【今回レビューする内容】2023年の新米(2022年秋 令和4年産)の特A評価の新米・食味試験 米の食味ランキングからの産地別・品種別・県別おすすめ: Amazonのお米(新米)の食味値特A評価全銘柄の紹介:2022年・令和4年早場米の最新情報
【比較する主なお米】ゆめぴりか ふっくりんこ 恋の予感 にこまる 元気つくし つや姫 雪若丸 ひとめぼれ さがびより銀河のしずくななつぼし 青天の霹靂 彩のきずな 星空舞 恋の予感 きぬむすめ キヌヒカリ ヒノヒカリ 魚沼産コシヒカリ あきたこまち はれわたり
今回のお題
食味値評価が良い、美味しいブランド米はどの銘柄?
どもAtlasです。
今日は、2023年9月現在、最新のブランド米の比較です。
最も新しい令和5年秋の新米が出はじめたので、対応させつつ、記事を更新しました。
今回の記事では、日本穀物検定協会 が、2023年2月28日(令和5年)に公表した「米の食味ランキング試験」の結果(現状での最新評価)を軸にしつつ、Atlasによる食味の結果を加えて、味をの傾向を比較します。
最高評価の「特A」を受賞したブランド米は、全銘柄について、その「味の傾向」を紹介します。
1・特Aブランド米の比較
2・特Aコシヒカリの比較
3・珍しい地方米の比較 〈東日本〉
4・珍しい地方米の比較 〈西日本〉
5・おすすめのブランド米 【結論】
なお、このブログ「モノマニア」には、お米に関する記事が5本あります。
今回は、1回目の記事です。
主に「特A」を受賞したブランド米を紹介します。
1・もっちり・甘い系
2・しっかり・甘い系
3・しっかり・あっさり系
4・バランス重視系
特A受賞米を食感別に「4タイプ」に分けながら比較していきます。
その上で、最後の「結論編」(こちら)では「今年買うべき、最も美味しいお米!」を提案していきます。
よろしくお願いします。
0・特A米の選び方の基本
具体的なお米の紹介にはいる前に、「ブランド米」の選び方の基本について、あらかじめ記しておきます。
0-1・おこめの食味値とは?
はじめに、「食味ランキング試験」についての説明です。
この試験は、日本穀物検定協会が毎年実施します。
農水省や農協とは別の「公正な第三者検定機関」です。
試験では、「炊飯した白飯を実際に試食して評価する食味官能試験」を行い、「お米のプロ」が米の味の等級分けを行います。
出品申請があった地域の「複数の田んぼ」でとれた同じ銘柄の米を「ランダムにブレンド」したお米で味を比べます。
そのため、スーパーで「銘柄と都道府県」を目安にお米買っている方も、参考にできる指標です。
特A(40地区)>A(92地区)> Aダッシュ(21地区)
試験では、地区ごと、特に味の良い地銘柄のお米を特A評価とします。
以下、A評価・Aダッシュ評価の順で、銘柄・産地ごとにランキングを付けます。
Aダッシュ評価が、全国のコシヒカリのブレンド米とおおむね同等の味との評価です。ここを基準にして、美味しいかどうかで、お米の味を判定します。
B評価以下は、規定としてはありますが付いた事例は皆無です。
また、出品は「義務」ではないので、全国区だが、ずっと未出品のブランド米(新潟にの新之助など)もあります。
食味試験は、平成元年に「特A」という基準が加えられましたが、起源は昭和46年までさかのぼる歴史ある指標です。
毎年3月になると「なに県の何という銘柄のお米が特Aを取った!」と報道されます。
0-2・今年の特Aブランド米
特A受賞品種(20品種・40産地)
コシヒカリ 福島・新潟(魚沼)など8地区
ななつぼし 北海道
ゆめぴりか 北海道
ふっくりんこ 北海道
青天の霹靂 青森県
ひとめぼれ 福島・秋田・大分県
銀河のしずく 岩手県
つや姫 山形・宮城・大分県
雪若丸 山形県
彩のきずな 埼玉県
にこまる 静岡・岡山・愛媛・高知・長崎県
ミネアサヒ 愛知県
いちほまれ 福井県
きぬむすめ 鳥取・島根・岡山県
星空舞 鳥取県
いちほまれ 福井県
恋の予感 広島県
おいでまい 香川県
ヒノヒカリ 京都県
元気つくし 福岡県
さがびより 佐賀県
特A受賞・参考品種(3銘柄)
はれわたり 青森県
サキホコレ 秋田県
なつほのか 大分県
さて、最新の試験結果についてです。
今回は、総出品数152点からの審査でした。
銘柄単位の初受賞は、鳥取県の「星空舞」と、青森県の「はれわたり」です。
第1に、「星空舞」は、個人的に、銘柄指定された年から注目していた銘柄です。
「やっとか!」という感じです。生産者さんの努力の結果かと思います。後ほど詳しく紹介します。
第2に、「はれわたり」(青系196号)は、青森県が力を入れて宣伝する新品種です。
地域の総生産量が少ないので参考品種です。しかし特Aです。
同県のブランド米は「青天の霹靂」が有名です。しかし、味的に全く異なり、粘りが強く、やわらかな系統のようです。
そうなると、ライバルは「にこまる」でしょうし、食べ比べたくなります。しかし、今回の記事では、これだけ未試食です。
しかし、秋が「本格デビュー」です。青森のABA放送と東奥日報によると、去年の85haから、青天の霹靂なみの作付け(2000ha)なので、レア度は解消されます。
したがって、ブランドとしての「勝負」は今秋です。
作付面積を増やして「鳴かず飛ばず」になった銘柄は例に漏れませんから。ただ、「青天」の成功体験のあるので杞憂でしょう。
青天は津軽(北部)に限った一方、今回は、南部(県南)もなので、両地域の歴史的背景も含め注目しています。
話が長くなりました。
そのほか、広島の「恋の予感」、秋田の「サキホコレ」が2年連続特Aで安定してきたこと、香川の「おいでまい」、福井の「いちほまれ」が特Aに復活したこと、やわらか系の「にこまる」が岡山でも特Aを受賞し、勢力を拡げたことが目を引きました。
一方、今年は20銘柄(40地区)が特A評価でした。
10年ほど前は、特Aは各県の「コシヒカリ」ばかりでした。
しかし、各地の試験場や農家の方の努力で、地域色溢れる「ブランド米」が多く評価されるようになってきました。
コシヒカリは、今年は、新潟県魚沼地区を含め4県・8産地だけの受賞です(上図)。
耐暑性の問題や天候不順があり、とくに西日本はコシヒカリの受賞は皆無でした。全国的にも、味の進化が著しい新興ブランド米に対して、衰退しているともいえます。
この点で、21世紀は「お米の戦国時代」と言えます。
しかし、「ブランド米」も、ここ数年、地域を超えて流通する「突出した新銘柄」が出ておらず、評価をうける産地の大きな移動もない印象もあります。
評価が固定されつつあり「太平の世」を迎えつつあるようにも思えます。
0-3・試験結果についての所感
特A(40地区)>A(90地区)> A’(21地区)
「食味ランキング試験」について、もう少しだけ書いておきます。
2023年2月の試験結果はで、特A評価を得たお米は、20品種(40地区)でした。
振り返ると、昨年は(16品種・42地区)で、一昨年は(24品種・53地区)でした。
上図は、県単位で見た場合、2023年の試験で特A受賞のあった地域を示したものです。
今年、受賞産地品種が減ったのは、北陸と九州南部です。
育成期の天候不順の関係もあって、多く品種が受賞を逃がしました。
しかし、それでも、福井の「いちほまれ」、大分の「にこまる」ほか、作付け開始年が新しく、耐暑性のあるブランド米は良い評価を得た、という印象です。
コシヒカリは、「涼しく、水も冷たい」地域で、公の品質管理がある地域でないと、よほど天候が恵まれないと、特Aは難しくなった感じがしました。
逆に、コシヒカリ以外の、北海道を含む東日本の特A常連の地域のブランド米は評価を落とさず、安定しています。
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【白米】
・鳥取県産 星空舞 5kg
¥2,300 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A
特A受賞歴:初受賞
今年度の特A受賞米のなかで、Atlasが注目しているのは、鳥取県の「星空舞」です。
2019年から栽培が始まったばかりです。昨年の「A評価」をステップに、今年はじめて特Aをとれました。
Atlasは、2019年前後に倉吉で初めて食べてから、気に入っているお米です。
味は、しっかりとした硬さを持ちつつ、噛みしめると甘いという性質です。
Atlasが好きな系統の味です。
アミロース値が低めで粘らないお米は、特Aを受賞しにくいと言えるので、ことしは特に「当たり年」かもしれません。
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【白米】
・秋田県産 サキホコレ令和4年産 2kg
¥1,273 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A(参考品種)
特A受賞歴:2年連続2回目
一方、秋田県のサキホコレも注目です。
規定の栽培面積に満たないので「参考品種」ですが、2年連続特Aでした。
秋田県は「あきたこまち」が、3年連続で特A受賞を逃しました。早生種なので、初夏の気温が高くなったことが原因ともいわれます。
そういった中で登場した晩生の新品種で、最近気候条件にあうようです。
味は、バランスが良く炊き方次第でかなり変化を付けられる家事です。
大粒で甘めです。よく噛んだとき、あるいは、少し冷めると粘りを強く感じます。
水量調整が難しいあきたこまちと違って、毎回バラツキなく炊飯できる優等生です。
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・魚沼産 こしひかり 令和4年 5kg
¥3,050 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A
特A受賞歴:5年連続32回目
コシヒカリについて言えば、新潟県魚沼地区が5年連続受賞となり、安定感を完全に取り戻しました。
20年ぶりに特A評価から陥落した2018年には大きなニュースになりました。
その後、生産に関わる皆さんが相当努力し、評価の回復が成し遂げられました。
味は、言うまでもなく「もっちりと粘る」性質です。
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以上、簡単に、今年度の食味試験の注目点を紹介しました。
今回の記事では、特A評価の受賞状況をふまえながら、特Aを受賞した全品種のプロフィールや味を紹介していきます。
0-4・美味しいお米の選び方
おこめは、品種ごとに「味の個性」というものがあります。
最近は、この点がわりと注目されるようになりました。
例えば、このブログの【炊飯器の比較記事】で紹介したパナソニックのプレミアム機は、4つの指標から、銘柄別に適した制御で炊き分けをする機能を装備しています。
他社も、(ここまで細かくないですが)銘柄別の炊き分け機能を積極的に搭載してきています。
お米の味は、いうまでもなく、収穫年度・収穫地・天候・お米の作り方・乾燥方法・精米方法・保存方法・炊き方など、さまざまな要素で変わります。
同じ銘柄・同じ産地でも、味は同じではありません。しかし、それでも、品種に共通する「味の個性」はあります。
「銘柄による味の違い」を楽しむというのも、「お米の味の楽しみ方の1つ」です。
信頼できるお米屋さん・農家さんから買っている方も、全国的な多数の種類の食べ分けは、普段食べるのお米の個性や美味しさの「再認識」につながります。
「新しい品種」にもぜひ挑戦していただきたいという思いから、今回、この記事を書きました。
1・もっちり・甘い系
2・しっかり・甘い系
3・しっかり・あっさり系
4・バランス重視系
以上、今回の記事における、美味しいお米の「選び方の基本」の紹介でした。
冒頭にも書きましたが、今回は、特A受賞米を、食感の観点から3種類に区分して、順番にみていきます。
なお、こしひかりは、(特A受賞地域が多いので)2回目記事(こちら)で産地別にみています。
1・もっちり・甘い系の特A米
それでは、比較をはじめます。
はじめに、「もっちり粘る」米質で、「お米の甘み」も感じられるタイプのお米からです。
ようするに、コシヒカリ系の食味がこのタイプで、多くの日本人が伝統的に「美味しいお米」と考えてきた味の系譜にあるお米です。
【白米】
1・北海道産 ゆめぴりか 5kg
¥2,707〜 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
【令和5年新米】
1・北海道産 上川空知産 ゆめぴりか 5kg
¥2,940 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A
特A受賞歴:12年連続12回目(全道)
性質・「甘みが強い」「ふっくら」「粘りが強い」
一言・「北海道の誇る人気ブランド米」
ゆめぴりかは、北海道を代表するブランド米です。
2008年に生産がはじまり、瞬く間に全国区になりました。
それ以前、寒い地域でも作れる耐冷品種は、「食味が劣る」と評価されてきました。
しかし、北海道の代表品種のきらら397に、コシヒカリ・あきたこまち系の本州の「優等生」の系譜を掛け合わせて、素晴らしいお米が誕生しました。
それが、ゆめぴりかです。
新米は、10月から本格的に出まわる品種です。
ただ、産地によっては9月から手に入るものもあります。
先祖の経歴は、したがって、そうとう「華麗」です。食味値の良いブランド米を作ろうという意思から、作られたと言えます。
「ふるさと」は、旭川のある上川地方で、名実共に「北海道の米」です。
お米の特徴は、品質の安定性です。
特A評価の連続受賞歴が示しているように、出来不出来にかかわらず、食味値の安定性が高いお米です。
ネットで買っても「ハズレ」が少ないと言えます。
味の傾向は、とにまく「もっちり粘る」部分が特長です。
科学的に見えても、アミロース値が低く、粘りがあるお米です。お米の透明度も高いですし、大粒で、欠け米も少ない傾向です。
味の違いが分かりやすいので、ブランド米初心者にもおすすめです。
堅さは「柔らかめ」「ふっくら」と形容されることも多いです。
しかし、大粒のお米は、炊飯での調整がしやすいため、水量を少なめにすると、「大粒で・コシのあるお米」に変身します。
ご飯の甘みは、相当強く感じます。
できが良いものは、しつこいくらいの甘みで、炊飯器の種類によらず、美味しく炊けます。
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以上、ゆめぴりかの紹介でした。
甘みや粘りの部分で、コシヒカリと似ているようで、独自の個性があるお米です。
粒の大きめであるため、品質も安定的ですし、この系統が好きな人は、この品種から「美味しいお米」を見つけるのも良いかと思います。
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【特別栽培米(減農薬・無化学肥料)】
1・北海道産 ゆめぴりか 5kg
¥2,965 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
【無農薬(JAS有機栽培)】(執筆時在庫なし)
1・ 北海道産 ゆめぴりか 4.5kg
¥--------楽天市場 (9/14執筆時)
一方、今回は基本的に「銘柄」での比較です。しかし、銘柄以外のお米の規格について、少し話しておきます。
普通のお米と「特別栽培米」と「無農薬米」の違いについてです。
第1に、特別栽培米です。
これは、農薬や化学肥料(窒素肥料)を、その地域が定めた通常量(慣行栽培)より5割以上減らしたお米のことです。
例えば、上記の「特別栽培米」は、農薬7割減、化学肥料栽培期間中不使用であるため、この規格を名乗れています。
第2に、無農薬米です。
日本のJAS規格では、無農薬・無化学肥料で、3年以上経過した田んぼで作られたお米は、米袋にJAS有機栽培と表記することが認められます。
また、転換中の場合「転換期間中JAS有機栽培米」との表記も認められます。
これらは、農水省がJAS法(日本農林規格等に関する法律)で定めています。
無農薬にこだわる消費者は、(農水省の罰則規定がある)JAS有機栽培の認証を重視しています。ただし、値段は、かなり高めです。
このほか、上図の様に、特別栽培米として、年度内の栽培期間内に無農薬、あるいは、無化学肥料で栽培したお米は、栽培期間中「特別栽培米(農薬・化学肥料不使用)」という表記も認められています。
また、(面倒な申請せずに)自主的に無農薬栽培したり、県などが類似の認証を用意したりするパターンもありますが、こういったものは、信頼度の面で、少し安めの場合が多いです。
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結論的にいえば、農薬や肥料が 味に影響するかの評価は置いておくとしても、「特別栽培米」と「無農薬米」の表記のあるお米は、田んぼが、しっかり手をかけて管理されている証拠になります。
値段は少し高くなりますが、味にも影響し、品質も上位と言えます。
【白米】
2・北海道産 ふっくりんこ 5kg
¥2,506〜 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A
特A受賞歴:4年連続6回目(参考品種時含む)
性質・「炊きあがりがふっくら」「甘みがある」
一言・「味も、炊き上がりの見映えもよいお米」
「ふっくりんこ」も、北海道のブランド米です。
令和元年に、3年ぶりに「特A」に復帰し、そのまま連続受賞と安定性がましています。
北海道でも、本州に近い函館(道南)で力を入れて栽培しているお米です。
新米は、北の晩生種ですので、ネットでは9月末~10月あたりから増えます。
先祖の経歴は、この品種も、北海道のきらら397が、母系・父系ともにおり、道産品種を軸に、じっくり改良してきたお米です。
地域で、生産基準を決めており、低レベルな米を出荷しない体制がとられます。
味の傾向は、名前通り「炊きあがりがふっくら」しており、味も美味しく、見映えもする品種です。
ただし、ゆめぴりかと較べると、粘りや甘みはマイルドです。
粘りがほどほどに強いので、お弁当のおにぎりに向きます。
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以上、ふっくりんこの紹介でした。
道産米ですが、ゆめぴりかとは違った「個性」があるお米です。
価格も値ごろ感があるので、全国にあまり流通しないお米で、高評価のお米を安価に食べたい方にもおすすめできます。
「粘り気」がありつつ、それを主張しなすぎない点で、色々な料理に合うでしょう。
【白米】
3・高知県産 にこまる 5kg
¥2,901〜 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
【白米】【令和5年新米予約】
3・高知県産 にこまる 5kg
¥3,780〜 楽天市場 (9/14執筆時)
今年度評価:特A(県北 県西)
特A受賞歴:5連連続5回目(県北)
性質・「大粒でとにかくやわらかい」「強い甘み」
一言・「やわらか系のお米好きには、第一の選択肢」
にこまるは、西日本の多くの地域で栽培されている品種です。
新米は、高知産の場合、西の中生種ですが、10月初旬からネットだとではじめます。
先祖の経歴は、父は「きぬむすめ」、母は「北陸174号」となります。
父の「きぬむすめ」は九州を飛び出して中国地方で活躍しています。子の「にこまる」も、九州ではなく、四国で華開いた品種です。
九州の試験場は耐暑性を重視すると聞きますし、地球温暖化が影響してのことのように思えます。
高知県(県北)は「4年連続4回目」の特Aと、安定した品質をしめしてきました。県西地区も2年連続でです。
一方、にこまる自体は、静岡県も連続して特Aであるほか、愛媛県・長崎県でも受賞歴があります。つまり、比較的温暖な地域で栽培されるお米としての能力が高いお米です。
味の傾向は、「もっちり系」です。
粘りを強く感じますが、触感は(水加減によらず)やわらかめな傾向です。
粘り気があるごはんがすきで、さらに、やわらかめな傾向が好きならば、親和性が高いと思います。
ご飯の甘みも、かなり強いです。
ゆめぴりかのように、「誰でも美味しく感じられる個性」があります。
ただし、先述のように、炊き加減によらずやわらかい傾向なので、合わない人はとことん合わない部分はあります。
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以上、にこまるの紹介でした。
全国的には珍しいお米ですが、特A受賞地域それぞれが「かなり離れた地域」である点に、面白みを感じます。
もともと、5年連続特Aだった長崎県産の「にこまる」も、今年は評価を戻してきています。温暖な地方の珍しい品種として、一度食べて欲しい品種です。
【白米】
4・福岡県産 元気つくし 5kg
¥2,580〜 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A評価(全県)
特A受賞歴:3年連続7回目
性質・「とにかく粘る」「もちもち」
一言・「大粒でねばる、類例がない面白い個性」
元気つくしは、2011年から栽培がはじまった、福岡県の品種です。
特Aは7回受賞の実力派です。一時低迷していましたが、6年ぶりに特Aだった一昨年から3回連続受賞です。見事復活したと言えます。
新米は、収穫自体は西の早生種で10月前半に獲れます、
ただ、ネット流通はすこし例年遅めです。九州以東だとレアな品種ですから。
ほとんどお店で見かけません。
先祖の経歴は、父は「つくしろまん」、母は「つくし早生」です。
福岡県で特Aが多い「夢つくし」や、「キヌヒカリ」が祖父母の代にいますが、郷土色が品種と言えます。
味の傾向は、かなりの「もっちり系」です。
ただ、大粒で粘りが相当程度強い点にむしろ目がいきます。
おにぎりのほか、卵かけご飯にも相性は良かったです。
冷めても味が代わりにくいですが、粘りが相当あるため、お寿司などには不向きです。
ご飯の甘みは、香りを含めて、それを感じられる十分にあります。
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以上、元気つくしの紹介でした。
大粒で粘りのある点で、相当特徴だった珍しい品種です。福岡以外でほとんど見かけないので、ネットで面白い個性のある銘柄を試したい!という場合に、かなりおすすめできます。
個人的にも好きなお米なので、「西のゆめぴりか」を狙って欲しいと思っています。
2・しっかり甘い系の特A米

続いて、「しっかり・甘い系」のお米の紹介です。ご飯の表面にハリがあり、噛むと甘いタイプです。
いわゆる「かためご飯」が好きな人にあうといえます。
【特別栽培米】【令和5年新米予約】
5・山形県 鶴岡産 つや姫 5kg
¥4,970 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
【特別栽培米】
5・山形県産 つや姫 5kg
¥3,280〜 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
【無農薬(JAS有機栽培)】
5・つや姫 4.5kg 5kg
¥4,990〜 楽天市場 (9/14執筆時)
今年度評価:特A(村山・置賜)
特A受賞歴:13年連続13回目
性質・「つやがある」「米の旨みがある」
一言・「品質のばらつきが少なく、安定した美味しさ」
つや姫は、山形県を代表するブランド米です。
2010年度から栽培が始まり、瞬く間に全国的な名声を獲得したお米です。
新米は、山形県の晩生種ですが、10月上旬です。
ネットだと、9月末から手に入る農園もあります。
受賞歴は、山形県では、地区を変えつつ12年連続で特A受賞です。
今年は、村山・置賜地区が特Aでした。
庄内・最上も別品種で特Aなので、山形県は、その地区で最も良い銘柄だけ、毎年の試験に出すのかもしれません。
一方、品種の優秀性から他県でも栽培されるようになり、例えば、今年も宮城県と大分県で特Aを受賞しました。
ちなみに、栽培は、長崎県・島根県・宮城県・大分県などに広がっています。
先祖の経歴は、祖先に「ひとめぼれ」は見られますが、割とマイナーな種が多いです。
味の傾向は、米のハリを楽しむタイプです、「堅炊き」に適した米です。
ただ、炊き方次第で粘りもでるので、「もっちり系」という方もいます。
「つや姫」の名のごとく、つややかで美しいお米が炊ける点も魅力です。
粒は細身で長い傾向ですが、粒は大きく、目立って粒ぞろいです。これは、最近評価されるブランド米の傾向です。
ご飯の甘みは、噛むとしっかり感じられます。
また、冷めてもおいしいごはんです。粘性の強いお米に向かないお寿司や、お茶漬け用にも高レベルで対応します。
−
以上、つや姫の紹介でした。
噛むと甘みが出てくる硬め炊きに合う「しっかり・甘い系」のお米では、品質にバラツキが少なく、ハズレが少ないお米です。
ブランド米でも、お米が欠けていたり、不揃いだったりすることがあります。ただ、Atlasが購入した限り、つや姫は、ほとんど欠け米がなく、米粒も大きいです。
産地で生産管理がなされているほか、米が大きいので欠けにくいのかもしれません。
この系統のお米で連続特A受賞も格別に評価されるべきです。
Atlasも良く買うお米の1つです。品質のばらつきが少ないので、最もオススメしたい銘柄の1つです。
【白米】
6・山形県産 雪若丸 5kg
¥2,176 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
【白米】【令和5年新米予約】
6・山形県産 雪若丸 18kg
¥7,880 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
【特別栽培米】
6・山形県産 雪若丸 5kg
¥2,886 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A(村山地区)
特A受賞歴:6年連続6回目
性質・「白い」「甘みが強い」「しっかり歯ごたえ」
一言・「大生産地の新品種、ハリのある炊き上がり」
雪若丸は、2017年に栽培がはじまった、山形県の新品種です。
「つや姫」をはじめ、超優秀な連続特A米を抱える山形県ですが、地球温暖化の影響で、より耐暑性が高く、美味しい品種をということで栽培がはじまったものです。
今年は村山地区の受賞でしたが、同県の置賜・庄内地区と合わせ、また、参考品種時代を含めて6回目の受賞です。
新米は、中晩生の品種ですので、同県の「つや姫」より若干収穫は早い傾向です。しかし、ネットでみられるのは、10月上旬以降が主です。
先祖の経歴は、父は「山形80号」、母は「山形90号」です。
祖父に「はえぬき」がいるものの、耐暑性を高めようという試験結果から生まれた「雑草魂」的な品種です。
味の傾向は、しっかりした、お米のハリが印象的です。
つや姫よりも米粒がしっかりしていいます。
しっかりした硬さを持つため、やわらかめがやや苦手な方には、相当「合う」お米でしょう。
ご飯の甘みは、よく噛みしめると、旨みを強く感じます。
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以上、雪若丸の紹介でした。
登場後、特Aを連続受賞をしていることが示すように、比較的最近登場した「しっかり」「甘い」系のご飯の中では、実力があります。
この系統の炊き上がりが好きで、珍しい品種を試したいと考えている方には、かなり良い選択肢だと思います。
ただ、つや姫に比べると、当たり外れはある印象です。
【白米/無洗米】
7・秋田県産 ひとめぼれ 5kg
¥2,164〜 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A(秋田県中央)
特A受賞歴:5年連続5回目(宮城は27回)
性質・「甘い」「炊きやすい」
一言・「粘り控えめで、甘みを感じやすい」
ひとめぼれは、宮城県の代表的なブランド米です。
1992年に登場し、その後、岩手・秋田・福島などでも栽培されていきました。
原産地の宮城は27回の特Aを得ていますが、今年はA評価が最高でした。
ただ、お隣の秋田県(中央)で5年連続特Aです。
新米は、東北の場合、ネットで出まわるのはやはり10月半ばからです。
ただ、全国区の銘柄ですので、西日本のお米はもっと早いです。
先祖の経歴は、「コシヒカリ」が父母双方におり、その良食味の改良を目指した品種と言えます。
栽培もしやすいため、先ほど書いたササニシキの代替として栽培が進みました。
なお、この品種が出た当時は、たいへんな人気で、高値安定でした。いまは栽培地もふえ、ポピュラーになっていますが。
味の傾向は、ご飯の甘みが強調できます。
粘りはさほど感じませんが、皆無ではないのでバランス系に近いとも言えます。
いずれにしても、「飽きのこない味」です。
このタイプは水加減で炊き分けがしやすいです。
「あきたこまち」と逆で、このお米は吸水性がよいため、あまり水に浸さずとも美味く炊けます。ご飯を洗ってすぐ炊くような方には、わりと美味しく炊ける品種です。
【超早場米】
7'・ 沖縄県産 ひとめぼれ 3kg
¥3,850〜 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
なお、早場米として、沖縄県の「ひとめぼれ」は、新米が初夏から手に入ります。
伊平屋・伊是名両島を含めた県北地域が主産地で、特に夏場は「お米が美味しい地域」で知られます。
最近は、「ちゅらひかり」など独自品種も育成していますが、メインは、「ひとめぼれ」です。
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以上、ひとめぼれの紹介でした。
栽培地が多いので、(あきたこまちほどではないにせよ)、生産地・生産年度による品質のばらつきがあり、低評価のレッテルを受けやすいお米です。
例えば、宮城県は、一昨年に受賞を逃した結果、同県の農協は改めて細かい生産指導を徹底し、連続で特Aを得ています。
そうした産地をみて、しっかり選べば、美味しいお米に出会えるでしょう。
【白米】
8・鳥取県産 星空舞 5kg
¥2,300 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A
特A受賞歴:初受賞
性質・「ハリがある」「つややか」
一言・「ご飯のハリを最も感じる新品種!」
星空舞は、2019年から本格的な販売が始まった鳥取県の新品種です。
Atlasも、以前、倉吉で見つけて買って帰って炊きました。2021年の参考品種としてA評価、去年は本試験でA評価、そして2023年は特Aと地道に進んできました。
新米は、10月半ばからネットで出まわります。
中生品種ですが、食味が高く評価される品種は全国的に遅めに獲れるように思います。
先祖の経歴は、鳥取品種の「ゆめそらら」を数世代配合した品種です。
遠い祖先にコシヒカリとササニシキがいますが、どちらかと言うとササニシキの方が近いです。
味の傾向は、しっかりとしたかたさを特長とします。
「ご飯のハリ」を強く感じる、力強いお米です。
ご飯の甘みも、噛むほどに甘みもでるので、この系統が好きな方には向くでしょう。
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以上、星空舞の紹介でした。
Atlas自身初年度に食べてからファンになったお米で、今年最も注目しているお米です。
ハリ(歯ごたえ)に特長があり、甘みもあるため、この系統が好きな方にはかなり向くと思います。
この系統は、食味的な意味で「特A」を得にくいといえますが、確実に「美味しい」のは間違いないので、一度食べてみて欲しいお米の1つです。
個人的にも好きな系統です。
【白米】【特別栽培米】
9・佐賀県産 さがびより 5kg
¥2,280〜 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A
特A受賞歴:13年連続13回目(全県)
性質・「つややか」「粒が大きめ」「かため」
一言・「どのような料理にも合う、使いやすいお米」
さがびよりは佐賀県のブランド米です。九州でも遅い収穫のお米ですので、新米の時期は、収穫年度に注意しましょう。
地域を越えた流通は見られないのですが、12年連続特A受賞と実力のあるお米です。
生産管理がしっかりなされ、品質のばらつきも押さえられているようです。
新米は、九州の中生品のお米ですが、10月半ばが収穫のピークです。
そのため、ネットに出まわるのは10月後半の場合が多いです。
先祖の経歴は、祖先を辿ると、父は「天使の詩」、母は「あいちのかおり」と、あまり有名ではないお米から生まれたお米です。
味の傾向は、どちらかといえば「かため」な傾向のお米です。
もともと粘りが「ほどほど」あるバランスタイプとして評価していたのですが、改めて新米を食べたところ、「しっかり・甘い」系との分類が適当と判断しました。
ただ、粒が大きくしっかりして弾力があり食べ応えがあり、この系統のお米としては甘みも強いため、炊き方次第では「どのような料理にも合う」という評価は変わりません。
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以上、さがびよりの紹介でした。
特Aを連続受賞している優秀米です。
一方、以前は、価格が安く値ごろ感があったのですが、最近米価がやや上がり気味に感じます。
とはいえ、冷めても美味しいのでお弁当にも向いていますし、炊き込みご飯などにもおすすめできます。
3・あっさり系の特A米
ここからは、甘みがほどほどで、わりとあっさりした味のお米の紹介です。
このタイプは、特Aをなかなか取りにくいため、特Aを受賞したブランド米は、「当たり年」の場合が多いです。
【白米】
10・岩手県産 銀河のしずく 5kg
¥1,818 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A
特A受賞歴:6年連続6回(県中)
性質・「かため」「粒ぞろい」
一言・「あっさり系で、冷めても美味しい」
銀河のしずくは、2016年に本格的な栽培がはじまった、岩手県の新品種です。
同県には「金色の風」という新品種もあります。
しかし、こちらは1年先行し、2017年の食味試験では、(栽培量が基準より少ない関係で)「参考品種」ながら特Aを受賞しました。
Atlasもその時に試食しましたが、かなり美味しいお米でした。生産量も増えた結果、(参考品種時代を含めて)6年連続の特Aを無事ゲットしています。
産地で銘柄としての生産管理をかなりしっかりしているようで、その結果といえます。
新米は、東北の中生品種で、9月末収穫です。ネットに出まわるのは10月中旬が多いです。
2023年はただ天候が良かったので、9月には出そうです。
先祖の経歴は、父は「北陸208号」、母は「奥羽400号」です。
試験場の品種が由来です。
味の傾向は、バランス系に近いですが、標準よりすこし「あっさりより」です。
粘りやもっちり感が控えめです。しっかりしたハリもあるため、一つ一つのお米をしっかり感じられるタイプです。
ご飯の甘みは、上品な甘さで、さほどでもないです。ただ、良く香ります。
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以上、銀河のしずくの紹介でした。
「かためで、上品な甘さ」で、食べ飽きない感じですから、普段使いには抜群に向きそうです。
なお、これ以外の「レアブランドのあっさり系」は、3回目記事、4回目記事で、ほかにもみています。好みの方は、後ほどどうぞ。
4・バランス系の特A米
最後に、米の粘りの点で中間的な性質といえる「バランスの系のお米」を紹介したいと思います。
このタイプは、普段の食卓で邪魔にならない「個性控えめ」な味です。飽きがこないタイプで、Atlasは「オールラウンダー系」と呼んでいます。
なお、上表が変な形になっているのは、「もっちりであっさり」というお米は、世の中に(あまり)ないためです。
【農薬節減米】
11・北海道産 ななつぼし 5kg
¥2,451〜 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
【特別栽培米】【令和5年新米予約】
11・北海道産 ななつぼし 5kg
¥3,350〜 楽天市場 (9/14執筆時)
今年度評価:特A
特A受賞歴:13年連続13回目(全道)
性質・「ほどよい粘り」「甘い」「つやがある」
一言・「北海道2番手。安定した美味しさ」
ななつぼしは、2004年に北海道の岩見沢で開発されたお米です。
新米は、北海道のお米としては中早生なので、割と早めです。
例年、9月下旬にはネットでも新米がみられる状況です。
先祖の経歴は、遠い先祖に「ひとめぼれ」がいるのが目立つほどです。
ゆめぴりかほど「エリート家系」ではなく、知名度も低いです。
しかし、今年も特Aを受賞し、13年連続で「特A」の最高評価を得ました。
味の傾向は、尖った部分の少ないバランス系です。
どのような料理にも合います。ただ、平均値よりは「多少もっちり系」です。
ご飯の甘みは、水準よりも高めです。
冷めても甘みが残るので、お弁当にも向きます。
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以上、ななつぼしの紹介でした。
北海道のブランド米であるゆめぴりかに較べると、単位面積あたりの収穫量が多い品種です。
そのため、価格も高くなりにくいので、家計に優しい特Aブランド米と言えます。
【白米】【令和5年新米予約】
12・青森県産 青天の霹靂 10s
¥6,250 楽天市場〜 (9/14執筆時)
【白米】
12・青森県産 青天の霹靂 5s
¥2,355〜 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A(津軽)
特A受賞歴:8年連続8回目
性質・「つややか」「噛むと甘い」「粒ぞろい」
一言・「バランス感覚に優れる新しいお米」
青天の霹靂は、2017年に登場した青森県期待のブランド米です。
隣接する東北各県や北海道では、それぞれ地域ブランド米が確立しています。
しかし、青森県のブランド米の「つがるロマン」や「まっしぐら」は、最高Aランクで、全国区にはなれない品種でした。
そのようななか、青天の霹靂は、同県で初めて特Aが取れたブランド米です。
生産量の関係で【参考品種】だった1年を含めて、特A評価を8年連続で受賞です。
報道によると、生産量は(飼料用などを含め)全県の米生産の5%程度(2021年)ということで、やみくもに増やさずに栽培管理をしている努力の結果かと思います。
東奥日報の特A受賞当日の記事(2023)によると、県主導で生産者を限定し、基準や目標を定めた結果」とのこと。食味検定は「地域全体のブレンド米」での評価なので、こうした「ブランド全体」の底上げ活動が実を結びます。
消費者がスーパーで(普通に)買う場合、「ハズレを引かない」確率があがるので、食味試験は意味がある、と個人的に思います。
新米は、9月下旬の収穫で、10月中旬の発売が普通です。
ただ、今年は天気が良かったので、10月7日に一斉発売とのことです。こういう年は味の面で「当たり年」の場合が多い印象ですが、どうでしょうか
先祖の経歴は、ほとんど無名の先祖しかおらず、青森の「まっしぐら」が祖父なのが目立つほどです。
そういった中から超優秀な子孫が出てくるのは、面白く感じます。
味の傾向は、最近のお米の平均値から言えば、バランスの良い味と言えます。
水加減で調整できる範囲は広いですが、どちらかと言えば、堅めに炊くご飯が好きな方に相性が良さそうです。
ご飯の甘みは、平均よりも強い方です。
また、状態の良いものにあたると、炊き上がりの米の香りは強烈です。
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以上、青天の霹靂の紹介でした。
どんなご飯・炊飯方式にも合うバランス系のお米で、普段使いにおすすめしたい品種です。
最近は、生産量の増加で十分買える値段まで値下がりしたので、一度食べてみたいと思っていた方は、チャンスです。
厳格に生産管理をしているらしく、一般に流通するお米でもかなりレベルが高いため、ネットで買うのにも適した品種とも言えます。
【白米】
13・埼玉産 彩のきずな 5kg
¥2,280 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A評価(県西)
特A受賞歴:4年連続4回目
性質・「もっちり」「あっさり」
一言・「北関東しか流通しないレア品種!」
彩のきずなは、2014年に開発された埼玉県の地方米です。
全国でも「夏が非常に暑い」地域なので、九州地域のような高温障害に強いお米を目指して開発されました。また、都市近郊で農薬が多く使えないという点で、減農薬にも力を入れている銘柄です。
2018年は特A評価で注目されましたが、それ以後はA評価が続いていました。
地域を入れ替えつつも連続受賞を続けます。県東・県北はA評価でしたが、県西は見事に特Aです。
新米は、ネットだと10月に入ってから登場の場合が多いです。
先祖の経歴は、父は「愛知108号」、母は「埼455号」という試験品種で、祖父母の代にも有名品種がないという、「雑草魂」な突然変異種です。収量が多いことでもしられます。
味の傾向は、ほどよいお米の粘りで「もっちり」感がありました。
ご飯の甘みは、甘みは強くは出ずに、淡泊です。
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以上、彩のきずなの紹介でした。
埼玉県は、「彩のかがやき」というブランド米が2005年からあり、そちらは「あっさり系」で、特Aの受賞歴はありませんでした。
したがって、彩のきずなは、短期間で特Aをとれたため、産地で「期待の星」となっているようです。作付面積も全県の10%程に増えてきています。
今後期待したいブランドです。
【白米】
14・広島県産 恋の予感 5kg
¥2,552 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A(南部)
特A受賞歴:2年連続2回目
性質・「サッパリとした味」「やや大粒」
一言・「家計に優しいあっさり系」
恋の予感は、2014年に登場した広島の新興ブランド米です。最近は山口などにも栽培が拡がっています。
広島のレアブランド米では、やわらかであっさりな、「あきろまん」が有名です。
しかし、こちらは、同県主要品種の「ひのひかり」の地球温暖化に伴う「代替品種」で、食味重視といえる品種です。
実際、2021年度にA評価に続き、連続2年特Aを受賞です。
今後も安定して受賞するようになるかもしれません。
新米は、西日本ながら晩生種なので、10月中旬以降にネットに出まわります。
先祖の経歴は、お父さんに「きぬむすめ」は見られますが、有名米はあまり見られません。
味の傾向は、粘りは、バランス系です。
かために炊くと美味しい感じですから、その傾向が好きな方には向くでしょう。
ご飯の甘みは、2合分の試食の限りですが、相当程度、淡泊な印象です。
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以上、恋の予感の紹介でした。
収穫量が多いため、業務用の流通が多そうが、家計に優しいお米の一つでしょう。
この類の味は、食味ランキングではあまり登場しないでしょうが、カレーや炒飯などには合いそうです。
【白米】
15・鳥取県産 きぬむすめ 5kg
¥2,160 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
15・岡山県産 きぬむすめ 5kg
¥2,580 Amazon.co.jp (9/14執筆時)
今年度評価:特A評価
特A受賞歴:3年連続8回(鳥取)7年連続7回(岡山)
性質・「炊き上がりは硬め」「つやがある」
一言・「品質が一定で、味のバランスも良いお米」
きぬむすめは、1992年に九州で開発され、割と長い間作付けがなされてきた品種です。
キヌヒカリの後継として期待されたものの、特A連発の九州地域では(さほど)花開かなかった品種でした。
ただ、2008年に鳥取県の奨励品種とされると、2013年から4年連続で特Aをとりました。年度にあまりバラツキなく、優秀なお米です。九州よりも、中国地方の気候環境にあったのでしょう。
実際、2021年の検定から連続で特A評価でした。
そのほか、隣接する、岡山・島根も今年は特Aでした。とくに岡山は「7年連続」です。
新米は、中晩生の品種ですので、中国地方だと、ネットだと(早くても)10月中旬ごろからです。
先祖の経歴は、父は「キヌヒカリ」、母は「愛知92号(祭りばやし)」です。
収穫が多少遅めの品種なので、新米が出回る時期は遅めです。
味の傾向は、「もっちり」と「しっかり」という指標では、ちょうど中間のバランス系です。
お父さんのキヌヒカリと同じで、食事の邪魔にならない感じです。
ただ、通常炊飯では多少硬めに炊き上がるので、かための傾向のご飯が好きな方に合うでしょう。
ご飯の甘みは、過度に強調できないものの、十分に感じられます。
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以上、きぬむすめの紹介でした。
白色度が高く、ご飯が真っ白に炊き上がる点が、栽培者が強調するところです。たしかに、つややかで綺麗なお米です。高い実力があるお米です。
ただ、全国流通量が少なく、ネットでもやや入手困難なレア米です。
次回に続く!
美味しい!ブランド米のおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今日は、コシヒカリを除く、全国のブランド米について書きました。
しかし記事はもう少し「続き」ます。
1・特Aブランド米の比較
2・コシヒカリの比較
3・珍しい地方米の比較 〈東日本〉
4・珍しい地方米の比較 〈西日本〉
5・おすすめのブランド米 【結論】
続く、2回目記事では、今年度産の特Aコシヒカリ、3回目記事以降は、特Aから漏れたブランド米を、紹介していきます。
レア度 ★★★☆☆
減農薬 ★★★★★
食味値 ★★★★★
生産管理 ★★★★☆
総合評価 ★★★★★
その上で、5回目記事となる結論編(こちら)では、上表のような観点から、Atlasの今年度のおすすめ米を最終的に提案していきます。
結論編は→こちら
1・3合炊き小型炊飯器【〜3万円】
2・5合炊きの高級炊飯器【3万円〜】
3・5合炊きの格安炊飯器【〜3万円】
4・一升炊きの高性能炊飯器【3万円〜】
5・一升炊きの格安炊飯器【〜3万円】
6・糖質カット/麦向き炊飯器
7・炊飯器の選び方 【まとめ記事】
そのほか、これらの記事では、最新の「炊飯器」の性能を巡る現状や、選び方について、Atlasの視点からまとめています。
今回の記事との関連で言えば、穀物検定協会が「特A」を選ぶ際の食味検査に使っている炊飯器(の後継機)も、最後の記事で紹介しています。
興味のある方は、こちらの記事もよろしくお願いします。
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