の若干の不足を補うに十分な性能です。

 HDR機能は、本機はオート撮影モードのみに有効です。

 あまり、重視しておらず、先述のようなエンジンによる計算処理を重視する方向です。

 ISO感度は、125〜12800の幅です。

 平均的な値です。問題ありません。

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 手ぶれ補正は、普通の光学式手ぶれ補正(2軸)です。

 段数は非公開ながら、3.5段ほどの補整力でしょう。 

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 空間認識AFは、デジカメで使われるコントラストAFを独自に進化させ、一眼レフの位相差AFに迫る合焦速度を狙うという、パナソニックの独自技術です。

 ハイブリッド式AFよりもエンジンへの負担が少ないため効率が良い仕組みです。

 重さやサイズも犠牲にならない点でもコンデジにこのAFは相性が良いです。

 測距点は49点です。合焦速度0.1秒ですし、優秀と言えます。

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 顔検出機能は、顔・瞳認識AFに対応します。

 一方、動く被写体に対する追随などは、ソニーの一部機種と違い非対応です。

 そのかわり、撮影が難しい夜空が撮れる星空AFや、室内の暗い場所でもAFが有効になるローライトAFなど、周辺機能は充実します。

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 オート撮影モードは本機も、、おまかせiAを搭載します。

 人物・夜景・料理・風景などのシーンを解析し、自動的に設定値を整えてくれます。

 「ただ押すだけ」のような使い方ならば、本機も向くでしょう。

 連写速度は、「メカシャッター時」でも、「電子シャッター時」でも、追随撮影時は、6コマ/秒です。

 被写体のピントを固定した場合は、10コマまで伸びますが、ソニーに較べて、連写はあまり重視していないと言えます。

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 一方、Panasonicの場合、さらに「4Kフォト」モードを搭載し「30コマ/秒」で、長時間撮影が可能です。

 こちらは、要するに、「4K動画」を「切り出して」写真にしているので、画素数的に約850万画素程度に劣化します。ただ、決定的瞬間を逃せない場合、割と実用性はあるでしょう。

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 また、この機能を「応用」して、複数の写真から、フォーカスポイントを「後から」選べるフォーカスセレクトなど、他社にない独自の機能も見られます。

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 ファインダーは、電子ビュータイプのものが標準搭載されます。

 解像度は約233万ドットです。他機に負けていません。

 液晶モニターは、回転式ではないですが、タッチパネル採用で、ピント合わせなども可能です。

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 動画性能は、4K動画対応です(30p)。

 ソニーとパナソニックは、動画部分は他社に比して機能が充実しているといえます。

 ビデオカメラのノウハウを持っているためです。

 ピント合わせや、タッチ操作によるズーム、動画の自動傾き補正など、「動画の撮りやすさ」は、高級コンデジの中でも本機は良いです。

 加えて、動画用の5軸手ぶれ補正搭載です。

 ただし、4K映像撮影時は手ぶれ補正が有効になりません。処理速度の関係で、無理だったようです。この点は残念ではあります。

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 ネットワーク機能は、Wi-Fi機能BluetoothLEに両対応します。

 したがって、本機もスマホとの接続はシームレスです。

 スマホアプリを起動するだけで、カメラの電源を入れずとも、カメラ内のデータを閲覧・転送できます。

 また、GPS内蔵スマホならば、位置情報の取得にも対応です。ジオタグ対応の写真アプリで整理されている方にも便利でしょう。

---

 以上、パナソニックDMC-TX2の紹介でした。

 高倍率の15倍ズーム機という枠組みのなかで、軽くて画質が良い機種です。

 実際、フォーカス性能やレンズの明るさ(F値)、フォーカス性能など、総じてバランスが良いと言えます。10万円前後で買えてそこそこのズーム機だと、現状で最も良いと言って良いかと思います。

 とくに、「芸術的な写真を撮る」というより、「楽しんで写真を撮る」という方向性ならば、比較せず、本機で決めても良いでしょう。

 充実するオート撮影(おまかせiA)は、(カメラに詳しくない)家族との共有に有利です。また、本機は、小型・軽量というコンセプトを遵守した上で、15倍ズームを搭載する点で、旅行や運動会にも使えます。

 用途さえ合わせれば、良い選択肢です。


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 【2018年発売】(中古価格)

 9・パナソニック LUMIX DC-LX100M2
  ¥127,800 Amazon.co.jp (6/22執筆時)

光学ズーム: 3.1倍
撮像素子:フォーサーズ(高感度)
広角側の明るさ:F1.7
望遠側の明るさ:F2.8
画素数:2166万画素
焦点距離 :24mm〜75mm
手ぶれ補正:2軸(レンズ)
モニター:3型タッチパネル(約124万)
ファインダー:液晶(約276万)
AF:空間認識AF(49点)
連写:5.5コマ/秒
動画:4K(30p)
重さ:350g(電池込392g)

  LUMIX LX100M2は、パナソニックの高級コンデジです。

 本機は、撮像素子に大きな「フォーサーズ」を採用したコンデジです。つまり、ズーム力よりも画質を最重要視するカメラです。

 とても良い機種ですが、残念ながら終売です。

 そのため今回は、中古価格をだしましたが、こちらも少しレア化していて高騰しています。

 このクラスの撮像素子を持つコンデジは、(さらに撮像素子が大きい)CANONのAPS-C機(Power Shot G1 X MK3)も中古市場では残りますが、他はもう市場にないです。

 デジカメ市場が劇的に縮小したので、再販やパナソニックからの後継機の販売もないと思います。

 本体がスマートで見映えがする部分を含めて、中古でも新品でも「最後のフォーサーズ」として欲しいガジェット好きは一定数いるでしょう。

 (販売開始時よりも値段が高まるという意味での)プレミア価格は、今後も続くと予想します。

 そういう類のカメラの話として、以下読んでください。

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 本体の重さは、392gです。

 さほど突き詰めて軽量化はしていませんが、サイズは小型です。

 むしろ、コントロールリングやスイッチを重質させ、ハイアマチュア向け仕様にすることに力点を置きます。

 ズーム倍率は、3.1倍です。

 とりあえず、というレベルです。

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 撮像素子は、フォーサーズ(3/4)を採用します。

 パナソニックが昔から力を入れてきたサイズです。

 同社のミラーレスなどにも使われるもので、他社が上位機で採用する1型素子より大きく、光をより取り込めます。また、高感度なので、夜にも強い仕様です。

 キヤノンはより大きなAPS-Cを搭載しますが、その分、それより小型で少し軽いです。

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 レンズの明るさは、広角側(1倍ズーム側)でF値1.7です。

 ソニーを超えて広角側が明るいレンズを採用します。

 APS-Cを採用するキヤノンはF2.8でした。

 そのため、レンズと撮像素子の「合わせ技」で考える場合、負けていない機種と言えます。レンズはドイツのライカのものを採用します。

 ある程度の重量感があるのはこのためで、大口径のレンズを搭載するからです。

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 ズーム側(3倍)もF値2.8ですから、相当解像感やボケ味が出しやすいカメラでしょう。

 もちろん、条件の悪い撮影環境にも強い機種です。

 画像エンジンを使った回折補正を行い、風景画の輪郭を向上させる技術も搭載します。

 画質面での特徴は、本機は「ローパスレス」を採用している点が挙げられます。

 ローパスとは、写真のモアレ(=しま模様)を防ぐために、写真の輪郭を故意にぼかすため技術です。基本的にどのデジカメでも採用されますが、写真全体がボケるという難点がありました。

 「ローパスレス」は、この機構なしに処理できるので、風景写真などの解像感(クッキリ度)が増します。

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 そのほか、優れた画像エンジンを利用した3次元色コントロール広帯域輪郭強調処理など、ソフト面の事後処理は(テレビメーカーとして)パナソニックが優れる部分です。

 HDR(逆光補正)も利用可能です。

 ただし、パナソニックの場合は、「おまかせiAモード」限定で、合成枚数も不明です。

 ISO感度は、100〜25600の幅です。

 値段も高いので当然ですが、ミラーレス並に優秀といえます。

 手ぶれ補正は、一般的な、光学式2軸補整です。

 段数は非公開ながら、3-3.5段ほどの補整力でしょう。

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 オートフォーカスは、空間認識AF式で、測距点は49点です。

 先ほどとこの部分は同じです。

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 顔検出機能は、「瞳認識」までの水準は対応します。

 そのほか、星空AFや、室内に強いローライトAFなど、先ほどの機種と同じで、フォーカスの部分では本機は(この時代のコンデジとして)総合的に優秀です。

 その上で、登録による個人認識も可能で、指定した「顔」に自動にピント合わせもできます。

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 オート撮影モードは、本機もおまかせiA/iA+を搭載です。

 シャッターを「押すだけ」で、勝手に撮影を最適化できます。あまりカメラに詳しくない家族も使う場合などには、キヤノンより良いと思います。

 連写速度は、メカシャッター時でも、電子シャッター時でも、5.5コマ/秒です。

 数字は振るいませんが、動かない物体の撮影(AFS)の場合は、11コマ/秒まで伸びます。

 「4Kフォト」モード・フォーカスセレクトなどは、先ほどの機種と同じく搭載です。

 ファインダーは、0.38型・276万ドットです。

 視野角は約100%で、倍率は0,7倍です。

 本機は、有機ELでなく液晶です。

 フィルタを利用しないフィールドシーケンシャル方式ですので、明るめです。一方で、黒の締まり(コントラスト)は有機ELです。

 同社も上位のカメラ(ミラーレス)では、有機ELなので軽量化の部分での採用だと思います。

 液晶モニターは、タッチパネル式液晶です。

 ただし、アングルを変えられるチルトには未対応です。

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 ネットワーク機能は、Wi-Fi機能Bluetooth LEに両方対応します。

 動画性能は、4K動画は30フレームで撮れます。

 ただし、手ぶれは、普通の光学式で、専用の5軸式を取らないため、「2軸分の補整」です。総合的にはイマイチでしょう。

---

 以上、パナソニックDC-LX100M2の紹介でした。

 撮像素子にフォーサーズを採用し、常識的な重さで済んでいるコンデジとしてプレゼンスがあった機種です。同じく撮像素子が大きく、まだ現行機であるキヤノンのPower Shot G1 X Mark IIIも残りますが、こちらは、見かけがスマートですし、その部分でも評価できました。

 ほぼ中古市場のみではありますが、こうした部分で需要は今もあるでしょう。

 広角側F1.7であるのはもちろん、ズーム側(3倍)もF値2.8ですし、レンズもなかなか優秀です。

 風景などの撮影も、ローパスフィルターレスである部分が活きそうで、「旅行用カメラ」としての使い勝手は良いように思えます。

 なお、最終的な「オススメ機種」については、全てのカメラを紹介した後、改めて考えたいと思います。

次回につづく!
高画質デジカメのおすすめは結論的にこの機種!

 というわけで、今回は、高級コンデジの比較の1回目記事でした。

 しかし、記事は、まだまだ続きます。

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2・高画質なコンデジの比較(2)
 2-1:ソニー
 2-2:ライカ
3・高画質なコンデジの比較(3)
 3-1:最終的なおすすめの提案【結論】

 続く、2回目記事こちら)では、ソニーライカの高画質機を引き続き紹介します。

画質の良さ    ★★★★★
ズーム倍率    ★★★★★
フォーカスと連写 ★★★★★
手ぶれ補正    ★★★★★
動画撮影     ★★★★★
軽量性      ★★★★★
スマホ連携    ★★★★★
総合評価     ★★★★★

 その上で、3回目記事こちら)では、全体の結論として、上表のようなポイントから、目的別・予算別にオススメの「最強デジカメ」を提案していきたいと思います。

 引き続きよろしくお願いします。

 →2回目記事は、こちら

posted by Atlas at 11:38 | カメラ

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