Top 炊飯器 比較2025’【美味しい】5.5合炊飯器55機の性能とおすすめ・選び方(2)

2025年07月02日

比較2025’【美味しい】5.5合炊飯器55機の性能とおすすめ・選び方(2)

1回目記事からの続きです→こちら

2-1・日立の炊飯器の比較

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 2回目記事のトップバッターは、日立の炊飯器です。

 日立は、パナソニックと似ており、「圧力」と「スチーム」にこだわったメーカーです。

1・5.5合炊き格安炊飯器の比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:パナソニック
 1-3:象印
2・5.5合炊き格安炊飯器の比較 (2)
 2-1:日立
 2-2:アイリスオーヤマ
 2-3:三菱電機
3・5.5合炊き格安炊飯器の比較 (3)
 3-1:タイガー
 3-2:東芝  
4・5.5合炊き格安炊飯器の比較 (4)
 4-1:ティファール
 4-2:シャープ
 4-3:Amazonベーシック
 4-4:最終的なおすすめの提案【結論】

 今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿って、各機を比較していきます。

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 なお、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。


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 【2024年発売】

 (通常型番)

 24・日立 RZ-Y100HJ-C
 24・日立 RZ-Y100HJ-H
  ¥26,619 楽天市場 (7/1執筆時)

 (特定店向け型番)

 24・日立 RZ-A100HJ W
 24・日立 RZ-A100HJ H
  ¥29,800 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.3気圧
内釜素材:黒厚鉄釜
内釜厚さ:
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:3段階

 RZ-Y100HJは、日立の圧力IHタイプの炊飯器です。

 同社はIH式やマイコン式の展開がないので、現行製品の最安品ともいえます。

 炊飯方式は、圧力IH炊飯です。

 かけられる圧力は、1.3気圧までです(107℃)

 圧だけで言えば、象印の圧力式の上位クラスと同じでありつつ、少し安めです。

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 ヒーターの段数は、「3重」と言えます。

 IHヒーターは下面に1団で、側面・ふたに補助ヒーターがある仕様です。

 2段以上のIHヒーターを使うパナソニックには負ける仕様ながら、全周断熱構造にすることで、蓄熱性を高める方向性での工夫が見られます。

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 使われている釜は、黒熱鉄釜です。

 蓄熱性のよい素材と、熱伝導性の良いアルミニウムを基材にしています。

 本機は厚みが不明ですが、同名の釜だった(旧)上位機(2.2mm)より軽いです。底の厚みを換えたり、アルミ層を厚くした可能性もありますが、実際的には、1クラス下の「1.6mm程度のグレード」と思っておけば良いかと思います。

 とはいえ、入門機としては必要十分で、フッ素も(従来より短い)3年ながら保証されます。

 ご飯の堅さは、しゃっきり・ふつう・もちもちが選べます。

 そのほか、おこわ、炊き込み、おかゆ、冷凍ご飯用などの各モードがあります。

 健康米系は、雑穀米、玄米、麦ごはんに対応しますが、さほど凝ってはいません。

 一方、おこげご飯は、炊き込みを含めて、明示的に炊くモードはないです。

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 ご飯の保温は、特別な機能性はないです。

 最大24時間ですが、美味しさを保つ特別な工夫はないです。

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 お手入れは、内釜、ふた加熱板(食洗機可)と、蒸気セーブ用の内釜用フィルターの3点です。

 近年はどの企業もですが、ふたの凹凸が少なくなり、圧力式でも洗い物が楽になっています。

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 蒸気カット機能は、ありません。

 ただ、先述のフィルタの工夫で、通常炊飯(特に少量時)でもかなりの割合でセーブされます。

 本機のワンポイントです

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 以上、日立のRZ-Y100HJなどの紹介でした。

 比較的安めの圧力式です。内釜も火力、炊き分けも、スタンダードクラスでは及第点といえる工夫がある上で、蒸気がある程度セーブされる点が「売り」と言えます。

  密閉空間で使わない限りそう結露しないと思います。その分「洗い物(フィルタ)」が1点増えるとは言えますが、ここを重視する場合、特に選択肢になるでしょう。

 ただ、保温については、イマイチ工夫が足りません。

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 【2021年発売】

 25・日立 ふっくら御膳 RZ-G10EM-T
  ¥20,800 楽天市場 (7/1執筆時)

炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:黒厚鉄釜
内釜厚さ:2.3mm
内釜保証:6年保証
保温機能:
堅さ調整:3段階

 なお、同社のこのクラスの旧機となるのがRZ-G10Eです。

 こちらは、内釜の厚みが新機種よりあり、コートの保証も6年と長いです。

 一方、圧力形状が旧式なので、1.2気圧と新機種より多少ですが弱いほか、全周断熱の記載がありません。

 また、構造が旧式なので、ふたキャップなど洗い物の点数が増えるのが難点です。

 蒸気セーブ機構は、本機もあります。 

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 結論的にいえば、安めの圧力IH式を探している場合、値段面で、他社の格安機同様に候補にはなります。

 ただご飯の味の部分では内釜の違いがあるにしても、おそらく、新機種のほうが良い(現代的)でしょう。日立で選ぶならば、新機種か、あるいは、次に見るスチーム式が良いかと思います。


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 【2020年発売】(在庫限り)

 26・日立 ふっくら御膳 RZ-X100DM-W
  ¥28,710 楽天市場 (7/1執筆時)

炊飯方法:スチーム圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.3気圧
内釜素材:黒厚鉄釜
内釜厚さ:(2.2mm
内釜保証:6年保証
保温機能:スチーム保温
堅さ調整:3段階

 RZ-X100DM は、日立のふっくら御膳シリーズの炊飯器です。 

 先ほどみた製品の1ランク上になります。

 ただ、発売時期の関係で(今のところ)そちらより安めに買えるという感じです。

 本機は、後継機の発表がなく廃止されるようですが、日立の炊飯器は旧機が割と長いこと市場に残る傾向なので、すぐ手に入らなくなることもないかと思います。

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 炊飯方式は、こちらは、スチーム圧力IH炊飯です。

 同社の上位機と同じです。

 かけられる圧力は、1.3気圧までです(107℃)

 象印と並んで、炊飯器では業界最高水準です。

 スチームは、パナソニックが撤退したので、現在では日立だけです。

 方式は独立の水タンクを要したパナソニックと違って、炊飯時の蒸気を上フタで貯めて、蒸らしの時にご飯に還元する「給水レスオートスチーマー」式です。

 現行機で言えば、パナソニック・三菱の下位機の「うまみ循環タンク・うまさカードリッジ」の拡大版といった工夫といえます。

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 スチームは、溜めた水分を炊飯終盤の「蒸らし」行程で放出するというものです。

 一義的には高温の持続性のための工夫でしょうが、おねば(甘み)の還元もねらったものでしょう。

 スチームの温度は最高107℃です。炊飯過程の終盤で水が少なくなった段階だと、圧による高温の維持が難しいので、その際に放出することで、釜内の高温の維持を図る工夫です。

 これにより、「外硬内軟(外はしっかり、中は柔らか)」という、日立が理想とする炊飯の方向性を実します。

 なお、圧力機構は可変せず、炊飯時の加圧・減圧はしません。

 日立の場合、炊飯中盤で沸騰時間を維持するために備えています。

 ヒーターの段数は、非公開です。

 見た感じでは2段IHで、側面にシーズヒーターが1本だと思います。

 いずれにしても、火力自慢の機種ではないです。

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 使われている釜は、本機も黒熱鉄釜です。

 厚みは非開示ですが、旧機は厚さ2.2mmでした。

 その水準で、軽量化した下位機よりは厚いといえます。

 いずれにしても厚み自慢ではないですが、内釜は6年保証ですし、コートは頑丈でしょう。

 ご飯の堅さは 標準モードのほかに、(極上)しゃっきり・ふつう・もちもちが選べます。

 あとは、雑穀米を含めて、下位機とは発売時期の関係で冷凍ご飯用がないほどの違いです。

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 ご飯の保温は、スチーム保温モードが搭載されます。

 スチームを使って効果的にご飯の乾燥を防ぐことが可能です。

 一度に炊きあげて、保温しておく人には欠かせない機能でしょう。

 この点では、この機種も高機能といって良いです。最大24時間まで対応します。


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 お手入れは、洗う必要があるのは、ご飯のお釜のほか、給水レスオートスチーマープレート蒸気キャップなど3点です。

 点数は3点ですが、加熱板とプレートを分ける方式なので、実際的には洗浄を要する部品点数は1点多いです。

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 蒸気カット機能は、機能として搭載です。

 同社の高級機は「ほぼ完全にカット」を謳い「蒸気カット」という表現を使います。

 本機は、完全にカットするわけではないので下位機同様に「蒸気セーブ」という表現です。

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 以上、日立の RZ-X100DMの紹介でした。

 火力と内釜の工夫は、この価格帯の平均値といったところです。しかし、メリット性が大きいスチーム圧力IH炊飯方式という部分が目を惹く製品です。

 炊飯傾向としては、「外硬内軟(外はしっかり、中は柔らか)」という同社の宣伝文句が示すように、お米が粒だってハリがあり、噛むと甘い性質です。

  しゃっきり系でハリのあるご飯が好きな方は、特に、選択する価値があるでしょう。

 そうした炊飯器は他にもライバルがあるわけですが「蒸気セーブ機能」と「スチーム保温モード」があるのは、本機のプラスアルファです。

 この機能があると便利なご家庭は、実際多いと思います。実際、家電店ではあまり目立たない機種ですが、個人的には佳作機であり、良作に思います。

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 なお、日立の炊飯器の場合、ネットで型落ちが長いこと安く売られる傾向にあります。

 そのため、このブログの【高級炊飯器の比較記事】の(冒頭あたりの中級機として)紹介した1ランク上の製品でも、型落ちならば、3万円以内で買える時期はあります。

 炊飯プログラムが上位になるほか、蒸気カットに完全対応です。

 スチーム圧力に興味を持った方は、後ほどそちらとも見比べてみてください。

2-2・アイリスオーヤマの炊飯器

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 つづいて、日本の家電メーカーであるアイリスオーヤマの炊飯器を紹介します。

 同社は、2016年からの炊飯器への参入です。シャープの技術者を受け入れて、白物家電の開発力を強化したそうです。


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 【2020年発売】

 【IH式:極厚火釜 3.1mm】

 27アイリス 銘柄炊き RC-IK50-B
 27アイリス 銘柄炊き RC-IK50-W
  ¥17,000 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

炊飯方法:IH式炊飯
圧力炊飯:
内釜素材:極厚火釜
内釜厚さ:3mm
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:9通り+銘柄炊き

 KRC-IK50は、アイリスオーヤマの炊飯器です。

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 炊飯方式は、IH方式です。

 格安機では一般的な方式で、すでに多くの他社機をみました。

 ヒーターは、2段です。

 構成は、上下に1段ずつのIHヒーターです。

 アイリスオーヤマは、もともとは下面火力重視の方針でしたが、近年、この方式になりました。

 理由は不明です。

 ただ、この変更は、どの企業の製品も「炊飯器の中で米は踊っていない」という新しい哲学を表明した時期と重なります。

 それをふまえれば、上下加熱で「熱ムラ」を防ぐ方が、ご飯は美味しく炊き上がるという新しい哲学に基づくものかと思います。

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 使われている釜は、3mmの極厚火釜です。

 アルミとステンレスのプレスのよくある釜ですが、厚みはしっかりあります。

 このコンビは、熱伝導性・蓄熱性を両立できるので、格安機だとよく使われます。

 コートは、内側に、フッ素加工があるだけです。

 他社と比べると、釜に遠赤外線を発生させる仕組みはないと言えます。この部分で言えば、上下の火力と釜の厚みに傾注し、あとの要素は全て削ったという製品にみえます。

 どうしてこの構造にしたのかの技術的理由については、もう少し知りたい部分がありますが、情報が少ないので、何とも言えません。

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 ご飯の堅さは、調整可能です。

 3通りの「かたさ系」の指標と、3通りの「食感系」の調整が可能です。

 組み合わせとしては、9通りの炊き分けが可能です。 

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 銘柄炊き分けも、対応です。

 格安な炊飯器では、最も速くこの機能を搭載したシリーズだったとも言えます。

 「コシヒカリ・あきたこまち・つや姫・ゆめぴりか・ひとめぼれ・ヒノヒカリ」6種類のお米を炊き分けるボタンが付属します。

 他の銘柄米は、これらのお米のどの傾向に近いかということで選びます。

 説明書に「どの米のモードが適しているか」の記載がありますが、実質的には「6銘柄炊き分け」とも言えます。ただ、かたさ・食感調整は、銘柄炊きでも可能ですし、使わなくなる類の機能ではないでしょう。

 そのほか、炊き込みご飯・おかゆ・おこわの各メニューがありますが、おこげご飯は非対応です。

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 健康米は、麦飯・玄米・雑穀米のほか、低糖質というモードがあります。

 低糖質は、水分量を多く含むよう、やわらかめに炊くので味はイマイチでしょう。最大2.5合です。

 ご飯の保温は、低温保存などの特定の機能はありません。

  お手入れ は、単純な構造の炊飯器なので、とりたてて問題は感じません。

 一方、アイリスオーヤマの場合は、フッ素加工を含めた内釜の保証は1年です。

 他社は3年ですので、短めです。実際保つかはともかく、長期保証を出している企業の方が、コートの堅牢性は担保されるでしょう。

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 以上、アイリスオーヤマのRC-IK50の紹介でした。

 物価高の中、IH式では、比較的値ごろ感を保っている機種です。

 保温と内釜の保証の部分は課題ですが、厚めの内釜を採用するほか、上下からのIHヒータ加熱など、性能面での個性も見られます。

 その上で、炊き分けが充実するというポイントもありますし、こうした部分でも他社機と勝負」できている機種です。

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 なお、同社のIH式には、他にもバリエーションがあります。

 順番にみておきます。

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 【2021年9月発売】

 28・アイリスオーヤマ 炊飯器 RC-IL50
  ¥12,800 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

 【2023年1月発売】(極厚銅釜)

 28・アイリスオーヤマ 炊飯器 KRC-IL50-DA
  ¥14,080 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

炊飯方法:IH式炊飯
圧力炊飯:
内釜素材:極厚火釜
内釜厚さ:3.1mm
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:9通り+銘柄炊き

 第1に、RC-IL50です。

 同社に多い、炊飯器の枠組みに止まらないタイプのIH式炊飯器です。

 本体色は、グレー(RC-IL50-H)とホワイト(RC-IL50-W)とブラック(RC-IL50-B)、ブラウン(RC-IL50-T)です。

 ブルー(KRC-IL50-DA)は流通ルートが違う製品で、釜がこちらだけ3mmの「極厚銅釜」なので、仕様はやや良いです。

 形状は、先ほどの機種と違い、ハンドルがない仕様で、持ちはこびは前提にしない製品です。

 最近は、生活スタイルの変化もあり、このタイプが増えています。

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 機能面での特徴は、低温調理機能と、パン・ケーキ機能です。

 パン・ケーキ機能は似たような機能をたまに見ますが、低温調理機能は、炊飯器としては初めてかと思います。

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 ようするに、水を張った状態の炊飯器について、温度センサーで温度管理ができる仕様にしています。そのため、(ジップロックした)豚肉などでローストビーフを定温調理することで、ローストビーフなどができます。

 そのほか、甘酒ほか、ヨーグルト・発酵食品の調理も対応します。

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 銘柄炊き分けは、50銘柄です。

 ただ、先述のように、実質「6銘柄」であるので、明確な違いではないです。

 このほか、(硬めでうまみがないので)味はともかくとして、食物繊維を「2倍」残せる食物繊維米モードという炊き方に対応できます。

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 内釜は、同じ極厚火釜です。

 釜の厚みは3.1mmです。

 ただ、先ほどの機種と比べると、ステンレスにアルミ2層で、3.1mmなので、すこし厚めです。

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 結論的にいえば、ハンドルがない形状に問題ない場合は、先ほどの機種ではなく、こちらを選んでも良いように思います。価格がこちらのほうが安い時期ならばなおさらです。

 炊飯機能の面は、そう大きな特長はないにせよ、「色々料理を楽しめる」という部分では「あり」といってよい製品です。

 ただし、本機も、内釜のコードの保証年数が短いのと、保温部分は強くないので、そこは気をつけてください。料理に使う場合、成分によってはコートにダメージが行きやすいので、個人的には、他社の様な3年保証は欲しい気はします。

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 【2025年発売】

 (通常色:各色)

 29・アイリスオーヤマ 炊飯器 RC-ILA50
  ¥15,484 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

ホワイト:RC-ILA50-W
ブラック:RC-ILA50-B
グレー: RC-ILA50-H
グリーン: RC-ILA50-G
クレイベージュ: RC-ILA50-HC

炊飯方法:IH式炊飯
圧力炊飯:
内釜素材:極厚火釜
内釜厚さ:2mm
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:3通り+銘柄他機

 第1に、RC-IAL50です。

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 1つ上のシリーズをコンパクトにしたモデルです。

 5合炊きですが、同社の3合炊きとほぼ同じサイズです。

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 火力は、IHの段数、補助ヒーターの数などは非公開です。

 若干、消費電力が少なめの表記なので、他機と変わっている可能性はあります。

 内鍋は、ただ、2mmの極厚火釜です。

 アイリスオーヤマは割と厚めの場合が多いですが、コンパクト化の犠牲でしょう。

 ただ、フッ素層の内側に耐久性を高めるためプライマー層(下地)を設けるなど(熱伝導などはともかく)耐久性には配慮があります。

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 料理機能は、本機もあります。

 ただ、低温調理が不可で、メニュー自体も、常温系に変わっています。

 そのほか、炊き分けは3種の食感、健康米も、玄米と麦版・雑穀米とシンプル化します。

 銘柄炊きは、食感と併用不可ですが、可能です。

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 結論的にいえば、5.5合炊きが欲しいが、炊飯器のサイズは小さい方が良いという場合「のみ」選択肢にできるでしょう。内釜の厚さ

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 【2023年発売】

 30アイリス 銘柄炊き SHK-LS110-B
  ¥14,374 楽天市場 (7/1執筆時)

 【エディオン限定】SHKED50E3W

 30・アイリス 銘柄炊き SHK-ED50E3-W
  ¥13,800 楽天市場 (7/1執筆時)

炊飯方法:IH式炊飯
圧力炊飯:
内釜素材:極厚火釜
内釜厚さ:(3mm)
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:3通り+銘柄炊き(併用不可)

 第2に、SHK-LS110です。

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 同じく、極厚火釜を採用するモデルですが、特定店向けです。

 23年モデルは釜の厚みの言及がないです。

 ただ、同じシリーズ名ですので、構成を極端に換えることは誠実さに欠けますので、それは(おそらく)ないと思います。3mm前後でしょう。

 食感炊き分けは、かため、ふつう、やわらかと3通りです。

 銘柄炊きは50種ですが、先述のように、実際は6銘柄です。

 また、このグレードは、触感と銘柄の併用もできません。

 雑穀系も、麦飯・玄米・雑穀米のみで、低糖質がないです。

 一方、限定版が複数あります。

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 エディオン限定モデルは、色がホワイトです。

 その上で、冷凍ご飯に最適な炊飯モードと、「煮込み・発酵・パン/ケーキ・炊飯系」の4系統について、自動調理メニューがあります(20レシピ)。

 詳しいレシピは【アイリスオーヤマのサイト】で確認できます。

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 結論的にいえば、機能面をシンプル化して、調達価格を抑えた製品と言えそうです。

 値段が安ければ、選択肢になるでしょう。

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 【2023年発売】

 31・アイリス 銘柄炊き RC-IGA50-C
 31・アイリス 銘柄炊き RC-IGA50-HA
  ¥17,054 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

 31・アイリス 銘柄炊き RC-IGA50-W  
  ¥15,800 楽天市場 (7/1執筆時)

 【Amazon限定色(青)】

 31・アイリス 銘柄炊き RC-IGA50AZ-DA
  ¥17,800 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

炊飯方法:IH式炊飯
圧力炊飯:
内釜素材:極厚火釜
内釜厚さ:(3mm)
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:4通り+銘柄炊き(併用不可)

 第3に、SHK-LS110です。

 こちらは、炊飯には、ここまでの機種とほぼ同じですが、調理の自動メニュー充実させたモデルです。

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 メニューは、【アイリスオーヤマのサイト】に詳しいですが、40レシピです。

 材料を仕掛けておけば、自動で調理されるもので、このブログの【全自動調理機の比較記事】のライト版のようなものになります。

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 調理パターンは、炊く、煮る、(パンの)ベークの自動調理ほか、手動を含む温度調理(40-95度)に対応するので、お肉など低温調理系レシピが充実するのが売りです。

 95度での煮込みにも利用できますので、スロークッカー的にも使えます。

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 加えて、「フェイクライス」の炊飯ができます。

 【糖質カット炊飯器の比較】で以前紹介した旧型にもありましたが、野菜や豆腐を利用した、ご飯が炊けます。むろん、美味しく食べるむけではなく、目的があって食べるものです。

 内鍋は、こちらも、極厚火釜です。

 厚みは、非開示ですが、おそらく、3mm前後でしょう。

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 炊き分けは、銘柄50種類です。

 銘柄は、こちらも「こしひかり・あきたこまち・つやひめ・ゆめぴりか・ひとめぼれ・ヒノヒカリだけの選択で、その他の米は、これらのお米の性質に似たモードを利用することになります。また、選んだ場合、食感調整も、同時にできないものです。

 食感調整は、4種類です。

 ふんわり、もっちり、ふつうと、炒飯などに適する「粒立ち」という炊き方です。

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 結論的にいえば、むしろライバルは、アイリスオーヤマの製品を含めて、【全自動調理機の比較記事】に書いたような製品です。

 炊飯器としては、IH式の1万円前後の炊飯器としてであり、下位機との価格差は、自動調理ができる部分だけです。

 「炊飯の味が中心」の設計ではあるので、自動調理を目当てに買う場合良いでしょうが、おかずを作ると同時に炊飯できない部分は、選ぶ場合の注意点です。

 とはいえ、ご飯を冷凍(冷蔵)しておけば、良いかなと思います。そのために本機に「冷凍ご飯モード」があるのだとも言えます。

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 【2023年発売】

 【Amazon.co.jp限定】

 32・アイリス RC-ISA50AZ-HA
  ¥13,999 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

 32・アイリス RC-ISA50-B
 32・アイリス RC-ISA50-W
  ¥8,980 楽天市場 (
7/1執筆時)

炊飯方法:IH式炊飯
圧力炊飯:
内釜素材:極厚火釜
内釜厚さ:(3mm)
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:3通り+銘柄炊き(併用不可)

 第3に、RC-ISA50AZ-HAです。

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 同じく、極厚火釜を採用するモデルです。

 しかし、他社にも見られる「おひつ形状」です。

 1つ上で見た製品と同じ、50銘柄(実際は6銘柄)で、食感「かため、ふつう、やわらか」の炊き分けなので、中身は、同じと考えて良いでしょう。

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 【2023年発売】

 33・アイリスオーヤマ RC-MDA50B-B
 33・アイリスオーヤマ RC-MDA50B-W
  ¥8,380 楽天市場 (7/1執筆時)

 【Amazon限定色】(黒)

 33・アイリスオーヤマ RC-MDA50AZ
  ¥8,999 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

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 【2025年発売】(銘柄炊き分けなし)

 33・アイリス 銘柄炊き RC-BMA50-B
 33・アイリス 銘柄炊き RC-BMA50-W
  ¥8,300 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

炊飯方法:マイコン式
圧力炊飯:
内釜素材:極厚火釜
内釜厚さ:3mm
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:3通り+銘柄炊き(併用不可)

 第4に、 RC-MDA50Bなどです。

 比較的安めですがマイコン式です。

 火力も(上下ヒーターながら)約半分の645W(角形650W)となります。

 価格相当の差があるので、おすすめはしません。

 なお、RC-BMA50はその下位機種で、銘柄炊き分けもないです。

 いずれにしても、味の部分で、選択肢に加える必要はないでしょう。


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 【2020年発売】

 【極厚銅釜 3mm】

 34・アイリスオーヤマ KRC-PD50-T
  ¥27,960 楽天市場 (
7/1執筆時)

 【極厚火釜 3mm】

 34・アイリスオーヤマ RC-PD50-W
 34・アイリスオーヤマ RC-PD50-B
  ¥16,800 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

 34・アイリスオーヤマ RC-PDA50-B
  ¥16,970 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.25気圧
内釜素材:極厚銅釜
内釜厚さ:3mm
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:9通り+銘柄炊き

  KRC-PD50は、アイリスオーヤマの炊飯器の上位モデルです。

 3機種あります。

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 KRC-PD50-Tは、この中では上位機と言えます。

 内釜が極厚銅釜ですので、熱伝導率の部分で上位です。

 付属品に洗米棒がつくほか、液晶バックライトが付くなどの点で上位仕様です。

 KRC-PD50は、中位機です。

 釜に銅が使われない3.1mmの極厚火釜ですので、熱伝導率などの部分でがあります。

 あとから出た、RC-PDA50-Bは3mm表記ですので、コストカットがあるかもしれません。

 RC-PA50は、下位機です。

 釜は極厚火釜(3.1mm)で、さらに、銘柄は選べますが、炊き分けはできない仕様です。

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 結論的にいえば、銅コートの採用は、効果の面で無視できないですし、このなかでは上位機が良いかと思います。

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 炊飯方式は、圧力IH炊飯です。

 かけられる圧力は、最大1.25気圧・105度です。

 冒頭紹介しましたが、通常のIH炊飯器より「ふっくら粘る」系の炊飯が得意な方式です。

 発売当時この値段で圧力式が買えるのは、Atlasも「驚き」でした。

 IHヒーターの段数は、こちらも2段です。

 先ほど書いたように、近年のアイリスオーヤマ気は、上と下にIHヒーターを配置して挟む形式に、変更しているようです。

 使われている釜は、上位機は、アルミに銅コートの極厚銅釜で、それ以外は、ステンレスとアルミのプレスとなる極厚火釜です。

 他社の場合、圧力式を採用する機種は、総じて釜の厚みが薄くなります。3mmという厚みを圧力式に利用している部分は、わりと評価できます。

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 ご飯の堅さは、かたさ系と食感系で、9通りの炊き分けが可能です。

 もちろん、40種類のお米の銘柄炊きにも対応です。

 ここまでは、下位機種と同じですが、圧力炊飯である利点で、おこわほか、カレー・おむすび・冷凍ご飯などに最適化したメニューも加わります。

 健康米は、玄米・麦飯・雑穀米などに対応です。

 本機も、おこげご飯には非対応です。

 ご飯の保温は、引き続き、弱い部分です。

 こちらも低温保存などの特定の機能はありません。

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  お手入れ は、圧力炊飯器の場合、弁がある分、一手間かかります。

 他社の圧力炊飯器は構造が単純化してきていますが、アイリスオーヤマについては、少し突起部が多いです。

 とはいえ、通常の洗い物のレベルには収まるので、ストレスになることは少ないでしょう。

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 以上、アイリスオーヤマの KRC-PD50の紹介でした。

 この価格帯で、圧力IHを採用し、釜の厚みをキープし、複数の炊き分けにも対応させたのは、高く評価できます。

 後発メーカーですが、仕様面で言えば、この値段クラスの中では「そつがない」と言えます。

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 【2024年発売】

 【極厚銅釜 2mm】

 35・アイリスオーヤマ RC-PGA50-W
 35・アイリスオーヤマ RC-PGA50-B
  ¥24,468 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:極厚火釜
内釜厚さ:2mm
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:4通り+銘柄炊き

 なお、アイリスオーヤマからは、2024年にRC-PGA50という別の圧力炊飯器が出ています。

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 こちらは、圧力が1.2気圧、内釜が「2mmの極厚火釜」で、火力も1130Wです。

 この部分で言えば、少なくとも、炊飯部分は先ほどの機種の廉価版です。

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 銘柄炊き分けは、50種類です。

 しかし、先述のように、基本となる6種類のお米以外は、似た特徴のお米に「合わせる」表が説明書に記載されるものであり、同じです。

 逆に食感調整が4種類に減っています。

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 あえていえば、自動調理(31種)・温度調理(95℃と40−75℃)ができる部分が売りですが、特段、低圧が出せる部分を活かしたレシピでもないので、訴求がイマイチです。

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 結論的にいえば、少なくとも、ご飯の味を期待する場合、アイリス機を選ぶとしても他機が良いでしょう。


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 【2022年発売】(2023年追加)

 【上位機】RC-PJ50-B後継

 36・アイリス 技炎かまど炊き KRC-PCA50-B
  ¥51,822 楽天市場 (7/1執筆時)

 【下位機】(IH式)

 36・アイリス 技炎かまど炊き RC-ICA50-H
  ¥19,800 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

 36・アイリス 技炎かまど炊き KRC-ICA50-B
  ¥23,095 楽天市場 (7/1執筆時)

炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:
内釜素材:極厚銅釜
内釜厚さ:3mm
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:9通り

 KRC-PCA50などは、アイリスオーヤマの炊飯器の上位モデルです。

 技炎かまど炊きというシリーズ名です。

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 このシリーズに共通する注目機能は、量り炊きです。

 ご飯の重量から、適切な水量を教えてくれるというものです。

 ただ、お米の水分量は、銘柄ほか、季節によって変わるので、あまり意味がない気もします。ただ、よそったご飯との重量差でカロリー表示する部分が、便利かと思います。

 一方、RC-ICA50-Hは、下位機です。

 炊飯方法が、圧力を使わないIH式になります。

 性能差が大きいと言えます。炊飯メニューでも、「おこわ」が炊けない機種です。流通ルートの違いで型番が異なるKRC-ICA50-Bも同じです。

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 結論的にいえば、性能で言えば、上位機を選ぶべきでしょう。

 下位機は、おそらく物価高で追加された製品ですが、本体自体は上位機と同じなので、元々の設計は上位機を基にしているでしょうし、その部分でもそう言えます。

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 炊飯方式は、下位機種を除いて圧力IH炊飯です。

 火力は上位機は1230Wです。

 中位機以下は1130Wなので、この部分でも上位機と差があります。

 IHヒーターの段数は、どれも2段です。

 こちらも、上下1段ずつのIHヒーターで、鍋を加熱していく方式です。

 先述のように、熱ムラの少なさを重視するための工夫だと思います。

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 かけられる圧力は、不明です。

 ただ、弁の形状は同じなので、従来機(1.25気圧・105度)と同じかと思います。

 一方、炊飯時の温度推移表としてみると、新機種のほうが最大温度が低めなので実際、さほど使っていないようです。

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 これは、今回、かまど炊きの再現を狙ったプログラムにした結果です。

 おそらく、沸騰温度(100度)を持続させるために、圧を「ちょっぴり」利用するようなイメージでしょう。発想として「あり」かと思います。

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 使われている釜は、3mmの極厚銅釜です。

 この種の多層加工はパナソニックの「専売特許」的な部分がありましたが、アイリスオーヤマも新規採用した形です。

 なお、すでに在庫のない旧機は、プライマー部分がダイヤモンドコートで3.1mm「6層遠赤ダイヤモンド厚釜」でしたので、わずかにスケールダウンではあります。

 とはいえ、、 (低圧かもしれませんが)圧力式としては厚みがかなりありますし、最近の原料高をふまえると、銅コートは贅沢とも言えます。

 いずれにしても、下位機との値段差は、この部分の部材費が大きいでしょう。

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 ご飯の堅さは、かたさ系と食感系で、9通りの炊き分けが可能です。

 もちろん、6種類(50銘柄)のお米の銘柄炊きにも対応です。

 加えて、先ほどIH機でもみた(ローストビーフが作れる)「低温調理機能」と(普通のご飯の食物繊維量をあげる)「食物繊維米モード」も搭載です。この部分で言えば、諸タイプをひっくるめた「同社の上位機」と言えます。

 なお、「おこげご飯」には非対応です。

 健康米は、本機も、玄米・麦飯・雑穀米には対応で、カレー・寿司飯と、先述の低糖質ごはんの炊飯もできます。、

 ご飯の保温は、引き続き、弱い部分です。

 こちらも低温保存などの特定の機能はありません。

  お手入れは、圧力式・IH式ともに、下位機種同様です。

 特段問題ないでしょう。

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 以上、アイリスオーヤマのKRC-PCA50などの紹介でした。 

 圧力IH式の上位機のほうは、同社のこれまでの炊飯器の「集大成」的に思えます。

 売りの機能を「全部詰め込んだ感」があります。

 このクラスは他社に競合機も多いですが、やはり勝負できています。一度、試食してみたいと思いました。

2-3・三菱電機の炊飯器の比較

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 続いて、三菱電機の製品です。

 三菱電機は面白い形の炊飯器を出しています。


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 【通常型番】

 【2024年6月発売】

 37・三菱電機 備長炭 炭炊釜 NJ-VS10G-W
 37・三菱電機 備長炭 炭炊釜 NJ-VS10G-B
  ¥26,099 Amazon.co.jp (9/26執筆時)

 (エディオン系限定)

 37・三菱電機 備長炭 炭炊釜 NJ-VS10GS-W
  ¥34,800 楽天市場 (7/1執筆時)

 【2023年発売】

 37・三菱電機 備長炭 炭炊釜 NJ-VE10G-W
  ¥30,700 Amazon.co.jp (9/26執筆時)

炊飯方法:IH炊飯+水還元
圧力炊飯:
内釜素材:ダブル備長炭コート熾火2層厚釜
内釜厚さ:2.5mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:3段階

 NJ-VS10G三菱電機の入門機です。

 新旧機種やオリジナルモデルどかなりのバリエーションがあります。

 そのため、各機の違いをはじめに確認しておきます。

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 2024年機は、内鍋の備長炭がコートが二重になりました(ダブル備長炭コート・熾火)。

 また、従来上位機だけだった胴回りと内ぶたの炭コートも加わりました。遠赤効果による熱浸透性の部分で性能は強化されそうですが、値段差ほどの機能差はないです。あとは、冷凍ご飯(作り)向けモードが加わった程度です。

 なお、エディオン限定型番(J-VS10GS)があります。通例、「おまけ要素」が付く場合があるのでうが、今年はようです。値段で決めてOKです。

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 2023年機は、コートの部分で新機種と差があります。

 2重コートでないので、内釜が2.0mmと少し薄いです。

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 結論的にいえば、24年機に新要素はありますが、2023年・2022年の型落ちが、安めで良いかなと思います。

 ただ、次にみる上位版との価格差は見てください。

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 炊飯方式は、IH式です。

 同社は、高級機を含めて全部、圧力やスチームは使わない方針です。

 かまど炊きのご飯を再現する上で、圧力を使うのは「不自然」であるという立場です。

 一方、パナソニックと似ますが、「おねば」を戻すうまさカートリッジを備えます。

 炊飯器は、火力だけ強くしても蒸気口から吹きこぼれますのでそれを防ぐためです。

 この仕組みにより、連続沸騰させられる時間が延びるほか、蒸気の中の甘み成分(おねば)を、還元して戻せます。

 圧力を使わずに「ふっくら・甘みのある」ご飯の炊飯を実現するための工夫です。

 こちらは、「かまど」でもふたについた蒸気が戻りますし、自然という判断でしょう。IH式のなかでも、「しゃっきり系」「かためでハリのある」のご飯は特に得意な機種です。

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 ヒーターの段数は、IHシーズヒーターを合計して「7本」との数字です。

 IHヒーターは下面に3段で、側面とふたに、シーズヒータを4段搭載します。合わせて、「7重全面加熱」です。

 パナソニック同様の「火力重視」の炊飯器ですが、パナソニックは、「IHヒーターだけで5本」なので、実際の火力は、パナソニックのほうが上位でしょう。

 とはいえ、三菱は、タイガーのような底面加熱を重視しつつ、パナソニックのような全面加熱も併用する、折衷的な思想を持つとも、表現可能です。

 いずれにしても、火力は十分に期待できます。

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 使われている釜は、「ダブル備長炭コート熾火2層厚釜」になります。

 先述のように、24年から備長炭コートが2重となりました。

 コーティングを炭(炭素)で行うことで熱伝導率を高め、沸騰温度を維持し、旨みを引き出す仕組みです。

 釜の厚さも2.5mmの厚みで十分です。ただし、次にから見る上位機は、この部分の工夫がより上位になるので、比較は必要です。

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 炊き分けは、食感としてかためふつうやわらかの3種です。

 堅さの調整は、火加減ほか、三菱独自の技術「可変超音波浸水」技術でなされます。

 2種の超音波の併用により米への水分浸透率を調整するというものです。

 どこの硬さの炊飯でも、旨み(甘み)を引き出すための技術といえそうです。

 一方、「おこげご飯」は対応しません。

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 健康米系は、モードで言えば、玄米のみです。

 水位の調整で発芽米・麦飯にも対応できますが、専用モードではないですし、さほど力をいれません。

 そのほか、珍しいところでは粘りを控えめに炊く、炒飯モードがあります。

 ご飯の保温は、ご飯の温度を「低め」に設定することで乾くのを防ぐ「食べ頃保温」モードが付いています。

 これは簡易的な機能であまり高機能ではないです。

 お手入れは、洗う必要があるのは、ご飯のお釜と放熱板です。

 IH式なので洗う点数が少なく楽です。放熱板についているカードリッジは開けて洗う必要がありますが、さほどの手間はかかりません。

---

 以上、 三菱電機NJ-VS10Gの紹介でした。

 基本的には、ハリのあるかためのご飯が好きな方に合う製品です。

 ただ、「うまさカートリッジ」の工夫ほか、可変超音波吸水を備えることで、IH式としては、柔軟な食感調整ができる機種です。

 これらの調整力で、IH式としては、旨みも引き出せますし、「もちもち、粘る」系も無難に対応できます。

 (堅めだけでなく)どの食感でも、美味しくと言う方向性の場合は、可変圧力IH式のほうが合うでしょうが、そこまでではない場合、本機は候補になります。

 また、掃除が楽なのでできるだけ食器洗いに時間をかけたくない人にもおすすめできます。

 ただし、健康米の炊飯と保温部分は弱いので、そこは注意点です。

ーーー

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 【通常型番】

 【2023年発売】

  38・三菱電機 炭炊釜 NJ-VV10F-B
  ¥33,099 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

 【2022年発売】

  38・三菱電機 炭炊釜 NJ-VVD10-B
  ¥39,800 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

炊飯方法:IH炊飯+水還元
圧力炊飯:
内釜素材:ダブル炭コート5層圧釜
内釜厚さ:3.5mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:3段階

 なお、2023年までは、1グレード上となる製品がありました。

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 比較する場合、こちらは、内釜が、3.5mmのダブル炭コート5層圧釜です。

 新機種だと、次に見る上位機から搭載される釜なので、装備が少し良いです。

 あとは、目に付く違いはないです。

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 結論的にいえば、型落ちを含めて1つ上の製品より安いようならば、内釜の品質がよいこちらを選ぶと良いでしょう。


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 【2024年6月発売】

  39・三菱電機 炭炊釜 NJ-VP10G-B
  39・三菱電機 炭炊釜 NJ-VP10G-W
  ¥33,487 楽天市場 (7/1執筆時)

 【2023年発売】

  39・三菱電機 炭炊釜 NJ-VX10F-B
  39・三菱電機 炭炊釜 NJ-VX10F-W
  ¥40,841 楽天市場 (7/1執筆時)

 【2022年発売】

  39・三菱電機 炭炊釜 NJ-VXD10-B
  ¥46,000 Amazon.co.jp (7/1執筆時)

炊飯方法:IH炊飯+水還元
圧力炊飯:
内釜素材:ダブル炭コート5層圧釜
内釜厚さ:3.5mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:3通り+銘柄炊き

 NJ-VP10Gは、三菱電機の中位機です。

 今回の基準化すると若干高めですが、同社の上位機とは内釜の種類が変わってくるので、こちらでみています。

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 ヒーターは、下位機との違いです。

 こちらは、8重となります。

 IHヒーターが下面に3段と、シーズヒーターが5段の総計「8重」です。

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 コートも、内釜や胴回りだけでなく、内ぶたまで炭コートがなされ、遠赤効果が期待できる仕様になります。

 熱源の違いと、コートの違いで、炊けるご飯の味は、下位機に比べて「1グレード上」であるのは確かです。

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 センサーは、上部にも温度センサー(ダイレクトセンサー)が付属します。

 基本的には上部の温度を見ることで、お米の季節変化(水分量)に合わせて作動するために付きます。

 ここまでの製品も同じ仕組みがありますが、このグレードの場合、この機能活かした「低温調理メニュー」があります。

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 65℃〜85℃で調理可能なレシピ(サラダチキンなど)の調理ができるというものです。

 ボタンで温度・時間設定ができるので、それ以外のアレンジもできるかと思います。

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 内釜は、同社の高級機とは下がりますが、先ほど下位機より上等です。

 厚み3.5mmと極厚で、5層構造のダブル炭コート5層圧釜を採用します。

 下位機は、コートを除くとアルミとステンレスの2層でしたので、その部分で品質が上です。

 胴回りのコートと外装に備長炭コートも2重にあるので、この部分で上位と言えます。 高い遠赤効果が期待できますから、ご飯をよりふっくら炊けるでしょう。

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 ちなみにこのグレードより1ランク上だと(本当の炭から作られる)本炭釜です。【5.5合の高級炊飯器の比較記事】の方で取りあげている製品です。

 コスト的にそこまでは無理だが、プレス技術でできるだけ再現を目指した製品と言えるでしょう。

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 その上で、先述の「可変超音波浸水」技術も引き続き使われます。

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 炊き分けは、3種類の食感です。

 しかし、24年の新機種からは、7種ながら銘柄炊き分けに対応しました。

 ただ、高級機に比べると簡易的で、食感調整との併用ができません。

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 健康米は、玄米モードに加えて、麦飯にも対応します。

 そのほか、長粒米モードが付くのが違いです。

 このモードを利用して、中華粥などもできます。

 あとは、1つ上で見た、下位機と変わりませんので、説明は省略します。

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 以上、三菱電機NJ-VP10Gの紹介でした。

 価格的に若干高めですが、ヒーターが強力な上で、内釜のコーティングと、とくに厚さが3.5mmと増しています。

 三菱は圧力式ではないので、こうした部分の工夫はとくに重要で、下位機とはしっかり性能差があります。

 「かため」で「しゃっきり」したご飯から「ふっくら・甘みのある」ご飯の炊飯まで、1万円代の普及価格帯の炊飯器よりもワンランク上の炊飯が可能でしょう。

今回の結論
5.5合炊きの炊飯器のおすすめは、結論的にこれ!

 というわけで、今回は、比較的安めの5.5合炊き炊飯器の比較の2回目記事でした。

 しかし、記事はまだまだ「続き」ます。

 201807272124.jpg 

3・5.5合炊き格安炊飯器の比較 (3)
 3-1:タイガー
 3-2:東芝  
4・5.5合炊き格安炊飯器の比較 (4)
 4-1:ティファール
 4-2:シャープ
 4-3:Amazonベーシック
 4-4:最終的なおすすめの提案【結論】

 続く3回目記事こちら)では、タイガー・東芝の製品を引き続き紹介します。

もちもち炊飯  ★★★★★
しゃっきり炊飯 ★★★★★
ご飯の甘み   ★★★★★
保温性能    ★★★★★
手入れの手軽さ ★★★★★
総合評価    ★★★★★

 その上で、最終回となる4回目記事こちら)では、「結論」として、全機種から目的別・予算別に最もオススメでできる機種を選定していきます。

 引き続きよろしくお願いします。

 3回目記事は→こちら

posted by Atlas at 11:44 | 炊飯器

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