【今回レビューする内容】2024年 高品質な静音DCモーター扇風機の性能・おすすめと選び方:高級リビング扇風機 パナソニック バルミューダ グリーンファン カモメファン:静音DCモーター/リビング用・1人暮らし用小型扇風機:機種の違いとレビュー・人気ランキング
【比較する製品型番】バルミューダ The GreenFan EGF-1800 EGF-1700 バルミューダ The GreenFan EGF-1800 EGF-1800-WG EGF-1800-WK EGF-1800-DK パナソニック F-C339B-W F-C337B-W 日立 HEF-DL300F HEF-DL300E HEF-DL300AZ シャープ PJ-S2DS PJ-R2DS-W PJ-R2DS-T PJ-R3DS-W PJ-S3DS-W 三菱電機 R30J-DDC R30J-DDB R30J-DMB R30J-DMA Dyson Pure Cool DP04 Purifier Cool TP07 ツインバード EF-E951W EF-E952W ドウシシャ K-F25AYSI K-F25AYCGD K-F28AYWH K-F28AYGY K-F23AY-GY K-F23AY-WH K-F23AY-BE 東芝 TF-30DL27-W TF-30DL26-H シロカ SF-V191 SF-V181 SF-HC151 SF-C223 SF-C213 トヨトミ FS-D30NHR FS-DS30MHR FS-D30MHR FS-FD3524 FS-D30NR 山善 AHX-FGD301 YHX-FGD302-W YHX-FGD303-W Duux Blade DXCF22JP Whisper Flex Touch DXCF31JP DXCF30JP DXCF26JP DXCF27JP ほか
今回のお題
最新の扇風機のおすすめモデルはどの機種?
ども、Atlasです。
今日は、2024年5月現在、最新の扇風機の比較です。
Atlasが比較のために試した扇風機を中心に、最新モデルを比較していきます。
1・DCモーター扇風機の比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:パナソニック〈日本〉
1-3:日立〈日本〉
1-4:バルミューダ〈日本〉
1-5:シャープ〈日本〉
1-6:ダイソン〈英国〉
1-7:ツインバード〈日本〉
2・DCモーター扇風機の比較 (2)
2-1:ドウシシャ〈日本〉
2-2:東芝〈日本〉
2-3:シロカ〈日本〉
2-4:DuuX〈オランダ〉
2-5:三菱電機〈日本〉
3・DCモーター扇風機の比較 (3)
3-1:他の企業
3-2:最終的なおすすめの提案 【結論】
記事では、はじめに、扇風機の「選び方の基本」を示します。
そのあとで、上表のような順番で、各社の製品をみていきます。
1・高性能なDC扇風機の比較
2・1万円前後の扇風機の比較
3・タワー型スリム扇風機の比較
4・ダイソンの空調家電の比較
5・サーキュレーターの比較
ただし、今回は、予算的に1万円以上となる高性能扇風機(DCモーター扇風機)に限定した紹介になります。
そのため、1万円までの予算で考えている場合、恐れ入りますが、2回目記事(こちら)をご覧ください。そういった機種にも良い機種は多いです。
よろしくお願いします。
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直進風の強さ ★★★★★
風の拡散性 ★★★★★
風当たりの良さ ★★★★★
首振り機能 ★★★★★
静音性の良さ ★★★★★
微風運転 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、いつものように、各社の扇風機を一機ずつ比較していきます。
そして、最後の「結論」では、上表の様なポイントから、予算別・目的別に、Atlasのおすすめ機種を提案していきます。
1-1・扇風機の選び方の基本
はじめに、扇風機の「選び方の基本」の説明からです。
最近は、高級扇風機はどの企業も例外なくDCモーター(直流モーター)採用です。
ACモーター(交流モーター)と比べて、良い部分が多いです
例えば、モータ音が小さいので静音性が高く、直流なので回転数制御が巧みで、ブラシレスなので耐久性があるからです。
電気代は、強運転で利用するなら差はないですが、性能部分が「扇風機向き」なのでそうなっています。
ただし、DCモーターならば、どの扇風機も性能はよいわけではないです。
以下の4点において、高級機でも各機に品質差があります。
1・風質面の良さ
=羽根形状
2・風速・風量の強さ
=モーター
3・自動首振り動作
=風向の工夫(立体首振り)
4・静音性(静かさ)
=静音性の工夫(風量制御)
重要な点ですし、以下で、順番に説明していきます。
第1に、風質の良さです。
高級扇風機は、羽根枚数や、羽根形状に空力上の工夫があるのが普通です。
自社開発できない場合は、流体力学を得意とするプロペラ専門企業と「コラボ」することすらあります。
空力上の工夫は、例えば、風当たりの「なめらかさ(均質性)をえるため、(当たり続けると疲れやすい)渦巻き状の気流を打ち消すため、あるいは、「風の到達距離」を伸ばすためなど、いろいろな目的で行われます。
しかし、ここは「企業秘密」に類する部分ですし、詳しい説明しない企業も多いです。逆に、(特段工夫がないので)説明していないというような企業もあります。
Atlasは長いこと扇風機をみてきました。しかし、「どうしてその羽根形状なのか」をしっかりユーザー説明できている製品で、悪質な製品は「ない」です。
差が付く部分ですし、今回は、この部分について各社がどのような説明をなしているかを重要視して、比較していきます。
第2に、風速・風量の強さです。
スペックが良い扇風機は、風の到達距離と風の拡散力などで優れます。
これらも同じDCモーター機でも、出力・羽根径などの違いで、各機に差が見られる部分です。
大手の場合、日本工業規格(JIS)に基づく風速・風量の測定値をだします。
しかし、最近は数字を出さない新興企業が増えました。
そのかわり風の到達距離を、図とともに示す企業が増えました。
ただ、風の到達距離は業界基準もなく、第三者試験でもないため、値は相当適当です。
特に、最近は、エアコン空気循環のため「サーキュレーターモード」を搭載する扇風機が増えました。
そういった機種は、同モードの最高到達距離を出すので、「人にあてる」場合の風の強さが全く分からない状況になっています。
また、従来示していた到達距離の途中で変えるような企業もあり、Atlasは「到達距離」の値は、(参考にはするにせよ)信用はしていません。
今回の記事は、そのため、基本的にJIS基準の風速・風量の値を重視して比較します。
数字を出さない機種の一部、Atlasの風速計(Polaris Export BT-GM816)を使って自分で計測した風速値を出しました。
試験空間で正確な10cmベーン式風速計を使うJIS方式の試験は、Atlasには完全な再現はできません。しかし、(値を出す)パナソニックや日立の数値を基準に誤差修正はしたので、ある程度「意味のある数字」は出せたかと思います。
なお、実測値の場合は本文でそのように記します。
第3に、自動首振りです。
扇風機を多人数に向けて使う場合ほか、衣類の室内干しなどで、範囲制限をしたい場合、大事になる部分です。
しかし、最近は、高級機でもこの部分を軽視した機種が増えました。
とはいえ、上図のように、左右の首振り角度の制御が柔軟にできる機種など、工夫された機種は多いので、そういった部分を評価して比較します。
小型機の場合は、プロペラが小径で送風範囲が狭いため、首振りはより重要です。
そのため、左右だけでなく、上下の首振りに対応できる機種もでます。
さらに、写真のように支柱が回っての立体首振り(360度)対応の製品もあります。
今回は、こうした部分も注意して説明するつもりです。
第4に、静音性です。
先述のように、DCモーター機はACモーター機より基本的には静かです。
ただ、機種によっては例外もあります。
家電製品の場合、基準に沿ったやり方で騒音値(デシベル値)をだすのが普通で、良心的な企業は、扇風機でも出します。
ただ、ここにも「ごまかし」のようなことはあります。
弱運転時の騒音は、実用風量ではない「激弱風」の騒音値を示した製品があります。
強運転時の騒音は、そもそも値を隠す製品も多いです。
実際はACモーター機とさほど変わらない50dBクラスの製品もあります。
傾向として、最大・最小運転時の騒音値を出さない企業の製品は、基本的に「優れないから出さない」場合が多いと言えます。
今回の記事では、この部分も重視して比較しています。
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以上、DCモーター扇風機の「選び方の基本」の説明でした。
このほか、扇風機の身長、タイマー運転やリズム風、搭載センサーなど説明するべきことは多いですが、本編でおいおい説明していくことにします。
以下では、冒頭で書いたメーカー順に、各社の製品をみていきます。
1-2・パナソニックの扇風機の比較
はじめに、パナソニックのDCモーター搭載機からです。
同社は、伝統的に扇風機に力を入れてきた日本の大手家電メーカーの1つです。
とくに、高性能機では、今でも優秀な機種を出しています。
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なお、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分は青字で記していきます。
【2024年発売】(品薄)
1・パナソニック F-C339B-W
¥32,800 楽天市場 (8/1執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:9枚羽根
羽根径:30cm
左右首振り:85°
上下首振り:20°
立体首振り:
風速:2.2m/s
風量:44㎥/分
直進風:
風量調節: 8段階
高さ: 77〜98cm
静音性:10dB-43dB
F-C339Bは、パナソニックのDCモーター搭載機の最上位機です。
2024年にフルモデルチェンジし、羽根の枚数が7枚から9枚となりました。
なお、本機は「酷暑」で24年生産分は在庫が尽きかけており、大手電気店ではすでに手に入らない状況です。ネットならば限定数売っているところはありました。
高さは、77cm〜98cmまで調整できます。
リビングでも和室でも利用しやすいサイズです。
平均的な扇風機の調整幅は(だいたい)約77-90cmで、若干高めの程度です。
77cmならば畳部屋などでも対応できますし、テーブルやソファの場合も最大98cmあれば問題ないです。
羽根径は、標準的な30cmです。
枚数は、今年から7枚羽根から9枚羽根となりました。
同社の説明によると「バランスのとれたなめらかでつつみこむような風」です。
従来から、プロペラに独特の「ひねり」を加えて、風ムラの少ない「なめらか」な風質を出せるのが、パナソニックの売りでした。
今回の改良では羽根を多くすることで、風ムラを抑えた風質に改良したと言えそうです。
羽根枚数を単純に増やせば風質が良くなるとは言えませんが、高級機らしい、しっかりした空力設計です。
風量は、8段階で調整できる仕様です。
DCモーター機らしく、調整は細かいです。
風速は、2.2m/秒です。
値が大きいほど、風の到達距離は長めになると考えてください。
本機は、リビング扇としてさほど風速はないので、強風が遠くまで届くタイプではないです。
風量は、44㎥/分です。
羽根の径による部分ですが、本機は平均より風量が多いです。
風量が強い機種は、一般的に短い距離でも風が拡がりやすいといえ、リビング用として良い部分があります。
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結論的にいえば、風速はふつうで、到達距離はさほどでもない機種です。
ただ、強風自慢の他社機と比べ、強風時だけでなく、それ以下の風速でも、風ムラの少ない「なめらか」な風を得やすそうです。
12畳など広い空間にはあまり向かない風質ですが、8畳前後ならば、拡散しやすい羽根形状もあり、首振りなしでリビングで使いやすいと言えます。
1人用としても少し離せば、体全体に風をあてやすそうです。
リズム風は、パナソニックの扇風機は「人にやさしい風」をだせます。
蓼科高原の風のデータに沿ったリズム風(1/fゆらぎ風)を工夫することで、「長時間あたっても疲れにくい」自然風を出すことができるからです。
この部分は、(エアコンを含め)パナソニックの空調機器全体の昔からの「こだわり」です。
首振り性能は、一方、弱い部分です。
85度の固定の左右首振りのみです。上下は手動で20度角度が付けられるのみです。
先述のように、風質的に首振りを使わないでも風は拡がりやすそうですが、他社機に比べた場合、はっきりした弱点です。
上下左右の立体首振りは不要にせよ、少なくとも左右の数段階の角度調整は欲しかったです。
静音性は、最小風量で12dBです。
人気のバルミューダ機以上に高いレベルです。最大運転時も43dBとかなり静かです。
DCモーター機はこの部分が優秀ですが、設計で差はでます。
本機は、DCモーター機だけで較べた場合でも静かです。
ふつうの扇風機の強運転だと50dBあたりが平均値ですから、だいぶ静かであることが分かります。
静音性を犠牲にして、無理に風速を上げていないとも言えます。
リモコンは、他社機同様に、赤外線リモコンが付属します。
タイマーは、入・切双方のタイマーが付属です。
首振り制御もリモコンで可能です。
モード設定は、3種類です。
いずれも、風量調整を自動化するためのものです。
第1に、おまかせモードです。
おまかせモードを選ぶと、部屋の温度を計測し、風量を最適化してくれます。
そのため、本機は、温度センサーが搭載です。
他社にも似た機能はありますが、パナソニックの場合、24度を停止温度にして、温度が上がるごと、風量を調整する仕様です。
室温と風量の関係を自分の好みに合わせられない点と、湿度がみれないのが難点ですが、エアコンと併用する感じならば、十分便利に思えます。
第2に、おやすみモードです。
温度センサーで温度を見ながら、30分ごと室温が下がった場合、段階的に風量を弱めます。一度、弱まったあとは、室温が上がっても、風量が戻らない点が、おまかせモードとの違いで、音で眠りを妨げないようにしています
喉などを冷やさないためでしょう。問題ない仕様です。
第3に、部屋干しモードです。
これは、単純に衣類にまんべんなく風が行き渡るように、緩急をつけたリズム風にするだけのものです。「霧ヶ峰」の風では乾きにくいからでしょう。
ただ、先述のように、本機は首振り幅が固定なので、乾燥目的には使いにくい部分はあります。
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以上、パナソニックのF-C339Bの紹介でした。
新しい9枚羽根は、同社の従来の特長である、風ムラのない「なめらか」できめの細かい風をより高めたものと評価できます。強風時だけでなく、ある程度弱めて使ってもそれを感じやすいのも、良い部分です。
また、DCモーター機だけでみても際だって静音性が良い部分ほか、風当たり良く「人にやさしいリズム風」を出す工夫や、温度センサーの搭載など独自の仕組みもあり、健康という側面では、高く評価ができる製品です。
こうした点で、8畳前後のリビング、家族で利用する場合に、風質も風の広がりもよさそうな製品です。また、寝室用にも良いでしょう。
一方、最大風量時の風の到達距離は、他社機に負けます。お風呂上がりに欲しいような「強烈な直進風」が欲しい場合などは、より適切な機種があります。
加えて、首振りの調整幅が選べないのは、首振りを多用する方には注意点といえます。
高級機として、甲乙ある機種ですが、最終的な「おすすめ」は記事の結論で改めて考えます。
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【2024年発売】F-CW338-C後継機
2・パナソニック F-C337B-W
¥26,400 Amazon.co.jp (8/1執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:7枚羽根
羽根径:30cm
左右首振り:85°
上下首振り:20°
立体首振り:
風速:2.4m/s
風量:44㎥/分
直進風:
風量調節: 5段階
高さ: 77〜98cm
静音性:10dB-41dB
パナソニックの場合、1つ下位の F-C337B-WまでがDCモーター機です。
羽根は、標準的な30cmですが、7枚羽根です。
この羽根も24年の新開発ですが、上位機に比べて羽根の枚数が少ない部分で、風の「なめらかさ」の部分では下位です。
風速は、2.4m/sと上位機より飛ぶ一方、さほど「丁寧な送風」ではない感じです。
風量は、36㎥/分ですので、行き渡る範囲も上位機より狭めでしょう。
そのほか、温度センサーがないので、おまかせ・おやすみモードが未付属です。
部屋干しモードもないです。
また、風量調節が5段階となります。
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結論的にいえば、上位機の値段差に比して機能差がだいぶあります。
9枚羽根を選ぶべきでしょう。
1-3・日立の扇風機の比較
続いて、日立のDCモーター扇風機の紹介です。
日立も古くから扇風機を作っている会社ですが、DCモーター採用の静音モデルの発売は他社より遅めでした。
【2024年発売】
3・日立 DC扇風機 HEF-DL300F
¥16,332 Amazon.co.jp (8/1執筆時)
【2023年発売】
4・日立 DC扇風機 HEF-DL300E
¥21,780 Amazon.co.jp (8/1執筆時)
【Amazon限定】(2022年)
4・日立 DC扇風機 HEF-DL300AZ
¥14,800 Amazon.co.jp (8/1執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:8枚羽根
羽根径:30cm
左右首振り:75°
上下首振り:
立体首振り:
風速:2.8m/s
風量:41㎥/分
直進風:
風量調節:6段階
高さ: 73〜95cm
静音性:
HEF-DL300Eは、日立のDCモーター採用扇風機では最も安い機種です。
新旧両機種ありますが、以下で説明する性能は同じです。
Amazonモデルは、22年モデルベースで、スティックではなく、台座にLED文字盤があります。また、この世代は、入切タイマーが同時設定できました。それ以外は、操作部とハンドルの抗菌加工ほどの違いです。
結論的にいえば、値段的に安い場合、Amazonモデルは選んでも良いかと思います。
高さは 、73cmから95cmで調整可能です。
90cm程度がリビング用の平均ですから、パナソニック機同様、小部屋からリビングまで 使える柔軟性があります。
羽根径は、標準的な30cmです。
羽根の枚数は、8枚羽根です。
パナソニックより1枚少ないです。
先述のように、羽根が多ければ多いほど良いわけではなく、空力的な意義が重要です。
風質は、パナソニックや他社の高級機と工夫は似ています。
つまり、羽根の枚数と形状の工夫で風ムラの少ない「なめらか」な風質を出そうというものです。
ただ、日立の場合、風速は2.8m/sでやや強めなので、風の到達距離は長そうです。
反面、風量は41㎥/分で、パナソニックより少し弱めです。
直進風の到達距離は強いが、風の拡散性はあまりないような風質です。
その点で、いえば、8畳よりも少し広めのリビングにわりと合いそうです。帰宅時やお風呂上がりなどで、強風が欲しい場合も、多少良いです。
リズム風は、パナソニックのような工夫はないです。
通常風の風質を含めて、人があたって「疲れにくい」という方向の気風はないです。
風あたりの心地良さ(きの細やかさ)は、パナソニックほどの工夫はないです。
ただ、日立の場合、「うちわ風」と呼ぶ、超微風が(むしろ)売りです。
風量的に「絶妙な微風」は、かなり考えて調整しており、微風でもしっかり感じられる風圧が「売り」です。
実際的に(静音性を重視するあまり)この部分を軽視している機種もあるため、日立の大きな特長と言えます。
風量は、6段階から選べます。
風の拡散性はあまり重視されない設計ですから、扇風機はやや離して利用することをおすすめします。
首振り機能は、一方、左右のみ75度の固定です。
上下の角度調整は30度の範囲でできるものの手動です。
パナソニックと同じですが、やはり、上位機として少し物足りないです。
リモコンは、他社機同様に、赤外線リモコンが付属します。
操作部は、下部です。
量などをしめすLEDライトは、写真のようにスティック部分です。「見やすさ」を優先したのかと思います。
このタイプはゴテゴテに見えがちですが、LED色などの工夫で、見映えは上々です。
なお、手動ですがLEDは夜間消灯に対応です。
タイマーは、入・切タイマーです。
新機種は、夜消して、朝つけるなどの同時設定は不可です。
静音性は、スペックは非開示です。
弱風は問題ないですが、DCモーター機だけで較べればですが、強風時はそれなりに音がします。
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以上、日立のHEF-DL300Eの紹介でした。
特別な羽根やセンサーなども搭載されず、全体としてはやや面白みに欠ける機種です。
ただ、大手製品として、強風である程度の風圧を得やすいほか、微風でも「風量を感じさせるうちわ風」は、さすがに「モーターの日立」の調整力です。
この部分の期待値は高いです。
また、大手製品のリビング用としては、総じて売価が安いので、DC扇風機を格安に手に入れたい場合は選択肢に入るでしょう。
1-4・バルミューダの扇風機の比較
続いて、バルミューダの扇風機です。
バルミューダは、デザイン性重視の高級生活家電を販売している日本の上場企業です。
【2023年発売】EGF-1700後継機
5・バルミューダ The GreenFan EGF-1800-WG
5・バルミューダ The GreenFan EGF-1800-WK
5・バルミューダ The GreenFan EGF-1800-DK
¥34,510 楽天市場 (8/1執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:14枚羽根
羽根径:30cm
左右首振り:150°(幅調整可)
上下首振り:
立体首振り:
風速:3.1m/s
風量:
直進風:最大11m
風量調節: 4段階
高さ: 87cm/50cm
静音性:14db-
The GreenFanは、バルミューダの発売する高級なDC扇風機です。
以前は、GreenFan Japanという名前でしたが、今は名称が変わりました。
ただ、現行モデルも日本製です。
近年の「高級扇風機ブーム」の先駆け的な製品で、バルミューダが世に知られることになったきっかけともいえる製品です。
最新型ですが、その独特の形状の羽根は初代から守られている伝統です。
高さは、2段階の固定式です。
スティックを外すことで、約87cmと約50cmの二段階の調整が可能です。
リビング用の標準的な高さは約90cmなので、棒をつければリビング向けに、外せば、小部屋向けです。
一方、病院の待合室のようなハイポジションには非対応です。
なお、冬場の収納についても、小さく分解可能のためスペースを取りません。
羽根径は、標準的な30cmです。
羽根の枚数は、14枚の大小の羽根を組み合わせた部分にあります。
同社の風質の根本となる部分です。
風質は、風ムラの少ない「なめらか」な風質を目指す点では、日立・パナソニックと同じです。
ただし、仕組みは異なります。ユニークな、大小の羽根で、速度異なる2種の風を前に送り出し、それらをぶつけて、風ムラを「打ち消す」という仕組みです。
普通のプロペラだと、渦巻き状の風がそのまま体にあたるので、風当たりに波があり「体を冷やしすぎる」ため、渦巻きを打ち消すため、この羽根にしています。
パナソニックは、リズム風で「長時間あたっても疲れにくい」風にしていましたが、バルミューダは、この仕組みで「疲れにくく」していると言えそうです。
風の到達距離は、11mとされますが、その実力はあります。
なお、一部企業はこの値を出しますが、JIS規格ではなく計測基準があいまいなので、比較はできません。
風速は、JIS基準の計測法がありまぐが、バルミューダは非開示です。
ただ、冒頭の「選び方の基本」で書いたAtlasによる計測では、90cm距離で、左右平均3.1m/s前後の数値がでていました。風速は強めで、リビング用として十分です。
本機は1分あたり775rpmの回転数です。
羽根径の同じ他社機は1000-1100rpm程度なので、やはり「羽根の工夫」で、飛距離を稼いでいるのだとも言えます。
風量も、非開示です。
ただ、本機の風質は短距離で風は大きく拡散していくものです。
比較的扇風機の近くでも風は拡がりますし、離せば首振りしなくても、リビングにしっかり拡がります。
風量は、4段階です。
他社機は、もう少し細かくできますが、操作性を考えて4つにしているようです。
一方、強風(4)の際の風は強いのですが、4と3の風圧差が結構大きいので、強中風・中風の使い勝手が他社機に比べて、イマイチです。
最弱の微風は、風を感じられはしますが、日立ほど繊細ではない印象です。
首振りは、左右のみ対応です。
また、首振りの開始位置と終了位置を自由に設定できる仕様です。
位置センサーを搭載するため、初回にターンする2カ所を指示しておくだけです。
こういった利便性は、他社にはみられないものです。
範囲も最大150度ですから広いです。
上下の首振り、非対応です。
手動での角度調整は手動(上10°・下11°)では可能です。
静音性は、最小風量で13dBです。
これは、静音モーターを採用した効果です。
最大風量時のデシベル値は非公開です。Atlasの自宅での実測値では50dB弱でした。
ただ、他の環境騒音込みなので、実際はもう少し低いかもしれません。爆音ではないですが、静かでもないです。
リモコンは、他社機同様に、赤外線リモコンが付属します。
タイマーは、切タイマーのみ付属です。
本体は、ガード部以外は、プラスチック製です。
10年前発売の本機の「初代」は、光沢のあるプラスチックでした。
そのため、数年使うと日焼け(黄変)しました。
しかし、現在はマット調な素材で日焼け問題は完全に解決しています。
「もろかった」と言える、スティック接合部の剛性も改良されています。
長持ちするでしょう。
扇風機のガードは、一見どのように開けるか分からない回転開閉式です。
そのため、イタズラ好きな子どもがいても安全です。
操作性も、本体の操作スイッチは、扇風機のモーター部分(上部)にあります。
このほうが操作しやすいです。表示パネルは、通常通り下部にあります。
なお、本機は、先述の位置センサーを活かし、運転終了後に「正面のポジション」に自動的に戻る点でも「賢い」です。
一方、再運転時に停止時の角度に戻りますが、(帰宅後すぐ自分に向けたい場合など)「おせっかい」に感じることはあります。
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以上、バルミューダの The GreenFanの紹介でした。
風質は、他社同様の風ムラの少ない「なめらか」さがあります。この部分は、他社機も高級機だとクリアする機種は多いです。
ただ、本機は、プロペラ特有の渦巻き風も消すため、「疲れにくい(体を冷やしにくい)」風質にする部分で、さらなるワンポイントがあります。
その上で風圧も十分ある上、風の拡散性もあるので、リビングで首振りせずに使いたい場合、良い機種です。
風質は、後発の類似品と比較しても、依然「名風」といえる、あたり心地の良さと拡がり方をします。堅牢性も数回の改良で増しています。
首振りも、左右の角度が自由に決められるのは本機ほどです。衣類乾燥に利用する際、ここは特に便利です。
あえて言えば、中速風がイマイチ風を感じにくいという部分が難点です。DCモーター機の調整力で、もう少し段階があっても良いかと思います。
1-5・シャープの扇風機の比較
続いて、シャープのDCモーター採用の扇風機の紹介です。
【2024年発売】
6・SHARP 3Dターン PJ-S2DS-W
7・SHARP 3Dターン PJ-S2DS-T
¥21,107 楽天市場 (8/1執筆時)
【2023年発売】
8・SHARP 3Dターン PJ-R2DS-W
¥14,640 Amazon.co.jp (8/1執筆時
9・SHARP 3Dターン PJ-R2DS-T
¥14,800 楽天市場 (8/1執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:3枚はね(特殊)
羽根径:18cm
左右首振り:90°
上下首振り:50° 100°
立体首振り:対応(360°)
風速:3.5m/s
風量:16㎥/分
直進風:
風量調節: 8段階
高さ: 52.5〜64.5cm(低め)
静音性:17dB-41dB
PJ-R2DSは、シャープの小型モデルです。
新旧両機種ありますが、性能は同じです。値段で決めて良いでしょう。
高さは、52.5cmから64.5cmまで調整できます。
扇風機の平均値(70-90cm)より小さな「コンパクトモデル」といえます。
あとで説明するように、首振り機能の性能が良いので、広いリビングで使えないわけではないですが、基本的に、「8畳程度の部屋用」です。
羽根径は、標準的な18cmです。
リビング用の通常の扇風機(30cm)より小さいです。
羽根の枚数は、3枚です。
同社の場合、「逆転の発想」で、羽根の枚数をあえて3枚まで減らしています。
「アホウドリの羽根」インプレッションを受けた開発です。
風質は、小径機ながら、直進風が強力であることが強調されます。
羽根の枚数を少ないのは、風を受ける面積を増やすことで、遠くまで飛びやすい「直進風」をだすための工夫です(風速:3.5m/)。
小型ですが、直線で10メートルも届く強い風を出せます。
その上で、羽根にうねり(ひねり)を加えることで、ハネの少なさに由来する風ムラを「軽減」する仕組みがあります。
やはり、羽根が少ないこともあり風ムラの少ない「なめらか」な風とまでは言えません。あくまで「軽減」です。
風の拡散性は、羽根径が小さく、直進風を重視する空力設計のため期待できません。(風量:16㎥/分)。
基本的に1人用(個人用)です。1人でも体全体にあてたい場合は、離して利用するのが基本です。
風量調整は、8段階調整です。
十分です。
首振り性能は、本機は小型機なので、特にポイントになります。
左右は、90°固定です。
上下は、左図のような100°(上90°・下10°)のスイングと、右図のような50°(上40°・下10°)のスイングが選べます。
さらに、上下左右の立体首振りも可能です(3Dターン)。
小径の羽根ですから風量と拡散性に限界があります。
ただ、首振り機能の高度化でそれを補います。空気が効率よくかくはんされるため、エアコンの補助としては役立ちそうです。
なお、首振り中に角度調整しようとすると故障するので、止めてから行いましょう。
静音性は、最小値が17デシベル、最大で41デシベルです。
小型で径が小さな羽根を利用するため、最小運転時の音は他社と比べれば大きいですが、この値ならば、深夜でもなければ問題ないレベルです。
DCモーターは基本的に静かですので、十分でしょう。
リモコンは、他社機同様に、赤外線リモコンが付属します。
タイマーは、入・切双方のタイマーが付属です。
モード設定としては、就寝時に徐々に風量をおさえていく「おやすみモード」の搭載が目立ちます。
その他の特長は、プラズマクラスター7000発生機能があげられます。
誰でも知るだろう、同社のマイナスイオン発生装置です。
発生量の多さでグレードあります。プラズマクラスター7000は、ベーシックなラインです。ただ、風量があるので、イオンの適用畳数は、「10畳まで」と広めです。
プラズマクラスターは家電ジャンルで、機能性が変わります。
扇風機の場合、基本的に衣類やファブリックの不着臭の除去だけです。風のあたらない部分に効果はない点に注意してください。
リモコンの衣類消臭ボタンを押すと、この用途に適当な風に調整されます。
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以上、シャープの PJ-R2DS の紹介でした。
小型のモデルとしては性能が良いです。小部屋には特にマッチするほか、立体首振り機能を利用して、大きめなリビングの「エアコン冷気のかくはん効果」が狙える機種です。
一方、広めのリビングで、多人数が「風に当たりたい」場合は、小径の羽根ですから不向きです。立体首振りを利用すれば使えないことはないですが、(立体首振りは動きが派手ですし)羽根径が大きい他機を選ぶのが、無難です。
ただ、その他の使い方ならば、風質の工夫を含めて見所が多い機種なので、この用途ならば、買って後悔することは少ないでしょう。
【2023年発売】(後継機あり)
10・SHARP 3Dファン PJ-R3DS-W
¥16,900 Amazon.co.jp (8/1執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:14枚羽根相当
羽根径:32cm
左右首振り:50°・70°・90°
上下首振り:
立体首振り:
風速:2.4m/s
風量:50㎥/分
風量調節: 32段階
高さ: 84.5〜110cm
静音性:16dB-42dB
PJ-P3DSは、シャープの標準サイズの扇風機です。
こちらは32cm径の羽根を採用する、普通サイズの扇風機です。
なお、このシリーズの後継機はだいぶ仕様が変わりますので、このあと別にみます。
高さは 、84.5cmから110cmで調整可能です。
パナソニックにもあったハイポジションタイプです。
リビングやキッチンでの立ち仕事の時にも便利でしょう。角度調節をして、空気のかくはんにも有用です。
羽根径は、32cmと大きめです。
羽根の枚数は、特殊な7枚羽根が採用されます。
こちらの羽根は32cmとリビング向けとしてはやや大きめサイズです。
羽根にうねりとくびれを付けることで、実際的には14枚羽根相当の風を作ります。
風質は、14枚羽根相当の風にすることで、風ムラの少ない「なめらか」な風質を目指す方向です。パナソニックや日立と変わりません。
ただ、渦巻き風を打ち消すようなグリーンファンのような機能性はないです。そのため「疲れにくい風」という表現は使われていません。
リズム風で、自然風を再現するような表現も、パナソニックとことなりないです。
風速は、2.4m/sと並ですが、風量は、50㎥/分です。
本機は、風圧や風の到達距離は、必要水準を満たす程度であるものの、巻き込める風量は多く、風の拡散性がよい部分で、リビング向きと言えます。
首振りを利用しなくても、ある程度リビングに風は拡がりやすそうです。
風量は、32段階です。
ほぼ「無段階」ともいえる細かい調整が可能です。
首振り機能は、左右については、50°・70°・90°と3段階で設定できます。
ただ、上下の首振りは未対応です。
手動で角度が71°(上50°・下21°)で調整できるだけですが、羽根径が大きい製品ですし、上下は自動でなくて良いでしょう。
リモコンは、他社機同様に、赤外線リモコンが付属します。
タイマーは、入・切双方のタイマーが付属です。
静音性は、最小16dB・最大42dBです。
DCモーター機らしいスペックで、問題ないです。
マイナスイオン発生機能は、本機も装備します。
同じく、プラズマクラスター7000の水準で、畳数として10畳までの飛びです。
やはり、衣類やファブリックの不着臭の除去を目的としたものです。風のあたる部分だけ、効果があります。
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以上、シャープのPJ-P3DSの紹介でした。
風質としては、バルミューダのグリーンファンと似た哲学で、「自然風に近いなめらかさ」が得やすいでしょう。
一方、直進風の力強さは、グリーンファンにやや負けます。
しかし、形状的に、短距離での空気拡散性はこちらが優れますし、必ずしも、劣るわけではありません。最新の風を楽しみたいけれど、予算が制限される場合、この機種はとくにオススメになります。
グリーンファンよりも、ハイポジションにできますし、空気拡散性の良い羽根の形状も、広いリビングならば特にマッチしやすいでしょう。
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【2024年発売】
11・SHARP 3Dファン PJ-S3DS-W
¥15,492 楽天市場 (8/1執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:14枚羽根相当
羽根径:30cm
左右首振り:60°・90°・120°
上下首振り:(上向き90度)
立体首振り:
風速:2.4m/s
風量:50㎥/分
風量調節: 8段階
高さ: 87.5cm
静音性:16dB-43dB
先述のように、2024年に後継機となる、PJ-S3DS-Wがでています。
基本的なコンセプトは同じですが、多くの部分でことなるので、しっかり確認しておきます。
高さは 、87.5cmで固定です。
標準的なリビング用の高さですが、高さ調整ができない点は注意です。
70cm程度で低く使いたい場合は注意です。
その代わり、手動で90度上向きにできるため、コアンダ効果を利用した天井気流で、空気循環を促せます。衣類乾燥にも便利とされますが、直下に置くとすると背が高すぎるでしょう。
羽根径は、30cmです。
こちらは、リビング用の平均値で1つ上で見た旧機より2cm小さいです。
羽根形状も少し変わりますが、14枚羽根相当である部分も同じです。
風質も、したがって、同じです。
複数の風速を作り出し、ムラのない心地よい風を目指したものです。
その上で、風速・風圧もいじっていないので、実際、ここは変わらないと言えます。
風圧はそこそこですが、風ムラの少ない「なめらか」な風質で、短距離でもわりと拡散しやすいリビング向きです。
風量は、8段階です。
旧機より少ないですが、ここは改悪というより、多すぎて却って使いにくい部分を直したと解釈するべきでしょう。
首振は、左右については、60°・90°・120°と3段階で設定できます。
上下の首振りは未対応ですが、先述のように、上向き90度に調整できます。
リモコンは、赤外線リモコンが付属します。
タイマーは、入・切双方のタイマーが付属です。
静音性は、最小16dB・最大43dBです。
問題ないです。
マイナスイオン発生機能は、こちらも、プラズマクラスター7000です。
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結論的にいえば、伸縮機能がない部分で、旧機に比べて見映えは良くなりました。90度上向きにできる部分も、使い方によっては、便利に感じる方はいるでしょう。
旧機にしても、伸縮はハイポジション(84.5〜110cm)方向だけなので、家庭用として問題ないと言えます。できれば、もう少し背が低くできると便利ではありますが。
ただ、現状の価格差を考える場合、先ほどみた旧機がむしろ第一候補でしょう。上向き90度も、例えば、バルミューダのように、中間棒が取れるならば、もう少し使い道もありそうですが、そうではないので。。
1-6・ダイソン扇風機の比較
つづいて、 イギリスのダイソンの扇風機を紹介しましょう。
【2021年発売】
12・Dyson Purifier Cool TP07
¥49,790 楽天市場 (8/1執筆時)
【2018年発売】
13・Dyson Pure Cool DP04
¥32,800 楽天市場 (8/1執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:0枚羽
羽根径:
首振り:360度回転
風速: 2.26m/s
風量:15.6㎥/分
直進風:10m
風量調節:10段階
高さ:
静音性:
Dyson Pure Coolは、羽根のない「DCモーター扇風機」として売れているモデルです。
ダイソンは扇風機(ファン)としての単体販売は終息です。現行機で最も安いものは、扇風機と空清機の機能を併せ持つこれらの製品です。
サイズは、 DP04が352x691x223 mmで、TP07は、220x1050x220mmです。
それぞれ、背丈はそれなりにあります。
羽根は、もたないタイプです。
下部にモーターがあり、空気を上げて、リングの内周の細い切れ目から、風を円形に出しています。
円形の気流は、周囲の気流を巻き込む「コアンダ効果」を得られます。
そのため、モーターを経由した風の15倍の風量が、前方に飛び出していきます
TP07型で、風速は2.26m/秒・風量は15.6㎥/分(毎秒270L)です。
DP04も含めて、風の拡散性は少ないです、直進的に風の塊が直進する感じです。
風質は、風ムラのない「なめらかな直進風」を特長とします。
プロペラに由来するムラを完全に排除できており、風のような直風を得ることができます。
ムラをあえて生じさせないまさに直風で、「窓を開けたときのような気持ちの良い風」を得られる点が人気です。
プロペラだと、短距離では渦巻き気流を完全に無くすのは難しいですから。
なお、先述のように、空気清浄機能付きですが、風がうっとうしい季節は、風を正面に送らないディフューズドモードで、空気を綺麗にしますから、年中使えます。
風量調整は、10段階です。
首振り機能は、350度の回転に対応します。
また、45°・90°・180°と段階的に設定もできるので、設置場所の柔軟度が高いです。
ダイソン 5025 155 059067
¥7,470 楽天市場 (5/26執筆時)
フィルターは、空気清浄用に搭載です。
消耗品で、交換の目安は1年です。
他社は10年保つのが普通なので、ランニングコストは高いです。
性能は優れており、PM2.5にも対応するHEPAフィルタです。ニオイ用の活性炭フィルターも付属するため、性能を期待できます。
センサーは、VOCニオイセンサーとほこりセンサーが搭載です。
ニオイだけでなく、花粉やダストなどの状況も監視し、連動させた運転が可能です。
適用畳数は、空浄機としては12畳までです。
このほかの、空気清浄機としてスペックは、ブログの【おすすめ空気清浄機の比較記事】で、他機と比較しつつ詳しく書いています。
興味のある方は、ぜひご覧ください。
ネットワーク機能は、Wi-Fiを装備します。
同社のアプリで、空気質のモニタリングも可能です。
静音性は、最小運転音が27.3dB(DP04は22.7dB)です。
プロペラ型には負けますが、ヘルムホルツ式空洞の工夫で、昔より最小時の運転音もだいぶ静かになりました。
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以上、ダイソンの「扇風機」の紹介でした。
扇風機としては、ムラのない直進風を得られる上、設置スペースも狭く済む点で有利です。とくに、近接利用時はとくに、同期の「なめらかさ」は、プロペラ式で出せる機種はないです。
逆に、風の拡散性はイマイチです。多くの場合リビングでは、実質的に首振りは利用する必要があると言えます。
価格は扇風機の単体と考えると価格が高いです。ただ、ハイブリッド型として考えればあ、別の観点はあり得ます。
ダイソン製品は、このブログでは【ダイソンの空調家電の比較】という専用記事で、より多くの機種を見ています。ヒーター兼用や、加湿器兼用などもあります。
これらのタイプにも興味のある方は、引き続きそちらをご覧ください。
1-7・ツインバードの扇風機の比較
続いて、日本のツインバード工業の扇風機を紹介します。
中小企業とのコラボなど独特のものつくりを特長とする、新潟県の企業です。
同社は、とくに扇風機に力を入れてきたメーカーの1つです。
【2024年発売】(追加調査予定)
【上位機】
14・ツインバード EF-E951W
¥17,626 Amazon.co.jp (8/1執筆時)
【下位機】
15・ツインバード EF-E952W
¥15,459 楽天市場 (8/1執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:9枚羽根(エクセルブレード)
羽根径:30cm
左右首振り:45° 75° 120°
上下首振り:100°
立体首振り:対応
風速:3m/s
風量:50㎥/分
直進風:
風量調節:10段階+1
高さ: 74〜90.5cm
静音性:20db〜
サーキュレーション扇風機 EF-E952Wは、ツインバードの扇風機です。
同社はユニークな羽根のCOANDA AIRシリーズが有名でしたが、羽根の工夫の方向性を完全に変え、24年から本機になりました。性質はだいぶ変わったと言えます。
上位機と下位機があります。
下位機は、立体首振りに非対応です。高さ調整部分の仕様もわずかに異なりますが、ここはあまり気にしなくて良いでしょう。
下位機でも、左右の首振り角度の調整はできるため、立体首振り不要ならば、安めの下位機でも良さそうです。
あとは同じなので、同時に見ていきます。
高さは、74〜90.5cmの範囲で調整できます。
伸縮できるリビング扇では標準的な可動範囲で、使いやすそうです。
羽根径は、30cmです。
リビング用の標準です。
羽根の枚数は、9枚です。
流体機械の設計会社である大分の「ターボブレード」社の設計です。
扇風機などのファンの設計のほか、ジェットエンジンの羽根の設計もしており、その空力発想を活かしたものとされます。
次に見るドウシシャが船舶用プロペラの会社(ナカシマプロペラ)との共同開発をしていますが、ALL JAPAN的な発想は、いずれも好ましいと思います。
風質は、強風を売りにします。
風速3m/s・風量50㎥/分というスペックです。
風量は風をうける羽根の面積を増やすことで巻き込む風量を特に強化したタイプです。
均質的な風のなめらかさというより、強風の到達性と力強い風圧感を重視した設計といえます。とはいえ、羽根の枚数を多くしたのは、風ムラを抑えるためでもあるので、風質は問題ないでしょう。
ただし、次に書くような注意点があります。
風量は、10段階から選べます。
加えてサーキュレーションモードがあります。空気循環のため、最大風力で運転するモードです。
つまり、本機の強力な最大風量・風速は(詳しい説明がないのですが)このモード時です。人があたるには強すぎて、うるさい風質でしょう。
通常モードの最大時の風速・風量は加減されて調整されています。
風量を得やすい羽根形状からすると、リビングでは、「自然の風」という工夫はないにせよ、十分な風圧は得られそうですが、他社より風圧が強いわけではないです。
近日中に、実機の風速は見ようと思います(加筆予定)
もちろんサーキュレーションモードの強風力は意味はあり、人にあてない形でのエアコンの涼風の空気循環、あるいは、一時的な換気には良いです。
首振り機能は、上位機は充実します。
上下が100°の自動首振り、左右は45° 75° 120°です。
立体首振りも対応で、大量の衣類乾燥に向きます。
リモコンは、他社機同様に、赤外線リモコンが付属します。
リモコンを利用しない場合は、支柱に磁石で取り付けられるデザインは従来機を踏襲します。
タイマーは、オン・オフタイマーとも付属です。
温度センサーはないですが、風量をさげていくおやすみモードはあります。
そのほか、バルミューダ同様に、使用後正面に戻る「オートリターン」機能もあります。先述のように、これは一長一短です。
静音性は、弱運転でも20dBです。
あまり数字が良くないです。
運転強度10段階のうち、8段階までは図書館なみの静かさという表現です。これは、一般的に40dB台を示します。
つまり、サーキュレーションモードは当然として、9・10段階は、50dBは超えるということで、静音性は自慢ではないです。
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以上、ツインバード工業のサーキュレーション扇風機 の紹介でした。
個人的に【サーキュレーターの比較記事】でも書いたように、そちらと扇風機の「ハイブリッド」はあまりおすすめしていないです。
ただ、本機は30cmの扇風機の羽根径で、サーキュレーションを可能にしているので、「あり」かなとは少し思います。立体首振できる部分を含めて、風の循環の部分は、見どころがある製品です。
しかし、空気循環できるよう超強風を出せるような仕様にするため、弱風時を含めて静音性が犠牲になります。また、「人間が風に当たる」という部分の快適性も、DCモーター採用の他社高級機のような機能性もないです。
やはり、この2つの家電のハイブリッド化は、「おすすめ」できないです。
次回に続く
DCモーター扇風機のおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、DCモーター採用の高級扇風機の比較の1回目記事でした。
しかし、記事は、もう少し続きます。
2・DCモーター扇風機の比較 (2)
2-1:ドウシシャ〈日本〉
2-2:東芝〈日本〉
2-3:シロカ〈日本〉
2-4:DuuX〈オランダ〉
2-5:三菱電機〈日本〉
3・DCモーター扇風機の比較 (3)
3-1:他の企業
3-2:最終的なおすすめの提案 【結論】
次回の2回目記事(こちら)では、ドウシシャほか、各社の製品を追加で紹介します。
直進風の強さ ★★★★★
風の拡散性 ★★★★★
風当たりの良さ ★★★★★
首振り機能 ★★★★★
静音性の良さ ★★★★★
微風運転 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、3回目記事の「結論編」(こちら)で、ここまで紹介した全機種の中から、予算別・目的別にAtlasのおすすめ機種を提案します。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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引き続き、よろしくお願いします。