【今回レビューする内容】2022年 ホームベーカリー用のブランド・高級食材の選び方とレシピの紹介:国産ブランド小麦粉・強力粉・食パンミックス・バター・砂糖・スキムミルク・塩・ドライイースト・天然酵母パン種・こめの香米粉・グルテンフリー米粉などの必要材料
今回のお題
ホームベーカリー用の食材のおすすめはどれ?
どもAtlasです。
今日は、2022年4月現在、最新のホームベーカリーに必要な材料の紹介です。
今回は、上級者と初心者と、双方に対応するように書きました。
1・ホームベーカリーの食材の比較 (1)
1-1・製パンの基本食材
1-2・強力粉 〈ブランド別〉
1-3・米粉〈パン用〉
1-4・薄力粉・雑穀〈パン用〉
1-5・イースト・天然酵母
1-6・バター〈銘柄別〉
1-7・パンミックス 〈各社〉
2・ホームベーカリーの食材の比較 (2)
2-1・プレミアム生食パン〈レシピ〉
2-2・食材 〈その他〉
2-3・最終的な「おすすめ」の提案
以上のような構成で、全2回の記事に分けて紹介します。
上級者向けには、「春よ恋」などのブランド小麦やバターなど、本格的に作りたい方にオススメな「プレミアム食材」を紹介します。
とくに、強力粉については、以上の評価軸から、味の特徴を解説するつもりです。
加えて、味わい深い天然酵母パンや、人気の生食パンの再現に必要な材料も各種紹介します。
また、各社まちまちで分かりにくい、米粉パン用の米粉・グルテンフリー米粉についても、レシピをフォローするつもりです。
入門者向けには、便利なミックス粉のラインナップを紹介します。
そのほか、低糖質ダイエット・低GIダイエットに適するミックス粉も合わせて提案していきたいと思います。
また、「おうち乃がみ」などメーカーの提案するレシピや、「生食パン」が家庭で再現可能か、という部分を含めて【2回目記事】で紹介するつもりです。
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1・ホームベーカリーの比較
2・ライスブレッドクッカーの比較
3・ホームベーカリー用材料の比較
4・パン切り包丁の比較
なお、今回の記事は、このブログのホームベーカリー関連記事の3回目記事として書きました。
1-1・ホームベーカリーの基本食材
はじめに、初心者向けに、ホームベーカリーの基本レシピについての復習からはじめましょう。
ホームベーカリーは、日本では、新型だけでも20機種以上、発売されています。
しかし、どのメーカーも、基本的に、基本の小麦パンについて必要とされているのは分量の若干の相違こそあれ同じです。
つまり、強力粉・バター・砂糖・塩・ドライイーストが、基本的な材料です。
リッチパンの場合、これにスキムミルク(牛乳も可)がはいる場合もあります。
ただし、生米からパンを作る、パナソニックのGOPANについては、「米」「グルテン」「ショートニング(バター)」「ドライイースト」「塩」「砂糖」と多少材料が異なります。
なお、GOPANは、小麦粉からも普通にパンが作成できますが、その場合は、他社と材料は同じです。
なお、生米のパンの食材は多少異なるため【GOPANの比較記事】で別に紹介しました。よろしくお願いいたします。
1-2・強力粉の比較【ブランド小麦】
ここからは、基本食パンを作る場合の材料について、より、詳しく説明していきます。
はじめに、強力粉からです。
強力粉は、パンのほとんどの割合を占める「成分」です。炊飯における「お米」と同様に、この部分の品質で味は大きく変わります。
お米における、「こしひかり」と「ゆめぴりか」の差と同じ、と言えばなんとなく伝わるでしょうか。
1・日清 スーパーキング (富澤商店) 1kg
¥1,270 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
1・日清 スーパーキング (ママパン) 2.5kg
¥949 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
「スーパーキング」は、日清製粉が製粉している小麦粉です。
いくつかのメーカーが買い付けて小売しており、有名な強力小麦粉の1つです。
ちなみに、ホームベーカリー用の食材小売では、1kg入りや2.5kg入りが多いですが、これは、ホームベーカリー1斤あたり、250gという使用量からです。要するに「10回分相当」です。
産地は、特に明示されず、外国産になります。
パンの味わいは、灰分が少ないので、小麦の味が薄めの「あっさり系」です。
パンの食感は、タンパク質が多めで、基本的にソフト系です。
Atlasが好きな「カリもち食パン」(中身もちもち、皮はカリカリ)は、すこし苦手です。
得意とするパンは、柔らかく、麦の香り控えめの「ソフト食パン」です。
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以上、スーパーキングの紹介でした。
パン専用の強力粉ではお馴染みの製品でしょう。
タンパク質の含有量が多い「ソフト系(ふわふわ系)」なので、膨らみ不足のような失敗が少ないのが良いところです。実際、市販のミックス粉の多くはこの系統の味がする場合が多いです。
一方、噛みしめたときの、麦の味わいがあまりしないため、麦の味を主役にするような利用には向かないです。
2・日本製粉 ゴールデンヨット(富澤商店) 1kg
¥1,257 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
「ゴールデンヨット」は、日本製粉が製粉している小麦粉です。
やはり、いくつかのメーカーが小分けで小売しています。これも、有名なパン用小麦粉です。
産地は、特に明示されず、外国産になります。
パンの味わいは、一方、灰分の含有量が、スーパーキングより多めで、麦の味はします。
パンの食感は、タンパク質が多いので、かなりのソフト系(ふわふわ)です。
得意とするパンは、柔らかく、麦の香り控えめの「ソフト食パン」です。
ただし、小麦の香りは強めです。
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以上、ゴールデンヨットの紹介でした。
もちもち系の食感が苦手だが、パンの香りを感じたいにあう品種です。
また、極めて個性があるわけでないので、初心者でも扱いやすいでしょう。
3・日新製粉 スーパーカメリヤ(富澤商店) 1kg
¥569 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
「スーパーカメリア」は、日清製粉が製粉している小麦粉です。
スーパーにもある「日清カメリア」の個性を強化した製品で、ホームベーカリーでも人気です。
産地は、特に明示されず、外国産になります。
パンの味わいは、灰分の含有量がかなり少なめで、日清カメリヤ以上に「あっさり」です。
パンの食感は、一方、タンパク質が少なく、外国系の強力粉としては「もっちり」します。
得意とするパンは、柔らかいソフト系の食パンです。
具材入りはさほど向きませんが、真っ白で綺麗なパンができます。
−
以上、スーパーカメリアの紹介でした。
もちもち系で、あっさりな傾向です。
後ほど少し紹介するイーグルや、カメリヤ・ヨットなどの有名パン用強力粉と個性は似ていますが、それ以上に、灰分が少ないので「白くて、あっさりした」パンができます。
以前、パンの表現よく使われる「あっさり」という表現が微妙に掴めなかったのですが、これのおかげでよく分かりました。
4・北海道産 強力粉 春よ恋 100% 1kg
¥1,195 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
4・北海道産 強力粉 春よ恋 100% 2.5kg
¥766 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
春よ恋は、国産小麦の強力粉です。
ホームベーカリー向けの「ブランド小麦」としては、最も知られた品種の1つです。
Atlasも(だいぶ前に)北海道・十勝平野のパン屋さんで一度食べてからファンになりました。
産地は、北海道です。
パンの味わいは、灰分が平均的で「オールマイティ」です。
パンの食感も、タンパク質が平均的「オールマイティ」です。
以前は、「ふわふわ・濃厚」系評価でしたが、最近より個性の強めな新品種が出てきたので、このような評価に換えました。要するに、バターなど分量で、好きなように調整しやすいです。
得意とするパンは、ようするに、何でも失敗なく、うまくできます。
甘めのスイート食パンにも良いです。
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以上、春よ恋の紹介でした。
ホームベーカリーで、強力粉の国産素材にこだわりたいかたは、最初にバランスが良い、「春よ恋」を試すのが良いです。
外国系に欠ける、「濃厚・もっちり」なパンにも対応できつつ、ミックス粉系のソフト系も仕上げられますから。
なお、タンパク質の含有率が低いので、今までミックス粉を使ってきた方は、水分を気持ち抑えめ(5%)にすると、割と簡単に膨らみますので、試してみて下さい。
5・北海道産 はるゆたか100% 2.5kg
¥2,106 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
はるゆたかも、国際のブランド小麦です。
産地は、北海道です。
古くからある北海道のブランド品種で「春よ恋」の父にあたる品種です。
パンの味わいは、灰分がやや少なめで、国産小麦としては気持ち「あっさり」です。
パンの食感は、タンパク質がすこし少なく、「もっちり系」です
得意とするパンは、ハード系食パンでしょう。
タンパク質含有量が春よ恋以上に低い品種のため、具材入りパンにはあまり向きません。
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以上、はるゆたかの紹介でした。
このパンは、外側がカリッと中身が重厚な食感のパンが作りやすいです。
個人的には、すこし膨らましにくい印象がありますが、小麦の香りが強く出ないので、バターなど他の部分で個性を付けたい場合、ないし、あっさり系の味の傾向が好きな方には、割と良いです。
【富澤商店 TOMIZ】
6・北海道産 強力粉 キタノカオリ 1kg
¥1,325 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
6・北海道産 強力粉 キタノカオリ 2.5kg
¥2,127 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
キタノカオリも、北海道のブランド小麦です。
産地は、北海道です。
パンの味わいは、灰分がかなり多めで「濃厚」です。
そのため、麦由来のパン独特の香りは最も強いです。
パンの食感は、タンパク質が多少少ないため、「もっちり系」です
得意とするパンは、普通の食パンが良いでしょう。
タンパク質が少なめなので、具材入りパンにはあまり向きません。
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以上、キタノカオリの紹介でした。
灰分がかなり多く、小麦の味と香りがしっかり楽しめます。灰分の関係で、食感をそそるうすい黄色なのも面白いです。
シェア的に珍しいので、熟練者が購入されると、その違いが楽しめる、というタイプの小麦です。
7・北海道産 強力粉 ゆめちから100% 1kg
¥1,240 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
7・北海道産 強力粉 ゆめちから100% 2.5kg
¥1,634 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
ゆめちからは、最近登場した小麦のブランドです。
パンの味わいは、基本的に香りについては、春よ恋と同等で「平均値」と言えます。
パンの食感は、日本産の小麦としてはタンパク質が多めで「ソフト(ふわふわ)」系です。
得意とするパンは、したがって、ソフト系の食パンです。
膨らませやすいので、具材入りは特に良いでしょう。
なお、 ゆめちからは、製粉会社がブレンドして「ゆめちからブレンド」とする場合がありますが、その場合は、タンパク質が少し多くなり、「もっちりより」になります。
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以上、ゆめちからの紹介でした。
100%はあまり見かけない製品ですが、有名どころのスーパーキングとゴールデンヨットの中間的な個性で、扱いやすいです。
タンパク質含有量が多く膨らませやすく、扱いやすい品種です。普通の食パン・アレンジパンなど、割となんでも使えて便利な粉です。
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8・富澤商店 TOMIZ cuoca 250gサイズ
¥247〜 楽天市場 (4/3執筆時)
1・ゴールデンヨット
2・春よ恋
3・ゆめちから
4・スーパーキング
5・キタノカオリ
6・はるゆたか
7・はるゆたかブレンド
以上、強力粉の紹介でした。
なお、製パン材料販売で有名な「富澤商店」は、1回分250gずつで色々な種類の強力粉が売っています。
それなりに納得できる値段ですし、自分の好みを探したい方4/3執筆時には良いと思いま
おすすめは、キタノカオリ(もっちり×濃厚)、ゴールデンヨット(ふわふわ×濃厚)、ゆめちからブレンド(もっちり×あっさり)、スーパーキング(ふわふわ×あっさり)を250gずつです。
4回の「炊パン」で、タンパク質と灰分にかんして、全体の傾向が(だいたい)掴めます。
1-3・パン用米粉の比較
続いて、米粉を利用したパンを作る場合、追加で必要な材料を紹介します。
なお、「米粉パン」はたいていのホームベーカリーが対応しますが、自家製粉の米粉や製菓用の米粉は使えない点に留意してください。
【米粉+グァーガム】900g×3袋
9・グリコ こめの香 グルテンフリー
¥2,198 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
パンの食感
:ふわふわ★★★★★ もっちり
グルテン:フリー
グリコの「こめの香」は、ホームベーカリーを販売するメーカーの多くが、「グルテンフリー米粉はコレを使って!」と指定している製品です。
強力粉のグルテンの代わりになる粘りの成分として、グァーガム(豆由来の粘りの成分)を含めて製粉した製品です。
なお、「こめの香 米粉パン用ミックス粉」という名前ですが、砂糖や油脂(バターやショートニング)は、含有していないものです。
要するに、グァーガムが入るので「ミックス粉」と書いています。
上記は、パナソニックの例ですが、強力粉を使わずにパンを作れています。
なお、【ホームベーカリーの比較記事】の方でも書きましたが、象印は、グルテンフリー米粉に対応しません。パナソニックとエムケー精工は、ショートニング(植物油脂)の利用をマストとしています。
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【米粉のみ】
10・グリコ こめの香 福盛シトギ2号
¥1,296 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
パンの食感
:ふわふわ★★★★★ もっちり
グルテン:フリー
なお、グァーガムを抜いて、純粋にパン専用の米粉としているのが、グリコの「福盛シトギ2号」です。
このタイプも、上図の様に、最新のパナソニック機のが対応できます。
エムケー精工も対応します。
ただ、増粘成分がないので、いずれのメーカーも、鍋を2分ほど火にかけ「もち飴」を作る手間がかかります。
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【米粉のみ】
11・群馬製粉 リ・ファリーヌ Riz Farine 1kg
¥1,580 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
12・タイガー グルテンフリー米粉 KBD-KM10-W
¥893 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
パンの食感
:ふわふわ★★★★★ もっちり
グルテン:フリー
こちらについては、グァーガムなどの増粘剤がないにもかかわらず、米のりを作らずに作れる不思議な仕様です。
グルテンフリー米粉パンは、各社とも仕様がかなり異なります。
最新機種の対応状況については、詳しくは、このブログの【ホームベーカリーの比較記事】にも書いています。
【米粉+小麦グルテン+ドライイースト】
13・こめの香 福盛シトギミックス20A【2個】
¥1,273 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
パンの食感
:ふわふわ★★★★★ もっちり
グルテン:含有
グリコの「こめの香 グルテン入り」は、米粉パンだけど、グルテン入りの製品です。
グルテンフリーより難易度は低く、よく膨らむので、とくにグルテンフリーにこだわりがないなら、失敗は少ないです。
もともと2種類ありましたが、「パンミックス」となる黄色は「生産終了」です。
グリコは、ピンクの代替利用を求めています。
ピンクは、小麦粉と小麦グルテンだけの製品になります。
ピンクについては、最近のパナソニックのホームベーカリーの仕様前提に作っていて、上のレシピで作れます。
そのほか、エムケー精工や象印もピンクを前提にしたレシピが載っています。
14・熊本県産米ミズホチカラ パン用米粉 2kg
¥1,920 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
パンの食感
:ふわふわ★★★★★ もっちり
グルテン:フリー
ミズホチカラは、国産の「ブランド米粉」になります。
パン・製菓用に独自開発されたお米で、米粉にするのに適したお米です。
製菓用のミズホチカラもありますが、パン専用のほうが、ホームベーカリーに向いてます。
なお、ミズホチカラをホームベーカリー使う場合のレシピは、製品裏に記載があります。
蔵年成分は、キャノーラ油を足してあげる方法です。
1-4・他の小麦材料の比較
つづいて、強力粉以外の「ブランド粉類」の紹介です。
通常のホームベーカリーでの「炊パン」では不要な材料ですが、フランスパンや米粉パンなどを作る際に利用する「上級材料」です。
15・北海道産 薄力粉 ドルチェ(富澤商店) 1kg
¥1,190 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
パンの食感(ハード系)
:ふわふわ★★★☆☆ もっちり
ドルチェは、国産の「薄力粉」になります。
これは、一部メーカー製品の「フランスパン風」パンを作る際に「ちょこっと」利用します。
ただ、強力粉ほど量は使わないので、ブランドの違いが味の違いに直結するかは、ホームベーカリーの場合「微妙」です。
ただ、遺伝子組み換えなどの安全性を気にする方には好評です。
ちなみに、象印の新型最上位機については、「薄力粉食パン」という挑戦的な自動メニューがあります。このブログの【ホームベーカリーの比較記事】にも書きました。

16・全粒粉 (富澤商店)1kg×2
¥1,598 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
パンの食感(ハード系)
:ふわふわ★★★☆☆ もっちり
全粒粉は、ダイエット目的の全粒粉入りパンを利用する際に用いるものです。
最近は、各社のホームベーカリーで軒並み対応しています。
以上は、エムケー精工のレシピです。
パナソニックも、パン用の全粒粉を125グラム、強力粉を125グラムというレシピでしたので、同量の強力粉で「割る」のが基本のようです。
全粒粉でパンを作るともっちりします
味は割とクセがあるので好みは分かれます。基本健康目的に食べるものでしょうね。
ちなみに、パナソニックの新型は、パン・ド・カンパーニュ(フランスパン)にも、全粒粉を使います。
1-5・イーストや天然酵母の比較
続いて、パン作りに欠かせないイーストについてです。
通常のドライイーストのほか、天然酵母パンを作る場合に必要な材料を含めて紹介します。
なお、天然酵母パンとは、欧米風のドライイースト(化学イースト)を利用して膨らますのではなく、日本独自の天然の酵母を利用して発酵させるというパンです。
酵母パンは、控えめながら酒粕系の香りがして、独特の味わいがあるのが特長です。
【3g×10】
17・サフ(赤)インスタントドライイースト
¥639 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
【3g×10】
18・サフ(金)インスタントドライイースト
¥864 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
【500g】
19・サフ(青)インスタントドライイースト
¥1,450 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
1・パンの味わい ★★★★☆
2・使いやすさ ★★★★★
3・風味の個性 ★★★☆☆
サフは、フランス産のドライイーストで、ホームベーカリー用として日本でも知られる製品です。
サフは、「赤」と「金」と「青」があります。
第1に、サフ「赤」は、通常のドライイーストです。
イースト臭が少なく、扱いやすいと言えます。
ただし、こちらは、粉に対して、糖分が推奨12%程度(=強力粉250gのレシピで砂糖30g以内)です(最大15%)。
そのため、「バターリッチな甘めの食パン(セブンの金の食パン系)」や、甘い具入りパン(レーズンなど)はうまく焼けない場合があります。
逆に、(製法的に砂糖を6g前後しか入れない)フランスパン風食パンなども、万能にこなすといえます。
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第2に、サフ「金」は、耐糖性が高い特別なドライイーストです。
こちらは、粉に対して、糖分が推奨20%程度までOK(=強力粉250gのレシピで砂糖50g)です。
そのため、具材入りパンや、甘いリッチパンに最適な製品です。
逆に、(製法的に砂糖をあまり入れない)フランスパン風食パンなどは、一般的に不向きと言えます。
糖分が5%(=強力粉250gのレシピで砂糖12.5g以下)のレシピでは使えないからです。
原理的に言えば、サフ「金」は、サフ「赤」より酵素が少ないので、粉の中のデンプンを糖化できず、イースト菌の「エサ(糖分)」が足りなくなるためです。
ーー
第3に、サフ「青」は、基本的に、「赤」と同じように利用できます。
ただ、赤に比べて、グルテンが弱い(ビタミンCで強化されていない)ので膨らみにくく、ホームベーカリー用としては少し扱いにくいです。
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結論的にいえば、基本的に、オーソドックスで値段も安めな「赤」で良いと思います。
ただ、個人的には、(具入りパンなど少し凝っても)膨らまない失敗が少ない「金」のほうが、初心者向けだと思います。
なお、(パンドミが標準のパナソニックを除く)たいていのホームベーカリーは、普通の食パン1回の使用量が3gなので、3gずつの個別包装のものをAtlasはオススメします。
小分けのものを買わないと、日本は湿潤のため、しけって駄目になってしまう(膨らまなくなる)ので、Atlasはこちらを愛用しています。
20・パイオニア ドライイースト 3g×30個
¥693 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
なお、他社の場合も、耐糖性の違いで、だいたい「赤」と「金」と分けている場合が多いです。
メーカー間の味は、日清のスーパーカメリヤ(ドライイースト)を含めて、さほどあまり味の違いは感じません。
21・白神こだま酵母ドライG 5g×8個
¥567 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
1・パンの味わい ★★★★☆
2・使いやすさ ★★★★★★
3・風味の個性 ★★★★☆
白神こだま酵母ドライGは、ホームベーカリーで最も手軽に天然酵母パンが楽しめるといえるドライ酵母です。
基本的に、ホームベーカリーに、ドライイーストの代わりに、5g投入するだけでパンが膨らみます。
味は、イーストパンに比べると、酵母の独特な味わいがあります。膨らみは、ドライイーストの方が優れますが、柔らかで、ほんのり甘いパンに仕上げられます。
手軽で格安なので、ドライイーストを普段買っている方が試すのに向きます。
ちなみに、パナソニックは2019年新型からこの酵母専用のオートメニューを追加しています。
同社の他機でも、参考になるでしょう。
【冷蔵便】
23・ホシノ天然酵母パン種 50g×5個入り
¥2,174 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
23・ホシノ丹沢酵母パン種 50g×5個入り
¥1,635 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
23・あこ有機培養酵母 ストロング / 250g
¥1,741 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
1・パンの味わい ★★★★★
2・使いやすさ ★★★★☆
3・風味の個性 ★★★★★★
天然酵母は、ホシノの天然酵母が有名です。
生種というのは、天然酵母のパン種で作る種のことを言いますが、それを作る際に必要なのが天然酵母のパン種です。
ドライタイプではない本格的なパン種なので、全てのホームベーカリーで対応できるわけではないです。
【ホームベーカリーの比較記事】で紹介したように、各社の上位機で「生だねおこし」ができる特別なホームベーカリーのみ対応できます。
ドライタイプの酵母に比べると、1日以上の準備期間が必要で、手間がかかります。
いくつか種類がありますが、それぞれ個性が異なります。
ホームベーカリーの場合と(本格的な)製パンの場合でちょっと変わるのですが、以下は、前者の場合です。
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第1に、ホシノ天然酵母パン種です。
最も有名で、オーソドックスです。
天然酵母は、酵母菌の状況で各社でバランスが変わります。
そのため、パナソニックをはじめするホームベーカリーは、最も普及している「ホシノの天然酵母パン種」を推奨(レシピの基本)している場合が多いです。
レシピは、例えばパナソニックのホームベーカリー場合、上表のようになります。
象印だと、このような感じです。
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第2に、ホシノの丹沢酵母パン種です。
天然酵母のパンで、その味もしますが、個性がやや薄いため、独特の酵母香をおさえたい場合は、こちらが向きます。
通常品に比べて、近所にはあまり売っていない「レア」製品です。
個性の強い「ブランド小麦」を利用する場合、こちらの方が小麦の味の特長を掴みやすいという利点はあるでしょう。
いずれも、独特の味の深みのある酵母の味が得られるため、市場から淘汰されることはないでしょう。
実際、この天然酵母パンのファンは多いです。
対応しているホームベーカリーを買ったら手間を惜しまず、一回は試して見るのも良いでしょう。
ーーー
第3に、あこ天然培養酵母です。
ホシノ天然酵母の弟子筋の方が、40年前から作っている天然酵母です。
食べ比べると、ホシノより酵母パン独特の甘みが感じられる気がします。いずれにしても、仕上がりの風味が異なるのが、天然ゆえでしょう。
ホシノの酵母を既に使ったことがある方が、試してみるのが良いと思います。
【生種】
24・ニッテン とかち野酵母 100g
¥964 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
【ドライ】
24・ニッテン ドライ とかち野酵母 5g×6袋
¥980 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
1・パンの味わい ★★★★☆
2・使いやすさ ★★★★★★
3・風味の個性 ★★★★☆
とかち野酵母 は、日本甜菜製糖(ニッテン)が、帯広畜産大学などが分離したエゾヤマザクラのサクランボ由来の菌株(AK46株)を利用した天然酵母です。
生種とドライ酵母両方があります。
野生酵母ですが耐糖性が高く、膨らみやすいという評判です。
ニッテンの標準レシピをみても、天然酵母では気持ち多めに書いています。(最近時間がとれないので)ドライ酵母を試しましたが、実際、ホームベーカリーでかなり膨らみますし、香り高いです。
もちろん、サクランボを感じられるわけではないのですが、白山ドライ酵母とは違う個性(酵母特有の香りが薄め)ですので、一度試されても良いかと思います。
1-6・バターの比較
続いて、バターの紹介です。
パンの食材のなかでは、小麦粉やイースト(酵母)に続いて、味わいの差をつけやすいと言える材料です。
25・ カルピス 発酵バター 食塩不使用450g
¥1,156 楽天市場 (4/3執筆時)
25・ よつ葉 発酵バター 食塩不使用450g
¥1,026 楽天市場 (4/3執筆時)
1・パンの味わい ★★★★★
2・使いやすさ ★★★★★
3・風味の個性 ★★★★★
バターは、パンの味を決める重要なポイントです。
ミックス粉などに添付される植物油脂(ショートニング)や、マーガリンを利用するより、遙かに美味しいパンができますので、重要視して欲しい部分です。
一般的にスーパーで売られている製品でも構いません。
ただ、普段パンに塗るバターは「有塩バター」です。
これでも、パンができないわけではないのですが、塩分が含有されるため分量に多少コツが必要です。そのため、通常は、無塩バターを用います。
おすすめは、無塩の「発酵バター」です。
発酵バターを使う場合、通常の無塩バターよりも風味豊かに仕上げることができます。分量はバターの場合と同様で問題ありません。
無塩の発酵バターはあまりスーパーに見かけませんが、ネットで手に入ります。カルピスや四つ葉乳業が出しています。
Atlasは、多少割高ながら、昔からパン作りにおいて定評のあるカルピスを購入することが多いです。ただ、小麦粉ほど、種類による差は感じないです。
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26・エシレバター 食塩不使用 100g
¥2,100 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
【250g×6個セット】
27・エシレバター発酵バター 有塩 無塩
¥9,980 楽天市場 (4/3執筆時)
1・パンの味わい ★★★★★★
2・使いやすさ ★★★★★
3・風味の個性 ★★★★★★
例外は、伝統的なフランスのエシレ村のバターでしょうが、ホームベーカリーにはもったいないです。
ここまで良いものは、有塩で塗った方が良い気がしますが、セットで安価に買えます。
1-7・食パンミックスの比較
続いて、初心者向けの食パンミックスを紹介します。
規格化された製品で、非常に簡単パンが作れる製品です。「限られた時間で、最大限美味しいパンを作る」目的での利用に向きます。
ミックス粉は、最近のホームベーカリーブームで、種類も豊富になっており、ますます便利で、美味しくなった印象です。
【15回分】
28・昭和 パンミックス 290g×15個
¥2,134 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
1・パンの味わい ★★★★☆
2・味の個性 ★★★★☆
3・飽きにくさ ★★★☆☆
昭和のパンミックスは、最も普及しているパンミックスで、スーパーでも見られる製品です。
食パンミックスは、ここまで紹介したような、全ての基本材料が入っています。
そのため、袋に書いてある分量の水を入れてパンケースに入れるだけで準備完了です。汎用的な製品ですので、どのメーカーの、どのホームベーカリーでも対応可能です。
パイオニア ドライイースト徳用 3g×30個
¥693 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
ただし、その場合でも、ドライイーストだけは別に必要ですので、準備しましょう。
【5回分】
29・食パンミックス(1斤分×5) SD-MIX100A
30・ソフト食パンミックス(1斤分×5) SD-MIX62A
¥1,018 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
1・パンの味わい ★★★★☆
2・味の個性 ★★★★☆
3・飽きにくさ ★★★☆☆
パナソニックの食パンミックスは、日清製粉とパナソニックが共同開発した専用の食パンミックスです。
普通の食パンミックスのほか、柔らかめのパンに仕上がるようにブレンドされたソフト食パンミックスがラインナップされます。基本的にパナソニック用ですが、他メーカーのベーカーリーでも普通に利用可能です。
また、パナソニックの場合、ドライイーストも小分けされて付いてくるので、このセットだけでそのままパンが作れます。
【5回分】
31・食パンミックススイートSD-MIX30A
32・フランスパンミックス SD-MIX23A
¥927〜 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
1・パンの味わい ★★★★☆
2・味の個性 ★★★★★
3・飽きにくさ ★★★☆☆
こちらも、パナソニックの食パンミックスです。
さきほどの製品に比べると多少「変わり種」で、スイートパンとフランスパンのミックスです。こちらも5回分で、ドライイーストも添付です。
なお、「フランスパン」については、薄力粉を使う関係で対応しないホームベーカリーもありますので、注意が必要です。こちらは一般的な食パンミックスと、ソフト食パンができる食パンミックスです。
【3回分】
33・プレミアム食パンミックス SD-PMP10
34・プレミアムフランスパンミックス SD-PMF10
35・プレミアム食パンショコラ味 SD-PMC10
¥909〜 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
1・パンの味わい ★★★★★
2・味の個性 ★★★★☆
3・飽きにくさ ★★★☆☆
Panasonic プレミアム食パンミックスは、同社のミックス粉のプレミアムモデルです。
3斤分しか付属しないですが、専門店メゾンカイザー・トラディショナルなどのパン専用の粉を使ったミックスです。
初心者が購入したホームベーカリーの実力を知るには最適の製品ですね。届いてすぐにパンを作ってみたかったら、とりあえず、これらのパンミックスを同時に買っておけば良いでしょう。
【5回分】
36・クオカ プレミアム食パンミックスセット
¥1,882 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
1・パンの味わい ★★★★☆
2・味の個性 ★★★★★
3・飽きにくさ ★★★★★
プレミアム食パンミックス 5種セット は、クオカから、販売されている食パンミックスです。
こちらは、【濃厚ミルク>・贅沢ブリオッシュ・北海道プレーン・ほっこりココア・<まろやか黒糖】というデザート系の食パンを作れる食パンミックスです。
それぞれ単品もありますが、セットで試してみると良いでしょう。
ドライイーストも同梱されるために、そのぶぶんでも手軽です。ただし、バターが必要です(有塩でも可)。
37・鳥越製粉 低糖質オーツブランミックス 1kg
¥2,580 Amazon.co.jp (4/3執筆時)
1・パンの味わい ★★★☆☆
2・味の個性 ★★★★☆
3・飽きにくさ ★★★☆☆
低糖質オーツブランミックスは、鳥越製粉が出している、低糖質ダイエット向けのパンミックスです。
オーツ麦の「ふすま」を利用した「茶色系パン」で、糖質が81%少ないとされます。食物繊維が13倍、タンパク質は3.5倍という、健康重視のかたが、ブランパンを作りたい場合手軽です。
材料的には、油脂を利用するわけですが、カロリーは(材料)100gで、275kcalですから、通常のパンの半分以下ですね。
なお、パナソニックなどの、イースト自動投入機がある機種でも、このタイプは、最初からイースト菌を入れてください。美味く膨らみません。
次回に続く
ホームベーカリー用の食材のおすすめはこの製品!
というわけで、今回は、ホームベーカリーの材料に注目して、各種製品を紹介してきました。
しかし、記事はもう少しだけ続きます。
1・ホームベーカリーの食材の比較 (1)
1-1・製パンの基本食材
1-2・強力粉 〈ブランド別〉
1-3・米粉〈パン用〉
1-4・薄力粉・雑穀〈パン用〉
1-5・イースト・天然酵母
1-6・バター〈銘柄別〉
1-7・パンミックス 〈各社〉
2・ホームベーカリーの食材の比較 (2)
2-1・プレミアム生食パン〈レシピ〉
2-2・食材 〈その他〉
2-3・最終的な「おすすめ」の提案
小麦の味わい ★★★★☆
ふくらみの良さ ★★★★★★
もっちり ★★★★☆
値段の安さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
続く2回目記事(こちら)では、パナソニックの提案を中心に、材料面の工夫によるホームベーカリーの「プレミアムレシピ」をし紹介したあと、ホームベーカリーに利用する、その他の食材を紹介します。
その上で、今回紹介した製品から、Atlasがオススメできる食材について、改めて提案します。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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