Top 炊飯器 比較2023’【美味しい】5.5合炊飯器46機の性能とおすすめ・選び方(1)

2023年09月25日

比較2023’【美味しい】5.5合炊飯器46機の性能とおすすめ・選び方(1)

【今回レビューする内容】2023年 5合炊き炊飯器の性能とおすすめ・選び方:人気機能の違いや性能ランキング :圧力式炊飯器 IH式炊飯器

【比較する製品型番】Panasonic SR-FD101-T SR-FE101 SR-HB100 R-STS100 SR-SZ100-K SR-SZ100-W SR-NA102 SR-NB102 象印 極め炊き NW-VE10 NW-YA10 NP-ZX10 NW-CA10 NW-VD10 NW-JE10 NW-VC10 NW-VB10-TA NW-VH10-TA NP-HA10-XA 象印 STAN. NW-SA10 NW-SA10-BA NP-ZW10 NP-ZU10 NP-BL10 NP-BK10 NW-CB10-BA 日立 ふっくら御膳 RZ-X100DM RZ-AX10M R RZ-BC10M S RZ-H10EJ S

今回のお題
上手に炊ける!5合炊き炊飯器のおすすめはどの機種?

 どもAtlasです。

 今日は、2023年9月現在、最新の5.5合炊きの家庭用炊飯器の比較をします。

 「美味しく炊ける!」をキーワードに、加熱方式・内釜の質・食感調整・保温機能などの機能差に注意しながら、各機を分析しました。

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 今回は、かなり多くの炊飯器を紹介します。

 しかし、一度に扱うには多すぎるため、予算別に2回の記事わけました。

1・5合炊きの高級炊飯器
 予算:3.5万円〜15万円
2・5合炊きの格安炊飯器
 予算:1万円台〜3.5万円

 今回は、2回目記事です。

 「1万円から3万円台」の予算で、「安くても美味しく炊ける」炊飯器の比較です。

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 「3万円台」を大きく超える高級機は、1回目記事こちら)で扱います。

 予算的にそのようにお考えだった場合、そちらをお読みください。

 どちらからお読みでも、分かるように書いています。

もちもち炊飯  ★★★★★
しゃっきり炊飯 ★★★★★
ご飯の甘み   ★★★★★
保温性能    ★★★★★
手入れの手軽さ ★★★★★
総合評価    ★★★★★

 そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントからAtlasのおすすめ機種を提案していきます。

 長い記事ですが、よろしくお願いします。

ーーー

1・5合炊きの高級炊飯器の比較
 人数:2-4人用
 予算:3.5万円〜15万円
2・5合炊きの格安炊飯器の比較
 人数:2-4人用
 予算:1万円〜3.5万円
3・一升炊きの高級炊飯器の比較
 人数:5人以上
 予算:3.5万円〜15万円
4・一升炊きの格安炊飯器の比較
 人数:5人以上
 予算:1万円〜3.5万円
5・3合炊き小型炊飯器の比較
 人数:1-2人用
 予算:5千円〜8万円
6・糖質カット炊飯器の比較
 人数:1-4人用
 予算:1万円〜3.5万円
7・おすすめ炊飯器の選び方【まとめ】
 =選び方についての補足的な解説

 なお、今回の記事は、このブログの炊飯器比較シリーズ全体では、2回目の記事となります。

1-1・家庭用炊飯器の選び方の基本!

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 1-1・沸騰温度の持続性
 1-2・加熱方式
 1-3・内釜の素材と厚さ
 1-4・ご飯の炊き分け機能

 具体的な製品紹介にはいる前に、3万円代までの「炊飯器の選び方の基本」について、紹介しておきます。

 「低価格でも美味しく炊ける」炊飯器を選びたい場合、ポイントとなるのは、以上の4つの要素です。

 順番に解説しておきたいと思います。


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 第1に、炊飯器の沸騰温度の持続性です。

 家庭用炊飯器で美味しいご飯を炊くには、100度の沸騰温度を長く続けられることが最大のポイントです。

 しかし、ヒーター1本ではパワーが弱く、持続的な沸騰温度の維持ができないといえます。そ

 のため、性能の高い高級機は、複数のIHヒーターや、補助的な電熱ヒーターを、複数装備します。

 例えば、上図は、底面にIHヒーターが1段と、側面とふたに電熱ヒーターが3本の、総計「4重ヒーター」です。

 今回の記事では、「格安でもヒーターの強い機種」を探します。


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 第2に、炊飯器の加熱方式です。

 これは、先ほどみた沸騰温度の持続性にも寄与します。

 しかし、むしろ、炊飯の味の方向性(個性)を決める要素と、Atlasは考えています。

1・マイコン式  
 =火力が弱く、炊きムラがあり美味しくない
2・IH方式  
 =米そのもの味の個性が出やすい
3・圧力IH方式
  =ふっくら/もちもち系の炊飯が得意
4・可変圧力IH式
 =かたさの炊き分けが得意
5・スチームIH方式  
 =ハリがある硬めの炊飯が得意

 「3万円台以下」の製品でラインナップがあるのは、上表の5方式です。

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 また、それぞれの炊飯の特徴を(ざっくり)示すと、上表のようになります。

 あくまで「傾向」なので、メーカー・機種によって傾向は変わります。こうした部分は、本編で書いていきます。

 ただし、マイコン式炊飯器(=底面に電熱線ヒータがあってそれが鍋を加熱する)と、IH式炊飯器(=鍋自体を電磁波で加熱する方式)の間では、「味の面で超えられない高い壁」があることだけは、確定的な事実です。

 率直に言って、マイコン式で美味しいご飯が炊ける炊飯器はありません。

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 IH式炊飯器は、硬めの炊飯が得意であるほか、(お米をいじらないので)お米の品質や銘柄の個性がストレートに出るので、銘柄の違いが楽しめます。

 しかし、食感や堅さの炊き分けが苦手で、お米の粘りも出しにくいと言えます。

 圧力IH炊飯器は、ご飯の甘みや粘りをよく引き出せます。

 しかし、どのような銘柄のお米も同じような味になりがちで、個性を楽しみにくい、ということになります。

 他方式については、各製品を紹介する中で、詳しくふれたいと思います。


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 第3に、内釜の素材と厚さです。

内釜の厚さ」は、炊飯器を比較する場合、とくに重要な要素です。

 基本的には、厚みがあるほど沸騰高温状況のキープが可能で、美味しいご飯が炊けます。

 特に圧力をかけない炊飯器については、「釜の厚み=味」と言っても良いほど、重要な要素で、注意が必要です。

 しかし、3万円以下の炊飯器は、厚みを削ることで「コスト削減」している機種が多くあり、注意が必要です。

内釜の構造や材質」も、重要です。

 3万円以下の炊飯器は、ただし、内釜の素材自体には、あまり工夫の余地がありません。

 しかし、鍋・炭・プラチナなどのコーティング部分の材質に注目すると、その製品の性能が分かってきます。

 今回の記事では、こうした釜の品質にも比重を置いてを置いて調査します。


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 第4に、ご飯の炊き分け機能です。

 この価格帯の炊飯器でも、「かため」「ふつう」「やわらかめ」など、ご飯の堅さを指標にした炊き分け機能があります。

 少し上級になると「しゃっきり」「もちもち」などご飯の食感をも指標に加えたものがあります。

 上図のように、立体的にご飯の炊き分けが可能な機種もあります。

 自分の好みのお米の「堅さ」「食感」が表現できる方は、炊飯器の炊き分け機能の有無を重要視するべきでしょう。

ーーー

 以上、3万円台までの炊飯器の「選び方の基本」を4点紹介しました。

 今回は、これを基準としつつ、保温機能ほか、利便性に関わる部分などをみながら、各製品を比較していこうと思います。

1・5.5合炊き格安炊飯器の比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:パナソニック
 1-3:象印
 1-4:日立
2・5.5合炊き格安炊飯器の比較 (2)
 2-1:アイリスオーヤマ
 2-2:三菱電機
3・5.5合炊き格安炊飯器の比較 (3)
 3-1:タイガー
 3-2:東芝  
 3-3:シャープ
4・5.5合炊き格安炊飯器の比較 (4)

 =最終的なおすすめの提案【結論】

 今回は、以上のようなメーカー順で、各社の製品を紹介します。

1-2・パナソニックの炊飯器の比較

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 はじめにパナソニックの炊飯器です。

 総合家電メーカーとして、古くから炊飯器を作っています。

 この分野に強かった旧三洋電機を吸収してからは、両者の技術の「ハイブリッド」な優秀な製品を多く出すようになりました。

 格安機でも優秀な製品が多いのが特長です。

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 なお、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤字系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記しています。


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 【2021年9月発売】

 1・Panasonic SR-FD101-T
  ¥16,760 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

炊飯方法:IH炊飯  
圧力炊飯:
内釜素材:ダイヤモンド銅釜 
内釜厚さ:1.7mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:

 PanasonicSR-FD1シリーズは、パナソニックのIH炊飯器では、最も安いモデルです。

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 炊飯方式は、IH炊飯です。

 柔らかく、ふっくらとした炊飯は圧力IH炊飯器に負けますが、しっかりと、米の弾力を感じる炊飯は、割と得意です。

 ヒーターの段数は、2段です。

 本機は、ふたヒーターと側面ヒータをダブルで搭載する「4重加熱」のため、総合的な火力は、パナソニックは高いでしょう。1万円前後で買えるIH式としては優秀です。

 その上で、次の2つの技術も注目に値します。

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 第1に、「酵素活性浸水技術」です(旨み熟成浸水)。

 お米の浸水時(炊飯前半)の温度を2段階で浸水することで、米の甘みを引き出す技術です。長時間お米を水に浸す時間がなくても、美味しいお米が炊けます。

 第2に、「うま味キャッチャー」です。

 通常蒸気を通して逃げてしまう「おねば」成分を炊飯器の中に戻す仕組みです。

 それにより、IH炊飯でもお米の甘さを感じられる炊飯を実現します。

 同社の高級機は、「新・酵素活性浸水」・「トルネード旨みキャッチャー」とワンランク上の機能を搭載しますが、、同種の技術を1万円代の炊飯器に使っている点は好感がもてます。

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 使われている釜は、ダイヤモンド銅釜です。

 蓄熱性・熱伝導性双方に優れる銅は、炊飯器に最適な素材です。

 高価なので利用は最低限ですが、効果を発揮しやすい外縁部に採用します。お米の対流がより促されるでしょう。

 釜の厚み1.7mmと、あまり厚くなく「それなり」です。

 同社の場合、IHヒーターでの火力重視なので、内釜はこの厚さでも良いという方向性です。

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 コーティングは、内鍋の内側にダイヤモンド・コーティングがなされています。

 タイガーの土鍋にせよ、パナソニックのダイアモンドにせよ、炭素系の内側コーティングは熱伝導率を高めるので、ふっくらしたご飯を炊くのに有効です。

 ご飯の堅さは、調整のできないタイプです。

 ただ、「早炊きコース」を用いた場合、やや堅めにご飯を炊くことは可能です。

 ご飯の保温は、 いきいき保温という機能を持ちます。

 簡易的な保温機能であり、食べごろ温度より少し低めに保温するだけの機能です。ご飯の「再加熱」機能も付きますが、いずれにしても、簡易的なレベルに止まります。

 お手入れは、簡単です。

  洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶた・蒸気ふた(うまみキャッチャー)だけです。

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 以上、パナソニックのSR-FD1シリーズの紹介でした。

 IH炊飯器としてのかなり格安なモデルの1つです。

 しかし、酵素活性浸水技術や、うま味キャッチャーなどの独自技術が取り入れられているなど、性能面でも期待できる機種です。

 釜の厚みはアイリスオーヤマに負けますが、ヒーターの数などの加熱力や、うま味キャッチャーの搭載など、独自性が多い点では、パナソニックが優るでしょう。

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 【2021年7月発売】SR-FE109-K後継品

 2・Panasonic SR-FE101-K
  ¥11,636 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

 なお、本機の「下位機」として、SR-FE1シリーズがあります。

 内釜の厚みが1.5mmになっている点が、上位機との相違点です。IH式はこの部分が結構重要ですので、違いは大きいと言えます。

 ちなみに、新旧の違いは、雑穀米コースが省略され、すし・カレーコースが新設された点だけです。


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 【2023年8月発売】

 【自動調理機能あり】

 3・パナソニック SR-CR10A-K
  ¥31,852 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

 【自動調理機能なし】

 4・パナソニック SR-R10A-W
 4・パナソニック SR-R10A-G
  ¥27,391 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

 【2022年発売】

 【自動調理機能あり】

 5・パナソニック SR-NA102-K
  ¥32,980 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

 【自動調理機能なし】

 6・パナソニック SR-NB102-W
 6・パナソニック SR-NB102-G
  ¥24,990 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.1気圧
内釜素材:ダイヤモンドかまど釜
内釜厚さ:2.2mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:3段階

 SR-R10ASR-CR10Aは、パナソニックの炊飯器の中級機です。

 2022年から登場の新シリーズになり、こちらは圧力式です。

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 本機は旧機種が残ります。

 大きな違いは、内鍋です。旧機種の場合、全面打ちだし加工がある上で、内釜の厚さは2.4mmでした。

 一方、新機種は、この加工がないので、厚みが2.2mmと少しスケールダウンしました。

 代わりに、底面にディンプル加工(凹凸)が付いて、お米の滞留を促す機能性が付いたのですが、全体として言えば、旧機種の方が良い仕様です。あとは、後述する「調理」機能について、一部「予約調理」に対応したのが違いです。

 結論的にいえば、炊飯だけで言えば、在庫があり、価格が安いうちは旧機種で良いかなと思います。なお、新機種も「そう悪くもない」ので、値段差が逆転しているならば、新機種を選びましょう。

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 形状は、両機とも、写真のような「おひつ型」です。

 最近流行してきた形です。

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 なお、2系統ありますが、上位機については「自動調理」対応です。何種類かの副菜メニューが調理できます。

 上の写真で「★」を付けているものは、タイマー設定での予約調理もできます。

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 時間と温度を設定しての手動調理も対応です。

 野菜の無水調理ほか、お肉の低温調理ができます。この部分で言えば【多機能調理機の比較記事】でみた、各社の製品に近いです。

 手動を合わせて、全部で65レシピの提案があります。

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 炊飯方式は、圧力IH炊飯です。

 近年、パナソニックは中位機に圧力を使う製品がなかったので、(上位機を除くと)久しぶりと言えます。

 かけられる圧力は、ただ、1.1気圧(102度)に止まるので、同社の上位機や、次に見る日立などよりも弱いと言えます。

 とはいえ、お米の心までアルファ化するという、効果は期待できます。一方、先述の自動調理における、料理の「時短効果」は、この作動圧力だと期待できないです。

 ヒーターの段数は、IHで2段です。

 この部分だけで言えば、入門機と変わりません。

 多段IHはパナソニックの「味の秘密」と言えるので、同社的な言い回しで言えば(高級機ほど)「お米はあまり踊らない」とはいえそうです。

 火力の期待値は弱めです。

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 使われている釜は、「ダイヤモンドかまど釜」です。

 厚みは2.2mmです。また、底面にディンプル加工があります。

 この加工があると泡が出来やすいので、お米の対流を促せます。

 コーティングは、外装はシンプルな黒塗装で、内装も、普通の遠赤ダイヤモンドハードコートです。

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 なお、同社の上位機の場合、多段のIHヒーターに加え、中空構造を含む多層構造の内鍋を採用します(上図)

 それと比べると、装備の部分で、(3万円オーバーの)同社の上位機とはは感じます。

 ご飯の堅さは、 「ふつう(銀シャリ)」「やわらかめ」「かため」から設定可能です。

 ご飯の保温は、特段機能はないです。

 「いきいき保温」という、少し低めの温度で保温する機能がある程度です。

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 お手入れは、一方、圧力式ですが、です。

 とくに面倒な加熱板について、食洗機であらえるのはワンポイントでしょう。このために、「ほどほどの圧力」なのかもしれません。圧力を使ったお手入れ機能(ニオイ除去)もあります。

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 以上、PanasonicSR-R10ASR-CR10Aの紹介でした。

 炊飯部分について言えば、圧力IH式ながら、さほど高度ではないといえます。ただ、シンプルな外観、手入れのしやすさ、炊飯以外の用途を含めて、面白い部分は多いです。

 逆説的ですが、価格に比して「ご飯の味」はそこそこでも、色々調理できる点に魅力を感じるならば、上位機は選択肢にはなるでしょう。

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 【2023年9月発売】

 7・パナソニック おどり炊き SR-M10A
  ¥35,345 Amazon.co.jp
(9/25執筆時)

 【2022年9月発売】

 7・パナソニック おどり炊き SR-MPA102
  ¥28,727 Amazon.co.jp
(9/25執筆時)

炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:ダイヤモンドかまど釜
内釜厚さ:2.4mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:3種類

 なお、先ほど少し触れたのですが、あと少し予算が出せるようならば、1グレード高い上級機が手に入ります。

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 こちらは、多段IHで、多層構造の内釜を採用している部分で「パナソニックらしい」です。

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 圧力可変圧力IHなので、基本部分でもやはり上位です。

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 ただ、売出時価格だと4万円を超える機種ですので(今回の記事ではなく)【5.5合の高級炊飯器の比較記事】の方で取りあげています。

 型落ちならば、より安く手に入る時期もあるため、パナソニック機に興味のある方は、そちらの記事も確認をお願いします。

1-3・象印の炊飯器の比較

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 続いて、象印の炊飯器を紹介します。

 同社の場合、比較的値ごろ感のある機種で「圧力式」があるのが特徴です。


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 【2023年9月発売】

 8・象印 極め炊き NW-VE10-BA
 8・象印 極め炊き NW-VE10-WA
  ¥19,980 楽天市場 (9/25執筆時)

 【2022年発売】

 9・象印 極め炊き NW-VD10-BA
 9・象印 極め炊き NW-VD10-WA
  ¥16,993 楽天市場 (9/25執筆時)

 【2021年発売】

 10・象印 極め炊き NW-VC10-TA
  ¥15,440 楽天市場 (9/25執筆時)

 【2020年発売】

 11・象印 極め炊き NW-VB10-TA
  ¥16,000 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

 【2020年発売】【特定販売店用型番】

 12・象印 極め炊き NW-VH10-TA
  ¥17,800 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

炊飯方法:IH炊飯  
圧力炊飯:
内釜素材:黒まる厚釜  
内釜厚さ:1.7mm
内釜保証:3年保証
保温機能:うるつや保温
堅さ調整:3段階

 NW-VE10は、象印の炊飯器「極み炊き」シリーズの入門機です。

 本機は、旧モデルを含め、複数の型番があります。

 2020年機までは、最新機に対して、ボタン部分に抗菌加工がない程度の違いです。

 あとは、外観色の違いだけで、基本性能は変わりません。

 ただ、特定販売店用型番とある機種だけは、釜の厚みと釜のコーティングについての情報非開示です。

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 結論的にいえば、NW-VH10を除けば、どれを選んでも良いと思います。

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 炊飯方式は、IH炊飯です。

 象印というと圧力IH炊飯器のイメージがありますが、下位機種は普通のIH炊飯器です。

 ヒーターの段数は、非公開です。

 ただ、IHヒーターは、多くて2段で、そのほかは普通のシーズヒーターでしょう。

 豪熱沸騰IHという名前が付きますが、あまり強調する部分ではありません。

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 使われている釜は、「黒まる圧釜」です。

 特にブランド名のあるコーティングなどはなされませんが、丸底形状は米の対流を促しやすい構造です。

 ただ、釜の厚さは1.7mmです。IH炊飯器としてはさほど厚くはないといえます。このあたりは、割り引いて評価しないといけないでしょうね。

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 ご飯の堅さは、「かため・ふつう・やわらかめ」から選択可能です。

 ただ、圧力を伴わないIH炊飯なので、お米にハリのあるタイプの炊飯が得意でしょう。

 その上で、甘みを引き出す「熟成炊き」というプレミア炊飯モードば搭載されます。

 一方、玄米と麦ごはんについてのモードもあります。

 ご飯の保温は、「うるつや保温」を搭載します。

 パナソニックのエコナビ保温と同等です。温度センサーによりご飯の保温温度を調整する仕組みです。

 お手入れは、簡単です。

 洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶただけです。

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 以上、象印のNW-VDシリーズの紹介でした。

 温度センサーを使った保温機能が付属している点が、他機種に較べての魅力でしょう。

 この機能は、他社のこの価格帯のモデルにはない機能なので、長時間保温をする人にはおすすめな機種です。一方、その他の部分は、やや「平凡」な機種です。


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 【2020年発売】(在庫限り)

 13・象印 極め炊き NP-HA10-XA
  ¥19,500 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

炊飯方法:IH炊飯  
圧力炊飯:
内釜素材:プラチナ厚釜
内釜厚さ:1.7mm
内釜保証:3年保証
保温機能:うるつや保温
堅さ調整:3段階

 NW-Hシリーズは、NW-VAシリーズの上位機にあたる炊飯器です。

 ただ、本機は後継機がでないまま生産完了になります。そのため、まだ割高ではないですが、価格の推移はみてください。

 炊飯方式は、こちらもIH炊飯であり、その他の機能もほぼ下位機種と同じです。

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 大きな相違点は、内釜です。

 1.7mmと同様の厚みです。しかし、同社の「プレミア釜」である、プラチナ厚釜が採用です。

 象印によれば、プラチナコーティングすることで、中の水を弱アルカリ性にすることで、炊きあげ時の米の甘み成分(還元糖量)を15%ほどアップさせることができます。

 ご飯の堅さは、ふつう・やわらかめ・かためと選択可能となっています。

 ただ、その他の点では同じです。また、この値段を出せば、象印の可変圧力IHも狙えるので、あまり購買意欲は湧きません。


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 【2019年1月発売】

 14・象印 STAN. NW-SA10-BA
  ¥32,480 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

炊飯方法:IH炊飯  
圧力炊飯:
内釜素材:黒まる厚釜
内釜厚さ:1.7mm
内釜保証:3年保証
保温機能:うるつや保温
堅さ調整:

 NW-SA10-BA は、象印の「デサイン重視」のスタンドットシリーズの製品です。

 同社の炊飯器では「売れ筋」の人気製品です。

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 家電業界は、バルミューダプラマイゼロのような、「デザイン家電」メーカーがスタイリッシュな製品を量産しています。

 それへの象印の「対応策」としてのシリーズといえます。

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 【紙フィルタ式コーヒーメーカーの比較記事】などで紹介したように、象印の他の調理家電にもSTAN.シリーズを設けて、キッチンで揃えて貰う「コンセプト」で「売って」います。

 デザインは、株式会社TENTに外注し、外部デザイナーを使っています。

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 外観は、黒モノ家電ぽい「格好良さ」があります。

 しかし、中身のユニットは、平凡です。例えば、内釜は、IHでは最下位クラスの1.7cmの黒丸厚釜です。

 おそらく、2段あるIHヒーターで全面加熱はしています。

 また、3段階の硬さの炊き分けはできますが、値段に比して、工夫はそれに止まります。

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 ほぼ唯一の「独自性」は、レシピ集に離乳食メニューが多く、「ベビーごはんモード」がある点です。

 このような着想は良いと思いますが、他機でも実現可能でしょう。

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 以上、Stan.シリーズのNW-SA10の紹介でした。

 象印のこのシリーズは、見た目のデザインを優先した設計です。

 また、そのデザインは、機能を突き詰めて至った産業デザインの「機能美」ではなく、どちらかと言えば、外観的・表面的な「美しさ」です。

 この点で賛否はあるでしょうが、キッチン映えする点は「さすが」です。

 しかし、外部委託のデザイン料の分だけ割高です。また、「ご飯の美味しさ」にかかわるオリジナルの技術に乏しいので、性能面の評価ではあまり高くできません。


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【2023年9月発売】

 15・象印 極め炊き NW-YA10-BA
 15・象印 極め炊き NW-YA10-WA
  ¥31,000 楽天市場 (9/25執筆時)

炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.15気圧
内釜素材:黒まる厚釜
内釜厚さ:1.7mm
内釜保証:1年保証
保温機能:うるつや保温
堅さ調整:2段階

  NP-YAシリーズは、象印の炊飯器「極み炊き」シリーズの中級機です。

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 2023年から展開の新形状で、上で見たStan.シリーズに近い、スクエア型のフォルムになりました。

 フラットトップで「お手入れしやすさ」を重視した形状でもあります。

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 炊飯方式は、圧力炊飯器です。

 下位機種はIH式炊飯式でしたが、この機種から「象印が得意」とする圧力炊飯となっています。

 かけられる圧力は、最大1.15気圧で、最高温度は104度です。

 これは「強圧が自慢」の象印としては「弱い」数値です。ボールは1つで、圧力の可変機構も付属しません

 なお、象印の炊飯器はかける圧力はかえられます。ただ、1気圧(大気圧)と1.15気圧を繰り返すだけなので、後ほど見るタイガーほど細かくはありません。

 その代わりに、気圧を1.3気圧と業界最高にすることに「こだわり」があります。その点でいっても、最高気圧の低いこの炊飯器は「イマイチ」です。

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 とはいえ、沸騰温度の持続性は、写真のような大火力ユニットで、泡による吹きこぼれ防止構造にする工夫はあるので、(その温度範囲内で)圧力構造を活かしきることはできます。

 ヒーターの段数は、非公表です。

 おそらく多くて2段で、あとは、シーズヒーターで補うという方式です。

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 使われている釜は、象印では、最もランクの低い「黒まる圧釜」です。

 釜の厚さは1.7mmで、こちらも先ほどと同じです。

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 ご飯の堅さは、 一般的に、圧力炊飯器は、圧力炊飯器以外と較べた場合、お米の粘り・甘みが強調された、「ふっくら」系のご飯が得意です。

 また、この機種は、「しゃっきり」モードが搭載されており、ご飯の粘りを抑えた炊飯も可能です。ただ、上位機種のような細かい炊き加減の微調整は不可能です。  

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 その上で、硬さの指標として「やわらか」という、新指標が加わっています。

 雑穀系は、残酷米・玄米・麦飯などのコースがあります。

 玄米の食感調整はできません。

 ご飯の保温は、こちらも「うるつや保温」が搭載されます。

 底部の温度センサーで最適な温度でご飯を保存する機能です。このグレードでは、性能は良いと言えます。

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 お手入れは、洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶたセット蒸気口です。

 圧力炊飯器のため、蒸気口は毎回手入れが必要です。また、内ぶたは安全弁などの突起部がありますが、他社同様に、最近の圧力IH炊飯器には掃除がしやすいです。

 ただ、内ぶたはステンレスではないので、若干汚れは落としにくいかもしれません。

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 以上、象印のNP-YAシリーズの紹介でした。

 格安な圧力IH炊飯器ですが、圧力の高さや、内釜のコーティングなど、価格相応の部分も目立ちます。できれば、より上位の機種のほうが良いでしょう。

ーーー

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【2022年7月発売】

 16・象印 極め炊き NP-ZX10-BA
  ¥23,580 楽天市場 (9/25執筆時)

【2021年発売】

 16・象印 極め炊き NP-ZW10-TD
  ¥28,490 楽天市場 (9/25執筆時)

【2020年発売】

 16・象印 極め炊き NP-ZU10-TD
  ¥21,190 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.15気圧
内釜素材:黒まる厚釜
内釜厚さ:1.7mm
内釜保証:1年保証
保温機能:うるつや保温
堅さ調整:2段階

 なお、このグレードの旧機となるのが、 NP-ZXシリーズです。

 最も大きな違いは、外観で、旧来のオーソドックスな形状です。

 ただ、圧力構造・内釜・保温を含めて、基本機能は、新機種と同じでありつつ、内ふたがステンレスです。

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 結論的にいえば、値段が安い部分を含めて、外観のデザイン性にこだわらないならば、こちらを選んでも良いかなと思います。ただ、次に見る上位機とは差があるので、機能面の比較は重要です。


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 【2023年7月発売】

 17・ 象印 極め炊き NW-CB10-BA
 17・ 象印 極め炊き NW-CB10-WA
  ¥40,320 楽天市場 (9/25執筆時)

 【2022年発売】

 17・ 象印 極め炊き NW-CA10-BA
 17・ 象印 極め炊き NW-CA10-WA
  ¥33,060 楽天市場 (9/25執筆時)

 【2021年1発売】

 17・ 象印 極め炊き NW-JE10-BA
  ¥34,303 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.3気圧
内釜素材:鉄器コート黒まる厚釜
内釜厚さ:1.7mm
内釜保証:1年保証
保温機能:極め保温
堅さ調整:49通り

 NW-CBシリーズは、象印の圧力IH炊飯器の中位機です。

 2022年機が残ります。

 違いは、液晶の背景色が異なるほかは、新機種のみ、雑穀米について3通りの食感炊き分けに対応する程度です。

 値段の安い方でOKです。

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 さらに旧シリーズ(NW-JE10)も残ります。

 こちらは、プラチナコートで甘みを引き出しやすい鉄器コートプラチナ厚釜で釜のグレードが現行機より1ランク高かったと言えます。しかし、すでに価格差があります。

 実際旧機の今の値段だと、【高級炊飯器の比較】で紹介した同社の1ランク上位機(の型落ち)に手が届くので、おすすめしません。

 したがって今回は、2022年機以降をもとにした紹介です。

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 炊飯方式は、圧力炊飯器です。

 かけられる圧力は、最高1.3気圧業界最高水準です。

 圧力IH炊飯器が得意な、もっちり、甘い系のお米の炊飯はかなり得意でしょう。

 なお、象印の場合は、圧力を一定の水準(7通り)で調整します。

 しかし、タイガーの「可変式」のように、高圧・低圧を切り替えて米を対流させる仕組みではなく、あくまで「甘さ」を引き出すための調整です。それが、象印特有の「個性」を生み出しています。

 IHヒーターの段数は、この機種も、非公表です。恐らくIH2段で、総計4重加熱だと思います。

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 使われている釜は、 鉄器コート黒まる厚釜です。

 1.7mmの釜で素材を含めて1つ上でみた下位機と同じです。

 ただ、表面に「鉄器コート(鉄コーティング)」がなされていて、熱伝導性を高めています。銅や炭素系素材のほうがこの部分の効果は高いですが、この価格帯では鉄もそこそこ良い素材の1つです。

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 ご飯の堅さは、49通りの選択肢が可能です。

 「しゃっきり」「もちもち」が7段階、「かため」「やわらかめ」が7段階でそれぞれ設定できる仕組みです。

 また、前回食べたお米についての感想(柔らかすぎたなど)を入力することで、それを学習した炊飯器が、次回の炊飯に反映します。「わが家炊き」メニューと名付けられた機能です。

 いずれにしても、米の堅さにこだわりがある人には特にオススメできます。

 そのほか、玄米についても、下位機種同様にコースがあります。

 炊きあげたご飯の保温 は、「極め保温」が搭載です。

 ふたセンサーが温度を見張り最大40時間までの保温を可能にするというものです。

 制御的には、人工知能AIとふた開閉センサー(うるおいセンサー)がご飯の残量を推測して、底部の火加減を調整する仕組みです(保温見張り番)。

 この価格帯の製品としては、割と充実しています。

 お手入れは、洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶたセット蒸気口です。

 こちらは下位機種とかわりません。圧力IH炊飯器にしては掃除がしやすいとはいえます。

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 以上、象印の極め炊き NP-CBシリーズの紹介でした。

 内釜のグレードはライバル機に比べると「そこそこ」です。ただ、圧力炊飯ですし、堅実な性能は期待できます。

 その上で、49通りの炊き分けと、40時間の保温に対応しますので、この価格帯の製品としては総合性能は高いほうです。

 保温については東芝も独自性がありますので比較は必要ですが、炊き分け指標の細かさは、それでも光るものがあります。

 圧力炊飯器の「甘い・粘る」系の味が好きでありつつも、いろいろな炊き加減を試したい人はこの機種はオススメです。

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 【2021年発売】(黒のみ)

 18・ 象印 極め炊き NP-BL10-BA
  ¥24,200 楽天市場 (9/25執筆時)

 【2020年発売】NP-BJ10-BA後継品

 18・ 象印 極め炊き NP-BK10-BA
 18・ 象印 極め炊き NP-BK10-WA
  ¥27,031 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.15気圧
内釜素材:鉄器コートプラチナ圧釜
内釜厚さ:1.7mm
内釜保証:3年保証
保温機能:極め保温
堅さ調整:49通り

 一方、形状が異なりますが、本機の下位機種と言えるのが、NP-BLシリーズです。 

 2021年の販売だったので、内釜は(少し良い)プラチナコートです。しかし、より重要な部分と言える「圧力」が1.15気圧相当です。

 また、写真の蒸気ふたの部分が取外し洗いになる点で洗い物の点数が1点増えるほか、釜の厚みも、1.7mmです。

 それ以外は同じです。

-- 

 結論的にいえば、本機の場合、旧機ならば2万円台でも買えます。

 予算上限をこのあたりに置くとすれば、2つほど上で見た、象印の1.15気圧クラスの機種を選ぶよりは、釜の性能、保温、炊き分けの部分で優れますので選択肢になりそうです。 

 ただし、他社に比べた場合の象印の圧力式の「味の秘密」は、1.3気圧の部分にあるともいえるので、予算があれば、(象印を指名買いするとしても)この気圧が出せるような上位機が良いかと思います。

1-4・日立の炊飯器の比較

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 続いて、日立の炊飯器です。

 日立は、パナソニックと似ており、「圧力」と「スチーム」にこだわったメーカーです。


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 【2020年発売】

 19・日立 ふっくら御膳 RZ-X100DM-W
  ¥21,490 楽天市場 (9/25執筆時)

炊飯方法:スチーム圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.3気圧
内釜素材:黒厚鉄釜
内釜厚さ:(2.2mm
内釜保証:6年保証
保温機能:スチーム保温
堅さ調整:3段階

 RZ-X100DM は、日立の「ふっくら御膳」シリーズの炊飯器です。

 現在のところ、2020年機が最新です。

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 炊飯方式は、スチーム圧力IH炊飯です。

 かけられる圧力は、1.3気圧までと、象印と同じで、業界最高水準です。

 スチームは、日立の場合、(パナソニックの高級機と違い)スチーム用の専用タンクではなく、炊飯時の蒸気を上フタで貯めて、蒸らしの時にご飯に還元する「給水レスオートスチーマー」式です。

 日立は、可変圧力(Wおどり炊き)に類する機構も未付属ですから、パナソニックと仕組み上の違いは大きいです。

 ただそれでも、パナソニックはこの価格帯でスチームを出すのはやめましたし、本体価格からすると優秀でしょう。

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 スチーム式は、基本的には「かため」「しゃっきり系」のご飯が得意です。ただし、圧力を伴うため、お米の中の粘り・甘みは、わりと引き出されます。

 最近、日立は、「外硬内軟」という食感を1つの目標として据えましたが、本機もその方向性にあります。

 結論的にいえば、「しゃっきり」ハリのあるご飯が好きな方には、IH炊飯器の「上位互換」として合うでしょう。

 ヒーターの段数は、非公開です。

 見た感じでは、2段IHで、側面にシーズヒーターが1本だと思います。

 いずれにしても、火力自慢の機種ではないです。

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 使われている釜は、「黒熱鉄釜」です。

 蓄熱性のよい素材と、熱伝導性の良いアルミニウムを基材にしていますが、この部分は特段工夫はないです。

 厚みは、新機種では非開示ですが、旧機は、厚さ2.2mmとされておりその水準でしょう。いずれにしても、厚み自慢ではないです。

 ご飯の堅さは 標準モードのほかに、「しゃっきり・ふつう・もちもち」が選べます。

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 炊きあげたご飯の保温については、「スチーム保温」モードが搭載されます。

 スチームを使ってご飯の乾燥を防ぐことが可能です。

 ただし、最大24時間までなので、象印ほど強力ではなく、同種の機能を持つパナソニックの中位機並です。

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 お手入れは、洗う必要があるのは、ご飯のお釜のほか、給水レスオートスチーマープレート蒸気キャップなど3点です。

 点数は3点ですが、加熱板とプレートを分ける方式なので、実際的には洗浄を要する部品点数は1点多いです。

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 蒸気カット機能は、機能として搭載です。

 同社の高級機は「ほぼ完全にカット」を謳い「蒸気カット」という表現を使います。

 本機は、完全にカットするわけではないので「蒸気セーブ」という表現です。

---

 以上、日立の RZ-X100DMの紹介でした。

 火力と内釜の工夫はイマイチながら、可変圧力と、給水不要のスチームの利用は大きな魅力といえる機種です。

 とくに、しゃっきり系でハリのあるご飯が好きな方は、選択する価値があるでしょう。

 一方、そうした炊飯器は他にもライバルがあるわけですが、加えて「蒸気セーブ機能」があるのは、本機の良い部分です。この機能があると便利なご家庭は、実際多いと思います。

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 ただし、日立の炊飯器の場合、ネットで型落ちが長いこと安く売られる傾向にあります。

 そのため、このブログの【高級炊飯器の比較記事】の(冒頭あたりの中級機として)紹介した1ランク上の製品でも、型落ちならば、3万円以内で買えるものがあります。

 スチーム圧力に興味を持った方は、後ほどそちらとも見比べてみてください。

ーーーー

 そのほか、日立については、以上の下位機種もラインナップです。

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 【2018年発売】【黒厚鉄釜】

 20・日立 ふっくら御膳 RZ-AX10M R
  ¥22,536 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

炊飯方法:スチーム圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:黒厚鉄釜
内釜厚さ:2.3mm
内釜保証:6年保証
保温機能:スチーム保温
堅さ調整:3段階

 第1に、RZ-AX10Mです。

 上で見た機種の旧機ですが、2018年機の在庫があります。

 同性能の2019年機(RZ-BX100M-W)もありましたが、既に新品在庫がないです。

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 先ほどみた新機種と比較すると、最高気圧が1.2気圧となります。その代わりに「蒸気カット対応」なので、密閉した棚には置きやすいです。

 価格的には新機種とさほど変わらないにせよ、この部分を重視したい場合は、選択肢になるでしょう。

ーーー

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 【2021年発売】RZ-BG10M RZ-AG10M 後継品

 21・日立 ふっくら御膳 RZ-G10EM-T
  ¥20,800 楽天市場 (9/25執筆時)

 21・日立 ふっくら御膳 RZ-H10EJ S
  ¥19,800 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:黒厚鉄釜
内釜厚さ:2.3mm
内釜保証:6年/3年保証
保温機能:
堅さ調整:

 第2に、RZ-G10EMです。

 こちは、蒸気セーブはできますが、スチーム機能がない機種です。日立の魅力といえる部分なので、やや残念です。

 また、キャップの形状が異なるので、蒸気セーブ量も少なくなります。

 加えて、 RZ-H10EJ(銀色)は、内釜のカーボンフッ素の保証が3年と短くなります。

ーーー

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 【2019年発売】

 22・日立 ふっくら御膳 RZ-BC10M S
  ¥13,979 Amazon.co.jp (9/25執筆時)

炊飯方法:IH炊飯
圧力炊飯:
内釜素材:取って付き磨き釜
内釜厚さ:
内釜保証:6年保証
保温機能:
堅さ調整:

 第3に、RZ-H10EJです。

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 こちらは、圧力もスチームも使わないIH式です。

 内釜も、厚さ不詳の「取って付き磨き釜」となります。

 内装は、カーボンフッ素加工ですが、外装に加工がなく、ステンレスむき出しので、錆の危険があります。あまりオススメはしません。

次回につづく
美味しいご飯が炊ける炊飯器は結論的にこの機種!

 というわけで、今回は、比較的安めの5.5合炊き炊飯器の比較の1回目記事でした。

 しかし、記事はまだまだ「続き」ます。

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2・5.5合炊き格安炊飯器の比較 (2)
 2-1:アイリスオーヤマ
 2-2:三菱電機
3・5.5合炊き格安炊飯器の比較 (3)
 3-1:タイガー
 3-2:東芝  
 3-3:シャープ
4・5.5合炊き格安炊飯器の比較 (4)

 =最終的なおすすめの提案【結論】

 続く2回目記事こちら】では、今回紹介できなかったメーカーの5.5合炊きをもう少し紹介します。

もちもち炊飯  ★★★★★
しゃっきり炊飯 ★★★★★
ご飯の甘み   ★★★★★
保温性能    ★★★★★
手入れの手軽さ ★★★★★
総合評価    ★★★★★

 その上で、最終回となる4回目記事こちら】では、紹介する全機種から、目的別・予算別に最もオススメでできる機種を選定していきます。

 引き続きよろしくお願いします。

 2回目記事は→こちら

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posted by Atlas at 20:01 | 炊飯器

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