【今回レビューする内容】2025年 中型・大型のスチームオーブンレンジの性能とおすすめ:二段調理対応 高級オーブンレンジ:シャープ ウォーターオーブン ヘルシオ Panasonic 3つ星ビストロ 東芝 石窯ドーム 日立 ヘルシーシェフ:機種の違いと性能ランキング
【比較する製品型番】シャープ ヘルシオ AX-LSX3C AX-LSX3B AX-LSX3A AX-RS1C AX-RS1B AX-N1C AX-N1B AX-NS1A AX-XJ1-B AX-XJ1-W 東芝 ER-D7000B ER-D5000B ER-D3000B ER-D100B ER-XD7000 ER-XD5000 ER-YD7000 ER-YD7000 ER-YD5000 ER-WD3000 ER-YD3000 ER-XD100 ER-YD100 日立 MRO-W10B MRO-W1D MRO-W1B MRO-S8B MRO-W1A MRO-W10Z MRO-W1Z MRO-W10X-H MRO-W1Y-W MRO-S8C-W MRO-S8C-K MRO-WBE3-K MRO-W1C MRO-WCE4-K MRO-S8CA-W MRO-S8CA-K パナソニック NE-UBS10D NE-UBS10C NE-UBS10A NE-BS9D NE-BS9C NE-BS9A NE-BS8D NE-BS8C NE-BS8A アイリスオーヤマ MS-F3003-B MS-F3002 MS-F3001-B MO-FS3001-B ほか
今回のお題
最新スチームオーブンレンジのおすすめはどの機種?
ども、Atlasです。
今日は、2025年7月現在、最新のスチームオーブン・ウォーターオーブンを比較します。
スチーム機能は、メーカーごとに機能差があるので詳しく説明します。
そのほか、レンジのセンサーの正確性、オーブンやグリルのパワー、設置性の良さや、IOT機能などにも注目しながら、各社の製品を比較していきます。
1・中型スチームオーブンの比較(1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:シャープ〈ヘルシオ〉
1-3:東芝 1〈石窯ドーム〉
2・中型スチームオーブンの比較(2)
2-1:東芝 2〈石窯ドーム〉
2-2:日立〈ヘルシーシェフ〉
3・中型スチームオーブンの比較(3)
3-1:パナソニック〈ビストロ〉
3-2:アイリスオーヤマ
4・中型スチームオーブンの比較(4)
4-1:目的別・予算別のおすすめの提案【結論】
記事では、はじめて、スチームオーブンの「選び方の基本」を紹介します。
その上で、以上のようなメーカー順に各機をみていくつもりです。
対応人数 4人以上対応
スチーム調理 ★★★★★
レンジ調理 ★★★★★
オーブン調理 ★★★★★
グリル調理 ★★★★★
レシピ充実度 ★★★★★
おまかせ調理 ★★★★★
高級感 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最後の「結論編」(こちら)では、上表のようなポイントからAtlasのおすすめ機種を提案していきます。
よろしくお願いします。
ーーー
1・中型スチームオーブンの比較
容量:30L〜
人数:1-4人(世帯向け)
2・小型スチームオーブンの比較
容量:18L〜26L
人数:1-2人
3・小型電子レンジの比較
容量:15L〜18L
人数:1人
4・中型電子レンジの比較
容量:20L〜26L
人数:1-3人
5・オーブン/レンジ全体の選び方 【まとめ】
=目的別・予算別のおすすめの提案
なお、今回の記事は、このブログの、オーブン・レンジの比較記事全体の1回目記事にあたります。
世帯用、あるいは「料理好き」の方向けに売られる中型のオーブンレンジを扱います。
そのため、スチームオーブンでも、多少小さめの1〜2人用の小型機は別記事になります。
このタイプでお探しだった場合、2回目記事(こちら)をお読みください。
どこから読んでも分かるようにしています。
お手数ですが、よろしくお願いします。
1-1・スチームオーブンの選び方の基本
はじめに、スチームオーブンの「選び方の基本」の説明からです。
数社の例外を除けば、各社のオーブンレンジの「上位機・最上位機」は、全て、スチームオーブンです。
そのため、高性能なレンジが欲しい場合、スチーム機能の要不要をとわず、スチームオーブンを選ぶことが「マスト」というのが現状です。
1・スチーム発生方式
2・センサー
3・オーブン・グリル火力
4・フルオート調理
5・自動調理
6・トースト
この部分をふまえて、ここでは、スチーム機能ほか、オーブンレンジとして重要といえる、以上の機能性について、どの「スペック」に注目すれば良いかについて、あらかじめ、簡単に解説します。
第1に、スチームの発生方式です。
いうまでもなく、スチームオーブンという名前があるレンジの場合、どれもスチームを発生させる機構を持ちます。
もともとは、不要な油が落としやすい点で脱油効果や減塩効果を期待して登場した方式でした。
ただ、近年は「蒸し料理」の再現や、揚げ物などの「しっとり加熱」など、調理技法の強化のために、採用する企業も増えました。
そういった機種の場合、必ずしも、ヘルシーメニューが多いわけでもないので、この部分を期待して、このタイプをお探しなら、とくに、注意するべき部分と言えます。
上表は、現行製品にみられるスチームの発生方式をまとめたものです。
ウォーターオーブン式は、シャープ(ヘルシオ)のみが展開する方式です。
同社は、スチームオーブンの「元祖」といえる企業だけに、脱油効果や減塩効果を最も得られるこの方式を、ずっと続けています。
ポイントは、蒸気の発生量です。
庫内の完全密閉構造と、蒸気ボイラー、水蒸気を回すためのファンを内蔵する構造にすることで、庫内に蒸気量を満たせるようにしています。
この豊富な蒸気量で、油脂・塩分を食材から効果的に「浮かして(洗って)」取り除きます。
加えて、蒸気量が濃い場合、庫内が比較的低温でも、水蒸気で食材表面に「焦げ目が付けられる」ため、ヒーターなしでオーブン(グリル)的な機能性も発揮できます。
例えば、東芝も、シャープもスチームオーブンの最高温度(300度)は同じですが、火力に差が生まれるのは「蒸気量」の差ゆえです。
こうした、減油効果を活かし、ヘルシー系のメニュー数はダントツに多いです。
また、豊富な蒸気量で熱伝導が高まり、短時間で加熱(焼き蒸し)できるので、野菜などの甘みを引き出すこと、あるいは、加熱時のビタミンを保持しやすいとも言えます。
他社(東芝・パナソニック・日立ほか)の上位機は「過熱水蒸気オーブン」になります。
ただ、専用のボイラーを装備せず、水を庫内に滴下させ、庫内ヒーターで水を蒸発させる方式です。庫内の密閉性の違いもあり、蒸気量は少なめになります。
油落ちに限界があるほか、原脂・減塩効果も(比較すれば)やや少ないと言えます。
食材の焼き色も庫内ヒータを利用してつける形になるので、調理時間が伸びるほか、食材の仕上がり(しっとり感)や、長時間加熱によるビタミンの減少がありえます。
ここの部分の違いは今回詳しく見ていきます。
一方、ここまで見た2方式は、どちらも水タンクを備えます。
しかし、格安機の場合、庫内にスチームカップを入れて予湿する方式、あるいは、オーブン用の角皿の隅にわずかな水(15ml)を入れる角皿式の場合があります。
こうした方式は(茶碗蒸しなどの)料理用にスチームを備えているだけです。減油・脱油効果はもちろん、買った揚げ物を「カラッと」させたりする機能性も限定的です
そのため、今回の記事では、こららのタイプは(原則)取りあげていません。
第2に、センサー性能です。
「レンチン」や解凍は、皆さんが日常的に最も「使う」機能でしょう。
この部分の精度は、搭載センサーの違いで機種で大きく変わります。
センサーは、レンジ用として代表的なのは以上の5種のセンサーです。
それぞれ得意な分野、苦手な分野があります。
そのため、例えば、日立は、複数の高機能センサーを併用し、それらを演算して動かす製品をだします。
一方、採用例の部分で言えば、食品の表面温度をみれる赤外線センサーは、各社とも「必須装備」として備えるのが、普通です。
それもあり、赤外線センサーは、性能面でさらに細かく考えるべきセンサーです。
仕組みの違いで、測れる計測点、測れる範囲が変わるからです。
この部分をふまえて、今回の記事では、各機のセンサー構成についても細かく解説していこうと思います。
第3に、オーブン・グリル加熱の火力です。
オーブンは、中型オーブンならば、最大300度は出せる製品が多いです。
しかし、最大温度の持続時間は、製品によってかなり変わります。
グリルも、上火火力の強さで、機種間で大きな差があると言えます。
一方、これらの機能に力を入れるのは東芝とパナソニックです。
東芝は、オーブンにこだわります。
遠赤外線やファンを利用して、石窯のように調理できるオーブンをだします。
パナソニックは、グリルにこだわります。
上火火力を強化した上で、レンジのマイクロ波で加熱させたグリル皿の上にスチームを吹き付けることで、食材を「こんがり」焼ける工夫があります。
強い火力を活かし、「炒め料理」の再現性も高いです。
そういったメーカーの特長についても、今回の記事では詳しく説明したいと思います。
第4に、フルオート調理性能です。
もとは、シャープの独壇場でしたが、最近は、各社と競う部分です。
分量・食材温度(冷凍/冷蔵/常温)と料理法(蒸す・煮る・揚げる・焼くなど)を指定すれば、「フルオート(セミオート)」で調理してくれる「ほったらかし調理」を意味します。
この部分はメーカーごとで仕様が大きく変わります。
例えば、調理技法(グリル、レンジ、オーブン、ハイブリッド加熱)や、食材選択の自由度(冷凍、冷蔵、常温)、同時に調理できるメニュー数などが変わります。
メーカー間で、いま一番「熱い」競争が行われている部分なので、詳しく見ていきます。
第5に、オートメニューのレシピの種類です。
中型のスチームレンジの場合、機種によってはかなり多彩な料理が可能です。
完全な自動メニューが200を超える機種もあります。スマホから新メニューを取得できる機種も増えました。
ただ、レンジが表現できる調理法(焼く・煮る・蒸す・揚げるなど)で、調理できるジャンルが結構変わります。
記事では、実際どのような「調理パターン」が表現できるのかも重視して説明します。
第6に、トースター機能です。
この点を見落としている人が意外と多いです。
トースト焼けない機種、焼けても時間がかかる機種、裏返しが必要な機種があります。
ちなみに、裏返さずとも割と素早く焼けるのは、中型だと、シャープとパナソニックと言えます。
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以上、選ぶ際に注目するべき5点を紹介しました。
以下では、これらの基準を重視しながら、冒頭書いたような企業順で各社の製品を比較していくつもりです。
1-2・シャープのヘルシオの比較
はじめに、シャープのヘルシオです。
同社は、最初にスチームオーブンを出したメーカーです。
それもあり、スチーム調理には相当力をいれます。流行の完全自動のフルオート調理もちからを入れていましたし、この家電ジャンルは相当力を入れている企業と言えます。
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なお、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記します。
【2025年6月発売】
1・シャープ ヘルシオ AX-LSX3C-B 【黒】
1・シャープ ヘルシオ AX-LSX3C-W 【白】
¥185,000 楽天市場 (7/4執筆時)
【2024年発売】AX-LSX3A後継機
2・シャープ ヘルシオ AX-LSX3B-B 【黒】
2・シャープ ヘルシオ AX-LSX3B-W 【白】
¥123,000 Amazon.co.jp (7/4執筆時)
【2023年発売】
3・シャープ ヘルシオ AX-LSX3A-T 【茶】
¥116,800 Amazon.co.jp (7/4執筆時)
庫内容量:30L
トースト:4枚(両面対応)
スチーム:ウォーターオーブン(水タンク)
センサー:64眼赤外線ムーブ・蒸気・温度
オーブン最高温度:300度(10分)
外形寸法:幅490×奥行430×高さ420mm
AX-LSX3Cラインは、シャープのヘルシオの最上位機種です。
旧機種が残ります。
2025年からの新機能
1・AI相談機能(クックトーク)
2・ヘルシオトレー機能拡充(おいしさ復元)
2024年機は、上表の2点の新機能がありません。
詳しい機能性は本編で説明します。
予告しておけば、前者は、スマホで生成AIを呼び出して料理相談ができる機能性、後者は、別添のミニ角皿プレート(ヘルシオトレイ)を使う、「朝ごはん向け」機能の拡充といえますう。。
2023年機も、わずかに残ります。
この世代は小さめの角皿(ヘルシオトレー)自体が未付属でした。
あとは、「フルオート(セミオート)」調理の際、30分自動スチーム保温して「熱々」のまま食卓に出せる「ほかほかキープ」がなかった点が目立つ違いでした。
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結論的にいえば、今の値段差ならば24年機がお買得に思えます。少量調理に興味が内ならば、23年機も選択肢です。
一方、25年機は、レンジ単体だと、革新的な変化はないです。ただ、後述する生成AIの部分が「便利」と感じれば「話は別」と言えます。
あとは、だいたい同じなので、同時にみていきます。
庫内容量は、30Lです。
家庭用の中型は、普通、どこもこのサイズでが、世帯用としても十分な量です。
本機は、中間台を使う2段調理に対応します。
30Lクラスでも2段同時に使える機種は、各社とも上位機に限ります。
本体サイズは、幅490×奥行430×高さ420mmです。
2段調理対応の高級機の場合、奥行と高さが注意点です。
左右・後ろの壁にピッタリ置いても問題ないです。
しかし、水蒸気がでる上部だけは、さらに10cmの空間的な余裕は必要です。
ただ、これは他社のスチーム式でも、ほぼ同じです。
スチームオーブンは、ウォーターオーブン式です。
専用ボイラーを装備し、庫内の気密性と循環ファンを高めることで、蒸気の発生量を増やす独自構造です。
豊富なスチーム量を活かして、食材表面の不要な油を効果的に落とせるので、味を落とさず減油効果が期待できます。
また、減塩・減脂効果だけではなく野菜などの、ビタミンC・タウリンなどの栄養素を保全できます。
水蒸気は(空気より)熱伝導が良いので、ヒーターなしでさっと加熱できるウォーターオーブンの場合、栄養素が残りやすいからです。お鍋で茹でるのと比べると、相当有利です。
こうした部分が、他社に較べた場合のヘルシオが持つ優れた特長です。
自動調理は、あとで詳しく説明しますが、健康系メニューはかなり豊富です。
スチーム調理も、対応です。
この機能性は、加熱しない100度以下の水蒸気を使う「蒸し」機能と考えてください。
パン発酵用のスチーム発酵(30-45度)ほか、60-95度も表現できるので、ソフト蒸しが可能です。野菜などの低温蒸しなどに使うもので。
電子レンジ機能も、上級機として、センサーがわりと充実します。
後述するように、ここに注力する企業はほかありますが、こちらも標準以上です。
同社の場合、赤外線センサーと、蒸気センサーをダブルで搭載します。
メインセンサーは、赤外線のほうです。
食材の表面温度を正確に測定できるので、高級電子レンジは今だと、必ず赤外線センサーは備えます。
一方、赤外線センサーは、多くの種類があります。
本機は「上から2番目」といえる64眼赤外線ムーブセンサーです。
64眼(64素子)で、16段階にムーブして検知するので、普通の赤外線センサーより高速検知で高性能です。
ただし、赤外線センサーは、オーブンを利用した後だと(庫内に赤外線が多すぎて)正確に利用できない欠点があります。
オーブンなどと組み合わせたハイブリッド調理が「自慢」のシャープは、この仕様だと「まずい」ので、蒸気センサー(=らくチン絶対湿度センサー)を補助的に備えて、補っています。
自動あたためは、ヘルシオの場合、マイクロ波を使う普通の「レンチン」ほか、「ヘルシオあたため(おいしさ復元)」という手法が選べます。
こちらは、加熱水蒸気と、レンジ・オーブン機能を併用して「自動あたため」してくれる機能性です。
揚げ物、焼き物、蒸し物、パンなどの場合、こちらの「ボタン」をおした方が、勝手に美味しくしてくれます。レンチン機能の進化版」のように考えてください。
解凍機能は、スチームを利用したサックリ解凍(半解凍)・全解凍が選べます。
解凍は、センサー性能とスチーム力が大きく影響する部分です。
シャープは、センサー性能の悪い小型機の場合、他社より劣るのですが、中型の本機は、(他社より優れるわけでないものの)標準的な性能です。
一方食べごろ解凍も言及に値します。
上図の7種の食品(ローストビーフ・カツオのたたきほか)を、食材に合わせて解凍する専用モードです。低温で低温度庫内で水蒸気を回しじっくり解凍していく方式です。
一般的な低温調理(ソフト蒸し)を解凍技術に応用したものと言えます。
自動メニューは、その多さと多彩さがヘルシオの「売り」の1つです。
初期メニュー数としては、270種です。
本体にはカラータッチパネル液晶と音声機能が搭載されます。
高解像の液晶なので、レシピ集を電子レンジの液晶画面に表示させることが可能です。
レシピは、材料ベースでも検索できます。
自動調理機能は、かなり充実します。
食材や調理法を選ぶだけで、「フルオート(セミオート)」で調理を行える機能を意味します(まかせて調理機能)。
食材をいれ、焼く(網焼)・炒める・揚げる・蒸す・茹でるというの調理方法を選ぶだけで、センサーが自動的に食材の熱(冷凍・常温・冷蔵)を計測し、調理してくれます。
炒める系を除けば、エリアごとに別の食材を入れても、勝手に火加減をみてくれます。
料理の自動化につながる近未来的な「夢の調理モード」と言えそうです。
角皿の仕様の関係で、調理技法としてレンジ加熱は使えないのが難点ですが、それ以外の技法は駆使して調理します。各社とおしても、この部分は最も充実します。
なお、2024年機からは、1段階調理時だけですが、「網焼・揚げる」で料理した場合、30分間に限ってスチーム保温できるようになりました(ほかほかキープ機能)。
また「セミオート」的な機能としてらくチン1品調理機能が実装されます。
「野菜の和え物・煮物・中華・カレー・パスタ」などの料理の際、好きな材料や調味料を適当に入れて、レンジ機能で自動料理ができるという仕組みです。
25年機からは、一部で、冷凍食材を利用できるようにもなりました。
「まかせて調理」で使えない電子レンジ(レンチン)を使った「セミオート」な、自動調理機能と思えば、OKです。
例えば、カレーの場合、食材を入れたボウルに入れて、レンジに入れれば、あとは蒸気センサーが仕上がりを自動で調整してくれます。
ただし、パスタは種類(1.6mm/7分)が指定されますし、他の料理も材料(分量)は指定されます。そこまで自由度は高くないとも言えます。
レシピは、このほか、のこりご飯や麺を利用して1皿の料理ができる「ワンディッシュメニュー」もあります。ただ、こちらはアレンジはできません。
なお、わりと安めの同社の下位機種でも、この機能性に限ってはあります。
レンジの段数は、先述のように、2段です。
多彩なセンサーを利用し、上・下の段、ないし、食材の位置で別の料理が同時に可能です。
冷凍食品と冷蔵食品の下ごしらえが同時にできるなど、便利です。
おかずとご飯の同時加熱なども可能です。
ただ、これらは赤外線センサーを利用するものであるので、センサーの性質上、連続使用は制限があります。
ちなみに、上段で「まかせて調理」をしている際、下段で「総菜あたため」・「温野菜の調理」も同時にできます。
オーブンは、最大300度です。
これは、10分間限定ですが、その後も250度をキープできるので優秀です。
密閉性の高い庫内で250度出せるため、高温の維持が得意です。
先述のように、仕組み上、循環ファンを備えますが、これにより、先ほど書いた同時調理、例えば上段では蒸し料理、下段で焼き料理などの同時調理も可能にしています。
グリルは、(ドライな)グリル、ウォーターグリル、あぶり焼きが選べます。
順番に説明します。
第1に、ドライグリルは、他社に比べるとそこまで機能性は強調されません。
歴代機をみても、上火火力(非公開)もそこまで強くない感じです。
シャープも、魚の味噌つけなど、スチームで味が落ちる感じのものについて「限定的」に利用をおすすめしている感じです。
第2に、ウォーターグリルは、過熱水蒸気(スチーム)で、減油・減塩して焼いたお肉を、終盤に上火ヒーターで焼き目をつける感じの機能性といえます。
ウォーターオーブンは、利用時ヒーターを併用しないので、他社より表面に焼き目が付きにくい欠点があります。
焼き目をつけたいグリルだとその部分が「致命的」なので、終盤で、ヒーターを使用して「焼き目」をつけるような感じです。
同社によると「焼き魚」はこのモードが適当です。
第3に、あぶり焼きです。
同社は「グリル機能」とは言いませんが、実際それに該当します。
仕組みは、ウォーターグリルはと同様ですが、過熱水蒸気を食材の表面に集中してあてることで、「食材の表面をあぶる」ことができる機能です。
吸水は必要ですが、焦げ目をつけるという点で、他社機の「(ドライ)グリル」に最も近い機能性といえそうです。他社機より上火が弱いという弱点があるので、「合わせ技」で解決を図ったものと感じます。
同社によると(やはり)「お肉」はこのモードが適切とされます。
このほか、メニューベースで言えば、表面の焦げ目の制御で「鰹のたたき」が調理できるのは、面白いです。
一方、やはり自動メニューの話ですが、応用的なあぶり豊潤焼き(あぶり+低温調理)も面白いです。
かたまり肉などの厚い材料について表面を炙ってから、低温でじっく熱を浸透していく合わせ技(こだわり火加減)です。ローストビーフや鶏ハムなどお肉対応を広めたという「改良」です。
トーストは、自動メニューで対応可能です。
裏返さずに両面焼けます。2枚で7分、4枚で8分とシャープとしてはかなり速いです。
シャープは、スチームで焼くため、中はしっとりな美味しい仕上がりです。ただ、焦げ目について、裏面の焦げ目は表面よりも薄い焦げ目にはなります。
ネットワーク機能は、シャープは、各社と推しても最も充実度が高いです。
Wi-Fiを装備し、アプリ(COCORO HOME)から、加熱設定やレシピが転送できます。
レシピ数は、現状で1400メニューとされます。
そちらから好きなレシピの加熱設定を転送できます。15レシピなら、本体に保存できるので、結構便利です。
一方、2025年機からは、「クックトーク」として生成AIによる相談機能が追加です。
AIは、GPT系モデルで、カスタマイズ性の高いマイクロソフトのAzure OpenAIベースです。レシピの文量変更を含めて、対話で何でも答えてくれます。
たしかに、AppleのSiriや、Chat GPTなど含めたAIシステムは、本機を買わずとも無料で使えます。
しかし、専用アプリの場合、ヘルシオレンジ自体の機能性について、AIが「正確な」情報を覚えているので、利用する「意味がある」と言えます。
専用UIも開発できる点で、こちらを選んだのでしょう。
ただ、一点だけ注意です。
2025年機は、本体レンジに、スピーカーはありますが、内蔵マイクが省略です。
つまり、対話(相談)は「スマホベース」で行うものです。
レンジだけで使えるわけでも、相談して決めた分量や加熱方法のデータ、レンジ転送されるわけでもないです。
この仕様で「便利」と感じるかは、世代で割と分かれそうです。
なお、2024年機までは、レンジにスピーカー内蔵で、レンジだけで(簡単な)対話はできました。
もちろんAIの賢さは圧倒的に違うといえます。
付属品は、ヘルシオトレーが注目点です。
通常付属する上段下段ようのワイド角皿2枚とは別に、ミニ角皿(270×170mm)が付属します。
こちらは写真のような「焼く系」料理の調理(らくグリ!機能)ができます。
加えて、25年機からは、加熱水蒸気を利用し、買った総菜などを温める「ヘルシオあたため(おいしさ復元)」と、調理後30分間水蒸気で暖かさを保持する「ほかほかキープ」が、ミニ角皿利用時でも使えるようになりました。
この皿があることで、大きめレンジながら、1-2人ほどの調理もしやすいと言えます。
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以上、シャープのAX-LSX3Cの紹介でした。
減油・減脂効果が期待できるヘルシー調理、また、おまかせのフルオート調理の部分では、他社の最上位機に比べても、性能はかなり最も良いです。
逆に、(ドライな)オーブンとグリルの部分はやや弱さを感じます。構造的に「スチーム優先」の本体設計なので、どうしても火力と熱回りの部分で限界がみえる感じです。
その点で言えば、温度・時間を「マニュアル設定」し、自力で「焼き系調理」をしたい料理好きには、本機はあまり向きません。
なぜなら、シャープは、火力面の欠点などを自動調理機能を高度に充実させることで、対策しているといえるからです。機能を使いこなす意思がなく、シンプルな「マニュアル設定」で料理したい場合、満足度は得にくいといえます。
逆に、本機が向くのは、忙しい現役世代と、健康を重視したい方、レンジの機能を余すところなく覚えて、楽しみたいという方々です。
多彩なヘルシーメニューが利用できる部分、忙しい平日に「フルオート」調理で、おかずを簡単に1品増やせる部分、あるいは、ネット掲載のものを含めた相当数の「特化型レシピ」が使える部分が「刺さった」ならば、本機が良いでしょう。
IOTを重視する部分を含め、ヘルシオはターゲット層がはっきりしているレンジに思います。
【2025年6月発売】
4・シャープ ヘルシオ AX-RS1C-W
4・シャープ ヘルシオ AX-RS1C-H
¥144,800 楽天市場 (7/4執筆時)
【2024年6月発売】
5・シャープ ヘルシオ AX-RS1B-W
5・シャープ ヘルシオ AX-RS1B-H
¥85,840 楽天市場 (7/4執筆時)
庫内容量:30L
トースト:4枚(両面対応)
スチーム:ウォーターオーブン(水タンク)
センサー:64眼赤外線ムーブ・蒸気温度
オーブン最高温度:300度(3分)
外形寸法:幅500×奥行435×高さ390mm
AX-RS1Cラインは、シャープの2番目に上位の製品です。
2025年からの新機能
1・AI相談機能(クックトーク)
2・ヘルシオトレー機能の拡充(おいしさ復元対応)
2024年機が残りますが、違いは、1つ上でみた上位機の場合と同じです。
ミニ角皿による調理が不要で、また、AI機能にも興味がなければ、旧機で良いでしょう。
本体サイズは、幅500×奥行435×高さ390mmです。
上位機とは若干デザインが違っていて、高さ方面にスリムな代わりに、幅があります。
一方、パネルはモノクロです。
無線LANは備えますが、カラータッチ液晶ではないので、レシピ表示などの部分はざっくり省略となります。
庫内容量は、30リットルです。
容量の部分では、上位機と変わりません。
スチームオーブン機能は、本機も、ウォーターオーブン式です。
仕様は、ほぼ上位機と同じです。
あえて言えば、スチーム発酵機能の利用時に30度が使えない(35度から)だけです。
ただし、後述する自動調理機能は、差が付きます。
電子レンジ機能は、64眼赤外線ムーブセンサーと蒸気センサーという構成です。
この部分も、1つ上でみた、上位機と機能性は変わりません。
解凍機能は、サックリ解凍(半解凍)と全解凍が選べます。
食べごろ解凍も搭載です。
自動料理の多彩さは、先述のように、液晶がない部分を含めて少し差が付きます。
例えば、「まかせて調理」機能です。
上位機で紹介ましたが、これらは食材をおくだけで、あとは調理を任せられる、ヘルシオの「売り」の機能です。
復習しておけば、冷凍・冷蔵・常温が一緒でも、焼く・炒める・揚げる・蒸す・茹でるというの調理方法を選ぶだけで、勝手に加熱してくれます。
本機もこの機能はありますが、上位機と違って、上段・下段で同時調理する機能が未搭載です。また、30分までスチーム保温する「ほかほかキープ機能」もないです。
そのほか、少量でのスポットスチーム(蒸し温め)も使えません。
レンジの段数は、2段です。
自動調理時に同時調理はできません。
しかし、広さ自体は上位機と同じですから、2段使って、多くの料理は作れます。
その進化形といえる「おいしさ復元」も使えます(少量蒸し除く)。
オーブンは、最高で300度です。
上位機と同じです。
しかし、240度〜300度で持続可能な時間が3分に限定されるので、上位機(10分)より劣ります。その後は、210度まで落ちますので持続的な火力が欲しい方は注意点です。
低温方向も、100度まで(上位機は65度)なので、その部分の表現力も異なります。
なお、スチームによる発酵温度は同じく出せます。
グリルは、一方、そこまで充実しません。
機能としてはグリルも、ウォーターグリルも使え、食材に焦げ目も付きます。
ただ、上火が上位機に及ばないので、シャープ自慢の焦げ目をつける「あぶり調理」が、進化形のこだわり火加減を含めてできません。
トーストは、自動メニューで対応可能です。
ただ、先述のように、本機は上火があまり強くないので、2枚で14分、4枚で15分と実用的な時間とも言えません。
ネットワーク機能は、無線LANを搭載するため、本機もスマホと連携がとれます。
25年機からスマホのアプリ内で、生成AIによる相談機能が利用できる部分は、上位機と同じです。
一方、本体がモノクロ液晶のためレシピ表示はできません。
スマホで検索した新メニューの加熱などの設定の転送は、上位機と同じくできます。しかし、本機は、転送できるのは1メニューのみです。
メニュー総数も400になるため、上位機に遠く及びません。
なお、下位機の場合は、旧機を含めて、マイク、スピーカーはありませんでした。
音声案内の機能もないです。チャイムのみです。
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以上、シャープのAX-RS1Cラインの紹介でした。
優れたウォーターオーブン機能やまかせて調理など、最上位機の魅力といえる機能の一部は採用される機種です。
ただ、自動メニューなどを使わないと考えても、上火の弱さでグリル・トースト部分においてあまり強くないのは注意点です。
値段差にもよりますが、やはり上位機と比べてしまうとできることが限られますし、選びにくいグレードです。
【庫内1段】
【2025年8月発売予定】
6・シャープ ヘルシオ AX-N1C-B
6・シャープ ヘルシオ AX-N1C-W
¥(118,800) 楽天市場 (7/4執筆時)
【2024年6月発売】
7・シャープ ヘルシオ AX-N1B-B
¥71,900 楽天市場 (7/4執筆時)
【庫内2段】
【2023年7月発売】
8・シャープ ヘルシオ AX-NS1A-W
8・シャープ ヘルシオ AX-NS1A-B
¥74,800 Amazon.co.jp (7/4執筆時)
庫内容量:30L
トースト:4枚(両面対応)
スチーム:ウォーターオーブン(水タンク)
センサー:赤外線・蒸気温度
オーブン最高温度:300度(10分)
外形寸法:幅495×奥行445×高さ390mm
AX-N1Cラインは、ヘルシオの中型の最新機種に限っていえば、最安といえる入門機です。
こちらも旧機がのこります。
2024年機は、上位機同様にAI相談機能(クックトーク)に対応した部分以外ほぼ差がないです。
外径寸法(幅500×奥行435×高さ390mm)が多少変更されましたが、気にするほどではないです。あとは、あえて言えば「楽ちん1品」において冷凍食材が対応になった程度です。
2023年機は、仕様がだいぶ変わります。
24年機と同じサイズですが、この世代だ庫内2段でした。
実質的にこの世代のほうが、レンジとしての性能はやや上位です。
例えば、これ以降の瀬田だ位だと、ソフト蒸し・蒸し物(65度-100度)の表現力がなくなり、解凍や中華まんのあたためなどに使うスチーム+レンジ加熱以外なくなりました。
フルオートの「まかせて調理」も、旧機は上位機相当で、網焼き・揚げる・炒める・蒸すまで対応でしたが、これ以降のだと、焼く以外の調理技法に新機種は非対応になっています。
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結論的にいえば、同程度に安い場合、この中では、2023年機が良いでしょう。
庫内容量は、30リットルです。
本体サイズは、幅495×奥行445×高さ390mmです。
新機種になって、上位機より多少奥行が出ましたので、多少注意してください。
ただ、引き続き、30Lとしては高さ方面にはコンパクトです。
レンジの段数は、先述のように、24年機以降は「1段」です。
ここは上位機との差です。
スチームオーブン機能は、本機も、ウォーターオーブン方式です。
電子レンジ機能は、差があります。
上位機と比較すると、赤外線ムーブセンサー不採用で、下位の普通の赤外線センサです。
センサーがだいぶ劣るので、本機は、温度の違う食材の「2品の同時あたため」に対応できません。
そのほか、先述の食べごろ解凍も非対応です。
まかせて調理も、差が付きます。
フルオートで複数の食材を「レンチン」することはできます。
しかし、上位機、あるいはこのクラスの23年機以前と違って、24年機以降は「焼く系」の調理パターンのみの対応です。
冷凍・冷蔵・常温の混在調理はできますが、冷凍食品の有無が判別できないので、マニュアル操作でその有無を指定する必要があります。
また、センサー性能が劣る点で言えば、仕上がりにも差が付くでしょう。
オーブンは、最大300度です。
ただし、本機も、240度〜300度で持続可能な時間が3分に限定されます。
グリルは、先ほどの機種と同じ仕様です。
「あぶり調理」ができない部分で、冒頭で見た最上位機とは差があります。
なお、旧機を含めて、先述のヘルシオトレー(小型角皿)は未付属になります。
自動料理は、25年機で121種です。
ネットワーク機能は、本機も、無線LAN搭載です。
仕様は、1つ上でみた製品とほぼ同じで、25年機は、生成AIが利用できます。ただ、本体に転送できる、アプリ上の掲載レシピは300とさらに減ります。
あとの部分の仕様は、扉が(衝撃なしにしまる)ソフトバンパーでない点、蒸気による(ほ乳瓶などの)除菌機能がない点以外、上位機に比べて、目立つ違いはないです。
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以上、ヘルシオのAX-N1Cラインの紹介でした。
旧機(23年機)を含めて、1つ上でみた上位機に比べるとやはり機能差が目立ちます。
本体形状ほか、グリル・オーブン部分はさほど差がないと言えますが、センサーの違いに由来するレンジ部分の機能性は、やはり、値段差以上の差を感じます。
同時調理などの凝った使い方でなく、普通の「レンチン」の精度にも影響するため、性能が新機種を上回る旧機を含めて、選びにくさがあります。
(Amazon限定)
【2020年7月発売】
9・ シャープ ヘルシオ AX-XJ1-B
9・ シャープ ヘルシオ AX-XJ1W
¥47,800 Amazon.co.jp (7/4執筆時)
庫内容量:30L
トースト:
スチーム:ウォーターオーブン(水タンク)
センサー:赤外線・蒸気温度
オーブン最高温度:250度
外形寸法: 幅490×奥行435×高さ400mm
AX-AJラインは、1つ上でみたAX-HA20ラインの2020年仕様の旧型にあたる製品です。
Amazon(本体)で継続して安く出ているので、格安品として限定的に卸しているようです。
庫内容量は、30Lです。
本体サイズは、幅490×奥行435×高さ400mmです。
左右と後方の壁ピタ配置に対応します。
レンジの段数は、2段であり、多段調理に対応します。
スチームオーブン機能は、しっかりウォーターオーブンです。
過熱水蒸気を使う調理技術は、新機種と同じです。
電子レンジ機能は、赤外線ムーブセンサー不採用で、通常の赤外線センサーです。
オーブン機能も、最高温度は、300度ではなく、250度です。
ただ、250度運転時の最高温度の時間制限はない点は言及に値します。
グリル機能は、過熱水蒸気を利用する「ウォーターグリル」を含めて利用できます。
しかし、あぶり焼きは非対応です。
自動料理は、レシピ数86種類と上位機種に比べると物足りないスペックです。
フルオートの「おまかせ調理」は、この世代は「おくだけグリル」という名前です。
600g程度までの自動グリル機能(焼く)は利用できますが、エリアごとの食材の温度の見極めなどはできません。
レンジ版の「おまかせ調理」といえる「らくチン1品」は辛うじて対応しますが、やはり差があります。
トーストは、非対応です。
注意点です。
ネットワーク機能はもないです。
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以上、ヘルシオのAX-AJラインの紹介でした。
1つ上の製品同様、エリア加熱ができる赤外線ムーブセンサーが省略されている点がネックです。
ただ、型落ちで値段は安いです。そのため、高度な「自動化」はできなくても良いので、シンプルに「シャープのウォーターオーブン機能を試したい」という考えの方は、(今のうちならば)わりとお買得に思えます。
料理のベテランでで、マニュアル運転メインで使うようならば、(値段面で)本機は選べると思います。
1-3・東芝の石窯ドームの比較
つづいて、東芝のスチームオーブンレンジ、石窯ドームを紹介していきます。
こちらも、価格が高い機種から順番に紹介します。
【2025年6月発売】
10・東芝 石窯ドーム ER-D7000B-K
10・東芝 石窯ドーム ER-D7000B-W
¥139,800 楽天市場 (7/4執筆時)
センサー:高精度赤外線センサー
【2024年発売】
11・東芝 石窯ドーム ER-D7000A-K
11・東芝 石窯ドーム ER-D7000A-W
¥91,790 楽天市場 (7/4執筆時)
【2023年発売】
12・東芝 石窯ドーム ER-YD7000-K
12・東芝 石窯ドーム ER-YD7000-W
¥89,850 Amazon.co.jp (7/4執筆時)
【2022年発売】
13・東芝 石窯ドーム ER-XD7000-K
13・東芝 石窯ドーム ER-XD7000-W
¥98,000 楽天市場 (7/4執筆時)
センサー:64眼赤外線ムーブ+温度
庫内容量:30L
トースト:2枚まで(裏返し)
スチーム:過熱水蒸気 (水タンク)
オーブン最高温度:350度(10分)
外形寸法: 幅498×奥行399×高さ396mm
ER-D7000Bは、東芝の最上位機です。
旧機が残りますので違いを確認しておきます。
2025年機は、後ほど詳しく書きますが、メインの赤外線センサーが一新されました(ファインeyeセンサー)。
検知精度が旧機に比べて「3倍」で、レンチンの仕上がり面で大きな変革がありました(すごラクあたため)。
手動設定でレンジ加熱した際の加熱不足をお知らせする「仕上がりアシスト」や、チルド、冷凍問わず、「フルオート」で市販のピザが焼ける「石窯おまかせピザ」などの新機能があるのも、新センサーの恩恵と言えます。
2024年機は、おまかせレンジが新機軸でした。
ガラス製ボウルに好きな素材を指定された順番で層的に入れるだけで、自動調理できるというものです。パスタ・カレーほか、市販のおかずの元(中華や煮物)を使えます。
シャープの似た機能(らくチン!)をみました。比べると、材料や分量が自由という点が独自性です。
ただ、カレーのルーの形状(固形のみ)パスタの太さと茹で時間の指定(1.6mm/7分)、麻婆豆腐(挽き肉入り不可)などの指定は多いですし、仕上がりも、(レシピがない分)シャープより「ざっくり」でしょう。
このほか、下味冷凍コースが新搭載です。
後ほど「分量フリー自動メニュー」の項目で詳しく説明します。
2023年機は、メニューの部分で、グラタンコースと卵メニュー(ゆで・温卵・半熟)の追加と「分量フリー自動メニュー」のメニューの増加が新機軸でした。
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結論的にいえば、解凍を含めたレンジ性能は、センサーの一新で2025年機は突出して良くなったと言えます。
一方、オーブン・グリル機能の部分は、旧機とそこまでの性能差はないと言えます。
レンジセンサーも、後ほど書くように、旧機でも水準以上(シャープ並)の性能はありましたし、2024年機あたりは、特に「値ごろ感」を感じます。
あとは、だいたい同じなので、同時にみていきます。
庫内容量は、30リットルです。
本機も、2段調理に対応できますし、シャープ機と同じです。
本体サイズは、幅498×奥行399×高さ396mmです。
シャープに比べるとやや幅はあるのですが、奥行と高さは割とコンパクトです。壁面と左右の壁面にはぴったり設置できる設計なので、大型機にしては設置性は良さそうです。
ただし、蒸気出口がある上部は10cmの余裕が必要です。
角皿2枚のほか、5cmの深皿が1枚付属です。
カレーやパスタの麺茹でなど、汁気のある食材の一度での加熱も楽です。
スチームオーブンは、過熱水蒸気式です。
ボイラーは持たず水タンクから水を庫内に点滴する仕組みです。その点で、蒸気量が少ないといえます。
過熱水蒸気による、調理機能は、手動で選べるのは次の2パターです。
第1に、過熱水蒸気調理モードです。
過熱水蒸気だけで調理するシャープと同じ方式です。
ただ、「選び方の基本」で書いたような理屈で、この仕組みだと、水だけでしっかり焼き目をつける機能性はないです。
主には、塩魚などの「減塩用」についているもので、用途の幅は狭めです。
第2に、ハイブリッド調理モードです。
過熱水蒸気と庫内ヒーターを併用することで、焼き目をつけられるモードです。
過熱水蒸気ほか、ヒーターの熱をファン(熱風コンベクション)でまわすことで、焦げ目も付きますが、蒸気量や、庫内のスチーム量が少ないので、減油・減塩量は、ウォーターオーブン方式よりやはり限定的になります。また、ヒーターの熱に長時間さらされる部分で、ビタミンの保持の部分でもウォーターオーブン方式に及びません。
主には、鶏の照り焼きに、東芝はこの機能の利用を「おすすめ」しています。
一方、一般的な揚げ物調理は、シャープと違って(ドライな)オーブンでの調理が前提で、それが推奨されます。
したがって、減油・減塩などのヘルシー調理という目的性での過熱水蒸気利用は、シャープと違って、ほぼほぼ強調されません。
スチーム料理(蒸し料理)は、東芝の上位機の場合「売り」と言えます。
35度から100度まで5度刻みで低温での温度設定を可能にし「低温蒸し」を含めて、レシピを充実させています。
とくに、低温調理時の野菜のビタミンなどを熱で消失させずに調理できるメニューは、他社より重視していて、この部分では「ヘルシー」です。
料理面でも、低温で牛肉などのたたきなども上手にできます。
同じく、スチームを利用して分量・時間調整不要で、3種の卵料理を作ってくれる機能があります(最大8個)。
オーブン機能は、全機種通しても、東芝は最も能力が高いと言えます。
本機は(ドライな)オーブンを優先した設計です。
熱対流の良い本物の「石窯(ピザ釜)」を摸したものです(石窯ドーム)
天面構造は 石窯と同じように中央部を高くすることで、上火火力の強化を図ります。そのため、特殊なドーム形状のヒーターをわざわざ開発しています。
また、石窯の熱対流を再現するため熱を 熱風ファンで循環させる仕組みがあります。
扉部分を除いた前後左右を遠赤熱であたため、庫内全体を浸透性の高い遠赤外線で包むことで、料理の芯までむら無く加熱していきます。
最高温度は、したがって、350度が5分間出せます(シャープは300度)。
その後、230度運転になりますが、石窯ドーム構造の遠赤効果で、庫内温度の安定性・均一性は評価が高いです
お肉やお魚が「こんがり・皮パリ」な仕上がりすること表面はパリッとして中まで暖かいピザを焼くことも大得意です。
実際、この部分を重要視する場合、家庭用オーブンレンジだと、本機以上に最適な機種はないと言えます。

レンジのサンサーは、2025年から、高密度赤外線センサー(ファインeyeセンサー)です。
近年の赤外線センサー技術の進歩で、固定の赤外線センサーでも、相当細かい計測点の情報が得られるようになっています。
そのセンサーを同社がレンジに初採用した感じです。赤外線センサーでは「最上位」と言えます。
なお、2024年機までは、64眼赤外線ムーブセンサーでした(ねらって赤外線センサー)。
シャープと同じ水準でこちらも相当精度が良いのですが、25年機は、それ以上に細かく温度を検出できる仕様です。計測点の実数は公開されませんが「約3000点」としておきます。
後ほど見るパナソニックも(別方向で)良い赤外線センサーをつみます。
ただ、検出スピード、検出頻度はともかく、庫内の熱状況の判定精度は、東芝が現在だと最高でしょう。
実際、東芝の場合、旧機は、温度センサーを併用していて、食品の位置と分量を用いて加熱ムラを防ぐ方式でしたが、新機種は、その仕組みも不要になりました。
自動あたためは、新型センサー搭載で「すごラクあたため」という、機能名が付きました。
高詳細、高精度なセンサーで、主な食品の種類を自動判定して、適切に加熱します。
同時加熱(エリア加熱)も、2品まで可能です。
手動あたため(レンチン)も、「仕上がりアシスト」を利用できます。
市販の冷凍食品などは、普通、パッケージの指定通りの加熱時間で作るものです。しかし(普通に)加熱ムラはあり得ます。
本機は、手動加熱の場合、一部に加熱ムラがあったら、先んじ液晶でそれを教えてくれます。結構便利です。
このほか、レンジ機能と、オーブン・グリルを併用し、揚げ物を「カラッとあたため」る機能もあります。
解凍は、東芝も頑張ります。
スチームを利用した全解凍と、刺身などのための半解凍は他社にもありますが、忙しい際に、肉などを2分台で解凍させる「すばラク解凍」(旧名:お急ぎ解凍)は特徴的です。
25年機からは先述の新センサーの恩恵で、中出力を長く使えるようになったので、さらに解凍時間が短くなっています。
そのほか、マイナス10度から90度の範囲で、指定した温度であたためをする機能も面白いです。
グリル機能は、ただ、パナソニックや日立に比べ、そこまで重視しないようです。
先述の石窯ドーム構造からして、熱を食材表面に集中させ「焦げ目」をつけると言うより、(食材の中を含めて)庫内温度の均一を高めることを重視する構造なので。
自動メニューも、グリル系は少なめです。
なお、「スチームグリル」は、マニュアル運転はできませんが、後ほど書く「分量フリー自動メニュー」では実質使うメニューがあります(塩さばなど)。
自動メニューは、タッチ式のカラー液晶を採用する機種ですので多彩と言えます。
実数としては484項目の調理が用意されます。
「唐揚げ」などの人気メニューは、紙のレシピ集なしにレシピを確認することができます。
自動調理機能は、石窯おまかせ焼きとして搭載です。
本機の「目玉」機能の1つで、オーブン調理について、分量、温度、加熱時間を調整せずとも、勝手に「フルオート」で自動調理するものです。
豚・牛・鶏・野菜・魚・グラタンなど、食材に合わせた調理をしてくれます。
加えて、付属の「深皿」を利用し、魚・深皿煮込みにも対応できます。
シャープの「まかせて調理」と比べると、冷凍食材に対応できない部分が弱点です。
また、調理パターンはオーブン機能だけなので、「焼く・煮込む」だけです。「揚げる・蒸す・茹でる」なども選べるシャープ機ほどは、充実しないとは言えます。
エリア加熱もできないので、庫内で可能な料理は東芝の場合、あくまで1つです。
ただ、東芝機を選ぶ人の多くは「オーブン性能」を期待して買うわけですし、その方向性において「相当魅力的な機能」と言って良いです。
このほか、石窯おまかせピザという機能名で、「ピザのフルオート焼」に対応です。
チルド・冷凍・温め直しを問わず、角皿に乗せるだけで、勝手に焼いてくれます。
予熱なしで焼くモードなので、ピザ粉から作るようなクラフトピザを、自動で焼くようなものではないですが、便利に思う方は多そうです。
分量フリー自動メニューも、ある種の「セミオート」的な機能です。
分量だけを自動で判断して加熱してくれるモードですので。
メニューは、7種(ハンバーグ・ピーマン肉詰め、鶏照り焼き・茶碗蒸し・鶏から・塩サバ・塩鮭)で物足りないもの、メニューを選ぶだけで調理できます。
ホームフリージングも、これらの7メニューでは対応です。
指定したレシピで冷凍したものを冷凍からでも自動加熱できます(下味冷凍コース)
ほかの「冷凍から焼く」調理パターンは、アプリからも追加できます。
トーストは、対応できます。
普通のトーストほか、ふっくら仕上がる「スチームトースト」も対応できます。
ただ、いずれも2枚までで、途中で裏返すという一手間が必要です。
6.5分と割と高速にトーストできますが「手放し」できないのが難点です。
ネットワーク機能は、Wi-Fiを搭載します。
同社のアプリ(IoLIFE)で調べたレシピの加熱情報などの送信に対応できます。
レシピも相当数ありますし、精製AIを搭載し、レシピの展開数やコンセプト力も高いシャープ機を除けば、業界標準より充実します。
スマートスピーカー(Amazon alexa、Googleアシスタント)との連携もできます。
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以上、東芝の ER-D7000Bの紹介でした。
とにかく強力なオーブン機能が魅力という製品です。
この点では他社に勝てる機種はないため、オーブンを多用する場合は、この機種や東芝の下位機種がオススメです。肉料理やピザ焼きを重視する方は、現状では「東芝を決め打ち」でも良さそうです。
その上で、25年機は、レンジのセンサー性能が向上し、レンチンや解凍の精度も、全社通しても高水準になったと言えます。
あえて言えば、「焼き付ける」グリル機能にパナソニックほど特徴がないですし、過熱水蒸気の利用法と「フルオート調理」の多彩性はシャープに負けます。
ただ、「全部が一番」という製品はどこの企業にもないです。繰り返しますが、オーブン調理に注目する場合、火力や調理パターンの多彩さにおいて「最高」と言えますし、おすすめできます。
今回の結論
中型スチームオーブンレンジのオススメは結論的にこれ!
というわけで、今回は、中型のスチームレンジの比較の1回目記事でした。
しかし、記事は、まだまだ「続き」ます。
2・中型スチームオーブンの比較(2)
2-1:東芝 2〈石窯ドーム〉
2-2:日立〈ヘルシーシェフ〉
3・中型スチームオーブンの比較(3)
3-1:パナソニック〈ビストロ〉
3-2:アイリスオーヤマ
4・中型スチームオーブンの比較(4)
4-1:目的別・予算別のおすすめの提案【結論】
続く2回目記事【こちら】では、東芝の残りの製品をみたあと、日立やパナソニックなどの製品を紹介します。
対応人数 4人以上対応
スチーム調理 ★★★★★
レンジ調理 ★★★★★
オーブン調理 ★★★★★
グリル調理 ★★★★★
レシピ充実度 ★★★★★
おまかせ調理 ★★★★★
高級感 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回の結論編(こちら)では、目的別・予算別のおすすめ機種をあげていきたいと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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