比較2019’【美味しく炊ける】高性能炊飯器34機の性能とおすすめ・選び方(1)

2019年09月12日

比較2019’【美味しく炊ける】高性能炊飯器34機の性能とおすすめ・選び方(1)

【今回レビューする内容】2019年 美味しく炊ける!人気の高性能・高級炊飯器の性能とおすすめ・選び方:5合炊き炊飯器:象印・パナソニック・タイガー・日立・三菱電機・東芝:長時間保温が得意な機種など人気機種の違いやランキング

【比較する製品型番】 THE炊きたて 極め炊き 炎舞炊き おどり炊き ふっくら御膳 蒸気レス本炭釜 黒銀蒔 本炭釜 KAMADO バーミキュラ ライスポット 真空IH保温 SR-PA109 SR-PW109 SR-PW108 SR-SPA109 0 NW-JU10 NW-JT10 RZ-V100CM RZ-W100CM NJ-VWA10 NJ-VW109JPH-B102 JPH-B101 JPH-A101 JPH-A102 SR-SPX109 SR-VSX108 NW-KB10 KA10AM RP23A JPH-A102 JPG-X100 RC-10ZWM NJ-AWA10 NJ-AW109-B

今回のお題
美味しいご飯が炊ける!炊飯器のおすすめはどの機種?

 どもAtlasです。

 今日は、2019年9月現在、最新の家庭用炊飯器(炊飯機)を比較します。

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 記事作成にあたり合計100機種以上調査し、現行機種の炊飯器については、60機以上を解説しています。 

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 今回の記事では、各社の炊飯器のカタログスペックに基づいて、客観的に炊飯器を紹介します。

 また、Atlasは、見本市やデンキヤのイベント、そして、パナソニックの「食べ比べ亭」などのイベントなどで「味見」をし、主観的な調査もしています。

1・もちもち炊飯  ★★★★★
2・しゃっきり炊飯 ★★★★★
3・ご飯の甘み   ★★★★★
4・保温性能    ★★★★★
5・手入れの手軽さ ★★★★★
6・総合評価    ★★★★★

 以下では、いつものように各製品を紹介します。

 そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントからAtlasのおすすめ機種を提案していきます。

1・高性能炊飯器の選び方の基本!

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 今回、Atlasが調査した炊飯器だけでも、100機種を軽く上回りました。

 そのため、読者の皆さんも「自分に最も合う炊飯器」を選ぶのは「一苦労」だと思います。

1・かけられる予算
 1万円・3万円・5万円以上
2・必要なサイズ
 3合・5.5合・1升

 ただ、「かけられる予算」と「必要なサイズ」考えるだけで、皆さんが「検討するべき機種」は、一気に「20機種」ほどに絞れます。

 その場合のポイントは、以下のようになります。


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 第1に、「かけられる予算」についてです。

 1万円3万円とが1つの「分岐点」と考えてください。

 1万円以下の場合、熱の伝わりが良い「IH式ヒーター」を搭載しないため、味は30年前とほぼ同等です。

 1万円以上の場合、最新技術ではないものの、信頼できるIH式や、圧力IH式炊飯器が選べます。

 3万円以上の場合、「各社自慢の最先端の炊飯機能」が搭載された、上位機が選べます。

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 結論的にいえば、「少なくとも1万円以上」の機種を選ぶのがよいでしょう。


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 第2に、「必要なサイズ」についてです。

 「大は小を兼ねない」点に注意してください。

 大きな炊飯器で少量を炊いても、電気代がかかるばかりで、全く美味しくありません

 例えば、毎回3.5合(約7-10杯分)を炊くならば、「3.5合炊き炊飯器」が最も美味しいと言えます。

 結論的にいえば、原則として、(来客時ではなく)日常食べる杯数あわせて買うのがポイントです。


1・5合炊きの高級炊飯器【3万円〜】
2・5合炊きの格安炊飯器【〜3万円】
3・一升炊きの高性能炊飯器【3万円〜】
4・一升炊きの格安炊飯器【〜3万円】

5・3合炊き小型炊飯器【〜3万円】
6・玄米・麦飯・糖質カット向け炊飯器

 以上、2つの要素をふまえて、このブログでは、炊飯器の記事を6つに分類しています。 

 今回は、1番の記事です。「3万円以上」の「5.5合炊き」の炊飯器を扱います。

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 1万円〜2万円台の炊飯器を探している方は、お手数ですが、2番の記事【こちら】をご覧ください。「安くて性能が期待できる」機種を多く紹介しています。

 また、1人暮らしなどに向いた3合炊きモデルや、世帯用の大きな一升炊きモデルを探している方も、上記のリンク集の、各記事をクリックしてご覧ください。

 例えば、最近話題のバルミューダThe Gohanや、シロカのかまどさん電気も「3合炊き」ですから、上記の5番のリンクで紹介しています。

2・高級炊飯機を選ぶ際のポイント!

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 では、「3万円以上」の5合炊きの高級炊飯機の紹介に入ります。

 このグレードの製品で、「美味しく炊ける」炊飯器を選ぶための「4つのポイント」は、以下の通りです。

 1・沸騰温度の持続性
 2・加熱方式
 3・内釜の素材と厚さ
 4・ご飯の炊き分け機能

 これらは、デンキヤの量販店で店員さんと相談しながら購入する場合でも、最低限おさえて置いた方がよいと言えるポイントです。 

 そのため「手短に」解説しておきます。


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 第1に、炊飯器の沸騰温度の持続性です。

 炊飯器で美味しいご飯を炊くには、100度以上の温度を長く続けられることが最大のポイントです。

 しかし、ヒーター1本ではパワーが弱く、持続的な沸騰温度の維持ができないといえます。そのため、性能の高い高級機は、複数のIHヒーターや、補助的な電熱ヒーターを、複数装備します。

 例えば、上図は、底面にIHヒーターが1段と、側面とふたに電熱ヒーターが3本の、総計「4重ヒーター」です。

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 「火力」が味の優劣を生みますので、今回は、こうしたヒーターの本数や種類に注目して比較します。


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 第2に、炊飯器の加熱方式です。

 これらは、上述の沸騰温度の持続性にも寄与しますが、むしろ、炊飯の味の方向性(個性)を決める要素と、Atlasは考えています。

 覚えておくとよい「加熱方式」と「味の傾向」は、次の4つです。

1・IH方式  
 =米そのもの味の個性が出やすい
2・圧力IH方式
  =ふっくら/もちもち系の炊飯が得意
3・可変圧力IH式
 =かたさの炊き分けが得意
4・スチームIH炊飯方式
  =しゃっきり/かため系の炊飯が得意

 具体的な仕組みや得意とする味の傾向は、各製品を紹介する中で、詳しくふれたいと思います。 

 いずれにしても、今回の記事では、これらの区分をふまえて、皆さんの好みに即した炊飯器を皆さんに提案します。


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 第3に、内釜の素材と厚さです。

 高級炊飯器は、内釜の部品代が本体価格の大部分を占めているものもあるほど、メーカーが重要視しています。

内釜の厚さ」は、比較する場合、とくに重要な要素です。

 それが厚いほど、沸騰温度の維持や温度の均質性において有利であり、味の面でプラス作用があります。

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内釜の構造や材質」は「2番目」に重要です。

 様々な素材で、釜を独特の形状に加工することで、「かまど炊きの再現」を狙った商品が多く出ています。

 今回の記事では、釜の品質にも比重をおいてを置いて調査します。


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 第4に、ご飯の炊き分け機能です。

 中級炊飯器も、「かため」「ふつう」「やわらかめ」など、ご飯の堅さを指標にした炊き分けは可能です。

 高級炊飯器は、さらに、「しゃっきり」「もちもち」などご飯の食感も指標に加えます。

 上図のように、立体的にご飯の炊き分けが可能な機種もあります。

 自分の好みのお米の「堅さ」「食感」が表現できる方は、炊飯器の炊き分け機能の有無を重要視するべきでしょう。その他、「おこげご飯」の炊飯ができる機種あります。

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 なお、最近の高級な炊飯器は「どんなお米でも、希望通りの食感で美味しく炊けてしまう」傾向にあります。

 これは「嬉しい」一方で、言い方を変えると、お米本来の個性が分かりにくいともいえます。

 一方で、最近のブランド米ブームで、色々な銘柄のお米の個性をハッキリ感じたい方も増えています。それをふまえて、「お米の銘柄ごとに炊き分ける機能も近年の高級機では流行しています。

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 以上、美味いご飯を炊ける炊飯器を見極めるポイントを4点紹介しました。

 今回は、これを基準としつつ、「長時間保温機能」や、「蒸気レス機能」・「お手入れの手軽さ」など、利便性に関わる部分を含めて比較します。

2・パナソニックの炊飯機の比較

 はじめに、3万円台〜6万円台ほどで購入できる炊飯器について、メーカーごとに機種していきます。

 はじめにパナソニックの炊飯器です。同社は、「可変圧力炊飯」にこだわるメーカーですが、一部の上位機は、「スチーム」を使った炊飯も併用する点がユニークです。

 なお、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分を青字で記しています。


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 【2019/7】【各色】

 1・パナソニック おどり炊き SR-PA109
  ¥39,794 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:ダイヤモンドかまど釜
内釜厚さ:2.4mm
内釜保証:3年保証
保温機能:エコナビ保温  
堅さ調整:3種類(しゃっきり〜もちもち)

  SR-PA108は、パナソニックおどり炊きブランドの炊飯器です。

 「おどり炊き」シリーズは旧三洋電機が出していた人気シリーズです。しかし、統合でパナソニックに引き継がれました。

 本体色は、黒(SR-PA109-K)とブラウン(SR-PA109-T)の2色展開ですが、性能は同じです。

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 炊飯方式は、可変圧力IH炊飯です。

 パナソニックの場合、一定の気圧(圧力)が掛けられるだけでなく、炊飯中に加圧・減圧をフレキシブルにできるのが特長です。同社は、これを「可変圧力IH式」と呼んで、普通の圧力式と差を付けています。

 「可変圧力IH式」は、炊飯の終盤で一気に減圧できるため、「中はふっくら・もちもちで、外にハリがある」という味しいご飯ができやすいという特性があります。

 また、通常の圧力式がやや苦手とする「しゃっきり・かため」のご飯も(わりと)上手に炊けます。

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 かけられる圧力は、最大1.2気圧です。

 業界最高峰は象印の1.3気圧なので、「最高」ではありません。

 ただ、「おどり炊き」の場合は、炊飯時にお米を「対流」させて、均一に炊く目的で「圧力」を使います。

 そのため、単純に他社と比較はできません。

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 なお、パナソニックは、お米の内部対流を起こすことが、米の味を増す大きな要素となるという「思想」を持ちます。

 圧力でほどほどに甘みを引き出しつつ、一粒一粒のお米が立った「ふっくらした」お米の炊飯を炊けるように調整されています。

 結果として、ご飯が他社よりも大粒に炊きあがります。

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 搭載されるIHヒーターは、ふたから底まで5段階で加熱される「5段IH」と高性能です。

 同社の炊飯器のもうひとつ注目ポイントはこの部分です。

 高価な「IHヒータを」全面に配置できるのは、IHヒーター生産技術を持つ同社だけです。他社は、全面ヒーターでも、普通の「シーズヒーター」を併用します。

 なお、他社の場合、シーズヒーター併用の場合は「」ではなく、「」という表現で表記します。

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 使われている釜は、「ダイヤモンドかまど釜」です。

 厚さは2.4センチと価格相応に厚く、実力が期待できます。

 形状については、こちらは、「かまど」で使う羽釜の形を摸すことで、発熱効率を向上させています。

 釜のコーティング素材は、ダイヤモンドハードコートです。

 釜は中空構造になっており、断熱性が高い仕様です。内釜は3年保証が付きます。

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 ご飯の堅さは、「かため」「ふつう」「やわらかめ」と3通りの選択肢があります。

 焦げ目を付けた「おこげご飯」にも対応します。

 また、パナソニックは独自の「おどり吸水」という技術があります。沸騰前のご飯の吸水時に、圧を調整することでお米への水の浸透率を調整し、堅さを調整します。

 こちらも三洋電機時代からの伝統的な方法で、定評があります。

 「おどり炊き」は可変圧力IH炊飯器の中では、「かたい」・「しゃっきりした」ご飯の炊飯も無難にこなせるといえます。

 もちろん「甘く・ふっくら系」のお米は代の得意の機種になります。

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 このほか、このモデルは、玄米のほか、麦飯(押し麦・もち麦)専用のコースが付属しました。

 ご飯の保温は、エコナビ保温機能が付きます。

 重量センサーを用いて保温温度を調整する方式です。

 ただ、例えば、温度センサーを搭載する象印に比べると、節電性はともかく、美味しさのキープという点では、やや負けるかもしれません。

 象印と異なり、炊飯時に蒸気をセーブする機能も、搭載されません。

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 お手入れは、洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶたセット蒸気ガイドです。

 圧力IH炊飯器にしては、掃除が手軽で、こちらも掃除がしやすいモデルといえます。

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 以上、パナソニックおどり炊き SR-PA107 の紹介でした。

 甘くご飯が立った大粒なご飯がたける炊飯器という三洋の炊飯器の傾向が好きだった人は、このモデルが良いでしょう

 また、ふっくら系だけではなく、堅めでしゃっきりしたご飯も、可変圧力方式のため、この炊飯器でもよく炊けます。

 ただ、それは圧力炊飯器の範疇の話で、やはり、堅めの傾向が好みの人は、後ほど紹介するよるスチームIH炊飯器を選んでも良いと思います。


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 【2019/6】

 2・パナソニック SR-PW109-W
  ¥49,008 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

 【2018/6】

 3・パナソニック SR-PW108-W
  ¥44,606 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:ダイヤモンド竈釜
内釜厚さ:2.4mm
内釜保証:3年保証
保温機能:エコナビ保温  
堅さ調整:3種類(しゃっきり〜もちもち)

 こちらは、パナソニックの炊飯器の 「大火力おどり炊き」SR-PW109です。

 2019年6月に新機種が発売されています。

 新機種は、玄米高速(炊飯)コース麦ごはんコース(押し麦・もち麦)が追加されています。

 ただ、旧機種でも普通の玄米モードはありますし、これ以外は同じです。マイナーチェンジなので、新機種の登場でかなり値下がりした旧機種で良いでしょう。

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 炊飯方式は、こちらも、圧力の高低を切り替えられる、可変IH圧力炊飯器に分類される炊飯器です。

 ただし、高速相互対流という上位機能も採用されます。

 高速相互対流とは、上図のように、コイルを高速で切り替えることで、外向きと内向きの激しい交互対流を発生させ、「釜底全体から強力な泡の熱対流を起こすことで、お米をおどらせる」仕組みです。

 旧三洋の「おどり炊き」は、釜の内部で対流や細かい泡を生み出すことで、炊飯中の米をかき混ぜ、一粒一粒のお米が立った「ふっくらした」お米の炊飯を炊けるように調整されていました。

 仕組みはやや異なりますが、相互対流を起こすことで、一粒一粒の芯までしっかり加熱でき、ふっくら大きく、よりうまみと甘みが増したおいしいごはんが炊き上がります。

 「ふっくら」効果は、数値的にも証明されており、ご飯粒の大きさも、約10%アップします。

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 これらの、高速相互対流可変圧力という米を踊らせる2つの工夫がなされていることから、この炊飯器には「Wおどり炊き」というブランド名が付いています。

 同社の下位機種や、他社の可変圧力炊飯器と比べても、1つ1つの米に火が通りやすいため、お米はより美味しくなります。

 ヒーターの段数は、下位機種より1段多い6段のIHヒーターを採用しています。

 その点で言っても、総合的な火力ではこちらの方が優位と言えます。

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 使われている釜は「ダイヤモンド竈釜」です。厚さは、下位機種同様の2.4mmです。

 ご飯の堅さは、「かため」「ふつう」「やわらかめ」と3通りの選択ができます。

 Wおどり炊きモードが付属しますが、基本的には可変圧力炊飯器のため、「ふっくら」と「甘い」炊飯が得意です。

 逆の個性である「かため」で「しゃっきりした」「ハリのある」ご飯も高レベルで炊飯します。ただし、次に紹介するスチーム炊飯器のほうが高レベルです。

 また、この機種は下面に大火力のコイルが使用されているため、いわゆる「おこげご飯」が作れます

 ご飯の保温は、重量センサーを用いて保温温度を調整するエコナビ保温機能が付きます。

 この点は下位機種と同じで、あり他社より低機能です。

 蒸気セーブ機能は、搭載されません。

 結露などの面では配慮が必要です。

 お手入れは、洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶたセット蒸気ガイドです。

 炊飯器としては標準的でとりたてて面倒でも楽でもないレベルです。

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 以上、パナソニックの炊飯器SR-PW109の紹介でした。

 三洋の炊飯器とパナソニックの炊飯器の技術的なコラボレーションが見られる非常に優れた炊飯器です。

 「ふっくら甘い」系のご飯も、「しゃっきり」系のご飯も、高レベルで炊き分けられるでしょう


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 【2019/6】

 4・パナソニック SR-SPA109-K
  ¥55,255 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

炊飯方法:スチーム圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:ダイヤモンド竈釜
内釜厚さ:2.4mm
内釜保証:3年保証
保温機能:220度スチーム保温
堅さ調整:4種類(しゃっきり〜もちもち)

 こちらは、パナソニックの炊飯器の 「Wおどり炊き」SR-SPA109です。パナソニックの上位機です。

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 炊飯方式は、このグレードから、スチーム圧力IH炊飯に代わります。

 こちらも、高速相互対流と最大1.2気圧の可変圧力もかけられる構造になっている「Wおどり炊き」仕様です。ここまでは、下位機種と同じです。

 その上で、この機種は、スチームを使って炊飯をする機能を併せ持ちます。

 そのため、炊飯器の分類としては、スチーム圧力IH炊飯ないし、スチームW可変圧力IH炊飯器とも呼ぶべきモデルです。

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 スチーム炊飯器は、本体横に水を入れる容器があります。

 炊飯時にはそこに水を差します。その水が熱で220度のスチーム(蒸気)となります。追い炊きの時、内釜にそのスチームを吹き付けることで高温状態をキープする仕組みです。

 これによって、ごはんのはり、つや、甘みを引き出すことができます。また、メーカーによると、「スチームがごはんの表面をコーティングし、冷めても硬くなりにくく、ふっくら感をキープ」する効果もあります。

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 また、炊飯の過程で、フタの部分に逃げ出した水蒸気をキャッチして還元するため、お米の「おねば」に含まれる旨みも同時に釜に戻し、還元できます。

 メーカーも「濃いおねばがだせる」ことを強調しています。

 そのほか、お米の浸水時(炊飯前半)の温度を高く設定する新・酵素活性浸水などが搭載される点は、パナソニックの下位機種と同じです。

 いずれにしても、スチーム式は、圧力だけに頼らず高温状態を出せるため、「かたい系」「しゃっきり系」の美味しいご飯がやや不得意な(可変)圧力炊飯器の弱点を補う効果があるでしょう。

 ヒーターの段数は、こちらも全てIHの6段ヒーターです。

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 使われている釜は、下位機種にも採用されるダイヤモンド竈釜で、厚さが2.4mmである点も同じです。

 ご飯の堅さ4種類の炊き分け機能が付きます。

 またこの機種は可変圧力IH式の機能スチーム炊飯式の機能とを合わせ持つため、「かたい」「やわらかい」といった堅さにかかわる指標だけではなく、「しゃっきり」「もちもち」という食感に関する味の指標も持っています。

 そのため、ご飯の堅さにこだわりのある人は、この機種はとても良い選択肢でしょう。また、下面に大火力のコイルが使用されているため「おこげご飯」が作れます

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 ご飯の保温は、スチーム保温機能が付きます。

 こちらは、スチームを吹き付けつつ保温するため、ご飯が乾きにくいです。長時間保温した後でも美味しくご飯が食べられる機種です。

 下位機種と同じく、重量センサーを使って、保温温度を調整するエコナビ保温もついていますので、さらに効果的と言えます。

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 お手入れは、洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶたセット水容器です。

 圧力機能と旨み還元機能がつくため、下位機種にくらべて内ぶたに凹凸があります。

 また、中央部分のフィルターを取り外して洗浄する必要があるため、一手間余計にかかります。ただ、そうたいへんではなく、問題ないレベルです。

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 以上、パナソニックの炊飯器の SR-SPA109の紹介でした。

 圧力IHの機能とスチームIHの機能が高度にミックスされた最高機種です。日によって、料理によって、お米の種類によって、ご飯を「ふっくら」「しゃっきり」など炊き分けたいと思っている方は、この機種がおすすめできます。

 なお、パナソニックはこれ以外に「最高級機」が1機ありますが、各社の「最高性能機」は最後にまとめて紹介します。

3・象印の炊飯器の比較

 続いて、「高圧力での炊飯」にこだわった人気炊飯器を多く出す「象印」です。

 機能面では、ご飯の保温機能が充実した機種が多いメーカーです。


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 【2019/7】

 5・象印 極め炊き NW-JU10-BA
 6・象印 極め炊き NW-JU10-WA
  ¥51,699 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

 【2018/7】

 7・象印 極め炊き NW-JT10-TA
 8・象印 極め炊き NW-JT10-WA
  ¥39,700 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.3気圧
内釜素材:豪炎かまど釜
内釜厚さ:2.2mm
内釜保証:3年保証
保温機能:極め保温
堅さ調整:9種類(しゃっきり〜もちもち)

 NW-JUは、象印極め炊きシリーズに属する中級製品です。

 新旧両機種ありますが、釜とヒーターの部分で仕組みが大きく変わりましたので、選ぶ際は注意が必要です。

 違いは、以下で解説します。

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 炊飯方式は、圧力IH炊飯です。

 ただし、気圧調整は、主に米の硬さ・食感を調整するために使われており、基本的に、炊きたいご飯の硬さに応じて、指定した一定の気圧をかけ続けています。

 つまり、パナソニックにように、加圧・減圧を繰り返すような「可変仕様」はありません。ただし、これが「とびきり甘みを出す」という同社の素晴らしい個性を生んでもいます。「甘み」という部分では、(それが自然かは別として)象印が一番です。

 かけられる圧力は、最高で1.3気圧と高圧にできます。

 これは、この価格帯で言えば、最高水準の気圧です。

 つまり、味の面では、パナソニックに比して高い圧力をかけるために「ふっくら・甘い」ご飯の炊飯がかなり得意です。一方、「しゃっきり」「ハリがある」ご飯の炊き分けは、傾向としては、やや苦手とするでしょう。

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 ヒーターの段数は、底面にIH2段です。

 加えて、中段に1重の胴リングヒーターと、ふたヒーターという「4重加熱」構成です。

 2018年は、中間リングが2つで「5重加熱」でしたので、数としては、一見すると「改悪」です。

 ただし、次に説明するの部分を考えると、一概にそう言えない部分があります。

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 使われている釜は、2019年モデルについては「鉄(くろがね仕込み)豪炎かまど釜」(左図)です。

 蓄熱性の高い鉄素材と、熱伝導性の高いアルミ素材を複合的に利用した製品です。

 釜の厚みは、圧力炊飯器としては優秀で、2.2mmの厚み(フチは3mm)と十分です。

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 一方、このグレードの2018年機は、「鉄器コート豪熱羽釜」でした。

 鉄はコーティング(鉄器コート)として使われるだけで、新機種と異なり内層の鋳物部分に工夫はありません

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 結論的に言えば、「新機種」は、釜のグレードをあげたことにより、不要になった中段ヒーターを省略したと言えます。

 発想の違いですが、おそらく、炊けるご飯のグレードに大きな差はないでしょう。もちろん、(物価高をふまえた)部品代のコストカットの側面もあるでしょうが。

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 釜のコーティング素材は、うまみプラスプラチナコートです。

 赤外線を出す炭素系のコーティングに、プラチナナノ粒子を混ぜたもので、象印が昔から出しています。

 プラチナは、水を弱アルカリ性にする効果があり、東京農大の検証では、うまみ成分が5%、甘み成分が45%アップするようです。

 粘りがあり「ふっくら・甘みのある」ご飯の炊飯が可能です。

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 ご飯の堅さは、象印の場合「わが家炊きメニュー」という機能があり自在に選べる仕様です。

 堅さは7段階、粘りは9段階選べ、総計で81通りの炊き分けが可能です。多すぎる気もしますが、AI搭載で、液晶モニターにその日のご飯の評価を入力していくと、次の炊飯に反映していく仕組みです。

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 ご飯の保温は、象印は「こだわり」があるメーカーのひとつです。

 この機種は、人工知能AIとふた開閉センサーでご飯の温度をセンサーで監視する「保温見張り番」機能が装備されます。

 さらに「おひつボール」を上部に配置することで水分が逃げにくくする「極め保温」機能が搭載されます。これらにより、前の日に炊いたご飯も美味しく食べられる仕組みです。

 また、内ぶたの工夫により、水分の蒸発量を約40%抑制し、つやのあるご飯を長時間保つことを可能にしています。

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 お手入れも手軽です。洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶたセット蒸気口です。圧力IH炊飯器にしては、かなり掃除がしやすいといえます。

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 以上、極め炊きNW-JUシリーズの紹介でした。

 象印は、後ほど紹介する「最上位機(炎舞炊き)」に注力している感がありますが、こちらの中位機もなかなか優秀だと思います。

 ご飯の甘みを最優先したい場合は、1.3気圧を欠けられる象印を「指名買い」でも良いでしょう。

 一方、難しいのは、2019年機と2018年機どちらを選ぶかです。個人的には、今年度の「味の進化」ではなく、コストカットしつつ「味をキープ」している感じなので、旧機種でも良いと思います。

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 なお、象印の「最高級機(炎舞炊き)」については、この記事の後半で改めて紹介しています。

4・日立の炊飯器の比較

 続いて、日立の炊飯器です。

 日立は、パナソニックと似ており、「圧力」と「スチーム」にこだわったメーカーです。

 また、炊飯時の「蒸気カット」にも力を注いでいます。


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 【2019/7】【各色】

 9・日立 ふっくら御膳 RZ-V100CM-W
 10・日立 ふっくら御膳 RZ-V100CM-R
  ¥35,479 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

炊飯方法:スチーム圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.3気圧
内釜素材:大火力 沸騰鉄釡
内釜厚さ:
内釜保証:6年保証
保温機能:スチーム保温
堅さ調整:3種類(しゃっきり〜もちもち)

 RZ-V100CMは、日立の「ふっくら御膳」シリーズの炊飯器です。

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 日立は2019年に外観のフルモデルチェンジを行い、スマートなスクエア型の形状になりました。

 それに伴って「外硬内軟(外はしっかり、中は柔らか)」という、企業として理想とする炊飯の方向性も新たに打ち出しています。

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 炊飯方式は、パナソニックの上位機とほぼ同じのスチーム圧力IH炊飯です。

 ただ、可変圧力(Wおどり炊き)に類する機構は、パナソニックと異なり未付属です。

 また、圧力調整機構はありますが、炊飯時に加圧・減圧はしませんので、可変式でない点では、象印と同じです。

 日立は、60度の高温の長時間浸しと、高温でのスチーム蒸らしにこだわっていますが、比較すれば、パナソニックの方が、技術投資をしている感じがします。

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 ヒーターの段数は、非公開です。

 ただ、見た感じでは、底面が2段IH相当で、側面とフタのシーズーヒーターを合わせた全面加熱構造ですから、能力が期待できます。

 さらに、フタとボディに断熱性の高い素材を採用するとともに、空気断熱層を作ることで、熱を閉じ込める気風があります。

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 使われている釜は、「大火力 沸騰鉄釡」です。

 内層に熱伝導性の高いアルミと、蓄熱性の良い鉄を鋳こむハイブリッド仕様で、象印の上位機と方向性は同じです。

 その上で、熱伝導率の高いゴールドと、遠赤が戦を発する炭素のコーティングをすることで、ヒーターの発熱効率をアップさせています。

 釜の厚さ非開示です。

 しかし、見た感じ、このクラスの圧力炊飯器としては十分でしょう。

 ご飯の堅さは 「しゃっきり・普通・もちもち」が選べます。

 炊きあげたご飯の保温については、「スチーム保温」モードが搭載されます。

 スチームを使って効果的にご飯の乾燥を防ぐことが可能です。一度に炊きあげて、保温しておく人には欠かせない機能でしょう。

象印同様、この点では、この機種も高機能といって良いです。最大24時間まで対応します。


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 お手入れは、洗う必要があるのは、ご飯のお釜ほか、フタ加熱板・オートスチーマープレート・蒸気キャップの4点です。

 各社の最新機種で比べると、洗浄を要する部品点数は1点多めです。

 蒸気カット機能は、搭載です。

 空気中に排出される水分量は5.8mLと、蒸気セーブ機能が無い機種にくらべて90%近くセーブされます。

 マンションなどで結露に悩まされている人には、とても便利な機能ですね。置き場所も自由に選べます。

 少量炊飯モードも搭載です。

 5.5合炊きの炊飯器で少量(2合以下)のご飯を炊くと、ご飯の煮崩れや焦げが生じてしまう場合があります。それを緩和してくれる機能です。電気代もセーブできます。

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 以上、日立のRZ-V100CM-W の紹介でした。

 パナソニックと日立がスチーム圧力炊飯器を出しているメーカーです。堅めでしゃっきりしたご飯が好きな方は、どちらにするか迷うところです。

 炊飯器としての火力は、パナソニックが有利ですが、蒸気セーブ機能などの使い勝手では日立も負けていませんね。価格的にもお買得です。

ーーー

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 【2019/7】

  11・日立 ふっくら御膳 RZ-W100CM-K
  ¥64,151 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

炊飯方法:スチーム圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.3気圧
内釜素材:打ち込み鉄釜
内釜厚さ:3mm
内釜保証:6年保証
保温機能:スチーム保温
堅さ調整:5種類(しゃっきり〜もちもち)

 なお、日立は、この機種の上位機(最上位機)としてRZ-YV100M はあります。

 ただ、使われている釜などの技術が同じで、違いは、側面ヒーターが1重多いだけです(35W→70W)。

 そのほかは、スチーム保温時間の長時間化(40時間)、おこげご飯が炊ける、視認性の良いホワイトLEDの採用と、あまり差がないです。

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 結論的にいえば、同社から選ぶならば、下位機種で良いでしょう。 

5・三菱の炊飯器の比較

 つづいて、三菱の炊飯器です。

 三菱は、「圧力をかける炊飯は不自然」「かまど炊きご飯は圧力など使わない」という逆転の発想で、ユニークなIH式の炊飯器を多く出しています。


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【2019/8】

 12・三菱 本炭釜 IH NJ-VWA10
  ¥69,500 Amazon.co.jp
(9/12執筆時

【2018/8】

 13・三菱 本炭釜 IH NJ-VW109
  ¥38,455 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

炊飯方法:IH炊飯
圧力炊飯:
内釜素材:本炭釜
内釜厚さ:10mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:2種類(しゃっきり〜もちもち)

  NJ-VWA10は、三菱のもう一つの高級機です。

 こちらも旧モデルが残っています。

 ただ、今年は型番のみの変更で性能差はないので、旧機種で良いでしょう。

 本体色は、各年度異なりますが、今年は、黒真珠(NJ-VWA10-B)と赤紅玉(VWA10-R)という色目です。

 色表現を「和風」にするのが、三菱の「企業文化」です。

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 炊飯方式は、こちらも、圧力を使わないIH炊飯器です。

 また、図のような蒸気回収機構があります。

 三菱によれば、蒸気にご飯の旨み成分である「おねば」が入っており、蒸気を回収してご飯に戻すことで、旨みを高めています。

 また、「吹きこぼれ」を気にせず火力を投入できるために、強火の持続性の部分でも能力が期待できます。

 その上で、この機種は内釜とふたの密閉性を重視し、熱を逃がしにくい構造にしています。圧力をかけずに、IHだけで豪熱を発生させるという思想です。

 なお、蒸気の一部は回収しますが、後ほど紹介する日立の製品とことなり、蒸気量を減らすという機能はありません。

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 ヒーターの段数は、2019年から1段増えて「8重加熱」です。

 具体的には、底面の3段ヒーター、胴回り4段とふたに1弾という構成です。

 圧力を併用しない形式なので、この部分が重要ですが、「底力」はある機種です。

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 使われている釜は、最大10mmの本炭釜です。

 この部分に「最もお金をかけている」製品です。

 炭素材料を焼成し、職人が中をくりぬき「一点もの」として、釜を作っています。炭コーティングではなく、純度99.9%本物の「炭」です。

 炭素素材はIHと相性が良く、ステンレス素材の40倍の浸透度です。 さらに、ふた部分も炭コートを施し、全体から遠赤を発生させるという方向性です。

 ご飯の堅さは 芳潤炊きモードはありますが、高級機としてみた場合、さほど多彩ではないです。

 ただし、季節に応じた水加減をする「季節炊きモード」のほか、玄米・麦飯などの各モードも、最近充実してきました。

 炊きあげたご飯の保温についても、やはり、温度を低温に設定できるほどに止まります。

 この部分では高級機としての魅力がないですね。

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 お手入れにおいて洗う必要があるのは、ご飯のお釜うまみカードリッジ付き放熱板です。

 蒸気レスモデルに比べると点数が少なく、カードリッジもワンボタンで開くため手入れは簡単と言える製品です。

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 以上、三菱のNJ-VW108の紹介でした。

 圧力を採用せず、密閉して「本当のかまどの味に近づける」という発想の製品です。

 また、IH炊飯器として見た場合、釜の厚みは大きなメリットでしょう。圧力炊飯のお米が苦手な人に一定の需要がありそうな機種です。

ーーー

 なお、三菱から選ぶならば、さらに徹底して「かまど」に近づけているNJ-AW108という上位機種にむしろ魅力があります。これについては、後ほど別に紹介します。

6・タイガーの炊飯器の比較

 続いて、タイガーの炊飯器の比較です。

 同社は、可変圧力炊飯器が多いのですが、内蔵される釜とその形状にこだわりのあるメーカーです。また、昔から「おこげご飯」の美味しさに定評があります。


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 【2019/6】

 14・タイガー THE炊きたて JPH-B102-KW
  ¥73,870 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

 【2018/6】

 15・タイガー THE炊きたて JPH-B101-KB
  ¥40,870 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.25気圧
内釜素材:本土鍋
内釜厚さ:5mm(最大)
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:

 JPH-B102シリーズは、タイガーの炊飯ジャー「炊きたて」シリーズの高級炊飯器です。

 本当の「土鍋」を採用する面白い製品です。

 なお、新旧両機種ありますが、土鍋の釉薬とコーディングの多少の改良です。値段の下がった2018年旧モデルで良いでしょう。

 炊飯方式は、圧力IH炊飯です。

 タイガーは、圧力を細かく調整しながら炊飯する可変IH圧力炊飯になります。

 なお、土鍋をつかっているため、メーカーでは土鍋圧力IH炊飯器と表現しています。

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 かけられる圧力は、最高1.25気圧になります。

 一方、可変IH圧力炊飯の構造は、独特です。こちらも、パナソニックのように加圧・減圧を繰り返すタイプですが、目的が異なります。

 パナソニックは、「米を踊らせる」という目的でしたが、タイガーは、気圧・温度を炊飯中に制御することで、お米の甘みと粘りをバランスよく引き出すという、直接的な「味」の意味で利用しています。

 そのため、圧力ボールをわざわざ2つ用意し、1.25気圧・1.05気圧という固定値で可変できる、W圧力仕様にしています。

 ヒーターの段数は、非公開です。以前、問い合わせましたが、教えてくれませんでした。

 ただ、タイガーは、土鍋自体の蓄熱性を使って沸騰温度を維持する仕組みですから、段数はあまり意味ないから、という正当な理由があります。

 加熱にパワーが必要な土鍋のため、鍋底については「280度での高温にできる仕様」です。

 高温炊きで、「ふっくら・もちもち」感を出しつつ、ご飯のハリも重視すると言う点で、パナソニックのスチームIH式に、メーカーの推奨する「ご飯の理想像」は近いでしょう。

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 使われている釜は、「表面6層コート本土鍋」です。

 タイガーの場合、コーティングなどでなく、本物の土鍋(セラミック)が使われます。本体も鉄製の釜よりも重厚感がある感じで、見た目も非常に美味しく炊けそうです。

 土鍋は、焼成を3度繰り返すことで作られた本格仕様です。本体の値段の数割分はこの釜の値段でしょう。

 土鍋を模した構造のため、「香ばしい」ご飯が炊くことができます。ちなみに、メーカーで「香ばしい」を使っているのはタイガーの炊飯器だけです。

 なお、土鍋なので落ちれば割れますし、美味しく仕上がる分、鍋に重さ(約1kg)はあります。

 通常の炊飯器より200g以上重いのは、どうにもなりません。

 ただ、万古焼は半磁器(b器)でありかなり堅牢です。

 その上で、水による劣化を理由にしたひび割れも保証対象なので、堅牢性についてはあまり心配が要らないでしょう。

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 コーティングは、6層で、鍋の厚みは、最大5mmになります。

 土鍋の上に、熱伝導性を確保するためアルミ溶射をした上、最上部に土鍋用のフッ素加工をしています。

 なお、新機種については、一層目のコーティングにプライマーを混合しており、さらに熱がよく伝えられるようになりました。

 コーティングは3年保証です。

 ちなみに土鍋にはふたがつきますが、(当たり前ですが)炊飯時には使いません。炊きあがったとき、ご飯を「おひつ」とする場合に使うものです。

 象印のプラチナコーティングは、水を弱アルカリ性に変質させることで米の甘み成分を強化するものでした。タイガーの場合は、熱を逃がさず閉じ込めることを最重要視し、土鍋コーティングを施しているといえます。

 強火力で土鍋で炊いたご飯が美味しいという仕組みを応用したものです。

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 ご飯の堅さは、一方でこの機種は明示的な硬さの炊き分け機能はありません

 ただ、雑穀米や玄米を炊く機能のほか、麦飯専用のモードを搭載するなど、健康米系が充実するのが、タイガーの炊飯器に共通する特長です。

 特に「麦系(押し麦・もち麦)」は、パナソニックなども取り入れていますが、「麦臭」対策を含めて、先行したタイガーは技術水準が高いです。

 また、「おこげご飯」も炊けます。

 パナソニックの「おこげご飯」と異なって、こちらは、3段階で焼き目を調整できます。「おこげご飯」を先に取り入れたのはタイガーなので、この方面での優位性があります。

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 ご飯の保温は、つや艶内ふたと名付けられた、内ふたの親水加工が目立ちます。

 保温中にふたに水の膜を張ることで、ごはんの水分と、つゆたれを防ぐ仕組みです。

 保温は従来タイガーが弱かった部分ですが、これにより一定の配慮が見られるようになりました。ただ、他社機と較べた場合、(それでも)あまり高機能とは言えません

 蒸気セーブ機能は、未搭載です。

 お手入れ洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶたセット蒸気口(スチームキャップ)です。

 内ぶたは安全弁が2つあり、若干掃除が手間かもしれませんね。しかし、許容範囲でしょう。

---

 以上、炊飯ジャー「炊きたて」JPH-B102シリーズの紹介でした。

 土鍋を使い熱を逃がさず高温に保つという、かなり独創的な炊飯器だと思います。また、独創的だけではなく、米の甘み成分をひきだすために沸騰温度を維持するにあたって理に適った正統的な発展形態だと思います。

 ただ、他の上位機種に較べると、お米を美味しく保温する機能が付いていない点と、硬さの炊き分けができない点はネックです。

 保温については、おひつのふたが付いているので、夏場以外は釜から出して保存はできますが、やはり、炊いたら直ぐ食べたり、ご飯を冷凍するなりする方向けの商品でしょう。


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 【2018】

 16・タイガー THE炊きたて JPH-A101-KE
 17・タイガー THE炊きたて JPH-A101-WE
  ¥44,270 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

 【2019】

 18・タイガー THE炊きたて JPH-A102-TM
  ¥78,422 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.25気圧
内釜素材:プレミアム本土鍋
内釜厚さ:5mm(最大)
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整: 3種類(しゃっきり〜もっちり)

 JPH-A102シリーズは、タイガーの炊飯ジャー「炊きたて」シリーズの上位の炊飯器です。

 新旧両機種ありますが、上位機の場合も、本体色が異なるほかは、コーティングに多少の改良があっただけです。

 ただ、下位機種との相違点は、次の2点だけです。

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 第1使われている釜です。

 こちらは、高級なプレミアム本土鍋仕様になります。この機種については、四日市萬古焼である点が明示されます。

 形状的にも、口絞り構造を加えたことで、熱対流をさらに効果的にするという工夫です。また、土鍋の外側に遠赤効果のある釉薬を使うことで、遠赤放射率をさらに上げています。

 本土鍋を囲む土かまど部分(上図の赤色の部分)にも、釉薬をかけた遠赤大土かまどを採用し、遠赤効果がさらに20%ほど高まっています。

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 第2に、ご飯の硬さの調整機能です。

 下位機種と違ってこの機種は、しゃっきりからもっちりまで、お好みの「ねばり加減」を選べる「米(マイ)チューニング」機能」が搭載されます。

 それ以外の部分は下位機種と同じです。

---

 以上、JPX-A102シリーズの紹介でした。

 釜の品質と炊き分け機能が下位機種との唯一の相違点です。

 価格差も大きいですが、釜形状の違いは、味を大きく変える部分です。価格差もさほどないので、タイガーで選ぶならばこちらで良いでしょう。

7・各社の「最高級機」の比較

 続いて、ここからは、各社のハイエンドクラス(最上位機)の炊飯器を比較します。

 最先端の技術を使った「最も良い製品」です。

 なお、3万円前後の製品も含めた「最終的なおすすめ機種」は、今回の記事の最後でまとめます。


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 【2019/6】【各色】

 19・パナソニック SR-SPX109-K
  ¥74,000 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

 【2018/6】【各色】

 20・パナソニック SR-VSX108-K
  ¥62,800 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

炊飯方法:スチーム圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:ダイヤモンド竈釜
内釜厚さ:2.5mm
内釜保証:3年保証
保温機能:スチーム保温
堅さ調整:12種類(しゃっきり〜もちもち)

 SR-SPX109はパナソニックの最上位機です。

 なお、2018年機との違いはのちほどお知らせします。

 本体色は、各年度とも黒(SR-SPX109-K)と白(SR-SPX109-W)です。

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 炊飯方式は、スチーム圧力IH炊飯器です。

 繰り返しになりますが、高速相互対流と最大1.2気圧の可変圧力もかけられる「Wおどり炊き構造」と、スチームを使って炊飯をする機能を併せ持つ構造で、スチームW可変圧力IH炊飯器といえるものです。

 この点では、同社の下位機種と同じです。「堅めでしゃっきり系」のご飯はひときわ「得意」です。

 ヒーターの段数は、全面IHの6段ヒーターです。パナソニックはこの部分にこだわりがあります。

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 使われている釜は、下位機種と同じ名前のダイヤモンド竈釜です。

 しかし、こちらは中空面を複数持たせ、また高断熱素材を多数使用することで、構造の内釜の断熱性がさらにアップしています。

 また、底面も凹みを付けたディンブル加工がなされ、米を踊らせる大きな泡を発生させやすくしています。

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 ご飯の堅さは この機種の場合、こだわりがあります。

 なぜなら、「ブランド米」の種類ごとに、銘柄に適した火加減で細かくご飯を炊き分ける機能が付属するからです。40種類以上のお米が登録されます。

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 また、銀シャリモードのほか「かため・やわらか」という堅さ系6段階の指標と、「しゃっきり・もちもち」という食感系6段階の指標で、計12通りの炊き分けが可能です。

 パナソニックの場合、圧力センサーの性能が良く、1.2気圧と1気圧の中間に2段階(1.1気圧、1.15気圧)を検知できるため、細かく制御できています。

 なお、圧力センサーを応用して、お米の水分(乾燥度)を検知し、精米から時間が経ったお米の炊き方を調整する鮮度センシング機能も搭載します。

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 また、さらに細かい銘柄の設定もできます。

 ただ、スマホの無料アプリを介する必要があります。なお、スマホアプリを使って炊飯器の予約操作なども可能です。炊飯器にWi-Fi機能があるため、こうした操作が可能という仕組みですね。

 炊きあげたご飯の保温については、下位機種同様に「スチーム保温」モードが搭載されます。

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 お手入れは、下位機種同様で、洗う必要があるのは、ご飯のお釜給水レスオートスチーマープレート蒸気キャップです。基本的に面倒ではありません。

---

 以上、SR-SPX109の紹介でした。釜の品質が向上しているため、炊飯のスペックは確実に上がっていると言えます。

 下位機種と1万円以上の価格差がありますが、とくに銘柄米で炊き分けられる機能は、高級機を買おうとする購買層にはかなり魅力かでしょう。ブランド米は今とても流行ってますし、予算があれば、買って後悔することはない機種の1つですね。  

ーーー

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 なお、先述のように、2018年6月登場の旧機種が「登場時の半値以下」なっています。

 新機種との違いは、下位機種同様に「麦飯・玄米高速・スチーム高速」の各コースの追加です。

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 その上で、「加圧追い炊きPlus」というネーミングで、追い炊きの行程の改良がなされています。米粒が10%大きく炊けるという触れ込みですが、今年度は大きな進化ではなく、「マイナーチェンジ」です。

 逆に、圧力センサーを加えるなど、2018年時の改良は結構大きかったこともあり、やはりAtlasとしては、「破格」といえる旧機種が魅力だと思います。


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 【2019/7】

 21・象印 炎舞炊き NW-KB10-BZ
 22・象印 炎舞炊き NW-KB10-WZ
  ¥78,480 楽天市場 (9/12執筆時)

 【Amazon限定】

 23・象印 炎舞炊き NW-KA10AM-BZ
  ¥82,580 Amazon.co.jp (9/12執筆時)

炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.5気圧
内釜素材:南部鉄器極め羽釜
内釜厚さ:1.7mm(釜底2.3mm)
内釜保証:3年保証
保温機能:極め保温
堅さ調整:7通り炊分

 NW-Kシリーズは、象印の2018年の最新モデルです。

 象印は、2018年に最高級機のフルモデルチェンジをし、従来とは大きく仕様を変えてきました。「炎舞炊き」という、キャッチーな愛称を付けた「初号機」となります。

 Amazon限定品は、特に型番以外違わない「お買い得」モデルです。ただ、2018年初号機をベースにして居るため、火加減に関するプログラムは旧式です。

 とはいえ、「還元糖量が約2%」向上した程度ですから、セールに注意しつつ、値段で決めて良いでしょう。

 本体色は、黒漆(NW-KB10-BZ)、雪白(NW-KB10-WZ)です。

 フタパネルは、伝統色による地紋様が2019年モデルから搭載され、オシャレです。

 炊飯方式は、象印の下位機種と同じく、圧力IH炊飯です。

 かけられる圧力は、1.3気圧です。象印は、昨年度は1.5気圧でしたので、圧力の部分ではスペックダウンです。

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 搭載されるIHヒーターは、今までにない新方式です。底IHヒーターを3つ搭載し、独立制御させるローテーションIH式です。

 この場合、内釜の中に、複数の複雑な対流が生じ、米が「激しくおどり」ます。ムラのない熱対流は「美味しいご飯を炊く秘訣」ですが、サーモグラフィを見ても、実際相当に熱が均等です。

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 使われている釜は、新開発の「業炎かまど釜」です。

 アルミ・鉄・ステンレス複数素材を利用したハイブリッド式で、2.2mmの厚さの製品です。 

 なお、この部分で言えば、旧世代機は、「南部鉄器極め羽釜」という鋳鉄製の「伝統工芸」とも言える釜を使っていました。今回のモデルは、工業製品で、釜圧も薄いのです。

 しかし、先述のローテーションIH式の効用で、熱伝導率は相当にパワーアップしています。新機種との対照実験(サーモグラフィ)でそれが示されています。

 なお、Atlasは、鋳鉄(南部鉄器)である技術的必然性について象印から説明がなく、効果に「疑問」がありました。その点でも、新機種の「進化」は、とても良いものだったと思います。

 象印が大事にしてきた羽釜形状も、厚め「ふち」をつける形で、継承しています。

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 ご飯の堅さは、この機種も、かなり自在に選べる仕様です。

 堅さは11段階、粘りは11段階選べ、総計で121通りの炊き分けが可能です。AI搭載で、液晶モニターにその日のご飯の評価を入力していくと、次の炊飯に反映していく仕組みです。なお、「おこげご飯」が炊けますが、タイガーのように焼き加減は調整できません。

 ご飯の保温については、人工AIが釜内に残ったごはんの量を推測し、温度コントロールをする機能が付きます。

 下位機種に付かないものですが、ご飯の乾燥を防ぐのにとても効果的です。

 その上で、下位機種と同じく、「うるおい二重ぶた」により、水分の蒸発量を約40%抑制し、つやのあるご飯を長時間保つことを可能にしています。

 蒸気セーブ機能は、搭載されます。

 ただ、この機能は、「蒸気セーブ炊飯」という特殊なモードで炊飯した場合に、約80%蒸気セーブができるというものです。

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 お手入れの際、洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶたセット蒸気口です。

 このうち内ぶたは「二重ぶた」を外して洗う必要があります。内ぶた凹凸があり、若干洗いにくいですが、圧力IH炊飯器にしては掃除がしやすいといえます。

---

 以上、象印の「炎舞炊き」という最上位機種の紹介でした。

 従来的に象印が強い「加圧」に加えて、ローテーションIH式という、びっくりする新機軸を搭載した機種です。おそらく、数年にわたって評判を呼んでいく「名機」になると思っています。

 伝統工芸の進行も素晴らしいことですが、家電好きとしては「技術の進化」を感じさせるこの機種に、とても好感を持ちました。味も確かです!

後編につづく!
高性能な炊飯器のおすすめは、結論的にこれ!

 記事はまだまだ続きます。

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バーミキュラ ライスポットRP23A-SV
タイガー 土鍋ご泡火炊き JPH-A102
東芝 真空IH保温釜RC-10ZWM
三菱 本炭釜 KAMADO NJ-AWA10

 後編では、今回紹介できなかった、高性能な炊飯器をもう少し紹介していきます。

 その上で、ここまで紹介した炊飯器の全機種から、目的別・予算別に最もオススメでできる機種を選定していきます!

 →後編の記事は【こちら

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 前編は最後になりましたが、もしこの記事がお役に立ったようならば、Twitter Facebook はてなブックマークなどで話題を共有していただければ嬉しいです。

posted by Atlas at 14:26 | 炊飯機

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