【今回レビューする内容】2024年 お掃除ロボットの性能とおすすめ・選び方:機種の違いや人気ランキング
【比較する製品型番】iRobot ルンバ コンボ Essential robot Y011260 Y011060 コンボ i5+ i557860 i555860 i515860 ルンバ i7 i715060 ルンバ i7+ i755060 ルンバコンボ j5 j517860 ルンバ コンボ j5+ j557860 ルンバ j7 j715860 j7+ j755860 ルンバ j9 j915860 j9+ j955860 ルンバ コンボ j9+ c975860 コンボ j9+ SD c955860 ルンバ コンボ j7+ c755860 ルンバ コンボ 10Max robot +AutoEmpty X055860 10Max robot +AutoWash X085860 ルンバ コンボ 2 Essential robot +AutoEmpty Y051060 Y051260 エコバックス DEEBOT T9 DLX13 T9+ DLX13-54 OZMO T8 T8+ DLX11-54 DEEBOT N20 PRO PLUS N10 DBX41 N10 PLUS DBX41-12AE N8 DEEBOT Y1 PRO DEEBOT X2 X1 DEEBOT T30 OMNI DEEBOT T20e T20 DEEBOT T10 PLUS シャオミ Xiaomi S20 CDZD106 E10 B112 S20+ B108GL X20+ X20 Pro D102GL X20 Max D109GL TP-Link Tapo RV20 Mop ダイソン Dyson 360 Vis Nav RB03 BN ANKER Eufy Robot Vacuum Omni S1 Pro T2080511 Eufy X8 Pro with Self-Empty Station T2266513 T2276513 eufy RoboVac 11S Roborock Q Revo QR52-04 パナソニック RULO mini MC-RSC10 MC-RSF1000-W 日立 ミニマル RV-X10-J ほか
今回のお題
賢い!ロボット式掃除機のおすすめはどれ?
ども、Atlasです。
今日は、2024年10月現在、最新のロボット式掃除機の比較です。
自動運転を「賢く」行うために必要なセンサーや人工知能(AI)の精度や、吸引力の違いに注目しながら、各社の最新機をみていきます。
1・ルンバなどロボット掃除機の比較
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:ルンバ 〈eシリーズ〉
1-3:ルンバ 〈iシリーズ〉
2・ルンバなどロボット掃除機の比較
2-1:ルンバ 〈Jシリーズ〉
2-2:ルンバ 〈10シリーズ〉
3・ANKERのロボット掃除機の比較
3-1:アンカー〈Eufy〉
4・Ecovacsのロボット掃除機の比較
4-1:エコバックス〈Deebot〉
5・RoboRockのロボット掃除機の比較
5-1:ロボロック 〈BRT〉
6・日本のロボット掃除機の比較
6-1:パナソニック〈ルーロ〉
6-2:日立〈minimaru〉
7・世界のロボット掃除機の比較
7-1:ダイソン〈 360 Vis Nav〉
7-2:エレクトロラックス
7-3:TP-Link・シャオミ ほか
8・ロボット掃除機の比較
=最終的なおすすめの提案【結論】
今回は、全8回の連続記事です。
1回目記事(今回)は、全体の導入として、スペック面の「選び方の基本」を説明します。
その上で、最古参でまた人気もある、米国のルンバ から順番に紹介します。
そのあと、エコバックス・ダイソン・ロボロックなど海外勢の各製品をみていくという構成になります。
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センサーの性能 ★★★★★
掃除のスピード ★★★★★
すきま対応力 ★★★★★
バッテリー ★★★★★
総合評価 ★★★★★
また、最終回記事(こちら)では、結論として、目的別・価格別の「Atlasのおすすめ機種」を提案します。
よろしくお願いします。
1-1・ロボット掃除機の選び方の基本!
はじめに「ロボット掃除機の選び方の基本」の紹介です。
ロボット掃除機は、自動車の「自動運転技術」などとも関わる最先端の技術が関係する最先端の家電です。
各国の企業もぞくぞく参入してきており、ラインナップが複雑化しています。
デンキヤでは、「ビリヤード台」のような場所で「実演競争」が行われています。
ただ、実機を見ただけで「性能」が分かることは絶対にありません。
ロボット掃除機は、掃除機の要素だけでなく、ロボット技術・AI技術・自動運転技術が合わさった、相当複雑なハイブリッド家電だからです。
そのため(調べるのが嫌いな方でも)スペックをしっかり見ることがとても重要です。
1・マッピング
2・障害物の回避(壁)
3・障害物の識別(小物)
4・床面・ゴミ検知
5・吸引力
6・水ふき
「最も賢いロボット」を「パートナー」としたい場合、注目するべきスペックは、この3点です。
重要なので、以下、順番にあらかじめ少し詳しめに解説しておきます。
1・マッピングの精度
はじめに、ロボット掃除機の「マッピング」に関わる精度にです。
最近のロボット掃除機の場合、それほど高価な製品ではない入門機でも、センサーで、部屋の形状を把握し、リアルタイムで自動マッピングしてくれます。
また、中級機では、各部屋の自動的なエリア分け、進入禁止エリアの設定などができるのが普通です。
一方、この部分の機能を大きく分けると言えるのが、位置情報センサー(レーダー)です。
精度が悪いと「ゴミの取り残し」が多くなるほか、清掃時間も長くかかります。
また、リアルタイムで素早くマッピングできないと、障害物との衝突の危険性も増します。
とくに、清掃時間については、ロボット掃除機はそれなりの騒音があるので、掃除を短時間で完璧に終わらせるために重要です。
1・カメラ式
2・レーザー式
3・ジャイロ式
位置センサー(レーダー)は、大きく分けると、以上の3種類に分けられます。
各機は、取得したデータを人口知能(AI)で分析し、地図化しています。
ただ、精度が大きく変わるので、それぞれのセンサーの性質を簡単に解説しておきます。
第1に、カメラ式です(Visual SLAM)。
基本的な仕組みは、内蔵カメラを写す画像をAIが解析しマッピングするというものです。
したがって、カメラの種類で精度が変わります。
例えば、ダイソンは360度カメラで広範囲の情報を取得することを優先する作りです。
主な弱点は、カメラなので暗い場所です。
各社ともLEDライトを付けたり、夜間に強いHDRカメラを採用したり対策がありますが、夜間はやはり苦手です。
搭載機の価格は、10万円以上の高級機が多いです。
ロボット掃除機の場合、素早くマッピングし、状況を把握しないと衝突すると言えます。
カメラは(映像だけに)情報量が多いので、素早く処理するために高性能なエンジンやソフトの開発が必要です。
高級機だけなのは、それゆえです。
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結論的にいえば、事務所の夜間清掃や、留守中の暗い部屋で運行を考える場合やや「難あり」なセンサーです。
ただし、日中は、情報量の多さを活かして大活躍でしょう。家庭用だとカメラセンサーは悪くないです。
第2に、レーザー式です(LiDAR SLAM)。
価格は、この種ならば、4万円台ほどのロボット掃除機から搭載がみられます。
基本的な仕組みは、内蔵の光学式レーザーを、壁などに反射させた光を自機が検知し距離を測り、マッピングしていというものです。車の自動運転技術でも使われる技術です。
カメラ式と違い暗い場所に強いため、最近ではこの方式が主流です。前方10Mまで一気に情報が撮れるのでマッピングも素早いです。
素早い処理では、(情報量が多い)カメラは適わないので、最近は高級機でもこの方式が増えています。
一方、細かく言えば、レーザー式は2つのグレードに分けられます。
1つ目は、LDSセンサー(LDS LiDAR)です。
主に、格安機で採用されます。
色々な言い方がありますが、仕様書にLDS(Laser Distance Sensor)、レーザーレーダー(Laser Radar)、ライダーセンサー(LiDAR Sensor)などとあれば、こちらです。
仕組みは、掃除機の上のボッチが360度クルクル回りながら、壁などの物体に向けて光(レーザーパルス)を照射し、その光の跳ね返りで距離を測るというものです。
これで全周の2D(平面方向)の距離を測ります。1分に300回転ほどです。
測距は、ただ平面方向のみにほぼ限ります。
その部分で、2D距離センサーと言っても良いでしょう。
回転によるタイムロスがあるため、リアルタイムマッピングは、やや苦手とします。
2つ目は、D-ToFセンサーです(D-ToF LiDAR)。
中級機以上で採用例が見られます。
仕組みは、側面から、レーザー(赤外線)を放射し、距離を測るというものです。
この場合、平行・垂直両方向にセンシングできるため、3D距離センサーと言えます。
上面に、出っ張りがないのですき間に入りこむスキルも上がるという利点もあります。
測距は、ただし、前方に限られる弱点があります。
そのため、センサーを複数搭載することで、検知範囲を広める工夫をする機種もあります。
この方式の場合、立体方向(3D)の情報も得られる点で、自機位置把握がより素早いです。
リアルタイムマッピングによる障害回避には有利と言えます
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結論的にいえば、マッピングで、現在的に精度が出せるのがレーザー式です。
ただし、レーザーは、ガラスや大理石など光が透過するものは苦手です。そのため、情報量の部分で、3D対応のD-ToF方式のほうが精度は出ると言えます。
カメラ方式も情報量が多く取れて優秀ですが、リアルタイムの障害物回避は、素早く処理できる点では、レーダーがやや優位と言えます。
第3に、ジャイロ式距離センサーです(Gyro SLAM)。
価格は、3万円台の入門機でも採用されるセンサーです。
底面に配置されていて、ロボットの進行方向と移動量を検知します。
これだけでもマッピングは可能です。
しかし、壁からの自己位置推定になるので精度は、カメラやレーザーほど出せません。
入門機だと、人工知能(AI)の部分でも差があるので、しっかりエリア認識できず、「ざっくり」とした地図しか描けないものもあります。
障害物の回避は、このセンサーは(むろん)非対応です。
そのため、後ほどみる、赤外線センサーなどが補助センサーとして加わります。。
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結論的にいえば、入門機としても、今だと距離センサーを搭載するのが、いまだと最低減です。
その上で、描ける地図の精度(=AIの賢さ)にも注目して選ぶと良いかなと思います。なお、今だと、自己位置推定ができないロボット掃除機は、入門機でもほぼ「淘汰」されました。
例えば、【Xiaomiなどのロボット掃除機の比較】でみた、Xiaomiの製品だと、3万円未満でもレーザーセンサーを搭載した機種がでていますし、そのような時代です。
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以上、マッピングについて、主にセンサー部分から説明してきました。
「ざっくり」区分ですので例外はありますが、一般人が選ぶ場合、この区分を知っておけばだいたい大丈夫です。
2・障害物の回避
続いて、壁や障害物の回避精度です。
先述のように、ここまで見たマッピング用のセンサー(レーザー・カメラ)も、リアルタイム情報で、物体回避にも使われます。
しかし、単独だと十分に障害物を回避できないので、他のセンサーも複合的に積むのが普通です。
1・赤外線センサー
2・超音波センサー
3・特殊カメラセンサー
ここでは、壁との衝突回避に使われる代表的センサー2種について解説します。
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第1に、赤外線センサーです。
マッピングができない入門機をふくめて、ほぼ全ての製品が装備するセンサーです。
壁際の検知(衝突防止)、段差の検知(落下防止)などの目的で、複数搭載されます。検知範囲は1m未満です。そのため、マッピングにはほぼ使われないタイプです。
しかし、情報量が限られ点で素早く処理(危険回避)できるので、上位機でも搭載します。
赤外線ですから暗い場所(夜間)が得意です。
カメラの苦手分野を補完するため、メインセンサーが「カメラ」の機種は重用している場合が多いと言えます。
一方、ガラス面・黒い家具・光の強い場所での検知が苦手です。衝突回避の部分で、このセンサーだけ採用の格安機だと、割とガシガシ当たります。
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結論的にいえば、現状において言えば、(搭載数はともかく)このセンサーの搭載は普通です。そのため(逆に)、このセンサー「だけ」しか衝突回避のためのセンサーの説明がない機種に注意するべきといえます。
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第2に、超音波センサーです。
赤外線センサーを補うセンサーとして、一部の機種に採用します。
赤外線センサーが苦手なガラスや暗い色あいの家具にも対応できるからです。
また、床質(カーペット)もしきい値の違いで検知できるので、カーペットでの運転強度を替えるため、搭載される場合もあるセンサーです。
壁の検知力はイマイチですが、他のセンサーの「サポート」役なので、問題ないです。
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結論的にいえば、赤外線ほど目立たないセンサーですが、複合的に搭載されている場合、評価して良いといえるものです。
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第3に、特殊なカメラセンサーです。
こちらは、マッピングの項目でみた(写真が撮れる)カメラではなく、物体回避専用に使われるため装備されるものです。
おもに3種類あります。
赤外線カメラ式は、入門機でも見られます。
壁回避のための赤外線センサーと違い、5cmほどの小さな障害物の識別(認識)ができます。
ただ、そこまで精度は高くなく、50cm前方ほどの進行方向の物体が見えるだけです。
ToFカメラ式は、比較的安い機種でも採用例がある方式です
本体から照射された光をカメラが検知することで、物体を見つけ、回避行動に入るものです。
距離センサーの1つとしてマッピングに使われる場合もありますが、最近のロボット掃除機の場合、物体回避のための装備と考えたほうが良いかと思います。
赤外線にくらべると、物体の回避性はその10倍です。
構造化ライト式は、中級機からの採用です。
ストライプ状に発光する赤外線の3D構造化ライト(ストラクチャードライト)を利用し、撮影画像自体をカメラが分析し、物体形状やサイズを理解します。
距離も測定できますが、普通のカメラ式と違い遠くまで見通すことは不可(1m未満)です。強い光も苦手とします。こうした性質から、このセンサーも、ロボット掃除機だと、マッピング自体にはメインでは使われません。
逆に、ほどよい加減の情報量なので、処理速度・処理精度の面で優れます。ぶつかる危険がある際に「素早く」物体把握と回避行動をれる方式で、回避性能技術としては最先端です。
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結論的にいえば、中級機以上に限られるものの、こういったセンサーが補助する機種は、回避能力の部分で、1段階、上位です。
また、車の自動運転技術の進化で技術革新もはやい分野です。
3・障害物の種類の識別(物体識別)
続いて、障害物の種類の識別です。
物体回避と似ますが、机・椅子・スリッパといったもう少し小物な障害物を意味します。
そうした障害物を、物体をAIが認識し専用の回避行動をとるというものです。
諸方式あります。
いずれもカメラの情報をAIが解析し、障害物の回避行動をする部分では同じです。
マッピング用のカメラを使う方式(ルンバ・ダイソン)と、専用のカメラを備える形式(エコバックス)がみられます。
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1・ペットの排泄物
2・コード類
3・スリッパ・靴下・靴
4・ファブリック・衣服
5・リュックサック
6・ペットの食器・おもちゃ
7・猫用トイレ
8・クリスマスツリー
9・動体(猫や犬)
10・排泄物(猫や犬)
現状で把握できる物体は、例えば、ルンバの上位機の検知できる代表的な物体は以上です。
動体(犬や猫)まで検知して、それに応じた回避行動ができるのが最先端です。
エコバックスの上級機もここは優秀で、この両社が「対応できる物体・動体」ので競っているのが現状です。
ただし、情報分析には、高性能なカメラ部品ほか、高度なAiと処理力の高いCPUが必要です。そのため、10万円以上の「超高級機」に限った話になります。
ただし、カメラを搭載する機が必ずしも、物体検知をするわけではないです。
例えば、ダイソンは、上部に搭載される「超広角の360度カメラ」ですが、画角の関係か物体識別は対応しません。
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結論的にいえば、高級機を選ぶ場合、重視しても良い部分です。
とくに、広いご自宅で、動物を飼っている方は、この部分は重要です。
4・床面・ゴミ検知センサーの精度
続いて、床面の検知能力についてです。
中級機以上の場合、部屋でカーペットなどを見つけた場合、自動で「ブースト運転」 させるため、ゴミや床質を検知するための諸センサーを装備します。
簡単に、順番に解説しておきます。
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第1に、床面検知センサーです。
言いかえれば、圧力センサーです。
掃除機のブラシと床面との負荷を検知し、絨毯などの床面の質を判定します。
最適なパワー・回数で運行できるため、搭載機は、ゴミの取り残しが少ないです。
このほか「水拭き」ができるロボット掃除機について、(濡らしてはいけない)カーペットを検知するため、超音波センサーなどを併用して、複合的に分析する機種もあります。
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第2に、ゴミ検知センサーです。
種類としては、光センサーやピエゾセンサー(圧電センサー)です。
いずれの場合も、ゴミの集塵量を把握するためのセンシングに使われます。
ゴミがある場合は掃除を続けるため、やはり、ゴミの取り残しが少なくできます。
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結論的にいえば、とくに、カーペットなど掃除困難な場所が多い場合、これらのセンサーの有無は「重要」です。
5・吸引力の強さ
続いて、吸引力の強さについてです。
吸引力は、ロボット掃除機の場合、真空度(吸付く力)・風量・ブラシ性能の部分で決まります。キャニスター掃除機と違って、実数として「仕事率」を出すのは、難しいので、どこも出しません。
この部分について、順番に説明していきます。
第1に、真空度です。
真空度(PA)については、エコバックス・アンカー・ロボロックなどの海外企業の場合、(宣伝のため)実数を出す場合が多いです。
現状で、5万円強のもので4000PA以上、入門機でも2000PA以上というのが平均値です。
また、アンカーほか、内部のタービン(モーター)がデュアルで搭載することで、4000PA×2ととするような工夫をする場合もあります。
一方、この部分を強化する場合、往々にして、運転時の静音性が犠牲になります。そのため、選ぶ場合、騒音値が紅海涸れているかに注意を払うのが重要です。
60dB以下ならば、キャニスター掃除機と同じほどなので問題ないです。ただ、それ以上という機種もあります。日本と世界だと住宅事情が異なるからです。
ただ、【TP-Linkのロボット掃除機の比較】で見たように、パワフルでも、特別な静音構造の説明があるような機種もあります。
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結論的にいえば、PA値はある程度目安にして良いですが、特に、騒音が問題となる住居で利用する場合は、騒音とバーターであることは理解して選ぶべきです。
ただ、日本メーカーや、ルンバは値を公開しませんし、先述のように、ブラシ形状などその他の部分の性能も吸引力に関わるため、比較が難しいのが悩みどころです。
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第2に、ブラシ部分の性能です。
中級機以下だと、各社とも最近は似たような形状のブラシにだいたい落ち着いています。
ゴム製のロールブラシを利用し、ゴミをかき出していく構造です。吸入口の角度が変わるなど独自の工夫もありますが、吸引力を活かし、毛絡みを防ぎたい場合、この形状が良いからようです。
ただ、ルンバほか、大きめの機種だと、ブラシをデュアル搭載しています。
V字構造にすることで、毛絡み防止を防ぐ形状で、実際、細かいゴミは、シングルブラシよりは数と言えます。 コードなども絡まりにくいと言えます。
また、ダイソンは、スティック式と同じような複合的なブラシを使い、ある程度荷重がかかる構造にすることで「これまでの人間の掃除方法の進化」を目指します。
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結論的にいえば、ローラー部分に個性のある機種はロボット掃除機の場合、さほど多くないように思います。
ただ、先述のように、吸いこむパワーだけ強くても、無用に吸い付くだけでゴミを吸うわけではないので、形状や数に工夫のある機種を選ぶ意味は、一定度あると言えます。
センサーほど差が付く部分でもないですが、重要です。
6・水拭き機能の精度
最後に、最近搭載が普通になってきた、モップによる水拭きについてです。
格安機の場合、単純にモップをセットし、吸引と同時に、水タンクの水で濡らして掃除していくというシンプルな構造です。
汚れをゴシゴシ落とすのは無理で、床を「濡らす」感じで掃除をしていきます。カーペットを自動で避けて掃除できる機能もない機種もあるので、正直「なくても」よい感じはあります。
中級機の場合、カーペット検知や、(滴下なしを含む)水量の自動調整、運転時のモップの自動リフトアップに(もちあげ)に対応する機種があります。
この場合、スマホで「水ぶき禁止」エリアを指定すれば、ゴミ掃除と水ふきをある程度「自動化」できます。
清掃力も、モップを振動させて、汚れ落としを強化する機種が出ていきます。5万円強の予算だと、だいたいこの程度の機能があれば「スタンダード」です。
上級機の場合、モップ自体の形状が変わります。
回転式ローラータイプになり、ある程度「ゴシゴシ」磨いてくれます。
エコバックスが先行していましたが、シャオミなど他機も採用してきました。実際、普通のモップだと、汚れ落としまでは無理なので、前者ともおそらくこの方向に進化していくでしょう。
なお、高級機だと、ゴミステーションに洗浄機能をつけた機種が出ています。モップの洗浄や、温水洗浄、自動乾燥まで自動化させるものが登場しています。汚水タンクの掃除が必要ですし、業務用な感じがありますが、現状の最先端はこのあたりでしょう。
消耗品費は、ただし、注意点です。
回転式・フラットなモップとも、複数の部屋で毎日のように使うならば、2-3ヶ月が交換目安です。
価格は、メーカーにより異なりますが、1セット700円あたりが相場(互換品ならその半額)です。
ただ、自動洗浄対応の「複雑」な製品は、関連する消耗品(洗浄ブラシなど)が増える場合もあります。
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結論的にいえば、それなりに本体価格が高い製品は(セールで買っても)、ランニングコストの部分も、それなりに増える点が注意点です。
上で書いた以上に、余計に消耗品費がかかりそうな製品は、記事本編では「注意書き」するつもりです。
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1・ルンバなどロボット掃除機の比較
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:ルンバ 〈eシリーズ〉
1-3:ルンバ 〈iシリーズ〉
2・ルンバなどロボット掃除機の比較
2-1:ルンバ 〈Jシリーズ〉
2-2:ルンバ 〈10シリーズ〉
3・ANKERのロボット掃除機の比較
3-1:アンカー〈Eufy〉
4・Ecovacsのロボット掃除機の比較
4-1:エコバックス〈Deebot〉
5・RoboRockのロボット掃除機の比較
5-1:ロボロック 〈BRT〉
6・日本のロボット掃除機の比較
6-1:パナソニック〈ルーロ〉
6-2:日立〈minimaru〉
7・世界のロボット掃除機の比較
7-1:ダイソン〈 360 Vis Nav〉
7-2:エレクトロラックス
7-3:TP-Link・シャオミ ほか
8・ロボット掃除機の比較
=最終的なおすすめの提案【結論】
以上、ここまでは、スペック面での「選び方の基本」を説明しました。
ゴミステーションの部分ほか、まだ説明し切れていない部分はありますが、それは、本編で、おいおい書こうと思います。
以下、上図のようなメーカー順に各機を見ていくことにします。
1-2・コンボ・エッセンシャルの比較
というわけで、アメリカのiRobotのルンバ(Roomba)の比較です。
はじめてロボット掃除機を開発した企業です。
もとは地雷処理のためのロボット開発の会社でしたが、その技術をロボット掃除機に応用したのが起源です。
・エントリーeシリーズ(Combo Essential 1, 2)
・位置把握:不可
・吸引力:通常
・物体識別:壁(ほか)
・水ふき:対応(一部)
・スタンダードiシリーズ(i2 i3+ I5+ i7+ コンボ i5+)
・位置把握:距離センサー(一部)
・吸引力:通常
・物体識別:壁(ほか)
・水ふき:対応(一部)
・プレミアムJ シリーズ(J5 J5+ J9+ J9 j7 J7+ )
・位置把握:カメラ + 距離センサー
・吸引力:強め(一部)
・物体識別:壁 小物類 動物
・水ふき:対応(一部)
・ハイエンドシリーズ(コンボJ9+ コンボJ7+ コンボ10 Max)
・位置把握:カメラ + 距離センサー
・吸引力:強め(一部)
・物体識別:壁 小物類 動物
・水ふき:モップ自動洗浄・乾燥
なお、ルンバの現行機は、大きく分けて、以上の4グレードに区分できます。
以下では、ルンバの廉価版といえる、コンボEssentialから、中級機・高級機へと各機を順番にみいきます。
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なお、以下では、高評価できるポイントは赤系の文字色で、イマイチなところは青字で表記していきます。
【2024年発売】
1・ iRobot ルンバ コンボ Essential robot Y011260
2・ iRobot ルンバ コンボ Essential robot Y011060
¥39,300 Amazon.co.jp (10/18執筆時)
マッピング:不可(限定的)
走行:ルート走行
本体サイズ:35.3cm
段差対応:2cmまで
隙間対応:高さ10cmまで
物体認識:
床ふき:対応
バッテリー:120分
ルンバ コンボ Essential robotは、ルンバの最新機種となる格安機です。
いずれにしても「機能を厳選した(Essential)」格安機です。
従来入門機だった「iシリーズ」ほど、賢いマッピングができない一方、「床の水ふき」に新対応した部分など、新要素もある製品です。
水ぶきについても後で詳しく見ます。
本体サイズは、幅が33cmです。
他社機にはより小型な本体もありますが、だいたい平均サイズです
段差は、ゴミ掃除の時は約2cmまで乗り越えられ、隙間は、約10cmまで入り込めます。
段差は他社と同じほどの対応力です。
隙間は、ただ、他社によりスペックの良い機種があります。
ルンバの場合、全体として、センサーで無理して隙間に入らないようにする方向性です(=リアクティブセンサーテクノロジー)そのため、すき間に入り込むような宣伝写真はあまりない感じです。
ただ、日本家屋の場合「小回り」というのは重要なので、他社と比較する場合、考えて良い部分でしょう。
センサーは、赤外線センサー(段差センサー・ソフトタッチセンサー)です。
赤外線センサーで段差からの滑落を防止し、壁を把握する仕組みです。後者は、名前から感圧センサーかと思いましたが、ぶつからず回避しているので、赤外線センサーでしょう。
ただ、先述のように、さほど精度がよいセンサーではないので、特に暗い部分では性能が劣ります。椅子の脚などの障害物把握もあまり得意ではないです。
走行方式は、規則正しいルート走行はします。
ただ、マッピング走行というレベルには至りません。
カメラやフロアトラッキングセンサーがないので、自機の位置を正確に把握していないので、あくまで壁(障害物)を目安にジグザグに走行するだけです。
そのため、後述するようにスマホで掃除した場所の地図は出せますが、動いた結果を示すだけで、「自分がどこにいて、どう掃除すれば良いか把握」して、掃除をしてはいません。
地図も、壁をベースに描いているだけです。
ただ、本機は未搭載ですが、マニュアルには「カメラセンサー」の記載があったので、搭載する上位版が将来出る可能性はあります。
ゴミ量センサー(ピエゾセンサ)の記載もないです。
場所のゴミ量に応じて、運転強度を調整することもなく3段階であらかじめ指定できるだけです。
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結論的にいえば、全く地図把握ができない上で、ゴミ量も分からない点で、現在水準のロボット掃除機として、相当「賢くない」です。
吸引機構も、上位機とは差があります。
ブラシがデュアル構造ではないシングルアクションブラシだからです。毛絡みが生じやすい部分があるので、手入れ用ブラシが付属しています。
吸引力を揚げるパワーリフト(真空状態を作り出すエアフロー構造)などは上位機と同じですが、モーター部分でも差はあるでしょう。
(手動で)3段階の強弱調整できる部分は、24年機からの新機軸ですが、最大吸引力があがったわけではないかと思います。
消耗品は、2種類のブラシと、後述するモップパッドと、ゴミフィルターです。
なお、メインブラシ以外は、毎日使うとして、6ヶ月ほどで交換です。
3回分のセット販売で7000円ほどです。モップは別で、3枚3100円です。
モップパッドは、一方、交換期間の目安は、3-6ヶ月という指示です。
他社に比べて、わりと長めに思います。
パワーも、モーターに関わる情報がないです。
ダストボックスは、本体に内蔵です(左図)。
同じく紙パック不要なダストビン式で、ゴミ捨てがワンタッチで可能です。
なお、このグレードだと(流行りの)ゴミステーション(右図)は非搭載ですが、充電台座までは自動で戻ります。
バッテリーは、連続稼働時間120分を確保します。
長いですが、先述のように、モーターパワーは弱いでしょう。
リチウムイオン電池で、充電は4時間ほどです。
こちらはリチウムイオン電池なので、充電は3時間と短いです。平均3年利用でき、交換もユーザーで可能です。
水ふきは、対応です。
ルンバの入門機では初搭載です。
付属のモップパッドを取り付けると自動検知し、水ふき+ゴミ掃除モードになります。
ただ、先述のように、本機は走行系センサーがあまり強くないです。
そのため、利用時は(濡れたら困る)カーペットなどを巻き上げるようにとの指示です。ただ、モード設定と、モップの厚みの部分で、ラグの段差を乗り越えにくくはしているかもしれません。
なお、モップは、水洗いで繰り返し使えます。
iRobot Home
¥0 Apple Store
iRobot Home
¥0 Google play
ネットワーク機能は、Wi-Fiが標準搭載です。
アプリは、全機とも共通で、同社のiRobot Homeアプリを利用します。
タイマー操作やスケジュール運転に対応できます。
なお、先述のように、動いた軌跡は地図的なもので把握できますが、地図をAIが認識して、賢く掃除しているわけではないです。なお、上位版だと写真のようにキッチリ地図を描けます。
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以上、ルンバ コンボ Essential robotの紹介でした。
先述のように、センサー部分がかなり弱く、ゴミ掃除部分は従来の入門機より退化した感じです。
水ふき対応機でも、センサーがより高度で、水ふき部分の工夫がある機種が他社(Ecovacsほか)から出るので、正直、今回の新作はイマイチに思えます。
ルンバから選ぶとしても、次に見る、旧入門機(iシリーズ)が良いでしょう。
【2024年発売】
3・ ルンバ コンボ 2 Essential robot +AutoEmpty Y051260
4・ ルンバ コンボ 2 Essential robot +AutoEmpty Y051060
¥59,398 Amazon.co.jp (10/18執筆時)
マッピング:不可(限定的)
走行:ルート走行
本体サイズ:35.3cm
段差対応:2cmまで
隙間対応:高さ10cmまで
物体認識:
床ふき:対応
バッテリー:120分
ルンバ コンボ 2 Essential robot +AutoEmpty 充電ステーションは、2024年に追加されたモデルです。
位置づけとしては、「ごみステーション」が付属する安めのモデルといえます。
本体サイズは、幅が33.5cmです。
段差は、ゴミ掃除の時は約2cmまで乗り越えられ、隙間は、約10cmまで入り込めます。
下位機を元にした開発なので基本仕様は変わりません。
センサー・走行形式も、やはり1つ上の製品で説明した内容と同じです。
赤外線センサー(段差センサー・ソフトタッチセンサー)のみなので、ルート走行はしますが、「AIがマッピング」とは言えないレベルの、地図認識しかしません。
ゴミ量センサー(ピエゾセンサ)は、本機も記載もないです。
吸引機構は、仕組みとしては、下位機と同じです。
パワーは、ただ、プレスリリースだと、吸引力は2倍とされます。
他社(特に中国系)と比べると、ルンバは吸引力のスペックが非開示です。他社は、吸込み時のパワーをPa(パスカル =真空度)で示す場合が多いですが、ルンバの場合、この部分では、ユーザー側は比べられません。
ただ、おそらく、モーターの強化で「良く吸う」ようにしています。
手動(アプリ)での調整も4段階なので、パワーの部分でも下位機より良いとみて良さそうです。
ただし、カーペットに対応できる水準ではないとは言えます。
ダストボックスは内蔵ですが、先述のように、ごみステーション(充電ステーション)が付きます。
溜まったゴミは、側面にあるダストボックスの専用排出ポートから、ステーションに都度吸引されます。
ステーションのゴミ入れは紙パック式です。
【3個セット】
アイロボット 交換用紙パック 3個 4648034
¥1,818 Amazon.co.jp (10/18執筆時)
紙パックは、純正品を買う場合、以上の価格でです。
上位シリーズと共用です。互換品だともう少し安めです。
1パックで、最大6ヶ月交換不要とされます。
パックは0.8Lほどの容量に見えます。(手で行う)普通の掃除機と併用して毎日使うとして、一般家庭で、1年・3個ほどと考えれば、だいたい良いかと思います。
バッテリーは、連続稼働時間120分を確保します。
下位機と同じです。充電量が足りなくなった場合は、戻って充電してまた動きます。
消耗品は、先ほどのゴミパックほか、2種類のブラシと、後述するモップパッドと、ゴミフィルターです。
下位機と同じパーツです。
メインブラシ以外は、毎日使うとして、目安6ヶ月ほどで交換です。
3回分のセット販売で7000円ほどです。モップは別で、3枚3100円です。
水ふきは、下位機種と機能は変わりません。
水タンクに注入する方式ですし、また、下位機同様、カーペット検知力が弱いため、水拭きについては、在宅時におこなうのが基本です。
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ネットワーク機能は、Wi-Fiが標準搭載です。
アプリは、下位機と共通です。
地図を確認できるほか、掃除の予約などを一通り予約できます。
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以上、ルンバ コンボ 2 Essential robot +AutoEmpty 充電ステーションの紹介でした。
ごみステーション付きなのが売りです。
ただ、下位機同様に、マッピングによる正確な位置把握ができないので、「ゴミ捨て」させつつ、家中の広い面積に対応させるような使い方は、向かないと言えます。
そうなると、ゴミ捨て頻度が減ることがある意味唯一のメリットです。ただ、特に留守中掃除する場合(変なものをすっていないかなど)本体自体の手入れ・確認・掃除は(他機同様)必要でです。
結論的にいえば、下位機でのステーション搭載は個人的には、そこまで便利ではないようには思います。むしろセンシングを強化して貰った方が嬉しいです。
1-3・ルンバのiシリーズの比較
つづいて、ルンバの標準グレードとなるiシリーズの紹介です。
現行機だと、ルンバ コンボ i5+だけですが、一定数旧機が残るので、そちらも含めて解説します。
とくに、既に見た、コンボ Essentialとの違いに注目して紹介します。
【2024年発売】(コンボ以外は23年)
【自動ゴミ収集あり、水ふきあり】
5・iRobot ルンバ コンボ i5+ i557860
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【2023年発売】(在庫限り)
【自動ゴミ収集なし・水ふきなし】
6・iRobot ルンバ i5 i515860
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【自動ゴミ収集あり・水ふきなし】
7・iRobot ルンバ i5+ i555860
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マッピング:ジャイロセンサー
走行:ルート走行
本体サイズ:35.3cm
段差対応:2cmまで
隙間対応:高さ10cmまで
物体認識:
床ふき: 対応(上位機)
バッテリー:75分
ルンバ コンボ i5+ は、ルンバのiシリーズに属する中級機です。
なお、水ふき機能、あるいは、ゴミステーションもない下段の機種は既に生産完了で、「在庫限り」です。
まだ在庫がありますし、この2機能が不要で、安いようならば選んでOKです。
本体サイズは、幅が34.2cmです。
下位機より若干太めです。
段差は、2cmまで乗り越えられ、隙間は、約10cmまで入り込めます。
この部分は下位機とあまり変わりません。
1・赤外線センサー
2・ゴミ検知センサー
3・床面検知センサー
センサーは、上表の3センサーが付属です。
冒頭でもセンサーの機能は書きましたが、簡単に振り返っておきます。
第1に、赤外線センサーです。
走行系に使われるセンサーで、新機種でもみました。
前方と側面に相当数を装備していて、障害物を検知します。
ただし、黒い家具やガラスが得意な超音波センサーは未付属です。
実際、センサー設定は「大らか」です。「ソフトバンパーが付いているし、多少はぶつかっても良いでしょう」という設計です。
バンパーの性能は良いため、過度に心配は不要です。
第2に、ゴミ検知センサーと床面検知センサーです。
いずれも、ゴミの検知に使われるセンサーです。
先述のように、新機種(コンボ Essential)では両センサーが未記載でしたが、こちらはあります。
ゴミ検知センサーは、同社の上級機の場合、吸入したゴミを振動で検知するピエゾセンサーと、小さなゴミを検知する光センサーとを併用するダブルセンサー方式です。
このグレードは(説明書を見る限り)光センサーのみです。
入門用ですので、大きな問題ではないです。
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結論的にいえば、壁などの障害物回避と、ゴミの検知能力は、ここまでにみた下位機よりだいぶ良く、また、入門機としては十分な水準です。
普通の掃除機も使っている方で、補助的にロボット掃除機を使う感じならば、(完璧主義ではないならば)こちらでも、十分、効果を実感できます。
走行方式は、割と本格的なマッピング方式です。
ここも下位機より仕様は良いと言えます。
内蔵AIがしっかり「地図」を描いて、自分がどこにいるか把握しつつ、賢く動きます。
「選び方の基本」で書いたように、地図の描き方は諸方式あります。
本機の場合、底部のフロアトラッキングセンサー(光学式)で、移動距離を把握するジャイロ式距離センサーです。
下位機は、ぶつかった壁などの障害物で「アバウト」に位置把握しているだけでした。
しかし、このグレードだと、距離センサーを活かして、内蔵AIがある程度、部屋の間取り、自機の位置を「賢く」把握します(Imprint スマートマッピング)。
上のイメージ写真のように、間取りを分けて把握するので、スケジュール指定して「部屋ごと」に掃除することや、「掃除したい部屋の指定」がスマホでで可能です。
かなり本格的です。
ただ、距離センサーの場合、移動した距離と壁から地図を描くだけなので、後ほど見るカメラセンサー搭載機ほどは、精度が期待できません。つまり、掃除の「素早さ・正確さ」においては、差があると言えます。
もっとも、あまり物が多くなく、間取りもフラットな住居ならば、実用上問題ないとは言えます。
吸引機構は、下位機種よりブラシ部分の工夫が上位です。
他社に比べても、形状ほかで工夫があり、強力です。
ユニークな構造のゴム製のデュアルアクションブラシは、構造的に毛絡みをを防ぐためユニークな形状を採用しています。
先述のように、下位シリーズ(コンボ Essential)はここが弱いので、掃除用のブラシが付いていました。
ロボット掃除機は、毛がからむと掃除機が「止まる」ので、ロボット掃除機はこの部分のメンテが重要です。
ちなみに、最近(普通の)掃除機も、似たような工夫で毛絡みを防ぐ構造を採用する機種があります。もともとの工夫の出所はルンバだったように思えます。
パワーは、ハイパワーモーターユニットG3です。
2015年頃の登場で、旧来の上位機にあたる980シリーズにも採用されていたものです。
当時のモデルと比較する場合、吸引力が10倍です。旧中位機(e5)と比べても2倍です。
現行の下位機との正確な能力差は、本機も真空度(PA)が非開示なので不明です。
ただ、掃除機の吸引力は、真空度だけでは分からず、風量とブラシ部分の工夫も重要です。比較しても意味がないから公開しない部分はあるかもしれません。
機構の違いから言えば、現行の下位とも同じく10倍(ステーション付きとも5倍)程度の、能力差はあるというのが、同社の思うところだと想像します。
なお、同社はこのグレードの吸引機構を「パワーリフト吸引」と呼びます。
真空状態を作り出すエアフロー構造と高効率モーターの採用が、強い吸引力の秘密の1つです。
従来的に不向きとされるカーペットにも、ある程度まで対応できるようになっています。
一方、利便性の部分では、コードなどが絡まった場合、自動的にブラシを逆回転させて復帰を目指す機能があります。
ルンバの特許とのことですが、実際使ってみるとこれは意外と重要です。
【3個セット】
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ごみステーションは、現行機は付属です。
内蔵のゴミ箱が満杯になるとステーション(クリーンベース)に戻り、内蔵される紙パックに対してゴミを吐き出します。
仕組みは、先ほどみた旧機と同じで、消耗品(ごみパック)も同じものです。
本機の場合、掃除機本体の30回分のゴミを貯められるとされ、最大1年間ゴミ捨て不要とされます。
同じ交換用紙パック(約0.8L)で、収納量が下位機(6ヶ月)の2倍です。
紙パック式の場合(膨らむので)本体部分の、容積が大きいとより「吸う」ので、そのあたりの違いが出ているかと思います。
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バッテリーは、連続稼働時間75分を確保します。
こちらはリチウムイオン電池なので、充電は3時間と短いです。
平均3年利用でき、交換もユーザーで可能です。
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消耗品は、紙パック以外だと、以上のものです。
セット販売だと少し安いです。
経験上(三角の)エッジクリーニングブラシが、1年ほどで最初に「へたり」ます。
構造的に仕方ないですが、交換セットは多めです。なお互換品もありますが、駆動系については、純正が無難でしょう。
先述のように、ロボット掃除機は高度なセンシングで動く特殊な家電だからです。
故障可能性ほか、動作音ほかに悪影響を与える可能性が考えられます。
水ふきは、現行機は対応です。。
基本的に入門機(コンボEssential)と同じ仕組みです。
ただ、フロアセンサーがある関係で、利用前に「じゅうたんをあげておけ」などの無茶な指示はなくなりました。
普通に便利に使えるでしょう。ただ、水ふき部分の工夫は、同社の上位機や、先行する他社機のがだいぶ高度ではあります。
iRobot Home
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iRobot Home
¥0 Google play
ネットワーク機能は、Wi-Fiが標準搭載です。
アプリは、こちらも同社のiRobot Homeアプリを利用します。
掃除した場所の地図での確認や、タイマー操作やスケジュール運転に対応できます。
そのほか、このブログの【Amazon Echoの比較記事】で書いたような、AmazonのAIスピーカー(Alexa)で、音声での起動操作なども可能です。
なお、このグレード以上だと、【床拭きロボットの比較記事】でみた、同社のブラーバジェットm6と、共感動作が可能です。
掃除機をかけたあとに、通知が飛び、ブラーバが水拭きするという感じです。
デュアルバーチャルウォール 4491744
¥4,580 Amazon.co.jp (10/18執筆時)
このほか、別売ですが、「デュアルバーチャルウォール」の利用が可能です。
こちらは、ルンバが部屋の外に出るのを防ぐ「縄(バリア)」の役割をします。
この端末から発信した「赤外線のロープ」を感知し、ルンバを「撤退させる」ことが可能です。
そのほか、半径60センチメートルにルンバが入れなくする「ヘイローモード」も搭載します。ペットの餌箱など、ひっくり返されたくないものがある場合に有利です。
このような端末をうまく利用しながら、掃除を進めるのがルンバの基本的な使い方です。
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以上、 ルンバ ii5+紹介でした。
センサー面・マッピング面で、現行水準の「AIロボット」と言えるのは、ルンバの場合、このグレードからでしょう。下位シリーズ(Essential)とはこの部分で大きく違います。
吸引力も、このグレードからは、同社の(以前からの)独自技術が加わるので、やはり、このグレード以降が「本格的」と言えます。
そのほか、毛からみ防止・コードの絡み防止などの、インシデント対応を含めて、ロボット掃除機で最も「ストレス」な「止まってしまう」自体を防ぐ多重防護がある点も評価できます
とくに、現状でルンバ(中級機)を使っている方で「買い換え」を考えている場合、吸引機構の部分で、以前と同じ水準を得たいならば、このグレード以上でないと、大幅に使い勝手が落ちるでしょう。
その意味でも、ルンバを「指名買い」する場合は、このグレード以降がおすすめです。
今回の結論
ロボット式掃除機のおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は、ロボット掃除機の比較の1回目記事でした。
しかし、記事は、まだまだ「続き」ます。
2・ルンバなどロボット掃除機の比較
2-1:ルンバ 〈Jシリーズ〉
2-2:ルンバ 〈10シリーズ〉
3・ANKERのロボット掃除機の比較
3-1:アンカー〈Eufy〉
4・Ecovacsのロボット掃除機の比較
4-1:エコバックス〈Deebot〉
5・RoboRockのロボット掃除機の比較
5-1:ロボロック 〈BRT〉
6・日本のロボット掃除機の比較
6-1:パナソニック〈ルーロ〉
6-2:日立〈minimaru〉
7・世界のロボット掃除機の比較
7-1:ダイソン〈 360 Vis Nav〉
7-2:エレクトロラックス
7-3:TP-Link・シャオミ ほか
8・ロボット掃除機の比較
=最終的なおすすめの提案【結論】
続く、2回目記事(こちら )では、引き続きルンバの上位機(高級機)をみていきます。
センサーの性能 ★★★★★
掃除のスピード ★★★★★
すきま対応力 ★★★★★
バッテリー ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回記事(こちら)では、全体の結論として、目的別・価格別のAtlasのおすすめ機種を提案ししていきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら