【今回レビューする内容】2024年 最新の高性能無線LANルーターの価格・性能とおすすめ・選び方 : Wi-Fi5 6 親機 無線ブロードバンドルーター:スピードと安定性「最強」製品の違いとランキングWindows Mac対応 IPv6 WPA3 Apple Time Capsule AirMac expressの代替機など
【比較する製品型番】 Buffalo AirStation WSR-2533DHPLB-BK WSR-2533DHPLB-WH WSR-2533DHPLS-BK WSR-2533DHPLS-WH WSR-2533DHP3-BK WSR-3000AX4P-BK WSR-3000AX4P-WH WSR-3000AX4P/NBK WSR-3000AX4P/NWH WSR-5400XE6/N NEC Aterm AX5400T6 AM-WX5400T6 WX5400T6 PA-WX5400T6 PA-WG2600HP4 PA-WG2600HM4 A-WG2600HS2 PA-WX3600HP PA-WX3000HP AM-AX6000HP PA-WX6000HP AM-AX3600HP PA-WX3000HP2 AX3000HP2 ELECOM WRC-XE5400GS-G WRC-2533GS2V-B WRC-G01-W WRC-X3200GST3-B WRC-X3000GS3-B I IODATA WN-DAX3000GR WN-DAX3000GR/E WN-DAX3000GR/D WN-DAX3600QR TP-Link Archer AX55(JP)/A AX55 AX53 AX53/A BELKIN LINKSYS E8450-JP E8450-JP-A AX3000 AX3000/A HUAWEI WiFi AX3 TP-Link Archer Air R5 Archer AXE5400 AXE5400/A ASUS Wi-Fi RT-AX57 ほか
今回のお題
高速で安定性の高い無線LANルーターのおすすめはどの機種?
ども、Atlasです。
今回は、2024年11月現在、最新の無線LANルーター(Wi-Fiルータ)の性能の比較です。
基本となる通信速度はもちろん、接続時の安定性や設定のしやすさ、セキュリティなどに注目しながら各機を分析していきます。
初心者・中級者でも「おすすめの理由」ができるだけ分かるように書きました。
主要企業の新型機は、基本的に各タイプを「全機種」紹介するつもりです。
対応人数 世帯向き
速度(ネット)★★★★★
速度(宅内) ★★★★★
無線の安定性 ★★★★★
設定の容易さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
記事の結論部では、上表のような観点から、用途別・目的別に「具体的な」おすすめ機種もあげていきます。
よろしくお願いします。
1-1・無線ルーターの選び方の基本
1・標準の無線LANルーターの比較
速度: 2402Mbps(最大)
予算:7500円〜
用途:2LDK・一戸建て
2・安めの無線LANルーターの比較
速度:1300Mbps(最大)
予算:3千円〜
用途:1LDK・ワンルーム向け
3・高速なWi-Fi 6ルーターの比較
速度: 4803Mbps(最大)
予算:1.5万円〜
用途:大家族・ゲーマー・トレーダー
4・最速なWi-Fi 7 ルーターの比較
速度: 11520Mbps(最大)
予算:3万円〜
用途:高速10G回線ユーザー
5・メッシュWi-Fiルーターの比較
速度: 11520Mbps(最大)
予算:3万円〜
用途:旅館・自営業・3F建ての家庭
6・おすすめの無線LANルーター 【結論】
=予算別・目的別のおすすめ機種の提案
このブログのルーターの比較記事は、全6回の記事で構成されます。
ルーターは200種を超える製品が出ているので、皆さんの目当てとするべき機種がわかるように6つに分類した、ということになります。
以下では、ルーターの「選び方の基本」の説明を兼ねつつ、各記事で紹介する製品について、説明していきます。
1回目記事(今回)は、2LDK・一戸建てに向く、家庭用ルーターの紹介です。
展開のバリエーションが最も多く、家庭用として最も人気があるグレードです。
速度は、最大で2400Mbps(300MB/秒)ほどまで出せます。
一般家庭で標準的な光回線を利用する場合、ルーターがボトルネックとなっての速度低下が起こらず、長年にわたって快適に使える水準の製品です。
価格も、7000円からと常識的な値段で買えます。
Atlasが、友人によく「おすすめ」するのもこのグレードです。
このクラスだと、通信安定性を強化する技術の多くを網羅します。
そのため、通信速度の問題を抱えている方の多くは、このクラスのルーター導入で「解決」しています。
通信規格は、Wi-Fi5 (11ac)・Wi-Fi6(11ax)・Wi-Fi6E(11ax)が混在します。
後ほど違いは詳しく書きますが、上位規格ほど実効速度は上がると考えてください。
予告しておけば、Wi-Fi6Eは、22年登場の6GHz帯を扱える新規格です。ご近所であまり使われていない帯域で、混んでおらず安定性が高い新方式であり、要注目です。
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2回目記事は、1人暮らし・ワンルーム向けの格安ルーターの紹介です。
間取りとしては、1ルームうあ1Kに向きます。
速度は、最大1200Mbps(162MB/秒)の機種が多いです。
賃貸マンション用のネット回線なら、これでフルスピードを堪能できます。
通信安定化技術はそこそこです。ただ、ワンルームなら広くないですし、多人数の複数同時接続の心配は不要なので、これでもOKです。
価格的には、5000円の予算もあれば十分です。
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こうした製品は、2回目記事にあたる【格安なWi-Fiルーターの比較記事】で、50機以上を比較しています。
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3回目記事は、主にゲーマーやトレーダー向けの製品です。
速度は、4804Mbps(約600MB/秒)と1段階上の速度が出せる機種です。
価格は、1.5万円から買えます。
ただ、高性能機だと5万円を超えます。
通信規格は、Wi-Fi6(11ax)・Wi-Fi6E(11ax)の場合があります。
速度は、理論上、4804Mbps(約600MB/秒)まで出せる機種が市販されています。
ただ、ここまでの速度は一般家庭では不要です。特別な高速光回線を契約しいていないと、オーバースペックとも言えます。
とくに、高機能な製品は、処理のため高性能CPUを搭載する関係で、消費電力も上がってきます。
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結論的にいえば、一般家庭でこのグレードはオーバースペックです。
ただ、速度が必要なゲーマー・トレーダーほか、家庭内サーバーを高度に構築している方など、必要な方はいると思います。
この速度の製品をお探しの方は3回目記事にあたる【超高速 Wi-Fi6対応ルーターの比較記事】で、50機種以上を紹介しています。
関心のある方は、そちらをご覧ください。
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4回目記事は、超高速回線契約者向けの製品の紹介です。
フレッツ 光クロス10GBなど、特別な超高速光回線を契約している方にむくグレードです。
速度は、11520Mbps(約1440MB/秒)と「モンスター」です。
価格は、この速度のものだ5万円ほど、速度半減て2.5万円ほどです。
通信規格は、Wi-Fi7(11be)です。
2024年から普及がはじまった最新規格です。
速度が出るほか、複数接続時の安定性や、強い電波が遠くまで飛びやすいなどの利点があります。
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結論的にいえば、このグレードは、対応するPC・スマホが市販ではほぼないので、現状では上級者向きです。
一般家庭用に向くといえる特長が多いので、将来性は抜群にあります。ただ、仕様として初心者向きではないので、今だと上級者向けです。
まだあまり数はないですが、【Wi-Fi7ルーターの比較記事】で紹介しています。
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5回目記事は、小規模企業・旅館・3階建て家屋に向く製品の紹介です。
親機と中継機がセットの「メッシュルーター」の説明になります。
専門業者に依頼せずに個人の力で屋内の広域ネットワークを作りたいと考えている場合に向きます。
価格は、複数の基材を買うことになるので、最低3万円からです。
中継機とのセット販売が一般的なので、ご自宅が広く、本体ほか中継機を置く必要がありそうな環境ならば、一般家庭でもこの方法は安あがりで効果的です。
通信規格は、Wi-Fi5 (11ac)からWi-Fi7(11be)まで選択肢に事欠きません。
速度は、最大11520Mbpsまであります。
こうした、やや広めの家屋向きの製品は、5回目記事となる【メッシュWi-Fiの比較記事】で、60機以上を比較しています。
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以上、ご家庭の状況にあわた、「5つの区分」を紹介しました。
結論的にいえば、今回の「1回目記事」で紹介する機種が、家庭用として最もオーソドックスで、値ごろ感もあります。
そのため、まずは、(とりあえず)今回の記事からお目通し頂くことをおすすめします。
2・ルーターの最高速度
続いて、ルーターの最高速度についての「選び方の基本」を解説します。
2.4GHz帯速度:573Mbps
5.0GHz帯速度:2401Mbps
6.0GHz帯速度:2401Mbps
今回の記事では、Mbps(メガビット/秒)という速度単位を使い、各製品を比べます。
最高速度は、ルーターの場合、利用する無線電波の帯域(2.4GHz・5GHz・6GHz)ごと変わります。
帯域ごとに少し電波の性質が異なるので、以下簡単にですが、解説します。
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第1に、2.4GHz帯です。
どの機種でも、速度が最も「遅い」のがこの帯域です。
しかし、電波が遠くに飛びやすい性質があリます。
そのため、広めでご自宅で、遠くのお部屋への到達を問題と感じている場合、この帯域の速度とアンテナの数が多いものを選ぶと、改善効果が高いです。
第2に、5GHz帯です。
1万円台の中級機までだと、この帯域が最も速いの機種が多いです。
電子レンジほかの電波干渉に弱く、遠くに飛ばないですが、ルーターの近くのPCなどには、速度ロスが最小限で到達しやすいです。
速度を追う方は、5GHz帯の速度とアンテナ数に注目すると良いでしょう。
第3に、6GHz帯です。
扱えるのは、Wi-Fi6E(11ax)とWi-Fi7(11be)だけなので、2万円以上の機種からの話です。
速度は、最高水準に高速です。
その上で、この帯域は(できたばかりで)空いているのと、電波干渉にも強い性質があるので、電波が強めで遠くまで飛びやすいといえます。
ただし、新しめのPCやスマホでないとこの帯域は扱えないので、今のところ「おすすめ」とまでは言えません。
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以上、ルーターの最高速度の説明でした。
基本的には、優先したい帯域を考えながら、それぞれの帯域のバランスが良い製品を選ぶのが、失敗しないコツです。
一方、最高速度のみに目が行きがちですが、総アンテナ数にも注意を払ってください。
家族の同時に接続することも多い一般家庭では、アンテナ数を重視した方が、接続が安定しやすい傾向ですから。
記事では、このあたりの部分をふまえて解説し、おすすめ機種を提案します。
3・インターネットの速度
続いて、インターネット速度についてです。
ネット回線は、日本の場合、1Gbps(=1000Mbps)を最高速とする契約が普通です。
フレッツ光クロスなど、下り最大10Gbps(=10000Mbps)の上級サービスもありますが、契約している方はわずかだと思います。
そもそも、家庭向きの標準ルーター(2万円以下)は、上位の高速回線に対応できる設計にしていません。
なぜなら、モデムからLANケーブルを引き込むWAN端子部分の速度限界が1Gbps(=1000Mbps)だからです。
速度を落とさず、高速回線を引き込める2.5GB・10GB対応のWANを装備するのは、高級機に限られます。
それならば、一般家庭は、最大1201Mbpsあたりで、5000円で買える格安ルーターで十分か?といえば、そうでもないです。
格安ルーターの場合、2.4GHz帯が1Gbpsを大幅に下回るレベルで遅いからです。
アンテナ数も各帯域とも2本と少ないので、家族や家電が多いと速度ほか、機器間の通信安定性もイマイチになります。
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結論的にいえば、個人的には、アンテナが各帯域ごと4本以上ある上で、5GHz帯と2.4GHz帯の数字が「ほどほど」に良い機種(例えば上図程度)が、一般家庭にはバランスが取れていて良いかなと思っています
アンテナの本数が多めだと、家族の端末やご自宅のIOT家電などと、安定的に同時接続できるようになるため、通信状況を原因とする速度の落ちも減ります。
今回の記事ではこのあたりの事情をふまえながら、最終的な「おすすめ機種」を提案するつもりです。
4・メッシュ機能について
最後にお話しする「選び方の基本」は、メッシュ機能についてです。
メッシュとは、以前の中継機の進化形です。
とりあえず、「複数のルーター(親機)を買って、網の目状のネットワークを家庭で簡単に構築できるシステム」と考えてください。
以前は「業務用」がメッシュの主戦場でした。
しかし、家庭用の一般機でも(複数買えば)簡単にメッシュが組めるというルーター製品が登場しています。
1回目記事で見ていく1万円台のルーターでも、メッシュに対応する製品は多くあります。
2LDK・一戸建てにお住まいの方は、メッシュという言葉は覚えておいて損はないです。
なぜなら、新しいルーターを買ってみたら「電波届かない部屋があった」という場合に保険になるからです。
メッシュ機能を持つルーターなら、そうした場合、もう1台買い増すだけで、電波強度を高めることが可能です。
とくに、2020年末に登場した「EasyMesh」という業界規格に対応する機種は、他社のルーターともメッシュネットワークが組めます。。
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一方、メッシュを組む場合、2つのプラスアルファの利便性も得られます。
第1に、スマホのWi-Fi受信環境が改善できる点です。
メッシュを組んだ場合、スマホなど「持ち歩く端末」を持って部屋を移動した時、自動で近くのアクセスポイントに切り替わります(左図)。
親機か中継機かを意識せず、シームレスにWi-Fiが切り替わるので便利です。
ちなみに、メッシュ登場以前の中継機は、残念な仕組みでした。
一度スマホのWi-Fiが圏外にならない限り、永遠に遠くの電波の弱いアクセスポイントにつながり続けていたからです(右図)。
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第2に、広範囲にわたる電波状況が改善される点です。
メッシュ機能を持つルーターは、電波強度や混雑度の変化を見極めながら、自動で、最適なアクセスポイントにシームレスにつないでくれます。
そのため、電波の届かなかった部屋だけでなく、電波の弱かった周囲の部屋の電波環境も改善します。これも、従来の中継機では無理だったことです。
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以上、メッシュについて解説しました。
説明に時間を割いたのは、新しいルーターを買ったが「電波届かない部屋があって残念」という事例が、Atlasの周囲に本当に多いからです。
そうした際の「保険」が新しくできたということは、頭のすみに置いておくと良いかと思います。
2LDK・一戸建ての場合、(本当に)重要なので、「EasyMesh機能」や、各社独自の「メッシュ機能」の有無は、記事では意識して説明します。
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1・標準の無線LANルーターの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:バッファロー 〈日本〉
1-3:NEC〈日本〉
2・標準の無線LANルーターの比較 (2)
2-1:エレコム〈日本〉
2-2:アイオーデータ〈日本〉
2-3:TP-LINK〈中国〉
2-4:LINKSIS〈米国〉ほか
3・無線LANルーターの比較 (3)【結論】
=最終的なおすすめ機種の提案
というわけで、ルーターの「選び方の基本」の紹介でした。
他にも説明するべきことは多いですが、製品説明のなかでおいおい述べていこうと思います
以下では、一般家庭向きに費用対効果が高そうな標準クラスのルーターを、メーカーごと比較していきます。
1-2・バッファローの無線ルーター
はじめに、日本のバッファローのルーターです。
家庭市場におけるルーターのシェアはトップで、ラインナップも多い名古屋の企業です。
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以下の本文では、Atlasのおすすめポイントは赤系の文字色で、イマイチだと思う部分は青字で書いていきます。
【2022年発売】
1・BUFFALO WSR-2533DHPLB-BK
2・BUFFALO WSR-2533DHPLB-WH
¥7,180 楽天市場 (11/22執筆時)
【2021年発売】(白の価格)
3・BUFFALO WSR-2533DHPLS-BK
4・BUFFALO WSR-2533DHPLS-WH
¥6,478 楽天市場 (11/22執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi5(11ac)
2.4GHz帯速度:600Mbps
5.0GHz帯速度:1733Mbps
有線LAN:1000BASE-T ×3
WAN:1000BASE-T
メッシュ:
USB:
IPv6:
WPA3:対応
WSR-2533DHPLBシリーズなどは、バッファローの販売する家庭用の入門機です。
同社の製品では、このクラス以上が高性能な無線LANルーターで、2LDKや一戸建てで快適に利用できます。
複数の機種があります。
2021年機のみ、カスペルスキーの「ネット脅威ブロッカー 2」(ベーシック版)が1年間無料利用できる特典があります。
ウイルス検知・除去機能はなく、情報流出などを防止するファイヤーウォールです。IOT家電が増えている現状では意味はあるサービスですが、PCセキュリティソフトと機能が被るのと、2年目から有料(1,980円)な部分は注意です。
結論的にいえば、一般家庭だと(まだ)不要に思えます。値段で決めてOKでしょう。
本体サイズは、幅16x高さ16.x奥行3.7cmです。
このクラスの旧製品よりかなり小さくなりました、
規格は、Wi-Fi5(11ac)です。
昔からある規格です。搭載アンテナ数で速度が変わりますが、本機はアンテナ4本です。
無線の最大速度は、2つの帯域(バンド)ごとで異なります。
第1に、5.0GHz帯です。
電波干渉に強い特長のある帯域です。
速度は、最大1733Mbps(約162メガバイト/秒)です。
第2に、2.4GHz帯です。
電波の到達距離が長い特長のある帯域です。
速度は、最大600Mbps(約75メガバイト/秒)です。
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いずれの帯域もアンテナ4本ですので、上図の速度がでます。
なお、バッファローの場合、2つの帯域(バンド)の共用アンテナになります。
一方、仕様表記では、本機の2.4GHz帯の速度は1.3倍増しの800Mbpsです。
これは256QAM対応機器と通信する場合の速度です。
機器側(PC・スマホ)の対応が必須ですが、この技術が(LTEではなく)Wi-Fiに採用されたPC・スマホは、現状で皆無ですので、実質は600Mbpsとなります。
実効速度は、利用する端末によって変わります。
例えば、パソコン・スマホなど側に4本アンテナがあるのは希ですので、Wi-Fi5でつなげる場合の最大速度は、最大でも以上の値になります。
インターネット速度は、最大1000Mbps(約125MB/秒)です。
冒頭の「選び方の基本」で説明したように、ルーター本体と、光ファイバーの終端装置(モデム)とをつなぐWANの部分に「ボトルネック」があるからです。
ただ、先述のように、普通の光回線程度の速度ならば、この仕様でも速度低下なしに入るので、問題ないです。
メッシュは、非対応です。
同社だともう少し上のグレードからです。
無線の安定性は、いくつかの工夫があります。
順番にみておきます。
第1に、CPUです。
ここが、非力だと実効速度(実際の速度)が伸びにくくなります。
特に多くの端末を同時につなげた際、速度が落ちやすいと考えてください。本機の場合、2コア(0.88GHz×2)と並です。
実行速度(上図)は、20年発売の同速度の製品と比べても遅いのですが、この部分の違いによるものと思います。
結論的にいえば、一般家庭だと十分な水準でしょうが、IOT家電を含めて、ネットワーク機器を同時に多く使っているご家庭では、若干心配なところはあると言えます。
第2に、ビームフォーミングEXです。
こちらは安定性に科関わる技術です。
簡単に言えば、スマホや携帯ゲーム機などの端末の位置を特定するソナーです。(手に持つことで)動き回る小さなスマホ等の端末に安定した電波を送ることができます。
他社にも「ビームフォーミング」はあります。しかし「EX」は、スマホなどの子機側に対応がなくても利用できるBUFFALOの独自技術です。
第3に、Mu-MIMOです。
非対応機の場合、スマホやPCと通信する際、ルーターが1台ずつしか通信処理できないために、実際は時間をミリ秒単位で区切って送受信しています。
しかし、MUーMIMOに対応する場合、アンテナの数(4本)まで、同時伝送が可能です。
そのため、複数台の機器(スマホ・パソコンなど)を同時に使っても速度低下が起こりにくいというメリットがあります。
有線LANポートは、3つ搭載されます。
いずれも1000BASE-T なので、最大速度(1000Mbps)でつなげることができます。
安いルーターだと100BASE-T(12.5MB/秒)という規格の機種がありますが、このクラスならば大丈夫です。
IPv6は、対応です。
これはIPoEとも呼ばれプロバイダ側の混雑に強くなる技術です。回線業者に追加料金が必要であることもあり、使いたい方だけが知っておけば良い知識です。
簡単設定機能は、充実します。
スマホ(iOS/Android)は、QRコードを撮影するだけで接続が可能なQRセットアップが、パソコンも、おなじみの「AOSS機能」が付属します。
ボタンを押すだけで、PCや周辺機器をセットアップできるものです。業界規格のWPSと似ています。
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以上、バッファローのWSR-2533DHPLBシリーズなどの紹介でした。
1万円以下の機種では高速な製品です。安定化技術もそれなりに充実します。
すこし前まで、Atlasはこのグレードを推していました。
ただ最近だとパソコンやスマホほかのWi-Fi6がかなり進みました。それをふまえると、今選ぶならばそちらかと思います。
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【2020年発売】
5・BUFFALO WSR-2533DHP3-BK
¥8,207 Amazon.co.jp (11/22執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi5(11ac)
2.4GHz帯速度:600Mbps
5.0GHz帯速度:1733Mbps
有線LAN:1000BASE-T ×4
WAN:1000BASE-T
メッシュ:
USB:
IPv6:対応
WPA3:
一方、さらに1世代前の2020年機が残ります。
この時代だと、まだWi-Fi6登場前で本機は1クラス上の「中級機」扱いでした。それもあり、CPUがこれ以降の機種より強力(3コア)で実行速度も速めでした。
あとは、外観が少し異なるほか、有線LANポートも4つで、中継機としても利用できる機能性がありました。
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結論的にいえば、このグレードだけで言えば、本機が最も優秀です。ただ、現状のWi-Fi6普及状況をふまえると、陳腐化する時期はこちらも早いでしょうし、選ぶならば、次に見る上位機だと言えます。
【2023年11月発売】
6・バッファロー WSR-3000AX4P-BK
7・バッファロー WSR-3000AX4P-WH
¥9,179 楽天市場 (11/22執筆時)
8・バッファロー WSR-3000AX4P/NBK
9・バッファロー WSR-3000AX4P/NWH
¥9,980 Amazon.co.jp (11/22執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi6(11ax)
2.4GHz帯速度:573Mbps
5.0GHz帯速度:2401Mbps
有線LAN:1000BASE-T×3
WAN:1000BASE-T
メッシュ:EasyMesh
USB:
IPv6: 対応
WPA3:対応
WSR-3200AX4Bシリーズは、バッファローの家庭向けの中級機です。
流通ルートで型番が変わりますが、性能は同じです。
本体サイズは、133(W) x 147(H) x 40(D)mmです。
このクラスだと、まだ常識的なサイズです。据置ほか、ネジでの壁掛けも可能です。
規格は、Wi-Fi6(11ax)です。
2020年頃から1万円以下の製品にも広く普及してきました。
今だと、これに対応しないと陳腐化していると言えます。
速度は、帯域(バンド)ごとに異なります。
ただ、実売1万円円前後の製品で、雑誌(『家電批評』晋遊舎 2024/1)でミドルクラスで最速レベルという評価をえた中級機です。
ただ、後述するように、アンテナの関係で、注意点もあります。
以下、帯域ごとに詳しく説明します。
5.0GHz帯は、2401Mbps(約300メガバイト/秒)です。
本機はアンテナは3本で、WB(ワイドバンド)対応なので、本来的には3603Mbpsです。
ただ、アンテナ総数3本のうち2本は、2.4GHzと共有という変則仕様です。おそらく、1本は2.4GHzに残す関係で最大値は2401Mbpsとなるようです。
WB(ワイドバンドは新しい圧縮規格(1024QAM)で、25%ほど速度が上がります。
ただし、この速度を得るため端末側(スマホ・PC)のWB対応も必要です。
例えば、Appleだと23年以降のMacとPhone 15 Pro以降・iPad 12.9(6世代)iPad 11(4世代)以降からの対応です。Android・Windowsも、高級機は少しずつ対応をしはじめています。
非対応端末は、Wi-Fi6のアンテナ2本の最大速度(1201Mbps)です。
ただし、昔のWi-Fi5(11ac対応端末とは、867Mbpsとかなり遅くなるのが注意点です。
2.4GHz帯は アンテナ2本で、574Mbps(約71.7メガバイト/秒)です。
必要最低限の速度と言え、こちらはあまり強調できません。
とくに、本機は、2.5GHz帯のアンテナ2本は、5GHz帯と共用なので、遠くにある複数の同時通信する場合は、速度はあまり期待できない気がします。
実効速度は、Wi-Fi6も利用する端末によって変わります。
Wi-Fi6の場合、端末側はのアンテナ数は(ほぼ)アンテナ2本です(上図)。
一方、端末側のWi-Fi6規格への対応は進んでいます。
例えば、スマホならばiPhone11(2019年)以降対応でした。Macなら2020年のApple M1プロセッサ搭載機から対応でした。Windowsも、現在では10万以下の格安PCでも搭載される状況です。
なお、ルーターに「アンテナ3本」もあるのに、端末が2本だと無駄に思えます。
しかし、アンテナ数が多いと 複数の機器を同時接続する場合に(余った)別のアンテナを利用できるため、接続時の速度や安定性が増しますので、無駄にはなりません。
メッシュは、EasyMesch対応です。
業界の標準規格です。冒頭でも書きましたが、他社対応機ともネットワークが組みやすい仕様です。
いざ、買ってみて電波の届きにくい部屋が合った場合、増設しやすいと言えます。
インターネット速度は、冒頭でかいた説明通り、1000Mbpsが最大です。
無線の安定性は、下位機より優れます。
こちらも、箇条書きで説明していきます。
第1に、バンドステアリングLiteです。
電波強度の計測により、空いている帯域に自動的に端末を誘導する機能です。
Wi-Fiを搭載する機器がご自宅に多かったり、隣人のWi-Fi電波と混線している場合は有効でしょう。
なお、同社の上位機には、(LITEでない)バンドステアリングがあり、混雑状況・接続台数も把握して制御します。
ただ、この価格帯ではこれでも「上等」です。
第2に、MU-MIMOです。
送信時にもこの技術を対応する点で、下位機より上位です。
正確には、アンテナごと複数の端末に同時通信できるMU-MIMOと、小分けされた帯域幅(サブキャリア)単位で、複数の機器に同時通信できるOFDMA(上図)が、Wi-Fi6規格上基本装備となりますので、必然的に「搭載」になります。
IOT家電を含む多数の機器が家庭にある現代で、これらはかなり有効な技術と言えます。
第3に、ビームフォーミングです。
こちらもWi-Fi6だと基本装備です。
同社の独自規格(EX)ではないので、スマホ側の対応が必要ですが、最近は対応しない機種のほうが珍しいので、あまり問題ないです。
なお、これらのWi-Fi6の「基本装備」の詳細は、【超高速なWi-Fi6ルーターの比較記事】の冒頭でより詳しく書きました。
一方、CPUのコア数・クロック数は、非公開です。
ここも、接続時の速度に関わるため、公開されないのは残念です。
有線LANポートは、1000Base-Tで、3ポート搭載されます。
このクラスだと標準的です。
簡単設定機能は、スマホ向けのQRsetupほか、PCについてもAOSSに対応します。
他社に比べても、設定は簡単です。
セキュリティは、WPA3に対応です。
iPhoneなども対応がはじまっている新しい暗号化で、従来のWPA2の通信暗号化より強固で、実際的に突破は無理と言われる規格です。
IPv6には、対応です。
このほか、DIXIMのネット脅威ブロッカー2 ベーシックの1年間無料利用権がつきます。
2年目からは、年額1980円です。一般的なPC用のセキュリティソフトと比べると、IOT家電などをセキュアにできる利点がありますが、まあ、マストではないでしょう。
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以上、バッファローのWSR-3200AX4Sの紹介でした。
本機は、同社サイトでも宣伝されるように『家電批評』でミドルクラスで最速レベルという評価をえた中級機です。
実際、Wi-Fi6対応機で(届く範囲が狭めの)5GHzで、同時使用なしで1台つなげれば、示されるような数字は出そうです。
しかし、遠くまで電波が飛ぶ2.4GHz帯が明らかに弱い上です。
また、両帯域合計でアンテナは総数3本と少なめです。スマホ・PC・TV(ストリーミング)と複数同時に接続する場合、速度が安定しない部分がないかという部分で懸念があります。
この部分で言えば、NECほか、(アンテナを共用としない)他社のミドルクラスのWi-Fi6機との比較は必要でしょう。後ほどみる予定です。
【2022年発売】WSR-5400XE6同等品
10・バッファロー WSR-5400XE6/N
¥17,980 Amazon.co.jp (11/22執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi 6E(11ax)
2.4GHz帯速度:573Mbps
5.0GHz帯速度:2401Mbps
6.0GHz帯速度:2401Mbps
有線LAN:1000BASE-T×3
WAN:2.5GB〈WAN専用〉
メッシュ:EasyMesh
USB:
IPv6: 対応
WPA3:対応
WSR-5400XE6シリーズは、先ほどの機種の上位機です。
ここまでの製品とは価格差が開きます。
本機は、2022年登場のWi-Fi6E規格に対応する点で、下位機とははっきりと性能差があります。
同社は、後ほど見るエレコムに次いで、この価格帯に対応機を投入しました。
速度規格は、Wi-Fi6Eです。
22年頃から対応機が出はじめた新規格です。
Wi-Fi6までと比べると、新しい6GHz帯に対応できます。
この帯域は、日本では開放されたばかりなので、ご近所との混線が少なくつながりやすいメリットがあります。
また、上表で示したようにワイドバンド帯域(160MHz)を含めてチャネル数が多い点と、6GHz帯が、飛行機や気象レーダーと被らない点で、通信安定性に対する期待値も高いです。
端末側も、iPhone(iPhone15 Pro)やMacを含め、Apple製品は2023年からこの規格に対応します。Windows系を含めて、Atlasの想像よりは速く普及している印象です。
アンテナ構成は、トライバンド(3バンド)です。
下位機は、2.4GHz・5GHzだけのデュアルバンドでした。こちらは、6GHz帯を加え、合計3バンドです。
第1に、5GHzは、2401Mbpsです。
アンテナは2本で、2.4GHz帯と共用です。
第2に、6GHzは、2401Mbpsです。
アンテナは2本で、こちらは専用です。
第3に、2.4GHzは573Mbpsです。
アンテナは2本で、5GHz帯と共用です。
なお、5GHzと6GHzは、アンテナ2本ですが、速度が2401Mbpsです。
1つ上の機種と同じく、WB(ワイドバンド)対応だからこの速度が出せます。
ただし、端末側(スマホ・PC)の対応がないと、WBなしのアンテナ2本の速度(1201Mbps)になるのは、先述の通りです。
通信安定性は、一般的です。
Wi-Fi6以降の基本装備となる、ビームフォーミング・MU-MIMO・OFDMAはむろん対応です。
あとは、先述の「バンドステアリングLite」対応する程度で、下位機(Wi-Fi6機)に対してプラスアルファはないです。
インターネット速度は、ただ、言及に値します。
本機は、WAN側端子が2.5GB(=312.5MB/秒)だからです。
1Gを超える超高速回線契約でもボトルネックになりません。ここは良い部分です。
有線LANポートは、1000Base-T(1GB)で3ポートです。
したがって、有線の場合は、WAN側2.5GBの恩恵は受けられないと言えます。
簡単設定機能は、AOSSとWPSに対応です。
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以上、バッファローのWSR-5400XE6シリーズの紹介でした。
6GHz帯は魅力です。ただ、本機はアンテナ2本です。ご自宅の機器が、さほど普及していないWBに対応しない端末ばかりだと、速度は速くない点は注意点と言えます。
とはいえ、Wi-Fi6Eは、近所との混線対策として確実に効果は発揮するので、対応機をお持ちならば、通信改善効果は、Wi-Fi6以下の他機より見込めるでしょう。
ただ、ご家族が多い場合などは、もう1つ上級のWi-Fi6E対応機をオススメします。
このブログだと、次回記事【 高速なWi-Fi6 Wi-Fi6E対応ルーターの比較記事】で紹介しているような機種になります。
そちらの記事では、Wi-Fi6E規格のメリット性も、さらに詳しく説明しています。
1-3・NECの無線ルーター
続いて、NEC(NECプラットフォーム)の、Atermシリーズの紹介です。
プロバイダ提供の終端装置で、よく見るブランドですが、家庭用もバッファローと並んで強いです。
【2020年発売】
【通常型番】
11・NEC Aterm PA-WG2600HP4
¥8,480 楽天市場 (11/22執筆時)
【Amazon限定型番】
12・NEC Aterm PA-WG2600HM4
¥5,550 Amazon.co.jp (11/22執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi5(11ac)
2.4GHz帯速度:600Mbps
5.0GHz帯速度:1733Mbps
有線LAN:1000BASE-T ×4
WAN:1000BASE-T
メッシュ:あり(自社方式)
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
WG2600HP4 は、NECのAtermシリーズの無線ルーターの家庭向きの入門機です。
一方、Amazon限定モデルがあります。
メッシュ機能が省略になりますが、他は同じです。親機としてだけ利用する方は、値段によっては、こちらを選んで良いでしょう。
本体サイズは、幅129.5×高160×奥行38mmです。
比較的、小型です。
NECは、上位のモデルを含めて、可動式の外部アンテナがないため、「見た目がスッキリ」です。
規格は、Wi-Fi5(11ac)です。
最大速度は、5GHz帯で1733Mbpsで、2.4GHz帯で600Mbpsです。
バッファローの入門機と同じアンテナ4本機ですので、速度部分の仕様は同じです。
同社も、カタログだと2.4GHz帯は800Mbps表記です。繰り返しませんが、バッファローと同じ理由で、実際的にこの速度です。
アンテナ構成は、バッファローにない利点がみられます。
先述のように、バッファローの入門機・中級機は、5GHz帯・2.4GHz帯のアンテナを「共用」にしています。
NECは、しかし伝統的に、両帯域とも専用アンテナ(個別)にしています。
アンテナ切替が少ない分、NECのほうが少し良い仕様です。ただ、メッシュと違って通信経路がさほど複雑にならない親機の場合、共用・専用の違いは(過度には)気にしなくても良いです。
実効速度も、ライバル機と同水準です。
同社は、アンテナの小型化技術にも定評があります。
ノイズを軽減する「μ(マイクロ)EBG」技術と、全方位に電波を飛ばす「μ(マイクロ)SRアンテナにより、実効速度を高めています。
本機は、さらに電波のひずみを反転波でキャンセルするワイドレンジアンテナPLUSを採用します。
これまでも水平方向電だけでなく、スマホを持つ角度に左右されずに、安定して電波が飛びます。
実際、(角のような)指向性アンテナはないですが、NECも電波の飛びはこうした点で定評があります。
メッシュは、対応です。
ただ、他機と自由につなげるEasyMeshには非対応です。
同じ機種を2台買うか、WG1200HP4という下位機種(867Mbps)としか連携できません。
インターネット速度は、1000Mbpsが最大です。
無線の安定性は、割と優れます。
機能を順番にみておきます。
第1に、CPUです。
高性能な2コアのCPUと2つの補助CPUを搭載します。
NECはクロック数が示されないので正確な比較はできないものの、補助CPUを利用する仕様ですので、入門機として悪くない仕様です。
第2に、バンドステアリングです。
バッファローのバンドステアリングLITEは「電波強度」のみの計測でした。
しかし、本機は帯域の混雑状況も把握できる点で本格的です。
さらに、NECは、2つの帯域を変更するだけでなく、チャンネルも変更するオートチャネルセレクトも装備するので、近隣Wi-Fiとの干渉については強い解決策が提案されています。
第3に、ビームフォーミングです。
先述のように、スマホの接続性を良くするシステムです。
スマホ側の対応が必要ですが、現状対応する機種は多いです。
第4に、MU-MIMOです。
同時接続の場合に強くなる技術です。バッファロー同様4台まで対応です。
有線LANポートは、1000Base-Tのものが4ポート搭載されます。
簡単設定機能も、充実します。
WPSに対応する上で、スマホと一発で接続できる「らくらくQRスタート」や、バッファロー社のAOSSに相当する「らくらく無線スタート」が搭載され、初心者にも安心です。
セキュリティは、しっかりとWPA3に対応です。
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以上、NECのWG2600HP3の紹介でした。
冒頭に見た、バッファローのWi-Fi5機と同じで、Wi-Fi6が普及してきた今、本機も(陳腐化が早そうで)選びにくい部分はあります。
ただ、数年後買い替えるし、当面はWi-Fi5で良いと考える人もいるでしょう。その場合、無線安定化技術とアンテナ構成において、バッファロー入門機より、こちらのほうが良いように思います。
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【2020年発売】
13・NEC Aterm PA-WG2600HS2
¥4,024 楽天市場 (11/22執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi5(11ac)
2.4GHz帯速度:600Mbps
5.0GHz帯速度:1733Mbps
有線LAN:1000BASE-T ×4
WAN:1000BASE-T
メッシュ:
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
このほか、NECからは、PA-WG2600HS2という型番の似た機種の販売があります。
通信速度の面では同等です。
しかしワイドレンジアンテナを装備せず、バンドステアリングに非対応です。
NECは実効スループットを公開しますが、スペック的に3割ほど悪いです。
値段差をふまえたとしても、この機種は避けた方が良いでしょう。特売用の廉価版です。
【2021年発売】
【通常型番】
14・NEC Aterm PA-WX3600HP
¥12,700 楽天市場 (11/22執筆時)
【Amazon限定型番】
15・NEC Aterm AM-AX3600HP
¥17,578 Amazon.co.jp (11/22執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi6(11ax)
2.4GHz帯速度:1147Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T ×4
WAN:1000BASE-T
USB:
メッシュ:
IPv6:対応
WPA3:対応
WX3600HP は、NECのAtermシリーズの家庭向けの中級機です。
BUFFALOと同じで、このクラスの上級機はWi-Fi6(11ax)です。
なお、本機もAmazon型番がありますが性能は同じです。
本体サイズは、51.5(W) x 200(H) x 215(D)mmです。
ライバルのBUFFALO機より少し大きめです。
ただ、外部アンテナがあるわけでもないので、邪魔になるほどではありません。
面白い外観形状は、電波を飛ばすための工夫でしょう。
規格は、先述のように、Wi-Fi6(11ax)です。
NECは参考値として、実効速度も上げていますが、下位機種より速いです。
最大速度は、バンドごと異なります。
第1に、5.0GHz帯は、2401Mbps(約300メガバイト/秒)です。
第2に、2.4GHz帯は 1147Mbps(約143メガバイト/秒)です。
いずれの帯域も専用アンテナが4本(4×4)ずつです。
そのため、WB(ワイドバンド)を前提とせずともこの速度が出ます。
両帯域もWi-Fi6ですし、「共用アンテナ」であるバッファロー機に比べても仕様はかなり良いです。
ただし、WB非対応なので、iPhoneなどWB対応するアンテナ2本の端末とは、最大1201Mbpsとなるので、この部分では負けるとも言えます。
つまり、一長一短があります。
メッシュは、ただ、非対応です。
インターネット速度は、1000Mbpsが最大です。
無線の安定性は、引き続き、複数の工夫があります。
Wi-Fi6の基礎要件のMU-MIMO・OFDMA・ビームフォーミングはもちろん、NECの特長である、先述のバンドステアリングとオートチャネルセレクト機能が搭載です。
CPUは、2コアCPUという以上の情報はないですが、まあ問題ないでしょう。
有線LANポートは、1000Base-T(1Gbps)で、4ポート搭載されます。
簡単設定機能は、下位機種同様、充実します。
そのほか、セキュリティ的にWPA3に対応です。
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以上、NECのWX3600HP の紹介でした。
ファミリー向けのWi-Fi6機で1万円前後の製品に限定すると、バンド・アンテナ構成は、シンプルかつ堅実な構成で、高評価できます。アンテナの共通化や、バンドこと規格を分けるようなこともしていないからです。
その上で、両帯域の合計アンテナ数が8本と多い上で、無線安定化技術もしっかりしているので、共用アンテナを利用するバッファローの同級機と比べても、今選ぶならばこちらかなと感じます。
先述のように、圧縮規格の部分でワイドバンド非対応です。そのため、例えば、最新のMacやiPhone(=WB対応アンテナ2本内蔵)とつなげる場合、1対1の接続の速度ではバッファローに負けるでしょう。その点で、先述の雑誌による検証方法だと、あちらが「トップ」になります。
ただ、実際的な住宅だと、PC・スマホ・TV・IOT家電と複数同時にネットワークにつなげているのが普通なので、実際、安定的なのはこちらでしょう。
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【2022年発売】(2機の性能は同じ)
16・NEC Aterm WX3000HP2 PA-WX3000HP2
¥10,080 楽天市場 (11/22執筆時)
17・NEC Aterm AX3000HP2 AM-AX3000HP2
¥9,517 Amazon.co.jp (11/22執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi6(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T×4
WAN:1000BASE-T
メッシュ:
USB:
IPv6: 対応
WPA3:対応
なお、NECは、本機の下位機として、WX3000HP2という機種を出します。
WX3000HP2は「リモートワークWi-Fi」と言う新機能があります。
ネットワーク名(SSID)を2つ別にして仕事用とプライベート用のアクセスポイントを分けることで、セキュリティレベルを上げる機能です。
ただ、「ネットワーク分離機能」として、先ほどの上位機や本機旧機種を含めて従来のNEC機にもあったもので、それが「工場出荷時の標準」となったという話に止まります。
無線の最大速度も、注意が必要です。
Wi-Fi6対応ですが、アンテナがそれぞれの帯域で2本です。
5GHzは、2401Mbpsですが、先述のWB(ワイドバンド)を利用してのものです。
先述のように、WBは最新端末以外は採用が拡がってるとは言えません。
また、アンテナ2本だと、Wi-Fi5のみ対応の端末とつなげる場合、最高速度がかなり落ちる(868Mbps)点が注意点です。
他社機も含めてですが、このクラスの「アンテナ2本機」はクセがあるので、個人的におすすめしにくいです。
【2024年発売】
【通常型番】
18・NEC Aterm WX5400T6 PA-WX5400T6
¥16,610 楽天市場 (11/22執筆時)
【Amazon限定型番】(割引クーポンあり)
19・NEC Aterm AX5400T6 AM-WX5400T6
¥21,978 Amazon.co.jp (11/22執筆時)
Wi-Fi規格:Wi-Fi 6E(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:2402Mbps
6.0GHz帯速度:2402Mbps
有線LAN:1000BASE-T ×4
WAN:1000BASE-T
USB:
メッシュ:あり(自社方式)
IPv6:対応
WPA3:対応
PA-WX5400T6 は、NECのAtermシリーズのWi-Fi6E(11ax)対応機です。
バッファローにも対応機がありましたが、このクラスだとNECが後発でした。
なお、本機もAmazon型番がありますが性能は同じです。
本体サイズは、51.5(W) x 200(H) x 215(D)mmです。
ようするに、先ほどのWi-Fi6機と同じサイズです。
外部アンテナはないですが、少し大きめです。
速度規格は、Wi-Fi6Eです。
バッファローでも説明したように、新しく(ゆえに空いている)6GHz帯を利用できるので、実効速度が上がりやすいメリットがあります。
むろん、機器側(スマホ・PC)の規格対応も必要ですが、お持ちの機種が非対応でも、将来性の部分で導入意義はあります。
参考値としての実効スループットは、1800Mbpsです。
1つ上の機種と同じ筐体ですが、10%ほど数字が良いです。
アンテナ構成は、トライバンド(3バンド)です。
第1に、5GHzは、2402Mbpsです。
第2に、6GHzは、2402Mbpsです
第3に、2.4GHzは574Mbpsです。
どの帯域もアンテナは2本で、どの帯域も専用になります。
バッファローより筐体は大きいですが、共用アンテナではなく、どの帯域も専用アンテナですから、同じ速度でも通信安定性はNECが上でしょう。
WB(ワイドバンド)も対応ですので、この速度が出ます。
メッシュは、こちらも自社方式です。
先ほどの対応機など同社の対応メッシュとなら組めますが、NECとしては、本機と同じ筐体を中継機(クライアント)にしてほしいようです。
EasyMeshは対応しません。
無線の安定性は、下位機と同じです。
Wi-Fi6の基礎要件のMU-MIMO・OFDMA・ビームフォーミングはもちろん、NECの特長である、先述のバンドステアリングとオートチャネルセレクト機能が搭載です。
むろん、ワイドレンジアンテナPLUSです。
CPUは、クロック数は不明ですが、4コアです。
トライバンドをしっかり処理できるようにしています。
消費電力も20.5Wの水準なので、問題ないです。
有線LANポートは、1000Base-T(1Gbps)で、4ポート搭載されます。
ただ、WAN側(インターネット側)ポートに、高速ポートがなく、同じ1000Base-Tです。
インターネット速度は、したがって、1000Mbpsが最大です。
ここは、バッファローより仕様が弱いです。
簡単設定機能は、下位機種同様、充実します。
そのほか、セキュリティ的にWPA3に対応です。
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以上、NECのPA-WX5400T6の紹介でした。
バッファローのWi-Fi6E機のライバルです。
比較する場合、本体は少し大きめですが、専用アンテナを各帯域に2本(総計6本)なので、バッファローより複数接続に強いです。
一方、EasyMesh非対応なのはともかくとして、WAN側に2.5GBのポートがないので、ここはバッファローに明確に負けます。フレッツクロスほかの高速回線を利用する方は注意点です。
ただ、そういった特別な回線を今後も契約する意思がない場合、こちらが良いように思います。
実際のような方は多いでしょうし、逆に、高速回線契約者ならば、NECの場合も、もう少し上位モデルでも良いように思います。
このブログだと、NECモデルを含めて、次回記事【 高速なWi-Fi6 Wi-Fi6E対応ルーターの比較記事】で紹介しています。。
Wi-Fi6E規格のメリット性も、さらに詳しく説明しています。
次回に続く
高速な無線LANルーターのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、家庭向きのスタンダードな無線LANルーターの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
1・標準の無線LANルーターの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:バッファロー 〈日本〉
1-3:NEC〈日本〉
2・標準の無線LANルーターの比較 (2)
2-1:エレコム〈日本〉
2-2:アイオーデータ〈日本〉
2-3:TP-LINK〈中国〉
2-4:LINKSIS〈米国〉ほか
3・無線LANルーターの比較 (3)【結論】
=最終的なおすすめ機種の提案
続く、2回目記事(こちら)では、今回紹介できなかったメーカーの製品を追加で紹介します。
対応人数 1-4人家族向き
速度(ネット)★★★★★
速度(宅内) ★★★★★
無線の安定性 ★★★★★
設定の容易さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最後の「結論編」(こちら)では、上表のようなポイントから、今回紹介した価格帯を含めて、価格別・目的別に、Atlasのおすすめ機種!を提案しています。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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