比較2018' 高性能!10合炊き炊飯器の選び方とおすすめ(rice cooker-5):【IH・圧力IH・スチーム圧力IH】:象印・パナソニック・タイガー

2018年04月04日

比較2018' 高性能!10合炊き炊飯器の選び方とおすすめ(rice cooker-5):【IH・圧力IH・スチーム圧力IH】:象印・パナソニック・タイガー

【今回レビューする製品】2018年 10合対応高性能大型炊飯器の性能とおすすめ(1リットル大容量炊飯 ):象印 極め炊き 大きめ炊飯器の性能の違いと人気ランキング

今回のお題
美味しいご飯が炊ける10合炊き炊飯器はどの機種がおすすめ?

 どもAtlasです。

 今日は、炊飯器の比較をします。

 なお、このブログ「モノマニア」には、炊飯器について次のような記事があります。 

1・3合炊き小型炊飯器【〜3万円】
2・
5合炊きの格安炊飯器【〜3万円】

35合炊きの高性能炊飯器【3万円〜】
4一升炊きの格安炊飯器〜3万円】
5・一升炊きの高性能炊飯器3万円〜】

6・家庭用精米器の比較
7・おすすめ炊飯器の選び方 【まとめ】

 今回は、5番の記事です。 2017年現在最新モデルとなる世帯向けの大型炊飯器の話になります。

 10合炊き(一升)の炊飯器のうち3万円以上の高級機について限定して比較します。そのため、少量炊きモデルなどを探している方は、お手数ですが上記のリンク記事をご覧ください。

 また、10合でも、格安の機種を探しているならば、4番のリンク記事をご覧ください。

 以下では、いつものように、各機種を紹介し、最後に「結論」として価格や性能から「おすすめの機種」をいくつか提案していきます。

1・炊飯器の選び方の基本

 さて、最初に今回の記事における炊飯器の比較基準を説明しておきます。

 炊飯器に関しては「美味いご飯」がいかにしてたけるかが大事です。

 そして美味いご飯を炊けるかの見極めポイントとなるのは、次の3つです。


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 第1に、持続的に沸騰温度を出せることです。

 炊飯器は、マイコン式炊飯器(底面に電熱線ヒータがあってそれが鍋を加熱する)、IH式炊飯器(鍋自体が電磁波で発熱する方式)、圧力IH炊飯器(IHに加えて圧力を加える方式)があります。

 このうち持続的な高温が維持可能なのは、IH式炊飯器(鍋自体が電磁波で発熱する方式)、圧力IH炊飯器(IHに加えて圧力を加える方式)になります。

 ただし、両者には「美味いご飯」を炊くための明確な差はありません。圧力炊飯の方が「ふっくら甘い」軟らかめのご飯が得意、IH炊飯の方が「しゃっきり」したご飯が得意という程度です。

 最近は、スチーム(水蒸気)を使ったIHスチーム炊飯器や、圧力IHスチーム炊飯器などの「進化形の炊飯器」もあります。

 スチームは、気化した水ですから100度以上の温度を出せます。これを使って沸騰状態を維持したり、また、ご飯から水蒸気として放出されてしまう「うまみ成分」をご飯に還元したり、保温時のご飯の乾燥を防いでくれたりします。

 ーー 

 結論的に言えば、しゃっきりにせよ、ふっくらにせよ「持続的に沸騰温度を出せる」ことが美味しいお米を炊く上で重要です。この点は、どのメーカーも「ズレ」はないため、今回はこの観点を重要視して説明しています。


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 第2に、内釜の厚さとコーティングのグレードです。 

 釜の厚さは。基本的には厚みがあるほど沸騰高温状況のキープが可能で、美味しく炊けます。ただし、圧力炊飯器については、圧力で熱を出す構造のため、必ずしもこの原則は適応されないません。今回は、その部分に注意しながら比較したいと思います。

 コーティングは、メーカーごとに土鍋、炭、プラチナなど、多種多様なコーティングがラインナップされます。それぞれ蓄熱性能を高めるなど、釜の蓄熱力を「底上げ」する作用があります。ただ、釜の厚さや形状ほど決定的な作用は果たしません


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 第3に、ご飯の炊き分け機能です。 

 主食だけあって、日本人のお米へのこだわりは高いです。そのため、「かため」「ふつう」「やわらかめ」など、ご飯を炊き分けられる機能の有無は重要です。

 今回は、炊き分けにどの程度微調整が効くかについても、しっかり見ます。とくに、「しゃっきり」ご飯、「もちもち」ご飯が好きな人は、細かい微調整ができるモデルが選べるようにしました。

 また、「おこげご飯」や「銘柄米の炊き分け」など一風変わったご飯が炊けるのかについても調べています。

ーーーー

 以上、今回重要視する3つのポイントを書き出しました。

 以下の紹介では、これ以外にも、保温に関する性能などについても、補足的に説明をしていきます。

2・ハイグレードな炊飯器の比較

 さて、はじめに、3万円台〜4万円台で購入できるハイグレードな機種について紹介します。

 なお、以下の記事では、Atlasのおすすめできるポイントを赤字で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。


  

  【2017】

 1・象印 極め炊き NP-JS18-VD 【赤】
 1・象印 極め炊き NP-JS18-WA【白】
  ¥43,100 Amazon.co.jp (4/4執筆時)

  【2016】

 1・象印 極め炊き NP-YT18-VD【赤】
  ¥38,242 Amazon.co.jp (4/4執筆時)

炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.3気圧
内釜素材:鉄器コート豪熱羽釜
内釜厚さ:2.2mm
内釜保証:3年保証
保温機能:極め保温
堅さ調整:6種類(しゃっきり〜もちもち)

 NP-JSシリーズ は、象印極め炊きシリーズの中位機種となります。

 こちらのモデルは2016年旧モデルが併売中です。機能差は、後述するように「ご飯の炊き分け」の部分だけで、内釜などは同じです。

 炊飯方式は、圧力IH炊飯器です。圧力炊飯器は、効果的に100度以上の沸騰温度の持続ができる方式です。しかし、圧力をかけるために「ふっくら・甘い」ご飯が得意な反面、「しゃっきり」「ハリがある」ご飯は、やや不得意な傾向にあります。

 ただ、この製品の場合、圧力を逃がす構造を加えた「可変圧力炊飯器」ですから、その弱点をある程度克服している上級機です。「ふっくら・甘い」ご飯が得意ですが、「しゃっきり」「ハリがある」ご飯も無難にこなせる実力を持ちます。

 かけられる圧力は、最高1.3気圧になります。

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 使われている釜は、鉄器コート豪熱羽釜」です。コーティングは、熱伝導率の高めるため、同社独自の鉄器コーティングを採用します。釜の厚みも、圧力炊飯器としては優秀で有り、2.2mmの厚みと十分です。

 釜は、羽釜を摸した形状です。中央のリング形状の部分にヒーターをつけることでヒーティング能力を高め、また、密閉度を高めることで熱を逃さないようにして、沸騰温度をより持続できるようにされています。

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 その上で、内釜には「うまみプラスプラチナコート」がなされます。こちらには、水を弱アルカリ性にする効果があり、東京農大の検証では、うまみ成分が5%、甘み成分が45%アップします。

 このような技術を利用することで、、粘があり「ふっくら・甘みのある」ご飯の炊飯が可能になりました。  

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 ご飯の堅さは、象印の場合「わが家炊きメニュー」という機能があり自在に選べる仕様です。堅さは7段階、粘りは7段階選べ、総計で49通りの炊き分けが可能です。多すぎる気もしますが、AI搭載で、液晶モニターにその日のご飯の評価を入力していくと、次の炊飯に反映していく仕組みです。

 なお、この機能は2017年モデルからこのグレードにも搭載されたもので、旧モデルは、「しゃっきり」「ややしゃっきり」「ふつう」「ややもちもち」「もちもち」と5通りの選択肢から選ぶ方式です。

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 ご飯の保温は、人工知能AIとふた開閉センサーでご飯の温度をセンサーで監視する「保温見張り番」機能が装備されています。さらに「おひつボール」を上部に配置することで水分が逃げにくくする「極め保温」機能が搭載されます。これらにより、前の日に炊いたご飯も美味しく食べられる仕組みです。

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 また、内ぶたの工夫により、水分の蒸発量を約40%抑制し、つやのあるご飯を長時間保つことを可能にしています。

 お手入れも手軽です。洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶたセット蒸気口です。圧力IH炊飯器にしては、かなり掃除がしやすいといえます。

 以上、極め炊き NP-JSシリーズの紹介でした。ポイントは、羽釜の採用でより美味しい炊飯が可能であること、またヒーティング能力の強化により、沸騰温度の維持がより効果的になっていることです。

 この羽釜は、10万円オーバーの象印の最高級機にも使われている同社イチオシの技術です。「かため」で「しゃっきり」したご飯から「ふっくら・甘みのある」ご飯の炊飯まで美味しく炊くことができるでしょう。


  

 【2017】

 3・パナソニック SR-PA187-T
 3・パナソニック SR-PA187-W
  ¥33,908 Amazon.co.jp (4/4執筆時)

炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:ダイヤモンドかまど釜
内釜厚さ:2.6mm
内釜保証:3年保証
保温機能:エコナビ保温  
堅さ調整:3種類(しゃっきり〜もちもち)

 こちらは、パナソニックの「おどり炊き SR-PAシリーズ」の炊飯器です。

 「おどり炊きシリーズ」は元々、サンヨーが出していた圧力炊飯器のラインナップです。しかし、統合でパナソニックに引き継がれました。

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 炊飯方式は、可変圧力IH方式となります。

 圧力弁に工夫があり、炊飯中に加圧・減圧がフレキシブルに出来るのが特長です。とくに炊飯の終盤で一気に減圧できるため、中はふっくら・もちもちで、外にハリがあるという美味しいご飯ができやすいという特性があります。

 その上で、パナソニックは、「おどり炊き」の名前の通り、炊飯時にお米をいかに「対流」させ均一に炊くかに力を入れています。このお米の内部対流を起こすことが、米の味を増す大きな要素となるという思想から、火力でほどほどに甘みを引き出しつつ、一粒一粒のお米が立った「ふっくらした」お米の炊飯をたけるように調整されています。

 そのためご飯が他社よりも大粒に炊きあがります。

 かけられる圧力は、最大1.2気圧で、最大1.3気圧の象印に劣ります。パナソニックは圧力スペック重視の炊飯器に積極的ではないようです。

 というのも、これよりも上位のパナソニックの高級炊飯器は、圧力の高さにこだわったモデルではなく、圧力と他の技術の併用にこだわった機種であるからです。あまり圧力にこだわって「圧力の高い方が高級」と認識されると、企業戦略的に困るからか、圧力についてはさほど宣伝していません

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 使われている釜は、「ダイヤモンドかまど釜」で厚さは2.6センチになります。象印のように、かまどで使う羽釜の形を摸すことで、発熱効率を向上させたものです。内部コーティングはダイヤモンドフッ素コートです。釜は中空構造になっており、断熱性が高い仕様です。内釜は3年保証が付きます。

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 また、搭載されるIHヒーターは、ふたから底まで5段階で加熱される5段IHと高性能です。以前はこの点で象印に負けていたのですが、パワーアップしたと言えます。

 ご飯の堅さは、「かため」「ふつう」「やわらかめ」と3通りの選択肢があります。パナソニックは独自の「おどり吸水」という技術があり、沸騰前のご飯の吸水時に、圧を調整することでお米への水の浸透率を調整し、堅さを調整します。

 こちらもサンヨー時代からの伝統的な方法で、定評があります。「おどり炊き」は圧力炊飯器の中では、「かたい」・「しゃっきりした」ご飯の炊飯も無難にこなせるといえます。炊飯時間も30分台で済みますし、味も良いです。もちろん「甘く・ふっくら系」のお米は代の得意の機種になります。

 ご飯の保温は、重量センサーを用いて保温温度を調整するエコナビ保温機能が付きます。象印の温度センサー搭載機種に比べると、節電性はとのかく、美味しさのキープという点では、やや負けるかもしれません。基本的には炊いたら時間を空けずに食べきるか、冷蔵庫に入れるのが良いでしょう。

 また、象印と異なり、炊飯時に蒸気をセーブする機能も搭載されません

 お手入れは、洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶたセット蒸気ガイドです。圧力IH炊飯器にしては、掃除が手軽で、こちらも掃除がしやすいモデルといえます。

 以上、パナソニックおどり炊き SR-PAシリーズ の紹介でした。甘くご飯が立った大粒なご飯がたける炊飯器という三洋の炊飯器の傾向が好きだった人は、このモデルが良いでしょう

 ふっくら系だけではなく、堅めでしゃっきりしたご飯も、可変圧力方式のためこの炊飯器でもよく炊けます。ただ、それは圧力炊飯器の範疇の話で、やはり堅めの傾向が好みの人は、後ほど紹介するよるスチームIH炊飯器の方が良いと思います。  


   

【2017】

  4・日立 打込鉄釜 RZ-AV180M-R【赤】
  4・日立 打込鉄釜 RZ-AV180M-W【白】
   ¥34,946 Amazon.co.jp (4/4執筆時)

【2016】

  4・日立 打込鉄釜 RZ-YV180M-R【赤】
  4・日立 打込鉄釜 RZ-YV180M-W【白】
   ¥33,350 Amazon.co.jp (4/4執筆時)

炊飯方法:スチーム圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:打ち込み鉄釜
内釜厚さ:3mm
内釜保証:6年保証
保温機能:スチーム保温
堅さ調整:2種類(しゃっきり〜もちもち)

 RZ-WV180M は、日立の「極上炊き」シリーズの炊飯器です。

 2016年旧モデルが併売中です。比較すると、釜の製法の違いが唯一の相違点です。新機種は鉄の打ち込みをより精密にした「超音速打込製法」が採用されました。

 ただ、画期的な変化と言うよりマイナーチェンジで、新旧の差は僅差でしょう。それ以外はマイコンの微調整に止まっています。旧機種がお買得です。

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 炊飯方法は、圧力IH炊飯です。しかし、より正確に言うならば、こちらは高温度スチームを使って炊飯する機種なので、スチーム圧力IH炊飯器というカテゴリーになります。

 スチーム圧力IH炊飯器は、スチームを上部から吹き付けて「おねば」の甘みを還元しながら、1.2気圧の圧力に加えて、しっかり蒸らして炊き上げるという技術です。そのため、ごはんをより甘くておいしい炊きあげられます

 高級炊飯器の炊飯方法としては、現在のところ、機能的には最先端の1つです。可変圧力炊飯器と同様に、圧力炊飯器の進化形と考えてください。

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 使われている釜は、厚さ3mmの「高伝熱込鉄釜」です。

 こちらは、溶かした鉄を高速で打ち込んで錬成される釜です。これに、熱伝導率の高いゴールドと、遠赤が戦を発する炭素のコーティングをすることで、ヒーターの発熱効率をアップさせています。釜の厚さは2.5mmですが、アルミ合金製の内釜で電熱性は高く、高火力を可能にしています。炊飯にかかる時間、は通常炊飯で平均48分程度です。旨みをより引き出す熟成炊きでも1時間を切る時間帯のため、炊飯時間が短いタイプといえます。

 ご飯の堅さは 炊き分けが可能です。象印の上位機ほど多彩ではありませんが、標準モードの他に、「しゃっきり/もちもち」が選べるために、好みに合わせて炊飯が可能でしょう。

 ご飯の保温については、「スチーム保温」モードが搭載されます。スチームを使って効果的にご飯の乾燥を防ぐことが可能です。一度に炊きあげて、保温しておく人には欠かせない機能でしょうね。ご飯を再加熱するモードも付いています。 象印同様、この点では、この機種も高機能といって良いです。

 お手入れは、この機種の場合洗う必要があるのは、ご飯のお釜給水レスオートスチーマープレート蒸気キャップです。旧来の蒸気還元式のスチーム圧力IH炊飯器は、掃除がかなりたいへんでしたが、こちらは、通常の圧力IH炊飯器並に手軽です。ただ、最新機種で比べると、洗浄を要する部品点数は1点多めですね。

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 その他の便利な機能としては、運転時の蒸気カット機能です。空気中に排出される水分量は4.0mLと、蒸気セーブ機能が無い機種にくらべて90%セーブされます。マンションなどで結露に悩まされている人には、とても便利な機能ですね。

 もう一つ挙げるとすれば、少量炊飯モードです。5.5合炊きの炊飯器で少量(2合以下)のご飯を炊くと、ご飯の煮崩れや焦げが生じてしまう場合があります。それを緩和してくれる機能です。電気代もセーブできます。

 以上、日立の炊飯器「極上炊き」シリーズRZ-WV180Mの紹介でした。スチーム圧力炊飯器ですので、とくに、堅めでしゃっきりしたご飯が得意でしょう。もちろん、圧力炊飯器でもあるため、もちもち・軟らかいご飯も無難にこなすと思います。そのほか、「蒸気カット機構」を搭載する点などで、結露しやすいマンションに向いている機種とも言えますね。

3・最高級クラスの炊飯器の比較

 さて、ここからは、4万円以上のハイエンド(最上位機種)のうち、デンキヤで売れ筋の4機種について紹介していきます。


  

 【2017】

  4・パナソニック SR-PW187
   ¥44,315 Amazon.co.jp (4/4執筆時)

 【2018】

  4・パナソニック SR-PW188
  ¥(80,000) 6月発売予定 (4/4執筆時)

炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:ダイヤモンド竈釜
内釜厚さ:2.4mm
内釜保証:3年保証
保温機能:エコナビ保温  
堅さ調整:3種類(しゃっきり〜もちもち)

 こちらは、パナソニックの炊飯器の 「大火力おどり炊き」SR-PWシリーズです。

 なお、2018年6月に後継機が登場します。相違点については、記事の最後で紹介しますが、今年は、マイナーチェンジであり、旧機種がお買得です。

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 炊飯方式は、パナソニックの下位機種同様の、可変IH圧力炊飯器に分類される炊飯器です。

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 ただ、それに加えてこの機種には、高速相互対流という別の仕組みも採用されます。高速相互対流とは、上図のように、コイルを高速で切り替えることで、外向きと内向きの激しい交互対流を発生させ、「釜底全体から強力な泡の熱対流を起こすことで、お米をおどらる」仕組みです。

 旧三洋電機の「おどり炊きシリーズ」は、釜の内部で対流や細かい泡を生み出すことで、炊飯中の米をかき混ぜ、一粒一粒のお米が立った「ふっくらした」お米の炊飯をたけるように調整されていました。この機種も仕組みはやや異なりますが、相互対流を起こすことで、一粒一粒の芯までしっかり加熱でき、ふっくら大きく、よりうまみと甘みが増したおいしいごはんが炊き上がります。「ふっくら」作用は数値的にも照明されていて、ご飯粒の大きさも、約10%アップします。

 これらの高速相互対流可変圧力という米を踊らせる2つの工夫がなされていることから、この炊飯器には「Wおどり炊き」というブランド名が付いています。通常の可変圧力炊飯器と比べて、1つ1つの米に火が通りやすいため、お米はより美味しくなります。

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 使われている釜は「ダイヤモンド竈釜」です。厚さは2.4mmです。下位機種と較べると僅かですが釜の厚みは薄くなります。

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 ただ、IH(電熱線)は、1段多い6段を採用しています。そのため、総合的な火力ではこちらの方が下位機種よりもかなり優位と言えます。 

 ご飯の堅さは、「かため」「ふつう」「やわらかめ」と3通りの選択肢があります。

 Wおどり炊きモードが付属しますが、可変圧力炊飯器のため、「ふっくら」と「甘い」炊飯が得意です。しかし、このレベルの機種になると、「かため」で「しゃっきりした」「ハリのある」ご飯も高レベルでこなします。ただ、こういった傾向のお米が好きな場合、スチーム炊飯器のほうが良いかもしれません。また、この機種は下面に大火力のコイルが使用されているため、いわゆる「おこげご飯」が作れます

 ご飯の保温については、重量センサーを用いて保温温度を調整するエコナビ保温機能が付きますが、この点は下位機種と同じで低機能です。また、蒸気セーブ機能については搭載されません。結露などの面では、若干配慮が必要でしょう。

 お手入れは、洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶたセット蒸気ガイドです。炊飯器としては標準的でとりたてて面倒でも楽でもないレベルですね。

 以上、パナソニックの炊飯器の SR-PWシリーズの紹介でした。こちらは、旧三洋電機の炊飯器とパナソニックの炊飯器の技術的なコラボレーションが見られる非常に優れた炊飯器です。「ふっくら甘い」系のご飯も、「しゃっきり」系のご飯も、高レベルで炊き分けられるでしょう

ーー

 なお、後継機のSR-PW188については、型番に大幅な変更がないことから分かるように、今年は、「マイナーチェンジ」のレベルです。

 具体的には、炊飯中の浸水方法の改良(旨み熟成浸水)と、細かい泡を発生しやすくするために内釜の底に凹凸を付けたこと(ディンプル加工)です。

 炊飯方式の抜本的な変化ではないため、味自体は大きく変わらないでしょう。新機種の登場で価格が下がっている旧機種をオススメします。


  

 【2017】

  5・パナソニック SR-SPA187
   ¥56,309 Amazon.co.jp (4/4執筆時)

 【2018】

  4・パナソニック SR-SPA188
  ¥(102,300) 6月発売予定 (4/4執筆時)

炊飯方法:スチーム圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:ダイヤモンド竈釜
内釜厚さ:2.4mm
内釜保証:3年保証
保温機能:220度スチーム保温
堅さ調整:4種類(しゃっきり〜もちもち)

 こちらは、パナソニックの炊飯器の 「Wおどり炊き」SR-SPAシリーズの炊飯器です。

 この機種も2018年6月に新機種が登場します。違いは下位機種の場合と同じで、(旨み熟成浸水)と(ディンプル加工)の点のみです。新機種の発表で値が下がってる2017年モデルがお得ですね。

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 炊飯方式は、「Wおどり炊き」対応の機種です。下位機種と同じく、高速相互対流と最大1.2気圧の可変圧力もかけられる構造になっています。

 ただし、それだけではなく、この機種は、スチームを使って炊飯をする機能を併せ持ちます。そのため、炊飯器の分類としては、スチーム圧力IH炊飯器に該当します。

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 スチーム式炊飯器の場合、本体横に水を入れる容器があります。炊飯時にはそこに水を差しておきますが、その水が熱で220度のスチーム(蒸気)となります。追い炊きの時、内釜にそのスチームを吹き付けることで高温状態をキープする仕組みです。

 これによって、ごはんのはり、つや、甘みを引き出すことができます。また、メーカーによると、「スチームがごはんの表面をコーティングし、冷めても硬くなりにくく、ふっくら感をキープ」することが可能です。

 いずれにしても、圧力だけに頼らず高温状態を出せるため、「かたい系」「しゃっきり系」の美味しいご飯がやや不得意な圧力炊飯器の弱点を補う効果があるでしょう。

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 また、その過程でフタの部分に溶け出た水蒸気も還元するため、お米の「おねば」に含まれる旨みも同時に還元できます。メーカーも「濃いおねばがだせる」ことを強調しています。

 そのほか、お米の浸水時(炊飯前半)の温度を高く設定する新・酵素活性浸水などが搭載される点は、パナソニックの下位機種と同じです。内釜は、下位機種にも採用されるダイヤモンド竈釜ですが、厚さも2.4mmと同様です。

 ご飯の堅さ銀シャリモードの他に4種類の炊き分け機能が付きます。こちらは、「かため、やわらか、しゃっきり、もちもち」と4通りの選択肢があります。

 この機種は圧力IHの機能スチーム炊飯の機能とを持つため、「かたい」「やわらかい」といった堅さにかかわる指標だけではなく、「しゃっきり」「もちもち」という食感に関する指標を両方持っています。そのため、ご飯の堅さにこだわりのある人は、この機種はとても良い選択肢でしょう。こちらの機種も、下面に大火力のコイルが使用されているため「おこげご飯」が作れます

 ご飯の保温については、スチーム保温機能が付きます。こちらは、スチームを吹き付けつつ保温するため、ご飯が乾きにくいです。長時間保温した後でも美味しくご飯が食べられる機種です。また、下位機種と同じく、重量センサーを使って、保温温度を調整するエコナビ保温もついていますので、さらに効果的と言えます。

 このようにかなり優秀な機種ですが、蒸気セーブ機能については搭載されません。結露などの面では、若干配慮が必要でしょう。   

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 お手入れは、洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶたセット水容器です。圧力機能と旨み還元機能がつくため、下位機種にくらべて内ぶたに凹凸があり、また中央部分のフィルターを取り外して洗浄する必要があるため、一手間余計にかかります。ただ、日常的にも問題ないレベルです。

 以上、パナソニックの炊飯器の SR-SPAシリーズ の紹介でした。圧力IHの機能とスチームIHの機能が高度にミックスされた最高機種です。日によって、料理によって、お米の種類によって、ご飯を「ふっくら」「しゃっきり」など炊き分けたいと思っている方は、この機種がおすすめできますね。


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【2017年】

 6・パナソニック SR-SPX187-R [レッド]
 6・パナソニック SR-SPX187-W [ホワイト]
  ¥62,853 Amazon.co.jp (4/4執筆時)

【2018年】

 6・パナソニック SR-VSX188-K 【黒】
 6・パナソニック SR-VSX188-W 【白】
  ¥(120,000) 6月発売予定 (4/4執筆時)

炊飯方法:スチーム圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:ダイヤモンド竈釜
内釜厚さ:2.5mm
内釜保証:3年保証
保温機能:スチーム保温
堅さ調整:4種類(しゃっきり〜もちもち)

 SR-SPXシリーズ は、一升炊き炊飯器に置けるパナソニックの最上位機です。

 炊飯方式は、下位機種と同じで、可変圧力タイプのスチームIH炊飯器です。もちろん、Wおどり炊き対応の機種です。

 その上で、下位機種との機能の相違は次の点です。

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 第1に、釜の品質です。下位機種と同じ名前のダイヤモンド竈釜ですが、中空面を複数持たせ、また高断熱素材を多数使用することで、構造の内釜の断熱性がさらにアップしています。また、底面も凹みを付けたディンブル加工がなされ、米を踊らせる大きな泡をより発生しやすくしています。

 第2に、炊飯モードの数です。こちらは銀シャリモードの他「よりかため、かため、やわらか、よりかため、しゃっきり、よりしゃっきり、もちもち、よりもちもと」8通りの炊き分けが可能です。よりきめ細かい設定でご飯を炊くことができる高級機ですね。

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 第3に、銘柄炊き機能です。「ブランド米」の種類ごとに、銘柄に適した火加減で細かくご飯を炊き分ける機能が付属します。 有名ブランド米のほとんどが対応します。

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  ¥0 iTunes Store

 Panasonic Smart Applications
  ¥0 Google Play

 細かい銘柄の設定については、スマホの無料アプリを介する必要があります。なお、スマホアプリを使って炊飯器の予約操作なども可能です。炊飯器にWi-Fi機能があるため、こうした操作が可能という仕組みですね。

 このほかの点は、下位機種と同じ性能です。

 以上、SR-SPXシリーズ の紹介でした。下位機種と比較して1万円以上の価格差があります。しかし、とくに銘柄米で炊き分けられる機能は、高級機を買おうとする購買層にはかなり魅力かもしれません。ブランド米は今とても流行ってますしね。

−−

 なお、2018年6月登場の新機種については、5つの改良がなされました。

 第1に、炊飯中の浸水方法の改良(旨み熟成浸水)です。

 第2に、細かい泡を発生しやすくするために内釜の底に凹凸をディンプル加工)です。

 ここまでは、下位機種の場合と同じです。これに加えて最上位機は、次のような改良がなされています。


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 第3に、圧力センサーの改良です。

 1.2気圧と1気圧の中間に2段階(1.1気圧、1.15気圧)を検知できるようになっています。

 第4に、炊き分け機能の強化です。

 圧力制御が細かくできるようになったことで、ご飯の炊き分けが2段階から3段階に細分化されました。

 その他は、炊き分け銘柄の追加(2種類)と操作キーの改良などがポイントとなります。

 第5に、鮮度センシング機能です。

 圧力センサーを利用して、お米の水分(乾燥度)を検知し、精米から時間が経ったお米の炊き方を調整できます。

ーー

 新機種は、圧力系の改良ですので、味の傾向は従来機より変わってくるでしょう。とくに、米の鮮度に全く気を使わない方は、劇的な改善があるかもしれません。

 ただ、旧機種は倍以上安く、内釜や火力の部分は、新型と変わりません。この点から言えば、やはりAtlasとしては、「破格」といえる旧機種が魅力だと思います。


 

【2017】

 7・タイガー THE炊きたて JKX-V152-K
  
¥45,950 Amazon.co.jp (4/4執筆時)

炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.25気圧
内釜素材:本土鍋
内釜厚さ:4.5mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:

 JKX-Vシリーズは、タイガーの炊飯ジャー「炊きたて」シリーズの最上位機種です。

  目を引くブラックのデザインで、タイガーの炊飯器では 売れている機種です。

 炊飯方式は、圧力式で、また、圧力が細かく調整できる可変IH圧力炊飯器になります。ただ、土鍋をつかっているため、メーカーでは土鍋圧力IHと表現されています。なお、この機種は、10合ではなく、8合炊きになります。これが同社の最大サイズです。

 使われている釜は、「表面6層コート本土鍋」になります。

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 こちらは、四日市の窯業所で作られた本物の土鍋(セラミック)です。本体も鉄製の釜よりも重厚感がある感じで、見た目も非常に美味しく炊けそうです。土鍋は、焼成を3度繰り返すことで作られた本格仕様です。値段の数割分はこの釜の値段でしょう。  

 コーティングは6層で、鍋の厚みはスペック的には不明ですが、セラミック素材のため、比較はあまり意味が無いでしょう。コーティングは3年保証です。ちなみに土鍋にはふたがつきますが、(当たり前ですが)炊飯時には使いません!炊きあがったとき、ご飯を「おひつ」とする場合に使うものです。

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 さらに内ぶたも土鍋コーティングがなされており、釜の中の熱を逃がさない構造担っています。象印のプラチナコーティングは、水を弱アルカリ性に変質させることで米の甘み成分を強化するモノでしたが、タイガーの場合は、熱を逃がさず閉じ込めることを最重要視し、土鍋コーティングを施しているといえます。

 強火力で土鍋で炊いたご飯が美味しいという仕組みを応用したものです。象印がどちらかというと、「変化球」の技術であるのに対して、タイガーは「直球勝負」の製品と言えます。

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 かけられる圧力は、最高1.25気圧になります。これについては象印や日立の機種よりも若干低いです。しかし、こちらは、可変W圧力IH炊飯方式を採用しているという特徴があります。これは、圧力ボールを2つ用意することで、炊飯中に気圧を自在に可変させることを可能にしたものです。

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 気圧・温度を炊飯中に制御することで、お米の甘みと粘りをバランスよく引き出していきます。特にこの機種の場合、 「280度という今までにない圧倒的な高温炊きあげを実現」できています。

 高温炊きで、「ふっくらとして、粘りと弾カがあるもちもちとしたおいしさに加え、しっかりとした一粒一粒が感じられる」とメーカーでは表現しています。

 また、土鍋を模した構造のため、「香ばしい」ご飯が炊くことができます。ちなみに、メーカーで「香ばしい」を使っているのはタイガーの炊飯器だけです。

 ご飯の堅さについては、新機種には、しゃっきりからもっちりまで、お好みの「ねばり加減」を選べる「米(マイ)チューニング」機能」が搭載されます。一方、昨年度の旧機種は、炊飯の堅さを選べない仕様でした。メーカーが推奨する「美味しいご飯」を食べる感じで、これはこれで悪くない気もしていました。

 「おこげご飯」も炊けます。パナソニックの「おこげご飯」と異なり、こちらは、3段階で焼き目を調整できます。「おこげご飯」を先に取り入れたのはタイガーなので、この方面での優位性がありますね。

 ご飯の保温については、温度を「低め」に設定することで乾くのを防ぐモードと、ご飯を再加熱するモードが付いています。ただ、あまり高機能とは言えません。 

 お手入れは、洗う必要があるのは、ご飯のお釜内ぶたセット蒸気口(スチームキャップ)です。内ぶたは安全弁が2つあり、若干掃除が手間かもしれませんね。しかし、許容範囲でしょう。

 以上、炊飯ジャー「炊きたて」シリーズJKX-V152の紹介でした。

土鍋を使い熱を逃がさず高温に保つという、かなり独創的な炊飯器だと思います。また、独創的だけではなく、米の甘み成分をひきだすために沸騰温度を維持するにあたって理に適った正統的な発展形態だと思います。

 ただ、他の上位機種に較べると、お米を美味しく保温する機能が付いていない点はネックですね。おひつのふたが付いているので、夏場以外は釜から出して保存はできますが、大型炊飯器としては、この部分がネックです。

後編に続く!
高級10合炊き炊飯器のオススメは結論的にこの機種!

 というわけで、今回は、比較的価格の高い炊飯器について比較しました。

 「比較の点数が少ないのではないか?」と思う方もいるかもしれません。しかし、1升炊きは、5合炊き以下と比べると購買層が少ないため、「中級〜高級機」に限定すると、この程度の数となります。

  

 次回の後編【こちら】では、ここまで紹介してきた全機種の中から、目的別・予算別に最終的なおすすめ機種についてまとめておきたいと思います。

 後編は→こちら

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posted by Atlas at 11:21 | 炊飯機

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