【今回レビューする内容】2025年 非破壊自炊も対応!オーバーヘッド型スタンドスキャナーの性能とおすすめ・選び方:CCD式非接触オーバーヘッドスキャナー 資料提示用のUSB書画カメラ:機種の違いや性能ランキング
【比較する製品型番】リコー PFU ScanSnap SV600 FI-SV600B FI-SV600A FI-SV600B FI-SV600A-P サンワサプライ CMS-V46W CMS-V58BK 400-CAM073 400-CAM088 400-CAM110 400-SCN069 シーザー CZUR ET24 Pro CZUR Aura S Pro CZUR Aura S CZUR Aura Pro CZUR Aura X Pro iOCHOW S5 iCODIS X9 iOCHOW S3 iCODIS X7 iOCHOW S1 iOCODIS S2 PDP-U8MA TINGHAIYAN ほか
今回のお題
非破壊自炊できるスタンド型スキャナーのおすすめはどれ?
どもAtlasです。
今日は、2025年5月現在、最新のスタンド型スキャナーの比較です。
スキャニングに特化したScanSnap SV600(=CCD方式)ほか、資料提示用のWEBカメラとしても利用できる、サンワやシーザーなどの書画カメラ(=CMOS方式)など各社の性能を比べます。
1・スタンドスキャナの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:PFU (ScanSnap)〈日本〉
1-3:サンワサプライ〈日本〉
1-4:シーザー〈中国〉
1-5:iOCHOW・iCODIS 〈香港〉
2・スタンドスキャナの比較 (2)
2-1:最終的なおすすめの提案【結論】
記事では、スタンド型スキャナを初めて買うためのため「選び方の基本」をはじめに紹介します。
その後、上表のような順番で、各社の製品をみていきます。
画質の良さ ★★★★★
歪みのなさ ★★★★★
作業速度 ★★★★★
本体の軽さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
1・ドキュメントスキャナの比較
2・フラットベッドスキャナの比較
3・ブックスキャナの比較
4・書画カメラ型スキャナの比較
5・フィルムスキャナの比較
6・ハンディスキャナの比較
7・A3スキャナーの比較
なお、今回の記事は、このブログ「家電批評モノマニア」のスキャナ関連記事の4回目記事として書きました。
1-1・スタンド型スキャナの選び方の基本
はじめに、スタンドスキャナーの「選び方の基本」の説明からです。
他タイプのスキャナに対して、スタンド型スキャナはどのような「利点」「欠点」があるのかについて、解説します。
・Canon CanoScan LiDE400
¥9,873 楽天市場 (5/14執筆時)
対応サイズ:A4
読取方式;CISセンサー
歪み補正:ソフト方式
設置寸法: 250×367×42mm
重さ :1.7kg
第1に、フラッドベッドスキャナ(上図)と比較する場合です。
昔からあるスキャナで、コピー機の上部に付いているものと仕組みは同じです。
得意ジャンルは、(平面的)な紙書類の取り込みです。
1枚ずつ取り込むならば、クオリティは最も高いです。
スタンド型スキャナは、どの機種もこの部分の精度は少し負けます。
仕組み上、室内環境(特に照明)の影響を受けるからです。
ただ、業務用の白黒書類ならば、必要十分な精度で取り込めます。
上図は、あまり状態のない原稿(紙自体にシワがある)ものをAtlasがスキャンしたもの(ScanSnap SV600)です。
初期状態ではあまり質は良くないですが、ワンボタンでシワなどを除去できますし、それなりに実用水準にできます。
モノクロもカラー原稿もOCR(テキスト認識)をかけるのにも問題ない水準で取り込めます。
図では、押さえている指が少し移っていますが、ソフト処理で自動除去できます。
ScanSnap以外も、この仕様は普通、備えます。
原稿サイズも、スタンド型の場合、A3の大型サイズ原稿も取り込めます。
フラッドベッド型スキャナ(上図)は、本体が大きいほか、【A3スキャナーの比較記事】で書いたように、価格も高いです。
それを考えると、大判をスキャンしたい方に、スタンド型は向く部分があります。
見開き原稿のスキャンも、可能です。
本などで「破壊」できない原稿の場合、スタンド型スキャナは、時短的な作業効率が良いです。
ボタンを押さずに、オートスタートスキャンできるモデルや、外部リモコン(足押し含む)が付く機種もあります。
一方、 そうした原稿を扱う場合、浮いた中央の場所が歪むのですが、大手製品だと、この部分の補正技術をドライバに組み込んでいて、(それなりに)納得感のある品質のスキャンは可能です。
ただし、フラッドベッド型でも、上図のように置くことで、本の際(きわ)までスキャンできるタイプの専用品に比べれば、クオリティは落ちるとは言えます。
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・フラットベッドスキャナの比較
用途:書類の取込
画質:普通
速度:1枚ずつ
・ブックスキャナの比較
用途:非破壊自炊
画質:高い
速度:1枚ずつ
・A3スキャナーの比較
用途:図面の取込など
画質:普通
速度:普通
なお、これらのタイプのスキャナは、以上の記事で、詳しく比較しています。
【旧富士通】
・リコー PFU ScanSnap FI-IX1600A
¥45,044 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A4
読取方式;CISセンサー
歪み補正:ソフト方式
設置寸法: 292×494×293mm
重さ :3.4kg
第2に、ドキュメントスキャナ(上図)と比較する場合です。
ご存じだと思いますが、まとめて原稿を上に置いて、一度に大量の原稿を処理できるタイプです。
取り込み速度は、スタンド型スキャナは、圧倒的に負けます。
上記製品の場合、1分間に相当の枚数の取り込みができますので(上図)。作業効率は圧倒的にこちらです。
取り込み品質も、斜行補正などの仕組みと、平面原稿に強いCISセンサーの採用で、やはり、スタンド型スキャナよりだいぶ良いです。
サイズも、取り込み速度や給紙可能枚数を度外視すれば、モバイルできるサイズのものも展開されます。
非破壊自炊は、当然ですが、不可です。
書籍形態の場合、裁断機などで「裁断」してからの処理になります。
裁断できない稀少本などは扱いにくいと言えます。
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・A4キュメントスキャナの比較
目的:書類の取込・自炊
画質:標準
速度:20枚/分〜
・A4ハンディスキャナの比較
用途:モバイル用
画質:悪い
速度:5枚/分〜
7・A3スキャナーの比較
用途:図面の取込など
画質:普通
速度:普通
なお、これらのタイプのスキャナは、以上の記事で、詳しく比較しています。
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以上、スタンド型スキャナの「選び方の基本」として、他タイプと比べた場合の、甲乙をみてきました。
結論的にいえば、このタイプが向くと言えるのは1枚単位に「破壊」できない書籍・書類などを、「手早く」処理したい方だと言えます。また、A3サイズの取り込みもしたい方にも向くでしょう。
逆に、個人の楽しみ・趣味として、スキャンデータにクオリティが欲しい場合や、コピー用紙のような1枚単位の取り込みができれば良いだけならば「選外」と言えます。
他方式が良いでしょう。
1-2・PFUのスタンド型スキャナ
ここからは各社のスタンドスキャナのスペックを順番にみていきます。
はじめに、PFUのスキャンスナップからです。
この分野では古豪といえます。また、後ほど見る他社機とは、センサーの仕組みが少し異なるので、その部分を含めて説明します。
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なお、以下の本文では、いつものように、高評価できる点については赤系の文字色で、イマイチな点については青字で書いていきます。
Windows XP〜11 Mac 10.15〜15
【2023年発売】
1・リコー PFU ScanSnap SV600 FI-SV600B
¥52,731 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
【2022年発売】
2・富士通 PFU ScanSnap SV600 FI-SV600B
¥51,649 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
【2015年発売】(中古含む)
3・ScanSnap SV600 FI-SV600A
¥35,800 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
【2015年発売】(中古含む)
4・ScanSnap SV600 FI-SV600A-P
¥25,980 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A3対応
読取方式:CCD式(レンズ縮小光学系)
歪み補正:可動式ラインセンサー
設置寸法: 525×484×383mm
重さ :3kg
FI-SV600は、PFUが「スキャンスナップ」ブランドで販売するスタンド型スキャナです
販売社は、2023年から富士通からリコーに移行しました。
その関係もあり複数の製品がありますが中身はどれも同じです。旧型は新品在庫は付きましたが、状態がよさげの中古が多かったので、その値段を書いています。
本体サイズは、210mm×156×383mmです。
別に原稿を配置する場所が必要です。
それを勘案すると、作業に必要なスペースは、525×484×383mmとなります。
写真の白い紙がA3コピー用紙になりますので、目安にしてください。
対応する原稿は、最大A3サイズです。
読取方式は、最大の特長です。
後ほどみる他社機はデジカメと同じCMOSセンサーを使う「書画カメラ式」です。
デジカメを固定し、原稿の直上から撮影する方式と考えてください。
カメラなので一瞬で撮影できます。しかし、原稿の中心から離れるほど歪む(=ピントが合わない)という欠点があります。
被写体深度が深く取れないためです。撮影後の補正はできますが、どうしても画質は劣化します。
しかし、本機は、先述のフラッドベッドスキャナと似た仕組みを取ることで、低歪曲率と画像ムラのなさを実現しています。
具体的に言えば、第1に、被写体深度を合わせるための高被写界深度レンズ、第2に、カメラ特有の色ムラを防ぐための高指向性LED光源、第3に、可動式のラインCCD型センサーが、本機の性能の「キモ」です。
フラッドベッドスキャナと同じで、センサーが動く構造なので、センサーと原稿の距離が遠く離れていても、ある程度の画質をキープできているわけです。
作業効率も、問題ない水準です。
スキャナ自体は3秒で起動します。
その上で、冊子帯の場合、「ぺーじめくり検出機能」と「タイマースキャン機能」で、2枚目以降の自動スキャンに対応します。
雑誌等の綴じ込み原稿の処理も快適です。
画質は、良好です。
本機は、CCDレンズについて縮小光学系を採用したことで、デジカメ方式など「影」になってしまう「とじしろ」の部分もしっかり認識できます。
画素数は、カメラ式ではないので出ません。
ただ、解像度は最大600dpiです。ファイルサイズを加味すれば、解像度だと300dpiあたりで取り込む場合が多そうでです。
なお、白黒は最大1200dpi相当との表記ですが、バイリニア式の画像補正後の数字なので、最大600dpiと考えてください。それでも良いですが。
どの速度でも、動作終了まで3秒で取りこめます(処理時間は加味せず)。
バード電子 ブックプレッサー PZ-BP600-Z
¥16,280 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
一方、専用の「ブックプレッサー」が発売になっています。必ずしも書類だけ取り込むのではない方は、導入を考えても良いでしょう。
画像補正は、強力です。
歪んだ原稿の補整はほぼ自動的に水平に変換できます。
機能的に言えば、読み取った原稿の歪みの補正がワンボタンでできるブック補正機能、原稿にかかった指の部分を自動で消せるポイントレタッチ機能が付属します。
とくに、ブック補正機能は、取り込んだ画像の全てのページについて自動で補正をすることができます(あとから再修正も可能)。
ただ、ポイントレタッチについてば、べージごとに手動処理していく必要があります。
このほか、原稿サイズや、カラー・グレースケール・白黒原稿の判別など、大量取り込み時の利便性にも配慮が見られます。
マルチクロップ機能も便利です。
名刺や新聞の切り抜きなどをまとめて読み取り、その結果を、自動で切り分け、電子データとして相応しい形状にしてくれます。
同じような仕組みで、見開きで取り込んだ、書籍などもページごとに分割可能です。
一方、このドライバーは、ScanSnapの独自企画で、TWAINとISISには対応していません。他社の連携ソフトを利用する場合は注意点です。
PCとの接続は、USBのみです。
Wi-Fiは非搭載で、単独での共有利用は想定しない製品です。
ただ、接続したPC経由で、DropboxやEvernoteに接続できる仕様で、この面でクラウド対応は充実する機種です。
対応するOSは、WindowsとMacです。Macは 元々はOS10.6〜10.14も対応でした。
ただ、現在は配布終了です。64bitアプリになった関係でしょう。
出力は、PDF形式のほか、Word・Excel・PowerPointにも直接的な変換ができます。
ScanSnapは、カラー判別機能があるほか、Windowsでは高圧縮機能も利用できるため、一般的にファイルサイズは小さいです。
添付されるソフトは、PDFの高度な編集が可能な、ニュアンスのPower PDF StandardとPower PDF Converter for Macです。
日本未発売ですが、日本円に換算した場合1万円強の価値のあるソフトになります。もちろん日本語に対応しています。
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以上、 ScanSnapのFI-SV600の紹介でした。
歴史の長い製品ですが、書類の読み取り品質は後発機よりも良いです。
フラットベッド型のような仕組みを採用することで、他社のカメラ式と違って(ソフト的な補正以前の)現画像の歪みが少なく、質が良いからです。
こうした部分で、少し高めですが、書籍の非破壊スキャンをお考えの場合、最初の選択肢になるでしょう。
1-3・サンワサプライのスタンド型スキャナ
続いて、サンワサプライのスタンドスキャナです。
日本のPCサプライ大手ですが、長いこと、中国企業のOEMスキャナを多く取り扱っています。
【2019年発売】
5・サンワサプライ CMS-V46W
¥17,999 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A3対応
読取方式:書画カメラ式(800万画素)
歪み補正:なし
設置寸法: 幅470×奥行455×高さ337mm
重さ :620g
CMS-V46Wは、サンワサプライの入門機です。
本体サイズは、折りたたみ時のスペックですが、W255×D93×H80mmです。
図像としては、最大で、40×30cmまで撮影可能です。
対応する原稿は、こちらも最大A3サイズです。
読取方式は、書画カメラ式です。
スキャンスナップと違いCCDセンサーではなく、800万画素のデジカメ用CMOSセンサーを採用します。
この場合、カメラとしてのスペックが重要です。
撮像素子は、サイズ非公開です。F値や画角などの情報もないです。
ただ、旧機は、撮像素子が1/2.5サイズでしたので、その程度かと思います。
画素数は、800万画素です。
書画カメラ式の他機に比べて画質は粗めです。
解像度は、A3で取り込む場合、現画像は200dpi弱でしょう。
実用水準といえるのは、A4までだと思います。
この部分は、必要以上に上げると暗い場所でノイズがのりやすくなるので、バランスをとっているとはいえます。
LEDバックライト搭載で、補助光の明るさ調整も可能ですし、ノイズによる画質劣化には対策があります。
作業効率は、一方、指検出ほか、高度な編集機能を含めて、特別な仕組みは示されません。
画質も、書画カメラ式の場合、仕組み上、色ムラが生じやすいと言えます。
あくまでカラーが前提の作りで、グレースケールや白黒2値での取り込みを前提としていない点も注意してください。
また、この方式だと、被写体深度が浅いため、本などの厚みのある被写体は、かなり不得意です。
オートフォーカスはあるので、原稿はボケにくいですが。
画像補正は、消しゴムなどの基本機能はあります。
ただ、書類取り込みに便利な機能はないです。自動的に「傾き・歪み補整」をして「フラッドベッドスキャナ」のような取り込み結果を再現する機能はありません。
カラーや白黒の判別もありません。
対応するOSは、Windows用のみ用意されます。
トリミングやPDFの作成などはできます。
出力は、一方本機は、動画形式での出力です。
YUY2(YUV)とMJPGです。
PCとの接続は、USBケーブルです。
なお、この機種の美点は、USB電源だけで動く点です。モバイル利用にはとくに便利でしょう。
一方、書画カメラなので、30フレームながら動画も扱えます。
そのため、遠隔講義のライブな資料提示にも使えます。学校関係の需要がありそうですが、顕微鏡アダプタも付属します。
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以上、サンワダイレクトのCMS-V46Wの紹介でした。
書画カメラ式でも、もう少し書類取り込みが得意な機種があります。
ただ、本機はこの部分はほぼ「おまけ」で、教材提示装置のような使い方が主かなと思います。
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【2023年発売】
6・サンワサプライ CMS-V58BK
¥34,981 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A3対応
読取方式:書画カメラ式(800万画素)
歪み補正:なし
設置寸法: 幅259×奥行89×高さ50mm(収納時)
重さ :780g
なお、同社の上位機となるのが、CMS-V58BKです。
こちらは、書画カメラとしてのスキャン機能のほか、写真のように、800万画素、30フレーム/秒のウェブカメラ兼用として使える、アイデア商品です。
照度を補うLEDをカメラ用照明として使う仕組みは面白いと感じます。露出・ピントなども調整できますし、マイクも搭載です。
ただ、こちらは、A3書類非対応のコンパクト型です。基本的には、ウェブカメラと、オンライン会議での資料表示が便利にできればOKという製品になります。
7・サンワサプライ 400-CAM073
¥34,800 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A3対応
読取方式:書画カメラ式(1800万画素)
歪み補正:ソフト方式
設置寸法:W518×D470×H355mm
重さ :750g
400-CAM073も、サンワサプライのスタンド型スキャナです。
本体サイズは、幅518×奥行470×高さ355mmです。
十分に、軽量でかつ、小型です。
読取方式は、こちらも書画カメラ式」です。
欠点は、繰り返し書いてきた通りです。
撮像素子は、CMOSセンサーですが、サイズ非公開です。
画素数は、一方、1800万画素です。
解像度は、おそらくA3で275dpiあたりの解像度かと思います。
本機のセンサーならば、まあまあ読めそうです。
一方、先述のように、画素数はむやみにあげればノイズが増えます。
ただ、最近はこれほどが標準ですし、3段階でのLEDバックラットによる照度補正もあるので、問題ないですしょう。
画質補正は、それなりの機能性はあります。
傾き補整・自動トリミング・取り込み時の指の自動消去など、かなり優れる性能です。
OCR機能・連続撮影機能・マルチページ分割機能も搭載です。
CamBooKという専用ソフトを利用します。
作業効率も、リモコンシャッターも付属なので、実用性はあります。
タイマーを利用した連続撮影もできますし、簡易的ながらOCR機能もあります。
カラーのほか、白黒やグレースケールと区別して取り込みができる機種もあります。
画質は、やはり書画カメラ式に共通しますが、色ムラや周辺の歪みが生じやすいと言えます。
加えて、オートフォーカスが省略です。
固定焦点の書画カメラには必ずしも「マスト」ではないですが、ある程度厚みのある原稿は苦手とするでしょう。
対応するOSは、Windowsのみです。
出力は、Jpeg PDFを含めて、5種類に対応可能です。
PCとの接続は、USBケーブルです。USB電源単独で動きます。
また、電源不足の際には、2つ搭載のUSB端子から補助電源を得ることも可能です。
リアルタイム表示は、本機も可能です。
ZoomとSkypeにも公式に対応します。動画はMJPGフォーマットで、30フレーム/秒です。画質は良いので、持ち運んでプレゼンや講義に使いたい場合には便利でしょう。
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以上、サンワサプライの400-CAM073の紹介でした。
下位機種に比べれば、書類取り込みにだいぶ配慮がある機種です。
先述のように、CCDを利用したスキャンスナップに比べると、画像の歪みほかの欠点がある方式ですが、ソフト処理によって解決を図っているので、実用性は担保されます。
作業効率の部分でも、シャッターが瞬時に切れるので、連続撮影には便利です。
その上で、白黒の判別機能など、使い勝手の部分も割と配慮があります。
ScanSnapのCCD方式とは仕上がりの部分でかなり差はあるとはいえ、日本企業の信頼性もあった上で、価格もある程度安いので、価格面で需要はあるでしょう。
とくに、ScanSnapにはできない静止画のリアルタイム表示とZoomとSypeの配信に対応できるため、テレワーク需要やオンライン講義には向くと言えます。
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なお、同社からはこのシリーズの、上位機、下位機がいくつか出ています。
順番にみておきます。
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8・サンワサプライ 400-CAM088
¥47,800 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A2対応
読取方式:書画カメラ式(2000万画素)
歪み補正:ソフト方式
設置寸法:W650×D480×H357-475mm
重さ :1kg
第1に、400-CAM088です。
こちらは「A2対応」とする本機の上位機です。
画素数は、2000万画素です。
解像度は、おそらく、A2だと最大200dpi強です。
A3だと300dpiあたりです。
品質も同様でしょう。
撮像素子も、公開があり、1/2.3インチのCMOSです。
コンデジによく採用される撮像素子です。
画質はあまり期待できないでしょう。
照明範囲もこのサイズでA2に対応させるのは難しいでしょう。
10ポイント程度の文字ならば読めますが、OCR用には微妙なレベルです。
あとは、下位機と同じです。
固定フォーカスで、動画は扱えないタイプで、補正も同じCamBooKを利用します。リモコンもあります。
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結論的にいえば、A2サイズの書類の取り込みというより、大きめの教材・資料のリアルタイム表示をしたい方に向けた製品に思えます。
A2書類の取り込み用としては、あまりおすすめしません。
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【2024年発売】
9・サンワサプライ 400-CAM110
¥42,800 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A3対応
読取方式:書画カメラ式(2400万画素)
歪み補正:ソフト方式
設置寸法:W115×D118×H360mm
重さ :750g
第3に、 400-CAM110です。
こちらは「A3まで対応」の上位機です。
画素数は、2400万画素です。
解像度は、A3で320dpiあたり、A4で420dpiあたりです。
撮像素子も、こちらも1/2.3インチのCMOSです。
ただ、撮像素子が高感度というわけではないようです。
高画質化にともなうノイズを避けるため、LEDの光量を強化していると言えます。
A2ではなく「A3まで」としているのは、形状に由来する部分ほか光の届く範囲の限界からだと思います。
ただ、斜め照射で影が入りにくい工夫は、実際の取り込み作業時には有効な方法に思えますし、考えられた製品に思います。
あとは、ここまでの製品と同じです。
OCR機能なども付属です。
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結論的にいえば、A3サイズまでの取り込みにおける(解像度的な意味での)品質は、このシリーズで最も良いでしょう。
解像度強化に伴う、ノイズ問題についても光源の工夫で緩和されていますし、合理的な設計に思います。
先述のように、書画カメラ式の弱点はありますし、本機もAFは装備しませんので、厚みのあるもののスキャンは少し苦手にすると思います。
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【2024年発売】
10・サンワサプライ 400-SCN069
¥19,800 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A3対応
読取方式:書画カメラ式(1300万画素)
歪み補正:ソフト方式
設置寸法:W75×D75×H355mm
重さ :750g
第2に、400-CAM088です。
このシリーズでは最も小型な機種で、降りた畳んでモバイルできる製品です。
重さも405gですし、USB給電で動きます。
画素数は、これでも1300万画素はあるので、必要十分に思います。
ただ、どちらかといえば、WEBカメラとしての設計です。
したがって動画撮影はできますが、静止画(書類取込)のスペックはイマイチです。
ソフトも別(VIISAN)です。
傾きの自動補正や、簡易的なOCR機能はありますが、指補正やページの自動分割まではないという感じです。
対応するOSは、ただ、ソフト(VIISAN)が、マルチOS対応な関係で、WindowsほかMac対応です。
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結論的にいえば、書画カメラ式の「モバイル用」と考えると、需要がありそうな感じです。
WEBカメラとしてほか、出先で簡単に書類撮影ができるので、研究用書籍などの遠隔地でのコピーには良さそうです。
1-4・シーザーのスタンド型スキャナ
続いて、シーザーのスタンドスキャナです。
中国深圳の成者科技(シーザー)の書画カメラです。
同社製品については、日本に代理店があり、デンキヤ店舗でも一部製品が売られています。
【2400万画素:320dpi】
(執筆時10%ポイントあり)
11・シーザー CZUR ET24 Pro
¥94,500 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A3対応
読取方式:書画カメラ式(2400万画素)
歪み補正:ソフト方式
設置寸法: 幅470×奥行455×高さ390mm
重さ :2kg
CZUR ET24 Proは、中国深圳の成者科技(シーザー)の書画カメラです。
本体サイズは、幅375×奥行220×高さ390mmです。
マット部分を換算すると、幅470×奥行455×高さ390mmほどです。
他社機とほぼ同じほどのサイズです。重めなので据置用ではあります。
読取方式は、固定フォーカスの書画カメラ式です。
撮像素子は、ソニーのCMOSセンサーです。
サイズ自体は非公開ですが、おそらく、裏面照射型ではない1/2.3型かなと思います。
画素数(解像度)は、2400万画素(A3:320dpi)です。
価格相応に、優秀です。
どれも解像度が高い機種ですから、やはりLEDライトの工夫で、低照度でのノイズの乗りやすさを緩和する工夫があります。
とくに、本機の場合、トップライトのほか、サイドライト光源をもち、それで光の反射を抑える構造があり、この部分の工夫が充実します。
先述のように、良いセンサーを搭載する機種は、光源により注意する必要があるわけですが、光源をやみくもに強化しても、また、光源による「ぼやけ」がありえます。そのための、サイドライト光源です。
同社の取り込み品質の評判の良さは、主に、光源部分の工夫の充実度にあるように思います。
画質も、基本的には、同じ書画カメラ式のサンワサプライ機と同じです。
あくまで写真なので、見開きは平坦化処理が必要ですので、その処理部分で、画質は落ちます。ただ、これは仕方ないですし、ソフト処理の優秀さによって緩和はされます。
加えて、横方向の3レーザーで取り込み文字の曲線を認識して補整する曲線認識レーザーアシストなど、書画カメラ式としては、かなりしっかりした工夫も見られます。
値段は高いですが、オートフォーカス機能がない部分の弱点をカバーする仕組みがあるといえます。
見開き原稿の取り込みは、値段相応に考えられた仕様です。
画像補正は一方、指サック検出・自動方向き補正、見開き分割ほか、カラーモード一括変換など、他社機に装備されている製品はだいたい装備です。
OCR機能も搭載で、そのまま、透明PDFを作ることも可能です。
作業効率は、見開き原稿の取り込みの利便性を高めるため、フットペダルを備えるなど工夫が見られます。
出力は、JPEG, PDF, Word, Excel, TIFFの出力に対応します。
動画利用の場合は、MP4ですが、用途的にWEBカメラ的に使う方は少ないかなと思います。
PCとの接続は、USBケーブルです。
先述のように、一部機種はWi-Fiを備えるので、それも利用可能です。
電源は、USBとは別にコンセントから取る方式です。光源が強いので、当然でしょう。
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以上、CZUR ET24 Proの紹介でした。
固定焦点の書画カメラタイプですが、サイドライトを含めて、値段相応に充実した機能性を持つ製品です。
実際この仕組みで、スキャンスナップなどのCCD搭載機と「張れる」性能を得たい場合、これくらいの性能は最低必要なのかとおもいます。
一方、やはり固定焦点機ではあるので、見開き原稿をスキャンする場合の基本的な画質はScanSnap SV600Aが良いかと思います。逆に、300dpi程度の解像度を想定し、厚みのないペラ紙を取り込むのならば、みかけのクオリティに差は出ないでしょう。
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なお、同社からはこのほか、以下のシリーズの展開があります。
(執筆時一部、ページ内クーポンあり)
【2000万画素】 300dpi
12・CZUR Aura S Pro
¥75,800 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
【1800万画素】 275dpi
13・CZUR Aura S
¥66,000 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
【1400万画素】
(録画対応)
14・CZUR Aura Pro
¥59,400 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
(録画対応)USB-C変換アダプタ付
14・CZUR AuraPro-USB-C
¥60,400 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
(録画対応:バッテリー内蔵)
15・CZUR Aura X Pro
¥64,460 楽天市場 (5/14執筆時)
【1200万画素】
(主にWeb会議向けの小型機)
16・CZUR Fancy S Pro
¥37,950 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A3対応
読取方式:上記参照
歪み補正:ソフト方式
サイズ:幅372×奥行180×高さ443mm
重さ :1.48kg
第1に、Auraシリーズです。
こちらも サイドライトや、曲線認識レーザーアシストなど装備します。
一方、外観は、こちらのほうがスタイリッシュで光源をデスクライトとしても利用しやすくしています。サイドライトも取り外し式です。
ただし、LEDは電球色(3000K-4800K)の範囲での調光です。直下照度なども不明ですし【LEDデスクライトの比較】と並び立つような製品ではないです。
ただ、この構造を実現するため、上部の光源を書類専用に最適化はしていないので、スタンド型スキャナとしての実力は、CZUR ETシリーズに負けます。
バッテリー搭載のAura X Proなど面白い発想の製品はありますが、選ぶならば先ほどの機種です。
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【2400万画素 320dpi】
17・CZUR Shine Ultra Pro
¥45,100 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A3対応
読取方式:書画カメラ式(2400万画素)
歪み補正:ソフト方式
サイズ:幅330×奥行158×高さ335mm
重さ :1kg
第2に、 Shine Ultra Proです。
先ほどみた、CZUR ET24 Proと同じ画素数(2400万画素)の製品です。
それでいて安いですが、サイドライトと曲線認識レーザーアシストが未装備です。
繰り返し書いてきたいように、画素数は高ければ高いほど良いわけではないです。
弊害となるノイズ処理の対策がない上で、シーザーの魅力であるレーザーアシストもないとなると、同社の魅力が半減と言えます。
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【2800万画素:360dpi】
18・シーザー CZUR M3000PRO-V2
¥396,000 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A3対応
読取方式:書画カメラ式(2400万画素)
歪み補正:ソフト方式
設置寸法: 幅505×奥行425×高さ425mm
重さ :2kg
第3に、CZUR M3000PRO-V2です。
図書館などの専門機関向けの書画カメラと言えます。
サイズは、幅505×奥行425×高さ425mmです。
一般機に比べて、そこまで大きくはないです。
なお、めくりやすさのため書見台が付きます。
ただ、オートページめくりのような機能性はないです。
解像度は、2800万画素(360dpi)です。
そこまで、通常機と変わりません。
価格の高い理由は、連続大量処理のため、処理能力を高めているためでしょう。
しっかりしたCPU、メモリを備え、本体自体に処理力を持たせています。
また、2.4型の小型確認モニタ、あるいは、HDMI経由での出力で、業務作業痔の利便性を高めています。
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結論的にいえば、画質を追うというより、速度と利便性を追った高級機です。
市場には、あって良いものですが、基本、法人向けと言えます。
なお、この機種は【ブックスキャナーの比較記事】でも、類似機と共に紹介している機種です。
1−5・IOCHOWのスタンド型スキャナ
最後に、中国香港のメーカ「Hong Kong Codis Electronic」の「iOCHOW 」ブランドの製品です。
日本では、2系統の名前「iOCHOW 」「iCODIS」と2系統の名前で販売が見られます。
また、グローバルでは「MEGASCAN PRO」という名前で売っている書画カメラになります。
【2019年発売】(執筆時クーポンあり)
【2200万画素】S5-MAC
19・iOCHOW S5 高画質USB書画カメラ
¥35,500 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
設置寸法: 幅470×奥行455×高さ370mm
重さ :800g
【2100万画素】旧iOCHOW X9と同等
20・iCODIS X9 高画質USB書画カメラ
¥(27,752) Amazon.co.jp (5/14執筆時)
設置寸法: 幅470×奥行455×高さ350mm
重さ :2.1kg
【1700万画素】
21・iOCHOW S3 高画質USB書画カメラ
¥29,990 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
設置寸法: 幅470×奥行455×高さ350mm
重さ :750g
【1500万画素】
22・iCODIS X7 高画質USB書画カメラ
¥(29,750) Amazon.co.jp (5/14執筆時)
設置寸法: 幅470×奥行455×高さ375mm
重さ :2.18kg
【800万画素】
23・iOCHOW S1 高画質USB書画カメラ
¥17,340 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
設置寸法: 幅470×奥行455×高さ350mm
重さ :750g
対応サイズ:A3対応
読取方式:書画カメラ式(2100万画素)
歪み補正:ソフト方式
iOCHOW S5などは、香港のHong Kong Codis Electronicが製造するスタンド型スキャナです。
画素が、5機種から選べます。
対応する原稿は、いずれも、最大A3サイズです。
ただ、A3・300dpi前後の実用水準解像度が欲しいならば、2100万画素以上の製品が良いでしょう。
本体サイズは、iOCHOW X9で、約350x85x255mmです。
設置寸法は、A3マットをひく場合、幅470×奥行455×高さ350mmほどでしょう。
そこそこ小型で、設置性は良さそうです。
なお、こちらにはXシリーズとSシリーズがあります。
Sシリーズは、具体的な説明はないものの、モバイル用に軽量化しているようです。
それ以外は、シリーズ間の明確な違いは確認できません。
読取方式は、サンワサプライやシーザーと同じ、固定フォーカスの書画カメラ式です。
撮像素子のサイズは、非公開です。
こちらの場合も、高画素数のセンサー採用の弊害を解決するため、高輝度のLED補助ランプがあります。ただ、この部分の性能自体は、シーザーほど強調がないです。
画質は、基本部分は、他社の書画カメラ式と変わりません。
やはり、CCD搭載機に比べると、色ムラが生じやすいと言えます。
画像補正は、歪み補正(平坦化)、指跡の補正など、基本部分は押さえます。
OCRも対応します。
作業効率は 他社と同様に、リモコンは付きます。
対応するOSは、Windows用のみ用意されます。
出力は、PDF形式など、4種類に対応可能です。
PCとの接続は、USBケーブルです。
USB電源単独で動きます。また、電源不足の際には、2つ搭載のUSB端子から補助電源を得ることも可能です。
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以上、iOCHOW S5のUSB書画カメラの紹介でした。
基本的には値段の安さで選ぶ機種でしょう。
2000万画素を超える機種ならば、それなりの実力水準かと思います。ただ、日本に代理店がない製品ですが、販売歴は長いため、急にドライバーのアップデートがなくなるような心配は、さほど心配しなくて良いかと思います。
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24・iOCODIS S2 S2-JP 高画質USB書画カメラ
¥13,400 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A4
読取方式:書画カメラ式(500万画素)
歪み補正:ソフト方式
設置寸法:
重さ :1.36kg
25・プリンストン USBドキュメントカメラ PDP-U8MA
¥11,800 Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A4
読取方式:書画カメラ式(800万画素)
歪み補正:なし
設置寸法: 幅90×奥398×高さ408mm
重さ :730g
26・TINGHAIYAN ドキュメントスキャナー
¥(12,990) Amazon.co.jp (5/14執筆時)
対応サイズ:A3
読取方式:書画カメラ式(1300万画素)
歪み補正:ソフト方式
設置寸法: 幅455×奥440×高さ415mm
重さ :1100g
一方、書画カメラは、画素数が少ないものならば、もう少し安いものが、日本のプリンストンほか、中国の各社から輸入されています。
ただ、安いものは、解像度的にA3に対応しません。また、書画カメラ式の場合、先述のように、ライト性能やソフト処理部分が充実したほうが良いですし、
もう少し高級な製品でも良いでしょう。
今回の結論
スタンドスキャナのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回はスタンド型スキャナの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ続きます。
1・スタンドスキャナの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:PFU (ScanSnap)〈日本〉
1-3:サンワサプライ〈日本〉
1-4:シーザー〈中国〉
1-5:iOCHOW・iCODIS 〈香港〉
2・スタンドスキャナの比較 (2)
2-1:最終的なおすすめの提案【結論】
続く2回目記事(こちら)は、結論編です。
今回見た全機種から、目的別、予算別にAtlasのおすすめ機種を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら