【今回レビューする内容】2023年 最新のAmazon Kindleタブレットの性能とおすすめ・選び方:第9世代 第10世代 第11世代キンドル: 各モデルの違いや使い勝手、自炊PDFの閲覧法の説明ほか
【比較する製品型番】第11世代 NEW Kindle・第11世代 Kindle Paperwhite・シグニチャー エディション ・第10世代 Kindle voyage・Kindle Oasis・Kindle Paperwhite マンガモデル・Amazon Kindle キッズ Kindle Scribe ほか
今回のお題
Kindle本や自炊PDFの読書にはおすすめなKindle端末はどれ?
ども、Atlasです。
今日は、2023年9月現在、最新のAmazon Kindle端末の比較です。
2022年末に登場の第11世代のKindleや、Kindle Scribe、キッズモデルを含めて全機種を紹介します。
1・Amazonの読書端末の種類
=初めて買う方に向けた基本の説明
2・Amazon Kindleの選び方
=各機のスペックの違いを細かく解説
・おすすめ機種の提案
=予算別・目的別の選び方の提案
今回は、以上のような構成で説明していきます。
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第1に、Amazon純正の読書端末の種類についてです。
なお、Amazonからは【Fire HDの比較記事】で書いたように、カラータブレット型の読書端末の発売もあります。
その点で「白黒の電子ペーパー型をわざわざ買う意味はどこにあるのか?」について、主に初めて買う方に向けて解説します。
ーーー
第2に、Amazon Kindleの選び方についてです。
現在のところ、Kindleは、3シリーズ・22機の選択が可能です。
ここでは、どれを選ぶべきか、各機のスペックを比較します。
Atlasは、日本発売前からKindleを使っていて、(発売後の)現行機は全シリーズ持っているため、「実際の使用感」に基づいてレビューできると思います。
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液晶の画質 ★★★★★
夜間視認性 ★★★★☆
操作性 ★★★★☆
持ちやすさ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
第3に、おすすめ機種の提案です。
ここは、結論編にあたります。
予算別・目的別に「今選ぶべき製品はどれか」を、以上の観点から、まとめていきます。
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4・Kindle系サービスの紹介
=Kindle Unlimitedの利用方法
5・自炊本の閲覧法
=自炊したPDFをKindleで読む方法
そのほか、いつもならば「結論」で記事は終わりなのですが、「補足」として、以上2点に関する話題もフォローするつもりです。
特に、自炊PDFのKindleでの読書については、Atlasが利用している方法を含めて書きます。
比較的長い記事ですが、よろしくお願いします。
1・Amazonの読書端末の種類
はじめに、Amazonの販売する読書端末の種類についての説明です。
皆さんがお探しなのは、Amazon製品のなかでも、白黒の電子書籍リーダーとなる「Kindle」だと思います。
「反射光」を利用して読む電子ペーパー式なので、実際の紙の本に近い感覚で読書が可能です。
また、スマホ・タブレットなどで読書するのと違って、長時間本を読んでも目の疲れない利点があります。
中間色(グレースケール)も出せるので、濃淡のあるマンガもキレイに表示できます。
Amazon Fire 7
¥8,980〜 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
一方、Amazonは、カラー液晶を搭載したタブレット端末の販売もあります。
Android系のアプリをインストールできるため、「できること」はKindleより多いです。
iPadやAndroid端末の「Kindleアプリ」と比較しても、Kindle書籍を見る際の視認性や、操作の軽快性において優れます。
コントラストも、本の表示に最適化されており、(値段の割には)見やすいです。
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「白黒」と「カラー」どちらが「おすすめ」かは、難しい部分です。
しかし、読書メインで考える場合、白黒のKindleが(間違いなく)「おすすめ」です。
読書にだけ最適化して作られているので、圧倒的に、目が疲れにくく、バッテリーが長持ちで、軽量で持ちやすいからです。
なにより、「余計な機能がない」ので、読書に集中できます。
続き物の小説や、マンガも(読み終わったら)シームレスに次巻に進めるので、読書端末としての没入感も「半端ない」です。
ただし、ライトノベルのカラー挿絵、カラーコミック・雑誌などの表示は不得意です。
この部分を気にする場合は、白黒のKindle端末は止めた方が良いでしょう。
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なお、Amazonの「カラーモデル」については、このブログでは、別記事となります。
お手数ですが、こちらの【Amazon Fireタブレットの比較記事】をご覧ください。
よろしくお願いします。
3・Kindle端末の種類と選び方
ここからは、現在のKindle端末について、スペック面の違いがどこにあるかを、紹介していきます。
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なお、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチな部分は青字で説明します。
【2022年発売】(第11世代)
1・Amazon Kindle 【ブラック・広告あり】
2・Amazon Kindle 【デニム・広告あり】
¥12,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
3・Amazon Kindle 【ブラック・広告なし】
4・Amazon Kindle 【デニム・広告なし】
¥14,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
画面サイズ:6インチ
画面密度:300ppi
バックライト;LED4灯
記憶容量: 16GB
通信機能:Wi-Fiのみ
重量;158g
Amazon Kindleは、Kindleのなかでは、最も値段が安い製品です。
2022年末に、2019年発売の第10世代(写真)から約3年ぶりに「11世代」なりました。
今回の改変では、記憶容量が16GBと増加したほか、筐体が8cmと薄くなりました。さらに、後ほど書くように、画面密度が上位機相当になり、見やすくもなっています。
重さも、158gと10%も軽量になりました。
そのほか、充電端子が(丸い)USB-Cに変わったのが、目に付く違いとなります。
本体色は、ブラックとデニムから選択可能です。
デニムは今回から新色です。さほど汚れや傷も目立たないでしょうし、色は好みでOKです。
ディスプレイは、6インチの電子ペーパーディスプレイを搭載します(=反射抑制スクリーン)。
Carta電子ペーパーとも呼ばれます。
画面サイズは、1つ上のクラスは6.8インチですから、それより小さいですが、視認性の面ではあまり変わりません。
画面密度は、大きく変化があったポイントです。
今回の改変で、従来の167ppiから、一気に300dpiまで増加しているからです。
後ほど紹介する、3万円台の上位モデル(Osais)と詳細さでは同等になりました。
上図は、従来機の解像度ですが、新しいものと比べると粗い表示しかできなかったのが分かるかと思います。
英語に較べると、日本語は漢字も多く、文字の形状が複雑ですので、この部分は「大きな進化」です。
バックライトは、搭載です。
電子ペーパー端末は、(液晶と違い)バックライトなしでも文字が見えます。
しかし、深夜などの光源の少ないところでは補助光がないと見えません。また、日中でも、バックライトは、文字のコントラストがはっきりする点で、視認性において重要な役割を果たします。
ただし、本機はLED4灯のみで、上位モデルの1/4です。
13段階で照度を調整できますが、バックライトを付ける場合、画面の明るさムラが顕著で、少し読書の邪魔になります。
この部分で言えば、夜に電気を消して見たり、飛行機で利用したりする方は、「1つ上位」のモデルを選んでください。
通信機能は、Wi-Fiを装備しています。
それを通じて、ご自宅のルーターと接続する仕様です。端末から、直接、Kindle本をダウンロードします。
(簡易的ながら)Kindleはインターネットブラウザも搭載しますので、Webサイトも見れます。
記憶容量は、16GBです。
今回の改変の大きなポイントで、(画像なので容量のかさむ)「マンガ対応」と言って良い水準でになりました。
マンガでも200冊以上は余裕で持ち運べるでしょう。
広告表示は、この機種は【広告ありモデル】と【広告なしモデル】から選択ができます。
両者の違いについて、簡単に解説しておきます。
第1に、【広告ありモデル】です。
この場合、スクリーンセーバー起動時(画面ロック時)に本の広告が、ホーム画面表示時に「月替わりセール品」や「 おすすめスポンサー」のキャンペーン情報が入ります。
これらは、本を開いて読書しているとき表示されるものではないため、読書の邪魔にはなりません。
購買記録からの個人情報がスクリーンセーバー時に、他人にバレる!などといった「事故」もありません。
第2に、【広告なしモデル】です。
これらは、広告が入らない代わりに、「2000円本体価格が高い」という製品です。
その他の部分は同じです。
防水性は、本機はありません。
なお、上位モデルを含めてですが、各機ともAmazonの読み放題サービスとなるKindle Unlimited 3ヶ月分(980円×3ヶ月)の有無が選べます。
付属させても、させなくても値段は変わりません。既契約者も対象(現契約期間後の上乗せ)なので、お買得感があります。
ちなみに、全機一律で特典を付けないのは、(無料権の料金部分があるので)ギフト設定やギフト券払いができないためのようです。
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以上、第11世代のKindleの紹介でした。
2022年の改変で、解像度・記憶容量の改善に手を付けて「とても良い機種」になりました。
次に見る中位機(Kindle Paperwhite)と比べると、防水性・色調調整・夜間対応力の部分で「差」ありますが、基本「明るい昼間のみ」に利用するならば、本機でもよいかなと思えるような機種になったと思います。
【2021年10月発売】
5・Kindle Paperwhite 【広告あり】
¥16,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
6・Kindle Paperwhite 【広告なし】
¥18,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
記憶容量: 8GB
7・Kindle Paperwhite 【広告あり】
¥17,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
8・Kindle Paperwhite 【広告なし】
¥19,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
記憶容量: 16GB
画面サイズ:6.8インチ
画面密度:300ppi
バックライト;LED17灯
通信機能:Wi-Fi
重さ:205g
Kindle Paperwhite (8GB)は、Kindleシリーズの中級機になります。
現在発売中のモデルは、2021年10月に登場した「第11世代」です。
本機も、現在、読み放題サービスのKindle Unlimitedのが3ヶ月分付いて、同じ値段という「お買得」設定のバージョンが出ています。
こちらについても、既契約者も対象です。
本体色は、ブラックです。
1つ前の「第10世代」は色が選べましたが、(少なくとも当初は)黒のみの展開です。
ディスプレイは、6.8インチ電子ペーパーディスプレイです。
下位機種(Kindke)は6インチですから、12%ほど画面が大きくなりました。
形状的にも、このグレードからはフラットベゼルです。額縁(ベゼル)と液晶パネル部分に段差がないので、ページ送り・戻しなどの操作性ほか、見かけがスッキリするため、読書に集中できます。
重さは、205gです。
下位機種より重くなります。ただ、こちらは8.1mmと薄いので、逆に持ちやすいと思います。
いずれにしても、片手で持てる製品です。
画面密度は、300ppiです。
先述のように、2022年の改変で、無印のKindleとこの部分で差はなくなっています。
先述のように「漢字」は複雑な字形ですが、この解像度ならば、ストレスなく読めます。
バックライトは、17灯です。
下位機種のKindleは4灯なので、バックライトの数は4倍以上です。
本機の前世代は5灯だったので、この世代で大幅にパワーアップしました。
暗い場所で読む場合、LEDが多いと画面ムラがなく読みやすいです。
画面全体が明るいほか、明るさが細かく調整できます。
昼間・夜間を問わずに快適に読書が可能です。
完全に消灯できない仕様ですが、問題ないでしょう。
加えて、本機は、LEDの半分ほどが、イエロー系のLEDです。
そのため、明るさのか、色調も変えられます。
実際の本の色合いに近い感じで、好きに調整できるのは良い進化です。
時間帯で色合いを替えるタイマー設定も付属です。
通信機能は、本機も、Wi-Fiを装備します。
記憶容量は、8GBと16GBです。
16GBは後から追加されたものですが、マンガ用ならばこちらが良いかと思います。
防水性能は、このグレードから、「装備」となります。
IPX8等級なので「完全防水」です。
深さ2mの真水に60分沈めても問題ない等級です。
とはいえ、塩水やお風呂の温水の数値ではないので、むやみに沈めないでください。
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以上、Kindle Paperwhiteの紹介でした。
2022年に下位機種のKindleが大きくパワーアップしたので、差は縮まりました。
ただ、夜間対応力・防水性の部分ほか、フラットベゼル・色調調整と「読書の質の向上」にかかわる部分で、値段相応の差はまだある印象です。
予算に余裕があるならば、こちらを選ぶ意味はあります。
【2021年11月発売】
【ワイヤレス充電なし】(Kindle特典あり)
9・Kindle Paperwhite シグニチャー エディション
¥21,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
【+ワイヤレス充電あり】(Kindle特典なし)
10・Kindle Paperwhite シグニチャー エディション
¥24,460 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
画面サイズ:6.8インチ
画面密度:300ppi
バックライト;LED17灯
記憶容量: 32GB
通信機能:Wi-Fi
重さ:205g
Kindle Paperwhite シグニチャー エディション (32GB)は、Kindle Paperwhiteの「プチ改良機」です。
基本的には、11世代のKindle Paperwhiteと同じ本体で、機能面に大きな差はありません。
ポイントは3つです。
第1に、記憶容量です。
本機は、容量が32GBです。
マンガだと(だいたい)700冊前後入るので、大容量「マンガモデル」と言えます。
第2に、明るさの自動調整機能です。
下位機種と同じで、イエローLED装備の17灯です。
しかし、明るさセンサーを備えるので、画面の明るさを自動調整してくれます。
なお、下位機種は、時間で色調を自動変更ができるだけでしたので、この部分で上位です。
Anker ワイヤレス充電スタンド
¥3,480 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
第3に、ワイヤレス充電対応です。
Qi規格ですが、7.5Wのワイヤレス充電対応です。
置くだけで充電でき、3.5時間で満充電です。厚さ4mm以内ならば、カバーを付けたまま充電対応できます。
ただ、電子ペーパー型は、電池をあまり使わず、明るさ13・1日30分の利用として「最大10週間(70日)」保つスペックです。単純計算で、連続45時間です。
普段立てかけないならば、スペースの分だけ無駄な部分はありますが、個人的には、寝室のサイドテーブルに置きたいので、欲しいです。
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以上、Kindle Paperwhite シグニチャー エディションの紹介でした。
個人的には上で紹介した3つのポイントはどれも魅力に思えます。導入しても損はないかと思います。
ただ、基本的には32GB欲しい人が狙う機種かとは思います。
【2019年7月24日発売】
11・Kindle Oasis 【広告あり】
¥29,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
12・Kindle Oasis 【広告なし】
¥31,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
記憶容量: 8GB
13・Kindle Oasis 【広告あり】
¥32,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
14・Kindle Oasis 【広告なし】
¥34,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
【Wi-Fi+4Gモデル】
15・Kindle Oasis 4G 【広告なし】
¥40,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
記憶容量: 32GB
画面サイズ:7インチ
画面密度:300ppi
バックライト;LED25灯
通信機能:Wi-Fi /4G
重さ:194g
Kindle Oasis は、Kindleシリーズの中で、現在最も高価なモデルです。
沢山の種類があって分かりにくそうですが、記憶容量の部分以外は、「広告」「Kindle Unlimited無料特典」「4G/LTE回線」の有無だけ見ればよいので、簡単です。
ディスプレイは、7インチ電子ペーパーです。
6,8インチのKindle Paperwhiteと3%程の画面サイズの差ですし、この部分だけで言えば、僅差です。
本機は、写真のように、本体に傾斜のある端末です。
重心を改良し、「本の背表紙を手の真ん中に持つような感覚」を再現するためです。紙の本の読書が好きな、読書家には最適な形状で、違和感も少ないでしょう。
持ち手は、(端末を逆にして)左右を入れ替えても同じ感覚で使えるよう、設計されています。
寝ながら、片手だけでも操作可能です。自動画面回転機能もあります。
重さは、194gです。
端末の厚みも最厚部で8.3mmですので、持ちやすいです。
カバーガラスの改良で最薄部は3.4mmであり、手になじみます。
操作性の部分では、、Kindle Paperwhiteと異なり、持ち手の部分に2つのスイッチがあります。
ページめくり・戻しに利用するボタンで、直感的な操作でページめくりが可能になっています。
本体を逆さにして見ることも可能なので、右手でも左手でも、同じ感覚で「送り」「戻し」ができる便利な仕様です。
なお、旧モデルは、カーボンと銀を使用した圧力(感圧)センサーでした。しかし、Oasisでは、昔ながらの「物理スイッチ」に戻りました。
本好きには「アナログ派」が多いためでしょう。
実際のところ、しっかり「押した感」があり、「読書の妨げにならない」ので、個人的には、「退化」というより、「改善」だと思っています。
画面密度は、本機も300ppiです。
この部分の性能は、Kindle Paperwhiteなどと同じです。
しかし、本機は、マイクロエッチング加工がなされた強化ガラス性の表面パネルが採用されます。
そのため、表示される文字の自然さは、下位機種より上質です。
バックライトは、LEDのバックライトが25個です。
Kindle Paperwhiteは、17灯ですので、30%多いです。
本機も、白以外に、アンバーにも、色味が調整できます。もちろん、明るさの自動調整機能も「付属」します。
Atlasは暗い場所での読書で利用しますが、本機の利用時、違和感は全くなくなりました。
なお、バッテリーは、最下位機種と同じで、数週間保つ仕様です。
通信機能は、基本的にはWi-Fiです。
ただし、【Wi-Fi+4G】モデルは、携帯キャリアの4G回線が永久に無料で利用できます。
記憶容量は、2種類です。
8GBと32GBバイトから選択すことが可能です。
32GBは、実質的には「マンガモデル」の上位機と言えそうです。
充電は、発売日の関係もあり、本機についてはワイヤレス充電に非対応です。
また、充電端子も従来のMicro-USBです。
明るい分、電池の保ちは、1日30分の利用で最大6週間(単純計算で連続21時間)です。充電時間も3時間となります。
防水性は、本機も、IPX8等級の防水性能を持ちます。
水深2mの真水に60分沈めても支障がないため、(故意に付けるのでないならば)「お風呂で利用できるモデル」です。
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以上、Kindle Oasis の紹介でした。
電子ペーパー自体の品質は、Kindle Paperwhiteと同じです。
ただ、ガラスの反射防止加工や、相当数増えたLEDライトにより、実際的な視認性は最上級です。
とくに使い勝手について言えば、ページ送りや本体の重心設計などが「最適化」され、紙の本の読書により近い間隔で利用できる、部分でも優れます。
価格が高いのは、難点です。ヘビーユーザー以外は、下位機種を選べば良いでしょう。
ただし、形状的な工夫は「見事」で、使い勝手は値段相応によくなります。バックライトについても、視認性において「文句ない」レベルです。
価格は高いですが、下位機種に対して「納得感のある機能差」をうまく付けているなと感じました。
【2022年11月30日発売】
【上位機】(プレミアムペン)
15・Kindle Scribe 16GB
¥51,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
16・Kindle Scribe 32GB
¥54,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
¥59,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
【下位機】(スタンダードペン)
18・Kindle Scribe 16GB
¥47,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
画面サイズ:10.2インチ
画面密度:300ppi
バックライト;LED23灯
記憶容量: 16GB-64GB
通信機能:Wi-Fi
重さ:433g
Kindle Scribeは、2022年に登場した「超大画面」なKindleです。
ディスプレイは、10.2インチです。
重さは、433gです。
iPad Airほどの画面サイズと重さです。
本機は、日本では「ビジネス市場」がターゲットでしょう。ただ、米国では(アメリカサイズの電話帳並みに)馬鹿でかい教科書用に開発された製品に思えます。
実際、タッチペンが付属し、「Kindle本」についてのメモほか、PDFを読み込ませて「ノート」のように利用することを推奨しています。
バッテリー持続時間は、最大12週間です。
手書きを毎日30分利用しても、無充電で3週間利用できるので、カラーのタブレットと棲み分けはできるのだと言えます。
Carta電子ペーパー特有の「紙に近い質感」を好む方も多いでしょう。
タッチペンは、標準付属です。
上位機(プレミアムペン)のみ、「消しゴム機能・ショートカット割り当て」ができます。
なお、(ペンタブのような)多段階の筆圧検知はしないので、本格的な「お絵かき」はできません。しかし、簡単な図画や挿絵は書けます(16階調のグレースケール)。
画面密度は、本機も300ppiです。
画面が大きい分、詳細にはしていないですが、必要十分でしょう。
バックライトは、LEDのバックライトが35個です。
この部分は、画面の大きさに対する配慮があります。
通信機能は、Wi-Fiのみです。
記憶容量は、16GB・32GB・64GBと選べます。
充電は、USB-C端子経由です。
USB-C経由で、2.5時間でフル充電です。最大、最大12週間電池が持ちます。
防水性は、本機は担保がないです。
ここは注意点でしょう。
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以上、Kindle Scribe の紹介でした。
日本では、電子的な「手書きノート」が欲しい方に向けた製品でしょう。
AmazonがKindle用に電子ペーパーを大量発注している関係で、他社に比べても調達価格が安いようで、納得感のある値段です。需要はあるかと思います。
一方、洋書を読む際に、メモ(マーク)しながら読むには良さそうですが、一般的な読書には、あえてこのサイズを選ぶ必要はないでしょう。その部分では「特殊な製品」です。
ちなみに、個人的にはぜひ「カラー電子ペーパー」でさらなる上位機を出して欲しいかなと思っています。
【2022年11月発売】
19・Amazon Kindle キッズモデル
¥14,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
画面サイズ:6インチ
画面密度:300ppi
バックライト;LED4灯
記憶容量: 16GB
通信機能:Wi-Fiのみ
重量;158g(カバー込256g)
【8GB】
20・Amazon Kindle Paperwhite キッズモデル
¥18,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
【16GB】
21・Amazon Kindle Paperwhite キッズモデル
¥18,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
画面サイズ:6.8インチ
画面密度:300ppi
バックライト:LED17灯
記憶容量: 8GB/16GB
通信機能:Wi-Fi
重量;205g(カバー込321g)
Amazon Kindleキッズは、「子供用」のKindleです。
本体色は、ブラックのみです。
ただし、子ども向きの絵柄のKindleカバーが特別に付属しますので、それらから選ぶことになります。
基本性能は、2機種で異なります。
ただ、大人用のKindleとKindle Paperwhiteとそれぞれ同じです。
ベースモデルが違うだけなので、性能差も大人用と同じです。
その上で、Kindle日本語本のなかから1000冊ほどの子ども向け本が無料で読み放題という特典が付属します。
Amazon Kids+というサービスですが、1年間分の利用権が付属です。
詳しいコンテンツは【こちら】で確認できます。
遊びすぎを防いだり、利用コンテンツを確認できる「見守り設定」もできます。
この権利は1年限定なのですが、その後も、ご家庭がプライム会員の場合は480円、それ以外でも980円の月額で利用を続けることもできます。
そのほか、本機は、2年の限定保証が最初から付属しています。この部分も通常機よりお得です。
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以上、Kindleキッズの紹介でした。
子ども向け市場の開拓のため、かなり戦略的な価格でAmazonが販売しているとみられ、相当お買得です。
ただ、カラー端末のほうにも、同じコンセプトの製品があります。そちらは、もうすこし広範囲な「知育」を視野に入れていますので、個人的にはそちらの方が「おすすめ」ではあります。
詳しくは、このブログの【Amazon Fireタブレットの比較記事】で紹介しました。
今回の結論
読書にはおすすめなKindle端末は結論的にこれ!
というわけで、今回は、Kindleの全機種を比較してきました。
まだ、補足したい情報はありますが、いったん、予算別・目的別に、Atlasのおすすめ機種!を提案しておきます。
第1に、値段と性能のバランスが良く、現状最もおすすめできるKindle端末は、
【2021年10月発売】
7・Kindle Paperwhite 【広告あり】
¥17,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
8・Kindle Paperwhite 【広告なし】
¥19,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
画面サイズ:6.8インチ
画面密度:300ppi
バックライト;LED17灯
記憶容量: 16GB
通信機能:Wi-Fi
重さ:205g
液晶の画質 ★★★★★
夜間視認性 ★★★★☆
操作性 ★★★★☆
持ちやすさ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
11世代 Kindle Paperwhite の16GBが良いでしょう。
本体容量は、8GBもありますが、この値段差ならば16GBを推します。
一方、広告表示は、Kindle読書の邪魔にならないので、【広告なし】モデルを選ぶ意味をあまり感じません。
こうした点から,【広告あり】の【16GB】のモデルが、お買い得感を最も感じます。
Kindle Paperwhiteは、最上位機のOasisと同じ高詳細な電子ペーパーディスプレイを採用するため、画質面での期待値が高いです。
また、下位機種(無印のKindle)と違い、バックライトが17灯まで増え、しっかり「夜間対応」できるほか、色調調整も可能です。
細かい部分では、読書に集中しやすい「フラットベゼル」になるのもこのグレードからなので、(少し多く投資しても)このグレードを買う意味はあるように思えます。
「値段の安さ」と「性能」のバランスが良いので、「初めてKindleを購入する方は、この機種を買えば間違いない」と言えます。
【第11世代用】
ナカバヤシ 液晶保護フィルム
¥1,350 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
なお、本体のガラスは、あまり傷に強くないので、フィルムは付けた方が良いです。
簡単に付けることができます。
【第11世代用】
Amazon レザーカバー
¥4,780 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
運搬時の保護のため、また読書時の持ちやすさのために、専用ケースを購入するのも良いでしょう。付属モデルでは選べない、レザーカバーもあります。
この場合も、防止保護フィルムは貼った方が良いです。カバーの色は多色から選べます。
【第11世代用】
Kindle Paperwhite用 事故保証プラン 2年
¥1,380 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
保証を延長するには、こちらを購入します。
通常版の場合、本体価格はそれ程高くないので、必ずしも入らなくて良いかもしれません。
第2に、漫画をメインに読書する方や、読書家の方で、大量の蔵書を常に持ち歩きたい方は、
【2021年11月発売】
9・Kindle Paperwhite シグニチャー エディション
¥21,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
【+ワイヤレス充電対応】(Kindle特典なし)
10・Kindle Paperwhite シグニチャー エディション
¥24,460 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
画面サイズ:6.8インチ
画面密度:300ppi
バックライト;LED17灯
記憶容量: 32GB
通信機能:Wi-Fi
重さ:205g
液晶の画質 ★★★★★
夜間視認性 ★★★★☆
操作性 ★★★★☆
持ちやすさ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
Kindle Paperwhite シグニチャー エディション でしょう。
容量は、32GBです。
マンガのようなデータ量の多い本を読む場合は、たいへん有用だと思います。
そのほか、ワイヤレス充電器対応の部分は不要な方には不要かと思いますが、明るさセンサーによる明るさの自動調整は、移動中に使うにはあっても良いかと思います。
【第11世代用】
Kindle Paperwhite用 事故保証プラン 2年
¥1,380 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
【第11世代用】
Amazon レザーカバー
¥4,780 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
【第11世代用】
ナカバヤシ 液晶保護フィルム
¥1,350 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
保証金額やアクセサリーは、通常のKindle Paperwhiteと同じです。
保護フィルムは、(もしかすると明るさ調整の機能の差か)分けて売られるようです。
第5に、自宅ベッドや夜間飛行機など、照明のない場所で使える最高級機としておすすめなのは、
【2019年7月24日発売】
13・Kindle Oasis 【広告あり】
¥32,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
14・Kindle Oasis 【広告なし】
¥34,980 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
記憶容量: 32GB
画面サイズ:7インチ
画面密度:300ppi
バックライト;LED25灯
通信機能:Wi-Fi /4G
重さ:194g
液晶の画質 ★★★★★★
夜間視認性 ★★★★★
操作性 ★★★★★★
持ちやすさ ★★★★★
総合評価 ★★★★★★
新製品のKindle Oasisでしょう。
4Gモデルもありますが、割高ですので、Wi-Fiモデルで良いかと思います。
容量も8GBモデルもありますが、さほどの値段差でもないので、「大は小を兼ねる」で32GBをおすすめにします。広告の有無は、好き好きで選んでください。
Kindle Paperwhite と比較すると、本体の持ちやすさ、ページ送りのしやすさなどの利便性が「ワンランク上」です。
その上で、LEDライトが、30%増量されるため、「夜間や飛行機の中での読書」がより快適になっています。
防水性もありますし、読書中毒の方にはどこでも快適に読める点で、相当魅力でしょう。
一方、この製品は、既存のKindle端末からの「買換」で検討されている方がとても多いと思います。
その場合、2017年発売の「1世代前のOasis」からの買換の場合、調色ができる点のみの「進化」となります。この点が、購入動機になるかは、微妙な部分です。
ただ、2017年以前のOasisからの「久しぶり」の買換を検討している場合、また、Kindle Paperwhiteからのアップグレードを予定している方は、話は別です。
本体の重量バランスや、防水性能、バックライトの増量など、進化している点が相当多いです。そのため、利便性の部分で、満足のいく買い物になると思います。
Kindle Oasis用 事故保証プラン 2年
¥3,830 Amazon.co.jp (9/24執筆時)
なお、本体価格が高い分、保証金額はやや高めになります。
購入の際は、この部分も検討材料に入れるべきでしょう。
4・Kindleに便利なサービスの紹介
最後に、補足です。
補足は、2点あります。
はじめに、Kindleと同時に利用すると便利なサービスについてです。
第1に、Kindle Unlimitedについてです。
これは、「月額980円で特定の本・雑誌がで読み放題」というサービスです。
モノ系・家電系の雑誌や、MacやPC系の雑誌がとても多く、Atlasの場合、かなり「コスト削減」になりました。
本編で書いたように、現状で、新端末を買う際に「3ヶ月の無料利用権」が付属します。すでに契約がある場合も、(契約満了後にプラスする形で)使えるので無駄がありません。
事前に、1ヶ月間の試用も可能です【こちら】ので、試すのも良いでしょう。
ただし、Amazonプライム会員に付随するサービスですので、そちらの契約も必要です。
プライム会員ではない方は、【こちら】でプライム会員の1ヶ月の無料試用の登録を試すのも良いかと思います。
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第2に、Prime Studentサービスについてです。
これは、プライムサービスの「学生版」です。
大学、大学院、短期大学、専門学校、高等専門学校の学生の方は、Amazonプライム会員と同様のサービスが、年間2,950円で受けられます。
無料体験期間も設けています。
無料の配送特典・音楽・動画などのプライムサービスを得られるほか、さらに本が10%還元という独自特典が付きます。大学に大きな書籍部がない方には特にオススメです。
大学ドメインのメアドがあれば、簡単な情報入力だけで登録できます。
なお、Prime Studentについては【こちら】から申し込めます。サービスや特典については【こちら】でご確認ください。
5・自炊したPDFの表示法
続いて、お持ちのPDFファイルなどを、Kindle本体で表示する方法についての補足です。
Kindleは、どの端末も、Kindle形式(.mobi,.AZW)と、PDF形式(.pdf)の表示が可能です。
基本となる部分ですし、Kindle Scribeもでましたので、順番に説明しておきます。
第1に、PDF形式(.pdf)での表示です。
Kindleは、(Scribe以外でも)PDF自体の表示機能があります。
USBケーブル経由で、PDFファイルを送るだけで、PDF表示できます。
上の画像は、Atlasが自炊で作成したPDFファイルを、Kindle端末に表示した画面を、上からスマホで撮影したものです。
PDFでも十分に読むに足る取り込みができます。
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一方、ファイルサイズが大きいマンガほか、文庫本でも数百ページに及ぶ本のPDFは、KindleのCPUパワーの限界で、快適にページ送りできない場合があります。
例えば、PC上でも表示が遅いようなファイルは、「まず無理」と考えてください。
ただ、Kindle Scribeは、消息筋の情報では、少し良いCPUを積んでいるようです(要確認)。
解像度を無理に上げなかった部分を含めて、この部分が従来より「快適」に運用できるものと思われます。ここについては、なにかしら分かり次第で、追記するつもりです。
第2に、Kindle形式(.mobi,.AZW)での表示です。
Kindleに最適化されたアマゾン独自のファイル形式です。 PDFと比較して、ファイルが軽量で、(Amazonで購入した)Kindle本同様の扱いが「可能」です。
変換方法は、(基本的には)簡単です。
Kindle端末購入時、ユーザーは「 000@kindle.com」というユーザー固有の専用メールアドレスが貰えます。
そのアドレスに、「変換」ないし「convert」という標題を付けて添付メールを送れば、PDFや文書ファイル(doc., docx)から、Kindle形式にファイルが自動変換され、Kindle端末に「自炊本」が登録されます。
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ただ、自動変換は、相当程度「適当」で、満足のいくクオリティが(ほぼ)得れないといえます。
そのため、自炊中級者以上は、ハッキリとクリアな画質で閲覧したい場合は、別の方法で、mobi形式に変換するのが普通です。
calibre for Windows
¥寄附 窓の杜(9/24執筆時)
calibre for Mac
¥寄附 公式英語サイト(9/24執筆時)
その場合、最も便利かつ手軽なのは、calibreというアプリを利用する方法です。
これは、有名な書籍管理ソフトですが、PDFをインプットし、Kindle形式(.mobi)にアプトプットする機能も持ちます。
Mac版、Windows版ともに、アプリは完全に日本語化されています。
出力したいKindle端末の形式を最初に入力するだけでライブラリが起動します。
その後、インターフェースにPDFファイルをドラッグすれば、mobi形式に自動で変換が進みます。
自動でKindle用に最適化されたファイルができますが、よりこだわった手動設定も可能です。
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以上、自炊したPDFの表示法についての「補足」でした。
本格的にKindleに対応させたい場合は、Kindle形式(.mobi,.AZW)に変換させた方が、(Kindle本と同じ操作ができる点で)完璧です。
しかし、かなり頑張って作業する必要があり、(かなりこだわりたい場合を除けば)作業量に見合った結果は得にくいです。Atlasも「挫折」しました。
結論的にいえば、ある程度容量を絞った「PDF画像」をKindleで表示する方向性でいくのが、現状では、最も効率的だと思います。
さらに、自炊の上級者向けに、2点、補足しておきます。
第1に、透明PDFについてです。
なお、自炊中級者以上で、【日本語OCRの比較記事】で紹介したような専門ソフトで、画像の下に文字を埋め込み、検索できるPDF(=透明PDF)を作成している方もいると思います。
その場合、メールでの自動変換では、PDFに埋め込んだ文字だけをKindleが読み取ります。
「画像のまま」PDFを表示したい場合は、(必ず)USB経由で転送してください。
第2に、ドキュメントスキャナの設定についてです。
Kindle端末で読みやすいファイルを作る場合ですが、小説は「白黒2値」で、漫画は「グレースケール」で取り込んでください。
解像度は300dpi以上は必要です。
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1・ドキュメントスキャナーの比較
2・ブックスキャナーの比較
3・初級者用裁断機の性能比較
4・ディスクカッターの比較
5・日本語OCRソフトの比較
6・英語OCRソフトの比較
7・自炊に必要な機材の総まとめ 【結論】
そのほか、モノマニアでは、書籍の自炊に関係する記事を多く書いています。
おすすめ機材などを知りたい方は、このブログの上記の関連記事もよろしくお願いします。さしあたっては、7番の「まとめ記事」が適当かと思います。
ーーーというわけで、今回は、Kindle端末のレビューでした。
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