【今回レビューする内容】2024年の新米(2023年秋 令和5年産)の特A評価の新米・食味試験 米の食味ランキングからの産地別・品種別・県別おすすめ: Amazonのお米(新米)の食味値特A評価全銘柄の紹介:2024年・令和6年早場米の最新情報
【比較する主なお米】コシヒカリ ななつぼし ゆめぴりか はれわたり サキホコレ あきたこまち ひとめぼれ 銀河のしずく つや姫 雪若丸 彩のきずな にこまる ミネアサヒ いちほまれ きぬむすめ みずかがみ 恋の予感 ヒノヒカリ 元気つくし 夢しずく 森のくまさん さがびより あきほなみ ほか
今回のお題
食味値評価が良い、美味しいブランド米はどの銘柄?
どもAtlasです。
今日は、2024年11月現在、最新のブランド米の比較です。
夏から秋の「米不足」も一段落し、全国の新米も出そろったので記事を更新しました。
ご存じの通り、例年より米かは高めです。ただ、特別栽培・無農薬栽培などを含む、高付加価値のブランド品種は、(もともと高いので)そこまで値上がりしていない感じです。
逆に、例年「お値頃価格」になりやすい高収量品種と、著名産地以外のコシヒカリは、例年より高いです。
それをふまえると、例年は選びにくい「ちょっと良い」のを選んだ方が良いかなと、Atlasは思っています。
というわけで、今回は、日本穀物検定協会 が、2024年2月29日(令和6年)に公表した「米の食味ランキング試験」の結果を軸にした記事です。
それに、Atlasによる実際の食味調査を加えて、各品種のお米の味を比較します。
最高評価の「特A」を受賞したブランド米は、全銘柄の味の傾向を紹介しています。
1・特Aブランド米の比較〈全国〉
2・コシヒカリの比較〈全国〉
3・各地のお米の比較 〈北海道・東北〉
4・各地のお米の比較 〈関東・中部・北陸〉
5・各地のお米の比較 〈西日本〉
6・おすすめブランド米まとめ 【結論】
1回目記事となる今回は、全体の導入編です。
今年「特A」を受賞した全国のブランド米に限定した比較になっています。
1・もっちり・甘い系
2・しっかり・甘い系
3・しっかり・あっさり系
4・バランス重視系
記事では、特A米を食感別に「4タイプ」に分けながら比較していきます。
そして、最後の「結論編」(こちら)では「今年買うべき、最も美味しいお米」を提案していきます。
長い記事ですが、よろしくお願いします。
1-1・特A米の選び方の基本
具体的なお米の紹介にはいる前に、「ブランド米」の選び方の基本について、あらかじめ記しておきます。
1・おこめの食味値とは?
はじめに、「食味ランキング試験とは何か?」についての説明です。
先述のように、この試験は日本穀物検定協会が毎年実施します。
農水省や農協とは別の「公正な第三者検定機関」です。
試験では、「炊飯した白飯を実際に試食して評価する食味官能試験」を行い、「お米のプロ」が米の味の等級分けを行います。
出品申請があった地域の「複数の田んぼ」でとれた同じ銘柄の米を「ランダムにブレンド」したお米で味を比べます。
そのため、スーパーで「銘柄と都道府県」を目安にお米買っている方も、参考にできる指標です。
特A(43地区)>A(78地区)> Aダッシュ(21地区)
試験では、地区ごと、特に味の良い地銘柄のお米を特A評価とします。
以下、A評価・Aダッシュ評価の順で、銘柄・産地ごとにランキングを付けます。
Aダッシュ評価が、全国のコシヒカリのブレンド米とおおむね同等の味との評価です。ここを基準にして、美味しいかどうかで、お米の味を判定します。
B評価以下は、規定としてはありますが付いた事例は皆無です。
また、出品は「義務」ではないので、全国区だが、ずっと未出品のブランド米(新潟にの新之助など)もあります。
食味試験は、平成元年に「特A」という基準が加えられましたが、起源は昭和46年までさかのぼる歴史ある指標です。
毎年3月になると「なに県の何という銘柄のお米が特Aを取った!」と報道されます。
2・今年の特Aブランド米
特A受賞品種(23品種・43産地)
コシヒカリ 栃木・長野・新潟(魚沼)など8地区
ななつぼし 北海道
ゆめぴりか 北海道
はれわたり 青森県
サキホコレ 秋田県
あきたこまち 県南
ひとめぼれ 大分県
銀河のしずく 岩手県
つや姫 山形 島根 大分県
雪若丸 山形県
彩のきずな 埼玉県
にこまる 静岡・岡山・愛媛・高知・長崎県
ミネアサヒ 愛知県
いちほまれ 福井県
きぬむすめ 鳥取・島根・岡山・兵庫県
みずかがみ 滋賀県
恋の予感 広島県
ヒノヒカリ 愛媛・大分県
元気つくし 福岡県
夢しずく 佐賀県
森のくまさん 熊本県
さがびより 佐賀県
あきほなみ 鹿児島県
特A受賞・参考品種(3銘柄)
恋の予感 山口県
なつほのか 大分県
さて、最新の試験結果についてです。
今回は、総出品数144点からの審査でした。
【白米】
・秋田県産 サキホコレ5kg
¥3,900〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
・青森県産 はれわたり 5kg
¥4,511 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
銘柄単位の初受賞は、青森県の「はれわたり」と秋田県の「サキホコレ」です。
いずれの銘柄も(生産量が少ないため参考出品となる)参考品種で前年度の受賞があるので、珍しさは欠けます。
逆に言えば、生産量を増やしても高い評価を得た部分で、(ネットで普通に売っている)生産者から直接買わないお米でも「あたり」可能性が高いと言えます。
双方のお米の味は、後ほど詳しく説明することにします。簡単に予告すれば、いずれも食味のバランスが良いタイプです。
そのほか、試験結果で他に目についたのは、以下の点です。
第1に、古豪の復活です。
秋田県(県南)の古豪「あきたこまち」と、滋賀県を代表する「みずかがみ」が、いずれも4年ぶりに特Aに復帰しました。
第2に、九州の躍進です。
佐賀の「夢しずく」、熊本の「森のくまさん」、鹿児島の「あきほなみ」ほか、九州のブランド米の多くが、特A評価を得ています。
昨年、九州は天候不順で多くの品種が特Aを逃しました。しかし、逆に今年は「豊作」です。秋に示された作況指数では、西日本は多少良くない感じでしたが、味は逆だったようです。
九州のお米は「食べ時」でしょう。
ーー
・青森県産 青天の霹靂 5s
¥4,082〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
第3に、南北海道・東北の天候不順です。
特A常連の青森(津軽)の「青天の霹靂」が特Aを逃しました。
青森(南部)の「はれわたり」に主役を奪われた格好です。
東北は今夏は高温少雨でした。耐暑性と割と早めに生育するこの品種は、この影響を大きく受けました。
なお、このお米ついては(特Aを逃したので)3回目記事となる【北海道・東北地域のお米の比較】で詳しく書いています。
ーー
第4に、コシヒカリを巡る状況です。
県単位で見た場合、コシヒカリで特A評価を得たのは上図の6県(7地区)だけです。
10年ほど昔は、特Aは各県のコシヒカリばかりでしたが、現在は大きく変わっています。
近年は中日本地域以外の受賞はあまりみられず、特に、西日本は受賞が皆無です。
コシヒカリは「涼しく、水も冷たい」地域で、公の品質管理がある地域でないと、よほど天候が恵まれないと、特A評価は難しくなったと言えます。
・魚沼産 こしひかり 5kg
¥3,990 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
そうしたなか、新潟県魚沼地区は6年連続受賞です。通算33回目の最多受賞です。
20年ぶりに特A評価から陥落した2018年には大きなニュースになりましたが、その後安定感を完全に取り戻しました。生産に関わる皆さんが相当努力し、評価の回復が成し遂げられたと言えます。
このほか、今年は隣接する信州(北信・東信)の評価が良かった一方、魚沼以外の新潟県の他地域や、福島県会津などの周辺地域は、特Aを逃しました。
高温少雨という夏の気候の影響です。
ーー
以上、今年の食味ランキングについて、Atlasの所感を書いてきました。
上図は県単位で見た場合、2024年の本試験で特A受賞のあった地域を示したものです。
年の試験結果で特A評価を得たお米は、23品種(43地区)でした。
昨年は(20品種・40地区)、一昨年は(16品種・42地区)でしたので、受賞銘柄は増えています。
近年は新しいブランド米は評価が固定化していた印象でした。しかし、今年の結果を見ると、再び評価の動きが著しくなっていく感じがあります。
食べる側にとっては「楽しめる」状況になってきました。
3・美味しいお米の選び方
さて、ここからは、各品種の「味」の話にうつります。
おこめは、品種ごとに「味の個性」というものがあります。
最近は、この点がわりと注目されるようになりました。
例えば、このブログの【炊飯器の比較記事】で紹介したパナソニックのプレミアム機は、4つの指標から、銘柄別に適した制御で炊き分けをする機能を装備しています。
他社も、(ここまで細かくないですが)銘柄別の炊き分け機能を積極的に搭載してきています。
お米の味は、いうまでもなく、収穫年度・収穫地・天候・お米の作り方・乾燥方法・精米方法・保存方法・炊き方など、さまざまな要素で変わります。
同じ銘柄・同じ産地でも、味は同じではありません。しかし、それでも、品種に共通する「味の個性」はあります。
「銘柄による味の違い」を楽しむというのも、「お米の味の楽しみ方の1つ」です。
信頼できるお米屋さん・農家さんから買っている方も、全国的な多数の種類の食べ分けは、普段食べるのお米の個性や美味しさの「再認識」につながります。
「新しい品種」にもぜひ挑戦していただきたいという思いから、今回、この記事を書きました。
1-2・特A受賞のブランド米の比較
1・もっちり・甘い系
2・しっかり・甘い系
3・しっかり・あっさり系
4・バランス重視系
以上、今回の記事における、美味しいお米の「選び方の基本」の紹介でした。
今回は、特A受賞米を食感の観点から4種類に区分して、順番にみていきます。
1・特Aブランド米の比較〈全国〉
2・コシヒカリの比較〈全国〉
3・各地のお米の比較 〈北海道・東北〉
4・各地のお米の比較 〈関東・中部・北陸〉
5・各地のお米の比較 〈西日本〉
6・おすすめブランド米まとめ 【結論】
なお、全6回の連続記事です。
1回目記事(今回)は、以下、主に、今年度特A評価を得た品種をみていきます。
ただし、こしひかりは、特A受賞地域が多くあるので2回目記事(こちら)で産地別にみます。
「龍の瞳(いのちの壱」や五百川といった(田んぼでの突然変異となる)スーパーコシヒカリも、そちらでみています。
よろしくお願いします。
1・もっちり甘い系の特A米
それでは、比較をはじめます。
はじめに、「もっちり粘る」米質で、「お米の甘み」も感じられるタイプのお米からです。
ようするに、コシヒカリ系の食味がこのタイプで、多くの日本人が伝統的に「美味しいお米」と考えてきた味の系譜にあるお米です。
【白米】(10kgもあり)
1・北海道産 ゆめぴりか 5kg
¥3,780〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
【特別栽培米】(10kgもあり)
1・北海道産 ゆめぴりか 5kg
¥4,200〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
今年度評価:特A
特A受賞歴:13年連続13回目(全道)
性質・「甘みが強い」「ふっくら」「粘りが強い」
一言・「北海道の誇る人気ブランド米」
ゆめぴりかは、北海道を代表するブランド米です。
2008年に生産がはじまり、瞬く間に全国区になりました。実に13年連続受賞です。
それ以前、寒い地域でも作れる耐冷品種は、「食味が劣る」と評価されてきました。
しかし、北海道の代表品種のきらら397に、コシヒカリ・あきたこまち系の本州の「優等生」の系譜を掛け合わせて、素晴らしいお米が誕生しました。
それが、ゆめぴりかです。
新米は、10月から本格的に出まわる品種です。
ただ、産地によっては、9月から手に入るものもあります。
先祖の経歴は、したがって、そうとう「華麗」です。食味値の良いブランド米を作ろうという意思から、作られたと言えます。
「ふるさと」は、旭川のある上川地方で、名実共に「北海道の米」です。
お米の特徴は、品質の安定性です。
特A評価の連続受賞歴が示しているように、出来不出来にかかわらず、食味値の安定性が高いお米です。
ネットで買っても「ハズレ」が少ないと言えます。
味の傾向は、とにまく「もっちり粘る」部分が特長です。
科学的に見えても、アミロース値が低く、粘りがあるお米です。お米の透明度も高いですし、大粒で、欠け米も少ない傾向です。
味の違いが分かりやすいので、ブランド米初心者にもおすすめです。
堅さは「柔らかめ」「ふっくら」と形容されることも多いです。
しかし、大粒のお米は、炊飯での調整がしやすいため、水量を少なめにすると、「大粒で・コシのあるお米」に変身します。
ご飯の甘みは、相当強く感じます。
できが良いものは、しつこいくらいの甘みで、炊飯器の種類によらず、美味しく炊けます。
---
以上、ゆめぴりかの紹介でした。
甘みや粘りの部分で、コシヒカリと似ているようで、独自の個性があるお米です。
粒の大きめであるため、品質も安定的ですし、この系統が好きな人は、この品種から「美味しいお米」を見つけるのも良いかと思います。
ーーーーー
【白米:特別栽培米(減農薬・減化学肥料)】
1・北海道 砂川産 ゆめぴりか 5kg
¥5,400 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
【白米 or 玄米 無農薬(JAS有機栽培)】
1・ 北海道産 ゆめぴりか 5kg
¥6,800 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
一方、今回は基本的に「銘柄」での比較です。しかし、銘柄以外のお米の規格について、少し話しておきます。
普通のお米と「特別栽培米」と「無農薬米」の違いについてです。
第1に、特別栽培米です。
これは、農薬や化学肥料(窒素肥料)を、その地域が定めた通常量(慣行栽培)より5割以上減らしたお米のことです。
例えば、上記の「特別栽培米」は、慣行栽培より農薬・化学肥料を栽培期間中5割減であるため、この規格を名乗れています。
第2に、無農薬米です。
日本のJAS規格では、無農薬・無化学肥料で、3年以上経過した田んぼで作られたお米は、米袋にJAS有機栽培と表記することが認められます。
また、転換中の場合「転換期間中JAS有機栽培米」との表記も認められます。
これらは、農水省がJAS法(日本農林規格等に関する法律)で定めています。
無農薬にこだわる消費者は、(農水省の罰則規定がある)JAS有機栽培の認証を重視しています。ただし、値段は、かなり高めです。
このほか、上図の様に、特別栽培米として、年度内の栽培期間内に無農薬、あるいは、無化学肥料で栽培したお米は、栽培期間中「特別栽培米(農薬・化学肥料不使用)」という表記も認められています。
また、(面倒な申請せずに)自主的に無農薬栽培したり、県などが類似の認証を用意したりするパターンもありますが、こういったものは、信頼度の面で、少し安めの場合が多いです。
---
結論的にいえば、農薬や肥料が 味に影響するかの評価は置いておくとしても、「特別栽培米」と「無農薬米」の表記のあるお米は、田んぼが、しっかり手をかけて管理されている証拠になります。
値段は少し高くなりますが、味にも影響し、品質も上位と言えます。
【白米】
2・高知県産 にこまる 5kg
¥4,600 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
今年度評価:特A(県北 県西)
特A受賞歴:6年連連続6回目(県北)
性質・「大粒でとにかくやわらかい」「強い甘み」
一言・「やわらか系のお米好きには、第一の選択肢」
にこまるは、西日本の多くの地域で栽培されている品種です。
新米は、高知産の場合、西の中生種ですが、10月初旬からネットだとではじめます。
先祖の経歴は、父は「きぬむすめ」、母は「北陸174号」となります。
父の「きぬむすめ」は九州を飛び出して中国地方で活躍しています。子の「にこまる」も、九州ではなく、四国で華開いた品種です。
九州の試験場は耐暑性を重視すると聞きますし、地球温暖化が影響してのことのように思えます。
高知県は、県北と県西で別々に出品していますが特Aです。
一方、にこまる自体は、静岡・岡山・長崎・愛媛も連続して特Aです。とくに、静岡は6年連続と長いです。
つまり、比較的温暖な地域で栽培されるお米としての能力が高いお米です。
味の傾向は、「もっちり系」です。
粘りを強く感じますが、触感は(水加減によらず)やわらかめな傾向です。
粘り気があるごはんがすきで、さらに、やわらかめな傾向が好きならば、親和性が高いと思います。
ご飯の甘みも、かなり強いです。
ゆめぴりかのように、「誰でも美味しく感じられる個性」があります。
ただし、先述のように、炊き加減によらずやわらかい傾向なので、合わない人はとことん合わない部分はあります。
---
以上、にこまるの紹介でした。
全国的には珍しいお米ですが、特A受賞地域それぞれが「かなり離れた地域」である点に、面白みを感じます。
もともと、5年連続特Aだった長崎県産の「にこまる」も、今年は評価を戻してきています。温暖な地方の珍しい品種として、一度食べて欲しい品種です。
【白米】
3・福岡県産 元気つくし 5kg
¥4,100〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
今年度評価:特A評価(全県)
特A受賞歴:4年連続8回目
性質・「とにかく粘る」「もちもち」
一言・「大粒でねばる、類例がない面白い個性」
元気つくしは、2011年から栽培がはじまった、福岡県の品種です。
特Aは8回受賞の実力派です。一時低迷していましたが、6年ぶりに特Aだった一昨年から4回連続受賞です。見事復活したと言えます。
新米は、収穫自体は西の早生種で10月前半に獲れます、
ただ、ネット流通はすこし例年遅めです。九州以東だとレアな品種ですから。
ほとんどお店で見かけません。
先祖の経歴は、父は「つくしろまん」、母は「つくし早生」です。
福岡県で特Aが多い「夢つくし」や、「キヌヒカリ」が祖父母の代にいますが、郷土色が品種と言えます。
味の傾向は、かなりの「もっちり系」です。
ただ、大粒で粘りが相当程度強い点にむしろ目がいきます。
おにぎりのほか、卵かけご飯にも相性は良かったです。
冷めても味が代わりにくいですが、粘りが相当あるため、お寿司などには不向きです。
ご飯の甘みは、香りを含めて、それを感じられる十分にあります。
---
以上、元気つくしの紹介でした。
大粒で粘りのある点で、相当特徴だった珍しい品種です。福岡以外でほとんど見かけないので、ネットで面白い個性のある銘柄を試したい!という場合に、かなりおすすめできます。
個人的にも好きなお米なので、「西のゆめぴりか」を狙って欲しいと思っています。
【白米】
4・佐賀県産 夢しずく 5kg
¥3,946〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
今年度評価:特A評価(全県)
特A受賞歴:3年ぶり5回目
性質・「もっちり」「やわらかめ」
一言・「やわらかめでも、くずれずしっとり」
夢しずくは、佐賀県で栽培されている品種です。中島潔のパッケージ絵が目立ちます。
佐賀県は、「さがびより」という連続で特Aをとり続けている「超優秀ブランド米」がある九州屈指の米どころです。
それに比べると、夢しずくは、2011年に作付け開始されて以後、最高A評価でした。
しかし、めでたく2018年から4年連続の特Aの栄光に輝きました。去年・今年は逃したものの3年ぶりに返り咲きです。
冒頭書いたように、今年の九州産は、評価が全体的に高いです。
新米の時期は、稲としては中早生ですが、さほど早い時期ではないです。
10月中・下旬頃からネットに出まわります。
先祖の経歴は、父は「キヌヒカリ」、母は「ひとめぼれ」となります。
西日本を代表する品種と、東日本を代表する品種を「大胆に?」合わせた品種です。「さがびより」は割とマイナー路線ですが、こちらは、エリート路線でしょう。
味の傾向は、結構な「もっちり系」で、粘ります。
ここが、あっさりめの「さがびより」と大きく違うところです。
ご飯の甘みは、一方、「ほどよい」というレベルに止まります。
米の香りも、どちらかと言えば、控えめです。お米は、にこまるほどではないですが、やわらかめといえます。
---
以上、夢しずくの紹介でした。
結論的にいえば、どちらかと言えば、柔らかく炊くご飯が好きな方には、親和性が高そうです。やわらかめに炊いても、べちゃっとせず、美味しく食べれるでしょう。
【白米】
5・熊本県産 森のくまさん5kg
¥3,795〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
【白米 or 玄米 無農薬(JAS有機栽培)】
5・ 熊本県産 森のくまさん 5kg
¥5,622〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
今年度評価:特A評価(県北)
特A受賞歴:4年ぶり8回目
性質・「ほどよく粘る」「つややか」「小粒」
一言・「熊本期待のサラブレッド!」
森のくまさんは、2000年に登場した熊本県を代表する地方品種です。
4年ぶりの受賞ですが、地域区分がない時代を含めて8回の特A受賞歴がある安定感がある品種です。
近年は「A評価」なことが多かったですが、久しぶりの返り咲きです。
収穫時期は、稲としては中生種ですが、こちらもさほど早い時期ではないです。
10月中旬、あるいはもう少し後ろからネットでは多くなります。
先祖の経歴は、この品種は、興味深いです。
なぜなら、日本のエリート「こしひかり」と九州のエリート「ヒノヒカリ」を配合したサラブレッド品種だからです。
味の傾向は、ほどよく粘りつつ、米の甘みがほどほどで、飽きの来ないタイプです。
食感からすると「もっちり系」なのですが、最近珍しい小粒の「もっちり系」です。
米粒は、揃っていますが、やや小さめです。
大粒のお米に較べると、繊細な食感を味わえるので、大粒のお米を苦手とする方は、特に合うでしょう。
−
以上、森のくまさんの紹介でした。
結論的にいえば、最近流行している、「もっちり粘る」品種ですが、他の米とは違う「珍しい」食感です。
色々試してきた方が、さらに試すのに向くでしょう。
ーー
・福井県産 いちほまれ 5kg
¥4,200〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
このほか、「もっちり系」だと、福井県のいちほまれが特Aです。
ただ、紙面の関係で、北陸の新米を扱う4回目記事(こちら)で紹介します。
2・しっかり甘い系の特A米
続いて、「しっかり・甘い系」のお米の紹介です。ご飯の表面にハリがあり、噛むと甘いタイプです。
いわゆる「かためご飯」が好きな人にあうといえます。
【白米】
6・山形県産 つや姫 5kg
¥3,800〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
【特別栽培米】
6・山形県産 つや姫 5kg
¥4,580〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
【白米 or 玄米 無農薬(JAS有機栽培)】
6・つや姫 有機JAS 5kg
¥5,481〜 楽天市場 (11/29執筆時)
今年度評価:特A(村山・置賜)
特A受賞歴:14年連続14回目
性質・「つやがある」「米の旨みがある」
一言・「品質のばらつきが少なく、安定した美味しさ」
つや姫は、山形県を代表するブランド米です。
2010年度から栽培が始まり、瞬く間に全国的な名声を獲得したお米です。
新米は、山形県の晩生種ですが、10月上旬です。
ネットだと、9月末から手に入る農園もあります。
受賞歴は、山形県では、地区を変えつつ14年連続で特A受賞です。
今年は、村山・置賜地区が特Aでした。
一方、品種の優秀性から他県でも栽培されるようになり、例えば、今年も島根県・大分県で特Aを受賞しました。
ちなみに、栽培は、長崎県・宮城県などにも広がっています。
先祖の経歴は、祖先に「ひとめぼれ」は見られますが、割とマイナーな種が多いです。
味の傾向は、米のハリを楽しむタイプです、「堅炊き」に適した米です。
ただ、炊き方次第で粘りもでるので、「もっちり系」という方もいます。
「つや姫」の名のごとく、つややかで美しいお米が炊ける点も魅力です。
粒は細身で長い傾向ですが、粒は大きく、目立って粒ぞろいです。これは、最近評価されるブランド米の傾向です。
ご飯の甘みは、噛むとしっかり感じられます。
また、冷めてもおいしいごはんです。粘性の強いお米に向かないお寿司や、お茶漬け用にも高レベルで対応します。
−
以上、つや姫の紹介でした。
噛むと甘みが出てくる硬め炊きに合う「しっかり・甘い系」のお米では、品質にバラツキが少なく、ハズレが少ないお米です。
ブランド米でも、お米が欠けていたり、不揃いだったりすることがあります。ただ、Atlasが購入した限り、つや姫は、ほとんど欠け米がなく、米粒も大きいです。
産地で生産管理がなされているほか、米が大きいので欠けにくいのかもしれません。
この系統のお米で連続特A受賞も格別に評価されるべきです。
Atlasも良く買うお米の1つです。品質のばらつきが少ないので、最もオススメしたい銘柄の1つです。
【白米】
7・山形県産 雪若丸 5kg
¥3,980〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
【白米:特別栽培米】
7・山形県産 雪若丸 5kg
¥4,090〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
今年度評価:特A(置賜地区)
特A受賞歴:7年連続7回目
性質・「白い」「甘みが強い」「しっかり歯ごたえ」
一言・「大生産地の新品種、ハリのある炊き上がり」
雪若丸は、2017年に栽培がはじまった、山形県の新品種です。
「つや姫」をはじめ、超優秀な連続特A米を抱える山形県ですが、地球温暖化の影響で、より耐暑性が高く、美味しい品種をということで栽培がはじまったものです。
今年は同県の置賜地区の受賞です。全県だtまた、参考品種時代を含めて7回目の受賞です。
新米は、中晩生の品種ですが、同県の「つや姫」より若干収穫は早い傾向です。
しかし、ネットでみられるのは、10月上旬以降が主です。
先祖の経歴は、父は「山形80号」、母は「山形90号」です。
祖父に「はえぬき」がいるものの、耐暑性を高めようという試験結果から生まれた「雑草魂」的な品種です。
味の傾向は、しっかりした、お米のハリが印象的です。
つや姫よりも米粒がしっかりしていいます。
しっかりした硬さを持つため、やわらかめがやや苦手な方には、相当「合う」お米でしょう。
ご飯の甘みは、よく噛みしめると、旨みを強く感じます。
---
以上、雪若丸の紹介でした。
登場後、特Aを連続受賞をしていることが示すように、比較的最近登場した「しっかり」「甘い」系のご飯の中では、実力があります。
この系統の炊き上がりが好きで、珍しい品種を試したいと考えている方には、かなり良い選択肢だと思います。
ただ、同県のつや姫に比べると、当たり外れはある印象です。
【白米】
8・大分県産 ひとめぼれ 5kg
¥4,980〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
今年度評価:特A(大分県西部)
特A受賞歴:3年連続5回目(宮城は27回)
性質・「甘い」「炊きやすい」
一言・「粘り控えめで、甘みを感じやすい」
ひとめぼれは、宮城県の代表的なブランド米です。
1992年に登場し、その後、岩手・秋田・福島などでも栽培されていきました。
原産地の宮城は27回の特Aを得ていますが、今年はA評価が最高でした。
一方、大分県(西部)で今年は特Aです。
あとで書くように沖縄でも生産があり、温暖な気候に親和性のたかい品種でもあります。
新米は、東北の場合、ネットで出まわるのはやはり10月半ばからです。
ただ、全国区の銘柄ですので、西日本のお米はもっと早いです。
先祖の経歴は、「コシヒカリ」が父母双方におり、その良食味の改良を目指した品種と言えます。
栽培もしやすいため、先ほど書いたササニシキの代替として栽培が進みました。
なお、この品種が出た当時は、たいへんな人気で、高値安定でした。いまは栽培地もふえ、ポピュラーになっていますが。
味の傾向は、ご飯の甘みが強調できます。
粘りはさほど感じませんが、皆無ではないのでバランス系に近いとも言えます。
お米の粒はやや小さめです。
いずれにしても、「飽きのこない味」です。
このタイプは水加減で炊き分けがしやすいです。
「あきたこまち」と逆で、このお米は吸水性がよいため、あまり水に浸さずとも美味く炊けます。ご飯を洗ってすぐ炊くような方には、わりと美味しく炊ける品種です。
【超早場米】
8'・ 沖縄県産 ひとめぼれ 3kg
¥------- 楽天市場 (11/29執筆時)
なお、早場米として、沖縄県の「ひとめぼれ」は、新米が初夏から手に入ります。
伊平屋・伊是名両島を含めた県北地域が主産地で、特に夏場は「お米が美味しい地域」で知られます。
最近は、「ちゅらひかり」など独自品種も育成していますが、メインは、「ひとめぼれ」です。
---
以上、ひとめぼれの紹介でした。
栽培地が多いので、(あきたこまちほどではないにせよ)、生産地・生産年度による品質のばらつきがあり、低評価のレッテルを受けやすいお米です。
例えば、宮城県は、一昨年に受賞を逃した結果、同県の農協は改めて細かい生産指導を徹底し、連続で特Aを得ています。
そうした産地をみて、しっかり選べば、美味しいお米に出会えるでしょう。
ーーー
・佐賀県産 さがびより 5kg
¥3,580〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
このほか、佐賀県のさがびよりが、「しっかり甘い系」で特Aをとっています。
ただ、紙面の関係で、紙面の関係で5回目記事となる【西日本のブランド米の比較】の方で詳しくみています。
3・あっさり系の特A米
ここからは、甘みがほどほどで、わりとあっさりした味のお米の紹介です。
このタイプは、特Aをなかなか取りにくいため、特Aを受賞したブランド米は、「当たり年」の場合が多いです。
【白米】
9・岩手県産 銀河のしずく 5kg
¥4,720 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
今年度評価:特A
特A受賞歴:7年連続7回(県中)
性質・「かため」「粒ぞろい」
一言・「あっさり系で、冷めても美味しい」
銀河のしずくは、2016年に本格的な栽培がはじまった、岩手県の新品種です。
同県には「金色の風」という新品種もあります。
しかし、こちらは1年先行し、2017年の食味試験では、(栽培量が基準より少ない関係で)「参考品種」ながら特Aを受賞しました。
Atlasもその時に試食しましたが、かなり美味しいお米でした。生産量も増えた結果、(参考品種時代を含めて)6年連続の特Aを無事ゲットしています。
産地で銘柄としての生産管理をかなりしっかりしているようで、その結果といえます。
新米は、東北の中生品種で、9月末収穫です。ネットに出まわるのは10月中旬が多いです。
先祖の経歴は、父は「北陸208号」、母は「奥羽400号」です。
試験場の品種が由来です。
味の傾向は、バランス系に近いですが、標準よりすこし「あっさりより」です。
粘りやもっちり感が控えめです。しっかりしたハリもあるため、一つ一つのお米をしっかり感じられるタイプです。
ご飯の甘みは、上品な甘さで、さほどでもないです。ただ、良く香ります。
---
以上、銀河のしずくの紹介でした。
「かためで、上品な甘さ」で、食べ飽きない感じですから、普段使いには抜群に向きそうです。
なお、これ以外の「レアブランドのあっさり系」は、3回目記事、4回目記事で、ほかにもみています。好みの方は、後ほどどうぞ。
【白米】
10・愛知県産 ミネアサヒ 10kg
¥6,870 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
今年度評価:特A評価
特A受賞歴:2年連続3回目(三河中山間)
性質・「あっさり」「小粒」「つややか」
一言・「昔懐かしい、あっさり味」
ミネアサヒは、愛知県の地域米です。
1981年登場の歴史のあるお米ですが、2021年の検定で初の特Aを得ました。
というより、平成元年の開始以来、愛知県で特Aを受賞できたのは、こちらが初めてでした。その後の2年はA評価で今年返り咲きです。
同県は、大粒でかためな食感で、おなじく「あっさり系」な「あいちのかおり」も安定的にA評価を得れています。
そのほか、あとでみる、期待の「愛ひとつぶ(なつきらりの生産者限定版)」が、2023年のA’(Aダッシュ)だったので、近年には流通するでしょうし、意外と知られない品種の「米所」です。
新米の時期は、ネットだと9月下旬です。
ハナエチゼンと同じ極早生種で、わりと早くから市場に出ます。
先祖の経歴は、コシヒカリが遠い祖先にいる程度ですので、「雑草魂」的な品種といえます。
「旭」の名前が入るので、西日本で昔栽培があった「旭」が祖先に入るかとおもいましたが、そうではないようです。
味の傾向は、あっさり系です。
おとなりの岐阜県の「はつしも」も似た傾向ですが、こちらは明らかに小粒です。
粘りは、今主流の「ブランド米」に比べたら、ほどほどです。
ご飯の甘みは、あまり感じず、わりとあっさりしています。
炊き上がりはふっくらで、綺麗に仕上がります。
---
以上、ミネアサヒの紹介でした。
あっさり系で小粒と今の流行とは外れるお米です。
しかし、愛知初受賞という新味と、40年以上の歴史を同時に味わえる点で、話の種としても面白いでしょう。
ーーー
【白米】
・鹿児島県産 あきほなみ 5kg
¥4,980〜 楽天市場 (11/29執筆時)
このほか、「あっさり」系だと、鹿児島県のあきほなみも特A受賞です。
紙面の関係で5回目記事となる【西日本のブランド米の比較】の方でみています。
4・バランス系の特A米
最後に、米の粘りの点で中間的な性質といえる「バランスの系のお米」を紹介したいと思います。
このタイプは、普段の食卓で邪魔にならない「個性控えめ」な味です。飽きがこないタイプで、Atlasは「オールラウンダー系」と呼んでいます。
なお、上表が変な形になっているのは、「もっちりであっさり」というお米は、世の中に(あまり)ないためです。
【白米:農薬節減米】
11・北海道産 ななつぼし 5kg
¥3,481〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
【玄米:農薬節減米】
11・北海道産 ななつぼし 5kg
¥3,322〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
今年度評価:特A
特A受賞歴:14年連続14回目(全道)
性質・「ほどよい粘り」「甘い」「つやがある」
一言・「北海道2番手。安定した美味しさ」
ななつぼしは、2004年に北海道の岩見沢で開発されたお米です。
新米は、北海道のお米としては中早生なので、割と早めです。
例年、9月下旬にはネットでも新米がみられる状況です。
先祖の経歴は、遠い先祖に「ひとめぼれ」がいるのが目立つほどです。
ゆめぴりかほど「エリート家系」ではなく、知名度も低いです。
しかし、今年も特Aを受賞し、14年連続で「特A」の最高評価を得ました。
味の傾向は、尖った部分の少ないバランス系です。
どのような料理にも合います。ただ、平均値よりは「多少もっちり系」です。
ご飯の甘みは、水準よりも高めです。
冷めても甘みが残るので、お弁当にも向きます。
---
以上、ななつぼしの紹介でした。
北海道のブランド米であるゆめぴりかに較べると、単位面積あたりの収穫量が多い品種です。
そのため、価格も高くなりにくいので、家計に優しい特Aブランド米と言えます。
【白米】
12・青森県産 はれわたり 5kg
¥4,330〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
今年度評価:特A
特A受賞歴:2年連続2回目
性質・「粘る」「やわらかめ」
一言・「ほどよく甘く、ふっくら炊けるお米」
はれわたり(青系196号)は、2022年に本格栽培がはじまった青森の新品種です。
2009年から開発されていた品種ですが、本格栽培は22年からでした。
生産量の関係で22年は参考品種でしたが、今年は本試験で特Aです。参考出品時代と合わせて2年連続2回目です。2023年は生産量も増えて、手に入りやすくなりました。
青森のABA放送と東奥日報によると、去年の85haから、青天の霹靂なみの作付け(2000ha)なので、レア度は解消されました。
青天は津軽(北部)に限った一方、今回は、主に南部(県南)ものです。
同地の「つがるロマン」の後継品種となる暑さに強い品種です。「まっしぐら」とともに、南部期待の品種となります。
新米は、中生種の早めで、10月にネットに出まわる品種です。
先祖の経歴は、お父さんに「青系169号」、お母さんに「青系170号」です。
かなり遠い先祖にこしひかりやひとめぼれが見られますが、基本試験品種をじっくり育てた感じです。
味の傾向は、バランス系です。
炊き方にもよりますが、バランス系では粘りが強めのほうですが、基本、「やわらかめ」に炊けます。
ご飯の甘みは、最近のブランド米としてはほどほどですので、おなじ、やわらか系の「にこまる」とは個性が違う「やわらか系」です。
−
以上、はれわたりの紹介でした。
バランス系のなかでは、甘さがほどほどで、とくに飽きの来なそうな味でした。特に、やわらかめの食感で、甘みが食事の邪魔にならない系統は割と珍しいので、珍しい個性をもつ新品種がでたなと言う印象でした。
冷めても美味しく、お米の見栄えも良いので、出はじめの珍しい品種を食べたい方には特に良いでしょう。
【白米】
13・秋田県産 サキホコレ5kg
¥3,900〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
今年度評価:特A評価
特A受賞歴:3年連続3回目特A
性質・「大粒」「お米がきれい」
一言・「しっかりした甘みと食べ応えがある大粒のお米」
「サキホコレ」は、2022年から本格的な作付けがはじまったばかりの秋田県の新品種です。
参考品種で2年連続特A受賞でしたが、今年は、本試験でしっかり特Aです。
先祖の経歴は、父親が中部132号、母親が秋田97号(つぶぞろい)です。
父親の系統に「ひとめぼれ」がいますが、有名どころはそれくらいです。
ただ、お母さんの「つぶぞろい」はじめ、近い祖先には「めんこいな」や、同地で開発され沖縄で華開いた「ちゅらひかり」など、ご当地銘柄が多くおり「ALL秋田」なご当地エリート米と言えそうです。
新米は、10月中旬ごろからネットで見かけるようになります。
母親のつぶぞろいと同じ、東北の晩生種になります。
味の傾向は、炊き方によってかなり変化がつきます。
ただ、基本的にどの食事でもあうバランス系だと思います。ただ、同じことが言える「あきたこまち」とはっきりと味の違いがあります。
ご飯の甘みは、あきたこまちとの食べ比べで、甘みは強めです。
しっかりとした食感はかみ応えがありつつ、よく噛む、あるいは少し冷めてきたときに、強い粘りと甘みがでています。
そちらの部分を評価すると、バランス系というより「もっちり甘い系」です。ただ、当座、この評価にしておきます。
ご飯は白く綺麗で大粒です。
--
以上、サキホコレの紹介でした。
お米の表面にしっかりしたハリがありつつ、かんだ際には抜群の甘みと粘りも感じられるという、あまり経験したことのない面白いお米でした。大粒で食べ応えもあります。
個人的には好きな味なので、長期で試してみるつもりです。
【白米】
14・滋賀県産 みずかがみ 5kg
¥3,980〜 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
今年度評価:特A評価
特A受賞歴:4年ぶり5回目
性質・「ほんのり甘い」「粒しっかり」
一言・「近江期待の品種、価格が値頃で美味しい」
みずかがみは、2014年に登場した滋賀県のブランド米です。
早場米とも言える8月末から収穫できるブランド米で、新米は例年早めにでます。
滋賀県は、関西圏では有名なかなりの米産地ですが、ブランド米については出遅れていました。
しかし、この品種が出回ると、2018年まで3年連続で「特A受賞」の栄冠を手にしました。
その後は上から2番目のA評価が最高でしたが、今年は久々に特Aです。
品質は全県で長期安定傾向です。安心して買えるお米と言えるでしょう。近江だと、このお米を利用した日本酒も結構見かけます。
新米の時期は、早いです。
9月半ばには普通に新米がみられます。稲としても早生種です。
先祖の経歴は、祖父母の代に「ひとめぼれ」と「ヒノヒカリ」が見られます。
それらに、滋賀県の在来種をかけた感じのお米です。
味の傾向は、炊飯次第で個性が変わりやすいバランス系です。
お米がほどよく甘く、また粒ぞろいと印象を受けました。
最近のブランド米は、炊きあがりの綺麗なお米が多いですが、この品種もそうでした。
粘り気はほどよい感じで、バランスの取れたお米としては、気持ち「あっさり系」かと思います。
ご飯の甘みも、しっかり感じられます。
---
以上、みずかがみの紹介でした。
耐暑性の高さが好影響したのか、市販パッケージを買っても欠け米率が少なく、本当に綺麗なお米です。
個人的に滋賀県は本当によく行きますが、つややかであり、食事の際に「みずかがみだな」と分かります。
【白米】
15・岡山県産 きぬむすめ 5kg
¥3,850 Amazon.co.jp (11/29執筆時)
今年度評価:特A評価
特A受賞歴:4年連続9回(鳥取)8年連続8回(岡山)
性質・「炊き上がりは硬め」「つやがある」
一言・「品質が一定で、味のバランスも良いお米」
きぬむすめは、1992年に九州で開発され、割と長い間作付けがなされてきた品種です。
キヌヒカリの後継として期待されたものの、特A連発の九州地域では(さほど)花開かなかった品種でした。
ただ、2008年に鳥取県の奨励品種とされると、2013年から4年連続で特Aをとりました。年度にあまりバラツキなく、優秀なお米です。九州よりも、中国地方の気候環境にあったのでしょう。
岡山ほか、隣接する、鳥取・島根も2年連続で特Aでしす。岡山は「7年連続」です。
このほか、和歌山・静岡などでも出品がみられます。
新米は、中晩生の品種ですので、中国地方だと、ネットだと(早くても)10月中旬ごろからです。
先祖の経歴は、父は「キヌヒカリ」、母は「愛知92号(祭りばやし)」です。
収穫が多少遅めの品種なので、新米が出回る時期は遅めです。
味の傾向は、「もっちり」と「しっかり」という指標では、ちょうど中間のバランス系です。
お父さんのキヌヒカリと同じで、食事の邪魔にならない感じです。
ただ、通常炊飯では多少硬めに炊き上がるので、かための傾向のご飯が好きな方に合うでしょう。
ご飯の甘みは、過度に強調できないものの、十分に感じられます。
---
以上、きぬむすめの紹介でした。
白色度が高く、ご飯が真っ白に炊き上がる点が、栽培者が強調するところです。たしかに、つややかで綺麗なお米です。高い実力があるお米です。
ただ、全国流通量が少なく、ネットでもやや入手困難なレア米です。
ーーー
このほかバランス系だと、秋田県(県南)の「あきたこまち」埼玉県の「彩のきずな」と愛媛県と大分県「ヒノヒカリ」、広島・山口の「恋の予感」が特Aです。
ただ、紙面の関係で、4回目記事(中日本地域のお米編)と5回目記事(西日本のお米編)でみることにします。
次回に続く!
美味しい!ブランド米のおすすめは結論的にこれ!
というわけで、 というわけで、今日は、お米の比較の1回目記事として、コシヒカリを除く、全国の特A受賞米について書きました。
しかし記事はもう少し「続き」ます。
1・特Aブランド米の比較〈全国〉
2・コシヒカリの比較〈全国〉
3・各地のお米の比較 〈北海道・東北〉
4・各地のお米の比較 〈関東・中部・北陸〉
5・各地のお米の比較 〈西日本〉
6・おすすめブランド米まとめ 【結論】
続く、2回目記事(こちら)では、今年度産の特Aを含むコシヒカリをみていきます。
また、3回目記事以降は、地域別に、各地の珍しいブランド米を、紹介していく予定です。
レア度 ★★★☆☆
減農薬 ★★★★★
食味値 ★★★★★
生産管理 ★★★★☆
総合評価 ★★★★★
その上で、結論編(こちら)では、上表のような観点から、Atlasの今年度のおすすめ米を最終的に提案していきます。
結論編は→こちら
ーー
1・3合炊き小型炊飯器【〜3万円】
2・5合炊きの高級炊飯器【3万円〜】
3・5合炊きの格安炊飯器【〜3万円】
4・一升炊きの高性能炊飯器【3万円〜】
5・一升炊きの格安炊飯器【〜3万円】
6・糖質カット/麦向き炊飯器
7・炊飯器の選び方 【まとめ記事】
そのほか、これらの記事では、最新の「炊飯器」の性能を巡る現状や、選び方について、Atlasの視点からまとめています。
今回の記事との関連で言えば、穀物検定協会が「特A」を選ぶ際の食味検査に使っている炊飯器(の後継機)も、最後の記事で紹介しています。
興味のある方は、こちらの記事もよろしくお願いします。
ーー
この記事がもしお役に立ったようならば、Twitter Facebook はてなブックマークで話題を共有していただければ嬉しいです。